JP3063342B2 - ポリウレタンおよびその製造方法 - Google Patents

ポリウレタンおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の構造単位を含む
新規な高分子ポリオールを用いた耐寒性、力学的性能お
よび耐摩耗性に優れ、且つ後架橋が可能なポリウレタ
ン、ならびにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタンは高弾性回復率を有し、耐
摩耗性および耐油性に優れるなどの多くの特徴を有する
ため、従来よりゴムおよびプラスチックの代替材料とし
て注目されており、通常のプラスチック成形加工法が適
用できる成形材料として広範な用途において多量に使用
されるようになってきている。ポリウレタンは高分子ジ
オール、ジイソシアナートおよび1,4−ブタンジオー
ルなどの鎖伸長剤を溶融状態で混合して重合させて製造
することが好ましいことが知られている。
【0003】ポリウレタンとしては、ポリエステル系ポ
リウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリカーボ
ネート系ポリウレタンなどが知られており、これらのポ
リウレタンはそれぞれの特徴に応じて種々の用途に使用
されている。たとえば、ポリエーテル系ポリウレタンは
耐加水分解性が特に要求される用途に使用されている
が、著しく耐光性、耐酸化劣化性に劣る。一方、ポリエ
ステル系ポリウレタンは、耐水性、耐かび性に劣るもの
の、力学的性能、耐油性、耐摩耗性が特に要求される用
途に使用されており、またポリカーボネート系ポリウレ
タンは、耐屈曲疲労性、特に低温での耐屈曲疲労性に劣
るものの、ポリエステル系の特徴に加え、さらに耐久性
が要求される用途に使用されている。また、最近ではポ
リエステルカーボネートポリオール系ポリウレタンも提
案されている。
【0004】耐光性、耐酸化劣化性などの耐久性に加
え、耐摩耗性や力学的性能に優れるポリエステル系およ
びポリカーボネート系のポリウレタンは、一般的にいず
れも耐寒性に劣るため、即ち低温でのポリウレタンの持
つゴム弾性が低下するため、高分子ポリオール成分とし
て、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、
3−メチル−1,5−ペンタンジオールなどの分岐ジオ
ールを共重合して、非晶化または低結晶化されたものを
用い、ソフトセグメントの低温での固化を妨げている。
しかしながら、これらの分岐ジオールでの低結晶化また
は非晶化では、ポリウレタンが本来持つ、優れた力学的
性能または耐摩耗性などの性能が損なわれる傾向にあっ
た。
【0005】さらに近年、熱可塑性ポリウレタンの優れ
た特性を活かしたまま耐熱性を向上させる方法として、
ラジカル重合性の官能基を導入し、成形後に架橋させよ
うとする試みがなされている。たとえば、メチルアクリ
レートなどの重合性単量体やウレタンアクリレート、エ
ステルアクリレートなどの重合性オリゴマーなどを予め
混合しておく方法が一般的である。しかしながら、この
方法では耐熱性自体は向上するが、操作性やポリウレタ
ン物性の点からはデメリットも大きく、使用範囲もかな
り限定される。また、予めソフトセグメントにラジカル
重合可能な官能基を導入しておく方法、たとえば、両末
端アルコールのポリブタジエン、ポリイソプレンなどを
ソフトセグメントに用いる方法は、ポリウレタンの力学
的性能の点からは使用に耐えないばかりか、ラジカル重
合性の官能基の量を制御することが不可能である。ま
た、モノマーとしてラジカル重合性の官能基を有するジ
オールやジカルボン酸として、上記性能を同時に満たす
ものはない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低温
での柔軟性を損なうことなく、力学的性能および耐摩耗
性に優れ、なおかつ後架橋可能な重合性官能基を有する
ポリウレタンを提供することにある。本発明の他の目的
は、上記の新規なポリウレタンの製造方法を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の高
分子ポリオールを用いたポリウレタンが前記課題を解決
し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。即
ち、本発明は第一に、主鎖が実質的に高分子ポリオール
