JP3318894B2 - 低周波治療器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、家庭用の低周波治療器に関する。

〔従来の技術〕

従来この種の低周波治療器は、予めその機器内に備え
ている治療モードを、スイッチの切り換え操作と連動し
て選択していく形式のものが一般的であった。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記した低周波治療器にあっては、治
療信号の発生周期などの各種条件は平均的な人間に適合
する様に設定されているため、ともすると刺激のリズム
が自分の体にあわず、逆に不快感を催すなどの不都合が
あった。

本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであって、
使用者に最適の治療信号を容易に得ることができる低周
波治療器を提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕 本発明にかかる低周波治療器は、第１図にその概略的
な構成を示す如く、出力制御用のスイッチ16と、該スイ
ッチ16の操作ノブ18と、該操作ノブ18の押圧状態を検知
する手段と、該検知手段の検知内容に対応した波形の治
療用信号20を発生可能とした信号発生手段とを備えたも
のである。

上記した検知手段が行う検知内容としては、操作ノブ18
の押圧時間の長短、あるいは操作ノブ18の押圧力の大小
が可能である。

〔作用〕

上記した構成により、出力制御用スイッチ16のノブ18
を自分の好みのリズムで押圧操作していくと、該リズム
に対応したタイミングで治療用信号20が発生される。

ここで、出力制御用スイッチ16のノブ18の押圧時間の
長短あるいは押圧力の大小の様な操作状態の違いが検知
され、かかる検知結果に対応した波形の治療用信号20を
信号発生手段が出力することにより、必要最小限のスイ
ッチ数で変化に富んだ治療用信号20が得られるのであ
る。

例えば、出力制御用スイッチ16のノブ18の押圧時間を
検知する様に構成すれば、短時間だけノブ18を押圧した
時には単発の「たたく」状態に対応した治療用信号20a
を第５図ｃの如く出力し、一定時間以上連続してノブ18
を押すと、「もむ状態に対応した比較的周波数の高い連
続した信号20bを発生するなど、出力波形の変更が行わ
れるのである。

〔実施例〕

本発明にかかる低周波治療器10は、第２図および第３
図にその概略的な構成を示す如く、矩形扁平状の本体ケ
ース12の上面14側に、出力制御用スイッチ16の操作ノブ
18の上方位置に、治療用信号20の出力時期および種類に
対応した表示を可能とする２つの発光ダイオード22・22
を設けている。更に本体ケース12内部には、治療用信号
20を導子24に向けて出力可能とする電子回路26と、該電
子回路26に駆動電力を供給する電池28とを内蔵する。ま
た、本体ケース12の側面位置に、電池28から電子回路26
への通電時期を規制する電源スイッチ30を備えた出力調
整用の可変抵抗器32を設ける一方、本体ケース12の上端
位置に、導子24を着脱自在に接続するためのジャック34
を備えている。

導子24は、本体ケース12側から出力される治療用信号
20を患部の皮膚面に印加するためのものであって、絶縁
性の基台36の上に平板状の電極38を備え、該電極38を導
電性の粘着パッド40で覆ったもの２つを１組とし、両電
極38をコード42先端のプラグ44で、本体ケース12側のジ
ャック34に接続する様にしている。

上記した電子回路26は、発振部46から出力されるクロ
ック信号を基準信号とし、ROM内に記憶したプログラム
に従って作動する１チップマイコンを制御部48として備
える。制御部48では、出力選択部50から入力される選択
信号52の入力と連動して、該選択状態に対応した駆動信
号54を出力部56に送るとともに、駆動信号54の出力状態
に対応した表示、例えば治療用信号20の出力期間および
種類に対応して本体ケース上面14の発光ダイオード22を
点灯する様な表示を表示部58で行う様にしている。

出力選択部50は、指圧時における「たたく」あるいは
「もむ」状態を模した治療用信号20の選択および出力時
期の制御を行うための出力制御用のオンオフスイッチ16
であって、該スイッチ16のオン操作を行うための操作ノ
ブ18を本体ケース12の上面14側に備えている。

