JP3313633B2 - 錠装置 - Google Patents

錠装置

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JP3313633B2
JP3313633B2 JP33398397A JP33398397A JP3313633B2 JP 3313633 B2 JP3313633 B2 JP 3313633B2 JP 33398397 A JP33398397 A JP 33398397A JP 33398397 A JP33398397 A JP 33398397A JP 3313633 B2 JP3313633 B2 JP 3313633B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自転車やミニバイ
クなどの二輪車の盗難防止用を始めとして、自動車や住
宅などの防犯対策用などに使われる錠装置に係り、特に
錠装置を不正鍵により不法に解錠されることを防止する
ための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自転車等の二輪車の盗難防止用と
して、いわゆる馬蹄形型錠装置がある。この錠装置は、
環の一部が途切れた馬蹄形(開環形状)の錠本体と錠本
体に着脱可能な鍵とを備えているとともに、錠本体にお
ける開環部を通る経路を周方向に沿って正逆両方向に回
動可能となるように錠本体の内に一本の施錠用リングが
配設されている。そして、馬蹄形型錠装置では、施錠用
リングが開環部を開放することにより解錠がなされ、施
錠用リングが開環部を閉鎖することにより施錠がなされ
る構成になっている。しかし、この錠装置は、施錠用リ
ングが一本の所謂一重ロック式であり、盗難防止能力が
低い。
【0003】そこで、発明者らは、図13に示すような
二重ロック式の馬蹄形型錠装置100を考えた。この錠
装置100は、錠本体101に2本の施錠用リングが平
行配設されていて、一方の施錠用リング102を平常施
錠用とし、他方の施錠用リング103を緊急施錠用とす
る二重ロック式の錠装置なのである。施錠用リング10
2が解錠中(例えば使用者が二転車に乗車中で図13の
ように両リングが開環部を閉鎖しない状態)は、錠本体
101に押し込み式の鍵104が装着されるのに伴って
施錠用リング103に対し強制拘束が掛けられる構成に
なっているので、施錠用リング103が開環部を閉鎖し
て緊急施錠に入るということは決してない。しかし、施
錠用リング102の施錠中は、押し込み式の鍵104の
抜き取りに伴って、施錠用リング103に対する強制拘
束は解かれており、施錠用リング102が変造・偽造の
不正規な鍵で不法解錠されると、施錠用リング103が
直ちに錠本体101から飛び出して開環部を閉鎖し施錠
用リング103が緊急施錠に入り、二転車の盗難が阻止
されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の二重
ロック式の馬蹄形型錠装置100も、盗難防止能力が十
分とは言いがたい。盗難時には施錠用リング103によ
る緊急施錠が掛かるはずのところが、押し込み式の鍵1
04は単純構造であるために、容易に精巧な偽造・変造
鍵が作られる等して、施錠用リング103による緊急施
錠が阻止され、盗難を確実に防止できない。最近は、二
輪車も高級化が進んでいることから、盗難に伴う損害も
大きい。
【0005】本発明は、上記問題点に鑑み、錠装置の正
当な所有者でない者(泥棒など)の不正な鍵による不法
解錠を確実に阻止することのできる錠装置を提供するこ
とを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る錠
装置は、上記課題を達成するため、開環形状の施錠用錠
本体と、この錠本体に着脱可能となっている鍵と、前記
錠本体の開環部を通る経路を周方向に沿って正逆両方向
に回動可能となるように錠本体の内に収容された施錠用
リングを備え、施錠用リングが開環部を閉鎖することで
