JP2961893B2 - 薄鋳片の連続鋳造方法 - Google Patents

薄鋳片の連続鋳造方法

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JP2961893B2 JP9503726A JP50372697A JP2961893B2 JP 2961893 B2 JP2961893 B2 JP 2961893B2 JP 9503726 A JP9503726 A JP 9503726A JP 50372697 A JP50372697 A JP 50372697A JP 2961893 B2 JP2961893 B2 JP 2961893B2
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敬 金沢
正 平城
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、薄鋳片の連続鋳造方法、特に未凝固圧下を
行う連続鋳造に際し、未凝固圧下の圧下力を開放して、
内質欠陥を防止しながら、鋳片厚さを変更可能とした薄
鋳片の連続鋳造方法に関する。
背景技術 薄板の代表的な製造方法として、連続鋳造法により得
られた鋳片を、一旦冷却してから圧延工程で圧延する方
法が挙げられる。この方法では、鋳造後空冷された鋳片
を熱間圧延する際に、再加熱する必要があり、使用エネ
ルギーのコストの点で不利である。
近年、エネルギーコストの大幅な低減が可能であると
いう利点に着目して、連続鋳造機から出てきた鋳片を冷
却することなくそのまま圧延機に供給する、熱延直結プ
ロセスの開発が進められており、特に、薄鋳片とするこ
とで熱延直結プロセスにおいて粗圧延工程が省略可能と
なることから、今日的課題として、薄鋳片の連続鋳造技
術を開発することに努力が払われている。
そのような薄鋳片を使った熱延直結プロセスは、粗圧
延などの工程省略が可能であため、製鉄プロセス全体の
省エネルギー、作業合理化がさらに一層効果的に実現可
能である点で有利である。
そこで、薄鋳片の製造に当たって、最近では鋳型厚み
自身を薄くするのではなく、鋳型厚みは従来と同等とし
て鋳造し、鋳片中心部が未凝固状態のときにそのような
未凝固鋳片を圧下して薄鋳片を製造する方法が提案され
ている。いわゆる未凝固圧下法である。
ところで、現在では、鋼種、生産量および後工程のコ
イル板厚などに応じて、鋳造中にも鋳片厚み可変に制御
できることが望まれており、鋳造中の未凝固鋳片を圧下
するだけではなく、未凝固圧下時に圧下力を開放して元
の鋳片厚みまたは別の鋳片厚みなどに戻して連続鋳造を
継続する操業形態も求められている。しかしながら、こ
のような場合には、1の鋳片厚みから次の鋳片厚みに移
行する領域、つまり非定常部の存在は不可避である。
通常、未凝固圧下法の場合、元の鋳型厚みが小さいた
め、浸漬ノズルは従来に比べて耐火物厚みを薄くせざる
を得ないので、耐火物溶損によるノズル折損が起こりや
すい。このため、ノズル寿命が短く、連々鋳は従来の7
〜8連鋳に対して、3連鋳が限界である。したがって、
連々鋳が限られている分だけ、上記非定常部をいかに少
なくするかが、歩留まり向上という観点から大きな課題
である。
しかも、鋳造中の圧下力開放時に鋳片の内質欠陥が発
生し、このような圧下力開放による内質欠陥存在部は、
全て非定常部となる。そのため、特に、歩留まり向上を
図るべく圧下力開放時の鋳片の内質欠陥をも防止するこ
とができる鋳造方法が求められている。
したがって、圧下開放時において非定常部の長さを短
くするだけでなく、品質を確保することも歩留まり向上
に寄与することになる。
しかしながら、従来技術にあっては、そのような非定
常部の長さを短くすることについてばかりでなく、未凝
固圧下に際しての圧下力開放時の鋳片の内質欠陥の防止
についても何ら記載されるところがない。
発明の開示 ここに、本発明の目的は、薄鋳片の未凝固圧下連続鋳
造方法において、鋳片の内質欠陥を防止しながら、鋳造
