JP3323301B2 - 多気筒2サイクルエンジンの潤滑装置 - Google Patents

多気筒2サイクルエンジンの潤滑装置

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JP3323301B2
JP3323301B2 JP28023193A JP28023193A JP3323301B2 JP 3323301 B2 JP3323301 B2 JP 3323301B2 JP 28023193 A JP28023193 A JP 28023193A JP 28023193 A JP28023193 A JP 28023193A JP 3323301 B2 JP3323301 B2 JP 3323301B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車等に用いられ
る多気筒2サイクルエンジンの潤滑装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記潤滑装置には、エンジンのシリンダ
内に潤滑油を直接的に供給するようにしたものがある。
従来、この潤滑装置は、油ポンプ装置の吐出口から各シ
リンダに向ってそれぞれに延びる油ホースを備え、これ
ら各ホースによって、シリンダ内に潤滑油が供給される
ようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来構
成では、シリンダ数に応じて、油ホースの数が増えるた
め、潤滑装置の構成が複雑になると共に、これら油ホー
スの取り付けが煩雑になることから、潤滑装置の組立作
業が煩雑になるという問題がある。
【0004】
【発明の目的】この発明は、上記のような事情に注目し
てなされたもので、構成が簡単で、かつ、組立作業が容
易にできる潤滑装置の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
のこの発明の多気筒2サイクルエンジンの潤滑装置は、
複数のシリンダ95を左右に並設して、これら各シリン
ダ95を互いに一体化し、これら各シリンダ95におけ
る各シリンダ孔96内に向ってクランク室83から延び
るそれぞれ複数の掃気通路138を上記各シリンダ孔9
6の周りにおける上記各シリンダ95の部分に形成し、
上記各シリンダ95の軸心に沿った視線でみた平面視
(図1)で、上記左右方向に直交する方向での上記各シ
リンダ95の一側部にその各シリンダ孔96の内外を連
通させる排気通路140を形成した多気筒2サイクル
ンジンにおいて、
【0006】上記複数のシリンダ95に沿って左右に延
びる潤滑油レール160a,160bを設け、この潤滑
油レール160a,160bから上記各シリンダ95に
おける各シリンダ孔96内にまで延びる分岐油路160
cを各シリンダ95に形成し、上記潤滑油レール160
a,160bに潤滑油55を供給するようにし、
【0007】上記シリンダ95の平面視(図1)で、
上記シリンダ孔96群の周りの各シリンダ95の部分
水ジャケット147を形成し、上記各シリンダ95の少
なくとも上記一側部において、上記潤滑油レール160
a,160bの少なくとも一部分を上記掃気通路138
水ジャケット147を基準として上記各シリンダ孔
96とは反対側に設け、かつ、上記分岐油路160cの
少なくとも一部分を上記シリンダ孔96群の周りで互
いに離れて隣り合う上記掃気通路138と水ジャケット
147との間に設けると共に上記水ジャケット147の
一部分と他の部分との間に設けたものである。
【0008】
【作 用】上記構成による作用は次の如くである。
【0009】各シリンダ95内に潤滑油55をそれぞれ
供給する場合に、各シリンダ95に対し上記潤滑油レー
ル160a,160bが共用される。このため、従来、
油ポンプ装置57の吐出口から上記各シリンダ孔96内
にそれぞれ油ホースを介して潤滑油55を供給していた
ことに比べて、上記油ホースは不要、もしくは少なくて
足りる。
【0010】また、上記潤滑油レール160a,160
bから上記各シリンダ孔96内へ潤滑油55を供給する
分岐油路160cは、上記潤滑油レール160a,16
0bに直接的に連結されるため、これら潤滑油レール1
60a,160bと分岐油路160cとの間には従来の
ような油ホースは不要である。
【0011】また、上記したように油ホースが不要、も
しくは少なくなる分、油ホースの取り付けが容易とな
る。
【0012】また、上記シリンダ95の平面視(図
1)で、上記シリンダ孔96群の周りの各シリンダ95
の部分に水ジャケット147を形成し、排気通路140
を形成した上記各シリンダ95の少なくとも一側部にお
いて、上記潤滑油レール160a,160bの少なくと
も一部分を上記掃気通路138と水ジャケット147
を基準として上記各シリンダ孔96とは反対側に設け、
かつ、上記分岐油路160cの少なくとも一部分を
記シリンダ孔96群の周りで互いに離れて隣り合う上記
掃気通路138と水ジャケット147との間に設けると
共に上記水ジャケット147の一部分と他の部分との間
に設けてある。
【0013】このため、上記排気通路140を形成した
上記各シリンダ95の一側部と、掃気通路138内を通
る空気60とは、エンジン7の駆動に伴い上記排気通路
140内を通る排気68の熱により、より高温となるよ
温度が上昇しようとするが、上記各水ジャケット14
