JP3313061B2 - 遠心ポンプ - Google Patents

遠心ポンプ

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JP3313061B2
JP3313061B2 JP01734098A JP1734098A JP3313061B2 JP 3313061 B2 JP3313061 B2 JP 3313061B2 JP 01734098 A JP01734098 A JP 01734098A JP 1734098 A JP1734098 A JP 1734098A JP 3313061 B2 JP3313061 B2 JP 3313061B2
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義昭 小西
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遠心ポンプに関
し、具体的には、ケーシングの内部において浮上した状
態で回転するインペラを備える遠心ポンプに関する。本
発明は、特に、人工心臓用送血ポンプとして好適に用い
得る遠心ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、人工心臓用の送血ポンプとし
て、ダイヤフラム式ポンプ及びプッシャプレート式ポン
プ等の拍動型ポンプ、遠心ポンプ、斜流ポンプ及び軸流
ポンプ等のターボ型ポンプ、ギアポンプ、ベーンポン
プ、螺子ポンプ及びローラポンプ等の回転容積型ポン
プ、並びに往復動レシプロ型ポンプ等、各種の形式のポ
ンプが用いられてきた。
【0003】前記各形式のポンプの内、拍動型ポンプに
は、血液が滞留する箇所が無いので血栓が生じにくいと
いう特長があるが、小型化に限界があるという問題があ
った。
【0004】一方、往復動レシプロ型ポンプにおいて
は、弁が不可欠である故に小型化が困難である上、弁の
部分に血液が滞留し易く、且つこの血液が凝固して血栓
の原因となるという問題点があった。
【0005】これに対して、ターボ型ポンプにおいて
は、弁は不要である上、インペラの回転数を10,000〜5
0,000回転/分と高くすることにより、小型の遠心ポン
プにおいて大吐出量を達成することが容易である。した
がって、将来の完全埋め込み型人工心臓における送血ポ
ンプとして、前記ターボ型ポンプが近年とみに注目され
ている。
【0006】Artificial Organs, Vol. 21, No. 5, 199
7 に記載された従来の送血用の遠心ポンプと同様の遠心
ポンプの一例を図10に示す。
【0007】ケーシングBは、底面が開口し頂面が略円
錐形状に形成された略円筒形の形状を有するケーシング
本体B1と、ケーシング本体B1の前記開口部を覆蓋す
るケーシングカバーB2とを備えている。ケーシング本
体B1の頂部には、上方に延在する、血液を吸入する血
液吸入管D1が設けられ、下端部には血液を吐出する血
液吐出管D2が設けられている。
【0008】ケーシングBの内部にはインペラAが回転
可能に収容され、前記インペラAの中心部には、下方に
延在する回転軸A1が固定されている。ケーシングカバ
ーB2の中心部には、前記回転軸A1を支承する軸受け
部B3が設けられている。
【0009】ケーシングカバーB2の下方に、略円筒状
の形状を有する、駆動部ケースC1、ロータC2、及び
永久磁石C3を備える駆動部Cが嵌装されている。
【0010】回転軸A1には、軸受け部B3を上下から
挟むように、シールA11及びA12が嵌装されてい
る。軸受け部B3の上方に嵌装されたシールA11は下
方に向かって広がるリップ部を有し、軸受け部83の下
方に嵌装されたシールA12は上方に向かって広がるリ
ップ部を有する。
【0011】駆動部ケースC1の底面には、回転軸A1
を中心として回転する回転磁界を発生させるステータ
(図示せず。)が取り付けられる。
【0012】図9に示された遠心ポンプにおいては、前
記ステータによって発生する回転磁界によって永久磁石
C3が吸引されて回転し、従ってインペラAも回転す
る。
【0013】しかし、前記遠心ポンプを送血ポンプとし
て用いたときには、インペラの回転軸の近傍に血液が滞
留し易いという問題があった。又、前記インペラの回転
軸に嵌装された前記シールにおけるリップ部と軸受け部
とに挟まれた部分にも血液が滞留し易かった。
【0014】一般的に、送血ポンプの内部に血液が滞留
すると、送血ポンプの壁面に血栓が生じ、この血栓の一
部が遊離して送血ポンプから吐出された血液に混じって
全身の血管を循環する。そして、この血栓が脳の毛細血
管を閉塞することにより、脳細胞への酸素の供給が絶た
れると、種々の障害が引き起こされる危険がある。
【0015】よって、前記遠心ポンプを送血ポンプとし
て使用した場合には、滞留した血液が凝固して血栓が発
生するという危険性があった。
【0016】前記遠心ポンプにおいて問題となった、回
転軸と軸受け部等との間の部分における血液の滞留とい
う問題点を解決する目的で、インペラの回転軸を上下か
らピボット軸受けで支持することが検討された(Artifi
cial Organs, Vol. 20, No6,1996 )。
【0017】しかし、前記ピボット軸受けでインペラの
回転軸を支持した遠心ポンプにおいても、ピボット軸受
けの部分に血液が滞留し、この血液が凝固して血栓が発
生する可能性があった。
【0018】前記遠心ポンプにおいても解決できなかっ
た、回転軸と軸受け部等との間の部分における血液の滞
留という問題点を解決する目的で、磁石同士の斥力又は
引力によってインペラを所定位置に保持する磁気サスペ
ンションを備えた遠心ポンプが検討された。
【0019】前記遠心ポンプとしては、例えば、インペ
ラの中心部から上方に延在する回転軸を備えたインペラ
と、前記インペラを収容するケーシングと、前記ケーシ
ングの頂部に形成された、前記回転軸を包囲する略円筒
状の吸入管とを備え、且つ、前記回転軸と前記吸入管と
の両方に永久磁石が埋め込まれ、これらの永久磁石によ
って前記回転軸と前記吸入管との間に磁気サスペンショ
ンが形成された遠心ポンプが検討された(病態生理、V
ol.14,No.5、1995、p359)。
【0020】前記遠心ポンプにおいては、一端がN極で
あり他端がS極である棒状永久磁石が、N極が上方に位
置するように前記回転軸内部に埋め込まれている。一
方、前記吸入管の内部には、一端がN極であり他端がS
極である管状永久磁石が、前記棒状永久磁石に対向し、
且つN極が上方に位置するように埋め込まれている。そ
して、前記棒状永久磁石と管状永久磁石とは磁気サスペ
ンションを形成している。前記磁気サスペンションにお
いては、回転軸に埋め込まれた棒状永久磁石は、前記吸
入管に埋め込まれた管状永久磁石からの斥力によって、
管状永久磁石が有する空間の中心部に保持され、これに
よってインペラの回転軸は吐出管の中心部に保持され
る。
【0021】又、前記遠心ポンプの変形として、中心部
から上方に延在する略円筒状の吸入管を備えたインペラ
と、前記インペラが備える吸入管を包囲する円筒部が形
成された、前記インペラを収容するケーシングとを備
え、且つ前記インペラにおける吸入管と、前記ケーシン
グにおける円筒部との間に形成された磁気サスペンショ
ンを備える遠心ポンプが検討された。
【0022】しかし、前記2つの遠心ポンプのいずれに
おいても、インペラを下方から支持するピボット軸受け
は不可欠であったので、ピボット軸受けの部分に血液が
滞留するという問題は残っていた。
【0023】又、ドーナツ型のインペラを、電磁石によ
って磁気浮上させることにより、ピボット軸受けを全廃
した遠心ポンプも検討された(病態生理、Vol.1
4,No.5、1995、pp358−359)。
【0024】前記遠心ポンプにおいては、インペラは、
ドーナツ型の形状を有する主板と、前記主板と同一の形
状を有する側板と、前記主板及び側板の半径方向に対し
て後退角を有する、前記主板及び側板を接続する羽根と
を備え、全体としてドーナツ型の形状を有している。前
記インペラにおける主板の裏面には永久磁石が埋め込ま
れている。そして、前記主板の裏面は、前記インペラを
収容するケーシングを介して、モータで回転する磁気カ
ップリングにおける永久磁石が埋め込まれた面に対向し
ている。一方、前記インペラを挟んで前記磁気カップリ
ングの反対側には、前記インペラの主板に埋め込まれた
永久磁石を吸着する磁力を発生することによって、前記
インペラを浮上させる永久磁石、前記永久磁石からの磁
力と反対の方向の磁力を発生することによって、前記永
久磁石から前記インペラに作用する浮上力を調節する永
