JP3302872B2 - 小麦粉低アレルゲン化方法と、低アレルゲン化小麦粉 - Google Patents

小麦粉低アレルゲン化方法と、低アレルゲン化小麦粉

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、小麦粉の低アレ
ルゲン化方法と、この方法によって低アレルゲン化した
小麦粉に関するものである。さらに詳しくは、この発明
は、穀物アレルギー患者用の食品素材として有用な低ア
レルゲン化小麦粉と、この小麦粉を原料とする小麦粉加
工食品に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】近年、食物アレルギー患者が
世界的に急増しており、なかでも米、麦等に対するアレ
ルギーはそれらの穀物が人々の主食であることから重大
な問題となってきている。この発明の発明者等は、この
問題を解決するために、1990年に低アレルゲン化米
を開発している(J.Food Sci., 55, p781, 1990 ; J.Fo
od Sci., 55, p1105, 1990 ;栄養誌,44, p51, 1991 ;
Trends Food Sci., 4, 1993 )。そして、この低アレル
ゲン化米は1993年には機能性食品の第1号として厚
生省により特定保健用食品に認定され、現在、広く米ア
レルギー患者に供給されている。
【0003】一方、小麦粉は、世界中の多くの人々の主
食であるパンや麺類、パスタ等の原料として大量に利用
されているにもかかわらず、現在までのところ、この小
麦粉の食品学的に許容される低アレルゲン化は成功して
いない。この点について、この発明の発明者等は、大多
数の小麦アレルギー患者が抗原とするグルテンのキモト
リプシン加水分解物から配列番号1のアミノ酸配列を有
する抗原性ペプチドを単離し(Biosci. Biotech. Bioch
em., 59, p1596-1607, 1995 )、このペプチドのエピト
ープ(抗原決定基)が配列番号2に示したアミノ酸配列
部分であること、このエピトープの抗原性に必須のアミ
ノ酸酸基が、N末端から1番目のグルタミン残基 (Gln)
と4番目および5番目のプロリン残基 (Pro)であること
を見出している(日本農芸化学1995年度大会講演要
旨集)。そして、この発明の発明者等は、この小麦アレ
ルゲンのエピトープを不活性化することを目的とし、プ
ロリン残基を認識するコラゲナーゼで処理することによ
って、小麦粉を低アレルゲン化し、さらにその小麦粉を
パンおよびパスタに加工することも成功している(Bios
ci. Biotech. Biochem., 58, p388-390, 1994 )。
【0004】しかしながら、このコラゲナーゼは嫌気性
桿菌であるクロストリディウム(Clostridium) 属の産生
する酵素であることから、食品添加物として認可されて
おらず、コラゲナーゼ処理した低アレルゲン化小麦粉は
食品の原料としては利用できないという根本的な欠点を
有していた。この発明は、以上のとおりの事情に鑑みて
なされたものであって、食品学的に許容される方法によ
って小麦粉を低アレルゲン化することのできる方法と、
それによって得られる低アレルゲン化小麦粉、並びにこ
の低アレルゲン化小麦粉を原料とする小麦粉加工食品を
提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、水またはエタノール水溶液を添
加した小麦粉に、高コラゲナーゼ様活性を有し、かつ食
品学的に許容される蛋白分解酵素を中性条件下で反応さ
せることを特徴とする小麦粉低アレルゲン化方法を提供
する。
【0006】この小麦粉低アレルゲン化方法において
は、蛋白分解酵素は、高コラゲナーゼ様活性に加えて、
低アミラーゼ活性を有する酵素であることを好ましい態
様としている。さらに具体的には、ブロメラインはその
高コラゲナーゼ様活性と低アミラーゼ活性によってこの
発明の方法に用いる蛋白分解酵素として最も好ましい。
さらに、上記の方法においては、小麦粉に対してその
0.05倍から100倍量、好ましくは0.1倍から1
0倍量の水または濃度20%以下のエタノール水溶液を
0.05倍から100倍量、好ましくは0.1倍から1
0倍量添加すること、そして小麦粉に対してその0.0