と有機ポリイソシアナートによって形成されてなるポリ
ウレタンであって、該高分子ポリオールが、分子内に下
記の構造単位(I)
【0008】
【化3】
【0009】(式中、nは0または1を表す)で表され
る基をエステル結合を介して含有する、数平均分子量が
500〜30,000のポリオールであることを特徴と
するポリウレタンに関する。また、本発明は第二に、分
子内に下記の構造単位(I)
【0010】
【化4】
【0011】(式中、nは前記定義のとおりである)で
表される基をエステル結合を介して含有する高分子ポリ
オールと有機ポリイソシアナートとを重合させることを
特徴とする上記ポリウレタンの製造方法に関する。
【0012】本発明のポリウレタンの製造において使用
される高分子ポリオールは、前記構造単位(I)で示さ
れる基を含有する高分子ポリオールであり、その代表的
なものは、ポリエステルポリオール(特にポリエステル
ジオール)およびポリエステルカーボネートポリオール
(特にポリエステルカーボネートジオール)である。該
高分子ポリオールには、前記構造単位(I)で表される
特定の不飽和脂環族ジカルボン酸残基が存在することが
必須であり、本発明の目的は該高分子ポリオールを使用
して初めて達成される。
【0013】上記高分子ポリオールを製造する場合、構
造単位(I)で表される基を含有する不飽和脂環族化合
物が使用される。具体的には、5−ノルボルネン−2,
3−ジカルボン酸およびそのエステル、1,2,3,
4,5,8,9,10−オクタヒドロ−1,4:5,8
−ジメタノナフタレン−2,3−ジカルボン酸およびそ
のエステルである。これらの化合物の立体構造はシス
体、トランス体のいずれでもよく、またそれらの混合物
でもよい。また、それらの幾何異性体のエンド体、エキ
ソ体のいずれでもよく、またそれらの混合物でもよい。
【0014】これらの化合物のうちジカルボン酸ジエス
テルは、フマル酸ジエステルまたはマレイン酸ジエステ
ルとシクロペンタジエンとのディールスアルダー反応に
よる生成物の二重結合を還元する方法により製造され
(ジャーナル オブポリマーサイエンス;ポリマーケミ
ストリーエディション、1972年、第10巻、第31
91頁参照)、またジカルボン酸は、ジカルボン酸ジエ
ステルを加水分解する方法により製造される。
【0015】上記不飽和脂環族化合物は、いずれか1種
であってもよいし、2種以上を適宜に組み合わせて使用
してもよい。構造単位(I)で表される基は、ポリウレ
タンの結晶化を抑制する効果を有するものであるが、力
学的性能、耐摩耗性を低下させないばかりかむしろこれ
らを向上させる。
【0016】本発明で用いる高分子ポリオールの製造に
おいては、本発明の目的を逸脱しない範囲で、前記の不
飽和脂環族化合物以外にも必要に応じ、ジカルボン酸成
分として、共重合可能な他のジカルボン酸またはエステ
ル形成能を有するジカルボン酸誘導体を使用することも
できる。
【0017】本発明で用いる高分子ポリオール中の前記
構造単位(I)で表される基の含有量は、全ジカルボン
酸残基の3モル%以上であればよい。
【0018】共重合可能なジカルボン酸およびそのエス
テル形成能を有するジカルボン酸誘導体としては、炭素
数が4〜12の脂肪族、脂環族または芳香族のジカルボ
ン酸およびそのエステル形成能を有する誘導体が好まし
い。脂肪族ジカルボン酸の例としてはコハク酸、グルタ
ル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸などが挙げら
れる。脂環族ジカルボン酸の例としては、ノルボルナン
−2,3−ジカルボン酸、ノルボルナン−2,5−ジカ
ルボン酸、ノルボルナン−2,6−ジカルボン酸、パー
ヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3
−ジカルボン酸、パーヒドロ−1,4:5,8−ジメタ
ノナフタレン−2,6−ジカルボン酸、パーヒドロ−
1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,7−ジカル
ボン酸などが挙げられる。また芳香族ジカルボン酸の例
としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸など
が挙げられる。これらのジカルボン酸は単独で使用して
も2種以上を併用してもよい。
【0019】本発明で用いられるポリエステルポリオー