久磁石、及び前記インペラと前記電磁石との間の間隔を
検出する変位センサが設けられている。
【0025】前記遠心ポンプにおいては、前記インペラ
と前記永久磁石との間隔が所定の範囲になるように前記
電磁石の励磁を制御し、これによって、前記インペラを
磁気浮上させている。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の磁気浮
上式遠心ポンプにおいては、吸入管をケーシングの頂部
に直立した形態にせざるを得ないので、吸入管と吐出管
とは、互いに交差した位置関係にならざるを得ず、よっ
て吸入管と吐出管とを同一平面上に設けることが極めて
困難であった。
【0027】ここで、体内埋め込み型人工心臓用の送血
ポンプにおいては、吸入管と吐出管とが同一平面上にお
いて同一方向を向くように設けられていることが、体内
に埋め込む際の位置及び方向の制約を少なくする上から
好ましく、吸入管と吐出管とが互いに交差する関係にあ
るときは、体内に埋め込む際の位置及び方向が大きく制
約されることが多い。したがって、前記磁気浮上式遠心
ポンプを体内埋め込み型人工心臓用の送血ポンプとして
用いた場合には、人工心臓を埋め込む位置及び方向が大
きく制約されるという問題があった。
【0028】又、前記磁気浮上式遠心ポンプにおいて
は、前記インペラの回転軸方向に前記インペラの位置を
コントロールすることは可能であったが、前記インペラ
の半径方向に前記インペラの位置をコントロールするこ
とは殆ど不可能であった。
【0029】本発明は、従来の磁気浮上式遠心ポンプに
おける前記問題を解決した遠心ポンプを提供することを
目的とする。本発明は、具体的には、インペラの回転軸
に平行な方向だけでなくインペラの半径方向にもインペ
ラの位置を容易にコントロールでき、且つ遠心ポンプが
吸引及び吐出する液体である取扱液が滞留する箇所が殆
どない遠心ポンプを提供することを目的とする。本発明
は、特に、送血ポンプとして用いた場合においても血液
が滞留して凝固するという問題が生じない遠心ポンプを
提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決すること
を目的とする遠心血液ポンプ(以下において、単に血液
ポンプと称することがある。)は、 (1)主板及び前記主板の片面に立設された羽根を有す
る2つのインペラが、前記主板における羽根が立設され
た面が対向し、かつ回転軸が同軸となるように結合され
てなる回転体と、前記回転体を内部に収容し、且つ前記
回転体における前記羽根の立設された主板同士の対向面
間に導入された取扱液を片面の中心部に向かって導入す
吸入管、及び前記ケーシングの内部から取扱液を吐出
する吐出管を有するケーシングと、前記ケーシングの内
部において、前記回転体を浮上した状態で回転させる回
転体駆動手段とを備えてなる遠心ポンプ、 (2)前記(1)における回転体駆動手段は、前記
(1)における回転体の両端部に設けられた回転側永久
磁石と、前記回転側永久磁石に対して引力を及ぼして回
転体を浮上させる浮上用磁石と、前記回転側永久磁石に
対して回転力を及ぼして回転体を回転させるステータと
を有してなる(1)に記載の遠心ポンプ、 (3)前記請求項2における浮上用磁石及びステータは
いずれも電磁石である(2)に記載の遠心ポンプ、 (4)前記(1)における回転体は、回転時において
は、回転体における中央部から回転軸方向における両端
部に向かって拡大する回転面を形成する回転体であり、
前記請求項1におけるケーシングは、前記回転体が形成
する回転面に沿った形状の内壁を有してなるケーシング
である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の遠心ポン
プである。
【0031】
【発明の実施の形態】上述のように、本発明の遠心ポン
プは、 a) 主板及び前記主板の片面に立設された羽根を有する
2つのインペラが、前記主板における羽根が立設された
面が対向し、かつ回転軸が同軸となるように結合されて
なる回転体と、 b) 前記回転体を内部に収容し、且つ前記回転体におけ
る前記羽根の立設された片面の中心部に向かって取扱液
を導入する吸入管、及び前記ケーシングの内部から取扱
液を吐出する吐出管を有するケーシングと、 c) 前記ケーシングの内部において、前記回転体を浮上
した状態で回転させる回転体駆動手段とを備えている。
【0032】1.本発明に係る遠心ポンプの例 以下、本発明に係る遠心ポンプの一例について、図面を
用いて説明する。
【0033】回転体が、傘型ないし鈍角となった頂角を
有する円錐面を有するように形成された主板を有する2
つのインペラと、前記2つのインペラを同軸に結合する
シャフトとを備え、且つ回転体駆動手段が、前記回転体
におけるインペラの主板に対向して設けられた2つのス
テータを備える遠心ポンプの一例を図1に示す。
【0034】図1に示された遠心ポンプにおいて、回転
体1は、一方の第1インペラ11(図1においては上方
に位置している。)と、その第1インペラ11に向かい
合って配置された第2インペラ12(図1においては下
方に位置している。)と、前記第1インペラ11及び第
2インペラ12を同軸に結合する回転軸であるシャフト
13とを備えている。回転体1はシャフト13を回転軸
として回転する。第2インペラ12から第1インペラ1
1を見た平面図を図2に示す。
【0035】第1インペラ11及び第2インペラ12
は、それぞれ、傘型に形成された主板11a及び主板1
2aを備える。ここで、「傘型に形成され」の一つの意
味は、第1インペラ11及び第2インペラ12の互いに
対向する部位の形状が、頂点が鈍角である中高の形状で
あることであり、その一つの態様として頂点が鈍角であ
る円錐面をあげることができる。
【0036】主板11a及び12aにおける傘型の面の
頂点には、シャフト13の端部が螺合する軸取付部11
a1及び12a1が設けられている。前記シャフト13
は、両端部において、主板11aにおける軸取付部11
a1及び主板12aにおける軸取付部12a1に螺合す
る。
【0037】前記主板11a及び12aにおける軸取付
部11a1及び12a1の近傍には、連通孔11c及び
12cが設けられている。主板11a及び12aにおけ
る傘型の面の表側には、それぞれ、主板11a及び12
aの頂点を中心として放射状に配置された6枚の羽根1
1b及び12bが立設されている。前記6枚の羽根も、
前記主板11a及び12aの周縁部から中心部に向かっ
て高さが高くなるように形成されている。したがって、
回転体1は、回転時においては、回転体の中央部から回
転体回転軸方向における両端部に向かって拡大する形
状、具体的には鼓状の形状を有する回転面を形成する。
【0038】前記主板11aにおける傘型の面の裏側に
は、後述するステータ43が有する6個の磁極43b1
〜43b6に対応する6個の永久磁石11d1〜11d
6が、軸取付部11a1を中心とする円周上に等間隔に
位置するように固定されている。但し、図1において
は、永久磁石11d1、及び前記永久磁石11d1に対
して軸取付部11a1を挟んで反対側に位置する永久磁
石11d4のみが示されている。前記永久磁石11d〜
11d6は、いずれも、前記ステータ43に対向する面
がN極又はS極になるように着磁されている。図2に示
すように、永久磁石11d1、11d3、及び11d6
は、N極に着磁された面がステータ43に対向するよう
に固定され、永久磁石11d2、11d4、及び11d
6は、S極に着磁された面がステータ43に対向するよ
うに固定されている。
【0039】同様に、前記主板12aにおける傘型の面
の裏側にも、後述するステータ44が有する6個の磁極
44b1〜44b6に対応する6個の永久磁石12d1
〜12d6が、前記永久磁石11d1〜11d6と同様
な配置になるように固定されている。
【0040】前記回転体1は、ケーシング2の内部に収
容されている。
【0041】ケーシング2は、内部に前記回転体1が収
容される回転体収容空間21aを有し、且つ前記回転体
収容空間21aと連通する開口部が両端に設けられたケ
ーシング本体21と、前記ケーシング本体21における
一方の開口部を覆蓋するケーシングカバー22と、他方
の開口部を覆蓋するケーシングカバー23とを備える。
【0042】前記ケーシング本体21の内部に形成され
た回転体収容空間21aは、回転体1が形成する回転面
に沿った形状である、中央部がくびれ、且つ中央部から
両端部に向かって内径が拡大する鼓状の形状を有してい
る。換言すると、前記ケーシング本体21の内部におけ
る回転体収容空間21aを形成する内壁面は、中央部が
くびれ、且つ中央部から両端部に向かって内径が拡大す