1%から10%重量、好ましくは0.1%から5%重量
の蛋白分解酵素を反応させることを好ましい態様として
もいる。
【0007】なお、この発明の小麦粉低アレルゲン化方
法は、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉等のあらゆる
小麦粉に対して適応することができる。またこの発明
は、上記の方法によって低アレルゲン化した小麦粉であ
って、配列番号2または配列番号3にアミノ酸配列を示
した小麦アレルゲン・エピトープが不活性化しているこ
とを特徴とする低アレルゲン化小麦粉と、この低アレル
ゲン化小麦粉を原料とする小麦粉加工食品を提供する。
この小麦粉加工食品は、例えばパン、麺類、シュウマイ
や餃子の皮、パスタ、ピッツァ生地、菓子等の小麦粉を
原料とするあらゆる食品である。
【0008】さらにこの発明は、上記の低アレルゲン化
小麦粉に、炭酸水素ナトリウムとクエン酸を加えて二酸
化炭素を発生させたのち焼成することを特徴とする低ア
レルゲン化パンの製造方法をも提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、試験例の結果を示し、この
発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。 試験例1 この試験は、高コラゲナーゼ様活性と低アミラーゼ活性
を有し、かつ食品学的に許容される蛋白分解酵素を選択
するために行った。 (1)試料小麦粉 :薄力小麦粉(商品名:クレオパトラ。昭和産業
社製)を用いた。酵素 :プロテアーゼA、プロテアーゼB、プロテアーゼ
S、プロテアーゼN、プロレザー、パパインW−40
(以上、天野製薬社製)、ブロメライン(試薬名:ブロ
メリン。和光純薬社製)、マクラーゼ(科研ファルマ社
製)を用いた。 (2)試験方法コラゲナーゼ様活性 :FALGPAを基質とするVan Wa
rt(Anal. Biochem., 113, p356-365, 1981 )の方法に
準じて測定した。基質濃度0.05mM;溶媒0.4M
NaCl−10mM CaCl2 −50mMトリス塩
酸緩衝液(pH7.5);酵素濃度約5mg/mlと
し、25℃でFALGPA分解反応を行い、324nm
の吸光度の減少を数分間測定した。酵素活性は〔unit/
mg酵素〕で表した。ここで、1unitは、1μmolの
FALGPAを1分間に加水分解する活性であり、ΔA
=0.0025/分に相当する。アミラーゼ活性 :基質を1%糊化ポテトスターチとし、
37℃で30分間酵素反応を行い、Luchsinger and Cor
nesky の方法(Anal. Biochem., 4, p346-347, 1962 )
の方法に準じて還元基を定量した。酵素活性は、〔μm
olグルコース当量/分/mg酵素〕で表した。 (3)試験結果 この試験の結果は表1に示したとおりである。この表1
から明らかなように、試験した蛋白分解酵素のコラゲナ
ーゼ様活性は、ブロメライン>プロテアーゼB>プロテ
アーゼA=パパインの順で高かった。また、これら4種
の蛋白分解酵素についてそのアミラーゼ活性を測定した
ところ、表1に示したとおり、プロテアーゼA、Bでア
ミラーゼ活性が比較的高く、ブロメラインおよびパパイ
ンではその約10分の1程度と低いことが明らかになっ
た。
【0010】
【表1】
【0011】なお、高コラゲナーゼ様活性を有する蛋白
分解酵素が有効であることは、コラゲナーゼが小麦粉の
エピトープ(配列番号2のペプチド)のプロリン残基を
認識してこれを不活性化することにより小麦粉を低アレ
ルゲン化することができるというこの発明者等の従来の
知見から明らかである。また、低アミラーゼ活性を有す
る蛋白分解酵素が有効であることは、アミラーゼによっ
て小麦デンプンが分解されると、小麦粉の体積が減り、
甘味が付与されて加工性が著しく損なわれるためであ
り、加えて、小麦アレルギー患者は小麦タンパク質中の
アミラーゼインヒビターを抗原とするので、アミラーゼ
インヒビターを添加して小麦デンプンの分解を阻止する
ことが不可能であることによる。
【0012】従って、以上の試験結果から、この発明の
小麦粉低アレルゲン化方法に用いる蛋白分解酵素として
は、とくにブロメラインが最も好ましいことが確認され
