JP3324455B2 - 珪素系半導体基板の清浄化方法 - Google Patents

珪素系半導体基板の清浄化方法

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JP3324455B2 JP20971397A JP20971397A JP3324455B2 JP 3324455 B2 JP3324455 B2 JP 3324455B2 JP 20971397 A JP20971397 A JP 20971397A JP 20971397 A JP20971397 A JP 20971397A JP 3324455 B2 JP3324455 B2 JP 3324455B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイス製
造に用いられる珪素系半導体基板の表面に付着している
有機物および金属不純物を除去し、該表面を清浄化する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の設計ルールが0.3〜0.
2μmとなるディープ・サブミクロンの世代では、MO
Sトランジスタのゲート酸化膜の厚さは10nm以下、
フラッシュ・メモリのトンネル絶縁膜の厚さは数十nm
のオーダーまで薄くなり、このような極薄絶縁膜の上に
ポリシリコン膜や金属膜等の導電材料膜が被着され、電
極が形成される。また、珪素系半導体基板の表面に珪素
単結晶薄膜を成長させていわゆるエピタキシャルウェー
ハを製造する場合には、珪素系半導体基板の表面に存在
する自然酸化膜や不純物をすべて除去しなければならな
い。これらのプロセスでは、珪素系半導体基板の清浄度
および自然酸化膜の存在がそのままデバイスの性能を左
右する。したがって、珪素系半導体基板に半導体デバイ
スを形成する場合、損傷を最小限に抑えながらその表面
を高度に清浄化する必要がある。
【0003】ところが、珪素系半導体基板の表面には、
基板作製時の研磨・洗浄工程および大気中での保管中
に、意図しない不純物の付着や成長が起こる。すなわち
自然酸化膜、熱酸化膜、あるいは珪素単結晶基板の表面
における有機物や金属不純物の付着、あるいは珪素単結
晶基板の表面における自然酸化膜の成長である。以下、
これらの不純物の従来の一般的な除去方法を説明する。
【0004】珪素系半導体基板の表面に付着する有機物
は、シラノールやクリーンルーム内の塩化ビニル系可塑
剤等に由来するものであり、その除去には大別してウェ
ット洗浄とドライ洗浄とがある。ウェット洗浄の典型的
な例は、アルカリ洗浄液(NH4 OH/H2 2 /H2
O)を用いる、いわゆるSC−1洗浄である。一方のド
ライ洗浄は、典型的には水素(H2 )ガスまたはH2
スと塩化水素(HCl)ガスの混合ガス雰囲気中におけ
る高温熱処理で行われている。この他、室温近傍で実施
可能な方法として、オゾン(O3 )処理や紫外線照射処
理、もしくはこれらの組合せが知られているが、酸化膜
の再成長を避ける上では、上記の高温熱処理が有利であ
る。
【0005】珪素系半導体基板の表面に付着する金属不
純物のうち、ここで特に問題とするものは鉄(Fe)、
ニッケル(Ni)、クロム(Cr)等の重金属である。
これらの重金属は、一般に酸洗浄液(HCl/H2 2
/H2 O)を用いる、いわゆるSC−2洗浄で除去され
るか、あるいは1100℃程度の高温のH2 雰囲気中に
保持して珪素系半導体基板の表層部ごとエッチングで除
去されている。
【0006】自然酸化膜の除去によく用いられる方法
は、H2 またはH2 /HCl混合ガス雰囲気中、110
0℃付近の高温で基板の熱処理を行う方法である。この
他に、室温近傍で実施可能な方法として、希フッ酸溶液
を用いたウェット・エッチング、希フッ酸処理と水蒸気
処理との組合せ、さらにドライ処理であるArプラズマ
処理が知られているが、処理後直ちに酸化膜が再成長し
てしまうこと、基板の表面荒れが生ずること、処理設備
が腐食すること等の問題がある。したがって、現状では
前述の高温熱処理が最適であると考えられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、いずれの不純
物を除去するにしても、ウェット洗浄では洗浄終了後に
薬液を洗い流すための純水洗浄を行い、さらに乾燥を経
て次工程を行うまで珪素系半導体基板を待機させている
間に、不純物の再付着が避けられない。また、珪素系半
導体基板の表面に付着していた不純物が薬液や洗浄水を
媒介として裏面にまで広がり、不純物汚染を拡大するお
それもある。一方、1100℃付近の高温でH2 ガス、
あるいはH2 /HCl混合ガスを用いて有機物や金属不
純物や自然酸化膜を除去する方法では、もともと基板表
面に金属不純物が存在する場合にこれが熱拡散により基
板内部へ取り込まれてしまうので、完全な除去を行うこ
とが困難であった。特に、珪素単結晶の内部へ重金属が
取り込まれると、キャリア寿命の低下や酸素積層欠陥の
形成の原因となるので、上記のような熱拡散はできるだ
け抑制する必要がある。
【0008】このように、従来は自然酸化膜の再成長を
抑制しながら金属不純物の熱拡散も同時に防止すること
