JP3319033B2 - 光重合開始剤及び光重合性組成物 - Google Patents

光重合開始剤及び光重合性組成物

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JP3319033B2 JP12287093A JP12287093A JP3319033B2 JP 3319033 B2 JP3319033 B2 JP 3319033B2 JP 12287093 A JP12287093 A JP 12287093A JP 12287093 A JP12287093 A JP 12287093A JP 3319033 B2 JP3319033 B2 JP 3319033B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な重合開始システム
に用い得る光重合開始剤及び光重合性組成物に関する。
更に詳しくは特定のホウ素系化合物、光吸収性顔料を組
み合わせた光重合開始剤及び、上記重合開始剤に重合性
不飽和化合物を加えた光重合性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光重合は塗膜の硬化や印刷、樹脂
凸刷、プリント基盤作成用、レジストまたはフォトマス
ク、白黒またはカラーの転写発色用シートもしくは発色
シート作成等の多方面の用途にわたり使用され、特に最
近では地球環境問題、省エネルギー、労務コストの上昇
に対応する省力化等の観点から、光重合の特徴である常
温でも重合可能であること、速乾性、無溶剤化の可能性
等が注目され、開発が行われている。
【0003】印刷インキの開発としては、無溶剤化、急
速硬化による生産性の向上あるいは硬化皮膜の物性改良
を目的として紫外線硬化インキの検討が進められている
(例えば特開平1−229084号、特開平1−271
469号及び特開平2−22370号)。また、塗料の
開発としては速乾性及び着色塗膜の硬化の検討が行われ
ており(例えば特開昭52−135341号、特開昭5
2−152436号、特開平2−296875号及び特
開平3−6265号)、特開昭52−152436号明
細書には、重合性不飽和樹脂と光重合開始剤とを含有す
る系に顔料または隠ぺい率が高い染料を含有した着色硬
化塗膜の形成方法について開示されている。
【0004】しかしながら紫外光による硬化は、200
〜400nmの紫外光を照射することによってカチオン重
合あるいはラジカル重合により重合性モノマーが急速硬
化するものであり、隠ぺい率が高い顔料を含有した着色
塗膜、あるいは透明な材料でも組成物の厚みが増すと組
成物に含まれる有機化合物による紫外光の吸収により紫
外光の透過性が妨げられ塗膜が硬化しないという問題点
があった。また、紫外光よりも長波長の可視光、近赤外
光等を用いて重合反応を行う例としては、光吸収性色素
とホウ素系化合物を用いることにより可視光、近赤外光
等の照射により光硬化が可能であるとした例(特開昭6
2−143044号、特開平2−4804号等)がある
が、それらはいずれも溶解性の色素すなわちシアニン
系、アニリン系、ローダミン系色素等の有機染料を用い
ておりその安定性等の点で問題があり、応用性の広さと
いう点でも十分な方法とはいえず、また不溶性の顔料を
含む光重合性組成物は全く知られていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来の光重合
では困難であった顔料を含有する組成物を重合させるこ
とが可能な、これまで用いられたことのない有機ホウ素
化合物と溶剤不溶性の光吸収性顔料の組み合わせによる
重合開始剤及び光重合性組成物を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明によれ
ば、一般式(1)で表わされるテトラアルキルホウ素化
合物、一般式(1);
【0007】
【化2】 及び光吸収性顔料を組み合わせることにより光重合開始
剤が得られ、更に重合性不飽和化合物を添加することに
よって光重合性組成物が得られる。
【0008】
【化3】 で表わされる4級アンモニウム陽イオンまたは4級ピリ
ジニウム陽イオン、4級キノリニウム陽イオン、ホスホ
ニウム陽イオン、ナトリウム、カリウム、リチウム等の
アルカリ金属イオン、マグネシウム、カルシウム等のア
ルカリ土類金属イオン等の金属陽イオン等が挙げられ、
【0009】本発明の開始剤であるホウ素系化合物の具
体的な例としては、モノアルキルトリフェニルホウ素
(アルキル基はn−ブチル基、n−オクチル基、n−ド
デシル基、ナフチル基等)のナトリウム塩、カリウム
塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、テト
ラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム
塩、テトラブチルアンモニウム塩、トリメチルハイドロ
ゲンアンモニウム塩、トリエチルハイドロゲンアンモニ
ウム塩、テトラハイドロゲンアンモニウム塩、メチルピ
リジニウム塩、エチルピリジウム塩、
【0010】ブチルピリジニウム塩、メチルキノリニウ
ム塩、エチルキノリニウム塩、ブチルキノリニウム塩、
モノアルキルトリアニシルホウ素(アルキル基は上記と