7における冷却水63は上記潤滑油レール160a,1
60bに邪魔されることなく、つまり、より直接的に上
各シリンダ95の一側部と、上記掃気通路138内を
通る空気60とを冷却する。
【0014】よって、上記各シリンダ95の一側部と、
上記掃気通路138内を通る空気60の温度の上昇がよ
り確実に防止される。
【0015】しかも、上記したように潤滑油レール16
0a,160bは上記掃気通路138と水ジャケット1
47を基準として上記各シリンダ孔96とは反対側に
設けられていることから、上記各シリンダ孔96内の燃
焼熱によって上記潤滑油レール160a,160b内の
潤滑油55が加熱されるということは、上記掃気通路1
38内を通る空気60と、上記水ジャケット147内の
冷却水63によって防止される。
【0016】よって、上記潤滑油レール160a,16
0bが、上記各シリンダ95の一側部に設けられてい
て、この一側部に形成された上記排気通路140内を通
る排気68によって、高温になるよう加熱されがちであ
るが、上記したように、潤滑油レール160a,160
内の潤滑油55の温度の上昇が防止される。
【0017】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面により説明す
る。
【0018】(実施例1)
【0019】図1から図20は、実施例1を示してい
る。
【0020】図2から図9において、図中符号1は自動
車で、この自動車1は車体2、車体フレーム3、左右前
輪4,4および左右後輪5,5を有している。なお、図
中矢印Frは自動車1の前方を示し、下記する左右と
は、上記前方に向っての方向をいうものとする。
【0021】上記車体2の前部にはエンジン7が配設さ
れ、このエンジン7は前後ブラケット8,9や、その他
のブラケットにより上記車体フレーム3に支持されてい
る。上記エンジン7は第1〜第3気筒10〜12を備え
た3気筒の予圧縮式2サイクルエンジンである。上記エ
ンジン7の左端には動力伝達装置13が連設され、上記
エンジン7の動力は上記動力伝達装置13を介し上記前
輪4と後輪5の少なくとも一方に伝達されて、自動車1
が走行可能とされている。
【0022】上記エンジン7の後面に吸気マニホールド
15が突設され、この吸気マニホールド15の突出端に
スロットル弁16が取り付けられている。一方、上記エ
ンジン7の左側上方にエアクリーナ17が配設され、こ
のエアクリーナ17から前方に向って第1吸気管18が
延出し、上記スロットル弁16とエアクリーナ17とが
第2吸気管19で連結されている。
【0023】上記第2吸気管19にはエアフローセンサ
ー20が介設されている。
【0024】上記エンジン7の前面に排気マニホールド
21が突設されている。この排気マニホールド21の突
出端に第1排気管22の前端が連結され、この第1排気
管22の後端側は上記エンジン7の下方を通って後方に
延びている。この第1排気管22の後端に触媒管23、
第1マフラ24、および第2マフラ25,25が順次連
結されている。更に、上記第2マフラ25の後端に第2
排気管26と第3マフラ27とが順次連結されている。
また、上記第2排気管26の前後中途部から左側方に向
って分岐管28が突設されている。
【0025】上記の場合、第1排気管22の内面には触
媒が担持されている。また、上記触媒管23には温度セ
ンサー29が取り付けられている。
【0026】上記エンジン7に燃料31を供給する燃料
供給装置32が設けられている。この燃料供給装置32
は車体2の後部に設けられる燃料タンク33を備え、こ
の燃料タンク33内に電動式の燃料ポンプ34が設置さ
れている。一方、上記第1〜第3気筒10〜12に第1
〜第3燃料噴射弁36が取り付けられている。上記燃料
ポンプ34から吐出される燃料31を上記燃料噴射弁3
6に順次供給する燃料供給管39が設けられ、この燃料
供給管39の中途部に燃料フィルタ40が介設されてい
る。上記燃料噴射弁36に供給した後の残りの燃料31
を上記燃料タンク33に戻す燃料戻し管41が設けら
れ、この燃料戻し管41の中途部に差圧レギレータ42
が介設されている。
【0027】上記エンジン7の右側にエアーポンプ45
が設けられている。このエアーポンプ45の吸入口に上
記エアクリーナ17が空気吸入管46によって連結さ
れ、この空気吸入管46の中途部にサイレンサ47が介
設されている。上記エアーポンプ45から吐出される圧
縮空気48を上記燃料噴射弁36に順次供給する空気吐
出管49が設けられている。また、上記燃料噴射弁36
に供給した後の残りの圧縮空気48を、前記第1排気管
22の後端内に戻す空気戻し管50が設けられ、この空
気戻し管50の中途部に上記差圧レギレータ42が介設
されている。
【0028】上記第1〜第3気筒10〜12にはそれぞ
れ点火プラグ53が設けられている。
【0029】上記エンジン7に潤滑油55を供給する潤
滑装置56が設けられている。この潤滑装置56は、潤
滑油55を所定部位に供給する油ポンプ装置57と、潤
滑油55を貯留してこの潤滑油55を上記油ポンプ装置
57に供給する油タンク58とを有している。
【0030】図8と図9において、上記エンジン7の後
面側に水ポンプ62が取り付けられ、この水ポンプ62
は上記エンジン7によって駆動させられる。上記水ポン
プ62の吐出口から吐出される冷却水63はエンジン7
内を通ってこのエンジン7を冷却する。この後、同上冷