が極めて困難であり、これを実現できる方法の開発が待
たれていた。本発明は、このような珪素系半導体基板の
清浄化方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の目
的を達成するために鋭意検討を行った結果、珪素系半導
体基板の表面に付着している有機物はフッ化水素ガスを
含む雰囲気中で分解し、金属不純物は塩化水素ガスを含
む雰囲気中で金属塩化物に変化させれば、それぞれ蒸気
圧の高い生成物を得ることができ、従来よりも低い温度
域において除去可能であることを見出した。また、自然
酸化膜については、この膜が本来的に含んでいる微量の
水分のみを反応開始触媒として利用し、高度に還元的な
雰囲気下でこれを除去することが、自然酸化膜の再成長
を防止する上で極めて有効であることを見出した。本発
明は、かかる知見にもとづいて提案されるものである。
【0010】すなわち、請求項1記載の本発明の珪素系
半導体基板の清浄化方法は、珪素系半導体基板の主表面
に付着している有機物を除去する方法であって、まず第
1工程で第1の温度においてHFガスとH2 ガスとの混
合ガス雰囲気中でこの有機物を分解した後、ここで生じ
た分解生成物を、第2工程で上記第1の温度よりも高い
第2の温度においてH2 ガス雰囲気中で気化させるもの
である。
【0011】請求項2記載の方法は、上記第1の温度を
0℃以上600℃以下の範囲、上記第2の温度を100
℃以上1000℃以下の範囲でそれぞれ設定するもので
ある。
【0012】請求項3記載の方法は、上記有機物が上記
珪素系半導体基板の主表面に成長した酸化膜の上に付着
している場合に、上記第1工程の少なくとも一部で第1
の温度を100℃以上600℃以下の範囲、第2の温度
を100℃以上900℃以下の範囲でそれぞれ設定する
ことにより、上記第2工程を終了した後にも該酸化膜を
該珪素系半導体基板上に残すものである。
【0013】請求項4記載の方法は、上記有機物が上記
珪素系半導体基板の主表面に成長した酸化膜の上に付着
している場合に、上記第1工程に先だち、0℃以上10
0℃未満の温度域においてフッ化水素ガスと水素ガスと
の混合ガス雰囲気中で該酸化膜を除去するものである。
【0014】珪素系半導体基板の主表面に付着している
金属不純物を除去する場合においては、まず第1の工程
で第1の温度においてHClガスとH2ガスとの混合ガ
ス雰囲気中で金属塩化物に変化させ、この金属塩化物を
第2工程で上記第1の温度よりも高い第2の温度におい
てH2ガス雰囲気中で気化させるようにする。
【0015】上記第1の温度を0℃以上1000℃以下
の範囲、上記第2の温度を100℃以上1000℃以下
の範囲でそれぞれ設定することができる。
【0016】請求項記載の方法は、上記有機物が上記
珪素系半導体基板の主表面に成長した酸化膜の上に付着
している場合に、上記第1の温度を0℃以上900℃以
下の範囲、上記第2の温度を100℃以上900℃以下
の範囲でそれぞれ設定することにより、該第2工程を終
了した後にも該酸化膜の少なくとも一部を該珪素系半導
体基板上に残すものである。
【0017】上記金属不純物が上記珪素系半導体基板の
主表面に成長した酸化膜の上に付着している場合に、上
記第1工程に先立ち、0℃以上100℃未満の温度域に
おいてフッ化水素ガスと水素ガスとの混合ガス雰囲気中
で該酸化膜を除去するものとしてもよい。
【0018】請求項記載の方法は、珪素系半導体基板
の主表面に付着している有機物と金属不純物とを順次除
去する珪素系半導体基板の清浄化方法であって、第1工
程で第1の温度においてHFガスとH2ガスとの混合ガ
ス雰囲気中で上記有機物を分解した後、ここで生じた分
解生成物を、第2工程で上記第1の温度よりも高い第2
の温度においてH2ガス雰囲気中で気化させ、続く第3
工程で上記第2の温度よりも高い第3の温度においてH
ClガスとH2ガスとの混合ガス雰囲気中において上記
金属不純物を金属塩化物に変化させ、ここで生じた金属
塩化物を第4工程で上記第3の温度よりも高い第4の温
度においてH2ガス雰囲気中で気化させるものとする。
【0019】請求項記載の方法は、上記第1の温度を
0℃以上500℃以下の範囲、上記第2の温度を100
℃以上500℃以下の範囲、上記第2の温度を100℃
以上800℃以下の範囲、上記第3の温度を100℃以
上1000℃以下の範囲、上記第4の温度を100℃以
上1000℃以下の範囲でそれぞれ設定するものであ
る。
【0020】さらに請求項記載の方法は、上記有機物
および金属不純物が上記珪素系半導体基板の主表面に成
長した酸化膜の上に付着している場合に、上記第1工程
に先立ち、0℃以上100℃未満の温度域においてHF
ガスとH2ガスとの混合ガス雰囲気中で該酸化膜を除去
するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】珪素半導体結晶の表面に付着して
いる有機物およびその分解物ならびに金属不純物の多く
は、沸点が1000℃より遙かに高い領域にあり、中に
は融点ですら1000℃を超えるものも少なくない。本
発明では、上記有機物はHFガスを用いて分解し、金属