更に、操作ノブ18には圧力センサの様なノブ18の押圧
力に対応した値、あるいは押し下げストロークの大きさ
に対応した値の圧力信号55を出力可能とすることによ
り、治療用信号20のピーク値を制御できる様にしてい
る。

出力部56は従来と略同様の構成であって、例えば電池
28から出力される数Ｖ程度の低電圧を、チョッパタイプ
の昇圧回路60で数十Ｖ以上の高電圧に変換する。すなわ
ち、制御部48から出力される十分高い周波数の昇圧信号
62の入力と連動してチョークコイルに流れる電流を高速
に断続してパルス電圧を発生し、電池電圧より十分高い
電圧を形成するのである。

一方、出力選択部50から入力された選択信号52に対応
して、制御部48からは駆動信号54が出力制御回路64に送
られる。出力制御回路64は、昇圧回路60で形成された高
電圧の出力を規制するための出力回路66のオン時期を制
御するものであって、駆動信号54の入力と連動し、所定
形状の制御信号68を出力回路66に送り、昇圧回路60にお
いてコンデンサに蓄えた電荷をパルス状の出力信号70と
して取り出す。

出力回路66により取り出された出力信号70は、可変抵
抗器32で必要なピーク値に分圧され、導子24の両電極38
・38に向けて治療用信号20として送られるので、導子24
の粘着パッド40を予め患部に離間して粘着しておくこと
により、両電極38・38間の皮膚面に所定の低周波電流が
流れるのである。

本発明は上記した構成において、出力選択部50に備え
た出力制御用スイッチ16のノブ18の押圧操作と連動し
て、その操作状態に対応した治療用信号20を出力可能と
したことを特徴とする。

すなわち、第４図における流れ図で示す如く、電源ス
イッチ30をオンする（ステップ100）と、ステップ102で
各種初期化が行われたあと、ステップ104に移り、出力
制御用スイッチ16がオン操作されるまで待機状態を続け
る。

ここで、操作ノブ18が押圧操作されたことが判定され
ると、ステップ106でカウンタを加算するとともに、ス
テップ108で操作ノブ18の押圧力を検出し、この検出さ
れた圧力が前回の値を超えると、ステップ110で記憶値
を置き換えることにより押圧力のピーク値を保存する。

次に、ステップ112でカウント値を調べ、出力制御用
スイッチ16のオン期間が例えば0.5秒程度の設定値δｔ
を超えたか否かを判定し、「NO」であれば、更にステッ
プ114でスイッチ16がオフ状態に戻ったか否かをしら
べ、オン状態を続けていることが確認されると、ステッ
プ106に戻ってスイッチ16のオン時間の計時を続ける。
このオン時間が設定値を超える前にステップ114におい
てスイッチ16のオフ操作が判断されると、ステップ116
において、ステップ110で保持された最大の操作圧力に
対応したピーク値を持つ単発のパルス20aが発生され
る。しかる後、ステップ118において検出した圧力およ
びカウンタの値をリセットし、ステップ104に戻って操
作ノブ18が次に押されるのを待つ。

一方、ステップ112でスイッチ16のオン時間が設定値
を超えたことが判断されると、ステップ120に移って操
作ノブ18の押圧力を調べたのち、該圧力に対応したピー
ク値の連続波20bの出力を開始する（ステップ122）。こ
の時、ステップ124でスイッチ16がオフされたのが確認
されると、更に前記した設定時間δｔだけ経過したこと
をステップ126で確認したあとに、ステップ128で連続波
20bの出力を停止することにより、操作ノブ18の押圧力
に比例した電圧値の連続波20bが操作時間だけ取り出さ
れるのである。

なお上記した場合、ステップ124で出力制御用のスイ
ッチ16がオフ状態に復帰すると、直ちに治療用信号20b
の出力を停止する様にしてもよい。

操作ノブ18の押圧力を検知するのに代えて、設定時間
δｔないでの操作ノブ18の押圧時間の長短に応じて、単
発パルス20aのパルス幅あるいはピーク値を変更する様
にすることも可能である。更に、連続パルス20bを徐々
にピーク値が増大する弛緩波形とすることにより、操作
ノブ18の押圧時間が長くなるほどピーク値が大きくなる
様に設定することも可能である。

