JP3300805B2 - 顆粒状含油食品の製造法 - Google Patents

顆粒状含油食品の製造法

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JP3300805B2 JP10442994A JP10442994A JP3300805B2 JP 3300805 B2 JP3300805 B2 JP 3300805B2 JP 10442994 A JP10442994 A JP 10442994A JP 10442994 A JP10442994 A JP 10442994A JP 3300805 B2 JP3300805 B2 JP 3300805B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は含油食品の製造に関し、
更に詳しくは顆粒状含油食品を製造する新規な方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】油脂と小麦粉、調味料、乳製品、砂糖等
の食品材料から構成される含水率の低い含油食品、例え
ばルーやチョコレートは、加熱して冷却すれば容易に固
まるということからブロック状態で供給されることが多
いが、カレー料理、シチュウ料理、チョコレート飲料等
のように溶解して使用する用途には、ブロック状では溶
解性が悪く、フレーク状や顆粒状にして溶解性を改善す
ることもなされている。
【0003】しかし、フレーク状の含油食品、例えばカ
レールーは、製造直後の溶解性は良くなっているけれど
も、夏場のような高温、或いは加重等の物理的な力で塊
状化して溶解しにくくなると言う欠点を有している。
【0004】一方、顆粒状の含油食品は、流動性が良く
て取扱いやすく、溶解性が良くて調理に要する時間を短
縮化するのみならず、フレーク状にみられる塊状化を防
止することが可能になり、ふりかけて使用する食卓用の
調味料にも形状が適当であることから使用できるし、分
散に優れていることからドライカレー風味のチャーハン
を作ったり、ソフトクリームやアイスクリーム等のトッ
ピング用として容易にチョコレート風味等の味覚を与え
ることも可能にしている。
【0005】このようにブロック状、或いはフレーク状
の含油食品では得られない優れた特性を有する顆粒状含
油食品の製造に関して、例えば高融点の油脂を溶融さ
せ、溶融した油脂を被造粒粉末に噴霧して顆粒化する方
法が良く知られているが、油脂を溶融状態で保存しなが
ら噴霧する為に油脂を加温したり噴霧する装置が必要で
あり、噴霧した油脂と被造粒粉末を均一に接触させるこ
とが難しく、得られた顆粒状物の粒度分布が広くなりや
すく粒度調整が困難であった。
【0006】これに対して、顆粒状含油食品の顆粒化を
容易にしたり、顆粒状物の粒度調整をコントロールしや
すくする為に種々の試みがなされ、特開昭58−107
152号、特開平1−269469号、特開昭59−6
6848号、特開昭60−15055号、特開平5−6
9号等が開示されている。
【0007】特開昭58−107152号は、融点が4
0〜50℃の牛脂、硬化油等の食用油脂を熱溶融し、小
麦粉、澱粉等の澱粉質原料を加えて煮沸、混合後にカレ
ー粉、調味料、澱粉分解物を添加混合し、冷却後に水を
加えたものを押出造粒し、流動層で乾燥して顆粒状カレ
ールーを製造する方法であるが、水を使用している為乾
燥する手間がよけいにかかるし、造粒物から水分を蒸散
させると水分の蒸散と共に造粒物中の芳香成分が揮散し
てしまう等の問題があった。
【0008】特開平1−269469号は、粉末食酢、
粉末油脂、スパイス類、食塩、及び調味料を混合し、該
混合物の流動層に結合剤含有溶液を噴霧させて造粒する