る鼓状の形状をなす。前記ケーシング本体21には、更
に、回転体収容空間21aの中央部に連通する、取扱液
を吸入する吸入管31、及び取扱液が吐出される吐出管
32が設けられている。前記吸入管31及び吐出管32
は、それぞれシャフト13に対して垂直の方向に延在
し、且つ図2に示すように互いに約30°の角度を成す
ように配置されている。但し、図1においては、前記吐
出管32近傍におけるケーシング本体21の構造を明確
に示す目的で、吸入管31の反対側に吐出管32を示し
た。
【0043】ケーシング本体21の外周部には、ケーシ
ング本体21の外側面21に沿って、略円筒状の円環状
流路34が形成されている。前記円環状流路34の中心
軸は、回転体1の回転軸上に位置する。但し、円環状流
路34は、図3に示すように、前記吸入管1の部分にお
いて途切れたC字型の横断面を有している。円環状流路
34は、両端部において、互いに対向する、回転体1の
回転軸方向に湾曲した湾曲部を有し、且つ、前記湾曲部
において回転体収容空間21aに連通している。そし
て、前記回転体収容空間21aの内壁における、第1イ
ンペラ11及び第2インペラ12のそれぞれにおける周
縁部の近傍においてスリット状に開口し、吐出口を形成
している。前記円環状流路34は、更に吐出管32と連
通している。
【0044】ケーシング本体21における円環状流路3
4と回転体収容空間21aとに挟まれた部分には、吸入
管31と連通する、ドーナツ状の環状流路33が設けら
れている。管状流路33の中心軸も、回転体1の回転軸
上に位置する。前記環状流路33と、回転体収容空間2
1aにおける中央部とは、前記中央部から放射状に延び
る接続流路35によって連通されている。
【0045】ケーシングカバー22及び23は、いずれ
も、底面を有する略円筒状の形状を有する。ケーシング
カバー22及び23の底面は、それぞれ第1インペラ1
1及び第2インペラ12が備える主板11a及び12a
に沿って円錐状に凹んだ形状を有している。ケーシング
カバー22及び23は、それぞれ、底面が前記主板11
a及び12aに対向するように、前記回転体収容空間2
1aの両端における開口部に嵌装されている。尚、前記
ケーシングカバー22及び23の底面における周縁部に
は、それぞれパッキン22a及び23aが嵌装されてい
る。
【0046】前記ケーシング本体21においては、ケー
シングカバー22の外側に、回転磁界を発生させる回転
磁界発生装置41が固定され、ケーシングカバー23の
外側に、回転磁界を発生させる回転磁界発生装置42が
固定されている。
【0047】回転磁界発生装置41及び42は、それぞ
れ回転磁界を発生させるステータ43及び44と、前記
ステータ43及び44を収容する、底面を有する略円筒
状のステータ保持筺45及び46とを備えている。ステ
ータ43及び44は、ボルト(図示せず。)によってそ
れぞれステータ保持筺45及び46の内部に固定されて
いる。ステータ保持筺45及び46の外側面における略
中央部には、それぞれフランジ状に突出した突出部45
a及び46aが形成され、前記突出部45a及び46a
の外周には雄螺子がきられている。一方、ケーシング本
体21が有する前記開口部における、ケーシングカバー
22及び23が嵌装される部分よりも外側の内壁には雌
螺子がきられている。突出部45a及び46aにきられ
た前記雄螺子が、前記ケーシング本体21の開口部にお
ける前記雌螺子と螺合する。
【0048】回転磁界発生装置41及び42は、前記回
転磁界発生装置41におけるステータ43が有する後述
する6個の磁極43b1〜43b6と、前記回転磁界発
生装置42におけるステータ44が有する後述する6個
の磁極44b1〜44b6とが、ケーシングカバー2
2、回転体1、及びケーシングカバー23を介して対向
するようにケーシング本体21に固定されている。尚、
ステータ保持筺45とケーシングカバー22との間、及
びステータ保持筺46とケーシングカバー23との間に
は、それぞれパッキン22b及び23bが嵌装されてい
る。
【0049】以下、回転磁界発生装置41を例にとっ
て、ステータ43及び44の構造を説明する。
【0050】下方から見たステータ43の構造を図4に
示し、上方から見たステータ44の構造を図5に示す。
【0051】図4に示されるように、ステータ43は、
中心部から放射状に伸びる、等間隔に設けられた6本の
腕を有する鉄心43aを有している。鉄心43aにおけ
る6本の腕は、同じ側に90°湾曲し、磁極43b1〜
43b6を形成している。ここで、磁極43b1〜43
b6の内、図3において12時の位置にある磁極を磁極
43b1とし、順次時計回りに磁極43b2、磁極43
b3、…とする。磁極43b1〜43b6は、ケーシン
グカバー22を挟んで、第1インペラ11が備える主板
11aの裏面に対向する。前記鉄心43aが有する6本
の腕における湾曲部と前記磁極43b1〜43b6との
間には、それぞれ巻線43c1〜43c6が巻回されて
いる。ここで、巻線43c1は、磁極43b1を形成す
る腕に巻回された巻線であり、巻線43c2は、磁極4
3b2を形成する腕に巻回された巻線である。以下同様
に、巻線43c3〜43c6は、それぞれ磁極43b3
〜43b6を形成する腕に巻回された巻線である。巻線
43c1〜43c3はいずれも図4における時計回りの
方向に巻回され、一方巻線43c4〜43c6は3つと
も図4における反時計回りの方向に巻回されている。鉄
心43aの中心部を挟んで反対側の位置にあり、巻線の
巻回方向が互いに反対である2つの巻線の組である、巻
線43c1と巻線43c4、巻線43c2と巻線43c
5、及び巻線43c3と巻線43c6とは、それぞれ電
気的に接続されている。従って、巻線43c1〜43c
6に通電した場合において、磁極43b1、43b2、
及び43b3がN極の場合には、磁極43b4、磁極4
3b5、及び磁極43b6はS極となり、磁極43b
1、43b2、及び43b3がS極の場合には、磁極4
3b4、磁極43b5、及び磁極43b6はN極とな
る。
【0052】巻線43c1の入り口側リード線にはイン
バータ(図示せず。)のU相が接続され、巻線43c2
の入り口側リード線には前記インバータのV相が接続さ
れ、巻線43c3の入り口側リード線には前記インバー
タのW相が接続されている。そして、巻線43c4、4
3c5、及び43c6のそれぞれの出口側リード線は互
いに結線されている。
【0053】ステータ44も、ステータ43と同様、放
射状に延在する6本の腕を有する鉄心44aを備える。
前記6本の腕は、同じ側に90°湾曲し、先端部は磁極
44b1〜44b6を形成している。尚、前記磁極44
b1〜44b6は、上方から見て反時計方向に並ぶよう
に配置されている。前記6本の腕における、前記湾曲部
と磁極44b1〜44b6との間には、それぞれ前記巻
線44c1〜44c6が巻回されている。前記6個の巻
線44c1〜44c6の内、隣接する3個の巻線44c
1、44c2、及び44c3は同一の方向に巻回され、
前記3個の巻線44c1、44c2、及び44c3に対
して、前記鉄心の中心部を挟んで反対側の位置にある3
個の巻線44c4、44c5、及び44c6は、前記巻
線44c1、44c2、及び44c3における巻回方向
と反対の方向に巻回されている。そして、巻線44c1
と巻線44c4、巻線44c2と巻線44c5、及び巻
線44c3と44c6とは電気的に接続されている。巻
線44c1、44c2、及び44c3のそれぞれが有す
る入り口側リード線は、それぞれインバータ(図示せ
ず。)のU相、V相、及びW相に接続され、他方、巻線
44c4、c5、及び44c6のそれぞれが有する出口
側リード線は互いに結線されている。尚、ステータ44
に接続されたインバータは、ステータ43において発生
する回転磁界と、回転方向及び回転速度が同一である回
転磁界をステータ44に発生させるように制御される。
【0054】尚、前記ケーシングカバー22における、
ステータ43が有する磁極43b1〜43b6に臨む側
の面には、永久磁石11d1及び11d2からの磁界を
検知して距離の信号を出力する3個のホール素子22c
1〜22c3が円周方向に沿って固定されている。前記
ホール素子22c1〜22c3は、図4において点線で
示すように、磁極43b6と3b1との間、磁極43b
2と3b3との間、及び磁極43b4と3b5との間に
位置するように固定されている。
【0055】前記ケーシングカバー23における、ステ
ータ44が有する磁極44b1〜44b6に臨む側の面
にも同様に、永久磁石12d1及び12d2からの磁界
を検知する3個のホール素子23c1〜23c3が円周
方向に沿って固定されている。前記ホール素子23c1