同様)のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、マグ
ネシウム塩、カルシウム塩、テトラメチルアンモニウム
塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモ
ニウム塩、トリメチルハイドロゲンアンモニウム塩、ト
リエチルハイドロゲンアンモニウム塩、テトラハイドロ
ゲンアンモニウム塩、メチルピリジニウム塩、
【0011】エチルピリジニウム塩、ブチルピリジニウ
ム塩、メチルキノリニウム塩、エチルキノリニウム塩、
ブチルキノリニウム塩、ジアルキルジフェニルホウ素
(アルキル基は上記と同様)のナトリウム塩、カリウム
塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、テト
ラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム
塩、テトラブチルアンモニウム塩、メチルピリジニウム
塩、メチルキノリニウム塩、
【0012】ジアルキルジアニシルホウ素(アルキル基
は上記と同様)のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム
塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、テトラメチルアン
モニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラブチ
ルアンモニウム塩、メチルピリジニウム塩、メチルキノ
リニウム塩、テトラフェニルホウ素のナトリウム塩、カ
リウム塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カルシウム
塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモ
ニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、
【0013】テトラアニシルホウ素のナトリウム塩、リ
チウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチル
アンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラ
n−ブチルホウ素のナトリウム塩、リチウム塩、マグネ
シウム塩、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチル
アンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、メチル
ピリジニウム塩、エチルピリジニウム塩、ブチルピリジ
ニウム塩、メチルキノリニウム塩、
【0014】エチルキノリニウム塩、ブチルキノリニウ
ム塩、トリn−ブチル(トリフェニルシリル)ホウ素の
テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウ
ム塩、テトラブチルアンモニウム塩、トリn−ブチル
(ジメチルフェニルシニル)ホウ素のテトラメチルアン
モニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラブチ
ルアンモニウム塩、n−オクチルジフェニル(ジn−ブ
チルフェニルシリル)ホウ素のテトラメチルアンモニウ
ム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラブチルアン
モニウム塩、ジメチルフェニル(トリメチルシリル)ホ
ウ素の、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルア
ンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等が挙げら
れる。これらのホウ素系化合物は単独または2種以上を
混合して用いることもできる。
【0015】また本発明における光吸収性顔料とは、組
成物中で溶解せずに固体状態で存在しており、紫外光、
可視光、近赤外光のいずれかの波長光を吸収する顔料を
いう。一般に着色物質はその色と補色の関係にある色の
波長光を吸収することが知られている(例えば「色素の
化学」共立出版社1985年)。すなわち黄色の顔料は
補色である青色の波長光(約450nm)、赤色顔料は青
緑色の波長光(約50nm)を吸収する。
【0016】つまり、アルミニウム等の光を反射するメ
タリック系顔料以外の着色顔料は、その補色の関係の波
長光を吸収する。また可視光を吸収しない白色顔料であ
るチタンホワイト(酸化チタン)は紫外光(410nm以
下)を吸収し、半導体光触媒として機能することが知ら
れている(例えば「現代化学」1981年1月号 52
頁)。これらの光吸収性顔料の具体例としては、無機顔
料としてカーボンブラック、チタンブラック等の黒色顔
料、チタンホワイト等の白色顔料、有機顔料として縮合
多環系顔料であるフタロシアニンブルー、フタロシアニ
ングリーン等のフタロシアニン系顔料、キナクリドン、
【0017】チオインジゴ、イソインドリノン、ジオキ
サジン、ペリレン、フタロペリノン、キノフタロン等、
アゾ系顔料であるβ−ナフトール系顔料(表1−1)、ピ