却水63はサーモスタット64と水送り管65を介しラ
ジエータ66に送り込まれ、ここで空冷された後、水戻
し管67を通り、上記水ポンプ62の吸入口に戻され、
上記したように再び吐出される。
【0031】特に、図3と図5において、上記エンジン
7が駆動すれば、空気60が前記第1吸気管18、エア
クリーナ17、第2吸気管19、スロットル弁16、お
よび吸気マニホールド15を順次通ってエンジン7に吸
入される。一方、各燃料噴射弁36により、燃料31が
圧縮空気48と共にエンジン7内に噴射され、これが点
火プラグ53により点火されて、燃焼に供される。この
燃焼により生じた排気68は上記排気マニホールド2
1、第1排気管22、触媒管23、第1マフラ24、第
2マフラ25、第2排気管26、および第3マフラ27
を順次通って排出される。
【0032】上記の場合、エアーポンプ45による圧縮
空気48の生成には、上記エアクリーナ17により濾過
された後の空気60の一部が用いられる。また、各燃料
噴射弁36により噴射される燃料31と、圧縮空気48
の各圧力とは前記差圧レギレータ42により適正に調整
される。
【0033】図6から図8において、上記エンジン7の
右側にはパワーステアリング用の油ポンプ70、ブレー
キ用の真空ポンプ71、および空調用のコンプレッサ7
2が設けられ、これら、および前記エアーポンプ45は
ベルト動伝機構73を介し上記エンジン7により駆動さ
れ、その各回転方向は図6中一点鎖線矢印の方向であ
る。74はアイドラーである。
【0034】図8において、上記エンジン7の後面側に
上記真空ポンプ71に連動するオルタネータ76が設け
られている。また、77はスタータモータである。
【0035】図10から図19において、前記エンジン
7はクランクケース80を有し、このクランクケース8
0は上ケース81と下ケース82とに上下二分割され
て、互いに着脱自在に締結されている。上記クランクケ
ース80内のクランク室83には左右ほぼ水平に延びる
クランク軸85が収容されている。このクランク軸85
の右端は前記ベルト動伝機構73を介し油ポンプ70や
真空ポンプ71等に連結されている。
【0036】上記クランク軸85はクランク主軸86、
三対のクランクアーム87、各一対のクランクアーム8
7にそれぞれ架設されるクランクピン88とで構成さ
れ、上記クランク主軸86が第1〜第4軸受90〜93
により上記上ケース81と下ケース82の互いの接合面
間に支承されている。
【0037】前記第1〜第3気筒10〜12に対応し
て、上記上ケース81から上方に向って左右三つのシリ
ンダ95が互いに一体的に突設され、上記各シリンダ9
5にそれぞれシリンダ孔96が形成されている。上記各
シリンダ孔96にそれぞれピストン97が上下摺動自在
に嵌入され、これら各ピストン97と、これに対応する
クランクピン88との間にそれぞれ連接棒98が介設さ
れている。この連接棒98の大端部99は上記クランク
ピン88に連結され、同上連接棒98の小端部101は
ピストンピン102を介して上記ピストン97に連結さ
れている。
【0038】上記シリンダ95の上端にはシリンダヘッ
ド104が取り付けられ、このシリンダヘッド104、
上記シリンダ95、およびピストン97で囲まれた空間
が燃焼室105となっている。前記燃料噴射弁36と点
火プラグ53とは上記シリンダヘッド104に着脱自在
に取り付けられ、特に、図11で示すように上記燃料噴
射弁36のノズル106と、点火プラグ53の放電部1
07とが上記燃焼室105に臨んでいる。
【0039】図10、図11、図15から図17におい
て、上記下ケース82の下面側を覆うバランサケース1
10が設けられ、このバランサケース110は上記下ケ
ース82に着脱自在に締結されている。
【0040】上記下ケース82とバランサケース110
との間の空間がバランサ室111であり、このバランサ
室111には左右にほぼ水平に延びるバランサ軸112
が収容され、このバランサ軸112は前記クランク軸8
5の下方で、このクランク軸85と平行に延びている。
このバランサ軸112は左軸受113と右軸受114に
よって上記下ケース82とバランサケース110の互い
の接合面間に支承されている。上記クランクケース8
0、シリンダ95、およびバランサケース110の各右
側壁を外方から覆うサイドカバー116が設けられ、こ
のサイドカバー116内がギヤ室117とされている。
【0041】上記クランク軸85の右端に駆動歯車11
8が取り付けられている。一方、上記バランサ軸112
の右端に従動歯車119が取り付けられ、これら駆動歯
車118と従動歯車119は上記ギヤ室117に収容さ
れて互いに噛合している。そして、上記バランサ軸11
2は上記駆動歯車118と従動歯車119を介し、上記
クランク軸85に連動する。
【0042】上記の場合、従動歯車119は上記バラン
サ軸112の右端に固定される基部120と、上記駆動
歯車118に噛合する歯車本体121と、これら基部1
20と歯車本体121との間に介在するゴム製の円環状
緩衝体122と、この緩衝体122を基部120に支持
させるピン123とで構成されている。
【0043】上記ギヤ室117側とクランク室83側と
の間で潤滑油55が流動することを阻止するクランク軸
シール124と、同上ギヤ室117側とバランサ室11
1側とを仕切るバランサ軸シール125とが設けられて
いる。
【0044】図7、図8、および図10において、上記
