JP3317702B2 - 樹脂組成物および成形品 - Google Patents

樹脂組成物および成形品

Info

Publication number
JP3317702B2
JP3317702B2 JP51980694A JP51980694A JP3317702B2 JP 3317702 B2 JP3317702 B2 JP 3317702B2 JP 51980694 A JP51980694 A JP 51980694A JP 51980694 A JP51980694 A JP 51980694A JP 3317702 B2 JP3317702 B2 JP 3317702B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
norbornene
resin composition
weight
particle size
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP51980694A
Other languages
English (en)
Inventor
裕二 甲嶋
禎二 小原
伊男 夏梅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Zeon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Zeon Corp filed Critical Zeon Corp
Application granted granted Critical
Publication of JP3317702B2 publication Critical patent/JP3317702B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K7/00Use of ingredients characterised by shape
    • C08K7/16Solid spheres
    • C08K7/18Solid spheres inorganic

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、成形性に優れた樹脂組成物およびそれから
成る温度や湿度などの環境変化に対する寸法安定性、表
面精度に優れた成形品に関する。
背景技術 精密成形品の材料として樹脂を使おうとする試みが進
んでいる。しかしながら樹脂は一般に線膨張率が大きい
ために、環境温度変化により寸法が変形しやすく、また
特に厚肉の成形品を成形する際にはヒケが大きいなど、
精密な成形品の材料としては問題が多かった。
近時、耐熱性と耐湿性に優れた熱可塑性ノルボルネン
系樹脂が様々な分野の成形材料として注目されている。
熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、精密成形が可能であ
り、湿度変化に対する寸法安定性に優れるが、他の樹脂
と同様に線膨張率が大きいため、温度変化に対する寸法
安定性の問題があり、温度変化のある環境下で使用する
ような精密成形品の材料としては用いることができなか
った。また、精密成形性が可能であっても、ヒケが発生
することもあった。
線膨張率を低下させ、よりヒケが起こりにくくするよ
うに、熱可塑性ノルボルネン系樹脂に無機フィラーを添
加して用いる試みもなされてきたが、無機フィラーを添
加することにより、流動性が悪くなり成形性が落ちた
り、また成形品表面の金型転写性、平滑性が落ちるなど
の問題があった。
発明の開示 本発明者らは、熱可塑性のノルボルネン系樹脂に特定
の球状無機フィラーを配合することにより、成形性に優
れた樹脂組成物、およびそれから成る表面精度、温度や
湿度などの環境変化に対する寸法安定性などの優れた成
形品が得られることを見出し、本発明を完成するに到っ
た。
かくして本発明によれば、熱可塑性ノルボルネン系樹
脂30〜95重量部と平均粒径が0.05〜50μmである球状の
無機フィラー5〜70重量部からなる樹脂組成物、および
それから成る成形品が提供される。
発明を実施するための最良の形態 以下本発明について説明する。
(熱可塑性ノルボルネン系樹脂) 本発明で用いる熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、特開
平3−14882号公報や特開平3−122137号公報、特開平
4−63807号公報などで公知の樹脂であり、具体的に
は、ノルボルネン系単量体の開環重合体、その水素添加
物、ノルボルネン系単量体の付加型重合体、ノルボルネ
ン系単量体とオレフィンの付加型重合体、これらの重合
体の変性物などが挙げられる。
