JP3312609B2 - 薄鋳片の連続鋳造方法 - Google Patents

薄鋳片の連続鋳造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄鋳片の連続鋳造
方法、特に未凝固圧下を行う薄鋳片の連続鋳造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】薄板の代表的な鋳造方法では、連続鋳造
により得られる鋳片を、一旦冷却してから圧延工程で圧
延している。この方法では、連続鋳造後、空冷された鋳
片を熱間圧延する際に、再加熱する必要があり、使用エ
ネルギーのコストの点で不利である。
【0003】近年、連続鋳造機から出てきた鋳片をその
まま高温の状態で圧延機に供給する熱延直結プロセスの
開発が進められており、特に、今日的課題として、熱延
直結プロセスにおいて粗圧延工程が省略可能な薄鋳片の
連続鋳造技術を開発することに努力が払われている。
【0004】この連続鋳造による薄鋳片の製造方法とし
て、鋳型から連続的に引き出した鋳片を、未凝固相が中
心部に残存している間に、複数の圧下ロール対によって
圧下しつつさらに冷却して薄鋳片とする方法がある。い
わゆる未凝固圧下法である。
【0005】未凝固圧下法においては、従来にあっても
すでに、多くの発明が提案されている。例えば、圧下方
法に関しては、特開平6−182515号公報、特開平7−68
359号公報、特開平8−47758 号公報、特開平8−52552
号公報等に、また、圧下装置に関しては、特開平2−2
07953号公報、特開平8−215815号公報等にそれぞれ改
善策が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、その後
の研究開発の過程で、そのような従来技術では、圧下ゾ
ーンにおいて鋳片の表面に割れが生じやすくなったり、
ロール寿命が短い等の欠点が見られることが判明した。
【0007】したがって、本発明の課題は、未凝固圧下
法における圧下ゾーンでの鋳片の表面の割れを防止し、
さらにロール寿命の延長を可能とする技術を開発するこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】ここに、本発明者らが種
々検討・研究を重ねた結果、そのような欠点が見られる
のは、従来技術にあっては、圧下ゾーンにおいて冷却水
の制御を行っていないためであることを知った。
【0009】確かに、従来にあっても、例えば特開平8
−90187 号公報、特開平8−90182号公報においては、
連続鋳造機全体の比水量を開示しているが、圧下ゾーン
での圧下中もしくは圧下完了後の冷却、つまり2次冷却
の重要性およびその冷却水条件に関して何らの開示もな
い。
【0010】例えば、特開平8−90187 号公報は薄鋳片
の連続鋳造方法および装置の発明において、得られる薄
鋳片が熱延コイル用のそれである場合に、鋳型出口での
鋳片厚さを70〜150 mm、鋳片サポートロールおよび圧下
ロールのロールピッチを100〜250 mm、鋳造速度を2.5
〜6m/min 、2次冷却比水量を1.5 〜4.5 l/kg・steel
とすることを教えている。しかしながら、この場合、連
続鋳造機全体の比水量を明記しているだけで、圧下ゾー
ンでの圧下中および圧下完了後の適正な2次冷却水条件
は記述されていない。
【0011】この点、本発明者らの知見によれば、圧下
ゾーンにおいて、鋳片厚を徐々に薄くした場合、圧下以
前に比較して、未凝固相の厚が少なくなるために、冷却
条件が同一であっても急激に凝固が進行し、鋳片温度が
低くなる。それは圧下量が多い程、また圧下ゾーンが鋳
型近傍にある程、顕著である。そのため、圧下ゾーンで
の圧下時の比水量は、スラブ表面品質欠陥の発生または
操業トラブルを招く恐れがあるために、徐々に減少しな
くてはならない。