た。 試験例2 ブロメラインのコラゲナーゼ様活性のpH依存性を調べ
た。 (1)試料 試験例1と同様のFALGPAとブロメラインを用い
た。 (2)試験方法 pH5〜10の条件下において、試験例1と同様の方法
によりコラゲナーゼ様活性を測定した。 (3)試験結果 この試験の結果は、図1に示したとおりである。ブロメ
ラインのコラゲナーゼ様活性は、pH9で最も高く、p
H5〜8でも比較的高かったが、pH10では活性が低
下した。この結果から、pH9の条件でブロメラインを
反応させれば小麦粉の抗原性を効率良く低減可能である
ことが判明した。
【0013】しかしながら、このようなpH条件では、
小麦粉中のフラボノイドがアルカリ性で黄色に変色する
ため、最終製品が着色してしまう恐れがある。低アレル
ゲン化小麦粉として第1に求められる条件は、抗原性の
ないことではあるが、同時に色彩等の品質も通常の小麦
粉と比べて遜色のないものであることが要求される。従
って、この発明の方法においては、中性条件下で小麦粉
に蛋白分解酵素を反応させることのできる条件を設定す
ることが必要であることが確認された。 試験例3 この試験は、中性条件下でブロメラインを反応させ、小
麦粉の抗原性を低減することのできる条件を探索するた
めに行った。 (1)試料 図2に製造工程を示した製品AおよびBを用いた。 (2)試験方法 以下の通りのELISA法によって生成物の抗原性を試
験した。すなわち、小麦粉のブロメライン反応物中のタ
ンパク質を4M尿素含有トリス−塩酸(UTH)緩衝液
(pH8.6)で抽出し、遠心分離(1,300×g:
5分間)した。得られた上清を、タンパク質濃度が約1
00〜250μg/mlになるようにUTH緩衝液で希
釈した。その100μlについて、小麦アレルギー患者
血清(横浜市立大学医学部付属浦船病院より入手)中の
特異的IgE抗体との結合性を指標としてIgE−EL
ISA法により抗原性を測定した(図3参照)。 (3)試験結果 この試験の結果は、表2に示したとおりである。この表
2の結果から明らかなように、同量の10%エタノール
を加え、ブロメラインを37℃で8時間反応させた小麦
粉(製品B)は、その抗原性が検出限度以下まで低減さ
れていた。
【0014】また、小麦粉に対して0.6倍量の水を加
え、1%重量のブロメラインを37℃で反応させた生成
物(製品A)は、反応時間1〜4時間では抗原性が残存
したが、8時間反応物では抗原性は検出限度以下にまで
低減していた。以上の結果から、小麦粉に水またはエタ
ノール水溶液を加えることによって、中性条件下でもブ
ロメラインを効率良く反応させて小麦粉の抗原性を低減
できることが確認された。
【0015】
【表2】
【0016】試験例4 図2にその製造工程を示した製品Aについて、以下の試
験を行った。 (1)試験方法SDS−PAGE :200gの製品Aおよび未処理小麦
粉中のタンパク質を1mlのUTH緩衝液で抽出し、遠
心分離(1,300×g:5分間)した。得られた上清
に等量のSeprasol II (第一化学社製)を加え、15分
間煮沸した後、Laemmli の方法(Nature, 227, p680-68
5, 1970 )に従い、10〜20%濃度勾配のポリアクリ
ルアミドゲル(第一化学社製)を用いて電気泳動した。
分子量マーカーとしてはウサギ筋肉ホスホリラーゼb
(MW、97kDa)、ウシ血清アルブミン(MW、6
7kDa)、オバルブミン(MW、43kDa)、ウシ
炭酸デヒドラターゼ(MW、31kDa)、ダイズトリ
プシンインヒビター(MW、22kDa)、ニワトリ卵
白リゾチーム(MW、14kDa)を用いた。電気泳動
の後、クーマシーブリリアントブルー(R−250、Si
gma 社製)を用いて染色した。レジストグラフィー :凍結乾燥した製品Aの乾物換算で
86gに水74mlを加えて混合し、レジストグラフ
(Brabender Instrument社製)を用いて30℃、63r
pmで20分間攪拌した。未処理小麦粉(100g)と
水(60ml)の混合物についても同等の操作を行っ
た。ファーモグラフィー :生パン酵母(オリエンタル酵母工
業社製)を2g/mlの濃度で水に懸濁させた。この酵
母懸濁液(0.345ml)を、レジストグラフィーで
作成した低アレルゲン化小麦粉バッター(50g)また