不純物はHClと反応させて金属塩化物に変化させるこ
とにより、1000℃以下の低温域でも脱離に必要な十
分な蒸気圧を付与し、しかもこれを自然酸化膜の再成長
を起こさない雰囲気下で行う。
【0022】まず、有機物の分解除去について説明す
る。本発明において、HF/H2 混合ガス雰囲気中で有
機物を分解する第1工程のの第1の温度は、0℃以上6
00℃以下の範囲で設定することが好適である。これよ
り低い温度域では有機物の分解反応が進まないか、ある
いは進んだとしても分解速度が遅くなりすぎ、実用的な
スループットが得られない。逆にこれより高い温度域で
は、HFガスにより珪素系半導体基板の珪素単結晶表面
が直接浸食されてその表面粗度が増大し、基板が半導体
デバイスの製造あるいはエピタキシャル成長に適さなく
なる。
【0023】H2 ガス雰囲気中で上記の分解生成物を気
化させる第2工程の第2の温度は、100℃以上100
0℃以下の範囲で設定することが好適である。これより
低い温度域では分解生成物が気化せず、またこれより高
い温度域ではH2 ガスにより珪素系半導体基板の珪素単
結晶表面や後述の酸化膜が顕著にエッチングされるよう
になる。また、珪素系半導体基板にホウ素(B)や砒素
(As)等の揮発性の不純物がドープされていると、こ
れらドーパントの気化が顕著となり、抵抗率が変動して
しまう。なお、第1工程と第2工程との間では、HFガ
スの供給を停止して雰囲気H2雰囲気とし、第1工程終
了時の温度のままで珪素半導体基板をしばらく保持する
段階を設けてもよい。
【0024】ところで、上記の有機物は珪素単結晶の表
面に付着しているとは限らず、むしろ珪素系半導体基板
の主表面に成長した酸化膜の上に付着しているのが普通
と考えられる。この酸化膜には、自然酸化膜、熱酸化
膜、CVDやスパッタリング等の気相薄膜成長技術によ
り成膜される酸化膜、SOG(スピン・オン・グラス)
等の塗布型酸化膜が含まれる。プロセスにもよるが、上
記の酸化膜のうち自然酸化膜は通常除去したい膜であ
り、熱酸化膜その他の酸化膜は残しておきたい膜であ
る。そこで本発明では、有機物を分解する第1工程もし
くはその前の段階の温度制御にもとづいて、酸化膜を残
したり除去したりするプロセスも提案する。このプロセ
スは、次に述べるような酸化珪素のエッチング機構から
制御可能となるものである。
【0025】HFガスによる化学量論組成の酸化珪素
(SiO2 )のエッチング除去反応は、次の反応式で表
される。 SiO2 +4HF → SiF4 +2H2 O 実はこの反応は、ごく初期段階においてのみ、触媒量の
水分を必要とする。水分の供給が初期段階のみで済むの
は、一旦反応が進み始めればH2 Oが生成するため、以
降は自己触媒反応となるからである。言い換えれば、酸
化珪素の表面に水分が全く存在せず、しかも気相中にも
水分が含まれない系では、HFによる酸化珪素のエッチ
ングは進行しない。
【0026】この事実にもとづいて酸化膜のエッチング
を考えると、たとえば成長したばかりの自然酸化膜のよ
うに表面や内部にもともと水分を収着している酸化膜
は、この水分を保持し得る比較的低い温度域でHFが供
給されればエッチングされる。しかし、何らかの熱処理
を経て酸化膜から水分がすべて放出されてしまった後で
は、エッチング反応開始のための触媒が存在しなくなる
ので、HFガスが供給されてもこの酸化膜は除去されな
くなる。酸化膜が水分を保持できる温度は、0℃以上1
00℃未満の温度域である。
【0027】したがって、酸化膜を残しておきたい場合
には有機物を分解する第1工程でプロセス温度を100
℃以上600℃以下とし、収着水分を最初に除去してし
まえば良い。ただし、H2 のみを供給する第2工程でも
プロセス温度が900℃以上になると酸化膜は若干エッ
チングされるので、第2工程における第2の温度を10
0℃以上900℃以下に制御することが必要である。一
方、酸化膜を除去したい場合には、第1工程に先立ち、
0℃以上100℃未満の温度域でHF/H2 混合ガスを
供給し、酸化膜に保持されている水分を触媒として利用
しながら該酸化膜をエッチング除去する。
【0028】なお、上述のようなドライ処理を行うため
の気相処理装置の処理室は、壁面の少なくとも一部が石
英ガラス(酸化珪素)で構成されている場合が多いが、
石英ガラスの表面の吸着水分は装置使用前の排気やベー
キング(いわゆる空焼き)によりほぼ完全に除去されて
いるので、たとえ処理室内にHFガスが導入されても、
エッチングされるおそれがほとんどない。このように、
雰囲気ガスから徹底的に水分を排除する一方で、自然酸
化膜に本来収着されている水分は残すような条件を設定
すれば、装置を腐食させずに自然酸化膜のみを良好に除
去できることも、本発明のメリットである。
【0029】ところで、第1の工程で用いるHFガスと
2 ガスは、いずれも工業的に非常に純度の高いものが
製造可能であり、従来キャリア・ガスとして多用されて
いるArガスやN2 ガスと異なり、水分(H2 O)や酸
素ガス(O2 )をほとんど含まない状態で入手すること
ができる。したがって、自然酸化膜の除去にHF/H2
混合ガスを用いれば、露出した清浄な珪素系半導体基板
の表面を常に還元的な雰囲気下に維持することができ、