ノルボルネン系単量体も、上記公報や特開平2−2274
24号公報、特開平2−276842号公報などで公知の単量体
であって、例えば、ノルボルネン、そのアルキル、アル
キリデン、芳香族置換誘導体およびこれら置換または非
置換のオレフィンのハロゲン、水酸基、エステル基、ア
ルコキシ基、シアノ基、アミド基、イミド基、シリル基
などの極性基置換体、例えば、2−ノルボルネン、5−
メチル−2−ノルボルネン、5,5−ジメチル−2−ノル
ボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル
−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネ
ン、5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−
シアノ−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシ
カルボニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノ
ルボルネン、5−フェニル−5−メチル−2−ノルボル
ネンなど;シクロペンタジエンの単量体である多環構造
の単量体、その上記と同様の誘導体や置換体、例えば、
ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒドロジシクロペンタ
ジエン、1,4:5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−2,3
−シクロペンタジエノナフタレン、6−メチル−1,4:5,
8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、6−エチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,
8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,4:5,10:6,9−トリメ
タノ−1,2,3,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10a−ドデカヒドロ
−2,3−シクロペンタジエノアントラセンなど;シクロ
ペンタジエンとテトラヒドロインデンなどとの付加物、
その上記と同様の誘導体や置換体、例えば、1,4−メタ
ノ−1,4,4a,4b,5,8,8a,9a−オクタヒドロフルオレン、
5,8−メタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−2,3
−シクロペンタジエノナフタレンなど;などが挙げられ
る。
ノルボルネン系単量体の重合は公知の方法でよく、必
要に応じて、他の共重合可能な単量体と共重合したり、
水素添加することにより、熱可塑性飽和ノルボルネン系
樹脂とすることができる。熱可塑性飽和ノルボルネン系
樹脂とは、熱可塑性ノルボルネン系樹脂の内、主鎖構造
に実質的に不飽和結合を有していないものをいい、それ
以外の熱可塑性ノルボルネン系樹脂に比較して、耐光劣
化性や耐候劣化性に優れる。ノルボルネン系単量体の付
加型重合体、ノルボルネン系単量体とオレフィンの付加
型重合体は、主鎖構造に不飽和結合を有していないが、
ノルボルネン系単量体の開環重合体は主鎖構造に不飽和
構造を有しているので、水素添加することにより、主鎖
構造に実質的に不飽和構造を有していないようにし、熱
可塑性飽和ノルボルネン系樹脂とすることができる。ま
た、重合体や重合体水素添加物を特開平3−95235号な
どで公知の方法により、α,β−不飽和カルボン酸およ
び/またはその誘導体、スチレン系炭化水素、オレフィ
ン系不飽和結合および加水分解可能な基を持つ有機ケイ
素化合物、不飽和エポキシ単量体を用いて変性させても
よい。なお、耐湿性、耐薬品性に優れたものを得るため
には、極性基を含有しない熱可塑性ノルボルネン系樹脂
が好ましい。
分子量は、成形性に優れ、十分な強度を有することか
ら、シクロヘキサンを溶媒とするGPC(ゲル・パーミエ
ション・クロマトグラフィー)分析により測定した数平
均分子量で1万〜20万が適当である。また、ノルボルネ
ン系単量体の開環重合体を水素添加する場合、耐光劣化
性や耐候劣化性を向上させるために、主鎖構造の不飽和
結合の90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは
99%以上を飽和させる。
(フィラー) 本発明で用いるフィラーは、球状であり、真球に近い
ほど好ましい。平均粒径は0.05μm以上50μm以下、好