ルまたはポリエステルカーボネートポリオールを製造す
るためのジオールとしては、エチレングリコール、1,
3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,
5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオー
ル、1,12−ドデカンジオール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、
3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチル
グリコール、ノルボルナン−2,3−ジメタノール、ノ
ルボルナン−2,5−ジメタノール、ノルボルナン−
2,6−ジメタノール、パーヒドロ−1,4:5,8−
ジメタノナフタレン−2,3−ジメタノール、パーヒド
ロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,6−ジ
メタノール、パーヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナ
フタレン−2,7−ジメタノール、トリシクロデカンジ
メタノールなどが挙げられる。3価以上の多価アルコー
ルとしては、トリメチロールプロパン、トリメチロール
エタン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどが挙げ
られる。
【0020】本発明で用いられるポリエステルカーボネ
ートポリオールを製造する際に、使用されるカーボネー
ト化合物としては、ジアルキルカーボネート、ジアリー
ルカーボネートまたはアルキレンカーボネートなどが好
ましい。
【0021】本発明で用いられるポリエステルポリオー
ルは、たとえばポリエチレンテレフタレートまたはポリ
ブチレンテレフタレートの製造において用いられている
公知の方法と同様の方法、即ちエステル交換または直接
エステル化とそれに続く溶融重縮合反応にて製造され
る。
【0022】本発明で用いられるポリエステルカーボネ
ートポリオールの製造法は特に限定されない。たとえ
ば、ジオール、ジカルボン酸、カーボネート化合物を同
時に仕込み、公知の製造方法、即ちエステル化、エステ
ル交換反応にて製造される。または、予めポリエステル
ポリオールまたは、ポリカーボネートポリオールを合成
し、次いで前者の場合にはカーボネート化合物を、また
後者の場合にはジカルボン酸などを反応させて合成する
ことも可能である。
【0023】本発明において、高分子ポリオールのラジ
カル重合を防止するために、約0.001〜0.05重
量%程度のラジカル重合抑制剤を系内に添加することが
できる。その抑制剤の例として、たとえばヒドロキノ
ン、ハイドロキノンモノメチルエーテルなどを挙げるこ
とができる。また、本発明で用いられる高分子ポリオー
ルの数平均分子量は、500〜30,000の範囲内で
あることが好ましく、600〜8,000の範囲内であ
ることがより好ましく、800〜5,000の範囲内で
あることがさらに好ましい。数平均分子量が500より
小さいと耐熱性および耐寒性が低下し、30,000よ
り大きいと力学的性能が低下する。また、高分子ポリオ
ール中に存在する水酸基の数は、最終的に得られるポリ
ウレタンの用途により異なり、一概には言えないが、1
分子当たり2個以上、特に2〜4個にあることが望まし
い。
【0024】本発明においてポリウレタンの合成に使用
される適当な有機ポリイソシアナートは、脂肪族、脂環
族または芳香族のポリイソシアナートであり、具体的に
は、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、p
−フェニレンジイソシアナート、トルイレンジイソシア
ナート、1,5−ナフチレンジイソシアナート、キシリ
レンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナー
ト、イソホロンジイソシアナート、4,4’−ジシクロ
ヘキシルメタンジイソシアナートなどの分子量500以
下のジイソシアナートが例示される。好ましくは4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、トルイレン
ジイソシアナートである。
【0025】また、本発明においては、所望により適当
な鎖伸長剤を使用してもよく、鎖伸長剤としては、ポリ