施錠がなされ、施錠用リングが開環部を開放することで
解錠がなされるよう構成された錠装置において、前記鍵
がシリンダ錠型鍵であり、前記施錠用リングとして平常
施錠用の第1施錠用リング、および、緊急施錠用の第2
施錠用リングを備えるとともに、第1施錠用リングを解
錠方向に付勢する第1リング付勢手段と、第2施錠用リ
ングを施錠方向に付勢する第2リング付勢手段と、第1
リング付勢手段による解錠付勢力に抗して第1施錠用リ
ングの施錠状態を維持する第1リング規制手段と、第2
リング付勢手段による施錠付勢力に抗して第2施錠用リ
ングの解錠状態を維持する第2リング規制手段と、前記
鍵が差し込まれて鍵による回し操作がおこなわれるシリ
ンダ錠前手段とを備えており、前記シリンダ錠前手段
は、鍵の進入方向に沿って、押込力をかけずに差し込ま
れた鍵が突き当たって止まる第1鍵停止ステージと、押
圧力をかけて差し込まれた鍵が突き当たって止まる第1
鍵停止ステージより先の第2鍵停止ステージとが設定さ
れており、第1鍵停止ステージでは鍵に対して一方方向
の回し操作のみが許容され、第2鍵停止ステージでは鍵
に対して他方方向の回し操作も許容されるとともに、前
記一方方向の回し操作により第2リング規制手段による
第2施錠用リングの解錠維持が外れ、前記他方方向の回
し操作により第1リング規制手段による第1施錠用リン
グの施錠維持が外れるよう構成されている。
【0007】また、請求項2の発明は、請求項1に記載
の錠装置において、第1施錠用リングには係止用の第1
凹み部が設けられ、第2施錠用リングには係止用の第2
凹み部が設けられており、第1リング規制手段は第1凹
み部に進入係止して第1施錠用リングの施錠状態を維持
する第1係止ピースを有し、第2リング規制手段は第2
凹み部に進入係止して第2施錠用リングの解錠状態を維
持する第2係止ピースを有するとともに、前記シリンダ
錠前手段が、差し込まれた鍵の回し操作により回転する
回転体を有していて、この回転体の先端には、鍵の他方
方向の回し操作に伴って移動し第1凹み部と第1係止ピ
ースとの係止を解除する第1駆動ピースと、鍵の一方方
向の回し操作に伴って移動し第2凹み部と第2係止ピー
スとの係止を解除する第2駆動ピースとが配設されてお
り、かつ、前記シリンダ錠前手段では、前記回転体の外
周に同軸的にはめ込まれたラチェット歯と、第1鍵停止
ステージと対応する位置で鍵の一方方向の回し操作のみ
を許容するようにしてラチェット歯に係合するツメ片と
が配設されているとともに、押圧力をかけて差し込まれ
る鍵によりラチェット歯が先方へ移動してラチェット歯
とツメ片の係合が外れるよう構成されている。
【0008】
【作用】次に、本発明に係る錠装置における施錠作用、
および、解錠作用について説明する。先に請求項1の発
明の錠装置における平常施錠用の第1施錠用リングの施
錠・解錠作用から説明する。第1リング規制手段による
規制が解かれて第1リング付勢手段で解錠方向に移動し
解錠状態にある第1施錠用リングを施錠状態に移行させ
る場合、第1リング付勢手段の付勢力に抗して第1施錠
用リングを開環部を閉鎖する方向へ第1リング規制手段
による規制が掛かる位置まで手動で強制的に移動させて
ゆけば、第1リング規制手段により施錠状態が維持され
て、錠装置は平常施錠に入る。普通、少なくとも平常の
施錠時は、鍵は錠本体から抜かれて所有者が携帯するこ
とになる。
【0009】平常施錠中の第1施錠用リングを解錠する
場合、所有者は鍵を押圧力をかけながらシリンダ錠前手
段の第2鍵停止ステージまで鍵を差し込んで他方方向に
回す。そうすると、第1リング規制手段による第1施錠
用リングの施錠維持が解かれ、第1リング付勢手段の付
勢力により、第1施錠用リングが解錠方向に自動的に移
動し錠本体の開環部が開放されて、錠装置は解錠状態と
なる。勿論、平常の施錠中・解錠中のいずれの場合も、
盗難など異常事態が起こらない限り、緊急施錠用の第2
施錠用リングは解錠状態を維持している。