なお、第６図の如く、操作ノブ18が押圧操作されると
同時に先ず単発パルス20aが出力され、操作ノブ18が所
定時間δｔを超えて持続したことが確認されたのち、操
作ノブ18が操作されている期間中に限って連続パルス20
bを出力することにより、操作ノブ18の操作時期と治療
用信号20の出力時期とのタイミングのずれを可及的に減
少させることが可能である。

また、操作ノブ18を「もみ」および「たたき」に対応
して１つずつ備え、各ノブの操作毎に異なった波形の治
療用信号20を出力可能とするとともに、操作ノブ18の操
作圧力を検出し、該圧力に対応したピーク値にすること
も可能である。

更にまた、操作ノブ18の押圧力の変化率を調べ、ノブ
操作を開始した直後における圧力の変化率が設定値を超
えて大きいと単発パルス20aを出力し、設定値を下回る
と連続パルス20bを出力する様にしてもよい。

〔発明の効果〕

以上のように本発明は本体ケース12に、出力制御用の
スイッチ16と、該出力制御用スイッチ16の操作ノブ18
と、該操作ノブ18の押圧時間を検知する手段と、該検知
手段の検知した押圧時間に見合った出力時間を有す治療
用信号を該押圧操作と略同時期にのみ発生可能とした信
号力発生手段とを備えるとともに、該治療用信号は上記
本体ケース12から離間して設けられる患部貼着用電極に
より患部へ印加される低周波治療器において、上記押圧
時間が所定時間より短い場合は、たたく状態に対応した
単発の治療用信号を、上記押圧時間が所定時間より長い
場合は、もむ状態に対応した連続波の治療用信号を発生
せしめたことを特徴としたので、 操作者の手元での操作ノブの操作にあわせて治療用信
号が発生するので、患部に実際に直接手をもっていくこ
となく刺激のタイミングを自分で意思で手元で選択出
来、使用感に優れる。

という作用効果に加え、 押圧状態をその押圧時間や押圧力で把握し、この押圧
時間に見合った治療用信号を押圧タイミングに沿って発
生するようにしているので、 必要最小限の数のスイッチを用いて様々な刺激を創出
することが出来る。

実際の操作ノブの押圧操作に見合う治療用信号を得ら
れるので、手元の操作ノブをあたかも実際の患部である
かのごとく押圧すればそれに見合った電気的刺激が創出
可能となる。

という作用効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の基本的な構成を示す説明図である。 第２図ないし第５図は本発明の一実施例を示し、第２図
は外観形状を示す斜視図、第３図は回路構成を示すブロ
ック図、第４図は動作状態を示す流れ図、第５図ａ〜ｃ
は出力制御用スイッチの操作状態と出力される治療用信
号の関係を示す波形図である。 第６図a,bは他の実施例における第５図に類似した波形
図である。 16……出力制御用スイッチ 18……操作ノブ 20……治療用信号 24……導子 28……電池 30……電源スイッチ 48……制御部 50……出力選択部 52……選択信号

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平３−111061（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−92176（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−309976（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−265571（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−151465（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−221173（ＪＰ，Ａ) 実開 平２−139661（ＪＰ，Ｕ) 実公 平２−7574（ＪＰ，Ｙ２) 特公 昭51−23838（ＪＰ，Ｂ１) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A61N 1/32

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】本体ケース12に、出力制御用のスイッチ16
   と、該出力制御用スイッチ16の操作ノブ18と、該操作ノ
   ブ18の押圧時間を検知する手段と、該検知手段の検知し
   た押圧時間に見合った出力時間を有す治療用信号を該押
   圧操作と略同時期にのみ発生可能とした信号発生手段と
   を備えるとともに、該治療用信号は上記本体ケース12か
   ら離間して設けられる患部貼着用電極により患部へ印加
   される低周波治療器において、上記押圧時間が所定時間
   より短い場合は、たたく状態に対応した単発の治療用信
   号を、上記押圧時間が所定時間より長い場合は、もむ状
   態に対応した連続波の治療用信号を発生せしめたことを
   特徴とする低周波治療器。