JP3320553B2 - 粉末消火薬剤 - Google Patents

粉末消火薬剤

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JP3320553B2 JP11697994A JP11697994A JP3320553B2 JP 3320553 B2 JP3320553 B2 JP 3320553B2 JP 11697994 A JP11697994 A JP 11697994A JP 11697994 A JP11697994 A JP 11697994A JP 3320553 B2 JP3320553 B2 JP 3320553B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は粉末消火薬剤に関する。
さらに詳述すれば、従来の粉末消火薬剤にピロ燐酸メラ
ミンおよびジペンタエリスリトールを添加してなる粉末
消火薬剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来粉
末消火薬剤としては、重炭酸アルカリ金属塩を主剤とす
る粉末(Na)消火薬剤、粉末(K)消火薬剤および燐
酸二水素アンモニウムおよび/または硫酸アンモニウム
を主剤とする粉末(ABC)消火薬剤が用いられてい
る。そしてこのうちA(木材火災)、B(油火災)、C
(電気設備火災)火災用に有効とされている、燐酸二水
素アンモニウムおよび/または硫酸アンモニウムを主剤
とする粉末(ABC)消火薬剤が主に使用されている。
重炭酸アルカリ金属塩を主剤とする粉末(Na)消火薬
剤、粉末(K)消火薬剤は、B、C火災用に適用される
ものである。
【0003】これらの粉末消火薬剤は充分なる消火能力
を持っているものの、更に、一層消火能力を増大させる
必要がある。A火災に対する消火能力を増大、また、
B、C火災に有効な粉末消火薬剤についても、A火災に
対する消火能力を付与し、更に、B、C火災の粉末消火
薬剤の適用範囲を拡大することが望まれている。
【0004】一般に従来の粉末消火薬剤がB、C火災に
有効であるのは、アルカリ金属または/およびアンモニ
ウム基が燃焼の連鎖反応を抑制するためと考えられてい
る。又、燐酸二水素アンモニウムまたは/および硫酸ア
ンモニウムがA火災に有効なのは薬剤を可燃物に放射し
た際熱分解を起こし、その時生成する燐酸または/およ
び硫酸が木材の主構成成分であるセルローズリグニンに
作用して脱水作用をなし、それを炭化せしめ可燃性の炭
化水素の発生を阻止する上に、脱水作用により生成した
水分が、冷却効果をもたらすためであると言われてい
る。特に燐酸二水素アンモニウムは木材の燃焼の際に炭
素の生成を触媒的に促進し、更に燐酸二水素アンモニウ
ムから縮合燐酸、五酸化燐に分解が進んで木材の表面に
ガラス状被膜を形成し燃焼を防止するものである。
【0005】ところが燐酸二水素アンモニウムが熱分解
を起こして五酸化燐に達するには約600℃の温度が必
要であるが、前記熱分解が全て吸熱反応であるため可燃
物が冷却され、五酸化燐にまで分解が達するのは極僅か
であるのが通常である。このことは速消火性と再燃防止
能力を改良すべきとの示唆を与えるものである。即ち、
比較的低温度で木材の表面に被膜を生成させるべきであ
るということである。
【0006】本発明者等は、比較的低温度で木材の表面
に被膜を生成させる方法として特願平5−182408
のごとく、従来の粉末消火薬剤にピロ燐酸メラミンを添
加する方法を開示した。しかし、この方法により得られ
た被膜の強度が十分でなく、より強固な被膜を生成させ
ることが要求されている。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は上記
に鑑み消火能力が増大し且つ消火薬剤の使用範囲が拡大
した粉末消火薬剤を得るために鋭意研究を行った結果、
従来の粉末消火薬剤にピロ燐酸メラミンおよびジペンタ
エリスリトールを添加するという極めて簡単な方法で、
B、C火災の消火能力を損なうことなくA火災の消火能
力を増大し、また、A火災への適用範囲を拡大し得るこ
とを見出だし本発明を完成した。
【0008】即ち、本発明は、重炭酸アルカリ金属塩と
ピロ燐酸メラミンとジペンタエリスリトールを含む粉末
消火薬剤または燐酸二水素アンモニウムおよび/または
硫酸アンモニウムとピロ燐酸メラミンとジペンタエリス
