JP3323409B2 - 積層二軸配向ポリエステルフイルム - Google Patents
積層二軸配向ポリエステルフイルムInfo
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Description
ステルフイルムに関し、更に詳しくは平坦性、巻取り性
及び加熱ロールでの削れ性(耐削れ性)に優れ、特に磁
気記録媒体用として有用な積層二軸配向ポリエステルフ
イルムに関する。
代表される二軸配向ポリエステルフイルムは、その優れ
た物理的、化学的特性の故に広い用途に、特に磁気記録
媒体のベースフイルムとして用いられている。
化、高容量化が進められており、それに伴ってベースフ
イルムの平坦性、及び厚みの薄膜化が要望されている。
しかしながら、優れた電磁変換特性を維持するために、
ベースフイルムの表面を平坦化すると、滑り性が不足
し、例えばロール状に巻き上げる場合にシワが入った
り、ブロッキングを起こし、フイルムロールの表面が凹
凸になって製品の歩留りを下げたり、巻き上げる時の張
力、接圧、速度の適性範囲が狭くなり、巻き上げること
が非常に難しくなる。
を使用するカレンダー工程等において、加熱された金属
ロールとの摩擦が増加し、削れ粉が発生して磁気記録の
欠落、即ちドロップアウトの原因になる。
改良には、(i)原料ポリマー中にその製造過程で触媒
残渣から不活性粒子を析出せしめる方法や、(ii)不活
性粒子を添加せしめる方法等によってフイルム表面に凹
凸を付与せしめる方法が採用されている。これらフイル
ム中の粒子は、その大きさが大きい程、また、その含有
量が多い程、滑り性の改良が大きいのが一般的である。
点よりベースフイルムの表面はできるだけ平坦であるこ
とが求められている。ベース面の表面粗さが粗いと、磁
気記録媒体に加工する場合、ベースフイルムの表面凹凸
が磁性層塗布後にも磁性層面に突き出し、電磁変換特性
を悪化させる。この場合、ベースフイルム中の粒子の大
きさが大きい程また、その含有量が多い程、表面の粗さ
が粗くなり電磁変換特性は悪化する。
向上という相反する特性を両立する手段としては、積層
フイルムにすることによって、磁性層を塗布する面は平
坦にして電磁変換特性を改善し、反対面は粗面化して滑
り性を向上させる手段が広く知られている。
ポリエステルフイルムを用い、磁性層を塗布する面の反
対面(以下、粗面と称する)を粗化した場合でも、滑り
性、耐削れ性の問題、さらにベース厚が薄いが故に、粗
面側に添加する滑剤の量、種類、粒径によっては、磁性
層を塗布する面にまで影響をおよぼし、平坦な面にうね
り等を生じさせ、その平坦性を悪くするという問題を生
じる。
しては、ベースフイルム中に粒子Aと凝集粒子Bとを含
有させて、摩耗性、走行性を改良するという提案もあ
る。例えば、特開平3―90329号公報では、シリカ
粒子と数珠状凝集シリカ粒子を添加する方法が提案され
ている。しかしながら、数珠状凝集シリカ粒子、つまり
凝集粒子を併用する場合、凝集しているためにベースフ
イルムとの親和性が損なわれて、特に加熱されたロール
上では、容易に脱落し、削れ粉を発生させるという欠点
を生じる。また粒子の凝集体は特に粗大な集合体になり
やすく、上述のように脱落しやすいだけでなく、磁気変
換特性を悪化させるような突起を生じさせやすいという
ような問題を生じさせてしまう。
スフイルム中に単成分の粒子を含有させて、耐摩耗性を
改良するという提案がある。例えば、特開平4―119
845号公報では、球形のシリカ粒子を含有させる方法
が提案されている。しかしながら、例えば粒径の小さい
粒子を含有させた場合は、表面に生じる凹凸による空隙
が小さくなるため、製造工程でのフイルム巻き取り時
に、エアースクイズ性が悪くなり、ロール上で欠点を生
じるし、また粒径が大きすぎても表面が粗化しすぎて削
れやすくなったり、あるいは磁性層を塗布する平坦面に
まで影響を及ぼし、平坦面にうねりを生じさせ、電磁変
換特性の低下をまねくという問題を生じる。
題を同時に解決するフイルムを開発すべく鋭意研究を重
ねた結果、フイルムを積層二軸配向ポリエステルフイル
ムとし、かつその表面の加熱時の走行摩擦係数を特定の
値にすることによって、加熱ロールを使用するカレンダ
ー工程等に代表される製造工程での削れ性(耐削れ性)