クランク軸85の左端にはフライホイール126が締結
され、上記クランク軸85の動力は上記フライホイール
126を介し前記動力伝達装置13の入力側に伝えられ
るようになっている。
【0045】上記動力伝達装置13のミッションケース
128と、上記サイドカバー116とは、それぞれ上記
クランクケース80の上ケース81と下ケース82、シ
リンダ95、およびバランサケース110に跨って締結
されている。このため、これらの剛性が互いに高めら
れ、これにより、振動と騒音が低減させられている。
【0046】図11と図12において、上記クランクケ
ース80の後壁には第1〜第3気筒10〜12にそれぞ
れ対応させて吸気ポート129が形成され、こられ各吸
気ポート129の開口縁に前記吸気マニホールド15の
前端がボルト130により着脱自在に締結されている。
上記各吸気ポート129にそれぞれリード弁131が設
けられている。
【0047】上記リード弁131は上記クランクケース
80の後壁と、吸気マニホールド15の前端との間に挟
まれて上記クランクケース80に締結されるフランジ1
32と、このフランジ132からクランク室83に向っ
て一体的に突出する弁本体133とを備えている。この
弁本体133は平面断面が三角形をなし、上下に長く延
びている。この弁本体133の左右側壁にそれぞれ上下
三つの弁孔134が形成されている。また、これら弁孔
134を開閉させる薄板の弾性リード135が設けら
れ、このリード135は上記弁本体133に片持支持さ
れ、このリード135は自由状態で上記各弁孔134を
弾性的に閉じている。
【0048】図12から図14において、上記各シリン
ダ孔96の周りで、クランク室83から上記各シリンダ
孔96内の燃焼室105に向って延びる複数である三つ
の掃気通路138が上記各シリンダ95の部分にそれぞ
形成されている。
【0049】特に、上記各シリンダ95の軸心に沿った
視線でみた平面視(図1)で、左右 方向に直交する方向
での上記各シリンダ95の一側部に、上記各シリンダ孔
96の内外を連通させるよう、上記各燃焼室105から
シリンダ95の前方に向って貫通する排気通路140が
形成されている。一方、前記排気マニホールド21は第
1〜第3気筒10〜12に対応して設けられる第1〜第
3短管141〜143を有し、これら第1〜第3短管1
41〜143の各後端はこれらに対応する各排気通路1
40の開口縁に締結されている。また、同上第1〜第3
短管141〜143の各前端は前下方に向って側面視円
弧状に折り曲げられ、かつ、集合管144に連結されて
互いに集合させられている。そして、この集合管144
に前記第1排気管22の前端が連結されている。
【0050】エンジン7の駆動時において、図18と図
19とで示す下死点の状態から、ピストン97がシリン
ダ孔96を上昇するときが吸入、圧縮過程であり、この
過程では、クランク室83が負圧になって、リード13
5が撓むことによりリード弁131が開弁する。する
と、上記第2吸気管19、スロットル弁16、吸気マニ
ホールド15、およびリード弁131を順次通して空気
60がクランク室83に吸入され、一方、これと同時
に、燃焼室105内に予め吸入されていた空気60が、
上昇するピストン97によって圧縮される。
【0051】図11で示すピストン97の上死点の手前
で、上記燃焼室105内で圧縮された空気60に対し、
燃料噴射弁36により燃料31と圧縮空気48とが噴射
され、燃焼室105内に混合気が生成される。次に、ピ
ストン97の上死点の直前で、点火プラグ53の放電に
より上記混合気の燃焼が開始されて気体が膨張し、上記
ピストン97が下降させられる。
【0052】上記ピストン97の下降で、前記したよう
にクランク室83に吸入されていた空気60が圧縮さ
れ、リード弁131が閉動作する。そして、上記ピスト
ン97が更に下降することで、上記クランク室83の空
気60が更に圧縮され、つまり、予圧縮される。
【0053】上記ピストン97が下降する途中で、ま
ず、排気通路140が開き、これを通って、上記燃焼に
よる燃焼ガスが排気68として排出される。即ち、これ
が排気過程である。ここから更にピストン97が下降す
ると、各掃気通路138が開く。すると、上記したよう
にクランク室83で予圧縮された空気60が掃気通路1
38を通って燃焼室105に流入する。即ち、これが掃
気過程である。そして、この空気60が上記燃焼室10
5に残留している上記燃焼ガスの一部を排気通路140
へ押し出す。また、これと共に、上記空気60が上記燃
焼室105に充満し、前記図18と図19とで示した下
死点の状態に戻る。
【0054】ここから、上記ピストン97が再び上昇
し、以下、前記した各過程が繰り返されて、クランク軸
85が各図中矢印で示す方向に回転し、このクランク軸
85を通してエンジン7が動力を出力する。
【0055】図18と図19とで示すように、ピストン
97が下死点に達したとき、クランクアーム87にピス
トン97のスカート下縁が接触しないよう、これらの互
いの対向面にそれぞれ面取り87a,97aが形成さ
れ、これにより、連接棒98を短くして、エンジン7の
全高を低くさせている。
【0056】図1、図10から図12において、上記シ
リンダ孔96群の周りの各シリンダ95の部分には水ジ
ャケット147が形成されている。前記第1気筒10に
おけるシリンダ95の後壁に上記水ジャケット147に