【0010】次に、錠装置の正当な所有者でない者によ
る不法解錠があった場合の緊急施錠用の第2施錠用リン
グによる盗難防止機能としての緊急施錠作用を説明す
る。泥棒は、施錠中の第1施錠用リングを偽造・変造等
の不正鍵で解錠しようと、鍵をシリンダ錠前手段に差し
込む。普通、不正鍵はまず押圧力をかけずに差し込める
第1鍵停止ステージに当たる。第1鍵停止ステージで
は、不正鍵鍵が他方方向へは回せないので、必ず一方方
向に回される。そうすると、第2リング規制手段による
第2施錠用リングの解錠維持が解かれて、第2リング付
勢手段の付勢力により、第2施錠用リングが施錠方向に
自動的に移動し錠本体の開環部は閉鎖されて、錠装置は
緊急施錠に入る。
【0011】勿論、不正鍵がさらに押し込まれて第1鍵
停止ステージより先の第2鍵停止ステージに達すること
もある。第2鍵停止ステージでは、不正鍵が一方方向と
他方方向の両方に回せるが、不正鍵が一方方向に回され
た時は、第1鍵停止ステージの時と同様、錠装置は第2
施錠用リングによる緊急施錠に入る。また、不正鍵がも
し他方方向に回されれば、勿論、正規の鍵の場合と同
様、第1施錠用リングだけが解錠方向に移動して錠装置
は完全な解錠状態となる。しかし、第2鍵停止ステージ
で不正鍵が他方方向に回される確率は半分であるし、不
正鍵を強く押し込まないと第2鍵停止ステージに到達出
来ないので、不正鍵が第2鍵停止ステージにセットされ
る確率は低い。しかも、請求項1の発明の錠装置の鍵
は、シリンダ錠型鍵(以下、適宜「シリンダ鍵」)であ
り、変造・偽造で正規の鍵と同じ不正鍵を作ることも困
難である。
【0012】請求項2の発明の錠装置では、第1施錠用
リングの係止用の第1凹み部に第1リング規制手段の第
1係止ピースが進入係止することにより、第1リング規
制手段による施錠状態の維持が行われる。そして、シリ
ンダ錠前手段における回転体が、差し込まれた鍵の他方
方向の回し操作により第1駆動ピースが移動すると第1
凹み部と第1係止ピースとの係止が解除され、第1施錠
用リングは解錠状態に移行する。一方、第2施錠用リン
グの係止用の第2凹み部に第2リング規制手段の第2係
止ピースが進入係止することにより、第2リング規制手
段による解錠状態の維持が行われる。そして、シリンダ
錠前手段における回転体が、差し込まれた鍵の一方方向
の回し操作により第2駆動ピースが移動すると第2凹み
部と第2係止ピースとの係止が解除され、第2施錠用リ
ングは緊急施錠に移行する。
【0013】なお、シリンダ鍵が第1鍵停止ステージに
ある時は、回転体の外周に同軸的にはめ込まれたラチェ
ット歯がツメ片に係合して、シリンダ鍵は一方方向にし
か回せないが、シリンダ鍵が第1鍵停止ステージより先
に押し込まれるに伴って、ラチェット歯とツメ片の係合
が自動的に解除され、シリンダ鍵が第2鍵停止ステージ
にセットされている時は、シリンダ鍵は一方・他方のい
ずれの方向にも回し操作可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の錠装置の実施例を
図面を参照しながら説明する。図1は実施例に係る馬蹄
形型の錠装置の外観を示す斜視図である。図2〜図5
は、錠装置の施錠用リングの施錠状態・解錠状態を示す
説明図である。実施例の錠装置は、全体が略馬蹄形のか
たちで開環形状となっている錠本体1およびシリンダ鍵
2とからなり、錠本体1には、自転車などの被施錠体へ
錠装置を装備するための取付板Vが付設されている。こ
の取付板Vには取付孔Vaが設けられていて、この取付
孔Vaを利用し、例えば、図13に示す従来の場合と同
様にして、自転車などに装備される。錠本体1は、必要
な部品を収納するケース3を備えるとともに、2本の第
1,第2施錠用リング10,11を収容しているリング
収容部4とシリンダ鍵2が差し込まれるシリンダ錠前部
5とから構成されている。ケース3は、図1に示す線L
Aを境に周方向に左右に分かれており、なお、フランジ
部1a,1aのところを止めネジ1b,1bで締結する