〜23c3も又、図5において点線で示すように、磁極
44b1と44b2との間、磁極44b5と44b6と
の間、及び磁極44b3と44b4との間に位置するよ
うに固定されている。
【0056】図1の遠心ポンプにおいて、回転体1は、
本発明の遠心ポンプにおける回転体に相当し、第1イン
ペラ11及び第2インペラ12は、それぞれ本発明の遠
心ポンプにおける回転体が備えるインペラに相当し、ケ
ーシング本体21、ケーシングカバー22、及びケーシ
ングカバー23は、本発明の遠心ポンプにおけるケーシ
ングに相当する。吸入管31は、本発明の遠心ポンプに
おける吸入管に相当し、吐出管32は、本発明の遠心ポ
ンプにおける吐出管に相当する。回転磁界発生装置41
及び42、並びに永久磁石11d1〜11d6及び12
d1〜12d6は、本発明の遠心ポンプにおける回転体
駆動手段に相当する。尚、前記永久磁石11d1〜11
d6及び12d1〜12d6は、本発明の遠心ポンプの
内、回転体駆動手段が回転側永久磁石と浮上用磁石とス
テータとをそなえる態様の遠心ポンプにおける回転側永
久磁石に相当し、ステータ43及びステータ44は、前
記態様の遠心ポンプにおける浮上用磁石及びステータに
相当する。
【0057】以下、図1に示された遠心ポンプの動作に
ついて説明する。
【0058】上記のように、回転磁界発生装置41の備
えるステータ43の巻線43c1にインバータのU相が
接続され、巻線43c2にインバータのV相が接続さ
れ、巻線43c3にインバータのW相が接続されている
から、インバータから三相交流電流を流すと、巻線43
c2と巻線43c5との組には、巻線43c1と巻線4
3c3との組よりも120°位相の遅れた交流電流が流
れ、巻線43c3と巻線43c6との組には、前記巻線
43c2と巻線43c5との組よりも更に120°位相
の遅れた交流電流が流れる。一方、巻線43c1、巻線
43c2、及び巻線43c3は巻回方向が同一である
が、巻線43c1と巻線43c4、巻線43c2と巻線
43c5、及び巻線43c3と巻線43c6とは、互い
に巻回方向が逆であるから、磁極43b1が最も強くN
極に励磁された時点では、磁極43b1の反対側に位置
する磁極43b4は最も強くS極に励磁される。そし
て、前記時点から、前記三相交流電流における1周期当
たり時間の1/3(以下「1/3周期」という。)が経
過した後においては、磁極43b1に隣接する磁極43
b2が最も強くN極に励磁され、磁極43b4に隣接す
る磁極43b5が最も強くS極に励磁され、更に1/3
周期経過すると、今度は、磁極43b2に隣接する磁極
43b3が最も強くN極に励磁され、磁極43b5に隣
接する磁極43b6が最も強くS極に励磁される。そし
て、更に1/3周期経過すると、今度は、磁極43b3
に隣接する磁極43b4が最も強くN極に励磁され、磁
極43b4の反対側に位置する磁極43b1が最も強く
S極に励磁される。このようにして、前記磁極43b1
〜43b6は、最も強くN極に励磁される磁極と、最も
強くS極に励磁される磁極とが、恰も1/3周期毎に磁
極43b1〜43b6上を移動するように前記三相交流
電流によって励磁され、これによってステータ43にお
いては、図4における時計回りに回転する回転磁界が発
生する。ステータ44においても同様にして回転磁界が
発生する。
【0059】上述のように、第1インペラの主板11a
には、永久磁石11d1、11d3、及び11d5のN
極、並びに永久磁石11d2、11d4、及び11d6
のS極とがステータ43に対向するように、永久磁石1
1d1〜11d6が固定されている。したがって、永久
磁石11d1は、ステータ43における6個の磁極43
b1〜43b6の内、最も強くS極に励磁される磁極に
吸引され、前記主板11aにおける軸取付部11a1を
挟んで11d1の反対側に位置する永久磁石11b4
は、最も強くN極に励磁される磁極に吸引される。一
方、第2インペラ12の主板12aには、永久磁石12
d1、12d3、及び12d5のN極、並びに永久磁石
12d2、12d4、及び12d6のS極とがステータ
44に対向するように、永久磁石12d1〜12d6が
固定されている。よって、永久磁石12d1は、ステー
タ44における6個の磁極44b1〜44b6の内、最
も強くS極に励磁される磁極に吸引され、前記主板12
aにおける軸取付部12a1を挟んで12d1の反対側
に位置する永久磁石12b4は、最も強くN極に励磁さ
れる磁極に吸引される。
【0060】したがって、回転体1は、ステータ43及
び44の両方から引力を受けるから、回転体1に作用す
る上下からの引力が釣り合うように、ステータ43及び
44に流す三相交流電流の強さ及び周波数を制御すれ
ば、回転体1は、回転体収容空間21aの内部において
浮上すると同時に回転する。
【0061】回転体1の位置が、回転体1の半径方向に
ずれた場合、永久磁石11d1〜11d6とステータ4
3との間に作用する引力、及び永久磁石12d1〜12
d6とステータ44との間に作用する引力によって、回
転体1は、回転体収容空間21aの中心部に引き戻され
る。
【0062】一方、回転体1の位置がステータ43に近
接する方向にずれると、ホール素子22c1〜22c3
を通過する磁界は強くなり、逆にホール素子23c1〜
23c3を通過する磁界は弱くなる。したがって、ホー
ル素子22c1〜22c3において発生する電位差は大
きくなり、ホール素子23c1〜23c3において発生
する電位差は小さくなる。
【0063】よって、前記ホール素子22c1〜22c
3及び23c1〜23c3における電位差の変化を検出
し、前記ホール素子における電位差が小さくなる場合に
は、前記巻線に接続されたインバータからの三相交流電
流を増加させ、前記電位差が大きくなる場合には、前記
インバータからの三相交流電流を減少させるように、前
記インバータを制御することによって、回転体1は一定
の位置に保持される。又、ホール素子22c1〜22c
3及びホール素子23c1〜23c3を用いて回転体1
の位置を制御する代わりに、ステータ43及び44に三
相交流電流を通電することに起因して、前記ステータ4
3及び44における対向する巻線に誘起される電圧を比
較することによっても、回転体1の位置を制御すること
ができる。
【0064】前記ステータ43及び44において発生し
た回転磁界によって、上述のように回転体1が回転し、
これによって、取扱液は、吸入管31、吸入流路33、
及び接続流路35を通って、回転体収容空間21aの中
央部に吸入される。回転体収容空間21aの中央部に流
入した取扱液は、回転体1の備える第1インペラ11及
び第2インペラ12における主板11a及び12aの中
央部から周縁部に向かって放射状に流れ、円環状流路3
4に集められ、吐出管32を通って外部に流出する。前
記主板11a及び12aは円錐面状に形成されているか
ら、中高の形状を有している。又、接続流路35を通っ
て、回転体収容空間21aの中央部に吸入された取扱液
は、最初はシャフト13に沿って流れ、主板11a及び
12aの面に沿って曲げられる。よって、回転体1は、
前記取扱液の流れによって、回転体収容空間21aの中
心部において安定に回転する。
【0065】回転体1の半径方向における位置が、回転
体収容空間21aの中心部から、例えば図1における右
側にずれた場合には、ケーシング本体21の図1におけ
る右側の内壁と主板11a及び12aとの間隔が、ケー
シング本体21の図1における左側の内壁と主板11a
及び12aとの間隔よりも小さくなるから、主板11a
及び12aに沿って流れる取扱液から回転体1は左方向
の圧力を受けて左側に押される。一方、回転体1が図1
における左側にずれた場合には、ケーシング本体21の
図1における左側の内壁と主板11a及び12aとの間
隔が、ケーシング本体21の図1における右側の内壁と
主板11a及び12aとの間隔よりも小さくなるから、
主板11a及び12aに沿って流れる取扱液から回転体
1は右方向の圧力を受け、右側に押される。回転体が図
1における前後方向にずれた場合においても同様に回転
体1は、取扱液から回転体収容空間21aの中心部に戻
そうとする力を受ける。
【0066】よって、回転体1は、回転時においては、
たとえ、回転体収容空間21aの中心部から半径方向に
位置がずれても、取扱液から受ける圧力によって回転体
収容空間21aの中心部に戻される。
【0067】尚、前記回転体1が回転している間は、主
板11a及び12aに設けられた連通孔11c及び12
cを通して主板11a及び12aの表側と裏側との間で
取扱液が循環するから、第1インペラ11の主板11a
とケーシングカバー22との間、及び第2インペラ12