連通する水入口148が形成され、この水入口148に
前記水ポンプ62の吐出口が連結されている。一方、前
記第3気筒12におけるシリンダヘッド104の前後ほ
ぼ中央で左側壁に、前記水送り管65に連通する水出口
が形成され、この水出口は上記水ジャケット147の最
上部に対応して設けられている。また、上記水入口14
8に対面する水ジャケット147の内壁面には肉盛部1
46が一体成形され、この肉盛部146により上記水ジ
ャケット147の内壁面が他に比べて偏って過冷却され
ることが防止されている。
【0057】そして、前記したようにエンジン7が駆動
するとき、これに連動する水ポンプ62により、冷却水
63が上記水ジャケット147に送り込まれて、シリン
ダ95やシリンダヘッド104が冷却される。また、上
記冷却水63の一部は分岐されて、エアーポンプ45の
冷却も行う。
【0058】図7、図12、図13、および図20にお
いて、シリンダ孔96に開口する前記各排気通路140
の排気ポート149の上縁位置を上下可変として、排気
時期を調整する排気バルブ150が設けられている。
【0059】この排気バルブ150につき説明すると、
上記シリンダ95の外部から上記排気ポート149の上
部に向って貫通する弁孔151がシリンダ95に形成さ
れている。上記弁孔151に弁体152がその軸心回り
に回転自在に支承されている。この弁体152において
上記排気ポート149に臨む部分は断面が半円形とされ
ている。
【0060】上記弁体152にはプーリー153が取り
付けられ、このプーリー153はワイヤー154により
サーボモータに連結されている。
【0061】そして、エンジン7の低、中速回転時に
は、これを検出したセンサーの信号に基づき、制御装置
を介して上記サーボモータが駆動させられ、これによ
り、図13と図20中仮想線で示すようにワイヤー15
4とプーリー153を介し弁体152が回転させられ
る。すると、上記排気ポート149の上縁位置が下方に
変位させられて、その分、排気時期が遅延させられる。
【0062】一方、エンジン7の高速回転時には、同上
サーボモータ等により、図13中実線と、図20中破線
とで示すように弁体152が回転させられる。すると、
上記とは逆の作用により、排気ポート149の上縁位置
が上方に変位させられて、その分、排気時期が早められ
る。
【0063】このようにして、エンジン7の回転速度に
見合うよう排気時期が調整され、これにより、エンジン
性能が高められている。なお、上記排気バルブ150の
制御には、エンジン7の負荷の大きさを条件として加え
てもよい。
【0064】図1、図5、図11、図13から図16、
および図18において、前記潤滑装置56についてより
詳しく説明する。
【0065】上記潤滑装置56の油ポンプ装置57は、
エンジン7の駆動に連動し、もしくは、エンジン7とは
独立して駆動する電動式のものである。上記油ポンプ装
置57の吐出口は第1油路160により前記シリンダ9
5とピストン97との摺接部に連通し、この摺接部に油
タンク58の潤滑油55がそれぞれ供給される。
【0066】上記第1油路160は、上記三つのシリン
ダ95に沿って左右に直線的に延びる前後一対の潤滑油
レール160a,160bを有している。前側の潤滑油
レール160aは、各シリンダ孔96の前方近傍に位置
して上記シリンダ95に形成されている。また、後側の
潤滑油レール160bは各シリンダ孔96の後方近傍に
位置して、同上シリンダ95に形成されている。また、
特に図1で示す上記シリンダ95の平面視で、上記排気
通路140を形成した上記各シリンダ95の少なくとも
上記一側部において、上記潤滑油レール160a,16
0bの少なくとも一部分は、上記掃気通路138と水ジ
ャケット147を基準として上記各シリンダ孔96と
は反対側に設けられている。
【0067】上記各潤滑油レール160a,160bか
ら各シリンダ孔96内にまで延びる分岐油路160cが
設けられている。これら各分岐油路160cは同上シリ
ンダ95に直線的に形成されている。特に図1で示す上
記シリンダ95の平面視で、上記各分岐油路160cの
少なくとも一部分は上記シリンダ孔96群の周りで互
いに離れて隣り合う各掃気通路138と水ジャケット1
47との各間や、上記水ジャケット147の一部分と他
の部分との間に設けられている。
【0068】図18において、上記各分岐油路160c
は上記潤滑油レール160a,160b側から斜め上方
に延びている。また、各分岐油路160cのシリンダ孔
96側の端部は、下死点におけるピストン97の上部外
周面に向って開口している。より具体的には、上記ピス
トン97はその上部外周面に嵌着された上下ピストンリ
ング97b,97bを有し、これら両ピストンリング9
7b,97b間に分岐油路160cの端部が開口してい
る。
【0069】図1、図5、および図18において、上記
各潤滑油レール160a,160bの左端にはそれぞれ
チェック弁160dが取り付けられている。前記油ポン
プ装置57の吐出口は可撓性の油ホース160eを介し
て上記各チェック弁160dにそれぞれ連結されてい
る。そして、上記油ポンプ装置57により油タンク58
の潤滑油55が上記油ホース160eとチェック弁16
0dとを介し各潤滑油レール160a,160bに供給
されるようになっている。また、この潤滑油55は上記
分岐油路160cを介して上記シリンダ孔96に供給さ
れ、これにより、このシリンダ孔96の内周面とピスト