と平坦性及び巻き取り性を同時に満足させ得ることを見
出し、本発明に到達した。
リエステル層Bの片面にポリエステル層Aを積層されて
いる積層二軸配向ポリエステルフイルムであって、該フ
イルムの厚みが9μm以下であり、両表面の60℃加熱
ピンに対する走行摩擦係数(以下、60℃走行摩擦係数
という。)がそれぞれ0.05〜0.75であり、ポリ
エステル層A中に滑剤粒子I、IIを含有し、該粒子I、
IIの凝集率がそれぞれ0(%)より大きく20%未満で
あり、該粒子Iの平均粒径が0.3〜1.0μmでかつ
含有量が0.005重量%以上0.1重量%未満であ
り、そして該粒子IIの平均粒径が下記式(1)
子IIの平均粒径である。)を満足しかつ含有量が0.1
重量%以上1.0重量%未満であり、ポリエステルB層
中に平均粒径が0.005〜1μmの不活性粒子を0.
001〜0.3重量%含有することを特徴とする積層二
軸配向ポリエステルフイルムである。
ジカルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリコールを
主たるグリコール成分とするポリエステルである。かか
るポリエステルは実質的に線状であり、そしてフイルム
形成性特に溶融成形によるフイルム形成性を有する。芳
香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェノキシエタ
ンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニル
エーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン
酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、アンスラセンジカ
ルボン酸等を挙げることができる。脂肪族グリコールと
しては、例えばエチレングリコール、トリメチレングリ
コール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレング
リコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレング
リコール等の如き炭素数2〜10のポリメチレングリコ
ールあるいはシクロヘキサンジメタノールの如き脂環族
ジオール等を挙げることができる。
ルキレンテレフタレートおよび/又はアルキレン―2,
6―ナフタレートを主たる構成成分とするものが好まし
く用いられる。
チレンテレフタレート、ポリエチレン―2,6―ナフタ
レートはもちろんのこと、例えば全ジカルボン酸成分の
80モル%以上がテレフタル酸および/又は2,6―ナ
フタレンジカルボン酸であり、全グリコール成分の80
モル%以上がエチレングリコールである共重合体が好ま
しい。その際、全酸成分の20モル%以下はテレフタル
酸および/又は2,6―ナフタレンジカルボン酸以外の
上記芳香族ジカルボン酸であることができ、また例えば
アジピン酸、セバチン酸等の如き脂肪族ジカルボン酸;
シクロヘキサン―1,4―ジカルボン酸の如き脂環族ジ
カルボン酸等であることができる。また全グリコール成
分の20モル%以下はエチレングリコール以外の上記グ
リコールであることができ、また例えばハイドロキノ
ン、レゾルシン、2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニ
ル)プロパン等の如き芳香族ジオール;1,4―ジヒド
ロキシジメチルベンゼンの如き芳香環を有する脂肪族ジ
オール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ポリテトラメチレングリコール等の如きポリア
ルキレングリコール(ポリオキシアルキレングリコー
ル)等であることもできる。
例えばヒドロキシ安息香酸の如き芳香族オキシ酸、ω―
ヒドロキシカプロン酸の如き脂肪族オキシ酸等のオキシ
カルボン酸に由来する成分を、ジカルボン酸成分及びオ
キシカルボン酸成分の総量に対し20モル%以下で共重
合あるいは結合するものも包含される。
実質的に線状である範囲の量、例えば全酸成分に対し2
モル%以下の量で、3官能以上のポリカルボン酸又はポ
リヒドロキシ化合物、例えばトリメリット酸、ペンタエ
リスリトール等を共重合したものも包含される。