は小麦粉ドウ(50g)に混合し、ファーモグラフ(A
R−1000、アトー社製)を用いて24℃で90分
間、二酸化炭素の発生量と生地への保持量を測定した。 (2)試験結果 図4に示したとおり、ブロメライン反応8時間の生成物
(製品A)の4M尿素抽出物をSDS−PAGEしたと
ころ、未処理小麦粉と比べて反応生成物は大部分がゲル
から抜けるほど低分子化されていた。20kDa〜30
kDa付近の成分は反応後でも残っていたので、この成
分は抗原性はないものと考えられる。
【0017】また、図5に示したとおり、低アレルゲン
化小麦粉(製品A)のレジストグラム(A)は、未処理
小麦粉のそれと比較して平坦であり、グルテンが形成さ
れていないことを示した。しかしながら、図6のファー
モグラムに示したように、低アレルゲン化小麦粉は二酸
化炭素保持能を有しているため、これを用いて例えばパ
ン等の小麦粉加工食品の製造が可能であることが確認さ
れた。 試験例5 図2にその製造工程を示した製品Aを用いてパンを製造
し、その特性を試験した。 (1)試料 薄力小麦粉(1kg)を水0.6リットル中で37℃、
8時間ブロメライン(10g)処理した。ブロメライン
反応液に、食塩10g、グルコース10g、クエン酸1
3g、ソルビタン・モノステアレート(商品名:Emasol
S−10F、花王社製)10mgを加え、さらに炭酸
水素ナトリウム20gを加えて攪拌した。混合物30g
ずつを素早く100ml容器またはマフィン型のアルミ
ナカップに入れ、オーブンで180℃、20分間焼成し
てパンを製造した。
【0018】また、コラゲナーゼ処理によって低アレル
ゲン化した小麦粉を原料とするパン(Biosci. Biotech.
Biochem., 58, p388-390, 1994 )も製造した。なお、
この試験例で作成したパンにはパン酵母は使用していな
い。パン酵母のタンパク質と小麦アレルゲンとはアミン
酸配列が類似しているため、小麦アレルギー患者はパン
酵母にもアレルギー反応を示す場合が多いからである。
このため、パン酵母の代わりに炭酸水素ナトリウムとク
エン酸から二酸化炭素を発生させることによってパンを
製造した。 (2)試験方法比容積 :ローフ体積をナタネ置換法(American Associa
tion of Cereal Chemists. in "Approved Methods of t
he AACC", 8th Ed. The Association. St. Paul,Method
10-10B, 1983)により測定した。比容積は、ローフ体
積(ml)/ローフ重量(g)で表した。色調評価 :パンの上部の色パラメーター(L、a、b
値)を色差計(SC−2−XCH、スガ試験機社製)を
用いて測定した。 (3)試験結果 この試験の結果は表3に示したとおりである。この表3
からも明らかなように、ブロメライン処理によって低ア
レルゲン化した小麦粉パンは、比容積および色調評価の
いずれにおいても、コラゲナーゼ処理による低アレルゲ
ン化小麦粉パンと同様の特性を有していた。また、市販
のイングリッシュ・マフィンとも同様の比容積を有して
いた。
【0019】さらに、製造したパンの外観(A)と断面
(B)の写真図を図7に示した。ソルビタン・モノステ
アレートの添加により、パン内層のきめの良さが得られ
た。また、グルコースの添加により、ストレッカー分解
とメイラード反応が生じ、その生成物によって、パンの
色と香りは非常に良好であった。
【0020】
【表3】
【0021】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この発明の
方法によって、食品学的に許容される方法によって小麦
粉を低アレルゲン化することのできる方法と、それによ
って得られる低アレルゲン化小麦粉、並びにこの低アレ
ルゲン化小麦粉を原料とする小麦粉加工食品が提供され
る。これにより、小麦粉アレルギー患者に対して安全な
小麦粉加工食品を提供することが可能となる。