酸化膜の再成長が極めて良好に抑制される。
【0030】次に、金属不純物の除去について説明す
る。本発明において、HCl/H2 混合ガス雰囲気中で
金属不純物を金属塩化物に変化させるための第1工程で
は、第1の温度を0℃以上1000℃以下の範囲で設定
することが好適である。これより低い温度域では金属塩
化物の生成反応が進まないか、あるいは進んだとしても
生成速度が遅すぎて実用的なスループットが得られな
い。逆にこれより高い温度域では、H2 ガスにより珪素
系半導体基板の珪素単結晶表面や上述した酸化膜が顕著
にエッチングされるようになる。また、HClガスも珪
素系半導体基板の珪素単結晶表面を顕著にエッチングす
るようになる。
【0031】一方、上記金属塩化物を気化させる第2工
程では、第2の温度を100℃以上1000℃以下の範
囲で設定することが好適である。これより低い温度域で
は金属塩化物が気化せず、またこれより高い温度域では
2 ガスによる珪素系半導体基板の珪素単結晶表面や上
述の酸化膜が顕著にエッチングされるようになる。ま
た、珪素系半導体基板にBやAs等の揮発性の不純物が
ドープされていると、これらドーパントの気化が顕著と
なり、抵抗率が変動してしまう。
【0032】なお、主な金属塩化物の沸点を列挙する
と、塩化亜鉛(ZnCl2 )=756℃、塩化アルミニ
ウム(AlCl3 )=182℃〔昇華〕、塩化アンチモ
ン(SbCl5 )=102.5℃、塩化インジウムIn
Cl3 )>500℃〔昇華〕;塩化カドミウム(CdC
2 )=980℃;塩化クロム(CrCl3 )=950
℃〔昇華〕、塩化スズ(SnCl4 )=114℃、塩化
第II鉄(FeCl3 )=280℃、塩化鉛(PbC
2 )=954℃、塩化ニッケル(NiCl2 )=99
3℃〔昇華〕、塩化モリブデン(MoCl5 )=268
℃である。
【0033】ちなみに金属フッ化物の沸点は、金属塩化
物のそれよりも高いものが多く、例示するとフッ化アル
ミニウム(AlF3 )=1260℃〔昇華〕、フッ化ク
ロム(CrF3 )=1300℃、フッ化鉛(PbF2
=1292℃である。フッ化第I鉄については、融点で
も1000℃以上である。したがって、半導体製造プロ
セスにおいて汚染物質となりやすい重金属は、HClガ
ス雰囲気下で塩化物に変化させて除去することが好適で
ある。なお、第1工程と第2工程との間では、HFガス
の供給を停止して雰囲気をH2 雰囲気とし、第1工程終
了時の温度のままで珪素半導体基板をしばらく保持する
段階を設けてもよい。
【0034】金属不純物が酸化膜の上に付着している場
合、この酸化膜を残すか残さないかは、次のように考え
ることができる。金属不純物を除去するためのHClガ
スは酸化膜をエッチングしないが、キャリア・ガスとし
て常に供給されているH2 ガスは、900℃以上の温度
域で酸化膜をエッチングし始める。そこで、酸化膜を残
したい場合には、第1工程のプロセス温度を0℃以上9
00℃以下、第2工程のプロセス温度を100℃以上9
00℃以下とする。
【0035】ただし、H2 ガスによる酸化膜のエッチン
グ速度は遅いので、酸化膜を効率良く除去したい場合に
は、第1工程で金属塩化物を生成させるより以前に、H
Fガスを用いて除去しておく必要がある。このときのプ
ロセス温度は、前述したように、酸化膜が収着水分を保
持し得る温度域で行うことが必要であり、0℃以上10
0℃未満とする。
【0036】本発明ではさらに、有機物と金属不純物と
を連続工程により除去することができる。このとき、有
機物の分解(第1工程)→分解生成物の気化(第2工
程)→金属塩化物の生成(第3工程)→金属塩化物の除
去(第4工程)の順で行う。有機物の除去と金属不純物
の除去とを逆の順番で行っても良いが、上記のような順
番とすれば珪素半導体基板を段階的に昇温させていけば
よいため、プロセスの制御性やスループットの観点で有
利である。
【0037】有機物の分解を行う第1工程では、第1の
温度を0℃以上500℃以下の範囲で設定することが好
適である。500℃より高いと、HFガスにより珪素単
結晶の表面が荒れ始めるおそれが大きい。分解生成物を
気化させる第2工程では、第2の温度を100℃以上8
00℃以下の範囲で設定することが好適である。800
℃より高いと、除去すべき金属不純物が珪素単結晶の内
部へ拡散するおそれが大きい。金属塩化物を生成させる
第3工程では、第3の温度を100℃以上800℃以下
の範囲で設定することが好適である。800℃より高い
と、HClガスにより珪素単結晶の表面が荒れ始めるお
それが大きい。金属塩化物を気化させる第4工程では、
第4の温度を900℃以上1000℃以下の範囲で設定
することが好適である。1000℃より高いと、H2
スによる珪素単結晶と酸化物の顕著なエッチングが生ず
るおそれが大きい。
【0038】ここで、本発明の珪素系半導体基板の清浄
化方法で使用される気相処理装置の構成例について、図
1を参照しながら説明する。この気相処理装置10は、
処理室1の中にウェーハWを収容する。図ではウェーハ
Wは1枚収容されているが、複数枚であっても構わな
い。上記処理室1の一端から導入されたガスGは、ウェ
