JP3318504B2 - 電圧制御型高周波発振装置 - Google Patents

電圧制御型高周波発振装置

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JP3318504B2
JP3318504B2 JP04428797A JP4428797A JP3318504B2 JP 3318504 B2 JP3318504 B2 JP 3318504B2 JP 04428797 A JP04428797 A JP 04428797A JP 4428797 A JP4428797 A JP 4428797A JP 3318504 B2 JP3318504 B2 JP 3318504B2
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2つの発振出力信
号を導出するデュアルモード型の電圧制御型高周波発振
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、移動体通信装置やその他の通
信装置の送信用発振器、受信部の局部発振器に用いられ
る電圧制御型高周波発振装置が知られている。
【0003】最近、携帯電話、自動車電話等の様々な移
動体通信機器が普及しているが、一部の通信シテスムで
は、チャンネル数の不足が深刻化している。これらの問
題を解決するための新しいシステムが運用される様にな
るが、この普及段階においては、従来のシステムと新し
いシステムの併用が可能なデュアルバンド対応の通信機
が必要となる。デュアルバンド対応の通信機には、所定
周波数の2つの発振出力信号を用いる必要があり、通
常、発振周波数帯域が異なる2つの発振器を用いてい
た。
【0004】上述のように、例えば1つの移動体通信機
器中に2つの発振器を用いると当然、通信機器が大型化
してしまい、特に、移動体通信機の小型化とは逆行して
しまう。
【0005】従来例の電圧制御型発振器としては、共振
回路部のバリキャップダイオードを含むL−C共振回路
に、バリキャップダイオードの容量成分を可変させる所
定値の制御電圧を供給する電圧制御発振装置では、例え
ば発振周波数Fが800〜900MHz帯付近の発振出
力信号と、発振周波数F2 が1.9GHz帯付近の発振
出力信号を同一の発振装置で得ることは、バリキャップ
ダイオードの容量可変範囲の制限、発振回路のC/N特
性差の変動などにを考慮すると実用化できないものであ
った。
【0006】そこで、本発明者らは、図3に示すよう
に、共振回路の共振周波数を離散的に切り換えることが
でき、例えば、800〜950MHz帯付近の基本発振
信号を出力する発振回路部Xと、該基本発振信号を逓倍
化処理する周波数逓倍化回路部Yと、逓倍化された周波
数成分のみを抽出するフィルタ回路部Zとから成る電圧
制御型高周波発振装置を提案している。
【0007】これは、発振回路部Xの基本発振信号を第
1の出力端子OUT1 から直接導出するとともに、この
基本発振信号を周波数逓倍化回路部Y所定整数倍だけ逓
倍処理を行い、フィルタ回路部Zを介して、第2の出力
端子OUT2 から導出するものである。
【0008】これにより、第1の出力端子OUT1
ら、発振周波数800MHz〜950MHz帯付近の発
振出力信号を得られ、第2の出力端子OUT2 から、例
えば2倍の周波数の発振周波数1.6〜1.9MHz帯
付近の発振出力信号を得られることになる。
【0009】しかも、共振回路部X1 に周波数シフト回
路(切換回路)X11を具備することで、第1の出力端子
OUT1 からは800〜950MHz帯付近の範囲で任
意の2つ発振周波数f1 、f2 を選択的に得られ、第2
の出力端子OUT2 からは、1.6〜1.9GHz帯付
近の範囲で発振周波数F1 (2×f1 )、F2 (2×f
2 )を選択的に得られることになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図3で示す電圧制御型
高周波発振装置では、発振回路部Xよりも後段の回路部
は、例えば800〜900MHzの発振出力信号を処理
する系統と、例えば1.6〜1.9GHzの発振出力信
号を処理する系統の2系統が独立しているため、仮に、