ましくは0.1μm以上10μm以下、より好ましくは0.2μ
m以上5μm以下、の無機粒子である。また、粒径分布
が小さいものが好ましく、平均粒径の1/5〜2倍の範囲
の粒子が70重量%以上、好ましくは80重量%以上、より
好ましくは85重量%以上、特に好ましくは90重量%以上
を占めるものである。さらに、全粒子の70%以上、好ま
しくは80%以上、より好ましくは90%以上が、各粒子の
短径/長径が好ましくは0.6以上、より好ましくは0.8以
上、特に好ましくは0.9以上のものである。なお、本発
明にいう長径とはその粒子の最も大きな径をいい、短径
とはその粒子の最も小さな径をいう。その粒子の粒径
は、長径のことである。なお、短径、長径、平均粒径の
測定は、顕微鏡写真の映像を元に測定すればよく、「球
状である」とは、粒子の顕微鏡写真の映像において全粒
子の80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95
%以上の粒子が角を有していないことをいう。このよう
な球状の粒子は塊を粉砕して細かくしただけで得ること
は、通常、困難であり、例えば、材質がシリカの場合、
非晶質シリカを湿式粉砕して粒子シリカ懸濁液を調製
し、噴霧乾燥法によって熱風の流れの中に噴霧し、球形
に造粒し、得られた球形造粒シリカを焼成して球状フィ
ラーを得る(特開平4−31311号公報)など、材質に応
じて球形にする処理が必要である。
真球から遠ざかるほど、すなわち、短径/長径が小さ
くなるほど、樹脂組成物の溶融粘度が高くなり、成形性
が悪くなり、また成形品の表面精度が低下する。粒径が
小さすぎると、樹脂組成物の成形時の溶融流れ性が悪く
なり、粒径が大きすぎると成形品の温度変化に対する寸
法安定性が悪くなり、また成形品の表面精度が悪くな
る。また、粒径分布が大きいと、平均粒径が小さくて
も、成形品の一部の表面精度が悪くなることがあり、ま
た、均一な物性の組成物が得られないことがある。
フィラーの材質は固体状の無機化合物であれば特に限
定されない。例えば、タルク、炭酸カルシウム、水酸化
アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、
硫酸バリウム、金属酸化物(亜鉛華、酸化マグネシウ
ム、酸化鉄、酸化チタン、アルミナ、三酸化アンチモン
など)、複塩(ミョウバン、粘土)、シリカ、石英、ガ
ラス、カオリン、ワラストナイト、マイカ、カーボンブ
ラック、硫化モリブデンなどが挙げられる。中でも、シ
リカ、石英、ガラスなどが好ましい。
(樹脂組成物) 本発明の樹脂組成物は、熱可塑性ノルボルネン系樹脂
を30重量部以上95重量部以下、好ましくは40重量部以上
90重量部以下、より好ましくは50重量部以上80重量部以
下、を含有し、前述のフィラーを5重量部以上70重量部
以下、好ましくは10重量部以上60重量部以下、より好ま
しくは20重量部以上50重量部以下含有して成る。フィラ
ーの配合量が少なすぎると成形時のヒケが出ることがあ
り、また成形後に環境温度変化による寸法変化も大き
い。フィラーの配合量が多すぎると溶融流れ性が悪くな
り、成形性が低下する。熱可塑性ノルボルネン系樹脂の
溶融流れ性を示す280℃でのメルトインデックス値で、
通常、25〜35g/min程度であるのに対し、本発明の樹脂
組成物の280℃でのメルトインデックス値は、フィラー
添加前の熱可塑性ノルボルネン系樹脂より、通常、1〜
7g/min程度の低下のみであり、実質的に成形性への影響
はない。
本発明の樹脂組成物には、所望により、フェノール系
やリン系などの老化防止剤;フェノール系などの熱劣化
防止剤;ベンゾフェノン系などの紫外線安定剤;アミン
系などの帯電防止剤;脂肪族アルコールのエステル、多
価アルコールの部分エステル及び部分エーテルなどの滑
剤;などの各種添加剤を添加してもよい。また、本発明
の目的を損なわない範囲で、他の樹脂などを混合して用
いることもできる。
(配合) 本発明の樹脂組成物は、熱可塑性ノルボルネン系樹脂
と無機フィラー、さらに必要に応じて添加剤を混合する
ことにより得られる。混合する方法は無機フィラーおよ
び添加剤が樹脂中で十分に分散する方法であれば特に限
定されない。例えば、単軸押し出し機、多軸押し出し
機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシングロール
などで高温にして樹脂を溶融して混練する方法、適当な
溶剤に溶解して分散させた後に凝固や乾燥にて溶剤を除
去する方法などがある。
(成形) 本発明の樹脂組成物の成形方法は特に限定されない。
目的に応じて、射出成形法、ブロー成形、インジェクシ
ョンブロー成形法、回転成形法、真空成形法、押し出し