の主板12aとケーシングカバー23との間に取扱液が
滞留することが防止される。
【0068】図1に示された遠心ポンプにおいては、ケ
ーシング本体21の一端に設けられた回転磁界発生装置
41が備えるステータ43、及びケーシング本体21の
他端に設けられた回転磁界発生装置42におけるステー
タ44の両方から、回転体1は引力を受ける。したがっ
て、ステータ43及び44を制御することによって、回
転体収容空間21aの内部における回転体1の位置を高
精度に制御できるから、回転体収容空間21aの内部に
おいて回転体21aが浮上した状態が極めて安定に保た
れる。
【0069】又、前記回転体1においては、第1インペ
ラ11が有する主板11a、及び第2インペラ12が有
する主板12aは、いずれも円錐面状に形成されている
から、中高の形状を有している。したがって、回転体1
の備える主板11及び12における半径方向に回転体1
がずれたときには、前記回転体1は、取扱液から、前記
回転体収容空間21aの中心部に押し戻す力を受け、回
転体収容空間21aの中央部に押し戻される。
【0070】このように、回転体1は、位置がいずれの
方向にずれても、取扱液から受ける力によって回転体収
容空間21aの中心部に戻される。
【0071】これに加えて、上述のように、吸入流路の
一部を形成する管状流路33、及び吐出流路の一部を形
成する円環状流路34は、いずれも中心軸が、回転体1
の回転軸上に位置する。そして、前記管状流路33と、
ケーシング本体21における回転体収容空間21aと
は、回転体収容区間21aの中心軸から放射状に延びる
接続流路35によって連通され、しかも、円環状流路3
4は、前記回転体収容空間21aの内壁における、回転
体1が備える第1インペラ11及び第2インペラ12の
それぞれにおける周縁部の近傍に、スリット状に開口し
ている。したがって、吸入管31から流入した取扱液
は、シャフト13の周囲を均等に取り囲むようにケーシ
ング本体21の内部に流入し、前記第1インペラ11及
び第2インペラ12のそれぞれの主板11a及び12a
上を均等に流れて円環状流路34に流入する。したがっ
て、回転体1は、ケーシング本体21内部を流通する取
扱液によって、回転軸方向の力、半径方向の力、及び回
転軸を傾けようとする力のいずれも受けることが無い。
【0072】更に、前記主板11a及び12aが、上述
のようにいずれも円錐面状に形成されている故に、取扱
液がインペラ11及び12上をより円滑に流れ、且つ前
記遠心ポンプを送血ポンプとして使用した場合において
は、回転体1における溶血が極めて少ないという特長も
ある。
【0073】この実施例に係る遠心ポンプは、吐出管及
び吸引管がシャフトの軸に対して半径方向に延在するタ
イプである。したがって、この遠心ポンプは平たい形態
に形成されている。それ故に、この遠心ポンプは、体内
に埋め込んで作動させることのできる人工心臓用遠心ポ
ンプとして好適である。
【0074】2.本発明に係る遠心ポンプの構成要素に
ついての説明 2―1 回転体 回転体は、後述するケーシングの内部において回転する
ことによって、ケーシングと協働して取扱液にヘッドを
与える機能を有する。
【0075】本発明の遠心ポンプにおいて取り扱うこと
のできる取扱液には特に制限は無く、例えば、血液等の
ように遠心ポンプ内部に滞留すると凝固したり変質した
りしやすい液体、及び乳濁液等のように凝集物を析出し
やすい液体等を挙げることができる。
【0076】前記機能を有する回転体は、主板及び前記
主板の片面に立設された羽根を備える2つのインペラを
備え、前記2つのインペラは、前記主板における羽根が
立設された面が対向するように結合されている。
【0077】前記回転体としては、回転時において、中
央部から両端部に向かって拡大する形状を有する、鼓形
又は砂時計形等の形状を有する回転面を形成する回転体
が好ましい。これは、前記回転体を有する遠心ポンプに
おいては、ケーシングの内壁面を前記回転体が形成する
回転面に沿った形状に形成すれば、ケーシングの内部を
流通する取扱液から、前記回転体に対して、ケーシング
内部における中心部に保持しようとする圧力が作用する
故に、ケーシングの内部において回転体がより安定に保
持されるからである。
【0078】したがって、前記回転体のインペラにおい
ては、主板の表側即ち羽根が立設される側の面は平面で
あってもよく、又、中高に形成された面であっても良
い。前記回転体の内、羽根の立設された側の面が中高に
形成された主板を備える回転体が、ケーシングの内部に
おいて回転体が回転している間、主板に沿って流れる取
扱液からの圧力によって、前記回転体がケーシング内部
における中央部に安定に保持される故に、特に好まし
い。前記回転体は、更に、インペラの表面を取扱液がよ
り円滑に流れる点、及び血液が取扱液である場合におい
て溶血が極めて少なくなる点でも特に好ましい。
【0079】表側の面が中高に形成された主板の例とし
ては、例えば、図1に示された遠心ポンプにおける主板
11a及び12aのような円錐面状に形成された主板、
及び表側の面が円錐面状の形状を有し裏側の面が平面状
である主板等を挙げることができる。前記主板の内で
は、円錐面状に形成された主板が慣性モーメントを小さ
くし得る故に特に好ましい。
【0080】尚、主板の中心部近傍に1又は2以上の連
通孔を設けた回転体は、前記連通項を通じてインペラの
表側と裏側との間で取扱液が循環し、それ故にインペラ
の裏側とケーシングとの間に取扱液が滞留することが無
いから好ましい。
【0081】主板に立設される羽根の枚数は、2枚以上
であれば特に制限はなく、2〜12枚の範囲が好まし
く、特に3〜7枚の範囲が好ましい。羽根は、前記主板
の中心点を中心として放射状に立設されてもよく、イン
ペラの回転方向に対して前進角を付して立設されてもよ
く、インペラの回転方向に対して後退角を付して立設さ
れてもよい。羽根は、直線状であってもよく、インペラ
の回転方向に湾曲してもよく、インペラの回転方向と反
対の方向に湾曲してもよい。前記羽根は、インペラの中
心部近傍においても周縁部においても同一高さであって
もよく、インペラの中心部において最も高さが高く、イ
ンペラの周縁部に向かって高さが低くなるように形成さ
れてもよい。しかし、前記主板についての説明において
中高の形状を有する主板が好ましいことの理由として述
べた事項と同様の理由により、インペラの中心部におい
て最も高さが高く、インペラの周縁部に向かって高さが
低くなるように形成された羽根が好ましい。
【0082】回転体は、前記2つのインペラを結合する
結合部材を備えていてもよい。又、前記回転体において
は、それぞれのインペラが、前記主板の表側の面におけ
る中心部に立設された突出部を備え、且つ前記突出部に
おいて前記インペラが結合されてもよい。
【0083】前記2つのインペラを結合する結合部材と
しては、例えばシャフト等の棒状部材及び中空軸等の管
状部材等を挙げることができる。
【0084】インペラと前記結合部材とを結合する方法
としては、例えば、インペラにおける主板の中心部に結
合部材の端部を挿入する結合部材取付孔を設け、前記結
合部取付孔に結合部材の端部を挿入して、適宜の手段に
より固定する方法を挙げることができる。
【0085】前記主板に設けられた結合部材取付孔に結
合部材の末端を固定する方法としては、例えば、螺子に
よる固定、セレーション軸による固定、キー等の固定部
材による固定、接着による固定、熱融着による固定、及
び溶接による固定等を挙げることができる。
【0086】主板の中心部に設けられた突出部において
結合されたインペラの例としては、主板の中心部に略円
柱状又は略円錐台状の突出部を有し、且つ前記突出部の
頂部において結合されたインペラを挙げることができ
る。前記インペラにおいては、前記突出部の高さは、イ
ンペラの中心部における羽根の高さよりも高いことが好
ましい。前記インペラの例としては、例えば、一方のイ
ンペラにおける主板の中央部に突出した突出部の頂部の
凸部が、他方ののインペラにおける主板の中央部に突出
した突出部の頂部の凹部に嵌合又は螺合されて固定され
たインペラ等を挙げることができる。
【0087】2―2 ケーシング 本発明において、ケーシングは、取扱液が吸入される吸
入流路及び前記取扱液が吐出される吐出流路を備え、且
つ、内部に前記回転体が収容される空間を有している。
【0088】ケーシングは、前記回転体と協働して、前
記吸入流路から吸引された取扱液にヘッドを与えて吐出
流路から外部に吐出する機能を有する。
【0089】ケーシングとしては、例えば、及び1又は
2以上の開口部を有するケーシング本体と、前記開口部
を覆蓋するケーシングカバーとを備えるケーシングを挙