【0012】また特開平8−90182 号公報に開示される
広幅薄鋳片の連続鋳造法にあっては、一定円弧配列のロ
ーラエプロン内で未凝固圧下を実施し、圧下ゾーン内で
短辺近傍100 mm以内の鋳片温度が900 ℃を下回らない温
度で圧下を完了することが教えられる。さらに、特開平
6−297125号公報には、鋳片温度が500 〜650 ℃となる
冷却制御を行いながら圧下する方法が記述されている。
【0013】しかしながら、これらの方法において、圧
下時に高温を確保するのは、非脆化領域で圧下を行い、
また炭窒化物の粗大化を促進して表面割れを防止するた
めであって、圧下中および圧下完了後の適正な2次冷却
水条件は記述されていない。圧下ゾーンにおいて、圧下
中、もしくは圧下完了後に未凝固圧下開始前と同一比水
量で冷却する場合、鋳片温度が低下し、圧下ゾーンにお
いてスラブ表面に割れが生じやすくなるという問題につ
いては何らの解決策を提示していない。
【0014】さらに、従来にあっては、圧下時の鋳片温
度が低すぎるために鋳片変形抵抗が増大し、圧下ゾーン
でのロールに著しく負担がかかり、ロール寿命が短命と
なるという問題に対する解決策を何ら提示していない。
その他、スラブを直接圧延に使用とすると、熱延加熱炉
に莫大なエネルギーのロスが生じるという問題について
も同様である。
【0015】また特開平10−272545号公報には、圧下ゾ
ーン手前でデスケーリング装置を使って鋳片の表面スケ
ールを除去した後圧下を行い、デスケーリングを行わず
に圧下した場合に比較して、比水量をへらし、マシンか
らの出片温度を一定にする方法が記載されている。この
方法の場合、圧下前でデスケーリング装置を使用するた
め、圧下時の鋳片温度が通常に比べ300 ℃前後低下す
る。そのため、圧下時の鋳片の変形抵抗が大きくなりす
ぎ、所定の目標厚みに圧下するには頑強な圧下装置を必
要とし、莫大な設備費用がかかる。
【0016】かかる問題を、2次冷却水条件を変更する
ことにより防止しようとするには、圧下ゾーン内の比水
量を極端に減少する方法が考えられるが、比水量を0に
しても300 ℃以上の復熱を期待するには、時間がかか
り、復熱が実現するまでに圧下ゾーンを過ぎてしまいほ
とんど効果がない。また、圧下ゾーン内の鋳片温度を一
定にするのが困難であり、横割れ等の鋳片の表面品質欠
陥が新らたに発生し易い欠点がある。またこの公報も上
記の公報同様に、マシン全体の比水量の減少を明記して
いるだけであって、圧下中および圧下完了後の圧下ゾー
ンの適正な2次冷却水条件は記述されていない。
【0017】したがって、本発明は、未凝固相を有する
鋳造中の鋳片を圧下ゾーンで圧下することにより薄鋳片
を製造する未凝固圧下連続鋳造方法にあって、圧下され
たスラブ厚みの比に応じて、圧下ゾーンの比水量を変更
することにより、常時、圧下ゾーンの鋳片の表面温度を
ほとんど一定に保つことで、未凝固圧下鋳片の表面欠陥
を低減し、圧下ゾーンのロールの延命、鋳片引き抜きト
ラブルの防止を図る方法である。
【0018】別の面からは、本発明は、連続鋳造機の鋳
型から引き抜かれた鋳片を、未凝固相を有する期間中に
圧下ゾーンで圧下することにより該鋳片の厚みを減少さ
せて薄鋳片を製造する未凝固圧下連続鋳造方法であっ
て、連続鋳造機の湾曲部に圧下ゾーンを設け、圧下前の
圧下ゾーンの比水量をQ0(l/min)、圧下時および圧下完
了後の比水量をQ(l/min) 、圧下前の鋳片厚みをy0(m
m) 、圧下時の鋳片厚みをyとした場合、圧下開始より
Q=α× (y/y0)×Q0 、α=0.6 〜1.0 の範囲で冷
却水量を調整することを特徴とする薄鋳片の連続鋳造方
法である。
【0019】圧下ゾーンは通常複数の圧下セグメントか
ら構成されており、したがって、本発明は、さらに別の
面からは、連続鋳造機の鋳型から引き抜かれた鋳片を、
未凝固相を有する期間中に圧下ゾーンで圧下することに