第1の出力端子と第2の出力端子を物理的に共用させ
て、1つの出力端子としたとしても、回路構成は簡素化
できず、小型な制御電圧型高周波発振装置を達成するこ
とは困難であった。
【0011】本発明は上述の問題点に鑑みて案出された
ものであり、その目的は、発振回路部から出力される基
本発振信号の処理系統を、周波数の相違に関係なく統合
でき、小型の電圧制御型高周波発振装置を提供すること
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、発振周波数を
制御する制御電圧と、発振周波数を異なる周波数バンド
に切り換える切換電圧とが供給され、両電圧によって所
定共振周波数で動作を行う共振回路部を含み、基本発振
信号を出力する発振回路部と、前記発振回路部の基本発
振信号を増幅処理又は逓倍処理を行う基本発振信号処理
回路部と、前記基本発振信号処理回路部の出力周波数に
応じた所定の周波数通過帯域特性を有するフィルタ回路
部とを備え、前記基本発振信号処理回路部は、前記切換
電圧の供給に伴って、増幅処理又は逓倍処理の切り換え
を行うスイッチング素子を有し、且つ前記フィルタ回路
部は、前記切換電圧の供給に伴って、周波数通過帯域特
性を切り換えるスイッチング素子を有していることを特
徴とする電圧制御型高周波発振装置である。
【0013】
【作用】以上のように、本発明の電圧制御型高周波発振
装置は、共振回路部の共振動作(基本発振信号の周波
数)が切換電圧によって離散的に制御される。即ち、所
定電圧の切換電圧の供給によって、発振回路部Aの出力
である基本発振信号の周波数を、少なくとも2種類の周
波数f1 、f2 に切り換えることができる。
【0014】また、基本発振信号は、基本発振信号処理
回路部で、増幅動作、または逓倍動作のいずれかが行わ
れる。この増幅動作モードまたは逓倍動作モードは、基
本発振信号処理回路部と接続するスイッチング素子に切
換電圧の供給によって決定される。即ち、基本発振信号
処理回路部は、周波数維持・増幅処理された出力と、周
波数逓倍化処理された出力の2種類が出力される。
【0015】さらに、この出力は、少なくとも2つの周
波数通過帯域特性に切り換わるフィルタ回路部を介して
発振出力信号として導出される。この周波数通過帯域特
性の切り換えは、フィルタ回路部に接続されるスイッチ
ング素子に切換電圧の供給によって決定される。
【0016】即ち、切換電圧は発振回路部の共振回路部
に供給され、基本発振信号の周波数の制御を行うと同時
に、基本発振信号処理回路部のスイッチ素子に供給さ
れ、基本発振信号の動作モードの決定を制御し、さら
に、フィルタ回路部のスイッチ素子に供給され、通過周
波数帯域特性を制御することになる。
【0017】これにより、発振出力信号の周波数バンド
の相違に係わらず、基本発振信号を出力する発振回路
部、基本発振信号信号処理回路部、フィルタ回路部と一
連の処理系統となり、また、各回路部を構成する部品が
共用が高められ、全体の回路が簡素化されて、小型化が
達成できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の電圧制御型高周波
発振装置を図面に基づいて説明する。
【0019】図1は、第1の発明の電圧制御型高周波発
振装置を構成するブロック回路図であり、図2その回路
図である。
【0020】本発明の電圧制御型高周波発振装置は、発
振回路部Aと、処理動作の切り換えが可能な基本発振信
号処理回路部(単に、信号処理回路部という)B、通過
帯域特性の切り換えが可能なフィルタ回路部Cとから構
成されている。
【0021】発振回路部Aは、共振回路A10、切換回路
11とから成る共振回路部A1 、負性抵抗回路部A2
増幅回路部A3 とから構成されている。この共振回路部
1には、制御電圧Vtが供給される制御電圧端子VT
と、基本発振信号xの周波数を切り換える切換電圧Vs
が供給される切換電圧端子VSを具備している。
【0022】共振回路部A1 は、実質的にL−C共振回
路を構成する共振回路A10によって、その共振周波数が
決定される。また、切換回路A11は、切換電圧Vsの供
給(H/L)によって、上述のL−C共振回路の回路定
数を変化させて、共振周波数を離散的に制御、即ち、周
波数のシフトアップ、シフトダウンを行うものである。