顆粒状ドレッシングを得る方法であるが、流動層の様な
特別な装置が結合剤使用による凝集造粒を円滑に行わす
等の理由により必要であるし、温風で粉末を流動させて
いる為に流動中に芳香成分が揮散するという問題があっ
た。
【0009】特開昭59−66848号は、被造粒粉末
素材と融点40〜130℃のバインダー粉末を粉体混合
した後バインダー粉末の融点以上に加熱し、冷却する造
粒法で、バインダー粉末として油脂を使用する為には油
脂を粉末化する為の特別な前処理が必要なものであっ
た。
【0010】特開昭60−145055号は、高温での
熱処理の必要な食品素材を溶融した固形脂と共に熱処理
したルーをドラムフレーカーで冷却して得られる固形脂
含有フレークと熱処理不要の食塩、砂糖や熱処理の好ま
しくないエキス分を粉体混合し、固形脂の融点以上に加
熱後冷却して顆粒状含油食品を得る方法であり、対象と
する顆粒状食品の範囲が広げられることは認められるに
しても、油脂をフレーク化する為にドラムフレーカーの
様な特別な装置が、溶融した固形脂を冷却したロール間
にはさんで加圧と冷却を同時に行ってフレーク状にして
固形脂を一定の形状にする等の理由で必要であるし、フ
レーク化の工程が増えるだけコストアップの要因になる
ものであった。
【0011】特開平5−69号はキサンタンガム、澱粉
類及び食用油脂を加熱混合して得られる液状ルー100
重量部に対して、畜肉類系エキスパウダー等のエキスパ
ウダー、各種糖類、食塩、脱脂粉乳、カレー粉、クリー
ムパウダー、デキストリン等を適宜混合した粉末状混合
物を60〜130重量部混合してなる顆粒状ソースの製
造法、並びに該顆粒状食品ソース及び具材を配合してな
る即席食品が開示されているが、粉末状混合物の添加量
が多く、必然的に油脂含量の少ないものしか得られない
という問題があった。
【0012】一方、カカオの芳香とカカオバターが口の
中でとろける際の滑らかな舌ざわりが賞味されるチョコ
レートの顆粒化に関して、スプレークーリング法等の適
当な手段、例えば特開昭63−186799号の方法に
よって調製した粉末状のチョコレート類に粉末状ないし
顆粒状の乳成分を混合し、温風を送ってチョコレートが
わずかに融解する温度に加温して造粒する方法が一般的
であり、それ以外に焙炒カカオニブ単独又カカオニブと
チョコレートに通常使用される食品素材を混合し、−5
0℃の超低温で325メッシュ以下に粉砕し、炭酸ガス
やチッソガス中又は除湿空気中で常温に戻し、顆粒化す
る場合には、水分数%となる様に加湿し、振動させて造
粒し、常温又は加熱除湿空気による通風乾燥、又は減圧
乾燥をして顆粒状チョコレートを得る方法(特開昭51
−101172号)、脱脂粉乳、砂糖等の顆粒状食品に
炭素数6、8、10の中鎖脂肪を添加撹拌し、ココア粉
末等の芳香粉末を添加混合する芳香性顆粒状食品を得る
方法(特開昭56−109567号)、流動層等を利用
してココア、コーヒー又は脱脂粉乳と糖の混合物等から
なる飲料ベースの顆粒に溶融させたチョコレートの様な
脂肪ベースを噴霧して脂肪を被覆させる方法(特開平2
−234640号)等が開示されているが、粉末状のチ
ョコレートを得る為、或いは顆粒化するのに特別な装置
を必要としたり、顆粒化している核物質を使用する時に
は前段階で何らかの方法によってまず顆粒化する工程が
必要であるという欠点があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、固形脂の含有量が20重量%以上である食
品を、容易にしかも安価に顆粒化する顆粒状含油食品の
製造法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決する為の手段】本発明者等は、上記の課題