成形法、熱プレス法、カレンダー成形法、溶液流延法な
どを用いることができる。
(成形品) 本発明の成形品は寸法安定性に優れ、熱可塑性ノルボ
ルネン系樹脂の成形品の線膨張係数が6×10-5deg-1
8×10-5deg-1程度であるのに対し、熱可塑性ノルボル
ネン系樹脂に特定のフィラーを添加した本発明の樹脂組
成物の成形品では、通常、3×10-5deg-1〜6×10-5deg
-1程度、場合によっては、1×10-5deg-1程度のものも
得られる。
また、本発明の成形品は表面精度に優れる。内部表面
を研磨して鏡面加工した金形を用いた場合、熱可塑性ノ
ルボルネン系樹脂を射出成形して得た成形品の表面精度
は、最大高さRmax値で0.1〜0.2μm程度であり、通常の
フィラーを添加した樹脂を用いた場合では最大高さRmax
値はこれよりも大きくなることもある。しかし、本発明
に係る特定のフィラーを添加した本発明の樹脂組成物で
は無添加のものと同等の表面精度を有する。
本発明の成形品としては、トランジスタ、IC、LSI、L
ED、CCD、フォトカプラーなどの電子素子封止体やその
部品;モータ、コンデンサー、スイッチ、センサーなど
の電気部品の封止材料;電線用な光通信用コネクターな
どの部品材料;コインボビン材料;電線やケーブル用の
被覆材;民生用・産業用電子機器;複写機、プリンタ
ー、コンピューターなどのOA機器;計器類などの一般絶
縁材料やボディー材料;パラボラアンテナ、フラットア
ンテナ、レーダードームの構造部材;複写機、プリンタ
ーなどの感光ドラム材料;光学レンズ、光学ミラー、プ
リズム、光拡散板などの光学材料;情報ディスク、情報
カード、情報フィルムなどの情報記録媒体基板;硬質プ
リント基板、フレキシブルプリント基板、多層プリント
配線板などの回路基板、特に高周波特性が要求される大
型コンピューター、移動通信機器、衛星通信機器などに
用いる回路基板:配管、継ぎ手、バルブ、パイプ、チュ
ーブ、シッパー、流量計、フィルター、ポンプなどの配
管材料;タンク、トレイ、キャリア、ケースなどの処理
用、または移送用容器;サンプリング容器、ボトル、ア
ンプル、バッグなどの電子部品処理用薬品容器類;注射
用の液体薬品容器、バイアル、アンプル、プレフィルド
シリンジ、輸液用バッグ、固体薬品容器、点眼薬容器な
どの液体、固体、粉体の医薬品容器、医療用サンプル容
器、それらのキャップなど;注射器、メス、ガーゼ、コ
ンタクトレンズなどの医療器具などの滅菌に用いる滅菌
容器、義歯床、人工心臓、人工歯根などの人工臓器やそ
の部品用材料;などが挙げられる。
実施例 以下に、参考例、実施例、比較例をあげて本発明を詳
細に説明する。なお、板を成形する際の金型は、内面を
研磨して鏡面加工したものを用いた。
参考例1 熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂(ZEONEX 280、日
本ゼオン株式会社製、ガラス転移温度約140℃、数平均
分子量約28,000、ノルボネン系単量体開環重合体の水素
添加物、主鎖構造の水素添加率99.7%以上)のペレット
の280℃でのメルトインデックス値をJIS K6719により
測定したところ、28g/minであった。
このペレットを樹脂温度300℃、金型温度100℃で射出
成形法により直径5mm、高さ5mmの円柱A−0と1mm×100
mm×60mmの20枚の板B−0を成形した。板Bでは、20枚
中8枚でヒケが観察された。円柱Aを用いてサーモ・メ
カニカル・アナライザーにより線膨張係数を測定したと
ころ7×10-5deg-1であった。板B表面の最大高さRmax
値は全面で最高0.12μm、最低0.11μmであった。
実施例1 直径35mmの二軸押出機(TEM35B、東芝機械社製)で熱
可塑性飽和ノルボルネン系樹脂(ZEONEX 280)100重量
部に、平均粒径0.5μmの合成石英真球フィラー(アド
マファインSO−C2、粒径0.10〜1.00μmの粒子が95重量
%以上、株式会社龍森製)を40重量部添加し、樹脂温度
250℃で混練し、ペレタイザーでペレット化した。280℃
でのメルトインデックス値をJIS K6719により測定した
ところ23g/minであった。
なお、このフィラー0.1gをメタノール100gに加えて撹
拌してよく分散させ、この分散液を透過型電子顕微鏡用
グリッド上に滴下して、メタノールを蒸発させて、倍率
5000倍の透過型電子顕微鏡写真を撮影した。この写真の
映像には、粒径0.08〜1.35μmの粒子のみが認められ、
重複しているものを除き、この写真の中心に近い順に30
個について、短径/長径を測定したところ、最も小さい
もので0.93であり、粒径(長径)が0.28〜0.66μmのも
のであった。