【0022】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:30 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ser Gln Gln Gln Gln Pro Pro Phe Ser Gln Gln Gln Pro Pro Phe 1 5 10 15 Ser Gln Gln Gln Gln Pro Pro Phe Ser Gln Gln Gln Pro Pro Phe 20 25 30 配列番号:2 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列番号:3 配列の長さ:5 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド (Xaa は任意のアミノ酸残基を示す)
【図面の簡単な説明】
【図1】ブロメラインのコラゲナーゼ様活性のpH依存
性を示したヒストグラムである。
【図2】ブロメライン処理による低アレルゲン化小麦粉
の製造工程例である。
【図3】ELISA法による抗原性測定の方法を示した
模式図である。
【図4】ブロメライン処理による低アレルゲン化小麦粉
と未処理小麦粉のSDS−PAGEの結果を示す図であ
る。
【図5】ブロメライン処理による低アレルゲン化小麦粉
(A)と未処理小麦粉(B)のレジストグラムである。
【図6】ブロメライン処理による低アレルゲン化小麦粉
のファーモグラムである。
【図7】ブロメライン処理による低アレルゲン化小麦粉
を用いて作成したパンの外観(A)と、その断面(B)
の写真図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−253758(JP,A) 特開 平2−167040(JP,A) Biosci.Biotech.Bi ochem.,1994年11月23日,Vo l.58,No.11,pp.2061−2065 日本農芸化学会誌,1995年7月5日, 第69巻,臨時増刊号,p.165 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/10 - 1/105 A21D 2/00 - 17/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水またはエタノール水溶液を添加した小
    麦粉に、ブロメラインを中性条件下で反応させることを
    特徴とする小麦粉低アレルゲン化方法。
  2. 【請求項2】 小麦粉に対して、その0.05倍から1
    00倍量の水を添加する請求項の小麦粉低アレルゲン
    化方法。
  3. 【請求項3】 小麦粉に対して、濃度20%以下のエタ
    ノール水溶液を0.05倍から100倍量添加する請求
    の小麦粉低アレルゲン化方法。
  4. 【請求項4】 小麦粉に対して、その0.01%から1
    0%重量のブロメラインを反応させる請求項の小麦粉
    低アレルゲン化方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないしに記載の方法によって
    低アレルゲン化した小麦粉であって、配列番号2にその
    アミノ酸配列を示した小麦粉アレルゲン・エピトープが
    不活性化していることを特徴とする低アレルゲン化小麦
    粉。
  6. 【請求項6】 請求項1ないしに記載の方法によって
    低アレルゲン化した小麦粉であって、配列番号3にその
    アミノ酸配列を示した小麦粉アレルゲン・エピトープが
    不活性化していることを特徴とする低アレルゲン化小麦
    粉。
  7. 【請求項7】 請求項または記載の低アレルゲン化
    小麦粉を原料とする小麦粉加工食品。
  8. 【請求項8】 請求項または記載の低アレルゲン化
    小麦粉に、炭酸水素ナトリウムとクエン酸を加えて二酸
    化炭素を発生させたのち焼成することを特徴とする低ア
    レルゲン化パンの製造方法。
  9. 【請求項9】 低アレルゲン化小麦粉に、ソルビタン・
    モノステアレートと、グルコースを添加する請求項
    パン製造方法。
JP34406995A 1995-12-28 1995-12-28 小麦粉低アレルゲン化方法と、低アレルゲン化小麦粉 Expired - Fee Related JP3302872B2 (ja)

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