ーハWに接触後、該処理室1の他端から排気される。処
理室1内を流れる上記ガスGは、H2 ガス単独、H2
スで希釈されたHFガス、H2 ガスで希釈されたHCl
ガスのいずれかであり、各成分ガスはいずれもマスフロ
ー・コントローラ3(MFC)で精密に流量制御されな
がら処理室1へ導入される。なお、HFは常温で液体で
あるが、蒸気圧が大きく容易に気化するため、気化成分
をH2 ガスと混合して処理室1へ供給する。
【0039】処理室1の外側には、その一方の主面に沿
って赤外線ランプ2が配されており、通電量に応じてウ
ェーハWの加熱温度を制御するようになされている。ま
た、処理室1の他方の主面側には放射温度計4が配され
ており、プロセス中のウェーハ温度をモニタ可能となさ
れている。
【0040】なお、本発明では上述のようにキャリア・
ガスとしては一貫してH2 ガスを用いているので、上述
の気相処理装置10に珪素化合物ガスやドーパント・ガ
スの供給系統を追加すれば、この装置で清浄化と珪素単
結晶薄膜のエピタキシャル成長とを連続して行うことも
可能である。このような構成によれば、エピタキシャル
成長の直前に清浄化を行うことができ、しかも清浄化と
エピタキシャル成長との工程間でウェーハWを他所へ搬
送する必要がないため、不純物の再付着をほぼ完全に抑
えることが可能となる。したがって、良質なエピタキシ
ャルウェーハを製造することが可能となる。上記の珪素
化合物ガスとしてはSiCl4 ,SiHCl3 ,SiH
2 Cl2 ,SiH4 を、またドーパント・ガスとしては
2 6やPH3 を使用することができる。
【0041】
【実施例】本発明の実施例を以下に説明する。
【0042】実施例1 本実施例では、前掲の図1に示した気相処理装置10を
用いて、自然酸化膜の上に付着している有機物を除去す
るが、自然酸化膜は残すプロセスについて述べる。サン
プルとして用いたウェーハWは、清浄空気中に1日間放
置して自然酸化膜が形成されている直径200mmの珪
素単結晶からなるものである。その表面に付着している
付着膜の厚さは合計1.3nmであり、このうち自然酸
化膜の厚さが1.1nm、有機物薄膜の厚さが0.2n
mであることがエリプソメトリーとX線光電子分光法
(XPS)により予め確認されている。
【0043】このウェーハWを、予めH2 置換され、2
3℃,1気圧に維持された処理室1内に載置し、赤外線
ランプ2に通電してウェーハWを100℃,300℃,
400℃,500℃,600℃のいずれかの温度に昇温
した。温度が安定したところで、処理室1の一端からH
2 ガスで希釈された0.1%HFガスを流量100リッ
トル/分にて1分間供給し、有機物薄膜を分解した。次
に、HFガスを遮断してH2 ガスのみ供給を続け、HF
ガス供給時と同じ温度で10分間加熱を継続し、さらに
HFガス供給時よりも200℃高い温度にて10分間加
熱を行った。この後、赤外線ランプ2への通電を遮断
し、H2 ガスの供給のみ継続させながらウェーハWの温
度を室温まで下げ、処理室1の外へ取り出した。
【0044】このウェーハWの表面をXPS法で調べた
ところ、処理前には検出されていた炭素原子に起因する
光電子は検出されなかった。したがって、有機物が除去
されたことがわかった。また、エリプソメトリーにより
付着膜の厚さを測定したところ、いずれの温度において
も未処理時に比較してその厚さが約0.2nm減少して
いることが確認された。この減少分は最初の有機物薄膜
の厚さに一致し、自然酸化膜には損傷が及んでいないこ
とがわかった。これは、ウェーハWに対して予め100
℃以上の加熱が行われたことで自然酸化膜の収着水分が
除去されたため、HFガスを供給してもガスが酸化珪素
と反応しなかったものと考えられる。
【0045】有機物薄膜の分解時の上記5種類の温度
中、200℃,300℃,400℃でHFガスを供給し
た場合に、有機物がよく分解され、珪素単結晶の表面荒
れも少ないことがわかった。なお、温度を600℃より
高めた場合にも有機物薄膜は除去されたが、HFガスで
珪素単結晶の表面がエッチングされて表面粗度が増大
し、半導体デバイス作成用には不適切であった。したが
って、本発明ではHFガスを用いた有機物分解時の温度
の上限を600℃とすることが特に好適である。
【0046】実施例2 本実施例では、まずウェーハWの温度を室温に保持しな
がらHFガスを供給して自然酸化膜を除去し、続いて有
機物を除去するプロセスについて述べる。サンプルとし
て用いたウェーハWは、実施例1で使用したものと同じ
である。このウェーハWを、予めH2 置換され、23
℃,1気圧に維持された処理室1内に載置し、処理室1
の一端からH2 ガスで希釈された1%HFガスを流量1
00リットル/分にて1分間供給し、自然酸化膜を除去
した。ここで自然酸化膜が除去されたことは、エリプソ
メトリーにより確認した。本実施例において自然酸化膜
が除去されたのは、HFガス供給中の温度が室温とされ
たことで、自然酸化膜に収着されている水分の脱離が防
止され、この水分が酸化珪素のエッチング反応の開始触
媒として機能することができたからである。
【0047】この後、実施例1と同様にウェーハWを1
00℃〜600℃に昇温し、H2 ガスで希釈された0.