中圧下力開放を行って鋳片厚さを変更可能とする薄鋳片
の連続鋳造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、薄鋳片の未凝固圧下連続鋳造方
法において、鋳片の内質欠陥を防止するとともに、非定
常部の長さを可及的小としながら、鋳造中圧下力開放を
行って鋳片厚さを変更可能とする薄鋳片の連続鋳造方法
を提供することにある。
しかし、鋳造中の圧下力開放時においては、圧下位置
の単なる制御だけでは、非定常部長さの減少および品質
の確保は不可能である。例えば、鋳造速度一定のままで
の圧下力開放では、完全凝固していない未凝固鋳片が内
部の未凝固層にかかる溶鋼静圧によりロール圧下力から
開放され、再度、バルジングによる鋳片の膨れ現象が発
生する。このバルジングにより鋳片内部の中心偏析の悪
化や内部割れが発生し、非定常部の品質悪化を招く。
ここに、圧下ロールの圧下力を開放する操作を、開放
操作と呼ぶと、開放操作の開始時点は、鋳片の変更点が
最終圧下ロールを通過した時点としてその後、圧下力を
開放して所要の厚さにまで戻すのであるが、この点につ
いての本発明者の知見は次の通りである。
まず、鋳造中の未凝固層を有する鋳片を圧下しなが
ら、例えば鋳片厚さを大きくする方向に変更する際に、
凝固先端(鋳片が完全凝固する位置)が常に未凝固圧下
ゾーン内にあれば、同一冷却条件でもバルジング等の問
題は生じないことに着目した。
そこで、鋳片厚さの変更に際して 目的とする鋳片厚さにまで変更したとして、その薄鋳
片が未凝固圧下ゾーン内で完全凝固する鋳造速度以下に
まで、例えば定常鋳造速度からいったん低下させること
で、そのときの冷却条件下で、凝固先端を圧下ゾーン終
了位置より上流側にもちきたしながら、その間に未凝固
圧下時の圧下力を開放させ、 その鋳片厚みを、目的とする鋳片厚みに復帰させた
後、その目的とする鋳片厚さの定常鋳造速度にまで鋳造
速度を増速する、 ことにり、鋳片に内質欠陥の見られない状態で鋳片厚み
を変更可能であることを見出し、本発明を完成した。
よって、本発明は、広義には、未凝固層を有する鋳造
中の鋳片を圧下ゾーンで圧下することにより薄鋳片を製
造する未凝固圧下連続鋳造方法であって、例えば鋳造速
度を制御することで、凝固先端を圧下ゾーン終了位置よ
り上流側にもちきたしながら、その間に未凝固圧下時の
圧下力を開放させ、そのときの鋳片厚みを、目的とする
鋳片厚みに復帰させることを特徴とする薄鋳片の連続鋳
造方法である。
別の面からは、本発明は、未凝固層を有する鋳造中の
鋳片を圧下ゾーンで圧下することにより薄鋳片を製造す
る未凝固圧下連続鋳造方法であって、鋳造速度を、変更
後に目標とする厚さの薄鋳片が未凝固圧下ゾーン内で完
全凝固する条件下で鋳造速度をいったん変更させ、つま
り目標厚さの薄鋳片が未凝固圧下ゾーン内で完全凝固す
る鋳造速度以上、以下にいったん変更させ、それにより
凝固先端を圧下ゾーン終了位置より上流側にもちきたし
ながら、それと同時に、または鋳造速度の変更途中にも
しくは変更終了後に圧下力を開放させ、そのときの鋳片
厚みが目標とする鋳片厚みに復帰した後、鋳造速度を所
定の鋳造速度、例えばそのときの定常鋳造速度に回復さ
せることを特徴とする薄鋳片の連続鋳造方法である。
本発明の好適態様によれば、鋳片の変更点が未凝固圧
下ゾーンの終点を通過すると同時にあるいはそれに先立
って鋳造速度の変更を開始するのが好ましい。
図面の簡単な説明 図1は、本発明方法を実施するための連続鋳造機の構
成例を示す側面方向の縦断面図である。
図2は、本発明方法にしたがって鋳片厚みを変更する
ときの鋳片厚みおよび鋳造速度の変化の例を示す説明図
である。
図3は、比較例における鋳片厚み変更操作を示す図2
と同様の説明図である。
図4は、本発明方法による圧下力開放の過渡期の鋳片
形状を示す長手方向側面図である。
図5は、比較例の圧下力開放の過渡期の鋳片形状を示
す長手方向側面図である。