より該鋳片の厚みを減少させて薄鋳片を製造する未凝固
圧下連続鋳造方法であって、連続鋳造機の湾曲部にn個
の圧下セグメントから成る圧下ゾーンを設け、i 番目の
圧下セグメントにおける圧下前の圧下セグメントの比水
量をQ0i(l/min) 、このi 番目の圧下セグメントにおけ
る圧下時および圧下完了後の比水量をQi (l/min) 、圧
下前の鋳片厚みをy0i(mm)、圧下時の鋳片厚みをyi
した場合( ただし、1≦i ≦n)、i 番目の圧下セグメン
トにおける圧下開始よりQi =α× (yi /y0i) ×Q
0i 、α=0.6 〜1.0 の範囲で圧下時のこのi 番目の圧
下セグメントにおける比水量を調整することを特徴とす
る薄鋳片の連続鋳造方法である。
【0020】
【発明の実施の形態】図1は、本発明方法を実施するの
に望ましい連続鋳造機 (以下マシンという)の基本的構
成を示す模式的説明図である。
【0021】図中、マシンは鋳型1、ローラエプロン帯
2、およびピンチロール帯3を備えいる。マシンのタイ
プは通常の湾曲型およびVB型などいずれであっても良
い。ローラエプロン帯2はその一部が駆動ロール4' 群
であるロール4群からなる。さらにローラエプロン帯2
内には、未凝固鋳片11を圧下して薄鋳片12とするための
ロール4および/または駆動ロール4' に圧下シリンダ
5を備えた複数のセグメント(seg) 6からなる未凝固圧
下ゾーン7が設けられている。
【0022】ローラエプロン帯2内の未凝固圧下ゾーン
7は図示のように合計5セグメント程度で構成し、鋳型
1内の溶鋼9のメニスカス10から8m程度までの長さの
間に設けるのがよい。ピンチロール帯3は、ローラエプ
ロン帯2の下流に設けたピンチロール8群からなる通常
のものである。
【0023】図1において、冷却水スプレーは、図を明
瞭にするために省略してあるが、特に圧下ゾーン7にお
いては各セグメント6の圧下ロールそれぞれの前後に設
けられている。本発明における冷却水スプレーの設置箇
所、数等は慣用のものを使用すればよく、本発明におい
ても特に制限されるものでないため、以下の説明は省
く。
【0024】鋳型サイズは厚みで80〜150 mm程度、幅で
1000〜1800mm程度である。これを未凝固圧下により50〜
100 mmの目標厚さにするのである。したがって、上記の
マシンにおいて未凝固圧下のパターンは、各セグメント
当たり2〜10mm程度の圧下量にするのが望ましい。定常
状態での鋳造速度の望ましい範囲は2.0 〜5.0 m/minで
あるが、比較的表面割れが少ない種類の鋼では、5.0 m/
min 以上の鋳造も容易にできる。
【0025】本発明の圧下ゾーンにおける比水量の減少
は、圧下途中から実施するのも可能ではあるが、未凝固
圧下開始と同時に実施するのが最も望ましい。それは、
表面温度が低くなる鋳片を皆無にするためである。
【0026】ここに、圧下ゾーンにおける比水量は次の
ように定義される。 圧下ゾーンの比水量 (1/Kg-steel)=圧下ゾーンの水量
(1/min) /単位時間の鋳込溶鋼量(Kg/min) ここに、本発明によれば、各圧下セグメントにおいて圧
下される鋳片の厚み比に応じてその圧下セグメントにお
ける比水量を調整し、鋳片表面温度を可及的均一にする
のである。具体的には、このようにして一つの圧下セグ
メントにおける比水量が決定されたならば、それに設け
られた複数の圧下ロールのそれぞれの上流または下流の
水スプレーの流量を、当該セグメントにおける全体とし
ての比水量を満足するように分割して供給するのであ
る。通常、1の圧下セグメント内のそれぞれの圧下ロー
ルの圧下量は同一であるから、その圧下セグメント内の
比水量の分割は均等割りということになる。
【0027】次に、本発明にしたがって圧下ゾーンの比
水量Q=α× (y/y0)×Q0 を減少し、αの係数を0.