ウレタン業界における常用の連鎖成長剤、即ちイソシア
ナートと反応し得る水素原子を少なくとも2個含有する
分子量400以下の低分子化合物、たとえば、エチレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリ
コール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(2
−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビス(β−ヒドロキ
シエチル)テレフタレート、キシレングリコール、グリ
セリン、トリメチロールプロパンなどの多価アルコー
ル、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、イソホロ
ンジアミン、ヒドラジン、4,4’−ジアミノジフェニ
ルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタ
ン、キシリレンジアミンなどのジアミンが挙げられる。
これらの化合物は単独で、または2種以上を混合して使
用してもよい。
【0026】本発明のポリウレタンを製造する方法に関
しては、公知のウレタン化反応の技術を採用することが
できる。たとえば、高分子ポリオールまたはこれと上記
の鎖伸長剤との混合物を約40〜100℃に予熱した
後、これらの化合物の活性水素原子数とイソシアナート
基の比が約1:1となる割合の量のポリイソシアナート
を加え、短時間強力にかき混ぜた後、約50〜150℃
で放置することによりポリウレタンが得られる。また、
ウレタンプレポリマーを経由してポリウレタンを得る方
法を採用することもできる。イソシアナートは通常水分
などの影響をうけるため、ポリイソシアナートは極わず
か過剰に用いられる。これらの反応は、ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルフォキシド、ジメチルアセトアミ
ド、テトラヒドロフラン、イソプロパノール、ベンゼ
ン、トルエン、エチルセロソルブなどの1種または2種
以上からなる溶媒中で行うこともできる。この場合、ポ
リウレタンの溶液濃度は10〜50重量%の範囲で行う
と、高分子量のものを得るのに好都合である。
【0027】得られるポリウレタンの数平均分子量は、
一般に5,000〜500,000の範囲内にあること
が好ましく、10,000〜300,000の範囲内に
あることがより好ましい。また、ポリウレタンの対数粘
度(ηinh)は、一般に0.1〜2.0dl/gの範囲内にあ
ることが好ましく、0.4〜2.0dl/gの範囲内にある
ことがより好ましい。
【0028】また、この重合過程または重合後に着色
剤、難燃剤、滑剤、紫外線吸収剤、結晶核剤などの添加
剤を適宜加えてもよい。本発明のポリウレタンは、後架
橋が可能であり、その架橋は通常熱および/または放射
線によって行われる。ここで放射線とは、紫外線および
電子線、X線、α線、β線、γ線のような電離放射をい
う。また、たとえばイオウ化合物などを用いて化学的に
架橋を行うことも可能である。
【0029】次に本発明で得られるポリウレタンの使用
態様ないしは有用性について数例述べる。 1.実質的に線状の熱可塑性ポリウレタンのペレットを
作り、これを加熱溶融して射出成形、カレンダー加工な
どの方法によりエラストマー製品を製造する。また、熱
可塑性ポリウレタンペレットと光重合開始剤および光増
感剤を混合し、加熱溶融して射出成形した後、放射線に
より後架橋させエラストマー製品を製造する。
【0030】2.高分子ポリオール、ポリイソシアナー
トおよび鎖伸長剤を一緒に混合するか、または予め高分
子ポリオールとポリイソシアナートとを反応させて末端
イソシアナート基または末端水酸基を有するプレポリマ
ーを合成し、これに鎖伸長剤またはポリイソシアナート
を混合し、注型エラストマー製品とするか、または塗
料、接着剤、インキなどの用途に使用する。
【0031】3.ポリウレタンを溶媒に溶解し、または
溶媒中でポリウレタンを合成することによりポリウレタ
ン溶液を得、これを合成皮革や人造皮革、繊維などへの
コーティング剤、含浸剤、接着剤、インキ、または風合
い調節剤として使用する。または予め、ラジカル反応開
始剤または光反応開始剤を添加しておき、溶液を塗布、
溶媒除去後、熱、放射線などにより後架橋させる。
【0032】4.末端イソシアナートプレポリマーを溶
剤に溶解し、これに鎖伸長剤などを添加して安定な紡糸