ラゾロン系顔料(表1−2)、アセト酢酸アリリド系顔料
(表1−3)、キノン系顔料であるアントラピリミジン、
インダンスレン、フラバントロン、ピラントロン、イオ
ビオラントロン等、アントラキノン系顔料である、1,
2−ジヒドロキシアントラキノン、1,4−ジヒドロキ
シアントラキノン等が挙げられる。本発明の光吸収性顔
料の例は「最新顔料分散技術」技術情報協会刊(199
3年発行),「機能性顔料応用技術」シーエムシー社刊
(1991年発行)等に詳細な記載がある。
【0018】
【表1】
【0019】従来ホウ素系化合物とカチオン色素を組み
合わせた光重合開始剤は知られているがそれらのカチオ
ン色素は溶剤可溶性の染料に限られており、重合物に残
る染料の安定性、色相の安定性、重合物自体の保存安定
性等に問題点を有していた。また不溶性の顔料色素をホ
ウ素系化合物と組み合わせて光重合開始剤に用いる例は
全く知られていなかった。
【0020】本発明者らは顔料を含んだ重合開始剤に関
して鋭意検討を進めた結果、驚くべきことに重合性不飽
和化合物の存在下、特定のホウ素系化合物と重合系内で
溶解せずに固体で存在している顔料とを組み合わせ、顔
料が吸収可能な分光域に波長を有する光を照射すること
によって重合が開始され、堅牢度に優れた重合物が得ら
れることを見いだし本発明を完成するに至った。顔料添
加系組成物を光硬化させることは従来の紫外光硬化では
光の透過性が不十分なために困難であったが、本発明の
光重合性組成物は波長の長い可視光、近赤外光等を用い
ることができるので顔料を添加した重合系でも重合させ
ることが可能である。
【0021】従来組成物の美粧性、堅牢性、隠ぺい性等
の向上、あるいは着色のために添加されていた顔料を光
吸収性化合物として考え、光重合開始剤の必須要件とし
て機能させたところに本発明の大きな特徴がある。本発
明で用いられる光は光吸収性顔料の吸収波長に応じて適
宜選択され、光源は水銀ランプ、メタルハライドラン
プ、ハロゲンランプ、キセノンランプ等を用いることが
できる。重合反応の効率を高めるためには光吸収性顔料
の極大吸収にマッチした分光を有する光源を選ぶことが
重要である。
【0022】重合開始のメカニズムは必ずしも明確では
ないが、例えばフタロシアニン等の有機顔料の場合は、
吸収した光エネルギーによって励起された顔料分子へ共
存するホウ素化合物から電子移動が生じ、更に一電子移
動によってラジカルとなったホウ素化合物からアルキル
(あるいはアリール)ラジカルが開裂して重合開始種と
して機能すると考えられる。また無機顔料、例えばチタ
ンホワイト(酸化チタン)の場合だと光エネルギーを吸
収した顔料表面で電荷の分離が起こり(電子と正孔)、
その後は有機顔料の場合と同様にしてホウ素化合物から
の電子移動が起こって重合開始種が発生するものと思わ
れる。
【0023】本発明で用いられる重合性不飽和化合物と
は重合性不飽和モノマーあるいは重合性不飽和オリゴマ
ー、ポリマーのいずれかあるいは混合物であり、例えば
特開平4−362935号公報、特願平4−17576
7号明細書に記載されたものを挙げることができる。こ
れらの重合性モノマー、オリゴマー、ポリマー等は各々
単独、あるいは2種類以上混合して用いることができ
る。
【0024】重合性不飽和モノマーとしては例えば、
(メタ)アクリル酸と1価アルコールとのエステル化物、
スチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン等のビニル
ベンゼン類、ビニルイソブチルエーテル、2−エチルヘ
キシルビニルエーテル等のビニルエーテル類、(メタ)
アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、メチレン
ビスアクリルアミド等の(メタ)アクリル化合物類、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニ
ルエステル類、アリルアルコール、酢酸アリル、フタル
酸ジアリル類等のアリル基を含有するモノマー等が挙げ
られる。更に該モノマーとして、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート等の水酸基含有モノマー;ブチルイソシア
ネート、フェニルイソシアネート等のポリイソシアネー
トと上記水酸基含有モノマーとの付加物;リン酸と上記
水酸基含有モノマーとの付加物;N−ビニルピロリド
ン、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルアセトアミ
ド、ビニルピリジン類等の含窒素不飽和モノマー等も使
用できる。
【0025】更に該モノマーとして、ジエチレングリコ
ールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタ
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタ
エリスリトールテトラアクリレート等のジ−,トリ−ま
たはテトラビニル化合物;前記の多価アルコールとエチ
レンオキシドとの付加物にアクリル酸及び/またはメタ
クリル酸を反応せしめた生成物;前記の多価アルコール
とプロピレンオキシドとの付加物にアクリル酸及び/ま