このペレットを用い参考例1と同様に円柱A−1と20
枚の板B−1を成形した。A−1を用いて線膨張係数を
測定したところ3.5×10-5deg-1であった。20枚のB−1
中にヒケの認められたものはなかった。また、B−1の
表面の最大高さRmax値は全面で最高0.15μm、最低0.11
μmであった。
実施例2 フィラーとして平均粒径1.0μmの合成石英真球フィ
ラー(アドマファインSO−C2、粒径0.20〜2.00μmの粒
子が95重量%以上、株式会社龍森製)を用いる他は、実
施例1と同様にペレットを成形した。280℃でのメルト
インデックス値をJIS K6719により測定したところ25g/
minであった。
このフィラーを実施例1と同様にして、倍率5000倍の
透過型電子顕微鏡写真を撮影した。この写真の映像に
は、粒径0.32〜2.17μmの粒子のみが認められ、重複し
ているものを除き、この写真の中心に近い順に30個につ
いて、短径/長径を測定したところ、最も小さいもので
0.91であり、粒径(長径)が0.32〜1.89μmのものが29
個、2.03μmのものが1個であった。A−2を用いて線
膨張係数を測定したところ3.3×10-5deg-1であった。20
枚のB−2中にヒケの認められたものはなかった。ま
た、B−2の表面の最大高さRmax値は全面で最高0.18μ
m、最低0.11μmであった。
比較例1 フィラーとして高純度溶融石英ガラスフィラー(ヒュ
ーズレックスRD−120、株式会社龍森製、平均粒径約30
μm、粉砕型非球形)を用いる他は、実施例1と同様に
ペレットを成形した。JIS K6719により280℃のメルト
インデックス値を測定したところ16g/minであった。
このフィラーを実施例1と同様にして、倍率5000倍の
透過型電子顕微鏡写真を撮影した。短径/長径が0.6未
満のものが40%以上あった。また、全てが角を有してい
た。
上記で得られたペレットを樹脂温度300℃で射出成形
法により、直径5mm、高さ5mmの円柱Ar−1、1mm×100mm
×60mmの板Br−1を成形した。Ar−1を用いてサーモ・
メカニカル・アナライザーにより線膨張係数を測定した
ところ2.6×10-5deg-1であった。20枚のBr−1中に5枚
にヒケが認められた。Br−1の表面の最大高さRmax値は
全面で最高1.35μm、最低0.78μmであった。
比較例2 フィラーとして結晶製ソフトシリカ(IMSIL A−10
8、株式会社龍森製、平均粒径2.2μm、粉砕型非球形)
を用いる他は、実施例1と同様にペレットを成形した。
JIS K6719により280℃でのメルトインデックス値を測
定したところ18g/minであった。
このフィラーを実施例1と同様にして、倍率5000倍の
透過型電子顕微鏡写真を撮影した。短径/長径が0.6未
満のものが40%以上あった。また、全てが角を有してい
た。
上記で得られたペレットを樹脂温度300℃で射出成形
法により、直径5mm、高さ5mmの円柱Ar−2、1mm×100mm
×60mmの板Br−2に成形した。Ar−2を用いてサーモ・
メカニカル・アナライザーにより線膨張係数を測定した
ところ3.3×10-5deg-1であった。20枚のBr−2中に4枚
にヒケが認められた。Br−2の表面の最大高さRmax値は
全面で最高0.85μm、最低0.41μmであった。
比較例3 フィラーとしてガラスファイバー(ミドルファイバー
MF06JB1−20、旭ファイバーガラス株式会社製、繊維径1
0μm、平均繊維長100〜300μm)を用いる他は、実施
例1と同様にペレットを成形した。JIS K6719により28
0℃でのメルトインデックス値を測定したところ15g/min
であった。
上記で得られたペレットを樹脂温度300℃で射出成形
法により、直径5mm、高さ5mmの円柱Ar−3と1mm×100mm
×60mmの板Br−3に成形した。Ar−3を用いてサーモ・
メカニカル・アナライザーにより線膨張係数を測定した
ところ3.3×10-5deg-1であった。20枚のBr−3中に15枚
にヒケが認められた。Br−3の表面の最大高さRmax値は
全面で最高3.44μm、最低2.10μmであった。
産業上の利用可能性 本発明の樹脂組成物は、耐熱性、耐湿性、耐薬品性な
どの熱可塑性ノルボルネン系樹脂の特性を有し、成形性
に優れており、精密成形に適している。また、これを成
形した本発明の成形品は、表面精度、寸法安定性に優
れ、さらに線膨張係数が小さいので温度変化に対する体
積変化が小さく精密成形品としてすぐれた特性を有して
いる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 45/00 C08L 65/00