り、かつそれ自体公知の方法で製造することができる。
上記ポリエステルとしては、o―クロロフェノール中の
溶液として35℃で測定して求めた固有粘度が0.4〜
0.9のものが好ましく、0.5〜0.7のものがさら
に好ましく、0.55〜0.65のものが特に好まし
い。
フイルムは、ポリエステル層Aとポリエステル層Bの2
層より構成される。2層のポリエステルは同じものでも
違ったものでもよいが、同じものが好ましい。
フイルムは、ポリエステル層A、ポリエステル層Bの両
表面の60℃走行摩擦係数がそれぞれ0.05〜0.7
5である必要がある。この60℃走行摩擦係数は、好ま
しくは0.1〜0.5である。この60℃走行摩擦係数
が0.05より小さいと、フイルムが非常に滑り易く、
フイルム巻き取り時にロール端面不良のトラブルを生
じ、一方0.75より大きいと、フイルムの製造工程で
のフイルム走行性が悪く、巻き取り性を悪化させる。
工程で加熱ロールと接触することが多い。例えば、縦延
伸時または再縦延伸時に加熱ロールの表面とフイルムが
接し、また、磁性塗料塗布後のカレンダー処理で高温ロ
ール表面とフイルムが接触する。従って、このような高
い温度(60℃以上)のロール表面にフイルムが接触し
た場合、粒子が脱落しやすくなり、削れ粉を発生させ
る。よって、上述したように、高温時の摩擦係数を低く
しておく必要がある。
小さくすると同時に、フイルムの平坦性及び良好な巻き
取り性を向上させるには、ポリエステル層A中に滑剤粒
子I、IIを含有させ、かつ該滑剤粒子I,IIの凝集率が
それぞれ0(%)より大きい20%未満である。この凝
集率は、好ましくは3%以上15%未満、さらに好まし
くは3%以上10%未満である。
1mm2 当り、2個以上の粒子が凝集している凝集粒子
の数をX(個)、粒子の総数をY(個)とすると、下記
式(2)によって求められる値である。
ている凝集粒子の数(a1 )と、3個の粒子が凝集して
いる凝集粒子の数(a2 )と、非凝集の粒子の数
(a3 )とがある場合、X=a1 +a2 、Y=a1 +a
2 +a3 となることを理解すべきである。
場合、粒子が脱落しやすく、耐削れ性が著しく悪化し、
また凝集粒子で生じた粗大突起が磁性層側表面に影響
し、うねり等を生じさせ、電磁変換特性の低下を引き起
こす。
滑剤粒子Iの平均粒径は0.3〜1.0μm、さらに
0.4〜0.8μmである。この平均粒径が1.0μm
を超えると、表面が粗くなり、耐削れ性が悪化し、一
方、0.3μm未満になると走行性及びフイルム間での
エアースクイズ性が著しく悪化する。また、滑剤粒子I
の含有量は0.005重量%以上0.1重量%未満、さ
らに好ましくは0.007〜0.08重量%、特に好ま
しくは0.01〜0.08重量%である。この含有量が
0.1重量%以上であると、耐削れ性が悪化し、一方
0.005重量%未満であると走行性が悪化する。前記
ポリエステル層Aに含まれる滑剤粒子IIの平均粒径は下
記式(1)を満足することが必要である。
IIは滑剤粒子IIの平均粒径である。滑剤粒子Iの平均粒
径(dI)と滑剤粒子IIの平均粒径(dII)の比(dI
/dII)はさらに2〜8、特に3〜7であることが好ま
しい。この比(dI/dII)が10を超えると、走行性
が悪化し、またフイルム間でのブロッキングが大きくな
り、巻取り性を悪化させ、一方1以下になると、フイル
ム表面を著しく粗化させ、耐削れ性、電磁変換特性を悪
化させる。
%以上1.0重量%未満、さらに好ましくは0.2重量
%以上0.5重量%未満、特に好ましくは0.2重量%
以上0.4重量%未満である。この含有量が0.1重量
%未満であると走行性が悪化し、またフイルム間でのブ
ロッキングが大きくなり、巻取り性を悪化させ、一方
1.0重量%以上であると、フイルム表面を著しく粗化
させ、耐削れ性及び電磁変換特性を悪化させる。
フイルムは、ポリエステル層Aの表面粗さが、中心面平
均粗さWRaA で2〜15nm(0.002〜0.01
5μm)であることが好ましい。またポリエステル層B
の表面粗さが、中心面平均粗さWRaB で0.1〜8n
m(0.0001〜0.008μm)であることが好ま
しい。
非接触式3次元粗さ計(TOPO―3D)を用いて、測
定倍率40倍、測定面積242μm×239μm(0.