ン97との摺接部が潤滑される。
【0070】上記の場合、エンジン7の停止に伴い油ポ
ンプ装置57が停止したとき、潤滑油レール160a,
160b側の潤滑油55が上記油ポンプ装置57側に逆
流しないよう各チェック弁160dが働く。また、各分
岐油路160cはシリンダ孔96側に進むに従い上向き
となっているため、上記したように油ポンプ装置57が
停止したとき、各分岐油路160c内の潤滑油55がシ
リンダ孔96に流れ落ちることは直ちに防止される。ま
た、これにより、上記分岐油路160c内に潤滑油55
はここに溜められたままに保たれる。このため、この後
のエンジン7の駆動に伴い油ポンプ装置57が駆動した
ときには、この油ポンプ装置57から吐出され潤滑油5
5の圧力で、上記分岐油路160c内の潤滑油55が直
ちにシリンダ孔96内に供給される。
【0071】上記潤滑油レール160a,160bはそ
れぞれ分岐油路160cよりも断面積が2倍以上であ
り、このようにして、各シリンダ孔96内への潤滑油5
5の分配量にばらつきが生じないこととされている。
【0072】更に、エンジン7が駆動するとき、吸気ポ
ート129側よりも排気ポート149側のシリンダ95
が燃焼熱によって高温になる。そこで、上記油ポンプ装
置57から潤滑油レール160a,160bに至る間に
流量調整バルブが設けられ、もしくは、同上潤滑油レー
ル160a,160bに互いに容量の異なる油ポンプが
連結されている。
【0073】そして、後側の潤滑油レール160bより
も、排気ポート149側である前側の潤滑油レール16
0aに、より多くの潤滑油55が供給されるようになっ
ている。
【0074】一方、同上油ポンプ装置57の吐出口は第
2油路163により前記第2〜第4軸受91〜93に連
通し、これら軸受に油タンク58の潤滑油55がそれぞ
れ供給される。
【0075】図10と図15とで示すように、上記各第
2油路163は、上記第2〜第4軸受91〜93と、ク
ランク軸85に形成された第3油路164とを通し、ク
ランクピン88と連接棒98の大端部99との連結部に
連通し、この連結部にも潤滑油55が供給される。
【0076】図11、および図16において、前記潤滑
装置56は、次の構成をも有している。
【0077】即ち、上記潤滑装置56は、下ケース82
に形成される第5油路172を有し、この第5油路17
2の一端はクランク室83の底部に開口し、他端は後下
方に延びて、同上下ケース82の後面に開口している。
また、この開口に一端が連結され他端が吸気マニホール
ド15の前端を貫通して上方に延出する油管173が設
けられている。この油管173の延出端はリード弁13
1よりも空気60の上流側で、同上リード弁131の上
部に対応するよう配設されている。
【0078】そして、上記クランク室83の底部に溜っ
た潤滑油55が、このクランク室83と吸気マニホール
ド15内との差圧により、第5油路172と油管173
とを介し上記リード弁131の上部に吸引されて供給さ
れる。また、上記潤滑油55は、リード弁131を通り
クランク室83に吸入されたとき、飛散してピストン9
7と連接棒98の連結部をも潤滑する。
【0079】図6、図8、図10、図11、および図1
5から図17において、前記バランサ室111の後側に
油室176が形成され、この油室176の右端は前記ギ
ヤ室117に隣接して互いに連通している。上記油室1
76とギヤ室117の各底部には互いに流入可能にギヤ
油175が溜められ、このギヤ油175に従動歯車11
9の下部が油浴させられている。そして、上記従動歯車
119が回転するとき、この従動歯車119にギヤ油1
75が掻き上げられて、上記駆動歯車118と従動歯車
119の噛合部が潤滑させられる。
【0080】また、上記従動歯車119と駆動歯車11
8により、順次掻き上げられたギヤ油175の一部が前
記第1軸受90と、右軸受114とに供給されて、これ
が潤滑させられる。
【0081】上記従動歯車119の後面に沿って延びる
バッフル板177がバランサケース110とサイドカバ
ー116に一体成形され、上記バッフル板177は上記
ギヤ室117と油室176とを仕切っている。そして、
上記従動歯車119の特に左右側面で掻き上げられたギ
ヤ油175がその慣性力で飛散して上記バッフル板17
7を乗り越えることにより、上記油室176に流入する
こととされている。また、上記バッフル板177の下部
に小孔の連通孔178が形成され、この連通孔178は
上記油室176の底部をギヤ室117に連通させてい
る。
【0082】上記バッフル板177は従動歯車119や
駆動歯車118が無用に多量のギヤ油175を掻き上げ
ることを防止し、連通孔178が上記従動歯車119側
に適量のギヤ油175を供給する。
【0083】特に、図6で示すように、エンジン7の後
側にギヤ式の電動油ポンプ180が設けられている。こ
の電動油ポンプ180の吸入口に吸入油管181を介し
て上記油室176の底部が連結されている。同上電動油
ポンプ180の吐出口は吐出油管182を介して前記真
空ポンプ71に連結され、この真空ポンプ71に油室1
76のギヤ油175が供給されて同上真空ポンプ71が
潤滑される。
【0084】特に図17において、上記真空ポンプ71
の排出空気184を流入させ、この排出空気184に含
まれるギヤ油175をこの排出空気184から分離して
排出させるブリーザ室185が設けられている。