ことでひとつに組み付けられている。
【0015】錠本体1のリング収容部4は、開環部4a
のところで途切れているけれども、全体が略円環状筒体
である。そして、リング収容部4の内部には、開環部4
aを通る経路を周方向に沿って正逆両方向に回動可能と
なるように第1,第2施錠用リング10,11が収めら
れており、施錠状態では、図3および図4に示すよう
に、両施錠用リング10,11が開環部4aを閉鎖する
位置にあり、解錠状態では、図2および図5に示すよう
に、両施錠用リング10,11はリング収容部4の内に
全体が収まり、開環部4aを開放する位置にある。な
お、実施例装置では、第1施錠用リング10が平常施錠
用であり、第2施錠用リング11が盗難時などの際の緊
急施錠用である。また、リング収容部4の中の周方向に
沿う一定区間は、第1,第2施錠用リング10,11の
間に薄板(図示省略)が介設されており、この薄板が両
施錠用リング10,11同士の接触・干渉を阻止する仕
切りとなっている。また、第1施錠用リング10の先端
には第2施錠用リング11の側に延びる突出片10Aが
設けられているとともに、第2施錠用リング11の先端
には第1施錠用リング10の側に延びる突出片11Aが
設けられている。
【0016】リング収容部4には、施錠状態の第1施錠
用リング10を解錠方向に付勢する引っ張りコイルバネ
(第1リング付勢手段)12が、図2に示すように、先
端は第1施錠用リングの後部に取り付けられ、後端はリ
ング収容部4の内面に固定されてた状態で配設されてい
て、図3に示すように、第1施錠用リング10が施錠方
向に移動した時は、伸長状態となった引っ張りコイルバ
ネ12により、第1施錠用リング10が解錠方向に引き
戻される力を受ける構成になっている。また、第1施錠
用リング10の側面には、図1に示すように、ケース3
の横面に周方向に沿って開けられた長穴18から突出す
るようにしてレバー19が取り付けられている。このレ
バー19を長穴18に沿って矢印RAで示す方向に手動
で動かせば、図2の解錠状態の第1施錠用リング10
を、図3の施錠状態に移行させることができる。
【0017】さらに、図2に示すように、第1施錠用リ
ング10には、係止用の第1凹み部14が形成されてい
るとともに、第1凹み部14と係止することにより第1
施錠用リング10の施錠状態を維持する第1係止ピース
(第1リング規制手段)15がリングの側方に進退可能
に配設されていて、図3に示すように、第1凹み部14
と第1係止ピース15が係止している間は、引っ張りコ
イルバネ12の力に抗して、第1施錠用リング10の施
錠状態が維持される。
【0018】リング収容部4には、解錠状態の第2施錠
用リング11を施錠方向に付勢する圧縮コイルバネ(第
2リング付勢手段)13も、図4に示すように、先端は
第2施錠用リング11の後端面から奥へ向かって形成さ
れたトンネル11aの突当りに取り付けられ、後端はリ
ング収容部4の内面に取り付けられた状態で配設されて
いて、図5に示すように、第2施錠用リング11が解錠
施錠方向に移動した時は、トンネル11aの中へ押し縮
められながら入り込んだ圧縮コイルバネ13により、第
2施錠用リング11が施錠方向へ押し出される力を受け
る構成になっている。さらに、図4に示すように、第2
施錠用リング11には、係止用の第2凹み部16が設け
られているとともに、第2凹み部16と係止することに
より第2施錠用リング11の解錠状態を維持する第2係
止ピース(第2リング規制手段)17がリングの側方に
進退可能に配設されており、図5に示すように、第2凹
み部16と第2係止ピース17が係止している間は、圧
縮コイルバネ12の力に抗して第2施錠用リング11の
解錠状態が維持される。
【0019】続いて、錠本体1のシリンダ錠前部5の方
の構成を説明する。シリンダ錠前部5は、図1に示すよ
うに、その端面にシリンダ鍵2を差し込む鍵穴20が設
けられているとともに、図1および図6に示すように、
差し込まれたシリンダ鍵2の回し操作により回転する円