図6は、比較例の圧下力開放過渡期の鋳片内質を示す
長手方向縦断面図である。
図7は、実施例の結果を示すグラフである。
発明を実施するための最良の形態 図1は、本発明方法を実施するのに望ましい連続鋳造
機(以下、マシンという)の基本的構成を示す模式的説
明図である。
図中、マシンは、鋳型1、ローラーエプロン帯2およ
びピンチロール帯3を備えている。マシンのタイプは通
常の湾曲型およびVB型など、いずれでもよい。ローラー
エプロン帯2は、その一部が駆動ロール4′群であるロ
ール4群からなる。さらにローラーエプロン帯2内に
は、未凝固鋳片11を圧下して薄鋳片12とするための、ロ
ール4および/または駆動ロール4′に圧下シリンダー
5を備えた複数のセグメント(seg)6からなる未凝固
圧下ゾーン7が設けられている。
ローラーエプロン帯2内の未凝固圧下ゾーン7は、図
示のように合計5セグメント程度で構成し、鋳型1内の
溶鋼9のメニスカス10から6m程度までの長さの間に位置
するのがよい。ピンチロール帯3は、ローラーエプロン
帯2の下流に設けたピンチロール8群からなる通常のも
のである。
鋳型1のサイズは厚みで90〜150mm程度、幅で1000〜1
800mm程度である。これを未凝固圧下により30〜70mm程
度の目標厚さとするのである。したがって、上記マシン
において未凝固圧下パターンは、各セグメント当たり5
〜35mm程度の圧下量とするのが望ましい。
定常鋳造速度の望ましい範囲は、3.0〜5.0m/min程度
である。そのような鋳造速度を確保できるように冷却条
件を調整しておく。これらは鋳片厚みによっても異なる
ため、以下においては単に所定鋳造速度ということもあ
る。
しかしながら、生産スケジュールの都合により、鋼種
構成と鋳造速度との関係で鋳造中に圧下力を開放し、例
えば鋳片厚さ50mmから100mmへと元の鋳片厚みに戻して
鋳造を継続しなければならない場合がある。
その際、鋳造速度を低下させずに単に圧下力を開放す
るだけでは、圧下により凝固シェルが完全に圧着した部
分では、ロール圧下力を開放してもバルジングにより再
度膨れる現象は認められないが、それまで圧下された部
位で完全凝固するまでには至っていない部分がロール圧
下力から開放されると、バルジングにより再度膨れる現
象が現れる。
つまり、圧下を開始する位置から圧下が完了する部位
までの部分では、直ちに圧下力を開放すると、凝固先端
が圧下ゾーン終了点より下流側に移行するため、バルジ
グによる鋳片の膨れ現象により、内部割れの発生や中心
偏析の悪化などの内質劣化が生じる可能性が高い。
したがって圧下力の開放は、鋳片の変更点が圧下ゾー
ンを通過後そのまま直ちに行うのではなく、鋳造速度を
圧下後の薄鋳片が未凝固圧下ゾーン内で完全凝固する速
度までいったん低下させた後あるいは鋳造速度低下と同
時に行うことにより、鋳片厚みの変化、すなわち圧下力
開放の過渡期にみられるバルジング現象を回避しなが
ら、漸次厚みを元厚まで戻すことが可能になる。
このような圧下力開放方法により、内質の劣化のない
厚み変更時の過渡期の鋳片の製造が可能となり、歩留ま
り低下の弊害を招くことなく連続鋳造を継続して行うこ
とができる。
図2に基づいて本発明方法を具体的に説明する。図2
は本発明方法にしたがって鋳片厚みを変更する場合にお
ける鋳片厚みおよび鋳造速度の変化の例を示す説明図で
ある。
本例では、定常状態で鋳片厚み100mmから50mmにまで
未凝固圧下を行い、再びこれを鋳片厚み100mmにまで戻
す場合を考える。鋳造速度の変更は圧下開放と同時、つ
まり鋳片の変更点が圧下ゾーン終了点を通過した時点に
行う。
まず、鋳片厚み100mm、定常鋳造速度4.0m/minで鋳造
を開始し、未凝固圧下操業中には未凝固圧下により鋳片
厚み50mmにする。次いで、生産スケジュール等の関係で
鋳片厚みを50mmから100mmに復帰させる必要が生じたと
する。このときの変更は未凝固圧下ゾーンの終点を鋳片
の変更点が通過したときに開始し、直ちに鋳造速度を2.