リトールを含む粉末消火薬剤に関する。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いる重炭酸アルカリ金属塩には、重炭酸ナトリウム、
重炭酸カリウムが主に用いられる。重炭酸アルカリ金属
塩、燐酸二水素アンモニウムおよび/または硫酸アンモ
ニウムの粒径は、177μm以下に粉砕されるのが通常
である。本発明に用いるピロ燐酸メラミンは一般に市販
されているものが用いられるが、下記の製造方法のもの
がより好ましい。しかし、これらの方法に限定されるも
のではない。
【0010】製造方法の一つは水性スラリー状態のメラ
ミンを、塩酸、硝酸または硫酸等の鉱酸と反応させて水
溶性のメラミン酸を生成させ、この塩をピロリン酸ナト
リウムと反応させ、次でさらに鉱酸を加えてピロ燐酸メ
ラミンを沈澱させる方法。その他の方法として、水にピ
ロリン酸ナトリウムを溶解し、この水溶液にメラミンを
分散して、この溶液またはスラリーへ塩酸、硝酸または
硫酸のような鉱酸を加え反応させピロ燐酸メラミンを沈
澱させる方法、などが知られている。これらの方法で得
られたピロ燐酸メラミンを含むスラリーより、通常用い
られる分離方法で分離し、通常の乾燥方法で乾燥して得
られたピロ燐酸メラミンを常法の粉砕機を用いて、17
7μm以下に粉砕することにより得られる。
【0011】本発明におけるピロ燐酸メラミンの添加量
は、重炭酸アルカリ金属塩または燐酸二水素アンモニウ
ムおよび/または硫酸アンモニウムに対して0.1〜4
0重量%が好ましく、更に好ましくは、1〜35重量
%、最も好ましくは5〜30重量%が好適である。添加
量が0.1重量%未満では消火能力の増大も拡大も達成
されないので好ましくない。また、40重量%を超える
添加量では不経済であり、粉末消火薬剤の流動性が低下
するため好ましくない。
【0012】本発明に用いるジペンタエリスリトール
は、一般に市販されているものでも構わないが、下記の
製造方法で行われるのがより好ましい。しかし、これら
の方法に限定されるものではない。
【0013】即ち、4モルのホルムアルデヒドと1モル
のアセトアルデヒドをアルカリ触媒により縮合すること
により得られ、再結晶によりジペンタエリスリトールが
単離される。得られたジペンタエリスリトールの結晶を
常法の粉砕機を用いて、177μm以下に粉砕すること
により得られる。
【0014】また、本発明におけるジペンタエリスリト
ールの添加量は、ピロ燐酸メラミンに対して5〜50重
量%が好ましく、更に好ましくは、10〜40重量%
が、最も好ましくは20〜30重量%が好適である。添
加量が5重量%未満では消火能力の増大も拡大も達成さ
れないので好ましくない。また、50重量%を超える添
加量では不経済であり、粉末消火薬剤の流動性が低下す
るため好ましくない。
【0015】然して、本発明者等は種々の実験とその結
果、観察とにより、本発明のピロ燐酸メラミンおよびジ
ペンタエリスリトールを添加した粉末消火薬剤の消火機
構は、主剤に添加したピロ燐酸メラミン自体が燃焼雰囲
気の熱により加熱され、分解が起こり、アンモニアの発
生により、過剰となったポリ燐酸等により生成した不燃
性被膜が可燃物を被覆し、ジペンタエリスリトールが燐
酸分により炭化し生成した炭素分が強固な被膜を生成す
るため、速やかに消火し、且つ、再燃を防止するものと
推察される。
【0016】また、ピロ燐酸メラミンは、粉末消火剤成
分として次のような優れた物性を持っている。すなわ
ち、1)消火成分のN、Pの含量が高い。2)水に殆ど
不溶で吸湿性が低い。3)熱分解温度が320〜330
℃で発泡を開始する。4)比較的低温度で、かつ速やか
に木材表面に被膜を形成する、などである。
【0017】本発明の粉末消火薬剤は以上のような成分
の他に、流動化剤、撥水剤、安定化剤などとして例え
ば、疎水性シリカ、シリコーンオイル、タルク、マイ
カ、アルカリ土類金属塩、珪酸塩などの一種または二種
以上を適宜添加使用するのが通常である。これらの成分
の添加は粉末消火薬剤に対して1〜5重量%程度が好ま
しい。多量の添加は不経済であるばかりではなく消火能
力に影響する。
【0018】本発明で用いる疎水性シリカは通常市販さ
れているものが用いられる。しかしながら、疎水性シリ
カの製造は次のような方法で行われるがこれらの製造方
法に限定されるものではない。疎水性シリカの製造はホ
ワイトカーボン100重量部を混合機に入れ、シリコー
ン樹脂20〜40重量部を噴霧添加し、得られた粉体を