1%HFガスを用いて有機物の分解を行い、さらに昇温
して分解生成物を気化させた。ここで有機物薄膜が除去
されたことは、ウェーハWの表面のXPS測定結果にお
いて、炭素原子に起因する光電子が検出されなかったこ
とから確認した。このように自然酸化膜も除去されて清
浄な珪素単結晶が露出したウェーハWは、たとえばエピ
タキシャル成長用基板として極めて好適である。
【0048】実施例3 本実施例では、熱酸化膜上に付着している有機物薄膜を
除去する方法について述べる。サンプルとして用いたウ
ェーハWは、高温酸素中に保持されることで珪素単結晶
基板の表面に厚さ200nmの熱酸化膜が形成され、さ
らに清浄空気中に1日間放置されることにより該熱酸化
膜の表面に厚さ0.2nmの有機物薄膜が形成されたも
のである。
【0049】このウェーハWについて、実施例1と同様
に100℃〜600℃における昇温→HFガスによる有
機物の分解→H2 雰囲気中での保持→昇温→分解生成物
のH2 雰囲気中での気化、を順次行い、有機物薄膜を除
去した。有機物薄膜が除去されたことは、ウェーハWの
表面のXPS測定結果において、炭素原子に起因する光
電子が検出されなかったことから確認した。一方、エリ
プソメトリーによる測定からは、熱酸化膜の膜厚はほと
んど減少していないことが確認された。
【0050】実施例4 本実施例では、自然酸化膜の上に付着している金属不純
物を、該自然酸化膜に損傷を与えずに除去するプロセス
について述べる。サンプルとして用いたウェーハWは、
清浄空気中に1日間放置されることで、厚さ1.3nm
の自然酸化膜が形成され、その上にさらに金属不純物が
付着した直径200mmの珪素単結晶基板である。この
金属不純物は、気相分解原子吸光法によりFe,Ni,
Crであることが確認され、その濃度はいずれも1×1
10/cm2 であった。
【0051】このウェーハWを、予めH2 置換され、2
3℃,1気圧に維持された処理室1内に載置し、赤外線
ランプ2に通電してウェーハWを100℃,400℃,
600℃,800℃のいずれかの温度に昇温した。温度
が安定したところで、処理室1の一端からH2 ガスで希
釈された1%HClガスを流量100リットル/分にて
1分間供給し、金属塩化物を生成させた。次に、HCl
ガスを遮断してH2 ガスのみ供給を続け、HClガス供
給時と同じ温度で10分間加熱を継続し、さらにHCl
ガス供給時よりも200℃高い温度にて10分間加熱を
行った。この後、赤外線ランプ2への通電を遮断し、H
2 ガスの供給のみ継続させながらウェーハWの温度を室
温まで下げ、処理室1の外へ取り出した。
【0052】取り出したウェーハWの表面に付着してい
る金属不純物の濃度を気相分解原子吸光法により測定し
たところ、いずれの温度においても金属原子の減少が認
められた。特に、HClガスに接触させる温度を800
℃、H2 ガス中で加熱する温度を1000℃とした場合
の測定結果は、Fe濃度=1×109 /cm2 、Ni濃
度=1.5×109 /cm2 、Cr濃度=1×109
cm2 であり、処理前より1桁減少していることが確認
された。また、エリプソメトリーにより自然酸化膜の厚
さを測定したところ、その厚さには処理前とほとんど変
化がなかった。したがって、上記の温度範囲では自然酸
化膜にはほとんど損傷が及ばないことが確認された。
【0053】なお、比較のためにHClガス供給時の温
度を1000℃とし、HClガスを遮断した後もH2
囲気中において10分間同じ温度に保持したウェーハW
では、金属不純物は同様に除去されていたものの、高温
のH2 ガスの働きによる自然酸化膜の膜厚の減少が認め
られた。HClガスを900℃で供給した場合には、自
然酸化膜は損傷を受けなかった。したがって、自然酸化
膜を残しながらその上に付着した金属不純物を除去した
い場合には、HClガス供給時の温度を900℃以下と
すればよい。
【0054】実施例5 本実施例では、まずウェーハWの温度を室温に保持しな
がらHFガスを供給して自然酸化膜を除去し、続いて金
属不純物を除去するプロセスについて述べる。サンプル
として用いたウェーハWは、実施例4で使用したものと
同じであり、厚さ1.3nmの自然酸化膜の上にFe,
Ni,Crがいずれも1×1010/cm2 の濃度で存在
している。
【0055】このウェーハWを、予めH2 置換され、2
3℃,1気圧に維持された処理室1内に載置し、処理室
1の一端からH2 ガスで希釈された1%HFガスを流量
100リットル/分にて5分間供給し、自然酸化膜を除
去した。ここで自然酸化膜が除去されたことは、エリプ
ソメトリーにより確認した。しかし、気相分解原子吸光
法による測定から、この段階では金属不純物の濃度に何
ら変化がないことがわかった。
【0056】そこで次に、実施例4と同様にウェーハW
を100℃〜800℃に昇温し、H2 ガスで希釈された
1%HClガスを用いて金属不純物を金属塩化物に変化
させ、さらにHClガス供給時の温度よりも200℃昇
温して分解生成物を気化させた。この結果、いずれの温