【0085】上記クランクケース80の後部には上第1
室〜上第4室186〜189が形成され、これらは左右
に並設されている。これら上第1室〜上第4室186〜
189のうち上第2室187と上第4室189はそれぞ
れ前記リード弁131を収容する部分であり、これら上
第2室187と上第4室189から外れた部分の空間が
上記上第1室186や上第3室188とされて、これら
186,188は上記ブリーザ室185の一部を構成し
ている。また、上記上第1室〜上第3室186〜188
の下方で下第1室〜第4室190〜193が同上クラン
クケース80の後部に形成され、これら下第1室〜第4
室190〜193も左右に並設されている。
【0086】上記上第1室186の天井壁には入口管1
95が取り付けられ、この入口管195に上記真空ポン
プ71の排出口が排出空気管196により連結されてい
る。上記した上第1室186を下第1室190に連通さ
せる第1空気路198が設けられている。
【0087】上記下第1室190と下第2室191は下
部同士が連通し、下第2室191と下第3室192は上
部同士が連通し、下第3室192と下第4室193とは
下部同士が連通している。また、上記下第4室193は
上第3室188に第2空気路199により連通し、上第
3室188の天井壁に第3空気路200が形成されて、
この第3空気路200はエンジン7の外部に開口してい
る。
【0088】上記上第1室186を油室176の底部に
連通させる第1油流下路201が設けられ、下第1室1
90と下第3室192を同上油室176に連通させる第
2油流下路202と第3油流下路203が設けられる。
更に、上第3室188を油室176の底部に連通させる
第4油流下路204が設けられている。
【0089】上記真空ポンプ71が駆動し、ギヤ油17
5を含んだ排出空気184が上記排出空気管196と入
口管195を通し上記ブリーザ室185に送り込まれる
とき、上記排出空気184は図17中仮想線で示すよう
に各室を上下動を繰り返しながら、流動して第3空気路
200を通り前記エアクリーナ17におけるエレメント
の下流側に戻される。
【0090】そして、上記排出空気184の上下動の繰
り返しで、これに含まれたギヤ油175が上記排出空気
184から慣性分離され、このギヤ油175は第1〜第
4油流下路201〜204を通り流下して、油室176
に溜められる。
【0091】(実施例2)
【0092】図21と、図22は、実施例2を示してい
る。
【0093】これによれば、シリンダ95の前、後面に
レール本体207がボルト208により着脱自在に取り
付けられている。これら各レール本体207は左右に延
び、これら各レール本体207内に潤滑油レール160
a,160bが形成されている。
【0094】他の構成や作用は前記実施例1と同様であ
り、図中共通する構成については共通の符号を付してそ
の説明を省略する。
【0095】(実施例3)
【0096】図23は、実施例3を示している。
【0097】これによれば、潤滑油レール160a,1
60bと各分岐油路160cとの間にノズル209が介
設され、このノズル209は各レール本体207に対し
嵌脱自在とされている。
【0098】上記ノズル209は他の異なるノズル径の
ノズル209に交換可能であり、この交換は、ボルト2
08を緩めてシリンダ95からレール本体207を取り
外すことによりできる。
【0099】そして、上記ノズル209の交換によっ
て、そのノズル径を種々選択すれば、バルブなどを設け
なくても、シリンダ孔96内への潤滑油55の供給量を
それぞれ分岐油路160c毎に調整することができる。
【0100】他の構成や作用は前記実施例2と同様であ
り、図中共通する構成については共通の符号を付してそ
の説明を省略する
【0101】
【発明の効果】この発明によれば、複数のシリンダを左
右に並設して、これら各シリンダを互いに一体化し、こ
れら各シリンダにおける各シリンダ孔内に向ってクラン
ク室から延びるそれぞれ複数の掃気通路を上記各シリン
ダ孔の周りにおける上記各シリンダの部分に形成し、上
記各シリンダの軸心に沿った視線でみた平面視で、上記
左右方向に直交する方向での上記各シリンダの一側部に
その各シリンダ孔の内外を連通させる排気通路を形成し
た多気筒2サイクルエンジンにおいて、
【0102】上記複数のシリンダに沿って左右に延びる
潤滑油レールを設け、この潤滑油レールから上記各シリ
ンダにおける各シリンダ孔内にまで延びる分岐油路を各
シリンダに形成し、上記潤滑油レールに潤滑油を供給す
るようにしてある。
【0103】このため、各シリンダ内に潤滑油をそれぞ
れ供給する場合に、各シリンダに対し上記潤滑油レール
が共用されることから、従来、油ポンプ装置の吐出口か
ら上記各シリンダ孔内にそれぞれ油ホースを介して潤滑
油を供給していたことに比べて、上記油ホースは不要、
もしくは少なくて足り、その分、潤滑装置の構成が簡単
になる。
【0104】また、上記潤滑油レールから上記各シリン
ダ孔内へ潤滑油を供給する分岐油路は、上記潤滑油レー
ルに直接的に連結されるため、これら潤滑油レールと分
岐油路との間には従来のような油ホースは不要であり、
よって、この点でも、潤滑装置の構成が簡単になる。
【0105】また、上記したように油ホースが不要、も
しくは少なくなる分、油ホースの取り付けが容易となっ
て、同上潤滑装置の組立作業が容易にできることとな
る。