柱状の回転体21が内部に配設されている。このシリン
ダ錠前部5は、回転体21の側面部に進入して回転体2
1の回り止めをしている複数のピン体(図示省略)が、
シリンダ鍵2の差し込みに伴って押し退けられて、回転
体21とケース3との結合が外れ、シリンダ鍵5および
回転体21の回し操作が許容される周知のシリンダ錠構
造のものである。
【0020】そして、錠本体1のシリンダ錠前部5の場
合、以下に具体的に説明するように、押込力をかけずに
差し込まれたシリンダ鍵5が突き当たって止まる第1鍵
停止ステージと、押圧力をかけて差し込まれたシリンダ
鍵5が突き当たって止まる第1鍵停止ステージより先の
第2鍵停止ステージとが設定されている。回転体21の
外周には、図6および図7に示すように、ラチェット歯
22とコイルバネ23が同軸的にはめ込まれている。ラ
チェット歯22は、差し込まれたシリンダ鍵5が突き当
たる位置に突片22aを有しており、押込力をかけずに
(普通に)差し込まれたシリンダ鍵5は、ラチェット歯
22の突片22aに当たって止まることになる。この鍵
停止状態が第1鍵停止ステージである。第1鍵停止ステ
ージでは、ラチェット歯22がケース3の側に取り付け
られたツメ片24と係合していて、回転体21は、鍵の
差し込み側から見て、左方向には回らず、右方向(一方
方向)にしか回らない構成になっている。
【0021】一方、コイルバネ23の先端側は回転体2
1の外周面のストッパーー用凸部25のところで止まる
とともに、ラチェット歯22は鍵の差し込み方向に対し
てフリーに嵌め合わさせていて、もしコイルバネ23が
縮めば、矢印XAで示す方向に移動できるよう構成され
ている。したがって、シリンダ鍵2に(コイルバネ23
を縮めさせるに十分な)押圧力をかけて差し込めば、シ
リンダ鍵2がラチェット歯22の突片22aを介してコ
イルバネ23を押し縮めラチェット歯22を先に移動さ
せながら、図8および図9に示すように、第1鍵停止ス
テージより先に進んだところでシリンダ鍵5が止まるこ
とになる。この時の鍵停止状態が、第2鍵停止ステージ
である。第2鍵停止ステージでは、ラチェット歯22と
ツメ片24の係合が外れているので、回転体21は、鍵
の差し込み側から見て右方向(一方方向)にも左方向
(他方方向)にも回ることができる。なお、回転体21
は外周面のストッパーー用凸部25,26でケース3の
内面の凸部27と係止しており、シリンダ鍵2が強い押
圧力で押し込まれても、シリンダ鍵2の差し込み方向
(回転体の軸方向)には移動しない。
【0022】一方、回転体21の先端には、図6に示す
ように、第1凹み部14と第1係止ピース15との係止
を解除する第1駆動ピース31と、第2凹み部16と第
2係止ピース17との係止を解除する第2駆動ピース3
2とが設けられている他に、図9に示すように、第2凹
み部16と第2係止ピース17を係合させるための第3
駆動ピース33が設けられている。これら第1〜3駆動
ピース31〜33は、回転体21の回転に伴って以下の
駆動機能を発揮する。
【0023】他方、第1係止ピース15の方は、図10
に示すように、支点CAを中心に実線状態と一点鎖線状
態の間を移動する。作動片34を第1駆動ピース31で
押すと一点鎖線状態となる。なお、第1凹み部14との
係止中は実線状態となる。また、第2係止ピース17
は、図11に示すように、支点CBを中心に実線状態と
一点鎖線状態の間を移動する。作動片35を第2駆動ピ
ース32で押すと一点鎖線状態となる。なお、第2凹み
部16との係止中は実線状態となる。さらに、一点鎖線
状態にある第3駆動ピース33を作動片35により反対
側から押すと実線状態に戻る。さらに、作動片34と作
動片35は、図6に示す状態で、部分的に重なり合って
いる。
【0024】そして、回転体21が左方向に回転すれ
ば、第1駆動ピース31は作動片34だけを押し、第1
係止ピース15を実線状態から一点鎖線状態に移行させ
る。これに伴って、第1係止ピース15は第1凹み部1
4から外れる。回転体21が左方向に回転した時は、作