0m/minまで連続的に低下させ、同時に圧下力も連続的に
開放する。このときの目標鋳造速度が、目的とする厚
さ、本例の場合、厚さ100mmの薄鋳片が圧下ゾーン内で
完全凝固する鋳造速度以下である。したがって、このと
きの鋳造速度は目的とする鋳片厚さによって変わる。換
言すれば、鋳造速度の低下および圧下開放に伴って凝固
先端は変動するが、この凝固先端が未凝固圧下ゾーンの
終点の上流側に必ず存在すれば、このときの鋳造速度お
よび圧下開放の速度は特に制限されない。
このときの鋳造速度の減速の程度は特に制限されない
が、マシンの能力が許す限り速やかに減速するのが非定
常の発生を可及的小とするために好ましい。図中、長さ
aはこの減速に要する時間を示す。
所定の鋳造速度にまで減速されてから、その鋳造速度
で鋳造が継続される。この間、圧下力の開放は継続さ
れ、目標の圧下力開放が実現されてから、つまり目標鋳
片厚さが確保されてから、今度は鋳造速度の定常速度へ
の復帰を開始する。このときまでの長さbは、圧下ゾー
ン終了点から上流側に移行していた凝固先端が圧下ゾー
ン終了点にまで戻ってくるまでの時間を示す。
つまり、鋳造速度の減速によって上流側に移行した凝
固先端は鋳片厚みの増加に伴って徐々に下流側に移行し
つづけ、時間b経過後に凝固先端は圧下ゾーン終了位置
にまで戻るのである。その後は、冷却条件の調整によっ
て凝固先端をその位置に保持しながら鋳造速度の増加を
図るのである。あるいは時間b経過後も凝固先端は圧下
ゾーン終了位置より上流側にあり、鋳造速度の増速によ
って圧下ゾーン終了位置に戻るようにしてもよい。
ところで、図2の長さa+bは非定常部の長さに対応
するものであり、これを可及的に短くすることは歩留り
改善に非常に有効である。そのための手段としては具体
的には、長さa(またはb)を可及的小とするのであ
る。
すなわち、本発明の別の態様によれば、鋳片の変更点
が圧下ゾーン終了点を通過する時点に先立って鋳造速度
の変更を開始するのである。このときの態様について説
明すると次の通りである。
まず、鋳造速度を変更する時点、つまり厚み変更開始
時点は、鋳片の変更点が圧下ゾーン終了点を通過する時
点を基準に設定し、そのとき変更する目標鋳造速度は、
本例では鋳片厚み100mmの場合、圧下ゾーン終了位置で
完全凝固するときの鋳造速度として、2.0m/minを求めて
おく。
次に、生産スケジュールから、定常の鋳片厚みとして
100mmが必要な時点を圧下ゾーン終了位置を基準にまず
決める。
次いで、鋳造速度を4.0m/minから2.0m/minまで低下さ
せるに要する時間を求める。
例えば、鋳造速度低下の減速率を2.0m/min2とする
と、上記の場合、1分間で鋳造速度が2.0m/minとなり、
少なくとも1分間は必要である。また鋳型内溶鋼メニス
カスから6mの位置にある未凝固圧下ゾーン終了位置まで
に定常鋳造速度となるには3分間必要である。したがっ
て、鋳片厚さの変更点が圧下ゾーンの終了点を出た時点
または位置から4分間以内の上流位置から鋳造速度の低
下を開始すればよいことになる。
このように、本発明によれば、鋳片の変更に当たって
まず薄鋳片が未凝固圧下ゾーン内で完全凝固する鋳造速
度以下にまで定常鋳造速度から変更するが、そのときの
鋳造速度は、例えば、目標とする鋳片厚さを100mmとし
鋳型内溶鋼メニスカスから未凝固圧下ゾーン終了までの
距離を6mとすると、その位置での凝固シェル厚みが50mm
にまるまでの鋳造速度を言う。このように完全凝固する
鋳造速度の望ましい範囲は、鋳型の厚みや未凝固圧下ゾ
ーン長さに依存するが、一般には1.0〜2.0m/min程度で
ある。
また、鋳造速度を変えるときの変化の程度、すなわ
ち、減速率または増速率の範囲は1.0〜4.0m/min2程度と
するのが望ましい。
連続鋳造であるから、鋳造速度を低下させたときには
未凝固圧下ゾーンにおける鋳造速度も同時に低下し、未
凝固鋳片は凝固シェル厚みが増大した状態で未凝固圧下
を受けることになる。このときの圧下力は、いわゆる圧
延を加えるだけの能力は有しないため、凝固シェル厚み
が増大すれば、圧下はしきれずに鋳片厚みも凝固シェル
厚みの2倍に増加する。
上記の例では鋳片厚さ100mmのものを未凝固圧下によ