130〜150℃、3〜5時間加熱してキュアーせしめ
得られる。
【0019】本発明の粉末消火薬剤は、主剤、ピロ燐酸
メラミン、ジペンタエリスリトール、流動化剤、撥水剤
及び安定化剤を、上記の配合割合となるように混合する
ことによって製造することができるという極めて簡単な
ものである。しかもA、B、C火災用粉末消火薬剤の場
合には、B、C火災に対する消火能力を損なうことなく
A火災に対する消火能力を増大し、B、C火災用粉末消
火薬剤の場合には、同様にB、C火災に対する消火能力
を損なうことなく、A火災にもその適用範囲を拡大し得
る。そのうえ速消火性と再燃防止能力が著しく改善され
た工業的価値に優れた、しかも低コストで製造可能な粉
末消火薬剤である。
【0020】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明の要旨をそれらに限定するものではな
い。尚、A火災、B火災に対する消火試験方法は消火器
の技術上の規格を定める省令(昭和48年10月17
日、自治省令第28号)によって実施した。また部また
は%は特にことわりのない場合には重量部または重量%
を表す。
【0021】実施例1 平均粒径80μの重炭酸ナトリウム100部と平均粒径
30μのピロ燐酸メラミン5部、ジペンタエリスリトー
ル2部および疎水性シリカ1部の配合割合になるように
粉末消火薬剤5.0kgを製造した。該粉末消火薬剤の
吸湿率は1.0%であった。これを用いて、B−5単位
の火災試験を実施した結果、表1に示すように消火時間
が4.6秒、薬剤使用量が1.2kgであり、同じくA
−1単位の火災試験の結果は残炎はなく余燼(木材が赤
くなる)も見られず完全消火で、2分後も再燃しなかっ
た。木材表面には炭化被覆物が多く見られ木材表面温度
は充分冷えていることを確認した。
【0022】実施例2 実施例1のピロ燐酸メラミンを11部に、ジペンタエリ
スリトールを3部に変更した以外は実施例1と同一条件
で行った。該粉末消火薬剤の吸湿率、B−5単位の消火
時間および薬剤使用量は表1に示す通りであった。同じ
くA−1単位の火災試験の結果は、表1に示すように実
施例1と同様であった。
【0023】実施例3 実施例1のピロ燐酸メラミンを18部に、ジペンタエリ
スリトールを5部に変更した以外は実施例1と同一条件
で行った。該粉末消火薬剤の吸湿率、B−5単位の消火
時間および薬剤使用量は表1に示す通りであった。同じ
くA−1単位の火災試験の結果は、表1に示すように実
施例1と同様であった。
【0024】実施例4 実施例1のピロ燐酸メラミンを35部に、ジペンタエリ
スリトールを2部に変更した以外は実施例1と同一条件
で行った。該粉末消火薬剤の吸湿率、B−5単位の消火
時間および薬剤使用量は表1に示す通りであった。同じ
くA−1単位の火災試験の結果は、表1に示すように実
施例1と同様であった。
【0025】実施例5 平均粒径50μの燐酸二水素アンモニウム100部と平
均粒径30μピロ燐酸メラミンを5部、ジペンタエリス
リトール2部およびシリカ2部をシリコンオイル1部に
て撥水処理したものを用い、この配合割合になるように
粉末消火薬剤5.0kgを製造した。該粉末消火薬剤の
吸湿率は0.1%であった。これを用いてB−5単位の
火災試験を実施した結果、消火時間が4.4秒、薬剤使
用量が1.5kgであった。同じくA−1単位の火災試
験の結果は、表1に示すように実施例1と同様であっ
た。
【0026】なお、シリカの撥水処理は次のようにして
行った。シリカを混合機に入れ、シリコンオイルを噴霧
添加し、得られた粉体を140℃、4時間加熱して得
た。
【0027】実施例6 実施例6のピロ燐酸メラミンを11部、ジペンタエリス
リトールを3部に変更した以外は実施例6と同一条件で
行った。該粉末消火薬剤の吸湿率、B−5単位の消火時
間および薬剤使用量は表1に示す通りであった。同じく
A−1単位の火災試験の結果は、表1に示すように実施
例1と同様であった。
【0028】実施例7 実施例6のピロ燐酸メラミンを18部に、ジペンタエリ
スリトールを5部に変更した以外は実施例6と同一条件
で行った。該粉末消火薬剤の吸湿率、B−5単位の消火
時間および薬剤使用量は表1に示す通りであった。同じ
くA−1単位の火災試験の結果は、表1に示すように実
施例1と同様であった。
【0029】実施例8 実施例6のピロ燐酸メラミンを35部に、ジペンタエリ
