JP3324909B2 - 電子レンジ加熱用食品包装材 - Google Patents

電子レンジ加熱用食品包装材

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JP3324909B2 JP19744495A JP19744495A JP3324909B2 JP 3324909 B2 JP3324909 B2 JP 3324909B2 JP 19744495 A JP19744495 A JP 19744495A JP 19744495 A JP19744495 A JP 19744495A JP 3324909 B2 JP3324909 B2 JP 3324909B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子レンジ加熱用の食品
包装袋を構成する食品包装材に関し、特に該包装材を構
成する内層のメルトブローン層と中間層のパルプ繊維シ
ート層との接合強力が優れ、該包装材を使用してヒート
シール方式で食品包装袋を形成加工する際の加工速度に
優れ、かつ、得られる食品包装袋としても破損率の低い
ものとすることができる食品包装材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、食品包装技術の発達や電子レンジ
の普及に伴って、いったん予備調理した食品、例えばホ
ットドック、ハンバーガーやコロッケ、中華まんじゅう
やシューマイ、さらには焼き鳥、焼き魚等といった食品
を包装袋に封入して温め直し飲食に供したり、あるい
は、ピラフやチャーハン等の冷凍米飯類をその包装袋の
まま解凍し温めて飲食に供することは、家庭内で、ある
いは外食レストラン等で日常的に行われる手段となって
きた。
【0003】ところで、前記の、例えばホットドックや
ハンバーガーの如き非冷凍食品を電子レンジで温め、飲
食に供することを想定する場合、その内容物が漏れ出さ
ないようにフィルムからなる袋に入れて保管し、飲食時
にはそのフィルム袋に入れたままで電子レンジにかけて
温め、飲食に供される。また、前記の冷凍米飯類の場合
も、接合強力のあるフィルム袋、一般的には、ポリエチ
レン、ポリエステル、または酢酸ビニル系のフィルムか
らなる袋に封入されて供給されている。
【0004】しかし、これらのフィルムは、それ自体に
吸湿機能や吸水機能が無いために、加熱された固形食品
を包装した場合は内部に結露が生じ、食品の風味を損ね
る。また、冷蔵、冷凍固形食品を包装した包装袋の場
合、そのまま電子レンジで加熱すると、発生する水蒸気
によって内部圧が高まり、最終的には破袋をし、食品は
飛散する。また、破袋を防ぐために袋に***を開けた場
合でも内部に結露が生じ、食品の風味を損ねる。このた
め、一般的には器に移し、ラップ掛けをして加熱をする
が、この場合でも結露が生じることには変わりはない。
【0005】従って、このような内部結露を生じる不都
合を克服するために、例えば本出願人等は、先に、不通
気性のシートを外側層、吸水性の繊維シートを中間層、
所要の耐水度、通気度を有するポリオレフィン樹脂のメ
ルトブロー不織布からなる疎水性シートを最内側層とし
て配した3層からなる複合シートを用いる電子レンジ用
の食品包装体につき提案した(実開平5年−19171
号)。この提案になる食品包装体は、電子レンジで食品
が加熱され蒸気が発生しても、シール部分においてその
外側層と中間層および/または中間層と内側層との間に
おいて、発生した水蒸気の一部を逃がして包装体の破裂
を防ぎ、かつ最内層の疎水性シートは通気性を有し、か
つその外側に吸水性の中間層が存在するので、蒸気は疎
水性シートを通り吸水性シートに吸収されて最内部に溜
まることがなく、したがって内部に結露を生じることが
ないように工夫されたものである。
【0006】しかし、このような提案の、耐水度があり
通気性のメルトブロー不織布からなる最内層と、その外
側層としての吸水性の繊維シートの中間層からなる両者
の組み合わせ素材において、最内層がポリプロピレンメ
ルトブロー不織布、中間層がパルプ繊維を用いる場合に
は、両者の加熱接合の点で十分ではなく、その改善が望
まれていた。即ち、包装袋の形成のためにヒートシーラ
ーによってポリプロピレンメルトブロー不織布層をパル
プ繊維層にヒートシールして接合させる場合、両者の接
合力が弱く、その接合加工に充分に時間をかければ、あ
る程度満足のゆく接合が可能ではあるが、包装袋の形成
速度が要求される前提においては、接合のための加工時
間に充分な時間をかけることはできない。また接合温度
を高めるとメルトブロー不織布を損ね、その特性を損ね
ることとなる。よって包装袋を形成する接合加工がより