【0023】負性抵抗回路部A2 は、トランジスタ、抵
抗などを備え、共振回路部A1 との発振条件を満たした
周波数を安定して出力するための回路である。
【0024】増幅回路部A3 は、主にトランジスタ、抵
抗などを備え、負性抵抗回路部A2のトランジスタと共
動して、負性抵抗回路部A2 からの信号を増幅する回路
である。この増幅回路部A3 には、バイアス電源端子V
cc、基本発振信号xを出力する端子が具備されてい
る。
【0025】結局、発振回路部Aは、共振回路部A1
所定共振周波数で動作を行い、負性抵抗回路部A2 、増
幅回路部A3 とにより、制御電圧Vt及び切換電圧Vs
に応じた周波数の基本発振信号xを出力する。この基本
発振信号xは信号処理回路部Bに供給される。特に、切
換電圧Vsの供給(H/L)により、切換回路A11が動
作して、基本発振信号xの周波数をf1 からf2 に切り
換え制御をしている。
【0026】制御電圧Vtは、この電圧制御型高周波発
振装置の外部に接続されたPLL回路部Dから供給され
る。PLL回路部Dは、発振回路部Aから出力されてい
る基本発振信号xの発振周波数f1 またはf2 と所定基
準周波数とを比較して、周波数のズレを補正するための
制御電圧Vtを作成して、制御電圧端子VTに供給して
いる。また、通信システムの選択されたチャンネルに対
応した周波数に変化させるための制御電圧を作成して、
制御電圧端子VTに供給している。このPLL回路部D
は、基準信号発振源である温度補償型水晶発振器、PL
L−IC、所定電圧値を決定するローパスフィルタから
構成されている。
【0027】上述の発振回路部Aには、信号処理回路部
Bが接続され、さらに、該信号処理回路部Bには、フィ
ルタ回路部Cが接続されている。
【0028】信号処理回路部Bは、主に処理動作を行う
トランジスタから成り、同時に、このトランジスタを動
作モードを制御するスイッチング素子B1Oが接続されて
いる。
【0029】信号処理回路部Bは、基本発振信号xに対
して2つの動作モードを行う。1つは周波数維持・増幅
処理動作モードであり、もう1つは周波数逓倍化処理動
作モードである。この動作モードの切り換えは、スイッ
チ素子B1Oに上述の切換電圧Vsの供給によって制御さ
れる。
【0030】信号処理回路部Bの2つの動作モードの選
択は、トランジスタの動作領域を制御して達成される。
即ち、トランジスタの動作領域を、入力信号(基本発振
信号)の基本波成分の増幅領域を用いる時には、周波数
維持・増幅処理動作モードとなり、またはn次の高調波
成分の増幅(出力信号レベル向上)領域を用いる時に
は、逓倍化処理動作モードとなる。
【0031】このトランジスタの動作領域の設定は、ト
ランジスタの動作環境、例えばバイアスポイントの設定
によって制御ができるため、スイッチ素子B1Oをトラン
ジスタのベース−接地間に接続しておけばよい。
【0032】具体的には、信号処理回路部Bは、周波数
維持・増幅処理動作モードのときには、周波数f1 の基
本発振信号xを周波数維持で出力レベル向上させて出力
する。また、逓倍化(2倍の逓倍を行う)処理動作モー
ドのときには、基本発振信号xの周波数f1 の2倍の2
×f1 の周波数成分を、他の周波数成分、周波数f1
周波数3×f1 ・・・などに比較して相対的に出力レベ
ルを向上させて出力する。
【0033】フィルタ回路部Cは、主にコンデンサ、コ
イル等から成り、信号処理回路部Bから出力される特定
の周波数成分のみを抽出するものであり、同時に、この
周波数通過帯域を制御するスイッチング素子C1Oが接続
されている。
【0034】通過帯域は、信号処理回路部Bの動作モー
ドによって相違するため、夫々の周波数に応じたフィル
タ特性とするために回路定数を変える必要がある。この
スイッチング素子C1OのON−OFFによって、フィル
タ回路部Cのコンデンサやコイルが付加されたり、切り
離されたりして、通過帯域の特性が基本発振信号の周波
数帯を通過帯域とする場合、逓倍処理された周波数帯を
通過帯域とする場合とに切り換わる。
【0035】このフィルタ回路部Cで抽出された特定周
波数の出力は、1つの出力端子OUTから発振出力信号
として抽出される。
【0036】次に、図1に示すブロック回路の実際の回