げることができる。
【0090】ケーシングの内壁に囲まれた、回転体を収
容する空間(以下「回転体収容空間」という。)は、回
転体が形成する回転面の形状に沿った形状とすることが
できる。よって、前記回転面の形状が両端部が膨らみ中
央部がくびれた鼓状の形状である場合には、回転体収容
空間の内壁も鼓状の形状とすることができる。
【0091】前記ケーシングは、更に、前記前記回転体
における前記羽根の立設された片面の中心部に向かって
取扱液を導入する吸入管と、前記ケーシングの内部から
取扱液を吐出する吐出管とを備える。
【0092】前記ケーシングにおいては、前記吸入管
と、前記吸入管に接続する、前記回転体収容空間の周囲
に設けられた環状の流路である環状流路と、前記回転体
収容空間の壁面に開口した吸入口とを備える、前記ケー
シングの内部、即ち回転体収容空間に取扱液を導入する
吸入流路を設けることもできる。尚、前記吸入流路を有
するケーシングにおいて、回転体収容空間が鼓型の形状
を有している場合には、前記回転体収納空間における最
もくびれた部分に前記吸入口を設けることができる。
【0093】前記ケーシングにおいては、更に、前記吐
出管と、前記回転体収容空間の内壁に開口した吐出口
と、前記吐出管と吐出口を連通する吐出口連通流路とを
備える吐出流路を設けることができる。前記吐出口とし
ては、前記回転体収容空間の内壁面における両端部、即
ち回転体が備える2つのインペラの周縁部に隣接する部
分に開口した孔状又はスリット状の開口部を挙げること
ができる。尚、前記吐出口がスリット状の開口部である
場合には、前記吐出口は、インペラにおける主板の周縁
部に沿って設けることができる。前記吐出口の個数につ
いては特に制限はない。よって、前記両端部のそれぞれ
に、吐出口を1個づつ設けてもよく、インペラの周縁部
に沿って2個以上設けてもよい。前記吐出口連通流路と
しては、管路によって形成された流路、及び図1に示さ
れた遠心ポンプにおける円環状流路34のように、ケー
シングの外壁面と内壁面との間に形成された、円筒状又
は環状の流路等を挙げることができる。
【0094】前記吸入管及び吐出管が延びる方向には特
に制限はない。したがって、前記吸入管及び吐出管とし
ては、同一平面上においてケーシングの半径方向に沿っ
て放射状に延びる吸入管及び吐出管、互いに平行に延び
る吸入管及び吐出管、並びに互いに捻れの位置にある吸
入管及び吐出管等を挙げることができる。
【0095】本発明の遠心ポンプのうち、吸入管及び吐
出管がいずれも同一平面上において放射状又は同一方向
に延在する遠心ポンプは、完全埋め込み型人工心臓用の
送血ポンプとして用いた場合において、人工心臓を埋め
込む方向及び位置の制限が少ない点で好ましい。但し、
遠心ポンプの用途によっては、吸入管と吐出管とは、必
ずしも同一平面上において放射状に延在する必要もな
く、又、同一方向を向いている必要もないから、吸入管
と吐出間との間の位置関係を任意に定めることができ
る。
【0096】2.3 回転体駆動手段 回転体駆動手段は、前記回転体を、前記ケーシングの内
壁に接触しないように、前記ケーシングにおける回転体
収納空間において浮上した状態で回転させる機能を有す
る。
【0097】回転体駆動手段としては、例えば磁力によ
って前記回転体を浮上及び回転させる電磁式回転体駆動
装置等を挙げることができる。
【0098】電磁式回転体駆動装置としては、例えば、
前記回転体の両端部に設けられた回転側永久磁石と、前
記回転側永久磁石に対して引力を及ぼして回転体を浮上
させる浮上用磁石と、前記回転側永久磁石に対して回転
力を及ぼす回転磁界を発生させるステータとを備える電
磁式回転体駆動装置を挙げることができる。前記電磁式
回転体駆動装置においては、前記ステータが浮上用磁石
を兼ねてもよい。
【0099】前記回転体において回転側永久磁石を設け
る位置としては、例えば回転体が備える主板を挙げるこ
とができる。前記回転側永久磁石としては、例えば、前
記主板の中心に対して対称に位置するように、前記主板
の裏側に固定された磁石を挙げることができる。回転側
永久磁石の磁極の数は前記ステータの磁極の数に対応す
る。よって、回転側永久磁石としては、6個又は12個
の個別の永久磁石、及び6個又は12個の磁極を有する
永久磁石等を挙げることができる。前記回転側永久磁石
に用いることのできる磁石としては、例えば、Sr−C
o系磁石及びNd−Fe−B系磁石等の希土類コバルト
系永久磁石等を挙げることができ、又、一方の面がN極
となり他方の面がS極となるように着磁された、板状永
久磁石、シート状永久磁石、及びボタン状永久磁石、並
びに一端にN極及びS極が交互に着磁されたリング状磁
石等を挙げることができる。
【0100】前述のように、浮上用磁石は、回転側永久
磁石と互いに引力を及ぼし合うことによって、回転体を
浮上させる機能、及び回転体の位置を制御する機能を有
する。
【0101】浮上用磁石の例としては、前記回転側永久
磁石に対向する一対の磁石の組を挙げることができる。
但し、回転体の位置を制御する必要があるから、前記磁
石の組を構成する1対の磁石の内、少なくとも1つは電
磁石であることが好ましい。前記浮上用磁石は、ケーシ
ングの外側又は内側に設けることができる。前記磁石
は、ケーシングに対して固定されてもよく、前記回転体
の回転軸と同一の回転軸上で回転可能に設けられても良
い。
【0102】浮上用磁石は、液密に形成された容器であ
る浮上用磁石保持筺の内部に保持することができる。前
記浮上用保持筺を設ける位置は、ケーシングの外部及び
内部のいずれであってもよい。又、ケーシングがケーシ
ングカバーとケーシング本体とを備える場合には、前記
ケーシングカバー又は前記ケーシング本体によって浮上
用磁石保持筺の一部を構成することができる。浮上用磁
石がケーシングに対して固定されている場合には、浮上
用磁石を前記浮上用磁石保持筺の内部に保持する代わり
に、合成樹脂中に封入することもできる。浮上用磁石を
封入する合成樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、及びウレタン樹脂等を
挙げることができる。
【0103】ステータは、前述のように、前記回転側永
久磁石に対して回転力を及ぼして回転体を回転させる機
能を有する。
【0104】ステータの例としては、例えば、前記回転
体が備える2つのインペラのそれぞれが有する主板にお
ける裏側の面に臨む磁極を備える、ケーシングの内部又
は外部に設けられた一対のステータを挙げることができ
る。前記ステータは、回転体の回転軸を中心に同方向に
回転する回転磁界を発生する機能を有する。
【0105】ステータとしては、例えば、円盤状の形状
を有し、且つ前記円盤の中心軸を回転軸とする回転磁界
を発生するディスク型コイルを挙げることができる。
【0106】ディスク型コイルの例としては、例えば、
中心部から放射状に伸び、且つ先端部が全て同じ側に湾
曲した腕を備える鉄心と、前記腕に巻回された巻線とを
備えるディスク型コイルを挙げることができる。ディス
ク型コイルとしては、他に、珪素鋼板等の電磁鋼板を年
輪状に巻回して形成され、且つ側面に複数の溝が設けら
れた略円柱状の鉄心と、この溝の内部に埋め込まれた巻
線とを備えるコイルを挙げることができる。
【0107】前記ステータにおいては、磁極の数は6
個、12個、又は24個とすることができる。但し、前
記ステータにおいては、磁極は、前記回転体の回転軸を
中心とする円周上に配置されていることが好ましい。前
記ステータにおいては、巻線に三相交流電流を通電する
ことによって回転磁界を発生させることができる。
【0108】前記ステータは、前記浮上用磁石保持筺と
同様の容器であるコイル保持筺の内部に保持することが
できる。コイル保持筺は、前記浮上用磁石保持筺と同様
に、ケーシングの外部及び内部のいずれに設けてもよ
く、又、ケーシングカバー又はケーシング本体によって
コイル保持筺の一部が構成されてもよい。更に、前記ス
テータを、コイル保持筺の内部に保持する代わりに合成
樹脂中に封入することもできる。ステータを封入する合
成樹脂としては、前記浮上用磁石を封入するのに用いら
れる樹脂として挙げた樹脂を用いることができる。
【0109】前記ステータは、浮上用磁石を構成する1
対の磁石の一方しても用いることができ、浮上用磁石を
兼ねることもできる。
【0110】回転体収容空間の内部における回転体の位
置を検出するには、例えば、変位センサ等を用いること
ができる。変位センサは、ケーシングに設けることがで
きる。回転体駆動手段として前記電磁式回転体駆動装置
を用いた遠心ポンプにおいては、変位センサとしては、
例えばホール素子、ホールIC、コイル、及び磁気抵抗