高速で行い得るか、あるいは接合温度をより低下させる
ことができるような改善が求められていた。また上記両
者使用の場合、上記の包装袋の形成加工速度の問題ばか
りでなく、両者接合の剥離に起因するメルトブロー不織
布層の破損により所期目的が達せられなくなる不良品を
生じることとなるのであり、このような包装袋としての
破損率をより減少させ得る改善が求められていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、食品
包装材において上述の如き課題を解決せんとするもので
ある。即ち、本発明は、電子レンジで加熱してもその内
部に結露が生ぜず、ヒートシール部の強力が高く、破損
の少ない食品包装袋を得ることができる改良された食品
包装材を提供せんとするものであり、また包装袋をより
高速、あるいはより低温でヒートシール加工を行うこと
ができる改良された食品包装材を提供せんとするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の如き
問題点を克服すべく鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、不通気性のシート層を外層、
吸水性を有するパルプ繊維シート層を中間層、透湿通気
かつ防水機能を有するメルトブローン不織布層を内層と
して配した食品包装材であって、前記メルトブローン不
織布層が、全樹脂中でのエチレン含有量が2〜10%
の、エチレン−ポリプロピレンランダム共重合体樹脂
か、またはポリプロピレン系樹脂とエチレン系樹脂との
混合樹脂からなるものであることを特徴とする電子レン
ジ加熱用食品包装材である。
【0009】
【作用】本発明の食品包装材からなる包装袋は、透湿通
気かつ防水機能を有するメルトブローン不織布層と、そ
の外方側の吸水性を有するパルプ繊維シート層との組み
合わせ構造により電子レンジ加熱によって生ずる蒸気を
内部に留どめることなく結露を生じさせず、かつ該メル
トブローン不織布層が、エチレン−ポリプロピレンラン
ダム共重合体樹脂か、またはポリプロピレン系樹脂とエ
チレン系樹脂との混合樹脂からなるものであるので、そ
の外方側のパルプ繊維シート層とのヒートシール強力が
高く、包装袋にヒートシール加工する加工速度が高く、
あるいはヒートシール温度が低温で可能で、食品包装袋
の生産性が高く、さらに包装袋としての耐破損性能も高
い。
【0010】図1は本発明の食品包装材の断面図を示し
ている。該図1で、符号1で示される層は包装袋として
構成するとき最内層となりヒートシールを行ない、かつ
透湿通気かつ防水機能を有し、食品が加熱されても水蒸
気は逃がし、食品をその層より内側に留どめておくため
のメルトブローン不織布層、符号2は、食品から生じた
水蒸気が冷やされ水滴状となった水分を吸収する吸水性
パルプ繊維シート層、符号3は不通気性で防水性を有す
るフィルム層、符号4は化粧用、印刷用の外層である。
【0011】図2(a)は該4層からなる長尺の食品包
装材を、そのメルトブローン不織布層1が包装体の最内
面層側となるように重ね合わせ、その両端を筒状となる
ように重ね合わせて熱接合した食品包装袋の一例を示
し、食品を挿入し上端部分未封止の状態の包装袋の一例
を示す斜視図であり、図2(b)は該包装袋の開口端部
を折り曲げ電子レンジにかける前の状態を示す斜視図で
ある。図3は図2(a)の包装袋での矢視断面図であ
る。
【0012】本発明包装材で使用するメルトブローン不
織布層1は、食品に対する安全性の点から添加剤や処理
剤を使用せずして通気透湿性かつ防水機能を有する素材
のもので、また電子レンジ加熱に対する耐熱性があると
の観点から、主体成分樹脂としてポリプロピレンからな
るメルトブローン不織布を用いるものであるが、ここに
おいて本発明は、該主体成分樹脂としてのポリプロピレ
ンに小量副成分としてのエチレンをランダム共重合させ
て用いるか、またはポリエチレン樹脂を混合して用いる
ものである。そしてこのような樹脂成分のメルトブロー
ン不織布とすることによって、ポリプロピレン系単独樹
脂のメルトブローン不織布使用の場合に比べて、該メル
トブローン不織布層1とパルプ繊維シート層2とのヒー
トシール加工速度を、約50〜100%高めることがで
き、ヒートシーラーの加工温度は約10℃以上も低下さ
せることができる。かつさらに、後記する実施例でも示
すように、パルプ繊維シート層2とのヒートシール強力
をより充分に高めることができる。
【0013】該主成分樹脂としてのポリプロピレンに組
み合わせる副成分樹脂としてのエチレンは、該ポリプロ
ピレンにエチレンがランダム共重合した状態のもので
も、また該ポリプロピレンにポリエチレンが単に混合し
た状態のものでもよい。