路を図2に照らして説明するとともに、図2の回路にお
ける動作を表1の動作表を用いて説明する。尚、周波数
逓倍化回路部Bでは、2倍の周波数逓倍化処理されるも
のとし、制御電圧は一定であるとする。
【0037】発振回路部Aを構成する共振回路A1Oは、
主にストリップ線路L2 、コンデンサC4 、可変容量素
子DVから構成され、切換回路部A11は主にコンデンサ
31、ダイオードDi、抵抗R31から構成されている。
そして、切換回路A11は、ストリップ線路L2 の接地端
側に接続されている。
【0038】負性抵抗回路部A2 は主にトランジスタQ
2 を中心に、増幅回路部A3 は主にトランジスタQ1
中心に構成されている。尚、トランジスタQ1 の出力で
ある基本発振信号xはコンデンサC14を介して信号処理
回路部Bに出力される。
【0039】例えば、切換電圧Vsが供給されていない
(Vs=Lレベル)場合には、切換回路A11のダイオー
ドDiがOFFとなり、ストリップ線路L2 の実際の電
気長で動作して、基本発振信号の周波数は基準周波数f
1 となる。
【0040】また、切換電圧Vsが供給される(切換電
圧Vs=Hレベル)と、切換回路A11のダイオードDi
がONとなり、ストリップ線路L2 の電気長は実質的に
短くなり、共振周波数の高周波化され、基本発振信号x
の発振周波数はシフトアップされテ周波数f2 (f2
1 )となる。
【0041】信号処理回路部Bは、2つの動作モードで
働くトランジスタQ4 から構成され、さらに、トランジ
スタQ4 には、トランジスタQ4 の動作環境を決定する
スイッチ素子B1OであるトランジスタQ3 が接続されて
いる。
【0042】例えば、スイッチ素子B1Oであるトランジ
スタQ3 のベースに切換電圧Vsが供給されていない
(切換電圧Vs=Lレベル)場合には、トランジスタQ
3 がOFFとなる。これにより、トランジスタQ4 は、
周波数逓倍動作モードで動作することになる。そして、
トランジスタQ4 の入力信号である基本発振信号x(周
波数f1 )は、2倍の周波数逓倍処理により、トランジ
スタQ4 のコレクタからF1 =2×f1 の周波数成分の
出力レベルが向上した信号が出力されることになる。
【0043】また、切換電圧Vsが供給される(切換電
圧Vs=Hレベル)と、トランジスタQ3 がONとな
り、トランジスタQ4 は、周波数維持・増幅動作モード
で動作することになる。そして、トランジスタQ4 の入
力信号である基本発振信号x(周波数f2 )は、単に増
幅されて出力されることになる。
【0044】信号処理回路部Bの出力は、トランジスタ
4 のコレクタからフィルタ回路部Cに出力される。
【0045】フィルタ回路部Cは、主にコイルL4 、L
5 、コンデンサC16〜C17から構成され、同時に、スイ
ッチ素子C1OであるトランジスタQ5 が接続されてい
る。
【0046】フィルタ回路部Cは、スイッチ素子C1O
ON−OFFの変化によって、コイルL4 、L5 、コン
デンサC16〜C17から成るL−C回路の回路定数が変化
して、トランジスタQ3 の出力に応じた特定の周波数帯
域が抽出されるように設定される。
【0047】例えば、スイッチ素子C1Oであるトランジ
スタQ5 のベースに切換電圧Vsが供給されていない
(切換電圧Vs=Lレベル)場合には、トランジスタQ
5 がONとなり、L−C回路のインダクタンス成分はコ
イルL4 、L5 の合成インダンタクスとなる。即ち、信
号処理回路部Bから出力される周波数F1 の成分のみが
抽出を通過させる高周波用帯域通過特性となる。そし
て、フィルタ回路部Cを通過した周波数F1 の信号が発
振出力信号として出力端子OUTから導出される。
【0048】また、切換電圧Vsが供給される(切換電
圧Vs=Hレベル)と、トランジスタQ5 がOFFとな
り、これにより、コイルL4 はL−C回路のインダクタ
ンス成分に寄与しなくなる。即ち、信号処理回路部Bか
ら出力される周波数f2 の成分のみが抽出を通過させる
低周波用帯域通過特性特性となる。そして、このフィル
タ回路部Cを通過した周波数f2 の信号が発振出力信号
として出力端子OUTから導出される。
【0049】上述の動作は、以下の表1のようになる。
【0050】
【表1】