素子等を挙げることができる。変位センサとしては、他
には静電容量形変位センサ等を挙げることができる。
【0111】回転側永久磁石、浮上用磁石、及びステー
タを有する電磁式回転体駆動装置を備える遠心ポンプに
おいては、回転体の主板がケーシングの壁面に近接すれ
ば、浮上用磁石と回転体との間の磁場は強くなり、回転
体の主板がケーシングの壁面から遠ざかれば、浮上用磁
石と回転体との間の磁場は弱くなる。したがって、変位
センサとして前記ホール素子等を用いることにより、浮
上用磁石と回転体との間における磁場の強弱を電位差又
は電気抵抗の大小として検知することができるから、こ
の電位差又は抵抗の大小を測定することによって回転体
の位置を制御できる。
【0112】ステータとして前記ステータを用いた遠心
ポンプにおいては、変位センサによって回転体の位置を
検出する代わりに、回転側永久磁石によってステータに
誘起される電圧を測定することによっても、回転体の位
置を制御することができる。3.本発明に係る遠心ポン
プの他の例以下、本発明に係る遠心ポンプの他の例につ
いて説明する。
【0113】図1に示された遠心ポンプにおいて、環状
流路33、円環状流路34、及び接続流路35を省略し
た遠心ポンプの例を図6に示す。
【0114】図6において、図1と同一の符号は図1に
おける同一物を示す。
【0115】図6の遠心ポンプにおいて、回転体1、回
転磁界発生装置41、及び回転磁界発生装置42の構造
は、図1に示された遠心ポンプの対応する部分における
構造と同一である。
【0116】ケーシング2が備えるケーシング本体21
は、中央部がくびれ、両端部に向かって直径が大きくな
るように形成された鼓型の形状を備える。ケーシング本
体21の中央部には吸入管31が設けられている。ケー
シング本体21の両端部は、吐出管路32aによって連
通されている。吐出管路32aは、ケーシング本体21
における内壁に開口している。吐出管路32には吐出管
32が設けられている。
【0117】図6の遠心ポンプにおいて、回転体1は、
本発明の遠心ポンプにおける回転体に相当し、第1イン
ペラ11及び第2インペラ12は、それぞれ本発明の遠
心ポンプにおける回転体が備えるインペラに相当し、ケ
ーシング本体21、ケーシングカバー22、及びケーシ
ングカバー23は、本発明の遠心ポンプにおけるケーシ
ングに相当する。吸入管31は、本発明の遠心ポンプに
おける吸入流路に相当し、吐出管路32a及び吐出管3
2は、本発明の遠心ポンプにおける吐出流路に相当す
る。回転磁界発生装置41及び42、並びに永久磁石1
1d1〜11d6及び12d1〜11d6は、本発明の
遠心ポンプにおける回転体駆動手段に相当する。尚、前
記永久磁石11d1〜11d6及び12d1〜12d6
は、本発明の遠心ポンプの内、回転体駆動手段が回転側
永久磁石と浮上用磁石とステータとをそなえる態様の遠
心ポンプにおける回転側永久磁石に相当し、ステータ4
3は、前記態様の遠心ポンプにおける浮上用磁石及びス
テータに相当する。
【0118】図6に示された遠心ポンプにおいて、イン
バータ(図示せず。)からの三相交流電流をステータ4
3及び44を流通させると、ステータ43及び44に
は、図1において説明したように、回転磁界が発生する
ので、前記ステータ43と永久磁石11d1〜11d6
との間、及びステータ44と永久磁石12d1〜12d
6との間には、引力と回転体1を回転させようとする力
が作用し、回転体1が回転する。回転体1が回転する
と、取扱液が吸入管31からケーシング2の内部に吸入
され、吐出管路32a及び吐出管32を通って外部に吐
出される。
【0119】図6に示された遠心ポンプは、図1に示さ
れた遠心ポンプが備える特長に加え、ケーシング本体2
1が射出成形等によって容易に成形し得るという特長を
有している。
【0120】以下、2つのインペラのそれぞれが、前記
主板の表側の面における中心部に立設された突出部を備
え、且つ前記突出部において前記2つのインペラが結合
された遠心ポンプの例について説明する。
【0121】図6の遠心ポンプにおいて、インペラが備
える主板のそれぞれの中心部に突出部を形成し、この突
出部において前記2つのインペラを結合した遠心ポンプ
の例を図7に示す。
【0122】図7において、図6と同一の記号は図5に
おける同一物を示す。
【0123】図7に示された遠心ポンプにおいては、ケ
ーシング2、回転磁界発生装置41及び回転磁界発生装
置42は、図1及び図5における遠心ポンプと同一の構
成を有している。又、回転体1が第1インペラ11及び
第2インペラ12を備える点、及び前記第1インペラ1
1及び第2インペラ12が、それぞれ主板11a及び1
2aを備え、且つ前記主板11a及び12aには、それ
ぞれ羽根11b及び12bが立設されている点も、図5
に示された遠心ポンプと同様である。
【0124】但し、図5に示された遠心ポンプとは異な
り、前記主板11a及び12aにおける表側の面の中心
部には、それぞれ略円柱状の突出部11a2及び12a
2が突設されている。
【0125】主板11aに立設された突出部11a2の
先端部には固定ボルト14の頭部が埋め込まれている。
前記固定ボルト14が前記突出部12a2の先端部に螺
合することによって第1インペラ11と第2インペラ1
2とが互いに結合されている。
【0126】図6の遠心ポンプにおいて、回転体1は、
本発明の遠心ポンプにおける回転体に相当し、第1イン
ペラ11及び第2インペラ12は、前記回転体が備える
インペラに相当し、主板11a及び12aは、それぞれ
本発明の遠心ポンプにおけるインペラが備える主板に相
当し、羽根11b及び12bは、それぞれ本発明の遠心
ポンプにおけるインペラが備える羽根に相当する。ケー
シング2は、本発明の遠心ポンプにおけるケーシングに
相当する。ステータ41及び42、並びに永久磁石11
d1〜11d6及び12d1〜12d6は、本発明の遠
心ポンプにおける回転体駆動手段に相当する。尚、前記
永久磁石11d1〜11d6及び12d1〜12d6
は、本発明の遠心ポンプの内、回転体駆動手段が回転側
永久磁石と浮上用磁石とステータとをそなえる態様の遠
心ポンプにおける回転側永久磁石に相当し、ステータ4
3及び44は、前記態様の遠心ポンプにおける浮上用磁
石及びステータに相当する。
【0127】以下、浮上ステータとして、ステータと、
回転可能に形成された永久磁石との対を用いた遠心ポン
プの例について図8を用いて説明する。
【0128】図8において、図7と同一の符号は同一物
を示す。
【0129】図7に示された遠心ポンプにおける回転磁
界発生装置42の備えるステータ44が、図8に示され
た遠心ポンプにおいては永久磁石47に置き換えられて
いる。永久磁石47は、全体として略U字型の形状を有
し、U字型の頂部の一方にN極が形成され、他方にS極
が形成されている。前記永久磁石47は、略円筒形の形
状を有する回転永久磁石保持筺48の内部に回転可能に
収容されている。前記永久磁石保持筺48における底面
の中心部には、前記永久磁石47が回転可能に取り付け
られる軸49が、回転体1の回転軸と同軸に固定されて
いる以外は、図7におけるステータ保持筺46とほぼ同
様の形状及び構成を有する。ここで軸49は、中心軸が
回転体1の回転軸と一致するように永久磁石保持筺48
の内部に立設されている。
【0130】永久磁石47は、前記N極及びS極がケー
シングカバー23に臨むように、ボールベアリング47
1を介して軸49に取り付けられている。軸49の先端
部には雄ネジがきられ、前記雄ネジがきられた部分に
は、永久磁石47が軸49から脱落するのを防ぐ固定ナ
ット472が螺合している。
【0131】図8の遠心ポンプにおいて、回転体1は、
本発明の遠心ポンプにおける回転体に相当し、第1イン
ペラ11及び第2インペラ12は、それぞれ本発明の遠
心ポンプにおけるインペラに相当し、主板11a及び1
2aは、それぞれ本発明の遠心ポンプにおけるインペラ
が備える主板に相当し、羽根11b及び12bは、それ
ぞれ本発明の遠心ポンプにおけるインペラが備える羽根
に相当し、回転体1は、本発明の遠心ポンプにおける回
転体に相当する。ケーシング2は、本発明の遠心ポンプ
におけるケーシングに相当する。ステータ43及び永久
磁石47、並びに永久磁石11d1〜11d6及び12
d1〜12d6は、本発明の遠心ポンプにおける回転体
駆動手段に相当する。尚、前記永久磁石11d1〜11
d6及び12d1〜12d6は、本発明の遠心ポンプの
内、回転体駆動手段が回転側永久磁石と浮上用磁石とス
テータとをそなえる態様の遠心ポンプにおける回転側永
久磁石に相当し、ステータ43は、前記態様の遠心ポン