たはメタクリル酸を反応せしめた生成物;前記の多価ア
ルコールとε−カプロラクトンとの付加物にアクリル酸
及び/またはメタクリル酸を反応せしめた生成物;含リ
ン重合性不飽和モノマー等が包含され、
【0026】また重合性不飽和ポリマーの具体例として
は、ポリエステル(メタ)アクリル酸を縮合させた樹
脂、エチレン性不飽和基含有ポリウレタン樹脂、エチレ
ン性不飽和基含有エポキシ樹脂、エチレン性不飽和基含
有リンエポキシ樹脂、エチレン性不飽和基含有アクリル
樹脂、エチレン性不飽和基含有シリコン樹脂、エチレン
性不飽和基含有メラミン樹脂等が挙げられる。特に特開
平4−28722号公報に開示されている(メタ)アク
リル官能性ポリオルガノシルセスキオキサンが好適であ
る。
【0027】本発明における光重合性組成物には光重合
開始剤を形成する光吸収性顔料の他に、任意の顔料、着
色染料等を添加することができる。具体例としては、ア
ルミパウダー、アルミペースト、金粉、銀粉等のメタル
系顔料をはじめとする市販の各種顔料等の他、各種文献
等(例えば「染料便覧」有機合成化学協会編集,昭和4
5年刊,「最新顔料便覧」日本顔料技術協会編集,昭和
51年刊)に記載されている公知のもの等が使用でき
る。
【0028】また本発明の重合開始剤及び光重合性組成
物に、従来知られているシアニン染料、ローダミン染料
等の光吸収性染料を添加して光吸収効率を高め、重合速
度を上げることも可能である。加熱により重合速度を上
げることもできる。また空気中の酸素による重合阻害を
防止する目的で窒素等の不活性ガス雰囲気、あるいは減
圧条件で重合反応を行ってもよい。
【0029】また本発明の光重合性組成物には本発明の
要旨を逸脱しない範囲で任意の添加物、充填剤等を添加
することができる。ここでいう添加物としては、例えば
増粘剤、レベリング剤、チキソトロピック剤、分散剤、
可塑剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、滑剤等が挙げら
れ、また充填剤としては、有機物、無機物、あるいはそ
れらの複合物、混合物が挙げられる。有機の充填剤とし
ては、例えば重合物を微細に粉砕したものが挙げられ、
また無機の充填剤としては、シリカ、シリカ−アルミ
ナ、アルミナ、石英、ガラス、炭酸カルシウム、カオリ
ン、タルク、雲母、硫酸アルミニウム、硫酸バリルム、
硫酸カルシウム、リン酸カルシウム等の粉末及びそれら
粉末の表面を多官能(メタ)アクリレート系モノマーまた
はシランカップリング剤で被覆処理したもの等が挙げら
れる。また複合物には上記無機充填剤をエチレン性不飽
和化合物に混合し、重合硬化させた後に微細に粉砕した
もの等が挙げられる。また異種の充填剤を2種以上別途
に添加、あるいは混合した後に添加しても何等差し支え
ない。
【0030】本発明における一般式(1)で表わされる
ホウ素系化合物は、硬化系配合物の0.001重量以上
用いることにより本発明の目的を達成することができ
る。それ以下だと重合が十分に行われず、硬化が不十分
に終わるおそれがある。好ましくは、0.01〜10重
量%の範囲である。大量に用いすぎることは、経済的観
点上、好ましくない。また本発明の光吸収性顔料は一般
に組成物全体の0.1重量%以上、任意の量添加するこ
とができる。
【0031】本発明の重合性組成物は無溶剤型の硬化性
組成物として利用可能であり、地球環境改善に寄与する
ことが期待される。勿論、従来の溶剤で希釈した形で用
いることもできる。その際に用い得る溶剤としては、従
来の塗料用に用いられている一般の溶剤等、例えばトル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘプタン、ヘキサ
ン、ペンタン等の脂肪族炭化水素類、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレン
グリコールジメチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル類、メチルセ
ルソルブ、エチルセルソルブ等のエチレングリコールの
モノエーテル類等が使用可能である。これらの溶剤は1
種または2種以上を混合して使用することができる。こ
れらの溶剤は材料の粘度調製、組成物の相溶性、作業性
向上等の機能も有するので、状況に応じて適宜適量添加
することができる。
【0032】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明する。な
お、硬化物の評価における硬化とは、硬化後の塗膜の表
面及びカッターナイフで硬化塗膜を傷つけた塗膜の内面
を目視観察及び手で触れ、べとつき、タックが全くない
状態をいう。
【0033】(実施例1)ペンタエリスリトールトリア
クリレート10g、チタンホワイト(石原産業社製 商
品名タイペークCR−90)2g、テトラブチルアンモ
ニウムn−ブチルトリフェニルホウ素0.1gを十分に
混合し、サンプル1とした。
【0034】(実施例2)ペンタエリスリトールトリア
クリレートに代えてトリエチレングリコールジアクリレ
ートを用いる以外は実施例1と同様にサンプル2を作成
した。
【0035】(実施例3)チタンホワイトに代えて、カ
ーボンブラック(デグッサ社製 商品名 Printex95)を