動片35は押されないので、第2係止ピース17は何ら
移動しない。
【0025】また、回転体21が右方向に回転すれば、
第2駆動ピース32が作動片35を押し、第2係止ピー
ス15を実線状態から一点鎖線状態に移行させる。これ
に伴って、第2係止ピース17は第2凹み部16から外
れるのであるが、この時は作動片35が重なり合ってい
る作動片34を押すので、第1係止ピース15も実線状
態から一点鎖線状態に移行して、第1係止ピース15も
第1凹み部14から外れることになる。
【0026】次に、以上の構成を有する実施例の錠装置
の施錠あるいは施錠の際の装置動作を説明する。 平常施錠の際の装置動作は次のとおりである。平常
施錠では、第1,第2の両施錠用リング10,11が解
錠状態にある錠装置の第1施錠用リング10を解錠状態
から施錠状態に移行させることになる。まず、第1施錠
用リング10の側面に取り付けられているレバー19を
掴んで第1施錠用リング10を長穴18に沿って矢印R
Aで示す方向に手動で動かせば、第1施錠用リング10
の先端がケース3から出て、開環部4aを通り、図3に
示すように、ケース3の反対側まで進入して開環部4a
を閉鎖する。同時に、第1施錠用リング10の第1凹み
部14が第1係止ピース15の位置に来た時に、第1係
止ピース15が自重で第1凹み部14に進入して係止す
る。伸長した引っ張りコイルバネ12が第1施錠用リン
グ10を引き戻そうとするが、第1係止ピース15と第
1凹み部14が係止状態にあるので、レバー19から手
を離しても第1施錠用リング10は戻らずに施錠状態は
維持される。
【0027】 平常解錠の際の装置動作は次の通りで
ある。平常解錠の場合、第1施錠用リング10が施錠状
態にあり、第2施錠用リング11が解錠状態にある錠装
置の第1施錠用リング10だけを施錠状態から解錠状態
に移行させることになる。錠装置の(正当な)持ち主が
鍵穴20へシリンダ鍵2を押圧力をかけて差し込んで、
シリンダ鍵2を一気に第2鍵停止ステージへセットす
る。第2鍵停止ステージでは、ラチェット歯22とツメ
片24の係合が外れているので、シリンダ鍵2を左側へ
回す操作を行うと、これに伴って、回転体21も左方向
に回り、第1駆動ピース31が作動片34だけを押し、
第1係止ピース15が第1凹み部14から外れる。そう
すると、引っ張りコイルバネ12の引っ張り力を止める
ものが無くなるので、第1施錠用リング10は引っ張り
コイルバネ12で引き戻され、図2に示すように、開環
部4aは開放されて、第施錠用リング10による施錠は
解錠される。
【0028】 盗難時における緊急施錠の際の装置動
作は次のとおりである。不法解錠では、第1施錠用リン
グ10が施錠状態にあり、第2施錠用リング11が解錠
状態にある錠装置の第1施錠用リング10が施錠状態か
ら解錠状態に移行すると同時に、第2施錠用リング11
が解錠状態から(緊急)施錠状態に移行することにな
る。泥棒が錠装置を解錠して自転車を盗もうとする場
合、変造・偽造等による不正鍵を鍵穴20へ差し込む。
普通に差し込まれた不正鍵は第1鍵停止ステージにセッ
トされる。第1鍵停止ステージでは、ラチェット歯22
とツメ片24の係合により、鍵は左方向には回せず、右
方向にしか回せないので、不正鍵は必ず右方向に回され
ることになり、これに伴って、回転体21も右方向に回
り、第2駆動ピース32が作動片35を押すので、第2
係止ピース17が第2凹み部16から外れる。同時に作
動片35は作動片34も押すので、第1係止ピース15
も第2凹み部14から外れる。
【0029】したがって、第1施錠用リング10は引き
戻されて解錠状態に移行する。しかし、この時、第2施
錠用リング11も、圧縮コイルバネ13の押し出し力を
止めるものが無くなるので、第2施錠用リング11は飛
び出し、開環部4aを通り、図4に示すように、ケース
3の反対側まで進入して開環部4aを閉鎖するので、錠
装置は緊急解錠に入り、結局、泥棒は錠装置の解錠に失
敗する。