058mm2 )の条件で測定したものである。
μm未満であると、フイルム走行性が悪化し、一方0.
015μmを超えると、耐削れ性が悪化し、また、フイ
ルム加工工程でバックコートを施しても、かなり粗化し
てしまい、キュアリング時の裏写り現象によって磁気変
換特性が悪化してしまうので好ましくない。また前記中
心面平均粗さWRaB が0.0001μm未満である
と、フイルム間でブロッキングが大きくなり、巻取り性
を悪化させたり、フイルム加工工程での金属ロール等の
摩擦係数が高くなり、耐削れ性を悪化させ、一方0.0
08μmを超えると、著しく電磁変換特性を悪化させる
ので好ましくない。
おいて、ポリエステル層Aに含ませる滑剤粒子I,IIが
耐熱性高分子及び球状シリカ粒子から選ばれる少なくと
も1種であると、本発明の効果がより一層顕著となるの
で好ましい。
リスチレン樹脂粒子、架橋シリコーン樹脂粒子、架橋ア
クリル樹脂粒子、架橋スチレン―アクリル樹脂粒子、架
橋ポリエステル粒子、ポリイミド粒子、メラミン樹脂粒
子等があげられる。この中でも架橋ポリスチレン樹脂粒
子や架橋シリコーン樹脂粒子を含有させると、本発明の
効果がより一層顕著となるので好ましい。
おいて、ポリエステル層Bは不活性粒子を含有してお
り、平均粒径が0.005〜1μm、特に好ましくは
0.05〜0.6μmの不活性粒子を0.001〜0.
3重量%、さらに好ましくは0.005〜0.2重量
%、特に好ましくは0.005〜0.1重量%含有して
いる。これにより、走行摩擦係数を所定の範囲内にする
ことができ、フイルムの巻姿も良好となる。この不活性
粒子としてはポリエステル層Aに含有させる滑剤粒子と
して例示したものを好ましく挙げることができる。この
不活性粒子としては1種以上を用いることができる。ポ
リエステル層A,Bに含有させる滑剤粒子の種類や大き
さは同じでも異なっていてもよい。
フイルムは、従来から知られている、あるいは当業界に
蓄積されている方法に準じて製造することができる。例
えば、先ず積層未配向フイルムを製造し、次いで該フイ
ルムを二軸配向させる方法で得ることができる。この積
層未配向フイルムは、従来から蓄積された積層フイルム
の製造法で製造することができる。例えば、ポリエステ
ル層Aと、反対面を形成するポリエステル層Bとを、ポ
リエステルの溶融状態又は冷却固化された状態で積層す
る方法を用いることができる。さらに具体的には、例え
ば共押出、エクストルージョンラミネート等の方法で製
造できる。上述の方法で積層されたフイルムは、更に従
来から蓄積された二軸配向フイルムの製造法に準じて行
ない、二軸配向フイルムとすることができる。例えば、
融点(Tm:℃)ないし(Tm+70)℃の温度でポリ
エステルを溶融・共押出して積層未延伸フイルムを得、
該積層未延伸フイルムを一軸方向(縦方向又は横方向)
に(Tg−10)〜(Tg+70)℃の温度(但し、T
g:ポリエステルのガラス転移温度)で2.5倍以上、
好ましくは3倍以上の倍率で延伸し、次いで上記延伸方
向と直角方向にTg〜(Tg+70)℃の温度で2.5
倍以上、好ましくは3倍以上の倍率で延伸するのが好ま
しい。さらに必要に応じて縦方向および/又は横方向に
再度延伸してもよい。このようにして全延伸倍率は、面
積延伸倍率として9倍以上が好ましく、12〜35倍が
さらに好ましく、15〜30倍が特に好ましい。さらに