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性ノルボルネン系樹脂30〜95重量部
    と平均粒径が0.05〜50μmである球状の無機フィラー5
    〜70重量部からなり、該熱可塑性ノルボルネン系樹脂は
    シクロヘキサンを溶媒とするゲル・パーミエション・ク
    ロマトグラフィー分析により測定した数平均分子量で1
    万〜20万のものである樹脂組成物。
  2. 【請求項2】熱可塑性ノルボルネン系樹脂40〜90重量部
    と平均粒径が0.05〜50μmである球状の無機フィラー60
    〜10重量部からなる請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】熱可塑性ノルボルネン系樹脂50〜80重量部
    と平均粒径が0.05〜50μmである球状の無機フィラー50
    〜20重量部からなる請求項2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】無機フィラーの平均粒径が0.1〜10μmで
    ある請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】無機フィラーの平均粒径が0.2〜5μmで
    ある請求項4記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】無機フィラーが、平均粒径の1/5〜2倍の
    範囲の粒子が70重量%以上を占めるものである請求項1
    〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】無機フィラーが、平均粒径の1/5〜2倍の
    範囲の粒子が80重量%以上を占めるものである請求項6
    記載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】無機フィラーが、平均粒径の1/5〜2倍の
    範囲の粒子が85重量%以上を占めるものである請求項7
    記載の樹脂組成物。
  9. 【請求項9】無機フィラーが、平均粒径の1/5〜2倍の
    範囲の粒子が90重量%以上を占めるものである請求項8
    記載の樹脂組成物。
  10. 【請求項10】熱可塑性ノルボルネン系樹脂が熱可塑性
    飽和ノルボルネン系樹脂である請求項1〜9のいずれか
    1項に記載の樹脂組成物。
  11. 【請求項11】熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂がノル
    ボルネン系単量体の付加型重合体、またはノルボルネン
    系単量体とオレフィンの付加型重合体である請求項10記
    載の樹脂組成物。
  12. 【請求項12】熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂がノル
    ボルネン系単量体の開環重合体の水素添加物である請求
    項10記載の樹脂組成物。
  13. 【請求項13】熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂が水素
    添加によりノルボルネン系単量体の開環重合体の主鎖構
    造の不飽和結合の90%以上を飽和させたものである請求
    項12記載の樹脂組成物。
  14. 【請求項14】熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂が水素
    添加によりノルボルネン系単量体の開環重合体の主鎖構
    造の不飽和結合の95%以上を飽和させたものである請求
    項13記載の樹脂組成物。
  15. 【請求項15】熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂が水素
    添加によりノルボルネン系単量体の開環重合体の主鎖構
    造の不飽和結合の99%以上を飽和させたものである請求
    項14記載の樹脂組成物。
  16. 【請求項16】請求項1〜15のいずれか1項に記載の樹
    脂組成物から成る成形品。
JP51980694A 1993-03-01 1994-02-28 樹脂組成物および成形品 Expired - Fee Related JP3317702B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6474393 1993-03-01
JP5-64743 1993-06-08
JP5-164060 1993-06-08
JP16406093 1993-06-08
PCT/JP1994/000318 WO1994020575A1 (en) 1993-03-01 1994-02-28 Resin composition and molding produced therefrom