6 〜1.0 とした理由について述べる。比水量を変更する
のは圧下完了後も鋳片表面温度を実質上同一とするため
であって、圧下前後の鋳片厚みをy0 、yとすると、圧
下比つまり (y/y0)にしたがって鋳片表面温度は低下
するからそれに応じて冷却条件も緩和する必要がある。
つまり比水量は圧下前の比水量QO に対して (y/y0)
の比に応じて低減するのである。
【0028】このときに係数αを考えるのは圧下ゾーン
が鋳型近傍にあるほど、圧下による凝固の進行が著し
く、鋳片厚の比だけで比水量を決定すると、鋳片表面温
度が過度に低くなるためである。圧下ゾーンが鋳型から
5m以内にある場合にはαの値は0.6 〜0.8 、圧下ゾー
ンが5m以降にある場合は0.8 〜1.0 が最も望ましい。
α≦0.5 になると、鋳片表面温度が上がりすぎるために
スケール発生が多くなり、鋳片引き抜きトラブルおよ
び、マシン内バルジングの危険性がある。α≧1.1では
鋳片温度低下による上記記載した問題が発生する。その
ため、α値は0.6 〜1.0 が最も望ましい範囲である。
【0029】ここに、圧下ゾーンは、通常、複数の圧下
セグメントから構成されることから、上述の圧下ゾーン
における比水量の決定は、それを構成する各圧下セグメ
ントにおいても同様に行われる必要があり、したがっ
て、そのような場合、本発明は次のように記述される。
【0030】すなわち、本発明は、連続鋳造機の鋳型か
ら引き抜かれた鋳片を、未凝固相を有する期間中に圧下
ゾーンで圧下することにより該鋳片の厚みを減少させて
薄鋳片を製造する未凝固圧下連続鋳造方法であって、連
続鋳造機の湾曲部にn個の圧下セグメントから成る圧下
ゾーンを設け、i 番目の圧下セグメントにおける圧下前
の圧下セグメントの比水量をQ0i(l/min) 、このi 番目
の圧下セグメントにおける圧下時および圧下完了後の比
水量をQi (l/min) 、圧下前の鋳片厚みをy0i(mm)、圧
下時の鋳片厚みをyi とした場合( ただし、1≦i ≦
n)、i 番目の圧下セグメントにおける圧下開始よりQi
=α× (yi /y0i) ×Q0i 、α=0.6 〜1.0 の範囲
で圧下時のこのi 番目の圧下セグメントにおける比水量
を順次調整することを特徴とする薄鋳片の連続鋳造方法
である。
【0031】図2は圧下ゾーン7を構成する各セグメン
トS1 〜S5 とそれに設けられた水スプレーWとの配置
例の説明図である。上述のようにしてi番目のセグメン
トSi における比水量が求められたならば、水スプレー
1 、W2 、W3 に均等割りに分割する。
【0032】各セグメントの間の水スプレーは重複する
ことから、図示のようにいずれか一方を省略することも
できる。その場合、各セグメント間の水スプレーの比水
量は下流側のセグメントに属するとして制御されるのが
好ましい。
【0033】かくして本発明によれば、従来のように比
水量1.5 〜4.5 l/kg・steel という多量の冷却水量を必
要とすることなく、圧下ゾーンの合計量でも例えば1.5
l/kg・steel 未満、通常は1.0 l/kg・steel 以下の比水
量で圧下鋳片の冷却を行うことができ、しかも表面割れ
は実質上ゼロ (割れ発生率0.05%以下) とすることがで
きるのである。もちろん、このように比水量を少なくで
きるため鋳片温度は通常900 ℃以上を確保でき、鋳片変
形抵抗が軽減し、これがロール寿命延長をもたらす。
【0034】
【実施例】図1に示す湾曲型マシンを用いて炭素含有量
0.10%の中炭素鋼を定常鋳造速度5.0 m/min で鋳造し
た。鋳型サイズは厚み100 mm、幅1500mmであり、これを
用いて目標薄鋳片サイズ厚み80mm、60mmへの未凝固圧下
操業を行った。
【0035】マシン内の圧下ゾーンは鋳型から3m下に
あるローラエプロン帯の第1セグメントから第5セグメ
ントの長さ5mの間に設け、 (各セグメント長さは1
m) 圧下量は各セグメント当たり4および8mmの均等厚
とした。
【0036】本発明例として圧下厚みに応じて圧下ゾー
ンの各セグメントの比水量をそれぞれ減少した場合、お
よび比較例1として圧下ゾーンの比水量を変更しない場
合、比較例2、3として、本発明から外れる条件で鋳造
を実施した場合をそれぞれ示す。
【0037】比較例4は圧下ゾーン前に高圧水でデスケ
ーリングをした後、圧下を実施した場合である。圧下前
の各圧下セグメントの比水量は0.2 l/kg-steelとし、圧
下開始から徐々に比水量を減少した。
【0038】本発明の効果を確認するために鋳型出側か
ら鋳片の熱電対を取り付け、鋳片表面の温度履歴を測定
した。鋳片のスケール厚みとマシン内駆動ロールの引き
抜きの負荷力を測定した。また鋳片の表面品質を調査
し、鋳片10mあたりの割れ発生個数、該当鋳片のコイル
不良発生率にて比較した。結果は、各セグメントの比水