【0014】上記いずれの場合においても、副成分とし
てのエチレンは、2〜10%存在することが肝要であ
り、より好ましくは3〜6%である。エチレン含有率が
2%未満では、上記効果が発揮できない。また10%を
越える量となるとメルトブローン不織布製造時、ショッ
ト(ポリマー玉)の発生を避けることができなくなり、
結果的に適度な耐水性を有するメルトブローン不織布を
製造することが困難となるので、やはり好ましくない。
【0015】上記樹脂を用いメルトブローン紡糸した不
織布としては、平均繊維径が10μm以下で目付けが3
〜30g/m2、より好ましくは5〜15g/m2のもの
が用いられる。該メルトブローン不織布層の目付けが3
g/m2未満では食品から出る水を遮断する十分な耐水
性が得られにくく、逆に目付けが15g/m2を越える
ものでは蒸気の透過性が小さくなり、所期の目的を発揮
することが難しくなると共に、また不経済ともなる。
【0016】メルトブローン不織布層1の外側層となる
吸水性を有するパルプ繊維シート層2は 、食品が加熱
されて発した水蒸気が食品の周囲に滞留することなく、
該メルトブローン不織布層1を通過させて食品と分離状
態とし、その分離した水蒸気が、より外方側のフィルム
層3でその通路を断たれて冷却結露しても、そのフィル
ム層3内面側に接する当該パルプ繊維シート層2で吸収
することによって、前記水蒸気がメルトブローン不織布
層1内で結露して食品の風味を損ねるようになることを
防止するものである。
【0017】その目的のために、このパルプ繊維シート
層2は、吸収性のある繊維不織布シートとすることが好
ましく、まさに天然パルプ繊維が最も優れており、した
がって本発明では、このパルプ繊維シート層2の使用が
発明の前提となっているものであり、したがってまた本
発明では、このパルプ繊維シートと前記ポリプロピレン
不織布とのヒートシール性の悪い点を改善せんとするも
のである。もっとも、このパルプ繊維シート層2として
は、パルプ繊維100%の使用に限られるものではな
く、上記メルトブローン不織布層1との接着強力をより
高めるために、かつパルプ繊維での効果を損なわない範
囲で、例えばポリエチレン繊維を小量混抄したパルプ繊
維からなる不織布(紙)としてもよい。このような繊維
からなる不織布は乾式、湿式いずれの方式で製造された
ものでもよい。
【0018】このパルプ繊維シート層2の目付けは5〜
50g/m2が好ましい。目付けが5g/m2未満では十
分な吸水能力が得られず、また逆に50g/m2より大
きいものとなるとシート全体が厚くなり過ぎ、容易に層
内剥離を生じ好ましくない。
【0019】上記メルトブローン不織布層1とパルプ繊
維シート層2とは、通常、圧着面積5〜50%の凹凸模
様の加熱ロールで熱接着して予め2層体としておいた方
が、後の工程がより容易であるが、この手法は限定され
るものではない。
【0020】パルプ繊維シート層2の外側の不通気性か
つ防水性を有するフィルム層3は、該パルプ繊維シート
層2で吸収された水分が、より外側の化粧用あるいは印
刷用のシート層4へ移行するのを阻止する層であり、ポ
リエチレン、ポリプロピレンやポリエステルなどの単独
または積層フィルムが用いられる。しかしその素材は記
載のものに限られない。このフィルム層3は、通常は、
その外側層の化粧用あるいは印刷用のシート層4に押出
ラミネート法により貼り合わせて用いられ、このような
形態が、加工上容易であると共に経済的であるが、必ず
しもこれに限定されるものではない。
【0021】最外層の化粧用あるいは印刷用のシート層
4は、内容食品物および当該包装体に関する化粧用、印
刷用のシート層であり、紙やフィルムが用いられる。
【0022】前記シート層1〜4の複合層からなる食品
包装材は、各シート層を単に重ねただけの構成のもの
は、その包装体としての袋に形成するまでに、その取扱
い性が悪い点があるばかりでなく、包装袋としての破損
を生じ易くする点からもあまり好ましいものではなく、
各シート層間が部分的にも積層一体化したものとするこ
とが好ましい。
【0023】ここで、この一体化とは各シート層が全面
に亙って密着接合されていることは、前記フィルムシー
ト層3と化粧用あるいは印刷用のシート層4との一体化
を除いて、本発明の目的にとって好ましいものではな
く、点状や線状あるいは断続的な線状の形で部分的に接
合していることがむしろ好ましい。即ち、部分的な接合
によって、メルトブローン不織布層1の形態、およびそ
の通気透湿性、耐水性等といった特性を変化させること
がなく維持できるのである。
【0024】この部分的な接合は、その接着部分が全体
の1〜50%の範囲内に抑えることが一般的に好まし
い。また接着部間は支障のない範囲で広く、均一に分布