スリトールを2部に変更した以外は実施例6と同一条件
で行った。該粉末消火薬剤の吸湿率、B−5単位の消火
時間および薬剤使用量は表1に示す通りであった。同じ
くA−1単位の火災試験の結果は、表1に示すように実
施例1と同様であった。
【0030】実施例9 燐酸二水素アンモニウム55部、硫酸アンモニウム45
部とシリカ2部をシリコンーオイル1部にて撥水処理し
たものを用い、この配合割合になるように、粉末消火薬
剤5.0kgを製造した。該粉末消火薬剤の吸湿率は
0.6%であった。これを用いてB−5単位の火災試験
を実施した結果、消火時間が4.8秒、薬剤使用量が
1.6kgであった。同じくA−1単位の火災試験の結
果は、表1に示すように実施例1と同様であった。
【0031】実施例10 実施例9のピロ燐酸メラミンを11部に、ジペンタエリ
スリトールを3部に変更した以外は実施例9と同一条件
で行った。該粉末消火薬剤の吸湿率、B−5単位の消火
時間および薬剤使用量は表1に示す通りであった。同じ
くA−1単位の火災試験の結果は、表1に示すように実
施例1と同様であった。
【0032】実施例11 実施例9のピロ燐酸メラミンを18部に、ジペンタエリ
スリトールを5部に変更した以外は実施例9と同一条件
で行った。該粉末消火薬剤の吸湿率、B−5単位の消火
時間および薬剤使用量は表1に示す通りであった。同じ
くA−1単位の火災試験の結果は、表1に示すように実
施例1と同様であった。
【0033】実施例12 実施例9のピロ燐酸メラミンを35部に、ジペンタエリ
スリトールを2部に変更した以外は実施例9と同一条件
で行った。該粉末消火薬剤の吸湿率、B−5単位の消火
時間および薬剤使用量は表1に示す通りであった。同じ
くA−1単位の火災試験の結果は、表1に示すように実
施例1と同様であった。
【0034】
【表1】
【0035】比較例1 重炭酸ナトリウム100部および疎水性シリカ1部の配
合割合になるように粉末消火薬剤5.0kgを製造し
た。これを用いてB−5単位の火災試験を実施した結
果、表2に示すように消火時間が6.2秒、薬剤使用量
が2.6kgであり、同じくA−1単位の結果は消火不
能であった。
【0036】比較例2 燐酸二水素アンモニウム100部とシリカ2部をシリコ
ーンオイル1部で撥水処理したものを用い、この配合割
合になるように、粉末消火薬剤5.0kgを製造した。
これを用いてB−5単位の火災試験を実施した結果、表
2に示すように消火時間5.8秒、薬剤使用量が2.2
kgであり、同じくA−2単位の火災試験の結果は完全
消火で2分後も再燃しなかった。消火後の残炎は見られ
なかったが、ところどころに余燼が見られ、またくすぶ
りは2分間つづいたが2分後に炎を上げて燃える事はな
かった。
【0037】比較例3 燐酸二水素アンモニウム55部、硫酸アンモニウム45
部とシリカ2部をシリコンーオイル1部にて撥水処理し
たものを用い、この配合割合になるように、粉末消火薬
剤5.0kgを製造した。これを用いてB−5単位の火
災試験を実施した結果、表2に示すように消火時間が
6.4秒、薬剤使用量が2.8kgであり、同じくA−
2単位の火災試験の結果は完全消火したが、1分後再燃
した。
【0038】比較例4 平均粒径80μの重炭酸ナトリウム100部、平均粒径
30μのピロ燐酸メラミン11部および疎水性シリカ1
部の配合割合になるように混合物5.0kgを製造し
た。この粉末消火薬剤の吸湿率は1.2%であった。該
混合物を用いて、B−5単位の火災試験を実施した結
果、表2に示すように消火時間が5.0秒、薬剤使用量
が2.0kgであり、同じくA−1単位の火災試験の結
果は残炎はなく余燼(木材が赤くなる)も見られず完全
消火し、2分後も再燃しなかった。木材表面には被覆物
が多く見られ木材表面温度は充分冷えていることを確認
した。
【0039】比較例5 平均粒径50μの燐酸二水素アンモニウム100部、平
均粒径30μのピロ燐酸メラミンを18部およびシリカ
2部をシリコンオイル1部にて撥水処理したものを用
い、この配合割合になるように粉末消火薬剤5.0kg
を製造した。この粉末消火薬剤の吸湿率は0.2%であ
った。これを用いてB−5単位の火災試験を実施した結
果、表2に示すように消火時間が4.7秒、薬剤使用量
が1.7kgであった。同じくA−2単位の火災試験の
結果は、残炎はなく余燼も見られず完全消火し、2分後
も再燃しなかった。木材表面には被覆物が多く見られ木
材表面温度は充分冷えていることを確認した。