原液を調製し、この原液から湿式法または乾式法により
弾性繊維を製造する。
【0033】5.高分子ポリオールに発砲剤などの各種
添加剤を配合し、これにポリイソシアナートまたは末端
イソシアナート基を有するプレポリマーを加えて高速攪
拌し、発泡させ、フォーム製品を製造する。
【0034】本発明のポリウレタンは、具体的にはシー
ト、フィルム、チューブ、ホース、ロール、ギア、パッ
キング材、防震材、ベルト,ラミネート製品、自動車部
品、スポーツ用品、靴底、人工皮革、床材、塗料、防水
剤、接着剤、インキ、バインダー、ヒールトップ、電線
被覆、ガスケット、工業機械部品、弾性繊維などとして
使用される。
【0035】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例および比較例において、高分子ポリオ
ールの数平均分子量およびポリウレタンの対数粘度は下
記の方法に従って求めたものである。また、ポリウレタ
ンの強伸度、耐寒性および耐摩耗性は以下の方法により
測定した。
【0036】・数平均分子量:水酸基価により求めた。 ・対数粘度:ポリウレタンをジメチルホルムアミドに溶
解し、0.5g/100mlの濃度で30℃で測定し
た。 ・強伸度:JIS K7311−1987に従って測定
した。 ・耐寒性:厚さ100μmのポリウレタンフィルムより
作成した試験片について、動的粘弾性測定装置〔(株)
レオロジ社製、DVEレオスペクトラー〕を用い、温度
分散によりTα(E”のピーク温度、11Hz)を測定
し、これにより耐寒性を評価した。 ・耐摩耗性:約1mmの厚さのポリウレタンフィルムを
使用し、テーバー型摩耗試験機(H−22、荷重100
0g、2000回)での摩耗試験後のフィルムの状態を
外観で判断した。ほとんど損傷のない時は○、損傷が大
きい時は×、その中間を△とした。
【0037】参考例1(ポリエステルジオールの製造) アジピン酸と5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸
およびノルボルナン−2,3−ジカルボン酸との混合物
(モル比:85/5/10)1520g、1,6−ヘキ
サンジオール1534g(ジオール/ジカルボン酸のモ
ル比:1.3/1)およびハイドロキノンモノメチルエ
ーテル0.6gを常圧下に窒素ガスを通じつつ、約22
0℃の温度で縮合水を留去しながらエステル化を行っ
た。ポリエステルの酸価が0.3mgKOH/g以下に
なったところで真空ポンプにより徐々に真空度を上げ、
反応を完結させた。こうして水酸基価56.1のポリエ
ステルジオール(PES−A)を得た。
【0038】参考例2〜8 ジオール成分およびジカルボン酸成分として、各々表1
に示したものを用いた以外は参考例1と同様にして、表
1に示したPES−B〜Hを得た。
【0039】参考例9(ポリエステルカーボネートジオ
ールの製造) 窒素気流下、1,6−ヘキサンジオール766g、5−
ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸37g、アゼライ
ン酸338g、ジフェニルカーボネート642g(エス
テル基とカーボネート基のモル比:57/43)および
ハイドロキノンモノメチルエーテル0.6gよりなる混
合物を加熱し、160℃で反応系よりフェノール、水を
留去した。酸価が0.3mgKOH/g以下になったと
ころで真空にし(2〜10mmHg)、縮合を進めた。
その結果、水酸基価56.1(分子量2000)のポリ
エステルポリカーボネートジオール(PESC−I)を
得た。
【0040】参考例10〜11 ジオール成分、ジカルボン酸成分およびカーボネート化
合物として、各々表1に示したものを用いた以外は参考
と同様にして、表1に示したPESC−J〜Kを得
た。
【0041】
【表1】
【0042】表1で用いた略号を以下に示す。 A:5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸 B:1,2,3,4,5,8,9,10−オクタヒドロ
−1,4:5,8−ジメタノナフタレン−2,3−ジカ
ルボン酸 C:ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸 D:ノルボルナン−2,5−ジカルボン酸とノルボルナ
ン−2,6−ジカルボン酸の混合物 E:パーヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン
−2,3−ジカルボン酸 F:パーヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン
−2,6−ジカルボン酸とパーヒドロ−1,4:5,8
−ジメタノナフタレン−2,7−ジカルボン酸の混合物 G:ノルボルナン−2,3−ジメタノール H:ノルボルナン−2,5−ジメタノールとノルボルナ
ン−2,6−ジメタノールの混合物 I:パーヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン
−2,3−ジメタノール J:パーヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン
−2,6−ジメタノールとパーヒドロ−1,4:5,8
−ジメタノナフタレン−2,7−ジメタノールの混合物 AD:アジピン酸 AZ:アゼライン酸 SB:セバシン酸 DPC:ジフェニルカーボネート EC:エチレンカーボネート BD:1,4−ブタンジオール HD:1,6−ヘキサンジオール ND:1,9−ノナンジオール MPD:3−メチル−1,5−ペンタンジオール
【0043】実施例1 参考例1で製造したポリエステルジオール(PES−
A)1モル、1,4−ブタンジオール3モルおよびジメ
チルホルムアミドの混合溶液に、窒素気流下、70℃
で、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート4モ
ルを反応させ、5時間後に30重量%のポリウレタン溶
液を得た。得られたポリウレタンの対数粘度は、0.9
8dl/gであった。得られたポリウレタンについてフ
ィルムを作成し、各種性能を調べた。その結果を表2に
示す。
【0044】実施例2〜8、比較例1〜3 PES−Aの代わりに表1に示した高分子ポリオールを
用いた以外は、実施例1と同様にして、ポリウレタン溶
液を得た。得られたポリウレタンの各種性能を調べた結
果を表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】実施例9 実施例1で得られたポリウレタン溶液100gにベンゾ
インエチルエーテル0.3gを加え、アルミ板上に10
0ミクロンのアプリケーターで塗布し、溶媒を除去した
のち、出力80W/cmの高圧水銀灯で6m/分のスピ
ードで2回照射した。得られた塗膜は、ジメチルホルム
アミド、テトラヒドロフランなどの溶媒には全く溶解し
ないものであった。
【0047】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明のポリウレタンは、耐寒性、耐摩耗性、力学的性能が
ともに優れ、さらに後架橋が可能である。本発明によれ
ば、優れた性能を有し、後架橋可能なポリウレタンの製
造方法が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−97960(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/42,18/67

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主鎖が実質的に高分子ポリオールと有機
    ポリイソシアナートによって形成されてなるポリウレタ
    ンであって、該高分子ポリオールが、分子内に下記の構
    造単位(I) 【化1】 (式中、nは0または1を表す)で表される基をエステ
    ル結合を介して含有する、数平均分子量が500〜3
    0,000のポリオールであることを特徴とするポリウ
    レタン。
  2. 【請求項2】 高分子ポリオールがポリエステルポリオ
    ールおよびポリエステルカーボネートポリオールから選
    ばれる少なくとも1種である請求項1記載のポリウレタ
    ン。
  3. 【請求項3】 分子内に下記の構造単位(I) 【化2】 (式中、nは0または1を表す)で表される基をエステ
    ル結合を介して含有する高分子ポリオールと有機ポリイ
    ソシアナートとを重合させることを特徴とする請求項1
    記載のポリウレタンの製造方法。
  4. 【請求項4】 鎖伸長剤の存在下に重合反応を行うこと
    を特徴とする請求項3記載のポリウレタンの製造方法。
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