【0106】また、上記シリンダの平面視で、上記シ
リンダ孔群の周りの各シリンダの部分に水ジャケットを
形成し、上記各シリンダの少なくとも上記一側部におい
て、上記潤滑油レールの少なくとも一部分を上記掃気通
路と水ジャケットを基準として上記各シリンダ孔とは
反対側に設け、かつ、上記分岐油路の少なくとも一部分
上記シリンダ孔群の周りで互いに離れて隣り合う
記掃気通路と水ジャケットとの間に設けると共に上記水
ジャケットの一部分と他の部分との間に設けてある。
【0107】このため、上記排気通路を形成した上記各
シリンダの一側部と、掃気通路内を通る空気とは、エン
ジンの駆動に伴い上記排気通路内を通る排気の熱によ
り、よ り高温となるよう温度が上昇しようとするが、上
記各水ジャケットにおける冷却水は上記潤滑油レールに
邪魔されることなく、つまり、より直接的に上記各シリ
ンダの一側部と、上記掃気通路内を通る空気とを冷却す
る。
【0108】よって、上記各シリンダの一側部と、上記
掃気通路内を通る空気の温度の上昇がより確実に防止さ
れ、これはエンジン性能上有益である。
【0109】しかも、上記したように潤滑油レールは上
掃気通路と水ジャケットを基準として上記各シリン
ダ孔とは反対側に設けられていることから、上記各シリ
ンダ孔内の燃焼熱によって上記潤滑油レール内の潤滑油
が加熱されるということは、上記掃気通路内を通る空気
と、上記水ジャケット内の冷却水によって防止され
る。
【0110】よって、上記潤滑油レールは、上記各シリ
ンダの一側部に設けられていて、この一側部に形成され
た上記排気通路内を通る排気によって、高温になるよう
加熱されがちであるが、上記したように、潤滑油レール
内の潤滑油の温度の上昇が防止される分、この潤滑油の
劣化が防止され、これもエンジン性能上有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で、シリンダの平面断面図である。
【図2】実施例1で、自動車の全体右側面図である。
【図3】実施例1で、自動車の全体平面図である。
【図4】実施例1で、自動車の全体正面図である。
【図5】実施例1で、図3の部分拡大図である。
【図6】実施例1で、図2の部分拡大図である。
【図7】実施例1で、図4の部分拡大図である。
【図8】実施例1で、エンジンの背面図である。
【図9】実施例1で、エンジンの左側面部分破断図であ
る。
【図10】実施例1で、図7の縦断面図である。
【図11】実施例1で、図10の11‐11線矢視断面
図である。
【図12】実施例1で、図11の12‐12線矢視断面
図である。
【図13】実施例1で、図12の13‐13線矢視断面
図である。
【図14】実施例1で、図12の14‐14線矢視断面
図である。
【図15】実施例1で、図10の部分拡大図である。
【図16】実施例1で、図15の16‐16線矢視断面
図である。
【図17】実施例1で、図16の17‐17線矢視断面
図である。
【図18】実施例1で、図11の一部に相当する作用説
明図である。
【図19】実施例1で、図18で示したものの部分正面
図である。
【図20】実施例1で、図12の20‐20線矢視断面
図である。
【図21】実施例2で、図18の一部に相当する拡大図
である。
【図22】実施例2で、図1に相当する図である。
【図23】実施例3で、図21の一部に相当する拡大図
である
【符号の説明】
1 自動車 7 エンジン 55 潤滑油 56 潤滑装置 57 油ポンプ装置60 空気 63 冷却水68 排気 95 シリンダ 96 シリンダ孔 97 ピストン138 掃気通路 140 排気通路 147 水ジャケット 160 第1油路 160a 潤滑油レール 160b 潤滑油レール 160c 分岐油路 160d チェック弁 160e 油ホース

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のシリンダを左右に並設して、これ
    ら各シリンダを互いに一体化し、これら各シリンダにお
    ける各シリンダ孔内に向ってクランク室から延びるそれ
    ぞれ複数の掃気通路を上記各シリンダ孔の周りにおける
    上記各シリンダの部分に形成し、上記各シリンダの軸心
    に沿った視線でみた平面視で、上記左右方向に直交する
    方向での上記各シリンダの一側部にその各シリンダ孔の
    内外を連通させる排気通路を形成した多気筒2サイクル
    エンジンにおいて、 上記複数のシリンダに沿って左右に延びる潤滑油レール
    を設け、この潤滑油レールから上記各シリンダにおける
    各シリンダ孔内にまで延びる分岐油路を各シリンダに形
    成し、上記潤滑油レールに潤滑油を供給するようにし、 上記シリンダの平面視で、上記シリンダ孔群の周りの
    各シリンダの部分に水ジャケットを形成し、上記各シリ
    ンダの少なくとも上記一側部において、上記潤滑油レー
    の少なくとも一部分を上記掃気通路と水ジャケット
    を基準として上記各シリンダ孔とは反対側に設け、か
    つ、上記分岐油路の少なくとも一部分を上記シリンダ
    孔群の周りで互いに離れて隣り合う上記掃気通路と水ジ
    ャケットとの間に設けると共に上記水ジャケットの一部
    分と他の部分との間に設けた多気筒2サイクルエンジン
    の潤滑装置。
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