度においても金属原子の濃度が1桁減少していることが
認められた。
【0057】実施例6 本実施例では、熱酸化膜上に付着した金属不純物を除去
するプロセスについて述べる。サンプルとして用いたウ
ェーハWは、高温酸素中に保持されることで珪素結晶基
板の表面に厚さ200nmの熱酸化膜が形成され、さら
に清浄空気中に1日間放置されたものである。この熱酸
化膜の表面には、Fe,Ni,Crがいずれも1×10
10/cm2 の濃度で存在している。
【0058】このウェーハWについて、実施例5と同様
に100℃〜800℃における昇温→HClガスによる
金属塩化物の生成→H2 雰囲気中での保持→昇温→金属
塩化物の気化、を順次行い、金属不純物を除去した。処
理後のウェーハWを気相分解原子吸光法で分析したとこ
ろ、いずれの温度においても金属原子の濃度が1桁減少
していることが確認された。一方、エリプソメトリーに
よる測定により、熱酸化膜の膜厚はほとんど変化してい
ないことが確認された。
【0059】実施例7 本実施例では、自然酸化膜の除去、有機物薄膜の除去、
金属不純物の除去を連続的に実施し、理想的な珪素単結
晶表面を露出させたウェーハWを得るプロセスについて
説明する。サンプルとして用いるウェーハWは、実施例
4で使用したものと同じである。このウェーハWについ
て、23℃,1気圧のH2 ガス雰囲気下で気相処理装置
10の処理室1内に載置し、続いてH2 ガスで希釈され
た1%HFガスを流量100リットル/分にて5分間供
給し、自然酸化膜を除去した。次に、H2 ガス雰囲気下
でウェーハWを500℃に昇温し、H2 ガスで希釈され
た1%HFガスを流量100リットル/分にて1分間供
給し、有機物薄膜を分解した。次に、H2 ガス雰囲気下
でウェーハWを600℃に昇温し、10分間保持して分
解生成物を気化させた。ここまでの段階でウェーハWの
表面から有機物薄膜が除去されたことは、XPSおよび
エリプソメトリーで確認した。
【0060】次に、H2 ガス雰囲気下でウェーハWを8
00℃に昇温し、H2 ガスで希釈された1%HClガス
を流量100リットル/分にて1分間供給し、金属不純
物を金属塩化物に変化させた。さらに、H2 ガス雰囲気
下でウェーハWを1000℃に昇温し、10分間保持し
て金属塩化物を気化させた。ここまでの段階でウェーハ
Wの表面の金属不純物の濃度が1桁減少したことが、気
相分解原子吸光法で確認された。
【0061】なお、金属フッ化物は金属塩化物に比較し
て一般に沸点が高く、蒸気圧が低いので、仮に前述の実
施例1ないし実施例3において有機物薄膜と共に金属不
純物が存在していた場合、有機物薄膜を分解するための
HFガス処理の過程で金属不純物がフッ化物を形成し、
除去が困難となることが懸念される。しかし、この実施
例7で金属不純物を効果的に減少させることができたこ
とから、金属不純物の除去に先だって自然酸化膜や有機
物薄膜の除去を行うことは、金属不純物を除去する上で
何ら問題のないことが実証された。
【0062】以上、本発明を7例の実施例にもとづいて
説明したが、本発明はこれらの実施例に何ら限定される
ものではない。たとえば、サンプルとして使用したウェ
ハの構成や、有機物の分解,分解生成物の気化,金属塩
化物の生成,金属塩化物の気化の各気相処理条件の細部
については、適宜変更、選択、組合せが可能である。ま
た、上述の実施例3および実施例6では、比較的厚い熱
酸化膜の上でこれに損傷を与えずに不純物を除去するプ
ロセスを述べたが、同様のプロセスはゲート酸化膜やト
ンネル絶縁膜のように数nmから数十nmのオーダーの
極めて薄い熱酸化膜上でも可能である。したがって、本
発明はゲート電極形成前の基板表面の清浄化方法として
も極めて意義の大きなものとなる。さらに、上述の実施
例2、実施例4、実施例5、実施例7のように最終的に
清浄な珪素単結晶の表面が得られる場合には、上述の気
相処理の直後にエピタキシャル成長を連続的に行うこと
により、高品質のエピタキシャルウェーハを製造するこ
とも可能となる。
【0063】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によれば有機物や金属不純物をHFガスあるいはHC
lガスといった安価な汎用ガスを用いて蒸気圧の大きな
化合物に変化させ、従来よりも低温域において容易に加
熱除去することが可能となる。したがって、もともと基
板表面に金属不純物が存在する場合にこれが熱拡散によ
り基板内部へ取り込まれるおそれがない。しかも、本発
明では一連の気相処理のキャリア・ガスとしてH2 を一
貫して用いるので、一旦露出された珪素単結晶表面に酸
化膜が再成長することがなく、たとえば次工程で珪素単
結晶薄膜をエピタキシャル成長させる場合には極めて良
好な基板を提供することができる。また、HFガス処理
を行う場合の初期の加熱温度を制御することで、有機物
や金属不純物の下地が酸化膜であっても、この酸化膜に
対して大きな選択比を確保することができる。したがっ
て、極めて薄いゲート酸化膜やトンネル絶縁膜の表面を