【0030】また、不正鍵が強く押し込まれて第2鍵停
止ステージにセットされた場合でも、不正鍵が右方向に
回された時は、上と同様に錠装置は緊急解錠に入ること
になる上、不正鍵が第1鍵停止ステージより先の第2鍵
停止ステージにセットされる可能性は薄いから、結局、
泥棒が、不正鍵が錠装置に合うものであっても、本発明
の錠装置の解錠に成功する確率は極めて低い。
【0031】 第2施錠用リング11による緊急施錠
を解錠する際の装置動作は次のとおりである。第1施錠
用リング10の側面のレバー19を掴んで長穴18に沿
って矢印RAで示す方向に力を込めて手動で動かせば、
図12に示すように、第1施錠用リング10の突出片1
0Aが第2施錠用リング11の突出片11Aに当接した
まま、第1施錠用リング10が、第2施錠用リング11
を解錠方向に押し戻しながら施錠方向に移動してゆく。
そこで、図5に示すように、第2施錠用リング11が奥
まで押し戻されたら、シリンダ鍵2を左に回して作動片
35を反対に押し、第2係止ピース17を第2凹み部1
6に係止させて、第2施錠用リング11を施錠状態に復
帰させることになる。
【0032】本発明は上記実施の形態に限られることは
なく、下記のように変形実施することができる。 (1)上記の実施例では、シリンダ鍵を左方向に回せば
平常解錠がなされ、シリンダ鍵を右方向に回せば緊急施
錠に入る構成であったが、シリンダ鍵を右方向に回せば
平常解錠がなされ、シリンダ鍵を左方向に回せば緊急施
錠に入る構成のものが変形例としてあげられる。
【0033】(2)また、第1,第2施錠用リングの具
体的形状は実施例のものに限らないし、第1,第2リン
グ付勢手段もコイルバネによるものに限らない。又、第
1,第2リング規制手段なども、実施例の係止ピースと
凹み部の係止構造以外のものであってもよい。
【0034】(3)上記の実施例では、錠装置が二輪車
用であったが、本発明の錠装置は住宅用などとして用い
られてもよいことは言うまでもない。
【0035】
【発明の効果】請求項1の発明の錠装置によれば、錠本
体に差し込まれる鍵が単純な押し込み式でなく、偽鍵の
作り難いシリンダ式のものである上、鍵が普通に差し込
まれただけだと緊急施錠用の第2施錠用リングによる緊
急施錠が掛かる第1鍵停止ステージにしか鍵がセットさ
れない上、また仮に第1施錠用リングの解錠が可能な第
2鍵停止ステージに鍵がセットされた場合でも、鍵の回
転操作方向が違えば第2施錠用リングによる緊急施錠が
直ちに掛かるので、錠装置の正当な所有者でない者が不
正な鍵で不法に解錠する事態を確実に回避することがで
きる。
【0036】また、請求項2の発明の錠装置によれば、
解錠・施錠の維持機構や第1鍵停止ステージおよび第1
鍵停止ステージの設定構造が、凹み部と係止ピースの係
止やラチェット歯とツメ片に係合によるものであるの
で、容易かつ廉価に実施することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の錠装置が完全解錠状態にある時の外観
斜視図である。
【図2】実施例装置の第1施錠用リングの解錠状態を示
す説明図である。
【図3】実施例装置の第1施錠用リングの施錠状態を示
す説明図である。
【図4】実施例装置の第2施錠用リングの施錠状態を示
す説明図である。
【図5】実施例装置の第2施錠用リングの解錠状態を示
す説明図である。
【図6】実施例装置のシリンダ錠前部の内部構成を示す
正面図である。
【図7】実施例装置におけるラチェット歯を示す側面図
である。
【図8】実施例装置のラチェット歯とツメ片の係合解除
状態を示す正面図である。
【図9】実施例装置の回転体の先端部近傍の構成を示す
平面図である。
【図10】実施例装置の第1係止ピース近傍の構成を示
す平面図である。
【図11】実施例装置の第2係止ピース近傍の構成を示
す平面図である。
【図12】実施例装置の第2施錠用リングの解錠動作の
様子を示す斜視図である。
【図13】従来の錠装置を示す外観斜視図である。
【符号の説明】