って鋳片厚さ50mmとしたものを再び鋳片厚さ100mmに戻
す場合を説明したが、70mmあるいは80mmまで戻す場合に
あっても、同様の操作を繰り返すことで、行うことがで
きる。ただし、その場合には、圧下ロールに位置センサ
ーを設置し、目標厚みに鋳片厚を戻すべく、鋳造速度コ
ントロール、圧下位置制御をすることが必要である。
次に、実施例によって本発明の具体的態様についてさ
らにその作用効果とともに詳述する。
実施例 (実施例1) 図1に示す湾曲型マシンを用いて、表1に示す組成の
中炭素アルミキルド鋼を定常鋳造速度5.0m/minで鋳造し
た。鋳型サイズは厚み100mm、幅1500mmであり、これを
目標薄鋳片サイズ厚み50mm、幅1500mmにまで未凝固圧下
する未凝固圧下操業を行い、途中から鋳片厚さ100mmに
まで回復させた。鋳片厚さ100mmのときに圧下ゾーン終
了までに完全凝固する鋳造速度は1.3m/minであった。
本例の場合、定常状態では、マシン内で鋳造中に未凝
固層を有する鋳片を圧下して厚さ50mmに未凝固圧下鋳造
し、マシン内の圧下ゾーンはローラエプロン帯の第1セ
グメントから第5セグメントの3m長さの間に設け、圧下
ゾーンの終了位置は鋳型内溶鋼メニスカスから4mの位置
とした。また圧下パターンは各セグメント当たり10mmの
均等圧下とした。
本例では、2ストランド形のマシンを用い、第1スト
ランド側では、図2に示す本発明方法による圧下開放に
よる鋳片厚さの回復操作を行った。ただし、本例の場
合、圧下ゾーン終了までに完全凝固する鋳造速度は1.3m
/minであったから、鋳造速度はいったん1.3m/minにまで
低下させると同時に圧下力開放を行いながら鋳片厚みが
100mmに回復してから定常鋳造速度5.0m/minにまで回復
させた。この変更操作中、凝固先端は圧下ゾーン終了点
より常に上流側にあった。
一方、第2ストランド側では、比較例として、定常鋳
造速度を維持したままで、変更点が圧下ゾーン通過後即
座に圧下力開放を行う回復操作を行った。第3図は、こ
の比較例の鋳造速度の変化および鋳片厚さの変化を鋳造
時間に対して示す図である。これから、圧下ゾーン終了
時点での鋳片厚み、つまり圧下ロールの開放が連続的に
行われているのが分かる。
図4および図5に本発明例および比較例の変更操作に
よって得られた鋳片の非定常部の形状をそれぞれ示す。
図中、矢印方向が鋳片の引出し方向、つまり鋳造方向で
ある。
本発明方法を適用した第1ストランド側では、図4に
示すように過渡期の鋳片厚みを50mmから100mmに漸次変
更することが可能であった。
一方、比較例の第2ストランド側では過渡期の鋳片は
バルジングにより、図5に示すように太鼓状に膨れた形
状を呈した。
鋳片の断面組織を調査したところ、本発明方法を適用
した第1ストランド側では鋳片厚みを漸次厚く変更して
いく過渡期においても内質に異常はなく、後工程の圧延
時にも圧延が可能であり、コイルの特性も良好であっ
た。一方、圧下力の開放を即座に実行した第2ストラン
ド側では、図6に示すように太鼓状の鋳片の横断面に内
部割れおよび2枚割れが発生し、また、中心偏析も重度
の負偏析や正偏析が散在し、圧延時にも内部欠陥として
問題となった。
以上のことから、本発明方法に従って未凝固圧下時の
圧下力開放を行うことにより、鋳片内質の劣化の問題も
なく鋳造中に厚み変更ができ、歩溜まり向上に大きく寄
与する結果となった。
(実施例2) 本例では鋼種の影響を評価するので、実施例1を繰り
返すことで、表2に示す低炭素アルミキルド鋼を定常鋳
造速度5.0m/minで鋳造した。本例の場合も、鋳片厚み10
0mmの場合の圧下ゾーン終了時点までに完全凝固すると
したときの鋳造速度は1.3m/minであった。
本例の結果は次の通りであった。
本発明例は鋳片厚みの推移もスムースに行われ、非定
常部における内部割れも中心偏析もなく、良好であっ
た。
一方、比較例にあっては、非定常部が50→100mmへの
圧下力開放時には図5に示すように太鼓状の形状を呈し
たばかりでなく、内部割れの発生はないものの、中心偏
析・ポロシティの悪化が認められた。
本例における内質比較を図7に示すが、縦軸の内質コ
ードは次の基準で段階付けをしたものである。
このように、実施例の中炭素材の場合に比較して内質