していることが好ましく、さらにシート間は、できるだ
け接触する表面層のみで接合されていることが好まし
い。特にパルプ繊維シート層2は、後述するように該層
2にガス抜きの機能を持たせるためには、その層2の両
面のシート層1、3との接合は、表面のみで接合するよ
うに調整することが肝要である。
【0025】本発明の包装袋においては、それが電子レ
ンジ中に入れられて加熱され、食品中の水が水蒸気とな
り、また密封された空気の膨張により、該包装体が膨張
するが、図2(b)のように食品挿入端を単に折曲げた
状態での加熱では、その折曲げ部から膨張ガス体が容易
に逃げ、包装袋が破裂することはないが、食品挿入端が
ヒートシールされ、即ち全体がヒートシール状態であっ
ても、パルプ繊維シート層2とその内外層との接合力、
およびパルプ繊維間での接合力は元々弱く、該シート層
2がその両面で接合されているとはいえ、そのシート層
2内外での密閉性は比較的弱いので、膨張したガス体
は、メルトブローン不織布層1を通って該パルプ繊維シ
ート層2に入り、シール部分のこのシート層2中から包
装袋外部に逃げることとなるので、包装袋が破裂するこ
とはない。しかも内容物である食品はメルトブローン不
織布層1によって封止され、それ以上の外側層へ移行す
ることはなく、即ち包装袋から出ることはない。
【0026】
【実施例】以下、本発明を、実施例によってさらに具体
的に説明する。 実施例1;エチレン含有率が4%となるようにポリプロ
ピレンにランダム共重合したエチレン−プロピレン共重
合体(MFR200g/10min、融点138.7
℃)を原料樹脂として用い、これを290℃に加熱して
溶融し、常法によりメルトブロー紡糸を行い、目付け7
g/m2、通気度153cc/cm2/sec、耐水圧2
70mmH2Oの不織布を製造した。
【0027】このメルトブローン不織布1と、木材パル
プを抄紙して得た目付けが15g/m2のパルプ紙2と
を積層し、熱エンボスを行うことによって貼合わせ積層
複合体Aを得た。この時の貼合せ条件は、メルトブロー
不織布側を115℃とした柄ロールを用い、パルプ紙側
は135℃としたフラットローラーを用い、線圧30k
g、速度80m/minでの条件で行い、またエンボス
による接着部分の面積はシート面積の約20%であっ
た。
【0028】また、前記のエチレン含有率が4%のエチ
レン−プロピレン共重合体樹脂にホモポリプロピレン樹
脂を加えることによって、全樹脂中でのエチレン含有率
が2%、1%となるように、混合樹脂とし、これを用い
て上記の場合と同様にメルトブロー不織布を製造し、さ
らに上記の場合と同条件で各貼合わせ積層複合体B(エ
チレン含有率2%の場合)およびC(エチレン含有率1
%の場合)を得た。
【0029】またさらに、ホモポリプロピレンを原料樹
脂として用い、これを上記と同様に常法によりメルトブ
ロー紡糸を行って、目付け7g/m2、通気度137c
c/cm2/sec、耐水圧320mmH2Oの不織布を
製造した。このメルトブローン不織布1と、上記で用い
た目付けが15g/m2のパルプ紙2とを積層し、上記
と同条件で熱エンボスを行うことによって貼合わせ積層
複合体Dを得た。
【0030】上記の積層複合体A〜Dにつき、貼合わせ
たメルトブロー不織布とパルプ紙との剥離強力を測定し
た。この測定方法は、JIS L−1086に準拠した
もので、巾5cm、長さ20cmの長さの長方形にした
サンプルとし、該サンプルのメルトブロー不織布−パル
プ紙3間を約5cm剥離し、この剥離した層を各々引張
試験機のクランプに挟み、100m/分の速度で剥離さ
せ、その時の応力を求めたもので、その値は、サンプル
数n=3での平均値である。その結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1での結果で示されるように、メルトブ
ローン不織布として、ホモポリプロピレンメルトブロー
ン不織布を用いる場合(D)に比べて、エチレンを共重
合した改質ポリプロピレンメルトブローン不織布を用い
る場合(A〜C)は、そのエチレン含有率の増加にした
がって剥離強力が増大し、特にエチレン含有率が2%以
上となると、本加工速度例の場合大きく改善されること
が示される。
【0033】さらに、上記積層複合体各A〜Dを用い、
各A〜Dのメルトブローン不織布層同士が内面となるよ
うに重ね合わせ、ヒートシーラーにより接着させたもの
の各ヒートシール強度を測定した。このヒートシール強
度は、上記積層複合体各A〜Dを巾5cm、長さ20c
mの大きさのサンプルとし、この各サンプルをメルトブ
ローン不織布層同士が内面となるように(その長さ方向
両端部を重ね合わせて折り、)その両先端部が各把持部