1…錠本体 2…シリンダ鍵 4…リング収容部 4a…開環部 5…シリンダ錠前部 10…第1施錠用リング 11…第2施錠用リング 12…引っ張りコイルバネ 13…圧縮コイルバネ 14…第1凹み部 15…第1係止ピース 16…第2凹み部 17…第2係止ピース 21…回転体 22…ラチェット歯 24…ツメ片 31…第1駆動ピース 32…第2駆動ピース

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開環形状の施錠用錠本体と、この錠本体
    に着脱可能となっている鍵と、前記錠本体の開環部を通
    る経路を周方向に沿って正逆両方向に回動可能となるよ
    うに錠本体の内に収容された施錠用リングを備え、施錠
    用リングが開環部を閉鎖することで施錠がなされ、施錠
    用リングが開環部を開放することで解錠がなされるよう
    構成された錠装置において、 前記鍵がシリンダ錠型鍵であり、 前記施錠用リングとして平常施錠用の第1施錠用リン
    グ、および、緊急施錠用の第2施錠用リングを備えると
    ともに、 第1施錠用リングを解錠方向に付勢する第1リング付勢
    手段と、 第2施錠用リングを施錠方向に付勢する第2リング付勢
    手段と、 第1リング付勢手段による解錠付勢力に抗して第1施錠
    用リングの施錠状態を維持する第1リング規制手段と、 第2リング付勢手段による施錠付勢力に抗して第2施錠
    用リングの解錠状態を維持する第2リング規制手段と、 前記鍵が差し込まれて鍵による回し操作がおこなわれる
    シリンダ錠前手段とを備えており、 前記シリンダ錠前手段は、鍵の進入方向に沿って、押込
    力をかけずに差し込まれた鍵が突き当たって止まる第1
    鍵停止ステージと、押圧力をかけて差し込まれた鍵が突
    き当たって止まる第1鍵停止ステージより先の第2鍵停
    止ステージとが設定されており、第1鍵停止ステージで
    は鍵に対して一方方向の回し操作のみが許容され、第2
    鍵停止ステージでは鍵に対して他方方向の回し操作も許
    容されるとともに、前記一方方向の回し操作により第2
    リング規制手段による第2施錠用リングの解錠維持が外
    れ、前記他方方向の回し操作により第1リング規制手段
    による第1施錠用リングの施錠維持が外れるよう構成さ
    れていることを特徴とする錠装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の錠装置において、第1
    施錠用リングには係止用の第1凹み部が設けられ、第2
    施錠用リングには係止用の第2凹み部が設けられてお
    り、第1リング規制手段は第1凹み部に進入係止して第
    1施錠用リングの施錠状態を維持する第1係止ピースを
    有し、第2リング規制手段は第2凹み部に進入係止して
    第2施錠用リングの解錠状態を維持する第2係止ピース
    を有するとともに、 前記シリンダ錠前手段が、差し込まれた鍵の回し操作に
    より回転する回転体を有していて、この回転体の先端に
    は、鍵の他方方向の回し操作に伴って移動し第1凹み部
    と第1係止ピースとの係止を解除する第1駆動ピース
    と、鍵の一方方向の回し操作に伴って移動し第2凹み部
    と第2係止ピースとの係止を解除する第2駆動ピースと
    が配設されており、かつ、 前記シリンダ錠前手段では、前記回転体の外周に同軸的
    にはめ込まれたラチェット歯と、第1鍵停止ステージと
    対応する位置で鍵の一方方向の回し操作のみを許容する
    ようにしてラチェット歯に係合するツメ片とが配設され
    ているとともに、押圧力をかけて差し込まれる鍵により
    ラチェット歯が先方へ移動してラチェット歯とツメ片の
    係合が外れるよう構成されている錠装置。
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