JP3308753B2 - フルカラー画像形成方法 - Google Patents

フルカラー画像形成方法

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JP3308753B2
JP3308753B2 JP03280795A JP3280795A JP3308753B2 JP 3308753 B2 JP3308753 B2 JP 3308753B2 JP 03280795 A JP03280795 A JP 03280795A JP 3280795 A JP3280795 A JP 3280795A JP 3308753 B2 JP3308753 B2 JP 3308753B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真,静電記録,
静電印刷等における静電荷像を現像し、フルカラー画像
を形成するためのフルカラー画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真の高精細,高画質化の要
求が市場では高まっており、当該技術分野では高画質フ
ルカラー化を達成しようと試みられている。フルカラー
電子写真の場合は、3色から4色のトナーを重ね合わせ
画像を形成しているが、各々の色のトナーが同じように
現像されなければ色再現に劣ったり、色むらが生じてし
まう。ところがこれらの着色は顔料や染料によって行な
われており、これらが現像に与える影響は大きい。また
フルカラー画像においては定着時の定着性,混色性,耐
オフセット性が重要であり、この性能にふさわしい結着
樹脂が選択されるが、この結着樹脂の現像性に与える影
響も大きい。この影響の一つとして、帯電量の温湿度の
影響があり、広範な環境においても安定した帯電量を有
するカラートナーの開発が急務とされている。
【0003】一方、こういった諸問題を解決する手段の
一つにトナーに種々の外添剤を添加する方法がある。特
に、解像性,濃度均一性,かぶりなどの種々の画像特性
を改良するのを目的として、トナーの帯電性および流動
性の向上の為に種々の微粉体を添加することが広く行な
われている。
【0004】こういったトナー諸特性改良の為に添加さ
れる無機微粉体として汎用されているものに、シリコー
ンオイル,シリコーンワニス,シラン化合物で表面処理
された無機微粉体が好ましく用いられている。ポリシロ
キサン類で処理された無機微粉体の例としては特開昭5
9−200252号公報、特開昭61−277964号
公報、特開平1−114857号公報、特開平2−10
9058号公報、特開平2−197851号公報、特開
平3−130779号公報、特開平4−204748号
公報、特開平5−34984号公報、特開平5−289
391号公報等がある。これらの提案では、確かに電子
写真特性は向上しているものの、疎水化の均一性が不十
分で高湿下においては十分な摩擦帯電量を得られず画像
濃度の低下やかぶりを生じるようになることがあった。
またトナーのドラムからの十分な離型性が得られず転写
性が不十分になり、転写効率の低下や転写中抜けが生じ
るようになることがあり、これらを両立させて解決する
ものがなかった。更にフルカラートナーに適用した場合
特に厳しく満足のいくものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のごとき問題点を解決したフルカラー画像形成方法を提
供することにある。
【0006】すなわち、本発明の目的は高湿下において
も十分な現像性が得られるフルカラー画像形成方法を提
供することにある。
【0007】更に、本発明の目的は湿度の影響を受けに
くく、長期の放置においても十分な現像性が維持される
フルカラー画像形成方法を提供することにある。
【0008】更に、本発明の目的はトナーに離型性を与
え、転写効率を高め、美しいピクトリアルなフルカラー
画像の形成を容易にするフルカラー画像形成方法を提供
することにある。
【0009】更に、本発明の目的はライン画像部におけ
る転写中抜けを生じないフルカラー画像形成方法を提供
することにある。
【0010】更に、本発明の目的は一成分現像方法にお
いて良好な現像性を得られるフルカラー画像形成方法を
提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、潜像
保持体上に形成されたトナー像を記録材に転写し、記録
材上のトナー像を定着してフルカラー画像を形成するフ
ルカラー画像形成方法において、フルカラー画像形成方
法は、 (A)(i)潜像保持体上にシアントナー,マゼンタト
ナー,イエロートナー及びブラックトナーからなるグル
ープから選択されるトナーで第1のトナー像を形成し、
潜像保持体上の第1のトナー像を転写ドラム上の記録材
に転写し;(ii)潜像保持体上にシアントナー,マゼ
ンタトナー,イエロートナー及びブラックトナーからな
るグループから選択されるトナーで第2のトナー像を形
成し、潜像保持体上の第2のトナー像を転写ドラム上の
記録材に転写し;(iii)潜像保持体上にシアントナ
ー,マゼンタトナー,イエロートナー及びブラックトナ
ーからなるグループから選択されるトナーで第3のトナ
ー像を形成し、潜像保持体上の第3のトナー像を転写ド
ラム上の記録材に転写し;(iv)潜像保持体上にシア
ントナー,マゼンタトナー,イエロートナー及びブラッ
クトナーからなるグループから選択されるトナーで第4
のトナー像を形成し、潜像保持体上の第4のトナー像を
転写ドラム上の記録材に転写し;記録材上の複数のトナ
ー像を定着してフルカラー画像を形成する定着工程、 (B)(i)潜像保持体上にシアントナー,マゼンタト
ナー,イエロートナー及びブラックトナーからなるグル
ープから選択されるトナーで第1のトナー像を形成し、
潜像保持体上の第1のトナー像を中間転写体に転写し;
(ii)潜像保持体上にシアントナー,マゼンタトナ
ー,イエロートナー及びブラックトナーからなるグルー
プから選択されるトナーで第2のトナー像を形成し、潜
像保持体上の第2のトナー像を中間転写体に転写し;
(iii)潜像保持体上にシアントナー,マゼンタトナ
ー,イエロートナー及びブラックトナーからなるグルー
プから選択されるトナーで第3のトナー像を形成し、潜
像保持体上の第3のトナー像を中間転写体に転写し;
(iv)潜像保持体上にシアントナー,マゼンタトナ
ー,イエロートナー及びブラックトナーからなるグルー
プから選択されるトナーで第4のトナー像を形成し、潜
像保持体上の第4のトナー像を中間転写体に転写し;中
間転写体上の第1,2,3及び4のトナー像を記録材に
転写し、記録材上の複数のトナー像を定着してフルカラ
ー画像を形成する定着工程、 (C)(i)潜像保持体上にシアントナー,マゼンタト
ナー,イエロートナー及びブラックトナーからなるグル
ープから選択されるトナーで第1のトナー像を形成し、
(ii)潜像保持体上にシアントナー,マゼンタトナ
ー,イエロートナー及びブラックトナーからなるグルー
プから選択されるトナーで第2のトナー像を形成し、
(iii)潜像保持体上にシアントナー,マゼンタトナ
ー,イエロートナー及びブラックトナーからなるグルー
プから選択されるトナーで第3のトナー像を形成し、
(iv)潜像保持体上にシアントナー,マゼンタトナ
ー,イエロートナー及びブラックトナーからなるグルー
プから選択されるトナーで第4のトナー像を形成し、潜
像保持体上の複数のトナー像を記録材に転写し、記録材
上の複数のトナー像を定着してフルカラー画像を形成す
る定着工程、または、 (D)(i)第1の潜像保持体上にシアントナー,マゼ
ンタトナー,イエロートナー及びブラックトナーからな
るグループから選択されるトナーで第1のトナー像を形
成し、第1のトナー像を記録材に転写し、(ii)第2
の潜像保持体上にシアントナー,マゼンタトナー,イエ
ロートナー及びブラックトナーからなるグループから選
択されるトナーで第2のトナー像を形成し、第2のトナ
ー像を記録材に転写し、(iii)第3の潜像保持体上
にシアントナー,マゼンタトナー,イエロートナー及び
ブラックトナーからなるグループから選択されるトナー
で第3のトナー像を形成し、第3のトナー像を記録材に
転写し、(iv)第4の潜像保持体上にシアントナー,
マゼンタトナー,イエロートナー及びブラックトナーか
らなるグループから選択されるトナーで第4のトナー像
を形成し、第4のトナー像を記録材に転写し、記録材上
の複数のトナー像を定着してフルカラー画像を形成する
定着工程、を有し、各色トナーが、結着樹脂及び着色剤
を少なくとも有するトナー粒子と、無機微粉体とを有
し、該無機微粉体が、水素原子の一部または全部がフッ
素原子に置換されていても良い、アルキル基,アリール
基を置換基とするポリシロキサンと、メチル基と水素と
を有するハイドロジェンポリシロキサンとで処理され、
該ポリシロキサンと該ハイドロジェンポリシロキサンの
処理量比率が1:4〜4:1であるアルミナ又はチタニ
アであることを特徴とするフルカラー画像形成方法に関
し、優れた現像性と転写性が得られる。
【0012】
【0013】本発明の構成に関し以下に詳細に説明す
る。
【0014】本発明は、水素原子の一部または全部がフ
ッ素原子に置換されていても良い、アルキル基,アリー
ル基を置換基とするポリシロキサンで無機微粉体を処理
することにより無機微粉体に離型性と潤滑性を与え、水
素原子の一部または全部がフッ素原子に置換されていて
も良い、アルキル基,アリール基と水素を置換基とする
ハイドロジェンポリシロキサンで無機微粉体を処理する
ことにより無機微粉体に疎水性と帯電安定性を与えるこ
とができ、この処理無機微粉体を含有するトナーは優れ
た転写性と現像性を得ることができる。
【0015】本発明において、水素原子の一部または全
部がフッ素原子に置換されていても良い、アルキル基,
アリール基を置換基とするポリシロキサンとは、シロキ
サン鎖中の珪素上の置換基が水素原子の一部または全部
がフッ素原子に置換されていても良い、アルキル基,ア
リール基(一部他の置換基があっても良い)であって、
末端の珪素上の置換基が水素原子の一部または全部がフ
ッ素原子に置換されていても良い、アルキル基,アリー
ル基あるいはその他の置換基であるポリシロキサンを言
う。これらの置換基の中ではメチル基,フェニル基が好
ましく、特にはメチル基が好ましい。
【0016】ポリシロキサンとしてはジフェニルポリシ
ロキサン,メチルフェニルポリシロキサン,ジメチルポ
リシロキサンが好ましく、特にはジメチルポリシロキサ
ンが好ましいものである。またこれらのポリシロキサン
は環状構造、枝分かれ構造を有していても良い。例え
ば、下記一般式1で表わせるポリシロキサンが挙げられ
る。具体例としては、式2で表わせるポリシロキサンが
挙げられる。
【0017】
【化4】
【0018】[式1において、R1,R2,R3,R4,R
5,R6,R7,R8は水素原子の一部または全部がフッ素
原子に置換されていても良い、アルキル基,アリール基
を示し、各々同じであっても異なっていても良く、一部
に他の任意の置換基を有していても良い。jはjの単位
の条件を満たすシロキシ単位の総和で1以上の整数を示
す。式2においては、メチル基の部分に一部任意の置換
基を有していても良い。kはkの単位の条件を満たすシ
ロキシ単位の総和で1以上の整数を示す。]
【0019】これらのポリシロキサンは無機微粉体の表
面に吸着され、条件によってはSi−O結合の一部は無
機微粉体上のOH基やその他の官能基と反応したり、S
i−O−Si結合の一部が無機微粉体表面側に配向し、
アルキル基,アリール基が無機微粉体の外側を向いて配
向し疎水化が行なわれる。しかしながら、十分な焼き付
け処理等をしないと必要な疎水化は得られず、無機微粉
体によってはある程度までは疎水化が行なわれるが、十
分ではない場合がある。その一方で、珪素上の二つの置
換基と二つのシロキサン結合が配向できるのでポリシロ
キサンとしての潤滑効果,離型効果を発揮することがで
きる。このようなポリシロキサンで処理した無機微粉体
を含有するトナーは、離型性,潤滑性が与えられ、転写
性,クリーニング性,非汚染性を持つことができるが、
ポリシロキサンのみでは疎水化が不十分なので、電荷の
リークが大きく、十分な帯電性が得られず、現像性が劣
る場合があり、特に高湿下ではその傾向は大きい。
【0020】また本発明では、水素原子の一部または全
部がフッ素原子に置換されていても良い、アルキル基,
アリール基と水素を置換基とするハイドロジェンポリシ
ロキサンは、シロキサン鎖中の珪素上の置換基が水素原
子の一部または全部がフッ素原子に置換されていても良
い、アルキル基,アリール基と水素(一部他の置換基が
あっても良い)であって、末端の珪素上の置換基が水素
原子の一部または全部がフッ素原子に置換されていても
良い、アルキル基,アリール基や水素あるいはその他の
置換基であるポリシロキサンを言う。これらの置換基の
中ではメチル基,フェニル基が好ましく、特にはメチル
基が好ましい。
【0021】ハイドロジェンポリシロキサンとしてはフ
ェニルハイドロジェンポリシロキサン,メチルハイドロ
ジェンポリシロキサン,フェニルハイドロジェンメチル
ハイドロジェンポリシロキサンが好ましく、特にはメチ
ルハイドロジェンポリシロキサンが好ましいものであ
る。またこれらのハイドロジェンポリシロキサンは環状
構造、枝分かれ構造を有していても良い。例えば、下記
一般式3で表わせるハイドロジェンポリシロキサンが挙
げられる。具体例としては、式4で表わせるハイドロジ
ェンポリシロキサンが挙げられる。
【0022】
【化5】
【0023】[式3において、R1,R2,R3,R4,R
5,R6,R7は水素原子の一部または全部がフッ素原子
に置換されていても良い、アルキル基,アリール基ある
いは水素を示し、各々同じであっても異なっていても良
く、一部に他の任意の置換基を有していても良い。mは
mの単位の条件を満たすシロキシ単位の総和で1以上の
整数を示す。式4においては、メチル基の部分に一部任
意の置換基を有していても良い。nはnの単位の条件を
満たすシロキシ単位の総和で1以上の整数を示す。]
【0024】これらハイドロジェンポリシロキサンは無
機微粉体の表面に吸着され、容易に焼き付けされ、Si
−H結合は無機微粉体上のOH基やその他の官能基ある
いは他のSi−H結合と反応しSi−O結合を形成し、
アルキル基,アリール基が無機微粉体の外側を向いて配
向したり、2次元または3次元構造をとるので、十分な
疎水化が行なわれる。その一方で、珪素上の一つの置換
基しか配向できなかったり、2次元または3次元構造を
有してくるのでポリシロキサンとしての潤滑効果や離型
効果が薄れてくる。このようなハイドロジェンポリシロ
キサンで処理した無機微粉体を含有するトナーは、十分
な疎水性が与えられ、良好な摩擦帯電性が得られ、現像
性に優れるようになり、高湿下でも良好な現像性を維持
することができるが、ハイドロジェンポリシロキサンの
みでは離型性,潤滑性が不十分で、転写性,クリーニン
グ性,非汚染性に対する効果はあまり大きくない。
【0025】本発明においては、該ポリシロキサンおよ
び該ハイドロジェンポリシロキサンで処理された無機微
粉体を含有することを特徴とし、上述のそれぞれの欠点
を補いかつその長所を得ることができ、現像性と転写性
を両立することができるのみならず、それぞれ単独で得
られる効果よりもさらに良好な結果が得られる。すなわ
ち、該ハイドロジェンポリシロキサンが同時に存在する
ことで該ポリシロキサンはポリシロキサンとしての作用
をより発揮することができるため、離型性,潤滑性がよ
り得られる。また該ポリシロキサンが同時に存在する
と、該ハイドロジェンポリシロキサンとの相互作用によ
りこのポリシロキサンとしての作用を損なわずに、更に
疎水性を上げることができる。
【0026】これらのポリシロキサンは、25℃におけ
る粘度が1〜2,000mm2/sであることが好まし
い。更に好ましくは、5〜1,000mm2/sであ
る。1mm2/s未満では、十分な離型性,潤滑性が得
られないことがあり、2,000mm2/sを超える場
合には無機微粉体処理時に均一に処理しずらくなった
り、凝集物ができやすく十分な流動性が得られないこと
がある。
【0027】本発明においては以下のようなポリシロキ
サンを併用しても良い。そのようなポリシロキサンとし
てはアミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、カ
ルビノール変性、メタクリル変性、メルカプト変性、フ
ェノール変性、異種官能基変性などの反応性ポリシロキ
サン;ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキ
ル変性、脂肪酸変性、アルコキシ変性、フッ素変性など
の非反応性ポリシロキサン類がある。またその他のシラ
ン化合物、シリコーンワニス等の有機珪素化合物、有機
アルミニウム化合物、有機チタン化合物等を併用して処
理されていても良い。
【0028】本発明において無機微粉体100質量部に
対する、それぞれのポリシロキサンの処理量は、1〜4
0質量部であることが好ましく、さらに好ましくは2〜
30質量部である。1質量部未満では、それぞれの処理
効果が現われず、40質量部を超える場合には凝集物を
発生しやすくなる。さらに両者をあわせた処理量が60
質量部以下であることが好ましく、更に好ましくは2〜
50質量部、特に好ましくは4〜40質量部である。6
0質量部を超える場合には、凝集体を発生したり、処理
が不均一になり易くなる。またこの他の処理剤を併用す
る場合にも前述の処理量の範囲内とすることが好まし
い。
【0029】該ポリシロキサンと該ハイドロジェンポリ
シロキサンの処理量比率が1:4〜4:1であることが
好ましく、更には1:3〜3:1であることが好まし
く、特には1:2〜2:1であることが好ましい。この
比で処理されていると表面処理の均一性が得られやす
く、効果的な離型性,潤滑性,非汚染性も得やすく、更
に高い疎水性が得られ現像性に優れる。
【0030】本発明に用いられる無機微粉体としては、
酸化物,複酸化物,金属酸化物,金属,珪素化合物,炭
素,炭素化合物,フラーレン,ホウ素化合物,炭化物,
窒化物,珪化物,セラミックス,カルコゲン化合物が用
いられ、好ましくは金属酸化物である。金属酸化物の中
でもシリカ,アルミナ,チタニア,ジルコニアが特に好
ましい。さらに帯電飽和値が適度でしかも環境による帯
電性が安定しているアルミナ,チタニアが特に好まし
い。
【0031】本発明に用いられるシリカは、珪素ハロゲ
ン化合物の蒸気相酸化(例えば酸素,水素火焔中の熱分
解酸化反応)による乾式法や、珪酸ナトリウム,アルカ
リ土類金属珪酸塩,珪酸塩等の酸,アンモニア,塩類,
アルカリ塩類による分解を用いる湿式法により得られる
シリカが用いられ、結晶型としてはアモルファスのもの
が用いられる。また塩化アルミニウム,塩化チタン,塩
化ゲルマニウム,塩化錫,塩化ジルコニウム,塩化鉛等
の金属ハロゲン化物と珪素ハロゲン化物と共に用いるこ
とによって珪素と他の金属の酸化物の微粉体を得、それ
らを用いることもできる。
【0032】本発明に用いられるチタニアは、硫酸法、
塩素法、揮発性チタン化合物例えばチタンアルコキシ
ド,チタンハライド,チタンアセチルアセトネートの低
温酸化(熱分解,加水分解)により得られるチタニアが
用いられ、結晶系としてはアナターゼ型,ルチル型,こ
れらの混晶型,アモルファスのいずれのものも用いるこ
とができる。
【0033】本発明に用いられるアルミナは、バイヤー
法、改良バイヤー法、エチレンクロルヒドリン法、水中
火花放電法、有機アルミニウム加水分解法、アルミニウ
ムミョウバン熱分解法、アンモニウムアルミニウム炭酸
塩熱分解法、塩化アルミニウムの火焔分解法により得ら
れるアルミナが用いられる。結晶系としてはα,β,
γ,δ,ξ,η,θ,κ,χ,ρ型、これらの混晶型、
アモルファスのいずれのものも用いられ、α,γ,δ,
θ,混晶型,アモルファスのものが好ましく用いられ
る。
【0034】また処理後の無機微粉体の平均粒径が0.
1μm未満であることが好ましく、0.1μm以上では
十分な流動性,均一帯電性が得られず現像性,耐久性に
劣るようになる。ここで平均粒径は10万倍の透過電子
顕微鏡像から任意の一次粒子400個の粒子径を実測
し、個数平均径を出したものである。径は長軸を測定
し、長軸/短軸比が2以上の場合にはその平均値を測定
算出する。
【0035】更に、本発明の無機微粉体はメタノール疎
水化度が50%以上であることが好ましく、更に好まし
くは55%以上であり、特には60%以上である。50
%未満では疎水性が不十分になり始め、この値が低くな
るほど耐湿性に劣るようになり、高湿下の現像性や放置
による現像性の経時劣化を生じるようになってくる。
【0036】メタノール疎水化度は200cm3のビー
カーにイオン交換水50cm3を入れ、試料0.200
gを計り採りそこに入れ、撹拌しながら、ビュレットに
よりメタノールを滴下して行き、液面上に浮いた試料が
完全になくなった点を終点とし、次式から疎水化度を求
める。
【0037】疎水化度(%)={滴定量(cm3)/
[滴定量(cm3)+50(cm3)]}×100
【0038】更に、無機微粉体の含水率が処理後で3.
0質量%以下であることが好ましく、良好な耐湿性が得
られる。含水率が3.0質量%を超える場合には、無機
微粉体の吸湿性が高く、高湿下や長期保存後の現像性が
劣るようになりかぶり等が発生するようになる。また含
水率は2.5質量%以下であることがより好ましく、特
には2.0質量%以下であることが好ましい。
【0039】本発明において含水率は全自動水分測定シ
ステムAQS−624型(平沼産業(株)製)を用いて
測定される。試料は、1gの検体を23℃,60%RH
の環境に12時間放置したものを用い、約0.2gを正
確に秤量したもの(Ag)を測定する。サンプルを20
0℃で加熱し吸着水分を蒸発させ、上記水分計にて20
分間滴定を行ない試料の吸着水分量(Bμg)とレファ
レンスの水分量(Cμg)を求める。含水率は以下の式
で算出される。
【0040】含水率(質量%)=[(B−C)/(A×
1,000,000)]×100
【0041】その他の物性としては、BET1点法によ
る比表面積が15m2 /g以上であることが好ましく、
更に好ましくは20m2/gであり、特に好ましくは2
5m2/g以上である。比表面積が15m2/g未満であ
ると、流動性,離型性に劣るようになり、現像性,転写
性に悪影響を及ぼす。
【0042】また、嵩密度が0.5g/cm3以下であ
ることが好ましく、さらには0.45g/cm3以下で
あることが好ましく、特に好ましくは0.4g/cm3
以下である。嵩密度が0.5g/cm3を超えると流動
性,帯電均一性が劣るようになってきて、現像性不均一
となり、濃度ムラを生じるようになる。
【0043】本発明の無機微粉体の含有量は、トナー1
00質量部に対し0.2〜5.0質量部であることが好
ましく、さらに好ましくは0.3〜4.0質量部であ
り、特に好ましくは0.4〜3.5質量部である。0.
2質量部未満の場合にはその添加効果が小さくなり、
5.0質量部を超える場合には帯電性に環境依存性を生
じやすくなってくる。
【0044】本発明において、比表面積は流動式比表面
積自動測定装置マイクロメリティックスフローソーブI
I 2300型(島津製作所社製)にて測定され、試料
0.2gを窒素30体積%,ヘリウム70体積%の混合
気流を用い、70℃で30分脱ガス処理後測定を行な
う。
【0045】嵩密度はJIS K−5101に準じて行
なう。
【0046】無機微粉体粒子への各種処理剤の処理法と
しては、水系媒体中で処理する方法、有機溶剤中で処理
する方法、気相中で処理する方法などがある。
【0047】水系媒体中で処理する方法は、無機微粉体
を一次粒子となる様に分散し、ポリシロキサンタイプ処
理剤の場合はエマルジョンを利用して処理をし、シラン
化合物タイプの処理剤は加水分解しながら処理をする。
この処理法では、被処理粒子を製造してから乾燥工程を
経ずに、水系ペーストのまま水系媒体中に分散できるの
で、一次粒子に分散し易い反面、処理後、処理粒子が親
油性を示すので、粒子の合一が始まり、凝集体ができや
すい傾向にある。また数種の処理剤で処理する時は同時
に添加しても良いし、順次添加しても良い。
【0048】気相法のなかには、被処理粒子を機械的に
あるいは気流で十分に撹はんしながら、処理剤を滴下ま
たは噴霧して処理をする方法(これを「気相法1」と称
す)がある。この際、反応機を窒素置換したり、50〜
350℃に加熱することも好ましい。また、処理剤の粘
度が高い場合には、アルコール,ケトン,炭化水素等の
溶剤を用いて希釈しても良い。また処理時に反応性を高
めるために、アンモニア,アミン,アルコール,水など
を添加しても良い。この処理法では反応がしっかり行な
われるので、高疎水化と均一性が得られやすい好ましい
方法であるが、未処理の粒子を強く長時間撹はんする
と、粒子の合一化が生じたり、処理の不均一性を生じや
すいので注意が必要である。また数種の処理剤で処理す
る時同時に添加しても良いし、順次添加しても良い。
【0049】気相法のもう一つの方法として、気相法
(塩素法,低温酸化法等)で被処理粒子をキャリアガス
中に生成させた直後に(取り出すことをせずに)処理剤
を、場合によっては溶剤で希釈して、気化,霧化し気相
中で被処理粒子に処理する方法(これを「気相法2」と
称す)がある。この方法では気相法1の利点に加えて、
被処理粒子が合一する前に処理が行なわれるので、凝集
体ができにくく好ましい方法である。
【0050】有機溶剤中で処理する方法は、被処理粒子
を有機溶剤中に分散させ、処理剤により処理し、濾別ま
たは溶剤を溜去してその後乾燥する方法である。凝集物
を減らすために、この後ピンミル,ジェットミル等で解
砕処理をほどこすことも好ましい。乾燥工程は静置下で
も、流動させながらでも良く、50〜350℃程度に加
熱することが好ましく、減圧しても良い。有機溶剤とし
ては、トルエン,キシレン,ヘキサン,アイソパー等の
炭化水素系有機溶剤が好ましく用いられる。分散処理す
る方法としては、かくはん機,振とう機,粉砕機,混合
機,分散機が用いられ、中でもセラミックス,メノウ,
アルミナ,ジルコニア等でできたボール、ビーズ等のメ
ディアを用いた分散機が好ましく用いられる。例えば、
サンドミル,グレンミル,バスケットミル,ボールミ
ル,サンドグラインダー,ビスコミル,ペイントシェイ
カー,アトライター,ダイノミル,パールミルなどがあ
る。特に好ましい処理法としては、被処理粒子を有機溶
剤中に分散させペーストとしてから処理剤を添加して分
散機にかける方法、処理剤を含む有機溶剤の被処理粒子
ペーストを分散機にかける方法、有機溶剤に処理剤と被
処理粒子を加えペーストとしたものを分散機にかける方
法、ペーストを分散機にかけながら処理剤を添加する方
法がある。有機溶剤中で処理する方法は被処理粒子を分
散した状態で処理でき、また処理後も合一が起こりにく
く、凝集体が発生しずらいので好ましい方法である。ま
た数種の処理剤で処理する時はスラリー調製時に同時に
添加しても良いし、順次添加しても良いし、分散機にか
ける時に追加添加しても良い。また数回分散機にかけ、
分散機にかける毎に、予めスラリー中で添加混合あるい
は分散機にかけているときに順次添加しても良い。
【0051】処理方法は上記の四つの方法が利用でき、
処理剤は同時に処理しても良いし、順不同で数段階に分
けて処理しても良い。また複数回に分けて処理する場合
には、どのような処理法の組み合わせであっても良い。
数段階に分けて処理する場合には、ハイドロジェンポリ
シロキサンで処理してからその他のポリシロキサンで処
理する方法が両者の利点をより発揮できるので好ましい
方法である。
【0052】またどの工程を用いても処理後に、ピンミ
ル,ハンマミル,ジェットミル等の粉砕機を利用し解砕
処理をほどこすことも凝集体を減らし本発明の無機微粉
体の効果を十分に発揮するためにも好ましい。
【0053】本発明でトナーの結着樹脂としては、下記
の結着樹脂の使用が可能である。
【0054】例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロル
スチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびそ
の置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共
重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン
−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重
合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ビニルメチルエ−テル共重合体、スチレン−ビニルエチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イ
ソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−イン
デン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニ
ル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹
脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹
脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹
脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビ
ニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹
脂、石油系樹脂などが使用できる。好ましい結着物質と
しては、スチレン系共重合体もしくはポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂があり、特にはポリエステル樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリオール樹脂である。
【0055】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えばアクリル酸、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−
2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル
酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリ
ル、メタクリルニトリル、アクリルアミドなどのような
二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;
例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メ
チル、マレイン酸ジメチルなどのような二重結合を有す
るジカルボン酸およびその置換体;例えば塩化ビニル、
酢酸ビニル、安息香酸ビニルなどのようなビニルエステ
ル類;例えばエチレン、プロピレン、ブチレンなどのよ
うなエチレン系オレフィン類;例えばビニルメチルケト
ン、ビニルヘキシルケトンなどのようなビニルケトン
類;例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテ
ル、ビニルイソブチルエーテルなどのようなビニルエー
テル類;等のビニル単量体が単独もしくは2つ以上用い
られる。
【0056】スチレン系重合体またはスチレン系共重合
体は架橋されていてもよくまた混合樹脂でもかまわな
い。
【0057】結着樹脂の架橋剤としては、主として2個
以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いてもよ
い。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリンな
どのような芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリ
コールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリ
レート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートなど
のような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジ
ビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィ
ド、ジビニルスルホンなどのジビニル化合物;および3
個以上のビニル基を有する化合物;が単独もしくは混合
物として用いられる。
【0058】本発明の無機微粉体は耐湿性に優れるの
で、帯電性において湿度の影響を受け易いポリエステル
樹脂、エポキシ樹脂、ポリオール樹脂を含有するトナー
に好適に用いられる。すなわち、これらの樹脂の弊害を
補い、高湿下における良好な現像性を維持することがで
きる。ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、エポキシ樹
脂は定着性に優れ、特にフルカラートナーにおいては混
色性に優れるので好ましく用いられている。すなわち、
本発明の無機微粉体をポリエステル樹脂、ポリオール樹
脂、エポキシ樹脂を結着樹脂成分として含有しているト
ナーと用いると、定着性と高湿下の現像性、経時におけ
る放置安定性が得られる。更にカラートナーにおいて
は、優れた転写性と混色性が得られえるので、美しいピ
クトリアル画像が得られる。
【0059】また、上述の理由から、スチレン系樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリオール樹脂、エポキシ樹脂の混
合物、更にこれらの樹脂のグラフト共重合体、ブロック
共重合体およびこれらの混合物も好ましく用いられる。
【0060】本発明に用いられるエポキシ樹脂、ポリオ
ール樹脂は以下のようなものである。例えば、骨格とし
てはビスフェノールA型、ハロゲン化ビスフェノールA
型、ビフェニル型、サリゲニン型、スルフォン型、長鎖
ビスフェノール型、レゾルシン型、ビスフェノールF
型、テトラハイドロキシフェニルエタン型、ノボラック
型、アルコール型、ポリグリコール型、ポリオール型、
グリセリントリエーテル型、ポリオレフィン型、エポキ
シ化大豆油、脂環型等のものが用いられ、好ましくはビ
スフェノール型のものが用いられる。さらにこれらのも
のに、硬化剤と反応させたもの、また末端エポキシ基を
活性水素を有する化合物と反応させたもの、フェノール
・多価フェノール類と反応させたもの、アミン類・多価
アミン類と反応させたもの、カルボン酸・多塩基酸・酸
無水物・エステル誘導体・ラクトンと反応させたもの、
ポリアミドと反応させたもの、カルボン酸基を有するオ
リゴマーと反応させたものが好ましく用いられる。さら
に、水酸基をカルボン酸・酸無水物・ラクトン・ラクタ
ムと反応させたものが特に好ましく用いられる。
【0061】活性水素含有化合物としては、例えば次の
ようなものが挙げられる。フェノール類として、フェノ
ール、クレゾール、イソプロピルフェノール、アミノフ
ェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、キ
シレノール、p−クミルフェノール等が挙げられ、2価
フェノール類として、ビスフェノールA、ビスフェノー
ルF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS等が挙げ
られる。カルボン酸として、酢酸、プロピオン酸、カプ
リン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、アクリル酸、オレイン酸、マーガリン酸、
アラギン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
エステル誘導体として、上記カルボン酸のアルキルエス
テルが挙げられ、なかでも低級アルキルエステルが好ま
しく、とくにはメチルエステル、エチルエステル等が好
ましく用いられる。ラクトン類として、β−プロピオラ
クトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン、γ
−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラ
クトン等が挙げられる。アミンとして、メチルアミン、
エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、
ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチ
ルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミ
ン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルア
ミン、テトラデシルアミン、ラウリルアミン、ステアリ
ルアミン等が挙げられる。
【0062】本発明に用いられるポリエステル樹脂の組
成は以下の通りである。
【0063】2価のアルコール成分としては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−
ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また
(A)式で表わされるビスフェノール及びその誘導体;
【0064】
【化6】
【0065】(式中、Rはエチレンまたはプロピレン基
であり、x,yはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、
x+yの平均値は0〜10である。)
【0066】また(B)式で示されるジオール類;
【0067】
【化7】
【0068】(式中、R’は−CH2CH2−又は
【0069】
【化8】
【0070】2価の酸成分としては、例えばフタル酸、
テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベン
ゼンジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエス
テル;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸などのアルキルジカルボン酸類又はその無水物、低級
アルキルエステル;n−ドデセニルコハク酸、n−ドデ
シルコハク酸などのアルケニルコハク酸類もしくはアル
キルコハク酸類、又はその無水物、低級アルキルエステ
ル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸
などの不飽和ジカルボン酸類又はその無水物、低級アル
キルエステル;等のジカルボン酸類及びその誘導体が挙
げられる。
【0071】また、架橋成分としても働く3価以上のア
ルコール成分と3価以上の酸成分を併用することが耐久
性を向上させる上で好ましい。
【0072】3価以上の多価アルコール成分としては、
例えばソルビトール、1,2,6−ヘキサントリオー
ル、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペ
ンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,
2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリ
オール、グリセロール、2−メチルプロパントリオー
ル、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,
5−トリヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
【0073】また、本発明における3価以上の多価カル
ボン酸成分としては、例えばトリメリット酸、ピロメリ
ット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,
2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタ
レントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカル
ボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,
5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル
−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テト
ラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−
オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及び
これらの無水物、低級アルキルエステル;次式
【0074】
【化9】
【0075】(式中、Xは炭素数1以上の側鎖を1個以
上有していても良い炭素数30以下のアルキレン基又は
アルケニレン基)で表わされるテトラカルボン酸等、及
びこれらの無水物、低級アルキルエステル等の多価カル
ボン酸類及びその誘導体が挙げられる。
【0076】本発明に用いられるアルコール成分として
は40〜60mol%、好ましくは45〜55mol
%、酸成分としては60〜40mol%、好ましくは5
5〜45mol%であることが好ましい。
【0077】また3価以上の多価の成分は、全成分中の
1〜60mol%であることも好ましい。
【0078】また、現像性、定着性、耐久性、クリーニ
ング性の点からスチレン系共重合体、ポリエステル樹
脂、ポリオール樹脂、エポキシ樹脂、およびこれらのブ
ロック共重合体、グラフト共重合体あるいはこれら樹脂
の混合物が好ましい。
【0079】スチレン系樹脂およびスチレン系樹脂との
混合物においてはGPCにより測定される分子量分布で
105以上の領域にピークを有することが好ましく、更
に3×103〜5×104の領域にもピークを有すること
が定着性、耐久性の点で好ましい。
【0080】このような樹脂成分は、たとえば以下に示
すような方法を用いて得ることができる。
【0081】溶液重合、塊状重合、懸濁重合、乳化重
合、ブロック共重合、グラフト化などを応用し、分子量
3×103〜5×104の領域にメインピークを有する重
合体(L)と、105以上の領域にメインピークを有す
る重合体あるいはゲル成分を含有する重合体(H)を形
成する。これらの成分を溶融混練時にブレンドすること
によって得ることができる。ゲル成分は溶融混練時に一
部あるいは全部切断することができ、THF可溶分とな
って105以上の領域の成分としてGPCで測定される
ようになる。
【0082】特に好ましい方法としては、重合体(L)
または重合体(H)を溶液重合で形成し、重合終了時
に、他方を溶媒中でブレンドする方法、一方の重合体存
在下で他方の重合体を重合する方法、重合体(H)を懸
濁重合で形成し、この重合体存在下で重合体(L)を溶
液重合で重合して得る方法や溶液重合終了時に溶媒中で
重合体(H)をブレンドする方法、重合体(L)存在下
で、重合体(H)を懸濁重合で重合し得る方法などがあ
る。これらの方法を用いることにより、低分子量分と高
分子量分が均一に混合した重合体が得られる。
【0083】圧力定着方式に供せられるトナー用の結着
樹脂としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプ
ロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−
アクリル酸エステル共重合体、高級脂肪酸、ポリアミド
樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられる。これらは、単独
でまたは混合して用いることができる。
【0084】結着樹脂としてスチレン系共重合体を使用
する時には、良好な定着性,耐ブロッキング性,現像性
を得る為に、以下のようなトナーが好ましい。
【0085】トナーのGPC(ジェルパーメイションク
ロマトグラフィ)による分子量分布において、3×10
3〜5×104の領域、好ましくは3×103〜3×104
の領域、特に好ましくは5×103〜2×104の領域に
少なくともひとつのピーク(P1)が存在することで、
良好な定着性,現像性,耐ブロッキング性を得ることが
できる。3×103未満では、良好な耐ブロッキング性
が得られず、5×104を超える場合には良好な定着性
が得られない。また105以上の領域、好ましくは3×
105〜5×106の領域に少なくともひとつのピーク
(P2)が存在し、3×105〜2×106の領域に105
以上の領域での最大ピークがあることが特に好ましく、
良好な耐高温オフセット性,耐ブロッキング性,現像性
が得られる。このピーク分子量は、大きいほど高温オフ
セットには強くなるが、5×106以上の領域にピーク
が存在する場合には、圧力のかけることのできる熱ロー
ルでは問題ないが、圧力のかけられない時には、弾性が
大きくなり定着性に影響を及ぼすようになる。従って、
中低速機で用いられる比較的圧力の低い加熱定着におい
ては、3×105〜2×106領域にピークが存在し、こ
れが105以上の領域での最大ピークであることが好ま
しい。
【0086】また、105以下の領域の成分を50%以
上、好ましくは60〜90%、特に好ましくは65〜8
5%とする。この範囲内にあることで、良好な定着性と
耐オフセット性が得られる。50%未満では、十分な定
着性が得られないだけでなく粉砕性も劣るようになる。
また90%を超えるような場合には、耐オフセット性,
耐ブロッキング性に対して弱くなる傾向にある。
【0087】ポリエステル系樹脂,エポキシ系樹脂,ポ
リオール系樹脂の使用時には、トナーのGPCによる分
子量分布において分子量3×103〜2.0×104の領
域、好ましくは4×103〜1.7×104の領域、特に
好ましくは5×103〜1.5×104の領域にメインピ
ークが存在することが好ましい。また、磁性トナーに用
いる場合には、1.5×104以上の領域に少なくとも
1つのピークまたショルダーが存在するかあるいは5×
104以上の領域が5%以上であることが好ましく、M
w/Mnが10以上であることも好ましい。
【0088】以上のような分子量分布である時に良好な
現像性,耐ブロッキング性,定着性,耐オフセット性を
得ることができる。
【0089】メインピークが3×103未満である場合
には、耐ブロッキング性,現像性が低下しやすくなる。
メインピークが2.0×104を超える場合には、良好
な定着性が得られなくなる。1.5×104以上の領域
にピーク,ショルダーが存在する場合や5×104以上
の領域が5%以上である場合やMw/Mnが10以上で
ある場合には良好な耐オフセット性を得ることが可能と
なる。
【0090】また、本発明のトナーに用いる結着樹脂は
ガラス転移点(Tg)が50〜70℃であることが好ま
しい。Tgが50℃未満の場合には耐ブロッキング性が
悪化してしまう。またTgが70℃を超える場合には定
着性が悪化する。
【0091】本発明において、トナーのGPCによるク
ロマトグラムの分子量分布は次の条件で測定される。
【0092】すなわち、40℃のヒートチャンバ中でカ
ラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒と
してTHF(テトラハイドロフラン)を毎分1mlの流
速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定
する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分
子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により
作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算
出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料として
は、たとえば、東ソー社製あるいは、昭和電工社製の分
子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10
点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当であ
る。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
なおカラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラム
を複数本組み合わせるのが良く、たとえば昭和電工社製
のshodex GPC KF−801,802,80
3,804,805,806,807,800Pの組み
合わせや、東ソー社製のTSKgelG1000H(H
XL),G2000H(HXL),G3000H(HXL),
G4000H(HXL),G5000H(HXL),G60
00H(HXL),G7000H(HXL),TSKgua
rdcolumnの組み合わせを挙げることができる。
【0093】また、試料は以下のようにして作製する。
【0094】試料をTHF中に入れ、数時間放置した
後、十分振とうしTHFと良く混ぜ(試料の合一体がな
くなるまで)、更に12時間以上静置する。このときT
HF中への放置時間が24時間以上となるようにする。
その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.45
〜0.5μm、たとえば、マイショリディスクH−25
−5 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマ
ン サイエンス ジャパン社製などが利用できる)を通
過させたものを、GPCの試料とする。また試料濃度
は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整
する。
【0095】ガラス転移点の測定方法は、ASTM D
3418−82に準じて行う。本発明に用いられるDS
C曲線は、1回昇温、降温させ前履歴を取った後、温度
速度10℃/minで、昇温させた時に測定されるDS
C曲線を用いる。定義は次のように定める。
【0096】ガラス転移点(Tg) 昇温時のDSC曲線において比熱変化の現われる前後の
ベースラインの中間点を結ぶ線とDSC曲線の交点の温
度。
【0097】また、定着時の定着部材からの離型性の向
上,定着性の向上の点から、次のようなワックス類をト
ナー中に含有させても良い。
【0098】パラフィンワックス及びその誘導体、モン
タンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワ
ックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワック
ス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘
導体、カルナバワックス及びその誘導体などで、誘導体
には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合
物、グラフト変性物を含む。その他、アルコール、脂肪
酸、酸アミド、エステル、ケトン、硬化ひまし油及びそ
の誘導体、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワ
ックス、ペトロラクタム等も利用できる。
【0099】中でも好ましく用いられるワックスは、オ
レフィンを高圧下でラジカル重合あるいはチーグラー触
媒を用いて重合した低分子量のポリオレフィン及びこの
時の副生成物、高分子量のポリオレフィンを熱分解して
得られる低分子量のポリオレフィン、一酸化炭素、水素
からなる合成ガスから触媒を用いて得られる炭化水素の
蒸留残分、あるいはこれらを水素添加して得られる合成
炭化水素などから得られるワックスが用いられ、酸化防
止剤が添加されていてもよい。あるいは、アルコール、
脂肪酸、酸アミド、エステルあるいは、モンタン系誘導
体である。また、脂肪酸等の不純物を予め除去してある
ものも好ましい。
【0100】本発明のトナーに使用し得る着色剤として
は、任意の適当な顔料又は染料が挙げられる。例えば顔
料としてカーボンブラック、アニリンブラック、アセチ
レンブラック、ナフトールイエロー、ハンザイエロー、
ローダミンレーキ、アリザリンレーキ、ベンガラ、フタ
ロシアニンブルー、インダンスレンブルーがある。これ
らは定着画像の光学濃度を維持するのに必要充分な量が
用いられ、好ましくは樹脂100質量部に対し0.1〜
20質量部、より好ましくは0.2〜10質量部の添加
量が良い。
【0101】染料としては、アゾ系染料,アントラキノ
ン系染料,キサンテン系染料,メチン系染料があり塩基
性染料,油溶性染料が適している。結着樹脂100質量
部に対して0.1質量部〜20質量部、好ましくは0.
3質量部〜10質量部の添加量が良い。
【0102】具体的な染料としては、C.I.ダイレク
トレッド1、4;C.I.アシッドレッド1;C.I.
ベーシックレッド1、3b、12;C.I.モーダント
レッド3;C.I.ソルベントレッド4、52、10
9;C.I.ダイレクトブルー1、2;アシッドブルー
9、15;ベーシックブルー3、5;モーダントブルー
7等が挙げられる。
【0103】具体的な顔料としては、有彩色顔料のうち
親油性の高い有機顔料が好ましく、例えば、ナフトール
イエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエロー
NCG、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレ
ンジG、ベンジジンオレンジG、パーマネントレッド4
R、ウォッチングレッドカルシウム塩、ブリリアントカ
ーミン38、ファーストバイオレットB、メチルバイオ
レットレーキ、フタロシアニンブルー、ファーストスカ
イブルー、インダスレンブルーBC等が挙げられる。
【0104】好ましくは、ポリ縮合アゾ系顔料,不溶性
アゾ系顔料,キナクリドン系顔料,イソインドリノン系
顔料,ペリレン系顔料,アントラキノン系顔料,銅フタ
ロシアニン系顔料等の高耐候性顔料が良い。
【0105】マゼンタ用着色顔料としては、C.I.ピ
グメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,
10,11,12,13,14,15,16,17,1
8,19,20,21,22,23,30,31,3
2,37,38,39,40,41,48,49,5
0,51,52,53,54,55,57,58,6
0,63,64,68,81,83,87,88,8
9,90,112,114,122,123,163,
202,206,207,209;C.I.ピグメント
バイオレット19;C.I.バッドレッド1,2,1
0,13,15,23,29,35等が挙げられる。
【0106】イエロー着色顔料としては、C.I.ピグ
メントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,1
1,12,13,14,15,16,17,23,6
5,73,83,97,173,180;C.I.バッ
ドイエロー1,3,20等が挙げられる。
【0107】シアン用着色顔料としては、C.I.ピグ
メントブルー2,3,14,15,16,17;C.
I.バッドブルー6;C.I.アシッドブルー45また
は下記一般式(C)で示される構造を有するフタロシア
ニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅
フタロシアニン顔料等が挙げられる。
【0108】
【化10】
【0109】フルカラートナーの着色剤として用いる場
合にはその含有量としては、OHPシートの透過性のた
め結着樹脂100質量部に対して15質量部以下が好ま
しく、より好ましくは0.5〜10質量部である。15
質量部を超えると、混合色であるレッド,グリーン,ブ
ルーの再現性が低下し、人間の肌色の再現性も低下して
くる。0.5質量部未満では、目的とする着色力が得ら
れにくく、高画像濃度の高品位画像が得られにくい。
【0110】黒色の着色剤としては、カーボンブラッ
ク、黒色を呈する金属酸化物、染顔料を混色させたもの
などが好ましく用いられる。これらの着色剤は、結着樹
脂100質量部に対し、0.1〜15質量部、好ましく
は1〜10質量部で用いられる。
【0111】また着色剤に磁性を有するものを用いれ
ば、磁性材料としての役割をかねさせることもでき、磁
性トナーとしても使用しうる。このような着色剤として
の磁性粉は、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトの
酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこ
れらの金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネ
シウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマ
ス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタ
ン、タングステン、バナジウムのような金属の合金及び
その混合物が用いられ、磁性酸化鉄の表面あるいは内部
にSi,Al,Mg等の金属イオンの酸化物、含水酸化
物、水酸化物等の化合物を含むものが好ましく用いられ
る。特にケイ素元素を含有する磁性酸化鉄が好ましく、
その含有率が磁性粉を基準として0.1〜3質量%であ
ることが好ましい。更に好ましくは0.15〜3質量%
であり、特に好ましくは0.2〜2.0質量%である。
【0112】磁性粉の形状としては、6面体,8面体,
10面体,12面体,14面体などの多面体、針状,鱗
片状,球形,不定形のものなどが用いられる。
【0113】磁性粉の窒素ガス吸着法によるBET比表
面積としては、1m2/g〜40m2/g、さらには2m
2/g〜30m2/gのものが好ましく、さらには、3m
2/g〜20m2/gのものが好ましい。
【0114】磁性粉の飽和磁化としては、796kA/
mの磁場で、5〜200Am2/kg、さらには10〜
150Am2/kgの範囲のものが好ましい。
【0115】磁性粉の残留磁化としては、796kA/
mの磁場で、1〜100Am2/kg、さらには1〜7
0Am2/kgが好ましい。
【0116】磁性粉の平均粒子径としては、2.0μm
以下、好ましくは0.03〜1.0μm、さらに好まし
くは0.05〜0.6μm、さらに好ましくは0.1〜
0.4μmのものが良い。
【0117】磁性粉をトナー中に含有させる量として
は、結着樹脂100質量部に対し10〜200質量部、
好ましくは20〜170質量部、特に好ましくは30〜
150質量部である。
【0118】以上のような着色剤を用いて本発明のトナ
ーは一成分系現像剤又は二成分系現像剤として用いられ
る。
【0119】本発明のトナーに適切な帯電量をトナーに
与えるため、次の荷電制御剤を添加することも好まし
く、他の構成材料ごとによって、添加する化合物の種
類,添加量によってその程度をコントロールすることが
できる。
【0120】トナーを正荷電性に制御するものとして下
記の物質がある。
【0121】ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変成
物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ
−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウ
ムテトラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩、
及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム
塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及
びこれらのレーキ顔料、(レーキ化剤としては、りんタ
ングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモ
リブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェ
リシアン化物、フェロシアン化物など)、高級脂肪酸の
金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキ
サイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオル
ガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチ
ルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどの
ジオルガノスズボレート類;グアニジン化合物、イミダ
ゾール化合物。これらを単独で或いは2種類以上組合せ
て用いることができる。これらの中でも、トリフェニル
メタン化合物、カウンターイオンがハロゲンでない四級
アンモニウム塩が好ましく用いられる。また一般式
(D)
【0122】
【化11】 で表わされるモノマーの単重合体:前述したスチレン、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの如き重合
性モノマーとの共重合体を正荷電性制御剤として用いる
ことができる。この場合これらの荷電制御剤は、結着樹
脂(の全部または一部)としての作用をも有する。
【0123】トナーを負荷電性に制御するものとして下
記物質がある。
【0124】例えば有機金属錯体、キレート化合物が有
効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯
体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボ
ン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシ
カルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金
属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノ
ール誘導体類などがある。
【0125】また次に示した一般式(E)で表わされる
アゾ系金属錯体が好ましい。
【0126】
【化12】
【0127】特に中心金属としてはFe,Crが好まし
く、置換基としてはハロゲン,アルキル基,アニリド基
が好ましく、カウンターイオンとしては水素,アルカリ
金属,アンモニウム,脂肪族アンモニウムが好ましい。
またカウンターイオンの異なる錯塩の混合物も好ましく
用いられる。
【0128】あるいは次の一般式(F)に示した塩基性
有機酸金属錯体も負帯電性を与えるものであり、本発明
に使用できる。
【0129】
【化13】
【0130】特に中心金属としてはFe,Cr,Si,
Zn,Alが好ましく、置換基としてはアルキル基,ア
ニリド基,アリール基,ハロゲンが好ましく、カウンタ
ーイオンは水素,アンモニウム,脂肪族アンモニウムが
好ましい。
【0131】電荷制御剤をトナーに含有させる方法とし
ては、トナー内部に添加する方法と外添する方法があ
る。これらの電荷制御剤の使用量としては、結着樹脂の
種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造
方法によって決定されるもので、一義的に限定されるも
のではないが、好ましくは結着樹脂100質量部に対し
て0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量
部の範囲で用いられる。また、外添する場合は、樹脂1
00質量部に対し0.01〜10質量部が好ましく、特
に、メカノケミカル的にトナー粒子表面に固着させるの
が好ましい。
【0132】本発明に係るトナーを製造するにあたって
は、上述した様なトナー構成材料をボールミルやヘンシ
ェルミキサー、その他の混合機により充分混合した後、
熱ロールニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を
用いて良く混練し、混練物を冷却固化後、機械的な粉
砕、粉砕物の分級によってトナーを得る方法が好まし
い。他には、結着樹脂の溶液中に構成材料を分散した
後、噴霧乾燥することによりトナーを得る方法;結着樹
脂を構成すべき単量体に所定の材料を混合して乳化懸濁
液とした後に、重合させてトナーを得る重合法によるト
ナーの製造法がある。本発明に係るトナーは、コア材及
びシェル材から成るマイクロカプセルトナーであっても
良い。
【0133】本発明のトナーは、以上のようなトナーに
本発明の特徴とする無機微粉体をヘンシェルミキサーの
如き混合機により充分混合して得ることができる。
【0134】更に必要に応じ以下の添加剤を添加しても
良い。
【0135】現像性,耐久性を向上させるために次の無
機粉体を添加することもできる。マグネシウム、亜鉛、
アルミニウム、セリウム、コバルト、鉄、ジルコニウ
ム、クロム、マンガン、ストロンチウム、錫、アンチモ
ンなどの金属酸化物;チタン酸カルシウム、チタン酸マ
グネシウム、チタン酸ストロンチウムなどの複合金属酸
化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アルミ
ニウム等の金属塩;カオリンなどの粘土鉱物;アパタイ
トなどリン酸化合物;シリカ、炭化ケイ素、窒化ケイ素
などのケイ素化合物;カーボンブラックやグラファイト
などの炭素粉末が挙げられる。なかでも、酸化亜鉛、酸
化アルミニウム、酸化コバルト、二酸化マンガン、チタ
ン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウムなどが好ま
しい。
【0136】同様の目的で、以下の有機粒子や複合粒子
を添加することもできる。ポリアミド樹脂粒子、シリコ
ーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子、ウレタン粒子、メ
ラミン−ホルムアルデヒド粒子、アクリル樹脂粒子など
の樹脂粒子;ゴム、ワックス、脂肪酸系化合物、樹脂等
と金属、金属酸化物、塩、カーボンブラック等の無機粒
子とからなる複合粒子が挙げられる。
【0137】更に次のような滑剤粉末を添加することも
できる。テフロン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素
樹脂;フッ化カーボンなどのフッ素化合物;ステアリン
酸亜鉛等の脂肪酸金属塩;脂肪酸、脂肪酸エステル等の
脂肪酸誘導体;硫化モリブデン、アミノ酸およびアミノ
酸誘導体が挙げられる。
【0138】本発明のトナーを二成分系現像剤として用
いる場合には、キャリアと混合して用いられ、トナーと
キャリアの混合比は、トナー濃度として0.1〜50質
量%で用いられ、好ましくは0.5〜20質量%、より
好ましくは3〜10質量%である。
【0139】このキャリアコア材料としては、例えば表
面酸化又は未酸化の鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜
鉛、マンガン、クロム希土類の金属、それらの合金、化
合物、酸化物、磁性フェライトなどが用いられる。なか
でもフェライトキャリアを98質量%以上含有するもの
が好ましく用いられる。キャリアの製造方法として特別
な制約はない。コア材の表面を樹脂等で被覆したコート
キャリアは特に好ましい。被覆する方法としては、樹脂
等の被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて被覆液
を調製し、該被覆液をキャリア粒子表面に塗布しキャリ
ア粒子表面に付着せしめる方法、単にキャリア粒子と被
覆粉体を乾式混合する方法等、従来公知の方法が適用で
きる。
【0140】コートキャリアの被覆用に用いられる結着
樹脂としては、スチレン、クロルスチレン等のスチレン
類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等
のモノオレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル;アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メ
チレン脂肪族モノカルボン酸エステル、ビニルメチルエ
ーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル
等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキ
シルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケ
トン類の単独重合体あるいは共重合体などが挙げられ、
特に代表的な結着樹脂としては、導電性微粒子の分散性
やコート層としての製膜性,トナースペント防止,生産
性という点などから、ポリスチレン、スチレン−アクリ
ル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無
水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン
が挙げられる。更にポリカーボネート、フェノール樹
脂、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリ
オレフィン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド
等が挙げられる。特にスペント防止という観点から、臨
界表面張力の小さい樹脂、例えばポリオレフィン、フッ
素樹脂、シリコーン樹脂等を含んでいることがより望ま
しい。
【0141】なおブレンド量は、全バインダー量に対す
るフッ素系樹脂またはポリオレフィン系樹脂またはシリ
コーン系樹脂の割合は、1.0〜60質量%が適当であ
り、特に2.0〜40質量%が望ましい。含有量が1.
0質量%未満であると、表面改質効果が十分でなく、ト
ナースペントに効果がない。一方60質量%を超える
と、両者が均一に分散されにくいため、体積抵抗値に部
分的なムラが生じ、帯電特性が悪くなるためである。
【0142】なおキャリアの被覆用結着樹脂として用い
られるフッ素樹脂としては、例えばフッ化ビニル、フッ
化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフロ
オロエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、テトラフ
ルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等と他のモ
ノマーとの溶剤可溶性の共重合体が挙げられる。
【0143】またキャリアの被覆用結着樹脂として用い
られるシリコーン樹脂としては、例えば信越シリコーン
社製KR271、KR282、KR311、KR25
5、KR155(ストレートシリコーンワニス)、KR
211、KR212、KR216、KR213、KR2
17、KR9218(変性用シリコーンワニス)、SA
−4、KR206、KR5206(シリコーンアルキッ
ドワニス)、ES1001、ES1001N、ES10
02T、ES1004(シリコーンエポキシワニス)、
KR9706(シリコーンアクリルワニス)、KR52
03、KR5221(シリコーンポリエステルワニス)
や東レシリコーン社製のSR2100、SR2101、
SR2107、SR2110、SR2108、SR21
09、SR2400、SR2410、SR2411、S
H805、SH806A、SH840等が用いられる。
【0144】上記の材料の使用量は、適宜決定すれば良
いが、一般的には総量でキャリアに対し0.1〜30質
量%(好ましくは0.5〜20質量%)が好ましい。
【0145】キャリアの平均粒径は20〜100μm、
好ましくは25〜70μm、より好ましくは25〜65
μmを有することが好ましい。
【0146】特に好ましいキャリアとしては、Cu−Z
n−Fe〔組成重量比(5〜20):(5〜20):
(30〜80)〕の3元系のフェライト粒子であり、そ
の表面をフッ素系樹脂又はスチレン系樹脂又はシリコー
ン樹脂又はそれらの混合樹脂で被覆したものが挙げられ
る。例えば混合樹脂としてポリフッ化ビニリデンとスチ
レン−メチルメタアクリレート樹脂;ポリテトラフルオ
ロエチレンとスチレン−メチルメタアクリレート樹脂;
フッ素系共重合体とスチレン系共重合体;等を90:1
0〜20:80、好ましくは70:30〜30:70の
重量比率の混合物が挙げられる。コーティング剤を0.
01〜5質量%、好ましくは0.1〜1質量%コーティ
ングし、250メッシュをパスし350メッシュにオン
するキャリア粒子が70質量%以上ある上記平均粒径を
有するコート磁性フェライトキャリアが好ましいキャリ
アとして挙げられる。該フッ素系共重合体としてはフッ
化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体(1
0:90〜90:10)が例示され、スチレン系共重合
体としてはスチレン−アクリル酸2−エチルヘキシル共
重合体(20:80〜80:20)、スチレン−アクリ
ル酸2−エチルヘキシン−メタクリル酸メチル共重合体
(20〜60:5〜30:10〜50)が例示される。
【0147】粒度分布のシャープな上記コート磁性フェ
ライトキャリアは、本発明のトナーに対し、好ましい摩
擦帯電を付与し、さらに電子写真特性を向上させる効果
がある。
【0148】本発明のトナーとキャリアとを混合して二
成分現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中の
トナー濃度として、1質量%〜15質量%、好ましくは
2質量%〜13質量%にすると通常良好な結果が得られ
る。トナー濃度が1質量%未満では画像濃度が低くな
り、15質量%を超えるとカブリや機内飛散を増加せし
め、現像剤の耐用寿命を短縮しがちである。
【0149】本発明のトナーを用いる帯電・転写工程で
は、コロナ帯電器を用いる潜像保持体とは非接触である
方式とローラー,ブレード等を用いる接触型の方式があ
り、いずれのものも用いられる。効率的な均一帯電,シ
ンプル化,低オゾン発生化のために接触方式のものが好
ましく用いられる。本発明のトナーは、これらの中でも
接触方式のもので特に効果が顕著である。
【0150】更に、該接触帯電・転写方式を有する画像
形成方法の一例について、図1の概略構成図を基に説明
する。
【0151】101は回転ドラム型の静電潜像保持体
(以下、感光体と記す)であり、該感光体101はアル
ミニウム等の導電性基層101bと、その外面に形成し
た光導電層102aとを基本構成層とするものであり、
図面上時計方向に所定の周速度(プロセススピード)で
回転される。
【0152】112,113はクリーニング部材で帯電
ローラー,転写ローラーをクリーニングしている。
【0153】102は帯電ローラーであり、中心の芯金
102bとその外周を形成した導電性弾性層とを基本構
成とするものである。帯電ローラー102は、感光体1
01面に押圧力をもって圧接され、感光体101の回転
に伴い従動回転する。103は帯電ローラー102に電
圧を印加するための帯電バイアス電流V2であり、帯電
ローラー102にバイアスが印加されることで感光体1
01の表面が所定の極性・電位に帯電される。次いで画
像露光104によって静電荷像が形成され、現像手段1
05によりトナー画像として順次可視化されていく。
【0154】現像手段105を構成する現像スリーブに
は、バイアス印加手段113よりバイアスV1が印加さ
れる。現像により潜像保持体上に形成されたトナー像は
当接転写手段106により転写材108に静電転写さ
れ、転写材上のトナー像は、加熱加圧手段111により
加熱加圧定着される。
【0155】当接転写手段106には転写バイアスV3
が印加されている。
【0156】この様な接触帯電・転写方式を有する画像
形成装置では、コロナ帯電及びコロナ転写と比べて、比
較的低電圧のバイアスで感光体の均一な帯電と十分な転
写が可能となるため、放電器自体の小型化、オゾン等の
コロナ放電生成物の抑制の点で優れている。
【0157】この他の手段としては、図2に示す帯電ブ
レードを用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法があ
る。これらの接触帯電手段は、高電圧が不必要になった
り、オゾンの発生が低減するといった効果がある反面、
部材が直接感光体に接触するがゆえにトナー融着という
弊害が生じやすいので、具体的な接触帯電手段として用
いた場合本発明のトナーは最適である。本発明は、適用
される接触帯電手段がどんな方法で、どんな作用効果を
有するかといったことを限定するものではなく、部材を
直接感光体に接触させて帯電させる方法であればすべて
本発明に適用可能である。
【0158】帯電ローラーを用いた時の好ましいプロセ
ス条件としては、ローラーの当接圧が0.5〜50kg
/mで、直流電圧に交流電圧を重畳したものを用いた時
には、交流電圧=0.5〜5kVpp、交流周波数=5
0〜5kHz、直流電圧=±0.2〜±1.5kVであ
り、直流電圧を用いた時には、直流電圧=±0.2〜±
5kVである。
【0159】帯電ローラー及び帯電ブレードの材質とし
ては、導電性ゴムが好ましく、その表面に離型性被膜を
設けても良い。離型性被膜としては、ナイロン系樹脂、
PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC(ポリ塩
化ビニリデン)などが適用可能である。
【0160】図1においては、106は転写ローラーで
あり、中心の芯金106bとその外周を形成した導電性
弾性層106aとを基本構成とするものである。転写ロ
ーラー106は、感光体101面に押圧力をもって圧接
され、感光体101の周速度と等速度或は周速度に差を
つけて回転させる。転写材108は感光体101と転写
ローラー106との間に搬送されると同時に、転写ロー
ラー106にトナーと逆極性のバイアスを転写バイアス
電流107から印加することによって感光体101上の
トナー画像が転写材108の表面側に転写される。
【0161】本発明に適用可能な転写用回転体の材質と
しては、帯電ローラーと同様のものも用いることがで
き、好ましい転写のプロセス条件としては、ローラーの
当接圧が0.5〜50kg/mで、直流電圧が±0.2
〜±10kVである。
【0162】次いで転写材108は、ハロゲンヒータを
内蔵させた加熱ローラー111aとこれと押圧力をもっ
て圧接された弾性体の加圧ローラー111bとを基本構
成とする定着器111へ搬送され、111aと111b
間を通過することによってトナー像が定着される。ま
た、フィルムを介してヒータにより定着する方法を用い
てもよい。また、圧力定着に用いる現像剤を用いて圧力
定着してもよい。トナー画像転写後の感光体101面で
は転写残りトナー等の付着汚染物質を、感光体101に
カウンター方向に圧接した弾性クリーニングブレードを
具備したクリーニング装置で清浄面化され、更に除電露
光装置110により除電されて、繰り返して作像され
る。
【0163】接触型の転写装置としては、図3に見られ
るような転写ローラー或いは図4に見られるような転写
ベルトあるいは転写ドラム等が挙げられる。
【0164】図3は、典型的なこの種の画像形成装置の
要部の概略側面図であって、図示の装置は、紙面に垂直
方向にのび、矢印A方向に回転する円筒状の潜像保持体
(以下感光体という)301、これに当接する導電性転
写ローラー302が配設してある。
【0165】転写ローラー302は、芯金302aと導
電性弾性層302bからなり、導電性弾性層302bは
カーボン等の導電材を分散させたウレタン、エチレン−
プロピレン−ジエン系三元共重合体(EPDM)等の体
積抵抗106〜1010Ωcm程度の弾性体でつくられて
いる。芯金302aには定電圧電源308によりバイア
スが印加されている。バイアス条件としては、±0.2
〜±10kVが好ましい。
【0166】図4は本発明を転写ベルトに適用したもの
である。転写ベルト409は導電ローラー410により
支持駆動される。転写装置の加圧は通常、芯金402a
若しくは410の芯金の端部軸受を加圧する事により行
なわれる。
【0167】また、帯電器の感光体への当接圧力として
は、線圧として0.1kg/m以上(好ましくは0.1
〜30kg/m、特に好ましくは0.3〜10kg/
m)に設定するのが好ましい。
【0168】線圧については、次式で算定する。 (線圧)[kg/m]=(転写部材に加えられる総圧)
[kg]÷(当接されている長さ)[m]
【0169】当接圧が0.1kg/m未満であると転写
部材の搬送ブレ、転写電流不足による転写不良が起り好
ましくない。本発明のトナーは、転写ローラーが感光体
と等速度で回転する系において特に転写性,転写中抜け
において効果が顕著である。
【0170】帯電ローラー,帯電ブレードを用いる際、
本発明のトナーは離型性,潤滑性に富み、これらの部材
を汚染することがなく帯電ムラによる異常画像を生ずる
こともない。付着しても脱離しやすいので感光体を傷付
けたり、必要以上に削ることもない。
【0171】また感光体からの離型性に優れているので
転写性に優れ、転写効率を向上させることができるとと
もに転写中抜けという現象も防止できる。特に転写ロー
ラー,転写ベルト,転写ドラム等の接触転写系において
特にその効果は著しい。
【0172】更にその転写性が優れているので転写電
流,転写電圧を小さくしても良好な転写性が得られるの
で、感光体のダメージも小さく高寿命化が可能である。
【0173】また本発明では、トナー粒子が接触帯電部
材表面、接触転写部材表面及び感光体表面に直接に付着
させづらくすると共に該トナー粒子のそれらの表面に対
する離型性を向上させてトナーの固着自体を防止し、更
に、トナー粒子が接触帯電部材表面、接触転写部材表面
及び感光体表面に付着しても、トナー粒子の潤滑性,離
型性によってトナー付着位置が該接触帯電部材、接触転
写部材及び感光体内又はその間で常に移動し、同じ位置
にとどまることがないためにトナー粒子が固着するまで
に至らず、さらに、該接触帯電部材及び接触転写部材に
クリーニング部材を当接した場合、その離型性によって
接触帯電部材表面,接触転写部材表面に付着したトナー
粒子のクリーニング性が十分に向上される。
【0174】クリーニング方式としては、ブレードクリ
ーニングが好ましい。ブレードクリーニングはウレタン
ゴム、シリコーンゴム、弾性を有する樹脂をブレードと
して、あるいは金属等のブレードの先端にチップ状の樹
脂を保持させたものを、感光体の移動方向に対して順方
向または逆方向に当接あるいは圧接させたものとして知
られている。好ましくは、ブレードを感光体の移動方向
に対して逆方向に圧接させるのがよい。この時、感光体
に対するブレードに当接圧は、線圧で0.5kg/m以
上が好ましく、より好ましくは、1〜5kg/mであ
る。更に、ブレードクリーニング法にマグブラシクリー
ニング法、ファーブラシクリーニング法、ローラークリ
ーニング法等を組み合わせても良い。
【0175】本発明のトナーは適度な摩擦が得られる上
に離型性,潤滑性に優れているので、ブレードクリーニ
ングによって良好なクリーニング性を示すばかりか、感
光体にブレードを当接させても傷が付きにくく削れにく
い。一方で融着やフィルミング等も発生しにくい。
【0176】本発明のトナーは、現像工程においては、
磁性一成分現像方法,非磁性一成分現像方法などの一成
分現像方法やトナーとキャリアからなる二成分現像方法
が用いられる。
【0177】本発明のトナーは、帯電が迅速であり、帯
電性が安定し、均一帯電しているため、現像器内のトナ
ーの搬送性に優れ、摩擦帯電付与部材の表面積が小さく
ても帯電の立ち上がりが早く、迅速に帯電量が均一化さ
れる。したがって、静電潜像保持体上の潜像を、一成分
トナーを担持するトナー担持体上の一成分トナーで現像
する画像形成方法において、トナー担持体上の一成分ト
ナーの層厚を薄層に規制する規制部材を有する現像方法
を用いる画像形成方法に好ましく用いられるトナーであ
る。とくに磁気力が期待できず、トナー担持体上へのト
ナー供給が困難であり、摩擦帯電付与能力の小さい非磁
性一成分現像方法においてその効果は絶大である。
【0178】すなわち本発明のトナーは、一成分現像方
法においても優れた現像性,耐久性,環境安定性が得ら
れ、かぶりがなく濃度の高い鮮やかな画像が得られる。
高湿下の放置や耐久時においても、かぶったり濃度低下
することがない。また均一なべた,ハーフトーン画像が
得られ、階調性がなめらかに再現され、グラデーション
の美しいグラフィック画像が得られる。
【0179】更に、本発明のトナーは、融着しずらく、
規制部位への供給がスムーズであり、トナー消費に十分
なトナーを供給でき、摩擦も減少できトルクを小さくで
きるので、規制部材が弾性部材の押圧によって薄層化す
る画像形成方法にも好ましく用いられる。
【0180】上記の現像方法の磁性一成分現像方法につ
いて図5をもとに説明する。
【0181】図5において、現像スリーブ90の略右半
周面はトナー容器91内のトナー溜りに常時接触してい
て、その現像スリーブ面近傍のトナーが現像スリーブ面
にスリーブ内の磁気発生手段92の磁力で及び/又は静
電気力により付着保持される。現像スリーブ90が回転
駆動されるとそのスリーブ面の磁性トナー層がドクター
ブレード93の位置を通過する過程で各部略均一厚さの
薄層磁性トナーT1として整層化される。磁性トナーの
帯電は主として現像スリーブ90の回転に伴なうスリー
ブ面とその近傍のトナー溜りの磁性トナーとの摩擦接触
によりなされ、現像スリーブ90上の上記磁性トナー薄
層面は現像スリーブの回転に伴ない潜像保持体94側へ
回転し、潜像保持体94と現像スリーブ90の最接近部
である現像領域部Aを通過する。この通過過程で現像ス
リーブ90面側の磁性トナー薄層の磁性トナーが潜像保
持体94と現像スリーブ90間に印加した直流と交流電
圧による直流と交流電界により飛翔し、現像領域部Aの
潜像保持体94面と、現像スリーブ90面との間(間隙
α)を往復運動する。最終的には現像スリーブ90側の
磁性トナーが潜像保持体94面の表面に潜像の電位パタ
ーンに応じて選択的に移行付着してトナー像T2が順次
に形成される。
【0182】現像領域部Aを通過して、磁性トナーが選
択的に消費された現像スリーブ面はホッパ91のトナー
溜りへ再回転することにより磁性トナーの再供給を受
け、現像領域部Aへ現像スリーブ90の磁性トナー薄層
1面が移送され、繰り返し現像工程が行われる。
【0183】本発明に用いられるドクターブレードは、
スリーブと一定の間隙をおいて配置される金属ブレー
ド、磁性ブレード(例えば、図5に示される93)が用
いられる。
【0184】トナー薄層化規制部材としてドクターブレ
ードの代りに、金属,樹脂,セラミックなどを用いた剛
体ローラーやスリーブを用いても良く、内部に磁気発生
手段を入れても良い。
【0185】また磁性一成分現像方法,非磁性一成分現
像方法においては、ドクターブレードとしてスリーブ表
面に弾性力で当接する弾性ブレードが用いられる。トナ
ー薄層化規制部材としてドクターブレードの代わりに弾
性体ローラーを用いても良い。本発明のトナーは、規制
部材が弾性力を持ってトナー担持体に当接することによ
ってトナー薄層コート化を行なう現像方法に特に好まし
く用いられる。
【0186】弾性ブレード,弾性ローラーとしては、シ
リコーンゴム、ウレタンゴム、NBRの如きゴム弾性
体;ポリエチレンテレフタレートの如き合成樹脂弾性
体;ステンレス、鋼の如き金属弾性体が使用できる。ま
た、それらの複合体であっても使用できる。好ましく
は、ゴム弾性体が良い。
【0187】また、弾性ブレード,弾性ローラーの材質
は、トナー担持体上のトナーの帯電に大きく関与する。
そのため、弾性体中に、有機物、無機物を添加しても良
く、溶融混合させても良いし、分散させても良い。例え
ば、金属酸化物、金属粉、セラミックス、炭素同素体、
ウィスカー、無機繊維、染料、顔料、界面活性剤などが
ある。更に、ゴム、合成樹脂、金属弾性体に、トナーの
帯電性をコントロールする目的で、樹脂、ゴム、金属酸
化物、金属などの物質をスリーブ当接部分に当たるよう
につけたものを用いても良い。弾性体、トナー担持体に
耐久性が要求される場合には、金属弾性体に樹脂、ゴム
をスリーブ当接部に当たるように貼り合わせるものが好
ましい。
【0188】トナーが負帯電性である場合には、ウレタ
ンゴム、ウレタン樹脂、ポリアミド、ナイロンや正極性
に帯電し易いものが好ましい。トナーが正帯電性である
場合には、ウレタンゴム、ウレタン樹脂、シリコーンゴ
ム、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂
(例えば、テフロン樹脂)、ポリイミド樹脂や負極性に
帯電し易いものが好ましい。スリーブ当接部分が樹脂、
ゴム等の成型体の場合はトナーの帯電性を調整するため
にその中に、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化錫、酸
化ジルコニア、酸化亜鉛等の金属酸化物、カーボンブラ
ック、一般にトナーに用いられる荷電制御剤等を含有さ
せることも好ましい。
【0189】弾性ブレード上辺部側である基部は現像剤
容器側に固定保持され、下辺部側をブレードの弾性に抗
して現像スリーブの順方向或いは逆方向にたわめ状態に
してブレード内面側(逆方向の場合には外面側)をスリ
ーブ表面に適度の弾性押圧をもって当接させる。画像形
成装置の例を図6に示す。この様な装置によると、環境
の変動に対してもより安定に薄く、緻密なトナー層が得
られる。その理由は必ずしも明確ではないが、通常用い
られる金属製のブレードをスリーブからある間隙を隔て
て取り付けた装置と比較してトナー粒子が弾性ブレード
によってスリーブ表面と強制的に摩擦されるためトナー
の環境変化による挙動の変化に関係なく常に同じ状態で
帯電が行われるためと推測される。
【0190】その一方で帯電が過剰になり易すく、スリ
ーブ,ブレード上のトナーが融着し易すいが、本発明の
トナーは摩擦帯電性が安定しているので好ましく用いら
れる。
【0191】磁性一成分現像方法の場合、ブレードとス
リーブとの当接圧力は、スリーブ母線方向の線圧とし
て、0.1kg/m以上、好ましくは0.3〜25kg
/m、更に好ましくは0.5〜12kg/mが有効であ
る。当接圧力が0.1kg/mより小さい場合、トナー
の均一塗布が困難となり、トナーの帯電量分布がブロー
ドになりカブリや飛散の原因となる。また当接圧力が2
5kg/mを超えると、現像剤に大きな圧力がかかり、
現像剤が劣化するため、現像剤の凝集が発生するなど好
ましくない。また現像剤担持体を駆動させるために大き
なトルクを要するため好ましくない。
【0192】潜像保持体とトナー担持体との間隙αは、
例えば50〜500μmに設定され、ドクターブレード
として、磁性ブレードを用いる場合には、磁性ブレード
とトナー担持体との間隙は、50〜400μmに設定さ
れることが好ましい。
【0193】トナー担持体上の磁性トナー層の層厚は、
潜像保持体とトナー担持体との間隙αよりも薄いことが
最も好ましいが、場合により磁性トナー層を構成する磁
性トナーの多数の穂のうち、一部は潜像保持体に接する
程度に磁性トナー層の層厚を規制してもよい。
【0194】またスリーブは、潜像保持体に対し、10
0〜200%の周速で回転される。交番バイアス電圧
は、ピークトゥーピークで0.1kV以上、好ましくは
0.2〜3.0kV、更に好ましくは0.3〜2.0k
Vで用いるのが良い。交番バイアス周波数は、1.0〜
5.0kHz、好ましくは1.0〜3.0kHz、更に
好ましくは1.5〜3.0kHzで用いられる。交番バ
イアス波形は、矩形波、サイン波、のこぎり波、三角波
等の波形が適用できる。また、正、逆の電圧、時間の異
なる非対称交流バイアスも利用できる。また直流バイア
スを重畳するのも好ましい。
【0195】本発明において、スリーブは、金属,セラ
ミックスなどの材質のものが用いられるが、アルミニウ
ム,SUSなどが、トナーへの帯電性から好ましい。ス
リーブは引き抜きあるいは切削したままでも用いられる
ことができるが、トナーの搬送性、摩擦帯電付与性を制
御するため、研磨したり、周方向あるいは長手方向に粗
しを入れたり、ブラスト処理を施したり、コーティング
などが行われる。本発明においては、ブラスト処理を施
すことも良く、定形粒子、不定形粒子がブラスト剤とし
て用いられ、各々単独及び併用されて用いられ、重ね打
ちしたものも利用できる。
【0196】不定形粒子としては任意の砥粒を使用する
ことができる。
【0197】定形粒子としては、例えば、特定の粒径を
有するステンレス,アルミニウム,鋼鉄,ニッケル,真
ちゅうの如き金属からなる各種剛体球またはセラミッ
ク,プラスチック,グラスビーズの如き各種剛体球を使
用することができる。定形粒子としては、実質的に表面
が曲面からなり、長径/短径の比が1〜2(好ましく
は、1〜1.5、更に好ましくは1〜1.2)の球状ま
たは回転楕円体粒子が好ましい。従って、現像スリーブ
表面にブラスト処理に使用する定形粒子は、直径(また
は長径)が20〜250μmのものが良い。重ね打ちす
る場合には、定形ブラスト粒子が不定形ブラスト粒子よ
り大きいことが好ましく、特に1〜20倍であることが
好ましく、更に好ましくは1.5〜9倍である。
【0198】定形粒子による重ね打ち処理を行う際には
処理時間、処理粒子の衝突力の少なくとも一つを不定形
粒子ブラストのものよりも小さくすることが好ましい。
【0199】また、現像スリーブとしては、スリーブ表
面に、導電性微粒子を含有する被覆層が形成されている
ものも好ましい。導電性微粒子としてはカーボン微粒
子、またはカーボン微粒子と結晶性グラファイト、また
は結晶性グラファイトが好ましい。
【0200】本発明に使用される結晶性グラファイト
は、大別すると天然黒鉛と人造黒鉛とに分けられる。人
造黒鉛は、ピッチコークスをタールピッチ等により固め
て1,200℃位で一度焼成してから黒鉛化炉に入れ,
2,300℃位の高温で処理することにより、炭素の結
晶が成長して黒鉛に変化する。天然黒鉛は、永い間天然
の地熱と地下の高圧によって完全に黒鉛化したものが地
中より産出するものである。これらの黒鉛は、種々の優
れた性質を有していることから工業的に広い用途をもっ
ている。黒鉛は、暗灰色ないし黒色の光沢のある非常に
柔らかい滑性のある結晶鉱物で、鉛筆等に利用されその
他耐熱性、化学的安定性があるため潤滑剤、耐火性材
料、電気材料等に粉末や固体や塗料の形で利用されてい
る。結晶構造は六方晶とその他に菱面晶系に属するもの
があり、完全な層状構造を有している。電気的特性に関
しては、炭素と炭素の結合の間に自由電子が存在し、電
気の良導体となっている。なお、本発明で使用する黒鉛
は天然、人工のどちらでも良い。
【0201】また、本発明に使用する黒鉛は、粒径的に
は0.5μm〜20μmのものが好ましい。
【0202】また、被覆層を形成する高分子材料は、例
えば、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエーテルス
ルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオ
キサイド樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、繊維素系
樹脂、アクリル系樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹
脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、シリ
コーン樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂あるいは
光硬化性樹脂等を使用することができる。中でもシリコ
ーン樹脂、フッ素樹脂のような離型性のあるもの、ある
いはポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリフ
ェニレンオキサイド、ポリアミド、フェノール樹脂、ポ
リエステル、ポリウレタン、スチレン系樹脂のような機
械的性質に優れたものがより好ましい。
【0203】導電性のアモルファスカーボンは、一般的
には「炭化水素または炭素を含む化合物を空気の供給が
不十分な状態で燃焼または熱分解させてできる結晶子の
集合体」と定義されている。特に電気伝導性に優れ、高
分子材料に充填して導電性を付与したり、添加量のコン
トロールである程度任意の導電度を得ることができるた
め広く普及している。なお、本発明で使用する導電性の
アモルファスカーボンの粒子径は10mμ〜80mμの
ものが好ましく、15mμ〜40mμのものがより好ま
しい。
【0204】次に本発明のトナーを使用して非磁性一成
分現像を行なう場合の現像方法の一例を説明するが、必
ずしもこれに限定されるものではない。図7に、潜像保
持体上に形成された静電像を現像する装置を示す。70
8は潜像保持体であり、潜像形成は図示しない電子写真
プロセス手段又は静電記録手段により成される。709
は現像スリーブであり、アルミニウムあるいはステンレ
ス等からなる非磁性スリーブからなる。
【0205】現像スリーブはアルミニウム、ステンレス
の粗管をそのまま用いてもよいが、好ましくはその表面
をガラスビーズ等を吹きつけて均一に荒したものや、鏡
面処理したもの、あるいは樹脂等でコートしたものがよ
く、磁性一成分現像方法に使用されるものに準ずる。
【0206】トナー700はホッパー701に貯蔵され
ており、供給ローラー702によって現像剤担持体上へ
供給される。供給ローラーはポリウレタンフォーム等の
発泡材より成っており、トナー担持体に対して、順また
は逆方向に0でない相対速度をもって回転し、トナー供
給とともに、トナー担持体上の現像後のトナー(未現像
トナー)のはぎ取りも行っている。トナー担持体上に供
給されたトナーはトナー塗布ブレード703によって均
一かつ薄層に塗布される。
【0207】トナー塗布ブレードとトナー担持体との当
接圧力は、スリーブ母線方向の線圧として、0.3〜2
5kg/m、好ましくは0.5〜12kg/mが有効で
ある。当接圧力が0.3kg/mより小さい場合、トナ
ーの均一塗布が困難となり、トナーの帯電量分布がブロ
ードになりカブリや飛散の原因となる。また当接圧力が
25kg/mを超えると、トナーに大きな圧力がかか
り、トナーが劣化するため、トナーの凝集が発生するな
ど好ましくない。またトナー担持体を駆動させるために
大きなトルクを要するため好ましくない。即ち、当接圧
力を0.3〜25kg/mに調整することで、本発明の
トナーの凝集を効果的にほぐすことが可能になり、また
トナーの帯電量を瞬時に立ち上げることが可能になる。
【0208】トナー薄層化規制部材は、磁性一成分現像
方法に使用されるものに準ずる。弾性ブレード,弾性ロ
ーラーは、所望の極性にトナーを帯電するのに適した摩
擦帯電系列の材質のものを用いることが好ましく、磁性
一成分現像方法に使用されるものに準ずる。本発明にお
いては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、スチレン−ブ
タジエンゴムなどが好適である。さらに、ポリアミド、
ポリイミド、ナイロン、メラミン、メラミン架橋ナイロ
ン、フェノール樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、
ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン系樹脂等の
有機樹脂層を設けても良い。また導電性ゴム、導電性樹
脂等を使用、また磁性一成分現像法に使用されるものに
準じて金属酸化物、カーボンブラック、無機ウイスカ
ー、無機繊維等のフィラーや荷電制御剤をブレードのゴ
ム中,樹脂中に分散するなど適度の導電性、帯電付与性
を与え、トナーを適度に帯電させることができて好まし
い。
【0209】なお、本発明で提案した、ブレードにより
現像スリーブ上にトナーを薄層コートする系において
は、十分な画像濃度を得るために、現像スリーブ上のト
ナー層の厚さを現像スリーブと潜像保持体との対抗空隙
長よりも小さくし、この空隙に交番電場を印加すること
が好ましい。すなわち図7に示すバイアス電源704に
より、現像スリーブ709と潜像保持体708との間に
交番電場または交番電場に直流電場を重畳した現像バイ
アスを印加することにより、現像スリーブ上から潜像保
持体上へのトナーの移動を容易にし、更に良質の画像を
得ることができる。これらの条件も磁性一成分現像方法
に準ずる。
【0210】本発明のトナーは離型性が良く、転写性に
優れているので、潜像保持体上に形成されたトナー像を
記録材あるいは中間転写体に転写する画像形成方法にお
いて、記録材上あるいは中間転写体上に複数の潜像保持
体上のトナー像を多重転写する画像形成方法に好ましく
用いられる。
【0211】また、潜像保持体上あるいは中間転写体上
に形成されたトナー像を記録材に転写する画像形成方法
において、該潜像保持体上あるいは中間転写体上に複数
のトナーにより形成された多重トナー像を記録材に一括
転写する画像形成方法にも好ましく用いられる。
【0212】また本発明のトナーは非凝集性,均一帯電
性に優れているので、微小潜像を忠実に再現することが
でき、デジタル潜像を美しく現像することができる。特
にフルカラー画像においてはハイライト部の再現,微小
な色差の再現に優れており、質感溢れた、なめらかで、
みずみずしい、ピクトリアルなフルカラー画像が得られ
るので、グラフィック画像,ライン文字画像も美しく得
られることができ、デジタルフルカラー複写機・プリン
ター等に好適に用いることができる。
【0213】上記の多重転写方法について、フルカラー
電子写真方法を例にして図8をもとに説明する。
【0214】感光ドラム1上に適当な手段で形成された
静電潜像は、矢印の方向へ回転する回転現像ユニット2
に取り付けられた現像器2−1中に第1のカラートナー
及びキャリアを有する現像剤により可視化される。感光
ドラム上のカラートナー画像は、グリッパー7によって
転写ドラム6上に保持されている転写材Sに、転写帯電
器8により転写される。
【0215】転写帯電器には、コロナ帯電器,接触帯電
器が利用され、転写帯電器8にコロナ帯電器が使われる
場合には、−10kV〜+10kVの電圧が印加され、
転写電流は−500μA〜+500μAである。転写ド
ラム6の外周面には保持部材が張設され、この保持部材
はポリフッ化ビニリデン樹脂フィルムやポリエチレンテ
レフタレート等のフィルム状誘電体シートによって構成
される。例えば、厚さ100μm〜200μm,体積抵
抗1012〜1014Ω・cmのシートが用いられる。
【0216】次に2色目として回転現像ユニットが回転
し、現像器2−2が感光ドラム1に対向する。そして現
像器2−2中の第2のカラートナー及びキャリアを有す
る現像剤により現像され、このカラートナー画像も前記
と同一の転写材上に重ねて転写される。
【0217】更に3色目、4色目も同様に行なわれる。
このように転写ドラム6は転写材を把持したまま所定回
数だけ回転し所定色数のトナー像が多重転写される。静
電転写するための転写電流は、一色目<二色目<三色目
<四色目の順に高めることが感光ドラム上に残る転写残
留トナーを少なくするために好ましい。
【0218】一方、転写電流を高くすると、転写画像を
乱すので好ましくない。ところが本発明のトナーは転写
性に優れているので、多重転写する際の二色目、三色
目、四色目もしっかりと転写することができる。したが
って、何色目の画像もきちんと形成され、めりはりの利
いた多色画像が得られる。更に、フルカラー画像におい
ては、色再現に優れた美しい画像が得られる。しかも転
写電流をそれほど高める必要もなくなるので転写工程に
おける画像の乱れを少なくすることができる。また転写
材を転写ドラム6から分離する際に、分離帯電器9によ
り除電するが、転写電流が大きいと、転写材の転写ドラ
ムへの静電吸着が大きくなり、分離する際の電流を大き
くしないと分離できなくなる。そうすると、転写電流と
は逆極性であるので、トナー像の乱れや転写材上からの
トナーの飛散を生じ、画像形成装置機内を汚してしま
う。本発明のトナーは転写が容易であるので、分離電流
を大きくせずとも良く、分離を容易にすることができ、
結果として分離時の画像の乱れや、トナー飛散を防止す
ることができる。したがって本発明のトナーは、多重転
写工程を有する多色画像、フルカラー画像を形成する画
像形成方法に好ましく用いられる。
【0219】多重転写された転写材は、分離帯電器9に
より転写ドラム6より分離され、シリコーンオイルを含
浸しているウェッブを有する加熱加圧ローラー定着器1
0で定着され、定着時に加色混合されることにより、フ
ルカラー複写画像となる。
【0220】現像器2−1〜2−4に供給される補給ト
ナーは各色ごとに具備した補給ホッパーより、補給信号
に基づいた一定量をトナー搬送ケーブルを経由して、回
転現像ユニット2の中心にあるトナー補給筒に搬送さ
れ、各現像器に送られる。
【0221】前述の多重現像一括転写方法について、フ
ルカラー電子写真法プリンターを例にして図9をもとに
説明する。
【0222】感光ドラム21上に帯電器22とレーザー
光を用いた露光部23で形成された静電潜像は現像器2
4,25,26,27により順次トナーを現像して可視
化される。現像プロセスにおいては、非接触現像方法が
好ましく用いられる。非接触現像方法によれば現像器中
の現像剤層が像形成体の表面を擦ることがないので、2
回目以降の現像工程において先行の現像工程で形成され
た像を乱すことなく現像を行なうことができる。現像す
る順は、多色の場合は黒以外の色で、明度,彩度の高い
色から現像するのが好ましい。フルカラーの場合は、イ
エロー、ついでマゼンタあるいはシアンのどちらか、つ
いでマゼンタあるいはシアンの残った方、最後に黒の順
で現像することが好ましい。
【0223】感光ドラム上に形成された多色多重画像,
フルカラー画像は転写ローラー29により転写材Sに転
写される。転写工程においては、静電転写法が好ましく
用いられ、コロナ放電,接触転写方法が利用される。転
写材を介しコロナ放電を生じさせる転写帯電器を像に対
向するように配置し、転写材の背面からコロナ放電を作
用させ静電的に転写する方法である。もう一つは、転写
材を介し、転写ローラー、転写ベルトを像形成体に接触
させてローラーにバイアスを印加させるか、ベルトの背
面から静電的に転写する方法である。この静電転写方法
により像形成体の表面に担持された多色トナー像が一括
して転写材に転写される。このような一括転写方式で
は、転写するトナー量が多いので、転写残量が多くな
り、転写むらが発生しやすくなり、フルカラー画像にお
いては色むらを生じやすくなる。
【0224】しかしながら本発明のトナーは転写性に優
れており、多色画像においてはどの色もきちんと形成さ
れる。フルカラー画像においては色再現性に優れた美し
い画像が得られる。また低電流でも転写効率が良いの
で、転写時における画像の乱れを少なくすることができ
る。更に、分離も容易になるので、分離時の画像の乱れ
トナー飛散も低減できる。また離型性にも優れるので接
触転写手段においても良好な転写性を示す。したがっ
て、本発明のトナーは、多重現像一括転写工程を有する
画像形成方法にも好ましく用いられる。
【0225】多色トナー像が一括転写された転写材は、
感光ドラム21から分離され熱ローラー定着器32で定
着されることにより多色画像となる。
【0226】更に、中間転写体を用いた画像形成方法を
図10をもとに説明する。感光ドラム41に対抗し接触
回転する帯電ローラー42により感光ドラム41上に表
面電位を持たせ露光手段43により潜像を形成する。潜
像は現像器44,45,46,47により現像されトナ
ー像が形成される。該トナー像は一色ごとに中間転写体
48上に多重転写され多重トナー像が形成される。中間
転写体48はドラム状のものが用いられ、外周面に保持
部材を張設したもの、基材上に導電付与部材、例えばカ
ーボンブラック,酸化亜鉛,酸化錫,炭化珪素,酸化チ
タン等を十分分散させた弾性層(例えばニトリルブタジ
エンラバー)を有するものが用いられる。またベルト状
の中間転写体を用いても良い。中間転写体の硬度は10
〜50度(JIS K−6301)の弾性層から構成さ
れることや、転写ベルトの場合では転写材への転写部で
この硬度を有する弾性層を持つ支持部材で構成されてい
ることが好ましい。感光ドラム41から中間転写体48
への転写は、電源49より中間転写体48の芯金55上
にバイアスを付与することで転写電流が得られトナー像
の転写が行なわれる。保持部材、ベルトの背面からのコ
ロナ放電やローラー帯電を利用しても良い。中間転写体
48上のトナー像は転写手段51により転写材S上に一
括転写される。転写手段はコロナ帯電器や転写ローラ
ー、転写ベルトを用いた接触静電転写手段が用いられ
る。このような画像形成方法においても、前述の二つの
方法における効果が得られるので好ましく用いられる。
【0227】また、複数色の画像を画像形成部にて形成
し、これを同一転写材に順次重ねて転写するようにした
画像形成方法を図11をもとに説明する。
【0228】カラー画像を得るための多色電子写真方式
によるカラー電子写真装置では、複数個の画像形成ユニ
ットを備え、各画像形成ユニットにてそれぞれ色の異な
る可視画像(トナー像)を形成し、該トナー像を同一転
写材に順次重ねて転写するような画像形成方法がある。
【0229】この画像形成方法いには、例えば、図11
に示される構成のものがある。ここでは、第1,第2,
第3および第4の画像形成部Pa,Pb,Pc,Pdが並設
されており、該画像形成部はそれぞれ専用の像担持体、
いわゆる感光ドラム61a,61b,61cおよび61d
具備している。
【0230】感光ドラム61aないし61dはその外周側
に潜像形成部62a,62b,62cおよび62d、現像部
63a,63b,63cおよび63d、転写用放電部6
a,64b,64cおよび64d、ならびにクリーニング
部65a,65b,65cおよび65dが配置されている。
【0231】このような構成にて、先ず、第1画像形成
部Paの感光ドラム61a上に潜像形成部62aによって
原稿画像における、例えばイエロー成分色の潜像が形成
される。該潜像は現像部63aのイエロートナーを有す
る現像剤で可視画像とされ、転写部64aにて、転写材
Sに転写される。
【0232】一方、上記のようにイエロー画像が転写材
Sに転写されている間に、第2画像形成部Pbではマゼ
ンタ成分色の潜像が感光ドラム61b上に形成され、続
いて現像部63bでマゼンタトナーを有する現像剤で可
視画像とされる。この可視画像(マゼンタトナー像)
は、上記の第1画像形成部Paでの転写が終了した転写
材Sが転写部64bに搬入されたときに、該転写材Sの
所定位置に重ねて転写される。
【0233】以下、上記と同様な方法により第3,第4
の画像形成部Pc,Pdによってシアン色,ブラック色の
画像形成が行なわれ、上記同一の転写材に、シアン色,
ブラック色を重ねて転写するのである。このような画像
形成プロセスが終了したならば、転写材Sは定着部67
に搬送され、転写材上の画像を定着する。これによって
転写材S上には多色画像が得られるのである。一方、転
写が終了した各感光ドラム61a,61b,61cおよび
61dはクリーニング部65a,65b,65cおよび65
dにより残留トナーを除去され、引き続き行なわれる次
の潜像形成のために供せられる。
【0234】なお、上記画像形成装置では、転写材Sの
搬送のために、搬送ベルト68が用いられており、図1
1において、転写材6は右側から左側への搬送され、そ
の搬送過程で、各画像形成部Pa,Pb,PcおよびPd
おける各転写部64a,64b,64cおよび64dを通過
し、転写をうける。
【0235】この画像形成方法において、転写材を搬送
する搬送手段として加工の容易性及び耐久性などの観点
からテトロン繊維のメッシュを用いた搬送ベルトおよび
ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリイミド系樹
脂、ウレタン系樹脂などの薄い誘電体シートを用いた搬
送ベルトが利用される。
【0236】転写材Sが第4画像形成部Pdを通過する
と、AC電圧が除電器69に加えられ、転写材Sは除電
され、ベルト68から分離され、その後、定着器67に
入り、画像定着され、排出口70から排出される。
【0237】なお、この画像形成方法では、その画像形
成部にそれぞれ独立した像担持体を具備しており、転写
材はベルト式の搬送手段で、順次、各像担持体の転写部
へ送られるように構成してもよい。
【0238】また、この画像形成方法では、その画像形
成部に共通する像担持体を具備してなり、転写材は、ド
ラム式の搬送手段で、像担持体の転写部へ繰返し送られ
て、各色の転写をうけるように構成してもよい。
【0239】しかしながら、この搬送ベルトでは、体積
抵抗が高いため、カラー画像形成装置におけるように、
数回の転写を繰り返す過程で、搬送ベルトが帯電量を増
加させて行く。このため、各転写の都度、転写電流を順
次増加させないと、均一な転写を維持できない。
【0240】本発明トナーは転写性が優れているので、
転写を繰返す毎に搬送手段の帯電が増しても、同じ転写
電流で各転写におけるトナーの転写性を均一化でき、良
質な高品位画像が得られることになる。
【0241】
【実施例】以下、具体的実施例によって本発明を説明す
るが、本発明はなんらこれらに限定されるものではな
い。本発明に用いられるトナーの構成材料より説明し、
はじめに無機微粉体について述べる。
【0242】処理無機微粉体の製造例 実施例に用いられる被処理微粉体粒子を表1に示す。
【0243】
【表1】
【0244】処理法は以下の方法により行なった。
【0245】有機溶剤法(溶剤法) 容器中にトルエン1kgと被処理微粉体粒子200gを
入れ、ミキサーにより撹はんしてスラリーとし、ここに
処方量の処理剤を添加し、更にミキサーで十分に撹はん
した。このスラリーをジルコニアボールをメディアとす
るサンドミルに30分間かけた。
【0246】スラリーをサンドミルから取り出し、60
℃で減圧しながらトルエンを除去した後、ステンレス容
器中で撹はんしながら200〜300℃で2時間乾燥し
た。ここで得られた粉体をハンマミルにて解砕処理を
し、処理無機微粉体を得た。
【0247】気相法1(気1法) 密閉型高速撹はんミキサーに被処理微粉体粒子20gを
入れ、窒素置換した。穏やかに撹はんしながら処理剤
を、必要に応じて適当量のn−ヘキサンで希釈して噴霧
し、更に被処理粒子180gを添加すると同時に残りの
処方量の処理剤を噴霧し、添加終了後室温で10分間撹
はんした後、高速撹はんしながら加熱し200〜300
℃に昇温させて1時間撹はんした。撹はんしながら室温
に戻し、ミキサーから粉体を取り出し、ハンマミルにて
解砕処理をし、処理無機微粉体を得た。
【0248】気相法2(気2法) 揮発性チタン化合物(例えばチタンテトライソプロポキ
サイド)を蒸発器中で200℃で窒素雰囲気下で気化さ
せた。水を蒸発器中で窒素雰囲気下で気化させ、500
℃に加熱した加熱器に導入した。気化させたチタン化合
物と加熱水蒸気を250℃に加熱した反応器に導入し加
水分解すると酸化チタン粒子が得られた。ここで、処方
量の処理剤を200℃に加熱した蒸発器中窒素雰囲気下
で気化させるかあるいは200℃で窒素雰囲気下で霧化
させ反応容器中に導入した。反応器中への導入は酸化チ
タン生成後に処理剤と混合するように導入した。以上の
操作を窒素気流下で行ない、処理粒子はフィルターにて
回収した。
【0249】実施例に用いられる処理無機微粉体の製
法、処方を表2に示し、物性を表3に示す。処理剤・希
釈剤の処理量は被処理微粉体粒子100質量部に対する
質量部である。
【0250】
【表2】
【0251】
【表3】
【0252】結着樹脂の製造例 ポリエステル樹脂1 テレフタル酸 6.0mol n−ドデセニル無水琥珀酸 3.0mol ビスフェノールAプロピレンオキサイド2.2モル付加物 10.0mol 無水トリメリット酸 0.7mol ジブチルチンオキサイド 0.1g
【0253】上記化合物を反応器に入れ、温度計,撹は
ん棒,コンデンサー,窒素導入管を取り付け、窒素置換
した後、撹はんしながら徐々に昇温し、180℃で5時
間反応させ、次いで200℃に昇温し、減圧(15 h
Pa)して、4時間反応させて脱水縮合させ、反応を終
了し、ポリエステル樹脂1を得た。このポリエステル樹
脂は、ピーク分子量10,700、ガラス転移点63℃
であった。
【0254】 ポリエステル樹脂2 テレフタル酸 9.5mol ビスフェノールAエチレンオキサイド2.2モル付加物 5.0mol シクロヘキサンジメタノール 5.0mol ジブチルチンオキサイド 1.0g
【0255】上記化合物を反応器に入れ、温度計,撹は
ん棒,コンデンサー,窒素導入管を取り付け、窒素置換
した後、撹はんしながら徐々に昇温し、240℃で6時
間反応させた。次いで減圧(15 hPa)し、2時間
反応させ脱水縮合させ、反応を終了し、ポリエステル樹
脂2を得た。
【0256】このポリエステル樹脂は、ピーク分子量
9,100、ガラス転移点62℃であった。
【0257】 エポキシ樹脂3 ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂 2000g (ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの縮合物でエポキシ当量188、 粘度13,000mPa・s/25℃) ビスフェノールA 937g p−クミルフェノール 559g キシレン 400g
【0258】上記化合物を反応器に入れ、温度計,撹は
ん棒,コンデンサー,窒素導入管を取り付け、窒素置換
した後、撹はんしながら徐々に70℃まで昇温させ、塩
化リチウム分0.64gの5N水溶液を加え、170℃
に昇温させ、減圧しながらキシレン,水を留去し減圧を
解除し、6時間反応させた。ここにε−カプロラクトン
184gを加え、6時間反応させ変性エポキシポリオー
ル樹脂(エポキシ樹脂3)を得た。
【0259】このポリオール樹脂は、ピーク分子量7,
600、ガラス転移点60℃であった。
【0260】 スチレン系樹脂4 スチレン 1600g ブチルアクリレート 400g 2,2−ビス(4,4−ジ−t− ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン 4g
【0261】上記化合物より、懸濁重合法により重合体
Aを得た。
【0262】 スチレン 2550g ブチルアクリレート 450g ジ−t−ブチルパーオキサイド 60g
【0263】上記化合物より、キシレンを溶媒とした溶
液重合法により重合体Bを得、重合体Aと重合体Bを2
5:75の質量比になるように溶液混合し、スチレン系
樹脂4を得た。このスチレン系樹脂は、ピーク分子量が
9,400と720,000であり、ガラス転移点が6
0℃であった。
【0264】分級品(トナー粒子)の製造例 分級品1 ポリエステル樹脂1 100質量部 銅フタロシアニンフタルイミド誘導体顔料 5質量部 ジ−t−ブチルサリチル酸クロム錯体 4質量部
【0265】上記の原材料をヘンシェルミキサで前混合
したのち、130℃に設定した二軸押し出し機によって
溶融混練した。混練物を冷却後、ジェット気流を用いた
粉砕機によって微粉砕し、風力分級機を用いて分級し、
重量平均径8μmのシアン分級品(シアントナー粒子)
1を得た。
【0266】また顔料をC.I.Pigment Re
d 122 5質量部、C.I.Pigment Ye
llow 17 3.5質量部、カーボンブラック5質
量部に変更する以外は同様にしてマゼンタ分級品(マゼ
ンタトナー粒子)1、イエロー分級品(イエロートナー
粒子)1、ブラック分級品(ブラックトナー粒子)1を
得た。
【0267】 分級品2 ポリエステル樹脂2 100質量部 C.I. Pigment Blue 15:3 5質量部 ジ−t−ブチルサリチル酸クロム錯体 4質量部
【0268】上記の原材料をヘンシェルミキサで前混合
したのち、130℃に設定した二軸押し出し機によって
溶融混練した。混練物を冷却後、ジェット気流を用いた
粉砕機によって微粉砕し、風力分級機を用いて分級し、
重量平均径8μmのシアン分級品(シアントナー粒子)
2を得た。
【0269】また顔料をC.I.Pigment Re
d 57:1 5質量部、C.I.Pigment Ye
llow 17 3.5質量部、カーボンブラック5質量
部に変更する以外は同様にしてマゼンタ分級品(マゼン
タトナー粒子)2、イエロー分級品(イエロートナー粒
子)2、ブラック分級品(ブラックトナー粒子)2を得
た。
【0270】 分級品3 エポキシ樹脂3 100質量部 C.I. Pigment Blue 15:3 5質量部 ジ−t−ブチルサリチル酸クロム錯体 4質量部
【0271】上記の原材料をヘンシェルミキサで前混合
したのち、130℃に設定した二軸押し出し機によって
溶融混練した。混練物を冷却後、ジェット気流を用いた
粉砕機によって微粉砕し、風力分級機を用いて分級し、
重量平均径8μmシアン分級品(シアントナー粒子)3
を得た。
【0272】また顔料をC.I.Pigment Re
d 122 5質量部、C.I.Pigment Ye
llow 83 5質量部、カーボンブラック5質量部
に変更する以外は同様にしてマゼンタ分級品(マゼンタ
トナー粒子)3、イエロー分級品(イエロートナー粒
子)3、ブラック分級品(ブラックトナー粒子)3を得
た。
【0273】 分級品4 スチレン系樹脂4 100質量部 銅フタロシアニンフタルイミド誘導体顔料 5質量部 4級アンモニウム塩 1質量部 低分子量エチレンプロピレン共重合体 3質量部
【0274】上記の原材料をヘンシェルミキサで前混合
したのち、130℃に設定した二軸押し出し機によって
溶融混練した。混練物を冷却後、ジェット気流を用いた
粉砕機によって微粉砕し、風力分級機を用いて分級し、
重量平均径8μmシアン分級品(シアントナー粒子)4
を得た。
【0275】また顔料をC.I.Pigment Re
d 57:1 5質量部、C.I.Pigment Y
ellow 97 5質量部、カーボンブラック5質量
部に変更する以外は同様にしてマゼンタ分級品(マゼン
タトナー粒子)4、イエロー分級品(イエロートナー粒
子)4、ブラック分級品(ブラックトナー粒子)4を得
た。
【0276】 分級品5 スチレン系樹脂4 100質量部 マグネタイト(磁性酸化鉄) 80質量部 ジ−t−ブチルサリチル酸クロム錯体 2質量部 低分子量エチレンプロピレン共重合体 3質量部
【0277】上記の原材料をヘンシェルミキサで前混合
したのち、130℃に設定した二軸押し出し機によって
溶融混練した。混練物を冷却後、ジェット気流を用いた
粉砕機によって微粉砕し、風力分級機を用いて分級し、
重量平均径8μmブラック分級品(ブラックトナー粒
子)5を得た。
【0278】トナーおよび現像剤の製造例 分級品(トナー粒子)100質量部に対し、表4に示す
処方で、ヘンシェルミキサで十分撹はんし、本発明の無
機微粉体を外添混合しトナーを得た。
【0279】一成分トナーとして用いる場合には、この
まま用い、二成分トナーとして用いる場合は以下のよう
な現像剤とした。
【0280】シアントナー1,マゼンタトナー1,イエ
ロートナー1,ブラックトナー1は、シリコーン樹脂を
0.45質量%コーティングしたCu−Zn−Fe系フ
ェライトキャリアとトナー濃度5質量%になるように混
合し現像剤とした。
【0281】シアントナー11,マゼンタトナー2,イ
エロートナー2,ブラックトナー2は、スチレン−メタ
クリル酸ブチル共重合体(質量比80:20)を0.3
5質量%とシリコーン樹脂を0.15質量%コーティン
グしたCu−Zn−Fe系フェライトキャリアとトナー
濃度7質量%になるように混合し現像剤とした。
【0282】シアントナー12,マゼンタトナー3,イ
エロートナー3,ブラックトナー3は、スチレン−メタ
クリル酸メチル共重合体(質量比65:35)を2.5
質量%コーティングしたCu−Fe系フェライトキャリ
アとトナー濃度7質量%になるように混合し現像剤とし
た。
【0283】
【表4】
【0284】参考例1 シアントナー1を図8の構成を有する市販のデジタルフ
ルカラー電子写真複写機(カラーレーザーコピア550
キヤノン株式会社製)にて、23℃,60%RH下で
5,000枚の耐刷試験を行なった。この際、現像器は
一成分現像ができるように改造した。具体的には、ドク
ターブレードを厚さ150μmのリン青銅板の弾性板に
厚さ1mmのウレタンゴムをはり、表面に厚さ20μm
のナイロン樹脂層を設けた弾性ブレードに換え、スリー
ブに線圧4kg/mで当接するように設置した。また供
給ローラーとしてウレタン系発泡ゴムローラーを用い、
現像スリーブは内部からマグネットを取り除き、スリー
ブ表面を#600のガラスビーズでブラストしたものに
変更した。一次帯電の接触帯電部材として帯電ローラー
を用い、中心の芯金とその外周をカーボンブラックを含
むエピクロルヒドリンゴムで形成した導電性弾性層とを
基本構成としている。帯電ローラーは感光ドラム面に線
圧4kg/mの押圧力をもって圧接され、感光ドラムの
回転に伴ない従動回転する。更に帯電ローラーには、ク
リーニング部材としてフェルトパッドが当接されてい
る。
【0285】濃度はマクベス濃度計RD918型(マク
ベス社製)でSPIフィルターを使用して反射濃度測定
を行ない、5mm丸の画像を測定し画像濃度とした。
【0286】画像上のかぶりは反射濃度計(リフレクト
メーター モデルTC−6DS(東京電色社製)を用い
て行ない、画像形成後の白地部反射濃度最悪値をDs、
画像形成前の転写材の反射平均濃度をDrとし、Ds−
Drをかぶり量としてかぶりの評価を行なった。この値
が1%以下の場合はかぶりが非常に良好なレベルであ
り、1.5%以下であれば実質的にかぶりの良好な画像
であり、2%以下であれば実用上問題がない。
【0287】転写効率は転写電流275μA時の感光ド
ラム上の転写前後のトナー像のマクベス濃度の変化から
求める。転写紙上の定着後の画像のマクベス濃度が1.
5となる時の感光ドラム上の転写前後の画像ポリエステ
ルフィルムの接着テープで移し取り、それぞれおよびテ
ープのみを転写紙に貼り付け、マクベス濃度測定を行な
う。転写前の濃度をDa、転写後の濃度をDb、テープの
みの濃度をDcとしたとき、転写効率は次式で求められ
るもので定義する。
【0288】転写効率={[(Da−Dc)−(Db
c)]/(Da−Dc)}×100
【0289】すなわちこの値が高いほど転写効率が高
く、転写性が良好である。
【0290】また転写ラチチュードは、16階調の画像
を形成させ、転写電流を変化させて得られる転写画像を
定着したものを目視により判断する。全階調の画像が転
写ムラ、がさつき、とびちりの良好な画像が得られてい
る転写電流の範囲を求める。すなわち転写性に優れてい
れば、低転写電流でもきちんと転写し、転写むらもなく
画像濃度がしっかりでており階調性のある画像が得られ
る。また、転写性に優れたトナーは必要以上に高転写電
流にすることがないので、がさつき、とびちりの良好な
画像が得られる。すなわち転写良好な転写電流値が低い
ところから始まり転写上限までの幅が広いものが、転写
性に優れており、転写ラチチュードが広いトナーであ
る。つまり転写ラチチュードが広ければ、転写材,画像
形成環境の適用範囲が広くなると共に、画像形成装置の
転写制御を容易なものとすることができる。
【0291】転写中抜けは文字部における中抜けを目視
により判断した。A:中抜けはほとんどない。B:中抜
けがわずかにある。C:中抜けはあるが実用上問題な
し。D:中抜けが目立ち実用上不可である。
【0292】階調性は16階調の画像を目視より判断し
た。A:16階調確認でき、ハーフトーン部にがさつき
がなく、ハイライト部もきちんと再現されている。B:
16階調確認できるが、ハーフトーン部に多少がさつき
がみられる。C:ハイライト部再現が悪くなって来てい
るが実用上問題なし。D:14階調以上確認できず、実
用上不可。
【0293】表5に試験時の初期、5,000枚目のか
ぶり、画像濃度、ライン部の転写中抜け、階調性および
1,000枚時における転写効率、転写ラチチュードを
記する。
【0294】表6に5,000枚時における感光体の汚
染や傷による画像欠陥、帯電ローラーの汚染による画像
欠陥、クリーニング不良を示す。
【0295】汚染による画像欠陥は次のように判断し
た。A:画像欠陥はまったくない。B:汚れによる斑点
状あるいは筋状の模様がわずかに発生している。C:汚
れによる斑点状,筋状の模様が現われたり、濃度むらが
発生しているが実用上問題なし。D:汚れ,傷の影響が
大きく、融着,フィルミング等が発生し、潜像以外の像
が画像上に多く現われたり、濃度むら,帯電むら等が発
生したりして画像を乱している。
【0296】更に、30℃,80%RHの環境下で耐刷
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてからスタートし、5,000枚プリ
ントした。初期、5,000枚目のかぶり、画像濃度、
ライン部の転写中抜け、階調性、感光体の汚染や傷によ
る画像欠陥、帯電ローラーの汚染による画像欠陥、クリ
ーニング不良を表7に記す。
【0297】表5〜7に示す通り、本発明のシアントナ
ー1は、画像濃度が高く、かぶりもなく、ライン部の中
抜けもなく、階調性に優れ、汚染,傷による画像欠陥も
ない鮮明なシアン画像が得られた。また転写効率も良
く、転写ラチチュードの広いトナーであった。
【0298】参考例2〜8 シアントナー2,3,6,7,8,9,10を参考例1
と同様の評価を行なった結果を表5〜7に記す。
【0299】比較例1 シアントナー4を参考例1と同様の評価を行なった結果
を表5〜7に記す。文字部の中抜け,転写ラチチュード
は問題なかったが、高湿下においては特に初期のかぶり
が悪かった。
【0300】比較例2 シアントナー5を参考例1と同様の評価を行なった結果
を表5〜7に記す。現像性には問題なかったが、文字部
の中抜け,転写ラチチュードに劣っていた。
【0301】実施例1 シアントナー1、マゼンタトナー1、イエロートナー
1、ブラックトナー1を参考例1で用いた改造デジタル
フルカラー電子写真複写機(カラーレーザーコピア55
0 キヤノン株式会社製)にて、23℃,60%RH下
で2,000枚のフルカラー複写試験を行なった。その
結果、色再現,階調性に優れた色むらのない美しいピク
トリアル画像が得られ転写中の画像の色差はほとんど見
られなかった。かぶりも4色重ねた最悪値で1.1%以
下で耐久中常に問題なかった。
【0302】更に、30℃,80%RHの環境下で複写
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてから2,000枚複写した。その結
果、美しいフルカラー画像が得られ、かぶりも4色重ね
た最悪値で1.2%以下であり、初期においても問題な
かった。
【0303】実施例2 シアントナー1、マゼンタトナー1、イエロートナー1
から作製した現像剤およびブラックトナー5を市販のデ
ジタルフルカラー電子写真複写機(カラーレーザーコピ
ア550 キヤノン株式会社製)にて、23℃,60%
RH下で2,000枚のフルカラー複写試験を行なっ
た。この際ブラックの現像器のドクターブレードを改造
し(磁気カットタイプに)、ブラックから現像,転写で
きるように改造し、シアン,マゼンタ,イエローは二成
分現像器をそのまま使用した。その結果、色再現,階調
性に優れた色むらのない美しいピクトリアル画像が得ら
れ複写中の画像に色差はほとんど見られなかった。かぶ
りも4色重ねた最悪値で1.4%以下であり、耐久中常
に問題なかった。
【0304】更に、30℃,80%RHの環境下で複写
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてから2,000枚複写した。その結
果、美しいフルカラー画像が得られ、かぶりも4色重ね
た最悪値で1.7%以下であり、初期においても問題な
かった。
【0305】実施例3 シアントナー11、マゼンタトナー2、イエロートナー
2、ブラックトナー2から作製した現像剤を、中間転写
体に転写ベルトを用いた市販のデジタルフルカラー電子
写真複写機(プリテール550 株式会社リコー製)に
て、23℃,60%RH下で2,000枚のフルカラー
複写試験を行なった。その結果、色再現に優れた色むら
のない美しいフルカラー画像が得られ複写中の画像に色
差はほとんど見られなかった。かぶりも4枚重ねた最悪
値で1.3%以下であり、問題なかった。
【0306】更に、30℃,80%RHの環境下で複写
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてから2,000枚複写した。その結
果、美しいフルカラー画像が得られ、かぶりも4色重ね
た最悪値で1.6%以下であり、初期においても問題な
かった。
【0307】実施例4 シアントナー12、マゼンタトナー3、イエロートナー
3、ブラックトナー3から作製した現像剤を、多重現像
一括転写方式の市販のデジタルフルカラー電子写真複写
機(U−Bix 9028 コニカ株式会社製)にて、
23℃,60%RH下で2,000枚のフルカラー複写
試験を行なった。その結果、色再現に優れた色むらのな
い美しいフルカラー画像が得られ複写中の画像に色差は
ほとんど見られなかった。かぶりも4枚重ねた最悪値で
1.0%以下であり、問題なかった。
【0308】更に、30℃,80%RHの環境下で複写
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてから2,000枚複写した。その結
果、美しいフルカラー画像が得られ、かぶりも4色重ね
た最悪値で1.3%以下であり、初期においても問題な
かった。
【0309】実施例5 シアントナー13、マゼンタトナー4、イエロートナー
4、ブラックトナー4を実施例1で用いたデジタルフル
カラー電子写真複写機にて、23℃,60%RH下で
2,000枚のフルカラー複写試験を行なった。ただ
し、感光ドラムをプラス帯電のα−Si感光ドラムに、
弾性ブレードをステンレスの弾性板にシリコーンゴムを
はり付けたものに変え、正帯電性トナーの画像形成が行
なえるように、一次帯電,現像バイアス,転写帯電,分
離帯電の電源を改造した。
【0310】その結果、階調性に優れた色むらのないフ
ルカラー画像が得られ複写中の画像に色差はほとんど見
られなかった。かぶりも4枚重ねた最悪値で1.4%以
下であり、問題なかった。
【0311】更に、30℃,80%RHの環境下で複写
試験を行なった。現像器および補給用トナーを試験環境
に1週間なじませてから2,000枚複写した。その結
果、良好なフルカラー画像が得られ、かぶりも4色重ね
た最悪値で1.9%以下であり、初期においても問題な
かった。
【0312】参考例9〜13 市販の電子写真複写機NP−6016(キヤノン社製、
接触帯電手段,接触転写手段,弾性チップドクターブレ
ード,ウレタンゴムブレードクリーナー装着)を反転現
像できるようにバイアス電源の改造を行なったものを評
価機とした。この複写機を用いてブラックトナー5〜9
の20,000枚の耐久複写試験を23℃,60%RH
下と30℃,80%RH下で行なった。その結果を表
8,9に記す。画像濃度,かぶり,フィルミング,クリ
ーニング,転写むら,帯電むら,感光体の傷,帯電ロー
ラー,転写ローラーの汚れを評価した。転写中抜けは転
写材として厚紙200g/m2紙を用いて評価した。評
価基準は以下のとおりである。
【0313】(感光体の傷)A:画像に現われる傷はな
い。B:ハーフトーン部に現われる傷がある。C:通常
画像に現われる傷がある。
【0314】(各部材の表面状態)A:まったくトナー
の固着・汚染無し。B:ほとんどトナーの固着・汚染無
し。C:若干トナーの固着・汚染がある。D:トナーの
固着・汚染がある。
【0315】
【表5】
【0316】
【表6】
【0317】
【表7】
【0318】
【表8】
【0319】
【表9】
【0320】
【発明の効果】本発明のトナーは、特定のポリシロキサ
ンで処理された無機微粉体を含有しているため、耐湿
性,離型性,帯電性に優れており、現像性,転写性,耐
久性,放置安定性に優れたトナーを使用する画像形成方
法とすることができる。
【0321】すなわち、高湿下や長期の放置においても
十分な現像性が得られる画像形成方法である。さらに、
転写効率が良く、転写ラチチュードの広い、美しいピク
トリアルなフルカラー画像が容易に得られる画像形成方
法である。
【0322】さらに、ライン画像部,文字部においても
転写中抜けを抑制する画像形成方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法に用いられる画像形成工
程を示す概略図である。
【図2】本発明の画像形成方法に用いられる一次帯電工
程を示す概略図である。
【図3】本発明の画像形成方法に用いられる転写工程を
示す概略図である。
【図4】本発明の画像形成方法に用いられる転写工程を
示す概略図である。
【図5】本発明の画像形成方法に用いられる現像工程を
示す概略図である。
【図6】本発明の画像形成方法に用いられる現像工程を
示す概略図である。
【図7】本発明の画像形成方法に用いられる現像工程を
示す概略図である。
【図8】本発明の画像形成方法に用いられる画像形成工
程を示す概略図である。
【図9】本発明の画像形成方法に用いられる画像形成工
程を示す概略図である。
【図10】本発明の画像形成方法に用いられる画像形成
工程を示す概略図である。
【図11】本発明の画像形成方法に用いられる画像形成
工程を示す概略図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム 2 現像ユニット 2−1,2,3,4 現像器 3 露光手段 4 帯電器 5 保持部材 6 転写ドラム 7 グリッパー 8 転写帯電器 9 分離帯電器 10 給紙ローラー 11 分離爪 21 感光ドラム 22 帯電器 23 露光部 24,25,26,27 現像器 28 クリーナ 29 転写ローラー 31 除電器 32 定着器 41 感光ドラム 42 帯電ローラー 43 露光手段 44,45,46,47 現像器 48 中間転写体 49 電源 50 保持部材 51 転写ローラー 53 感光ドラムクリーナ 54 中間転写材クリーナ 55 芯金 Pa,b,c,d 画像形成部 61−a,b,c,d 感光ドラム 62−a,b,c,d 潜像形成部 63−a,b,c,d 現像部 64−a,b,c,d 転写放電部 65−a,b,c,d クリーニング部 66−a,b,c,d 帯電器 67 定着器 68 搬送ベルト 69 分離除電器 70 排出口 71,72 吸着帯電器 73−a,b,c,d 分離除電放電部 90,96 現像スリーブ 91 ホッパ 92 磁気発生手段 93,97 ドクターブレード 94,95 潜像保持体 101 潜像保持体(感光体,感光ドラム) 101a 光導電層 101b 導電性基層 102 帯電ローラー 102a 導電性弾性層 102b 芯金 103 帯電バイアス電源 104 画像露光 105 現像手段 106 転写手段 107 転写バイアス電源 108 転写材 109 クリーニング装置 110 除電露光装置 111 定着器 112,113 クリーニング部材 114 現像バイアス電源 201 潜像保持体 202 帯電ブレード 203 金属支持部材 204 導電性ゴム 205 離型性表面層 206 帯電バイアス電源 301 潜像保持体(感光体,感光ドラム) 302 転写ローラー 302a 導電性弾性層 302b 芯金 308 転写バイアス電源 401 潜像保持体(感光体,感光ドラム) 408 転写バイアス電源 409 搬送ベルト 410 転写ローラー 700 トナー 701 ホッパ 702 供給ローラ 703 ドクターブレード 704 電源 708 潜像保持体 709 現像スリーブ S 転写材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03G 15/08 503 G03G 15/08 504B 504 9/08 361 507 15/08 507L (72)発明者 川上 宏明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−313982(JP,A) 特開 平5−45926(JP,A) 特開 平5−94037(JP,A) 特開 平5−139748(JP,A) 特開 平6−19186(JP,A) 特開 平5−127416(JP,A) 特開 平5−2284(JP,A) 特開 平4−274442(JP,A) 特開 平3−294864(JP,A) 特開 平6−11887(JP,A) 特開 平4−107478(JP,A) 特開 平5−88412(JP,A) 特開 平5−249742(JP,A) 特開 平6−51554(JP,A) 特開 平8−202080(JP,A) 特開 平4−204748(JP,A) 特開 平5−34984(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潜像保持体上に形成されたトナー像を記
    録材に転写し、記録材上のトナー像を定着してフルカラ
    ー画像を形成するフルカラー画像形成方法において、 フルカラー画像形成方法は、 (A)(i)潜像保持体上にシアントナー,マゼンタト
    ナー,イエロートナー及びブラックトナーからなるグル
    ープから選択されるトナーで第1のトナー像を形成し、
    潜像保持体上の第1のトナー像を転写ドラム上の記録材
    に転写し;(ii)潜像保持体上にシアントナー,マゼ
    ンタトナー,イエロートナー及びブラックトナーからな
    るグループから選択されるトナーで第2のトナー像を形
    成し、潜像保持体上の第2のトナー像を転写ドラム上の
    記録材に転写し;(iii)潜像保持体上にシアントナ
    ー,マゼンタトナー,イエロートナー及びブラックトナ
    ーからなるグループから選択されるトナーで第3のトナ
    ー像を形成し、潜像保持体上の第3のトナー像を転写ド
    ラム上の記録材に転写し;(iv)潜像保持体上にシア
    ントナー,マゼンタトナー,イエロートナー及びブラッ
    クトナーからなるグループから選択されるトナーで第4
    のトナー像を形成し、潜像保持体上の第4のトナー像を
    転写ドラム上の記録材に転写し;記録材上の複数のトナ
    ー像を定着してフルカラー画像を形成する定着工程、 (B)(i)潜像保持体上にシアントナー,マゼンタト
    ナー,イエロートナー及びブラックトナーからなるグル
    ープから選択されるトナーで第1のトナー像を形成し、
    潜像保持体上の第1のトナー像を中間転写体に転写し;
    (ii)潜像保持体上にシアントナー,マゼンタトナ
    ー,イエロートナー及びブラックトナーからなるグルー
    プから選択されるトナーで第2のトナー像を形成し、潜
    像保持体上の第2のトナー像を中間転写体に転写し;
    (iii)潜像保持体上にシアントナー,マゼンタトナ
    ー,イエロートナー及びブラックトナーからなるグルー
    プから選択されるトナーで第3のトナー像を形成し、潜
    像保持体上の第3のトナー像を中間転写体に転写し;
    (iv)潜像保持体上にシアントナー,マゼンタトナ
    ー,イエロートナー及びブラックトナーからなるグルー
    プから選択されるトナーで第4のトナー像を形成し、潜
    像保持体上の第4のトナー像を中間転写体に転写し;中
    間転写体上の第1,2,3及び4のトナー像を記録材に
    転写し、記録材上の複数のトナー像を定着してフルカラ
    ー画像を形成する定着工程、 (C)(i)潜像保持体上にシアントナー,マゼンタト
    ナー,イエロートナー及びブラックトナーからなるグル
    ープから選択されるトナーで第1のトナー像を形成し、
    (ii)潜像保持体上にシアントナー,マゼンタトナ
    ー,イエロートナー及びブラックトナーからなるグルー
    プから選択されるトナーで第2のトナー像を形成し、
    (iii)潜像保持体上にシアントナー,マゼンタトナ
    ー,イエロートナー及びブラックトナーからなるグルー
    プから選択されるトナーで第3のトナー像を形成し、
    (iv)潜像保持体上にシアントナー,マゼンタトナ
    ー,イエロートナー及びブラックトナーからなるグルー
    プから選択されるトナーで第4のトナー像を形成し、潜
    像保持体上の複数のトナー像を記録材に転写し、記録材
    上の複数のトナー像を定着してフルカラー画像を形成す
    る定着工程、または、 (D)(i)第1の潜像保持体上にシアントナー,マゼ
    ンタトナー,イエロートナー及びブラックトナーからな
    るグループから選択されるトナーで第1のトナー像を形
    成し、第1のトナー像を記録材に転写し、(ii)第2
    の潜像保持体上にシアントナー,マゼンタトナー,イエ
    ロートナー及びブラックトナーからなるグループから選
    択されるトナーで第2のトナー像を形成し、第2のトナ
    ー像を記録材に転写し、(iii)第3の潜像保持体上
    にシアントナー,マゼンタトナー,イエロートナー及び
    ブラックトナーからなるグループから選択されるトナー
    で第3のトナー像を形成し、第3のトナー像を記録材に
    転写し、(iv)第4の潜像保持体上にシアントナー,
    マゼンタトナー,イエロートナー及びブラックトナーか
    らなるグループから選択されるトナーで第4のトナー像
    を形成し、第4のトナー像を記録材に転写し、記録材上
    の複数のトナー像を定着してフルカラー画像を形成する
    定着工程、 を有し、 各色トナーが、結着樹脂及び着色剤を少なくとも有する
    トナー粒子と、無機微粉体とを有し、 無機微粉体が、水素原子の一部または全部がフッ素原
    子に置換されていても良い、アルキル基,アリール基を
    置換基とするポリシロキサンと、メチル基と水素とを有
    するハイドロジェンポリシロキサンとで処理され、該ポ
    リシロキサンと該ハイドロジェンポリシロキサンの処理
    量比率が1:4〜4:1であるアルミナ又はチタニアで
    あることを特徴とするフルカラー画像形成方法
  2. 【請求項2】 該ポリシロキサンは、下記式(1) 【化1】 [式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7及びR
    8は、水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換さ
    れていても良い、アルキル基,アリール基を示し、各々
    同じであっても異なっていても良く、一部に他の任意の
    置換基を有していても良い。jはjの単位の条件を満た
    すシロキシ単位の総和で1以上の整数を示す。] で示されるジメチルポリシロキサンであり、 該ハイドロジェンポリシロキサンが、下記式(4) 【化2】 〔式中、nは1以上の整数を示す。〕 で示されるメチルハイドロジェンポリシロキサンである
    ことを特徴とする請求項1に記載のフルカラー画像形成
    方法
  3. 【請求項3】 該ポリシロキサンは、下記式(2) 【化3】 〔式中、kは1以上の整数を示す。〕 で示されるジメチルポリシロキサンであることを特徴と
    する請求項1又は2に記載のフルカラー画像形成方法
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