に関して、鋭意研究を続けた結果、油脂が固形脂を含有
する食品であって、固形脂と固形脂以外の食品材料と共
に固形脂の融点以上に加熱後、澱粉分解物を基材とする
多孔質食品素材を添加し、混合して冷却することによっ
て顆粒状含油食品が得られるという知見を得て本発明を
完成するに至った。
【0015】本発明の対象とする含油食品は、油脂と油
脂以外の食品材料から構成され、且つ油脂が固形脂より
なるものである。固形脂の含有量が20重量%未満では
顆粒化できにくくなるので、固形脂の含有量が20重量
%以上であることを必要とする。また、含水率が高くな
るにつれて顆粒化しにくくなるので、含水率を8%以
下、より好ましくは、含水率を5%以下の粉末状又は固
体状の形態をとる食品である。このような食品の具体例
としては、カレー料理、シチュー、ポタージュスープ、
ホワイトソース、ブラウンソース等のベースとなる小麦
粉を主体とするルー、調味料、スープの素及びチョコレ
ート等が挙げられる。
【0016】本発明でいう顆粒状とは、上記の含油食品
に対して、溶解性を良くして調理時間を短縮する、保存
中の塊状化を防止して長期保存を可能にする、小詰包装
の自動計量を容易にしたり、ふりかけて使用する調味料
やトッピング用等としても使用できるように流動性を改
善することを目的として、粒子の大部分が250〜20
00μm程度になるように粉体を造粒したものを意味す
る。
【0017】本発明に使用する固形脂とは、一般的に油
脂本来の特性から常温で固体状を呈するものを意味する
が、本発明ではこれに常温で液体状となっている液体脂
が使用されても、油脂全体でみると融点が常温を越える
ものも包括し、その具体的な例としては、パーム油、ヤ
シ油、パーム核油、カカオ脂、牛脂、豚脂のような常温
で固体状のものや大豆油、菜種油、綿実油、サフラー
油、ヒマワリ油、トウモロコシ油、コメ油、アマニ油の
ような液状のものやこれらの油脂に水素添加等を行っ
て、融点を上げたり、凝固点を下げたものを、単独又は
併用して油脂全体が常温で固体状を呈するものが挙げら
れる。
【0018】本発明に使用する固形脂の融点は、対象と
なる顆粒状含油食品の種類や保存状態等によって決めら
るもので、例えば口中温度で溶解する必要のあるチョコ
レートのような場合には低めに、スープ類等のように高
温の水に溶解して喫食する用途には食感を損なわない程
度でできるだけ高めの融点に調整することが望ましい
し、冷蔵保存する場合にはより低い融点にしても良い。
固形脂としては融点が55℃以下のものが好ましい。
【0019】一方、固形脂以外の食品材料とは、穀粉や
澱粉等の澱粉質を含有するもの,デキストリン、オリゴ
糖等の澱粉分解物、アラビアガム、ローカストビーンガ
ム、キサンタンガム等の多糖類、大豆蛋白、小麦蛋白、
ホエー蛋白やゼラチン等の蛋白質、タンパク加水分解物
等の各種アミノ酸やグルタミン酸ソーダ等の調味料、ク
エン酸やリンゴ酸等の有機酸、砂糖、グルコース等の各
種糖類、食塩、全脂粉乳や脱脂粉乳等の乳製品、レシチ
ンやシュガーエステル等の乳化剤、動植物由来のエキス
分、香辛料や香料等を意味し、含油食品の種類によって
適宜選択されるものである。この固形脂以外の食品材料
には原則として本発明に於いては多孔質食品素材は含ま
ない。
【0020】また、本発明で述べる澱粉分解物を基材と
する多孔質食品素材とは、不定形な粒状又は粉末状を呈
する澱粉分解物を基材とする粉体で、該粉体の表面又は
内部に多くの空隙を有する比容積6〜20cc/g程度
の物質を意味する。具体的には以下のものである。
【0021】(イ)DE18以下の澱粉分解物例えばコ
ーンスターチ、タピオカ澱粉等の澱粉を酵素及び/又は
酸によりDE18以下に加水分解したものを液状でドラ