として使用できるように残して、サンプルの巾方向にヒ
ートシールし、室温で5分間冷却した後、引張試験機で
両先端部を把持し、接着部を引き剥がした時の応力を測
定したものである。以下の表2にその結果を示す。
【0034】
【表2】
【0035】表2で示されるように、前記剥離強力の場
合と同様に、メルトブローン不織布として、エチレンを
共重合した改質ポリプロピレンメルトブローン不織布を
用いる場合(A〜C)は、ホモポリプロピレンメルトブ
ローン不織布を用いる場合(D)に比べて、そのエチレ
ン含有率の増加にしたがってヒートシール強力が増大
し、特にエチレン含有率が2%以上となると、その強力
も充分で大きく改善されることが示される。
【0036】実施例2;食品包装材の内層と中間層との
シート素材として、実施例1で記載した改質ポリプロピ
レン(エチレン含有量4%)からなるメルトブローン不
織布層1とパルプ繊維シート層2との積層複合体Aを用
意した。また一方、内容物表示の印刷を行った12μm
のポリエステルフィルム4を用意し、前記積層複合体A
のパルプ紙の側と、該ポリエステルフィルム4の印刷面
との間に、厚さ10μmとなるように調整した溶融ポリ
エチレンフィルム3を押し出し、ラミネートした4層の
複合シートとした。
【0037】この4層の複合シートのメルトブローン不
織布層1が最内層となるように、その両端部がその巾方
向での中央部で重ね合わせ、上下端の開口した筒形状と
し、その重ね合わした端部同士を1対の金属製ロールで
温度150℃、圧力2kg/cm2、速度12m/分
(接触時間1秒)でヒートシールすると共に、下端側も
同様に1対の金属性バーでヒートシールして、上端のみ
が開口した巾12cm、上下長さ20cmの包装袋をつ
くった。
【0038】この袋の開口端側のシート層を、その口を
開かせた状態で4点で把持し、その状態でハンバーガー
を投入し、次ぎに該開口端を前記と同様に1対の金属製
加熱バーでヒートシールし、該ハンバーガーを密封封止
した包装袋とした。この包装袋は、該ハンバーガーが冷
えても内部結露状態となることはなかった。
【0039】この包装袋を電子レンジ中に入れ加熱した
ところ、加熱開始後ある程度膨張するが、その後の加熱
によっても、ヒートシール部でのパルプ紙部分及び該パ
ルプ紙とその内外層シート層との部分的な剥離によっ
て、膨張ガスが排出され、該包装体が破裂に至ることは
なかった。またこの包装体は、電子レンジから出した後
でも、従来のこの種食品包装体にみられる内部結露は生
じず、パン表面には湿り気を帯びておらず、またパサつ
いた感じもなく、調理時当初の食味良好なものであっ
た。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明の食品包装材は、包
装材自体が吸湿吸水機能を有し結露を防止するので、食
品の風味を損ねることがなく、そのまま電子レンジで加
熱ができる。またヒートシール強力が高いので加工速度
に優れ、包装体ヒートシール部が剥離し破損することが
なく、特に縦型ピロー用の如き包装袋として構成する場
合にも、その特徴をより発揮できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の食品包装材の断面図を示す。
【図2】図2(a)は食品包装材を熱接合した食品包装
袋の一例を示し、食品を挿入し上端部分未封止の状態の
包装袋の一例を示す斜視図であり、図2(b)は該包装
袋の開口端部を折り曲げ電子レンジにかける前の状態を
示す斜視図である。
【図3】図2(a)の包装袋でのY−Y矢視断面図であ
る。
【符号の説明】
1 メルトブローン不織布層 2 吸水性パルプ繊維シート層 3 不通気性防水性フィルム層 4 化粧用あるいは印刷用外層 5 食品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 81/34 B32B 27/12 B32B 27/32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不通気性のシート層を外層、吸水性を有
    するパルプ繊維シート層を中間層、透湿通気かつ防水機
    能を有するメルトブローン不織布層を内層として配した
    食品包装材であって、前記メルトブローン不織布層が、
    全樹脂中でのエチレン含有量が2〜10%の、エチレン
    −ポリプロピレンランダム共重合体樹脂か、またはポリ
    プロピレン系樹脂とエチレン系樹脂との混合樹脂からな
    るものであることを特徴とする電子レンジ加熱用食品包
    装材。
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