また、二軸配向フイルムは、(Tg+70)℃〜(Tm
−10)℃の温度で熱固定することができ、例えば18
0〜250℃で熱固定するのが好ましい。熱固定時間は
1〜60秒が好ましい。
ムの長手方向(MD)及び幅方向(TD)のヤング率
は、それぞれ400kg/mm2 以上2000kg/m
m2 以下が好ましい。このヤング率が400kg/mm
2 未満だと、磁気テープと磁気ヘッドとのあたりが不足
し、電磁変換特性の低下をまねき好ましくない。一方、
ヤング率が2000kg/mm2 を超えるとフイルムの
製膜性が低下し、好ましくない。MDのヤング率は40
0〜900kg/mm2 であり、TDのヤング率は55
0〜1500kg/mm2 であることが特に好ましい。
フイルムは、その全体の厚みが2〜9μmであることが
好ましい。更に厚みが2〜7μmであると、本効果がよ
りいっそう顕著となるので好ましい。
ムは、上述した特性から、磁気記録媒体、更には磁気テ
ープの支持体(ベースフイルム)として、特にデジタル
記録方式の磁気テープの支持体として好ましく用いられ
る。
性は以下の如く測定されたものであり、かつ定義され
る。
クル サイズ アナライザー(Centrifugal Particle S
ize Analyzer)を用いて測定する。得られる遠心沈降曲
線を基に算出した各粒径の粒子とその存在量との積算曲
線から、50マスパーセントに相当する粒径を読み取
り、この値を上記平均粒径とする(Book「粒度測定技
術」日刊工業新聞社発行、1975年、頁242〜24
7参照)。
a WYKO社製非接触三次元粗さ計(TOPO―3D)を
用いて測定倍率40倍、測定面積242μm×239μ
m(0.058mm2 )の条件にて測定を行ない、該粗
さ計の内臓ソフトによる表面解析より、WRaは以下の
式により計算されアウトプットされる値を用いる。
行する方向(239μm)をそれぞれM分割、N分割し
たときの各方向のj番目、k番目の位置における2次元
粗さチャート上の高さである。
図1中、1は巻出しリール、2はテンションコントロー
ラー、3,5,6,8および11はフリーローラー、4
はテンション検出機(入口)、7はステンレス鋼SUS
304製の固定ピン(外形5mmφ)、10はテンショ
ン検出機(出口)、12はガイドローラー、13は巻き
取りリールをそれぞれ示す。
固定ピン(表面粗さ10nm)に、幅1/2インチに裁
断したポリエステルフイルムのプライマー層側を90°
の角度[θ=(90/180)π(ラジアン)]で接触
させ、毎分2m/分の速度で移動(摩擦)させる。入口
テンションT1 が30gとなるよう2のテンションコン
トローラーで調整し、40m走行させたときの出口テン
ション(Ti:g)を検出し、この間最大テンションを
T2 (g)とし、次式によりμkを算出する。
リアクターPR3を用い、次の条件にてエッチング行な
い、 高周波電力(W) :50 酸素流量(ml/min) :30 エッチング時間(hr) :0.5 エッチングした表面をエリオニクス(株)社製EMM3
000を用い、倍率10000倍にてSEM(走査型電
子顕微鏡)観察を行ない、滑剤粒子の凝集率を測定す
る。
を目視評価し、下に示すランク別に評価を行う。 ◎:全く付着しない ○:微量付着する △:少量(○よりは多い)付着する ×:極めて多く付着する。
気テープのS/N比を測定し、表1に示す実施例3のテ
ープに対するS/N比の差を求める。使用するVTRは