ムドライヤーで通常140〜170℃程度で乾燥粉末化
したもの(比容積:6〜20cc/g:特開昭50−2
3305号)、
【0022】(ロ)DE30以下の澱粉分解物例えば馬
鈴薯澱粉等の天然澱粉、アミロースやアミロペクチン分
画物、エーテル化澱粉、エステル化澱粉、酸化澱粉、酸
処理澱粉、グラフト化澱粉等の加工澱粉を酸分解、アル
カリ分解、酵素分解またはそれらの組み合わせによって
DE30以下に加水分解したものと、海藻抽出物や植物
性種子粘質物、植物性果実粘質物、植物性樹脂様粘質
物、微生物産生粘質物、水溶性もしくは水分散性蛋白
質、セルロース誘導体及び水溶性合成高分子からなる群
から選ばれる1種または2種以上の高分子物質例えばア
ルギン酸ナトリウム、ローカストビーンガム、ペクチ
ン、アラビアガム、キサンタンガム、ゼラチン、カルボ
キシメチルセルロース等の水分散液をドラムドライヤー
で乾燥したもの(特開昭59−76538号)、
【0023】これらの多孔質食品素材の何れもが本発明
に利用できるが、特に透明感やザラツキを特に問題とす
る食品には好ましく、例えば特開昭50−23305号
によって製造された澱粉分解物をベースとする多孔質食
品素材は、砂糖の約1/10程度以下のごく弱い甘味を
有し、臭もなく、澱粉、或いは穀物等か得られる多孔質
食品素材より冷水、熱水に容易に溶解し、顆粒状含油食
品がスープの場合では透明に溶解し、チョコレートの場
合では口あたり感や口解けに優れたのものとなる。尚、
比容積とは、試料を一定容積の容器に充填した時の容積
をその時の試料の重量で除した値である。この多孔質食
品素材は、含油食品を加熱した後に固形脂に対して20
〜100重量部添加される。この際あらかじめ含油食品
に該素材を含有せしめておくと、顆粒状物の他に塊状物
や粉状物ができやすく好ましい顆粒状態にならない。
【0024】従来の含油食品を顆粒化する方法では、
(A)特別な造粒装置を必要とする、(B)湿式造粒法にお
ける乾燥時の芳香成分の蒸散が発生する、(C)乾式造粒
法における固形脂を溶融してから単に粉末素材を混合し
て冷却するだけでは顆粒状態が悪い、或いは(D)顆粒状
態を改善するために固形脂をわざわざ粉末状やフレーク
状等という限定した形状にする必要があるという制限の
多いものであった。
【0025】これに対して、本発明では固形脂の形状や
固形脂の溶融方法を特に問題にするのでなく、要は固形
脂を食品材料とともに固形脂の融点より高い温度で溶融
させたものに上記多孔質食品素材を添加混合し、冷却し
て極めて容易に顆粒状態にすることを特徴とするもの
で、固形脂の少ないものから多いものまで広い範囲の顆
粒状含油食品を製造することを可能にする。しかし乍
ら、固形脂の余りに少ないところでは粉末状になりやす
いので、固形脂と固形脂以外の食品素材の割合が20/
80以上、より均一な顆粒を得るためには35/65〜
80/20の重量比で含有する食品に多孔質食品素材を
添加して顆粒化を実施する。この際、固形脂に対する多
孔質食品素材の添加量は、20重量%未満では顆粒化で
きないし、100重量%を越えても顆粒状態としての特
性に変化がみられないので経済的でなく、20〜100
重量%にすることが望ましい。
【0026】本発明による顆粒状含油食品の一般的な製
造法は、適当な加熱装置を具備した混合機を使用し、撹
拌しながら固形脂の融点を越える温度で固形脂20〜1
00重量部を溶融してから固形脂以外の食品材料を添加
するか、或いは固形脂と固形脂以外の食品材料を添加し
てから前記温度で固形脂を溶融し、混合物の品温を、高
くても油脂の融点から30℃を越えないで、低くても混
合物の流動性が十分に保持される程度にして、固形脂に