【0040】比較例6 平均粒径50μの燐酸二水素アンモニウム55部、平均
粒径60μの硫酸アンモニウム45部ならびに平均粒径
30μのピロ燐酸メラミン18部およびシリカ2部をシ
リコンオイル1部にて撥水処理したものを用い、この配
合割合になるように粉末消火薬剤5.0kgを製造し
た。この粉末消火薬剤の吸湿率は0.6%であった。こ
れを用いてB−5単位の火災試験を実施した結果、表2
に示すように消火時間が5.3秒、薬剤使用量が1.9
kgであり、同じくA−1単位の火災試験の結果は残炎
はなく余燼も見られず完全消火し、2分後も再燃しなか
った。木材表面には被覆物が多く見られ木材表面温度は
充分冷えていることを確認した。
【0041】
【表2】
【0042】なお、実施例及び比較例の火災試験は次の
ように行った。 A−1単位火災試験:燃焼架台の上に杉の角材(縦3c
m×横3.5cm×長さ70cm)を5本5本、4本4
本を単位とし井桁状に90本積み上げ、ガソリン1.5
Lを用いて点火し、3分後に粉末消火薬剤3.0kg入
り消火器を用いて消火し、消火の状態を測定するもので
ある。
【0043】A−2単位火災試験:燃焼架台の上に杉の
角材(縦3cm×横3.5cm×長さ90cm)を6本
6本、5本5本を単位とし井桁状に144本積み上げ、
ガソリン3.0Lを用いて点火し、3分後に消火し、消
火の状態を測定するものである。
【0044】B−5単位火災試験:鉄製オイルパン(縦
100cm×横100cm×深さ30cm)に水を12
cmの深さに入れ、その上にガソリンを3cmの深さに
入れて点火し、1分後に粉末消火薬剤3.0kg入り消
火器を用い粉末消火薬剤を放射して消火に要した時間お
よび薬剤使用量を測定するものである。
【0045】消火薬剤の吸湿率測定:試料約10gを6
0φペトリシャーレーに精秤し試料の厚さを均一にし、
温度30℃相対湿度60%の恒温恒湿槽内に48時間静
置後シャーレーを取り出し精秤、次に温度30℃相対湿
度80%の恒温恒湿槽内に48時間静置後シャーレーを
取り出し精秤し、この間の重量変化率を吸湿率とする。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、従来技術では達成され
なかった、消火能力を飛躍的に増大させ、さらに再着火
を防止した粉末消火薬剤を提供することにある。すなわ
ち、A、B、C火災用の主剤にピロ燐酸メラミンおよび
ジペンタエリスリトールを添加することによりA火災に
対する消火能力を増大させることができ、しかもB、C
火災の消火能力を何ら損なうことがなく、又完全消火し
再着火を防止できる。また、B、C火災用の主剤にピロ
燐酸メラミンおよびジペンタエリスリトールを添加する
ことによってA火災消火能力が付与される。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−9468(JP,A) 特開 昭61−5856(JP,A) 特開 昭58−53964(JP,A) 特開 昭54−53156(JP,A) 特開 平7−187626(JP,A) 特公 昭40−28594(JP,B1) 特表 昭61−502763(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A62D 1/00 C09K 21/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重炭酸アルカリ金属塩とピロ燐酸メラ
    ミンとジペンタエリスリトールを含む粉末消火薬剤。
  2. 【請求項2】 燐酸二水素アンモニウムおよび/また
    は硫酸アンモニウムとピロ燐酸メラミンとジペンタエリ
    スリトールを含む粉末消火薬剤。
  3. 【請求項3】 重炭酸アルカリ金属塩に対してピロ燐
    酸メラミンが0.1〜40重量%であり、かつジペンタ
    エリスリトールがピロ燐酸メラミンに対して5〜50重
    量%である請求項1記載の粉末消火薬剤。
  4. 【請求項4】 燐酸二水素アンモニウムおよび/また
    は硫酸アンモニウムに対してピロ燐酸メラミンが0.1
    〜40重量%であり、かつジペンタエリスリトールがピ
    ロ燐酸メラミンに対して5〜50重量%である請求項2
    記載の粉末消火薬剤。
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