ソニー(株)EDV―6000である。
下記に示す組成物をボールミルに入れ、16時間混練、
分散した後、イソシアネート化合物(バイエル社製のデ
スモジュールL)5重量部を加え、1時間高速剪断分散
して磁性塗料とする。 磁性塗料の組成: 針状Fe粒子 100重量部 塩化ビニル―酢酸ビニル共重合体 15重量部 (積水化学製エスレック7A) 熱可塑性ポリウレタン樹脂 5重量部 酸化クロム 5重量部 カーボンブラック 5重量部 レシチン 2重量部 脂肪酸エステル 1重量部 トルエン 50重量部 メチルエチルケトン 50重量部 シクロヘキサノン 50重量部
フイルムの片面(層B)に、塗布厚3μmとなるように
塗布し、次いで2500ガウスの直流磁場中で配向処理
を行ない、100℃で加熱乾燥後、スパーカレンダー処
理(線圧300kg/cm、温度80℃)を行ない、巻
き取る。この巻き取ったロールを55℃のオーブン中に
3日間保持した後、1/2インチ巾に裁断して磁気テー
プを得る。
ら深さ3000nm迄の範囲のフイルム中の粒子の内も
っとも高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭
素元素の濃度比(M+ /C+ )を粒子濃度とし、表面か
ら深さ3000nmまで厚さ方向の分析を行なう。表層
では表面という界面のために粒子濃度は低く表面から遠
ざかるにつれて粒子濃度は高くなる。そして一旦極大値
となった粒子濃度がまた減少し始める。この濃度分布曲
線をもとに表層粒子濃度が極大値の1/2となる深さ
(この深さは極大値となる深さよりも深い)を求め、こ
れを表層厚さとする。
にもっとも多く含有する粒子が有機高分子粒子の場合は
SIMSでは測定が難しいので、表面からエッチングし
ながらXPS(X線光電子分光法)、IR(赤外分光
法)などで上記同様のデブスプロファイルを測定し表層
厚さを求めてもよい。
価し、ランク別に評価を行う。尚、フイルムは700m
m幅、巻長7000m、接圧40kg/m、張力5kg
/mで巻き取る。 ○:欠点なし △:少しの欠点はあるが、程度がかるい ×:欠点が極めて多い
る。
ートとエチレングリコールとを、エステル交換触媒とし
て酢酸マンガンを、重合触媒として三酸化アンチモン
を、安定剤として亜燐酸を、更に滑剤として表1に示す
添加粒子を添加して常法により重合し、固有粘度(オル
ソクロロフェノール、35℃)0.61の層A用及び層
B用ポリエチレン―2,6―ナフタレート(PEN)を
得た。
のペレットを170℃で6時間乾燥後、2台の押出機ホ
ッパーに供給し、溶融温度280〜300℃で溶融し、
マルチマニホールド型共押出ダイを用いて層Bの片側に
層Aを積層させ、表面仕上げ0.3S程度、表面温度6
0℃の回転冷却ドラム上に押出し、厚み120μmの積
層未延伸フイルムを得た。
ムを120℃に予熱し、更に低速、高速のロール間で1
5mm上方より900℃の表面温度のIRヒーターにて
加熱して4.0倍に延伸し、急冷し、続いてステンター
に供給し、145℃にて横方向に5.0倍に延伸した。
得られた二軸延伸フイルムを210℃の熱風で4秒間熱
固定し、厚み6.5μmの積層二軸配向ポリエステルフ
イルムを得た。これらのフイルムのヤング率は縦方向6
00kg/mm2 、横方向900kg/mm2であっ
た。また他のフイルム特性は表2に示す。
す粒子を使用し、ジメチル―2,6―ナフタレートの代