プにおける浮上用磁石及びステータに相当し、永久磁石
47は、前記態様の遠心ポンプにおける浮上用磁石に相
当する。
【0132】図8の遠心ポンプにおいて、ステータ43
に三相交流電流を通電すると、ステータ43に回転磁界
が発生するから、前記ステータ43に対向する永久磁石
11d1〜11d6は、ステータ43から引力と回転力
とを受ける。一方、前記回転体1における第2インペラ
12に設けられた永久磁石12d1〜12d6は、永久
磁石47と対向しているから、前記永久磁石47から引
力を受ける。ここで、永久磁石47は、上述のように永
久磁石保持筺48の内部に立設された軸49に回転可能
に取り付けられているから、回転体1が回転するのに追
随して回転する。従って、回転子1は、前記ステータ4
3と永久磁石47の両方から受ける引力によって、ケー
シング本体21、ケーシングカバー22、及びケーシン
グカバー23で形成される回転体収容空間21aの内部
において浮上し、同時に、ステータ43からの回転力に
よって回転する。
【0133】図8の遠心ポンプにおいては、ステータ及
びインバータはそれぞれ1個づつで済むから、図1〜図
7に示された遠心ポンプと比較して、より安価に構成し
得るという特長を有する。
【0134】図8の遠心ポンプにおいて、永久磁石がモ
ータによって回転体と同軸上で回転する例を図9に示
す。
【0135】図9において、図8と同一の符号は、特に
断らない限り図8における同一物を示す。
【0136】図9に示された遠心ポンプにおいて、永久
磁石保持筺48の底板には、軸49aを支承する軸受け
49bが取り付けられている。軸49aは、前記永久磁
石保持筺48の底板に固定されたモータ5によって回転
する。尚、永久磁石保持筺48の内部において、永久磁
石47は、軸49aに固定されている。
【0137】図9の遠心ポンプにおいて、前記永久磁石
11d1〜11d6及び12d1〜12d6は、本発明
の遠心ポンプの内、回転体駆動手段が回転側永久磁石と
浮上用磁石とステータとをそなえる態様の遠心ポンプに
おける回転側永久磁石に相当し、ステータ43及び永久
磁石47は、いずれも、前記態様の遠心ポンプにおける
浮上用磁石及びステータに相当する。
【0138】図9の遠心ポンプにおいて、ステータ43
に三相交流電流を通電すると、ステータ43に回転磁界
が発生するから、前記ステータ43に対向する永久磁石
11d1〜11d6は、ステータ43から引力と回転力
とを受ける。一方、前記回転体1における第2インペラ
12に設けられた永久磁石12d1〜12d6は、永久
磁石47と対向しているから、前記永久磁石47から引
力を受ける。ここで、永久磁石47は、上述のようにモ
ータ5により回転する。そして、モータ5は、制御装置
(図示せず。)によって、前記回転磁界の回転速度と同
一の回転方向及び回転速度で回転するように制御され
る。よって、回転体1は、永久磁石47からも回転力を
受けて回転する。
【0139】
【発明の効果】本発明によれば、ケーシングの内部にお
ける回転体の位置を高精度に制御できる故に、前記回転
体がケーシング内部において浮上した状態を極めて安定
に保つことができ、たとえ外乱によって回転体の回転中
心がずれても、回転体が直ちにもとの状態に復帰して安
定に回転を続ける遠心ポンプが提供される。
【0140】又、本発明によれば、吸入管及び吐出管が
同一平面上に位置する故に、埋め込み位置及び埋め込み
方向に制約を受けることが少なく、又、ケーシングの内
部において溶血及び血液の凝固等が殆ど生じない故に、
完全埋め込み型人工心臓用の送血ポンプとして極めて好
適な遠心ポンプが提供される。
【0141】本発明によれば、更に、回転体の有するイ
ンペラの主板において羽根が立設された側の面が中高に
形成され、又は羽根がインペラの中心部から周縁部に向
かって高さが低くなるように形成された態様の遠心ポン
プが提供される。前記遠心ポンプにおいては、回転体が
備える主板における半径方向に回転体の位置がずれる
と、取扱液から、ケーシングの内部における中央部に押
し戻そうとする力を受け、中心部に押し戻される。よっ
て前記態様の遠心ポンプには、回転体が浮上した状態を
更に安定に保つことができるという特長がある。更に、
前記態様の遠心ポンプを人工心臓用送血ポンプに用いた
場合においては、回転体における溶血が極めて少ないと
いう特長もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、回転体が、傘型に形成された主板を有
する2つのインペラと、前記2つのインペラを結合する
シャフトとを備え、且つ回転体駆動手段が、前記回転体
におけるインペラの主板に対向して設けられた2つのス
テータを備える遠心ポンプの一例を示す縦断面図であ
る。
【図2】図2は、第2インペラから第1インペラを見た
第1インペラの平面図である。
【図3】図3は、図1に示された遠心ポンプを図1にお
ける平面X−Xに沿って切断した横断面を示す。
【図4】図4は、下方から見たステータ43の構造を示
す概略図である。
【図5】図5は、上方から見たステータ44の構造を示
す概略図である。
【図6】図6は、図1に示された遠心ポンプにおいて、
環状流路、円環状流路、及び接続流路を省略した遠心ポ
ンプの例を示す縦断面図である。
【図7】図7は、図6に示された遠心ポンプにおいて、
インペラが備える主板のそれぞれの中心部に突出部を形
成し、この突出部において前記2つのインペラを結合し
た遠心ポンプの例を示す縦断面図である。
【図8】図8は、浮上ステータとして、ステータと、回
転永久磁石との対を用いた遠心ポンプの例を示す縦断面
図である。
【図9】図9は、図8の遠心ポンプにおいて、モータで
回転する回転永久磁石を備える例を示す縦断面図であ
る。
【図10】図10は、従来検討された送血用の遠心ポン
プの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…回転体、11…第1インペラ、11a…主板、11
a1…軸取付部、11b…羽根、11c…連通孔、11
d1、11d2…永久磁石、12…第2インペラ、12
a…主板、12a1…軸取付部、12b…羽根、12c
…連通孔、12d1、12d2…永久磁石、13…シャ
フト、14…ボルト、2…ケーシング本体 21…ケーシング本体、21a…回転体収容空間、2
2、23…ケーシングカバー、31…吸入管、32…吐
出管、33…環状流路、34…円環状流路、35…接続
流路、41、42…回転磁界発生装置、43、44…ス
テータ、43a、44a…鉄心、43b1、43b2、
43b3、43b4、43b5、43b6、44b1、
44b2、44b3、44b4、44b5、44b6…
磁極、45、46…ステータ保持筺、47…回転永久磁
石、48…回転永久磁石保持筺、49…軸、5…モータ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主板及び前記主板の片面に立設された羽
    根を有する2つのインペラが、前記主板における羽根が
    立設された面が対向し、かつ回転軸が同軸となるように
    結合されてなる回転体と、 前記回転体を内部に収容し、且つ前記回転体における前
    記羽根の立設された主板同士の対向面間に導入された取
    扱液を片面の中心部に向かって導入する吸入管、及び前
    記ケーシングの内部から取扱液を吐出する吐出管を有す
    るケーシングと、 前記ケーシングの内部において、前記回転体を浮上した
    状態で回転させる回転体駆動手段とを備えてなる遠心
    ポンプ。
  2. 【請求項2】 前記請求項1における回転体駆動手段
    は、前記請求項1における回転体の両端部に設けられた
    回転側永久磁石と、前記回転側永久磁石に対して引力を
    及ぼして回転体を浮上させる浮上用磁石と、前記回転側
    永久磁石に対して回転力を及ぼして回転体を回転させる
    ステータとを有してなる請求項1に記載の遠心血液ポン
    プ。
  3. 【請求項3】 前記請求項2における浮上用磁石及びス
    テータはいずれも電磁石である請求項2に記載の遠心
    ポンプ。
  4. 【請求項4】 前記請求項1における回転体は、回転時
    においては、回転体における中央部から回転軸方向にお
    ける両端部に向かって拡大する回転面を形成する回転体
    であり、前記請求項1におけるケーシングは、前記回転
    体が形成する回転面に沿った形状の内壁を有してなるケ
    ーシングである請求項1〜3のいずれか1項に記載の遠
    血液ポンプ。
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