用いる以外は実施例1と同様にサンプル3を作成した。
【0036】(実施例4)チタンホワイトに代えて、フ
タロシアニンブルー(BASF社製 商品名L-7072D)を用い
る以外は実施例1と同様にサンプル4を作成した。
【0037】(実施例5)チタンホワイトに代えて、赤
色顔料(東洋インク社製 商品名 Lionol Red 7BFC-4417
X)を用いる以外は実施例1と同様にサンプル5を作成し
た。
【0038】(実施例6)テトラブチルアンモニウムn
−ブチルトリフェニルホウ素に代えて、エチルピリジニ
ウムn−ブチルトリフェニルホウ素を用いる以外は実施
例1と同様にサンプル6を合成した。
【0039】(実施例7)テトラブチルアンモニウムn
−ブチルトリフェニルホウ素に代えて、テトラブチルア
ンモニウムジ−n−ブチルジフェニルホウ素を用いる以
外は実施例1と同様にサンプル7を作成した。
【0040】(比較例1)テトラブチルアンモニウムn
−ブチルトリフェニルホウ素を添加しない以外は実施例
1と同様にサンプルaを作成した。
【0041】(比較例2)チタンホワイトを添加しない
以外は実施例1と同様にサンプルbを作成した。
【0042】〔硬化試験1〕上記の組成にて作成したサ
ンプルを、2.5×7.0cmのアルミ板に250μmの厚
さで塗布した。こうして得られた試験片を窒素雰囲気
下、波長800nm〜950nmの範囲に分光分布を有する
出力1500Wのハロゲンランプを5分間照射した。実
施例の全てのサンプルは硬化したが、比較例a,bのサ
ンプルは硬化せず液状のままであった。
【0043】(実施例8)実施例1と同じ組成の混合物
(サンプル1)を等量のトルエンで希釈し、鋼板上に上
記組成物を50g/m2付着するようスプレーコーティン
グした。このサンプルを80℃で30分乾燥した後、硬
化試験1と同様、ハロゲンランプを照射した。サンプル
は硬化した。
【0044】
【発明の効果】本発明により、従来光重合が困難であっ
た顔料を含む組成物を重合させることができる重合開始
剤及び光重合性組成物が提供された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−13142(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/48 - 2/50

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表されるホウ素系化合物
    及び光吸収性顔料を含有することを特徴とする光重合開
    始剤。一般式(1); 【化1】 (式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立してア
    ルキル基、アリール基、アリル基、アラルキル基、アル
    ケニル基、アルキニル基、シリル基、複素環基、置換ア
    ルキル基、置換アリール基、置換アリル基、置換アラル
    キル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基または置
    換シリル基を示し、Z+は4級アンモニウム陽イオン、
    4級ピリジニウム陽イオン、4級キノリニウム陽イオ
    ン、ホスホニウム陽イオンまたは金属陽イオンを示
    す。)
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)で表されるホウ素系化
    合物の置換基であるR1、R2,R3及びR4のうち、1個
    の置換基がアルキル基または置換アルキル基,残る3個
    の置換基がアリール基または置換アリール基である,請
    求項1に記載の光重合開始剤。
  3. 【請求項3】 光吸収性顔料が縮合多環系顔料,アゾ系
    顔料、キノン系願料,アントラキノン系顔料,カーボン
    ブラック,チタンホワイトの中から選ばれた1種であ
    る,請求項1または2に記載の光重合開始剤。
  4. 【請求項4】 重合性不飽和化合物及び請求項1〜3の
    いずれかに記載の光重合開始剤を含有することを特徴と
    する光重合性組成物。
  5. 【請求項5】 重合性不飽和化合物が含窒素不飽和モノ
    マーを含有することを特徴とする,請求項4に記載の光
    重合性組成物。
  6. 【請求項6】 重合性不飽和化合物がエチレン性不飽和
    基含有ポリウレタン樹脂,エチレン性不飽和基含有エポ
    キシ樹脂またはエチレン性不飽和基含有アクリル樹脂を
    含有することを特徴とする請求項4または5に記載の光
    重合性組成物。
  7. 【請求項7】 請求項4〜6のいずれかに記載の光重合
    性組成物を塗布した後、可視光及び/または近赤外光を
    照射して硬化させることを特徴とする光重合性組成物の
    硬化方法。
  8. 【請求項8】 請求項4〜6のいずれかに記載の光重合
    性組成物を塗布した後、光源として水銀ランプ,メタル
    ハライドランプ,ハロゲンランプまたはキセノンランプ
    を用いて光照射し、硬化させることを特徴とする光重合
    性組成物の硬化方法。
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