清浄化することも可能となり、MOSトランジスタやフ
ラッシュ・メモリの性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する気相処理装置の構成例を示す
模式図である。
【符号の説明】
1 処理室 2 赤外線ランプ 3 マスフロー・コントローラ 4 放射温度計 10 気相処理装置 W ウェーハ G ガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−86240(JP,A) 特開 平6−84865(JP,A) 特開 平5−315297(JP,A) 特開 平5−217968(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/302 - 21/304

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 珪素系半導体基板の主表面に付着してい
    る有機物を、第1の温度においてフッ化水素ガスと水素
    ガスとの混合ガス雰囲気中で分解する第1工程と、 前記第1工程で生じた分解生成物を前記第1の温度より
    も高い第2の温度において水素ガス雰囲気中で気化させ
    る第2工程とを有することを特徴とする珪素系半導体基
    板の清浄化方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の温度を0℃以上600℃以下
    の範囲、前記第2の温度を100℃以上1000℃以下
    の範囲でそれぞれ設定することを特徴とする請求項1記
    載の珪素系半導体基板の清浄化方法。
  3. 【請求項3】 前記有機物が前記珪素系半導体基板の主
    表面に成長した酸化膜の上に付着している場合に、前記
    第1の温度を100℃以上600℃以下の範囲、前記第
    2の温度を100℃以上900℃以下の範囲でそれぞれ
    設定することにより、前記第2工程を終了した後にも該
    酸化膜を該珪素系半導体基板上に残すことを特徴とする
    請求項2記載の珪素系半導体基板の清浄方法。
  4. 【請求項4】 前記有機物が前記珪素系半導体基板の主
    表面に成長した酸化膜の上に付着している場合に、前記
    第1の工程に先だち、0℃以上100℃未満の温度域に
    おいてフッ化水素ガスと水素ガスとの混合ガス雰囲気中
    で該酸化膜を除去することを特徴とする請求項2記載の
    珪素系半導体基板の清浄化方法。
  5. 【請求項5】 珪素系半導体基板の主表面に成長した酸
    化膜の上に付着している金属不純物を、第1の温度にお
    いて塩化水素ガスと水素ガスとの混合ガス雰囲気中で金
    属塩化物に変化させる第1工程と、 前記第1工程で生じた金属塩化物を前記第1の温度より
    も高い第2の温度において水素ガス雰囲気中で気化させ
    る第2工程とを有し、 前記第1の温度を0℃以上900℃以下の範囲、前記第
    2の温度を100℃以上900℃以下の範囲でそれぞれ
    設定することにより、該第2工程を終了した後にも該酸
    化膜の少なくとも一部を該珪素系半導体基板上に残すこ
    とを特徴とする珪素系半導体基板の清浄化方法。
  6. 【請求項6】 珪素系半導体基板の主表面に付着してい
    る有機物と金属不純物とを順次除去する珪素系半導体基
    板の清浄化方法であって、 第1の温度においてフッ化水素ガスと水素ガスとの混合
    ガス雰囲気中で前記有機物を分解する第1工程と、 前記第1工程で生じた分解生成物を前記第1の温度より
    も高い第2の温度において水素ガス雰囲気中で気化させ
    る第2工程と、 前記第2の温度よりも高い第3の温度において塩化水素
    ガスと水素ガスとの混合ガス雰囲気中において前記金属
    不純物を金属塩化物に変化させる第3工程と、 前記第3工程で生じた金属塩化物を前記第3の温度より
    も高い第4の温度において水素ガス雰囲気中で気化させ
    る第4工程とを有することを特徴とする半導体基板の清
    浄化方法。
  7. 【請求項7】 前記第1の温度を0℃以上600℃以下
    の範囲、前記第2の温度を100℃以上1000℃以下
    の範囲、前記第3の温度を100℃以上800℃以下の
    範囲、前記第4の温度を100℃以上1000℃以下の
    範囲でそれぞれ設定することを特徴とする請求項記載
    の珪素系半導体基板の清浄化方法。
  8. 【請求項8】 前記有機物および金属不純物が前記珪素
    系半導体基板の主表面に成長した酸化膜の上に付着して
    いる場合に、前記第1工程に先立ち、0℃以上100℃
    未満の温度域においてフッ化水素ガスと水素ガスとの混
    合ガス雰囲気中で該酸化膜を除去することを特徴とする
    請求項記載の珪素系半導体基板の清浄化方法。
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