りにジメチルテレフタレートを使用した以外は実施例
1、2と同様の方法でポリエステル層A、層B用のポリ
エチレンテレフタレート(PET)を得た。
トを170℃で3時間乾燥後、実施例1、2と同様にし
て積層未延伸フイルムを得た。(但し、回転冷却ドラム
の表面温度を20℃とした。)
ムを78℃にて予熱し、更に低速、高速のロール間で1
5mm上方より850℃の表面温度のIRヒーターにて
加熱して2.3倍に延伸し、急冷し、続いてステンター
に供給し、110℃にて横方向に3.6倍に延伸した。
さらに引き続いて、110℃にて予熱し、低速・高速の
ロール間で2.0倍に縦方向に延伸し、更にステンター
に供給し、90℃にて横方向に1.5倍延伸し、得られ
た二軸延伸フイルムを220℃の熱風で4秒間熱固定
し、積層二軸配向ポリエステルフイルムを得た。
出量を変えることにより調整した。このフイルムのヤン
グ率は縦方向600kg/mm2 、横方向610kg/
mm2 であった。また他のフイルム特性を表2に示す。
のは、優れた加熱ロールとの耐削れ性及び巻き取り性、
電磁変換特性を有する。
び加熱ロールでの削れ性(耐削れ性)に優れ、特に磁気
記録媒体用として有用な積層二軸配向ポリエステルフイ
ルムを提供することができる。
Claims (7)
- 【請求項1】 ポリエステル層Bの片面にポリエステル
層Aを積層されている積層二軸配向ポリエステルフイル
ムであって、該フイルムの厚みが9μm以下であり、両
表面の60℃加熱ピンに対する走行摩擦係数がそれぞれ
0.05〜0.75であり、 ポリエステル層A中に滑剤粒子I、IIを含有し、該粒子
I、IIの凝集率がそれぞれ0(%)より大きく20%未
満であり、該粒子Iの平均粒径が0.3〜1.0μmで
かつ含有量が0.005重量%以上0.1重量%未満で
あり、そして該粒子IIの平均粒径が下記式(1)を満足
しかつ含有量が0.1重量%以上1.0重量%未満であ
り、 ポリエステルB層中に平均粒径が0.005〜1μmの
不活性粒子を0.001〜0.3重量%含有す ることを
特徴とする積層二軸配向ポリエステルフイルム。【数1】 ここで、dIは滑剤粒子Iの平均粒径、dIIは滑剤粒子I
Iの平均粒径である。 - 【請求項2】 ポリエステル層Aの表面の中心面平均粗
さWRaAが2〜15nmである請求項1記載の積層二
軸配向ポリエステルフイルム。 - 【請求項3】 ポリエステル層Bの表面の中心面平均粗
さWRaBが0.1〜8nmである請求項1記載の積層
二軸配向ポリエステルフイルム。 - 【請求項4】 フイルム全体の厚みが2〜7μmである
請求項1記載の積層二軸配向ポリエステルフイルム。 - 【請求項5】 ポリエステル層A、B両面の60℃加熱
ピンに対する走行摩擦係数が0.1〜0.5である請求
項1記載の積層二軸配向ポリエステルフイルム。 - 【請求項6】 請求項1記載の積層二軸配向ポリエステ
ルフイルムをベースフイルムとする磁気記録媒体。 - 【請求項7】 デジタル記録方式の磁気テープである請
求項6記載の磁気記録媒体。
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JPH10138428A JPH10138428A (ja) | 1998-05-26 |
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