【0051】以上のように、図2の回路においては、切
換電圧Vsが一定電圧以下(供給をしない)のLレベル
では、切換回路A11のダイオードDiはOFF状態とな
り、基本発振信号xが、共振回路部A1 で設定された初
期状態の共振周波数に基づく発振周波数f1 となる。そ
して、この基本発振信号xは、信号処理回路部Bで周波
数逓倍化処理され、周波数がF1 (2×f1 )となり、
出力端子OUTから発振周波数F1 の発振出力信号が導
出されることになる。
【0052】切換電圧Vsが一定電圧以上のHレベルで
は、切換回路A11のダイオードDiはON状態となり、
基本発振信号xが、共振回路部A1 のストリップ線路L
2 の電気長が短くなり、高周波化された共振周波数に基
づく発振周波数f2 (f2 >f1 )となる。そして、こ
の基本発振信号xは、信号処理回路部Bで増幅処理さ
れ、そのままの周波数f2 の発振出力信号として、出力
端子OUTから導出されることになる。
【0053】図2に示す回路を具備する電圧制御型高周
波発振装置は、例えばヨーロッパ仕様の移動体通信シス
テム(GSM方式、DCS方式)の受信回路における第
1周波用のデュアルモード型発振器に適している。尚、
実際に用いられる発振周波数は、実際のキャリア周波数
と若干相違しているが、ここでは便宜的にキャリア周波
数を要求される発振周波数として説明する。例えば、G
SM方式に対応させるためには、発振周波数は950M
Hzが必要であり、DCS方式に対応させるためには発
振周波数が1.8GHzが必要である。
【0054】この場合、上述の表1における切換電圧V
sがLレベルの基本発振信号xの発振周波数f1 を90
0MHzに、切換電圧VsがHレベルの基本発振信号x
の発振周波数f2 を950MHzになるように共振回路
10設定する。また、切換電圧VsがLレベルで周波数
逓倍処理モードとなるように、切換電圧VsがHレベル
で周波数維持・増幅処理モードになる信号処理回路部B
を設定する同時に、切換電圧VsLレベルで1.8GH
z付近が通過し得るフィルタ特性となるように、切換電
圧VsがHレベルで950MHz付近が通過し得るフィ
ルタ特性となるようにフィルタ回路部Cを設定する。
【0055】これにより、切換電圧VsがLレベルの時
には出力端子OUTからはDCS方式に対応した1.8
GHzの発振出力信号が得られ、切換電圧VsがHレベ
ルの時には出力端子OUT1 からはGSM方式に対応し
た950MHzの発振出力信号が得られることになる。
【0056】これは、GSMとDCSという全く異なる
周波数バンドの発振出力信号を1つの制御電圧型高周波
発振装置から導出でき、デュアルモード型発振装置とし
て実用性に実用性が高いものとなる。
【0057】しかも、このように実際に使用される2種
類の発振周波数950MHzと1.8GHzとの関係に
算術的な特別な関係がなくとも、必要とされる2つの発
振周波数を簡単に得ることができる。これは、900M
Hzの発振周波数の基本発振信号からシフトアップした
950MHzに基づいて、逓倍処理を行って1.8GH
zと高い周波数の発振周波数を作成したためである。
【0058】また、発振回路部Aから出力された基本発
振信号xは、切換電圧Vsの変化に係わらず、信号処理
回路部B、フィルタ回路部Cと一連の処理系統で出力さ
れることになる。即ち、電圧制御型高周波発振装置の回
路構成が簡素化し、小型化が達成されることになる。ま
た、発振周波数の周波数バンドが変化しても、発振出力
信号を1つの出力端子から導出することが可能となるた
め、その利用も非常に簡単となる。
【0059】また、信号処理回路部Bにおいて、トラン
ジスタQ4 を、また、フィルタ回路部Cにおいて、例え
ばコイルL5 を、切換電圧のH/Lに係わらず共用でき
るため、部品点数を削減することができ、一層小型な電
圧制御型高周波発振装置となる。
【0060】以上のよう本発明では、信号処理回路部B
の動作モードとフィルタ回路部Cの通過帯域特性を、切
換電圧VsのH/Lに連動して、周波数的に合致させて
おくことが重要である。即ち、信号処理回路部Bが周波
数逓倍化処理動作モード時には、フィルタ回路部Cの通
過帯域周波数が高くなる(逓倍波の周波数に対応する)
ように、信号処理回路部Bが周波数維持・増幅処理動作