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3317702B2 true JP3317702B2 (ja) 2002-08-26

Family

ID=26405854

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP51980694A Expired - Fee Related JP3317702B2 (ja) 1993-03-01 1994-02-28 樹脂組成物および成形品

Country Status (5)

Country Link
US (1) US5665795A (ja)
EP (1) EP0712898B1 (ja)
JP (1) JP3317702B2 (ja)
DE (1) DE69426235T2 (ja)
WO (1) WO1994020575A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011184695A (ja) * 2011-04-18 2011-09-22 Sumitomo Bakelite Co Ltd 樹脂組成物、樹脂層、樹脂層付きキャリア材料および回路基板

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE4407321A1 (de) * 1994-03-04 1995-09-07 Blanco Gmbh & Co Kg Kunststofformteile mit einer mit anorganischen Füllstoffen gefüllten Kunststoffmatrix
JPH10330577A (ja) * 1997-03-31 1998-12-15 Mitsui Chem Inc 環状オレフィン系樹脂成形体および該成形体の印字方法
US5872174A (en) * 1997-04-04 1999-02-16 Ball Corporation Plastic articles and processes
US5892312A (en) * 1997-06-04 1999-04-06 Electrical Insulation Suppliers, Inc. Bobbin for insulating an electric motor stator and method for making same
JP3134815B2 (ja) * 1997-06-27 2001-02-13 日本電気株式会社 半導体装置
JPH1174337A (ja) * 1997-08-28 1999-03-16 Nippon Zeon Co Ltd 熱可塑性樹脂製容器
US6903171B2 (en) 1998-10-05 2005-06-07 Promerus, Llc Polymerized cycloolefins using transition metal catalyst and end products thereof
CN1378769A (zh) 1999-08-12 2002-11-06 Ibiden股份有限公司 多层印刷电路板、阻焊配方、多层印刷电路板的制造方法和半导体器件
JP2001208901A (ja) * 2000-01-26 2001-08-03 Jsr Corp 低複屈折性光学樹脂材料およびその製造方法並びにその応用
JP4419112B2 (ja) * 2000-03-22 2010-02-24 株式会社ビーエムジー 強靭な義歯床および製造法
JP2005306009A (ja) * 2004-03-22 2005-11-04 Konica Minolta Opto Inc 射出成型用樹脂の製造方法及びプラスチック製光学素子
JP4029299B2 (ja) * 2004-09-06 2008-01-09 日本ゼオン株式会社 光拡散性樹脂組成物、及び光拡散成形品
CN100582154C (zh) * 2004-09-08 2010-01-20 日本聚丙烯公司 聚丙烯树脂组合物及其制备方法
JP5417680B2 (ja) * 2006-03-31 2014-02-19 住友ベークライト株式会社 樹脂組成物、積層体、配線板および配線板の製造方法
JP5564796B2 (ja) * 2009-01-16 2014-08-06 Jsr株式会社 複合シートおよび複合シートの製造方法
JP5836657B2 (ja) * 2011-06-15 2015-12-24 キヤノン株式会社 成形品
US20140178643A1 (en) * 2011-07-19 2014-06-26 Canon Kabushiki Kaisha Cycloolefin resin composition, molded article thereof, and mirror
JP6261158B2 (ja) * 2012-05-30 2018-01-17 キヤノン株式会社 成形体およびその製造方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50138050A (ja) * 1974-04-23 1975-11-04
JPS5192860A (ja) * 1975-02-14 1976-08-14 Jutenzaiofukumukaikanjugotaisoseibutsu
GB2028344B (en) * 1978-08-17 1982-09-22 Toray Silicone Co Heat-curable filled moulding composition
FR2586215B1 (fr) * 1985-08-13 1988-09-02 Hutchinson Materiau d'isolation thermique du type syntactique, machine et procede pour sa fabrication et moyen d'isolation comportant un tel materiau
DE3786797T2 (de) * 1986-04-10 1993-11-18 Gulf Rubber Pty Ltd Druckbeständige gummizusammensetzung niedriger dichte.
JP3096092B2 (ja) * 1991-06-13 2000-10-10 株式会社ブリヂストン 空気入りタイヤ
JPH05345474A (ja) * 1992-06-16 1993-12-27 Nisshinbo Ind Inc 高光沢印刷用紙