量 (本発明例では計算値) とともに表1および表2なら
びに図2および図3にまとめて示す。
【0039】比較例1および比較例3 (α=1.1 の場
合) では、圧下ゾーンにおいて鋳片表面温度が300 〜50
0 ℃程低下し、割れ発生個数およびコイル不良率が悪化
した。比較例2 (α=0.5)の場合、圧下ゾーンにおいて
鋳片表面温度が150 〜200 ℃程増加し、鋳片スケール厚
みの増加と共に、駆動ロール引き抜き力が2倍程度増加
した。
【0040】比較例4の場合、圧下ゾーン手前にて鋳片
表面温度が300 ℃以上降下し、圧下ゾーンにて復熱させ
ているが、鋳片割れ発生個数が増加し、コイル不良率が
悪化した。
【0041】本発明例においては、圧下ゾーンにおいて
鋳片温度はほぼ一定であり、割れ発生個数、コイル不良
率ともに最も良い結果となった。またこの結果、ロール
寿命も例えば比較例1の場合を100(%)としたとき 120〜
135(%)となり、その改善効果は顕著である。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によっ
て、圧下ゾーンの鋳片表面温度をほとんど一定に保つこ
とができ、そのため未凝固圧下鋳片の表面欠陥を低減
し、そして圧下ゾーンのロールの延命、鋳片引き抜きト
ラブルの防止を図することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための連続鋳造機の模式的説
明図である。
【図2】圧下ゾーンを構成する各セグメントにおける冷
却スプレーの配置の説明図である。
【図3】スラブ厚を100 mmから80mmにした場合の鋳片表
面温度の履歴を示すグラフである。
【図4】スラブ厚を100 mmから60mmにした場合の鋳片表
面温度の履歴を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 敏彦 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友 金属工業株式会社内 (72)発明者 岡 正彦 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友 金属工業株式会社内 (72)発明者 池田 正裕 愛媛県新居浜市惣開町5番2号 住友重 機械工業株式会社新居浜製造所内 (56)参考文献 特開 平10−272545(JP,A) 特開 平8−90182(JP,A) 特開 昭57−121866(JP,A) 特開 平6−182515(JP,A) 特開 平7−68359(JP,A) 特開2000−176616(JP,A) 特開 昭63−286260(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/22 B22D 11/124 B22D 11/128 350

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続鋳造機の鋳型から引き抜かれた鋳片
    を、未凝固相を有する期間中に圧下ゾーンで圧下するこ
    とにより該鋳片の厚みを減少させて薄鋳片を製造する未
    凝固圧下連続鋳造方法であって、連続鋳造機の湾曲部に
    圧下ゾーンを設け、圧下前の圧下ゾーンの比水量をQ
    0(l/min)、圧下時の比水量をQ(l/min)、圧下前の鋳片
    厚みをy0(mm) 、圧下時の鋳片厚みをyとした場合、圧
    下開始よりQ=α× (y/y0)×Q0 、α=0.6 〜1.0
    の範囲で圧下時の圧下ゾーンの比水量を調整することを
    特徴とする薄鋳片の連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】 連続鋳造機の鋳型から引き抜かれた鋳片
    を、未凝固相を有する期間中に圧下ゾーンで圧下するこ
    とにより該鋳片の厚みを減少させて薄鋳片を製造する未
    凝固圧下連続鋳造方法であって、連続鋳造機の湾曲部に
    n個の圧下セグメントから成る圧下ゾーンを設け、i 番
    目の圧下セグメントにおける圧下前の圧下セグメントの
    比水量をQ0i(l/min) 、このi 番目の圧下セグメントに
    おける圧下完了後の比水量をQi (l/min) 、圧下前の鋳
    片厚みをy0i(mm)、圧下完了後の鋳片厚みをyi とした
    場合( ただし、1≦i ≦n)、i 番目の圧下セグメントに
    おける圧下開始よりQi =α× (yi /y0i) ×
    0i 、α=0.6 〜1.0 の範囲で圧下時のこのi 番目の
    圧下セグメントにおける比水量を調整することを特徴と
    する薄鋳片の連続鋳造方法。
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