モード時には、フィルタ回路部Cの通過帯域周波数が低
く(基本波の周波数に対応する)なるようにする。
【0061】尚、上述の図2の実施例では、切換電圧V
sがLレベル、即ち、共振回路A1Oがシフトアップさ
れる前の基準の発振周波数fを、周波数逓倍化処理
を行って、高い周波数バンドの発振周波数F1 の発振出
力信号を形成しているが、例えば、共振回路A1Oの切換
回路の動作を、図2の動作と比較して反転動作するよう
に設定すれば、シフトアップした発振周波数f2 を、周
波数逓倍化処理を行い、高い周波数バンドの発振周波数
2 の発振出力信号を形成することもできる。
【0062】また、図2では、切換回路A11がONで共
振周波数がシフトアップされるが、逆に切換回路A11
ONで共振周波数がシフトダウンされるに設定しても構
わない。さらに、出力端子が1つであるが、物理的に2
つとしても構わない。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、電圧制御型高周波発振
装置は、共振回路部の共振動作は、切換電圧によって離
散的に制御され、発振回路部の出力である基本発振信号
の周波数を、少なくとも2種類の周波数f1 、f2 に切
り換えることができ、この基本発振信号は、基本発振信
号処理回路部、フィルタ回路の1つの処理系統を経て出
力端子に導出される。
【0064】また、切換電圧によって、基本発振信号処
理回路部に接続されたスイッチ素子、フィルタ回路部に
接続されたスイッチ素子が動作し、基本発振信号処理回
路部は、周波数維持・増幅処理モードと、周波数逓倍化
処理モードに、フィルタ回路部は、2つの周波数通過帯
域特性に切り換わる。
【0065】このため、周波数バンドが相違する発振出
力信号を簡単に、且つ安定して導出することができる。
【0066】しかも、発振出力信号の周波数バンドの相
違に係わらず、基本発振信号を出力する発振回路部、基
本発振信号信号処理回路部、フィルタ回路部と一連の処
理系統となり、また、各回路部を構成する部品が共用が
高められ、全体の回路が簡素化されて、小型化が達成で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電圧制御型高周波発振装置のブロック
構成図である。
【図2】本発明の電圧制御型高周波発振装置の回路構成
図である。
【図3】従来の電圧制御型高周波発振装置のブロック構
成図である。
【符号の説明】
A・・・・発振回路部 A1 ・・・共振回路部 A1O・・・共振回路 A11・・・切換回路 A2 ・・・負性抵抗回路部 A3 ・・・増幅回路部 B・・・・周波数逓倍化回路部 B1O・・・スイッチ素子 C・・・・フィルタ回路部 C1O・・・スイッチ素子 x・・・基本発振信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−147551(JP,A) 特開 平7−226680(JP,A) 特開 平4−25211(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03L 7/06 - 7/23

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発振周波数を制御する制御電圧と、発振
    周波数を異なる周波数バンドに切り換える切換電圧とが
    供給され、両電圧によって所定共振周波数で動作を行う
    共振回路部を含み、基本発振信号を出力する発振回路部
    と、 前記発振回路部の基本発振信号を増幅処理又は逓倍処理
    を行う基本発振信号処理回路部と、 前記基本発振信号処理回路部の出力周波数に応じた所定
    の周波数通過帯域特性を有するフィルタ回路部とを備
    え、 前記基本発振信号処理回路部は、前記切換電圧の供給に
    伴って、増幅処理又は逓倍処理の切り換えを行うスイッ
    チング素子を有し、且つ前記フィルタ回路部は、前記切
    換電圧の供給に伴って、周波数通過帯域特性を切り換え
    るスイッチング素子を有していることを特徴とする電圧
    制御型高周波発振装置。
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