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011184695A (ja) * 2011-04-18 2011-09-22 Sumitomo Bakelite Co Ltd 樹脂組成物、樹脂層、樹脂層付きキャリア材料および回路基板

Also Published As

Publication number Publication date
EP0712898B1 (en) 2000-11-02
EP0712898A4 (en) 1996-01-03
US5665795A (en) 1997-09-09
EP0712898A1 (en) 1996-05-22
WO1994020575A1 (en) 1994-09-15
DE69426235T2 (de) 2001-05-31
DE69426235D1 (de) 2000-12-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3317702B2 (ja) 樹脂組成物および成形品
US8066907B2 (en) Liquid crystalline polyester resin composition, molded article and holder for optical pickup lenses
KR101621451B1 (ko) 유동성이 향상된 전방향족 액정 폴리에스테르 수지 컴파운드 및 그의 제조방법
US7214761B2 (en) Highly thermal-conductive resin composition
US7737198B2 (en) Wholly aromatic liquid crystal polyester resin molded product
US5428100A (en) Liquid crystal polyester resin composition and molded article
JP2007016102A (ja) 環状オレフィン系重合体組成物および成形材料
TWI814939B (zh) 液晶聚酯樹脂組成物及成形品
JPH0788027B2 (ja) 回路形成用2色成形品
CN108025472B (zh) 电子设备框体
CN109071958B (zh) 树脂组合物
KR920003905B1 (ko) 폴리아릴렌 설파이드 수지 조성물 및 그의 성형품
US20040024106A1 (en) Polymer resin for ion beam or ion injection treatment to give surface conductiveness
TWI413659B (zh) 生質材料組合物及光學元件
WO2022237349A1 (zh) 一种液晶聚合物复合材料及其应用
KR101783505B1 (ko) 향상된 표면 특성 및 내충격성을 갖는 전방향족 액정 폴리에스테르 수지 컴파운드
JP3189364B2 (ja) 樹脂組成物及びそれからなる光学材料
JPH09118811A (ja) 熱可塑性ノルボルネン系樹脂組成物、および成形品
JPH05279554A (ja) ノルボルネン系開環重合樹脂組成物
CN115433473A (zh) 一种液晶聚合物组合物及其制备方法和应用
JPH09118812A (ja) 熱可塑性ノルボルネン系樹脂組成物、及びそれから成る成形品
CN1116355C (zh) 阻燃聚酯树脂组合物
JP2007231185A (ja) 樹脂組成物及びフィルム状成形体
JP3274886B2 (ja) 結晶性ポリアリーレンサルファイド樹脂複合成形品及びその製造法
JP2004168962A (ja) Tab生産工程用スペーステープ

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080614

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080614

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090614

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100614

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100614

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110614

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130614

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees