JP3304681B2 - 電子顕微鏡及び3次元原子配列観察方法 - Google Patents

電子顕微鏡及び3次元原子配列観察方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メモリ素子、高速演算
素子などの集積化素子における不良原因である点欠陥、
不純物原子およびそれらのクラスタを原子1個のレベル
で3次元的に観察することに好適な3次元原子配列観察
方法とこの方法による画像処理手段を有する電子顕微鏡
に関する。
【0002】
【従来の技術】電子顕微鏡を用いて結晶中の点欠陥、不
純物原子およびそれらのクラスタを原子1個のレベルで
3次元的に観察する方法としては、特開平4−3372
36号公報記載の3次元原子配列観察装置及び方法があ
る。該公報には、試料により或る角度範囲内に散乱され
た電子線で結像された当該試料の原子種に依存したコン
トラストを有する2次元像(電子顕微鏡像)での当該試
料の観察を、試料を傾斜させて当該試料中の同一構造を
種々の方向から行ない、これにより得られた観察方向の
異なる複数の2次元像間での同一原子の位置ずれ量を観
察方向に基づいて画像処理することにより3次元座標を
特定し、3次元的な原子配列像を構築する技術が開示さ
れている。また、この公報には結像に用いた電子線の散
乱角度範囲と像コントラストの関係の解析から原子種も
識別することも開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の発明に
は、3次元原子配列観察に適した電子顕微鏡装置の構
成、2次元像の観察方法、及び種々の方向から観察した
複数の2次元像に基づいて3次元座標を特定して3次元
像を再構成することは記載されているが、3次元像の再
構成を実現させるための具体的な手段は記載されていな
かった。そこで発明者は、これまで主にX線−CT(コ
ンピュータ断層撮影)技術等に用いられてきた画像再構
成法(例えば、フィルタ補正逆投影法)を電子顕微鏡像
に基づく3次元像の再構成法に適用することを検討し
た。X線−CT技術において従来の画像再構成法は、全
方向から試料にX線を照射して得られた複数の2次元的
な投影像に基づき、当該試料の3次元的な内部構造を完
全に再構成できる手法であることが数学的にも実験的に
も証明されている。
【0004】しかし、この方法を電子顕微鏡像に適応す
るためには幾つかの条件を満たさなければならない。
【0005】まず第1に、電子線が通過した試料厚さと
2次元投影像上の像コントラストの関係が線形でなけれ
ばならない。具体的には試料の厚さが2倍になれば投影
データの値も2倍に、また同じ厚さならば観察方向を変
えても投影データの値は同じになるという線形関係の成
立が必要である。しかし、結晶内を通過する電子線はX
線に比べて複雑な散乱過程をたどるため、この線形関係
は一般には保証されない。そのため電子顕微鏡を用いる
3次元原子配列観察において、この線形関係から外れた
投影データ(即ち、2次元像)の存在は、再構成される
3次元像上にアーティファクトを発生させる。
【0006】第2に、電子顕微鏡の筐体内にて、試料の
電子線の光軸に対する傾斜角度を所定の値に正確に設定
する必要がある。試料の傾斜角度が所望の角度(又は設
定すべき角度)より僅かでもずれると、再構成像にアー
ティファクトが発生するからである。しかし電子顕微鏡
においては、試料ホルダの加工精度及び動作精度などの
理由により、試料の傾斜軸を設計仕様通りに、即ち試料
ホルダのハードウェアのみで設定することは非常に困難
であり、試料の傾斜角度と試料ホルダの機械的な動きと
を正確に対応させることは事実上不可能である。そこで
試料の傾斜角度を正確に設定するには、投影像から傾斜
軸を解析し、補正しなければならない。
【0007】第3に、各方向からの観察で得られる投影
像が、同一の物体に基づく情報である必要がある。即
ち、通常のX線−CT技術では試料におけるX線ビーム
の照射領域全体が観察対象領域であるため、各方向から
X線ビームの照射で得られた投影像は全て同一の物体の
情報に基づくものとなる。これに対し電子顕微鏡による
3次元原子配列観察では、例えば半導体ウエハやデバイ
ス等の試料中に局在する結晶欠陥や不純物が観察対象領
域となる。しかし電子ビームの照射は、試料において当
該観察対象領域を取り囲む非観察対象領域(以下、周辺
領域)をも含めて行なわれる。周辺領域においても、観
察対象領域と同様に照射される電子ビームは散乱される
ため、試料中に局在する観察対象領域に各方向から電子
ビームを照射して得られた投影像には、電子ビームの照
射方向(又は電子ビームに対する試料の傾斜角度)に応
じて異なる周辺領域の情報が含まれる。従って、複数の
投影像に基づいて構築される3次元像には、投影像毎の
周辺領域の情報量のバラツキに起因したアーティファク
トが発生する。
【0008】従来の画像再構成法のソフトウェアは通常
のX線−CT技術での利用を前提としているため、上述
の電子顕微鏡による3次元原子配列観察にて生じるアー
ティファクトを解消するための配慮はされていなかっ
た。
【0009】本発明の目的は、上記3次元画像再構成の
際の障害となるアーティファクトを解消または低減する
ことによって、3次元原子配列構造の再構成を高精度で
行う方法とこの方法に基づき3次元画像再構成の処理を
する手段を備えた電子顕微鏡を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では電子顕微鏡による試料の観察において、
電子顕微鏡像(二次元投影像)を結像するための電子線
の検出と、二次元投影像の画像処理とを以下の要領で行
う。
【0011】まず第1として像コントラストの線形性を
維持するために、試料への電子線照射時に試料で散乱さ
れる電子のうち、像コントラストと試料厚さがほぼ線形
な関係になり且つ像コントラストが原子番号に依存する
ような角度範囲に散乱される電子で二次元投影像を結像
する。具体的には、散乱電子の強度において熱散漫散乱
による電子の強度が弾性散乱による電子の強度より支配
的になる散乱角度範囲において電子(所謂、高角散乱さ
れた電子)を検出して二次元投影像を結像する。このた
めに、電子顕微鏡の筐体内部において電子線検出器を、
電子光学系の光軸を基準に試料(試料ホルダ)からの高
角散乱電子の検出に適した位置に設けるとよい。また、
電子検出面における検出領域を任意に設定できる電子線
検出器(例えば、ニュービコンやハーピコン)を用いる
場合は、検出領域を高角散乱電子の検出に適した検出角
度範囲に合わせて設定する。
【0012】第2として試料の照射電子線に対する傾斜
角度を正確に設定するために、傾斜軸の解析について
は、試料を試料ホルダにより回転させ、試料ホルダ自体
の傾斜軸(機械的な傾斜軸)周りに数種類の角度で傾斜
させて、試料中に存在する少なくとも2個の異物(例え
ば、試料の主成分となる元素と異なる元素の原子もしく
は原子クラスタ)又は結晶欠陥等の特徴点の位置変化に
注目し、これらの特徴点の2次元投影像における位置を
マークする。次にマークした特徴点の一つを特定してそ
の位置を原点とし、機械的な傾斜軸に基づき試料の傾斜
角度を順次変化させ、傾斜角度に対して予想される特定
の特徴点と他の特徴点との位置関係と実際に観察された
位置関係とのずれに基づき、試料の実効的な傾斜軸(即
ち、照射電子線に対する実際の試料傾斜の中心となる傾
斜軸)を解析する。例えば、特定された特徴点と他の特
徴点とで形状が既知の図形を3次元空間に仮想し、特徴
点の抽出に用いた複数の(異なる傾斜角度における)投
影像における該図形の変形の程度から傾斜軸を解析す
る。
【0013】理解を容易にするために具体例によって説
明すると、まず上述の特徴点間の位置関係を表現するた
めの2つの直交座標系、一つは電子顕微鏡の機械的な構
成に基づくもの(以下、観測系)、もう一つは上述の実
効的な傾斜軸に基づくもの(以下、試料系)を設定す
る。観測系の座標軸の一つを電子顕微鏡の電子光学系の
光軸又はこれに平行に設定し、試料系の座標軸の一つを
上述の実効的な傾斜軸又はこれに平行に設定する。2つ
の座標系の原点は、上述の特定の特徴点に設定するとよ
い。ここで試料ホルダを±αの角度で夫々回転すると、
これに対応して特定の特徴点以外の特徴点が試料系の実
効的な傾斜軸に平行な座標軸を中心に±αの角度で移動
する。この時、当該特徴点の位置変化の軌跡は試料系の
実効的な傾斜軸に垂直な平面において角度α/2なる2
つの角を有する二等辺三角形を描くが、電子顕微鏡像
(即ち観測系の電子光学系の光軸に垂直な平面)におい
ては、電子光学系の光軸と実効的な傾斜軸が平行でない
限り当該特徴点による同様な位置変化の軌跡は現われな
い。従って、試料系の平面に仮想される軌跡の形状と、
観測系の平面で実測される軌跡の形状とを対応させるこ
とにより、機械的な傾斜軸(電子光学系の光軸と一定の
位置関係にある)と実効的な傾斜軸とのずれを求める。
【0014】第3として周辺領域の混入に関しては、試
料傾斜角度によって投影像に含まれたり含まれなかった
りする領域は投影データの両端であり、この領域は投影
データを逆投影をした段階の再構成像において周辺部の
みに存在する事を利用する。投影データ及び再構成像か
らこの領域を削除し、同一構造の再構成像となる領域の
みに欠落角度情報回復処理を行い、断面構造を復元す
る。
【0015】
【作用】まず第1に投影像を結像する電子として被観察
試料により高角散乱された電子、即ち散乱電子の強度に
おいて電子光学系や試料厚さの条件による干渉を受ける
弾性散乱電子よりもこれらの条件に対し非干渉な熱散漫
散乱電子が支配的となる角度に散乱される電子を用いる
ことにより、像コントラストに対するこれらの条件の影
響を排除できる。即ち、像コントラストと試料厚さが線
形関係に近似できるこのような角度範囲の散乱電子を用
れば、結晶を通過した電子線で結像した2次元像にも一
般の画像再構成の理論が適応可能となり、再構成した3
次元構造における異原子の位置及びコントラストを定量
的に解析できる。
【0016】第2に試料に存在する複数の特異な部分を
マークして試料の傾斜角度に対するこれらの部分の電子
顕微鏡像における位置変化から試料の実際の傾斜を解析
する傾斜軸解析法を用いれば、電子顕微鏡において設定
された試料ホルダの傾斜角度と試料の照射電子線に対す
る実際の傾斜角度とを対応させることができる。即ち、
電子顕微鏡のハードウエアだけでは試料ホルダやその傾
斜装置の機械的な精度の限界から正確に把握できなかっ
た3次元的に任意の方向に向いている試料の照射電子線
に対する実効的な傾斜軸を電子顕微鏡像(画像)ベース
に解析できる。従って、特に原子レベルでの3次元像観
察に必須の微細な試料の傾斜角度設定を略確実に行なう
ことが可能となる。
【0017】第3に不要領域、即ち所望の観察領域を取
り囲む周辺領域の情報を投影像から除去すれば、解析し
たい所望の領域の周りに3次元画像再構成処理の障害と
なる構造が含まれていても、注目する構造を3次元再構
成することができる。
【0018】以上の3つの方法は、電子顕微鏡のハード
ウエアの制御装置や画像処理装置において制御又は処理
シーケンスに組み込むこともできる。例えば、電子線を
放射する電子線源と、電子線を試料に照射する第1の電
子光学系と、試料を保持する試料ホルダと、試料ホルダ
を照射電子線に対して傾斜する試料傾斜装置と、試料か
ら出射される電子線で投影像を結像する第2の電子光学
系と、投影像を検出する電子線検出装置と、電子線検出
装置の投影像のデータを処理するデータ処理装置からな
る電子顕微鏡において、上述の第1の散乱電子線検出条
件の設定を、第1の光学系による試料への中空状電子線
(ホローコーンビーム)照射や2次元的な電子線検出面
を有する電子線検出装置での当該検出面における電子線
検出領域設定の制御により行なえる。上述の第2の傾斜
軸解析法は、試料傾斜装置により設定された試料傾斜角
ごとの投影像をデータ処理装置で処理し、試料傾斜装置
の機械的な傾斜軸と投影像から得られた実効的な傾斜軸
とのずれを算出したデータに基づきデータ処理装置から
試料傾斜装置に制御信号を送る(フィードバックをかけ
る)。試料傾斜装置が試料ホルダの傾斜の中心軸位置を
調整する傾斜軸調整装置を有する場合は、データ処理装
置により傾斜軸調製装置を制御するとよい。また上述の
第3の画像処理方法は、データ処理装置に画像処理ソフ
トとして搭載するとよい。
【0019】
【実施例】画像再構成は、直観的には図1に示す様にあ
る物体の2次元断面像1の様々な方向について投影デー
タ2を記録し、該投影データを逆投影して2次元再構成
像3を再構成する処理である。2次元再構成像3と2次
元断面像1が一致すれば、元の像を完全に復元できたこ
とになる。本発明では、前記画像再構成法を実際に観察
された電子顕微鏡像に適応するために必要な観察条件及
び処理を明確化し、更に該条件を満たす方法を提供す
る。
【0020】図2は本発明の実施例で用いた電子顕微鏡
の基本構成である。電界放出型電子銃4、コンデンサー
レンズ5、ビ−ム偏向走査コイル6、対物レンズ7、試
料微動・傾斜機構8、電子線検出器9、制御用及び画像
処理用プロセッサ10から構成されている。図3は3次
元原子配列像を構築する工程を示すフローチャートであ
る。2次元投影像13の観察条件を設定する工程、薄膜
化した試料12をある傾斜軸14周りに傾斜させて種々
の方向から観察した複数の2次元投影像13を得る工
程、該複数の2次元像13から前記傾斜軸14を画像解
析によって特定する工程、該傾斜軸14を設計仕様通り
に設定する工程、前記複数の2次元投影像13から投影
像と直交する各2次元断面像1を構築する工程、該2次
元断面像1を積み重ねて構築した3次元像から3次元原
子配列像を解析する工程から成る。以下に、各工程の詳
細を説明する。
【0021】まず、前記2次元投影像13を得る工程を
示す。原子1〜2個以下の太さの電子線11で薄膜化し
た試料12を走査し、試料内の原子によって散乱された
電子のうち、ある散乱角度範囲α〜βの散乱電子線15
の強度を検出し、該強度を前記電子線の走査と同期させ
てCRT上に輝度変調表示し、2次元投影像13を観察
する。前記検出角度範囲は下記の幾つかの条件を満たす
様に設定する。まず、該検出角度範囲を設定するため
に、試料内の電子線の散乱過程を考察する。試料12を
通過する電子線は、試料12内の原子によって散乱され
る。散乱電子線量と散乱角度は一般に図4に示す様な関
係にある。ある散乱角にピ−クを持ち、高散乱角側へ裾
広がりを持つ分布を持っており、この分布は電子を散乱
する原子の原子番号Zが大きいほど高散乱角側へシフト
していく。従って、図4に示す散乱角度範囲α〜βの電
子線量は原子番号Zの大きい試料の方が大きくなる。こ
こで、図5に示す様にSi(シリコン)結晶中にAg
(銀)粒子が存在する試料12に電子線11を各位置に
入射し、散乱角度範囲α〜βの電子線15の量を測定し
た場合を考える。位置(1)に電子線11が入射した場
合、電子線はSi結晶しか通過しないので散乱角度範囲
α〜βの電子線15の量は少ない。位置(2)に電子線
11が入射した場合、電子線はSi結晶の他に原子番号
の大きいAg原子を通過するので散乱角度範囲α〜βの
電子線15の量は多くなる。位置(3)に電子線11が
入射した場合、電子線は2個のAg原子を通過するので
その分散乱角度範囲α〜βの電子線15の量は多くな
る。また位置(4)に電子線11が入射した場合、Si
原子が1個欠落しているので位置(1)よりも散乱角度
範囲α〜βの電子線15の量は少なくなる。以上の様
に、散乱角度範囲α〜βの電子線15の量は、電子線を
散乱させた原子数とその原子番号Zに対応している。
【0022】次に、電子線15の量と該電子線で結像し
た2次元像の像コントラストの対応について考察する。
試料によって散乱された電子は、可干渉な弾性散乱電子
と非干渉な熱散漫散乱散乱電子に分けられる。弾性散乱
電子線は僅かな位相の変化、すなわち対物レンズ7のデ
フォーカスや試料12の厚さの変化に伴い電子線強度の
振動が起こるため像コントラストが散乱電子線量と対応
するとは限らない。一方、熱散漫散乱電子線は非干渉で
あるために前記振動は起こらず、像コントラストと散乱
電子線量は対応する。散乱電子線における弾性散乱と熱
散漫散乱の占める割合と散乱角度の関係は一般に図6に
示す関係になる。弾性散乱電子量は低散乱角位置にピー
クを持ち散乱角度が増加すると急激に減少する。一方、
熱散漫散乱電子量は散乱角度依存性が少ない。そのため
高角側では熱散漫拡散電子がその大部分を占めるように
なる。従って、散乱電子線の検出角度範囲α〜βを熱散
漫散乱電子線がその大部分を占めるくらい高角側すなわ
ち数十mrad以上に設定すれば、散乱電子線量に対応
した像コントラストを得ることができる。例えばSi単
結晶に[110]方向から電子線を入射した場合、散乱
角度範囲を約50mrad以上に設定すれば、散乱電子
線15の量と像コントラストはほぼ線形の関係になるこ
とが確認されている。
【0023】上記条件を満たす様に検出角度範囲を設定
し、試料傾斜機構8を用いて試料12をある傾斜軸14
回りに回転させ、種々の方向から観察した複数の2次元
投影像13を得る。
【0024】次に、該複数の2次元投影像13から前記
傾斜軸14を画像解析によって特定する工程を示す。ま
ず、図7に示す座標系を仮定する。観測系に固定した直
交座標系を座標系xyzとし、試料12に固定した直交
座標系を座標系ξηζとする。座標系xyzと座標系ξ
ηζとの座標変換はオイラー角θψφを用いて、以下の
式で表される。
【0025】
【数1】
【0026】ここで形状が既知の標準試料があれば、試
料系で設定される(ξηζ)の値と試料を傾斜軸周りに
傾斜させたときに観察系で測定される(xyz)の値の
対応からオイラー角θψφを求めることができる。しか
しTEM試料中には形状が既知である様な構造は、一般
には含まれていない。そこで試料12内の任意の特徴
点、例えばSi結晶中のAg原子を用いる。試料内から
2つの特徴点を選択し、その2点を結ぶベクトルを用い
て解析する。図8に示す様に、傾斜軸14をζ軸とし、
試料12をζ軸周りに回転させる。試料12を回転させ
ないときのベクトルu、ζ軸周りに+α回転させたとき
のベクトルv、−α回転させたときのベクトルwを仮定
する。座標系ξηζで考えると、ベクトルu、v、wは
ξη平面上に二等辺三角形を形作っている。ベクトルs
=v−wはξ軸と平行であり、ベクトルt=u−(v+
w)/2はη軸と平行である。両者の長さの比は回転角
αから求めることが出来るので、座標系ξηζの単位ベ
クトル、ベクトルs’=(k,0,0)、ベクトルt’
=(0,k,0)を設定できる。観測系xyzでベクト
ルu、v、wの座標を測定して求めたベクトルs’、
t’の値と、ξηζ座標系におけるベクトルs’、t’
の値の対応からオイラー角θψφ及び単位ベクトルの長
さkを求める事ができ、傾斜軸14であるζ軸の方向を
解析できる。尚、観測系ではz方向から投影像を観察す
るためz座標は測定出来ないが、ベクトルs’における
x,y座標、ベクトルt’におけるx,y座標で連立方
程式が4つ定義できるので、4つの変数を特定すること
は可能である。
【0027】上記工程により、形状が既知の試料を用い
なくても、試料内の特徴点を用いて傾斜軸14を画像解
析によって解析することができる。尚、読み取り誤差等
を避けるため、試料内の2点はベクトルs、tの長さが
出来るだけ大きくなる様に選択する。また、ベクトル
s、tの長さにあまり差がでないようにするために、回
転角δは出来るだけ大きく取る方が望ましい。また特徴
点としては、どの方向から観察してもその位置を特定で
きる形状、例えば微粒子、直方体の頂点などが望まし
い。適当な特徴点が試料内に存在しない場合は、収束し
た電子線を注目領域の四角に照射して特徴点例えば欠陥
又はコンタミネーション跡を作製する。
【0028】次に、前記傾斜軸14を設計仕様通りに設
定する工程を示す。まず、傾斜軸の設計仕様を図9に示
す。z方向から2次元投影像13を観察した場合、傾斜
軸14が投影像面であるxy平面と平行であれば、2次
元投影像13上に写る傾斜軸14と直交するラインプロ
ファイルは、2次元断面像1の1次元の投影データ2と
なる。試料傾斜機構8を用いて傾斜軸14がxy平面と
平行になるように設定し、前記傾斜軸解析法を用いて傾
斜軸の方向が前記設計仕様を満たしているかを確認す
る。仕様を満たしていない場合は試料傾斜機構を用いて
傾斜軸の方向を補正する。
【0029】次に、各2次元断面像を構築する工程を示
す。該工程は、前記設計仕様方向に設定された傾斜軸1
4回りに傾斜させて観察された複数の2次元投影像13
から該投影像と直交する2次元断面像の1次元投影デー
タを収集する工程、該1次元投影データを逆投影して2
次元再構成像を構築する工程、該2次元再構成像から2
次元断面像の復元が不可能な領域を削除する工程、該2
次元像に欠落角度情報回復処理を施して2次元断面像を
得る工程からなる。
【0030】1次元投影データを収集する工程を示す。
まず、1次元投影データ2と2次元断面像1の幾何学的
な関係を図10に示す。試料12は厚さ2dの平板試料
とする。試料12内に注目領域301を設定し、その幅
を2aとする。試料12の最大傾斜角を±γ度とする。
まず、図10(a)に示す様にdがaよりも充分小さい
場合について考察する。試料傾斜角γにおける1次元投
影データ2の両端データ201には、注目領域301以
外の領域の投影データが混在している。そこで両端デー
タ201を削除した1次元投影データ2のみを画像再構
成に用いる。両端データ201の範囲を決定する方法を
以下に幾つか示す。幾何学的な関係から削除する範囲は
データ両端からa(1−cosγ)−2d・sinγで
ある。試料12の厚さ2dが既知でなくとも、注目領域
301の周囲に特徴点が存在すれば、該特徴点の投影デ
ータ上での位置から決定できる。注目領域301の周囲
に特徴点が存在しなければ、収束した電子線を注目領域
の四角に照射して特徴点例えば欠陥又はコンタミネーシ
ョン跡を作製し、該特徴点の投影データ上での位置から
決定する。尚、図10(b)に示す様にdとaがほぼ同
じ長さの場合、試料傾斜角γにおける1次元投影データ
2の全範囲に、注目領域301以外の領域の投影データ
が混在しており、該1次元投影データ2は再構成処理に
は使えない事が分かる。従って、注目領域301の幅2
aは出来るだけ広めに設定する必要がある。
【0031】次に、前記1次元投影データを逆投影して
2次元再構成像を構築する工程は通常のX線−CTで用
いられている2次元フーリエ変換法、フィルタ補正逆投
影法、重畳積分法などの方法で行う。
【0032】次に、前記2次元再構成像から2次元断面
像の復元が不可能な領域を削除する工程を示す。1次元
投影データ2を逆投影した段階の2次元再構成像では、
図10(a)に示す注目領域301のうち、全試料傾斜
角度の投影データから逆投影された領域は領域302だ
けである。該領域302以外の領域は像に含まれる投影
データの情報量が極端に少なくなっている。電子顕微鏡
では投影角度範囲が制限されているため、既知情報を用
いて適当な欠落角度情報回復の処理を施す必要がある
が、この処理を注目領域301にそのまま適応すると、
領域302以外の領域の断面像を回復できないだけでな
く、領域302以外の領域が復元可能な領域302にア
ーティファクトを発生させる原因となる場合もある。そ
こで、領域302以外の領域を削除し、適当な試料構造
例えば基板結晶に置き換え、アーティファクトが発生し
ない様にする必要がある。領域302以外の領域は、幾
何学的には注目構造の端から各投影方向に直線を引いた
場合、その外側にある領域として特定できる。
【0033】前記該処理を施した2次元像3に欠落角度
情報回復処理を施して2次元断面像を得る工程を示す。
欠落角度情報回復処理には2次元断面像に関する既知情
報、例えば確率情報、対称性などの情報をもとにして行
う。
【0034】次に、前記2次元断面像1を積み重ねて構
築した3次元像から3次元原子配列と原子種を解析する
工程を示す。試料傾斜軸にそって各2次元断面像を順次
再構成し、それらを積み重ねて3次元構造を構築する。
2次元投影像3における像コントラストは電子線が通過
した経路上に存在した原子数とその原子番号Zに依存し
たコントラストであるため、2次元投影像3のみから原
子番号Zを特定することは困難であった。3次元再構成
によって試料形状を解析することによって、試料を構成
する原子の原子番号Zを特定できるようになる。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、様々な観察方向から観
察した電子顕微鏡像から一般の画像再構成の理論を用い
て3次元的な原子配列像を高精度で構成できる。これに
よって、結晶中の不純物原子及びそれらのクラスタの3
次元的な構造を原子1個のレベルで解析できる。従っ
て、リーク電流や耐圧不良等のULSI素子の不良原因
解析に有効な情報を提供する。
【0036】
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は投影を、(b)は逆投影による画像再
構成の原理を示す説明図。
【図2】本発明の実施例に用いた装置の全体構成図。
【図3】3次元原子配列像を構築する工程を示すフロー
チャート。
【図4】原子番号が異なる原子における、散乱電子線量
の角度分布を示す説明図。
【図5】電子線を各試料位置に入射したときに散乱角度
範囲α〜βに散乱される電子線量を示す説明図。
【図6】弾性散乱と熱散漫散乱の割合の散乱角度依存性
を示す説明図。
【図7】座標系xyzと座標系ξηζ及びオイラー角θ
ψφの関係を示す説明図。
【図8】座標軸解析に用いる各ベクトルを示す説明図。
【図9】傾斜軸が2次元投影像と平行な時、2次元投影
像から1次元投影データを収集できる事を示す説明図。
【図10】(a)は試料が薄い場合、(b)は試料が厚
い場合の1次元投影データと2次元断面像の関係を示す
説明図。
【符号の説明】
1…2次元断面像、2…1次元投影データ、201…2
次元断面像再構成には不要な1次元投影データ、3…2
次元再構成像、301…2次元断面像内の注目領域、3
02…2次元断面像が回復可能な領域、4…電界放出型
電子銃、5…コンデンサーレンズ、6…ビーム偏向走査
コイル、7…対物レンズ、8…試料微動・傾斜機構、9
…電子線検出器、10…制御用及び画像処理用プロセッ
サ、11…入射電子線、12…試料、13…2次元投影
像、14…試料傾斜軸、15…角度範囲α〜βに散乱さ
れた電子線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関原 謙介 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 本池 順 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (56)参考文献 特開 平4−337236(JP,A) 特開 平2−15545(JP,A) 実開 昭59−4408(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 23/04 H01J 37/22 501 H01J 37/28

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子線を放射する電子源と、電子線を試料
    の所定領域に照射する第1の電子光学系と、試料を保持
    する試料ホルダと、前記試料ホルダ上の試料を照射する
    電子線に対して試料ホルダを傾斜させる試料傾斜装置
    と、試料を透過した電子線で投影像を結像する第2の電
    子光学系と、該投影像を検出する電子線検出装置と、該
    電子線検出装置から前記試料ホルダの回転角に応じ複数
    の投影像のデータを処理し、得られる画像の位置と試料
    ホルダの角度から試料の3次元像を再構築するデータ処
    理装置と、を具備することを特徴とする電子顕微鏡。
  2. 【請求項2】 前記試料傾斜装置として試料ホルダの傾斜
    の中心軸位置を調整する傾斜軸調整装置を有することを
    特徴する請求項1記載の電子顕微鏡。
  3. 【請求項3】 薄膜化した試料を試料ホルダに載置する工
    程と、電子源から電子線を試料に照射する工程と、試料
    を傾斜して複数の傾斜角度で透過電子像を取得する工
    程、前記取得工程で得られた画像から画像中の特徴量か
    ら前記試料ホルダの回転中心位置を算出する工程と、得
    られた複数の画像取得時の前記試料ホルダの角度と前記
    取得した回転中心からの位置から試料の3次元構造を再
    構成する工程と、を有することを特徴とする3次元原子
    配列観察方法。
  4. 【請求項4】 前記特徴量としては、Si結晶中のAg又は
    欠陥又はコンタミネーション跡のいずれかを用いること
    を特徴する請求項3記載の3次元原子配列観察方法。
  5. 【請求項5】 前記特徴量以外の構造が混入している領域
    を各2次元投影像から削除する工程を付加したことを特
    徴とする請求項3記載の3次元原子配列観察方法。
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