の劣化は少ないものの、歩留まり低下を招く結果に変わ
りはない。
(実施例3) 本例では鋳造速度の影響を評価するもので、実施例1
を繰り返すことで、表1に示す中炭素アルミキルド鋼を
定常鋳造速度5.0m/minで鋳造した。
しかし、本例では、鋳片厚さ50mmからの目標回復厚さ
を100mmとしたが、最初に減速する鋳造速度を種々変え
鋳造速度を1.3、2.0、3.0m/minとした。本例の場合、圧
下ゾーン終了までに鋳片が完全凝固する鋳造速度は1.3m
/minであった。
本発明例の場合には、鋳造速度を1.3m/minに変更した
ため鋳片厚みは順次100→50→100mmに推移した。鋳片内
質は内部割れ・中心偏析の劣化もなく良好であった。
一方、比較例の場合、鋳造速度は2.0および3.0m/min
にまでしか低下させたかったため、圧下ゾーン終了時に
凝固シェル厚みがそれぞれ40mm、33mmとなり、圧下ゾー
ン終了位置で未凝固層が残存し、圧下力開放時に図5に
示すように非定常部が太鼓状に変化した。その内質も開
放時の鋳造速度2.0、3.0m/minの場合は、内部割れ発生
・中心偏析悪化、ポロシティ増加が認められ、歩留まり
低下を招いた。
産業上の利用の可能性 本発明方法によれば、連続鋳造操業中にあっても、連
続的に鋳片厚さの変更が可能となり、その際に表面性状
および内質の低下を防止できるため、歩留りよく各種サ
イズの鋳片を効率的に製造できる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 11/128 B22D 11/20

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】未凝固層を有する鋳造中の鋳片を圧下ゾー
    ンで圧下することにより薄鋳片を製造する未凝固圧下連
    続鋳造方法であって、凝固先端を圧下ゾーン終了位置よ
    り上流側にもちきたしながら、その間に未凝固圧下時の
    圧下力を開放させ、そのときの鋳片厚みを、目的とする
    鋳片厚みに復帰させることを特徴とする薄鋳片の連続鋳
    造方法。
  2. 【請求項2】未凝固層を有する鋳造中の鋳片を圧下ゾー
    ンで圧下することにより薄鋳片を製造する未凝固圧下連
    続鋳造方法であって、鋳造速度を、変更後に目標とする
    厚さの薄鋳片が未凝固圧下ゾーン内で完全凝固する条件
    下で鋳造速度をいったん変更させ、未凝固圧下時の圧下
    力を変更させてそのときの鋳片厚みが目標とする鋳片厚
    みに復帰した後、鋳造速度を所定の鋳造速度に回復させ
    ることを特徴とする薄鋳片の連続鋳造方法。
  3. 【請求項3】鋳片の変更点が未凝固圧下ゾーンの終点を
    通過すると同時に鋳造速度の変更を開始する請求項2記
    載の薄鋳片の連続鋳造方法。
  4. 【請求項4】鋳片の変更点が未凝固圧下ゾーンの終点を
    通過するに先立って鋳造速度の変更を開始する請求項2
    記載の薄鋳片の連続鋳造方法。
  5. 【請求項5】未凝固層を有する鋳造中の鋳片を圧下ゾー
    ンで圧下することにより薄鋳片を製造する未凝固圧下連
    続鋳造方法であって、鋳造速度を、変更後に目標とする
    厚さの薄鋳片が未凝固圧下ゾーン内で完全凝固する鋳造
    速度以下にまでいったん低下させ、未凝固圧下時の圧下
    力を開放させてそのときの鋳片厚みが目標とする鋳片厚
    みに復帰した後、鋳造速度を再び所定の鋳造速度に増速
    することを特徴とする薄鋳片の連続鋳造方法。
  6. 【請求項6】鋳片の変更点が未凝固圧下ゾーンの終点を
    通過すると同時に鋳造速度の低下を開始する請求項5記
    載の薄鋳片の連続鋳造方法。
  7. 【請求項7】鋳片の変更点が未凝固圧下ゾーンの終点を
    通過するに先立って鋳造速度の低下を開始する請求項5
    記載の薄鋳片の連続鋳造方法。
JP9503726A 1995-06-22 1996-06-20 薄鋳片の連続鋳造方法 Expired - Lifetime JP2961893B2 (ja)

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