対して多孔質食品素材20〜100重量%を少しずつ、
或いは数回に分けて投入し、10〜30分間混合して均
一化する。混合後静置又は撹拌しながら固形脂の融点よ
り10〜30℃下回る温度まで冷却し、必要に応じて整
粒することを特徴とする方法によって製造される。この
際、加熱は直火でもジャケットタイプのような間接加熱
の何れも利用でき、混合は高速で撹拌すると油脂が滲み
出したりして顆粒化しにくくなるし、油脂含量が少なか
ったりすると負荷のかかりかたが大きい場合もあるの
で、負荷に耐えられて低速で攪拌できるタイプの混合機
を使用することが好ましい。このような混合機の一例と
してニーダーを使用する場合、4〜60rpmの程度で
攪拌すればよいが、同様な撹拌条件の得られるものであ
ればこれに拘らない。尚、穀粉やガム質等のような食品
材料の有する生っぽさを除去したり、香ばしさ等を付与
したい場合には、これらの食品材料を固形脂とともに高
温で熱処理した後に他の食品材料を添加後、冷却して固
形脂の融点から高くても30℃を越えないで、低くても
混合物の流動性が十分に保持される程度の温度で多孔質
食品素材を添加しても良い。
【0027】以下に本発明の顆粒状含油食品を得る具体
的な例をカレールーとチョコレートについて説明する。
【0028】カレールーを製造する場合、加熱と混合が
できる装置、例えばジャケット付きニーダーに、ラー
ド、牛脂、牛脂硬化油等の固体状の油脂を、油脂の融点
を35℃〜55℃になるような割合にして投入し、ジャ
ケットに蒸気を注入して品温60℃程度に加熱して油脂
を溶融したものに小麦粉、澱粉等を添加混合し、撹拌し
ながら110〜130℃まで昇温し、原材料の生っぽさ
を除き必要な程度まで着色、或いは香ばしさが付与され
るまで適当な時間をかけて加熱混合し、食塩、砂糖、グ
ルコース、アミノ酸、グルタミン酸ソーダ、カレー粉や
エキス分等を加えて均一に混合し、必要なら品温110
℃を越えない温度で加熱して水分を減少させた後、60
℃程度まで冷却してから容器に充填し油脂の融点以下ま
で冷却して、融点35〜55℃の固形脂を含有するブロ
ック状のカレールーを得る。次にジャケット付きニーダ
ーに上記のブロック状のカレールーを投入し10〜20
rpmの速度で撹拌しながら、ジャケットに蒸気を注入
し、油脂の融点から高くても30℃を越えない程度に昇
温して油脂を溶融したものに、澱粉系、或いは澱粉分解
物をベースとする多孔質食品素材を少しずつ、或いは分
割して投入し、10〜30分間均一になるまで混合後、
ジャケットに冷水を流入させ油脂の融点を10〜30℃
下回る温度になるまで冷却して顆粒状カレールーを得る
が、必要に応じて振動篩等を使用して整粒する。
【0029】上記の製造例はブロック状カレーを経由し
てから、顆粒カレールーを製造する方法であるが、高温
で液状を呈しているカレールーを冷却中に品温が固形脂
の融点から高くても30℃を越えないで流動性を十分保
持している温度に達したら、多孔質物質を添加する方法
も使用できる。
【0030】一方、顆粒状のチョコレートを製造する場
合、常法に従って製造されたカカオマス(ビターチョコ
レート)をミキサーに入れ、砂糖や全脂粉乳等の乳製品
を加えて混合後、レファイナーに通して15〜25μm
程度の微粒子に粉砕してコンチェーに送り、ここでレシ
チン、カカオバター等を添加し、50〜70℃の温度で
練り上げて熟成した流動性を有するチョコレートを上記
のニーダーに入れ、油脂の融点から30℃を上回らない
で流動性を保持できる温度に調温し、澱粉分解物をベー
スとする多孔質食品素材を加えて10〜30分間混合
し、油脂の融点より10〜30℃下回る温度まで冷却し
て顆粒状チョコレートが得られる。尚、市販のミルクチ
ョコレート、スィートチョコレート等を顆粒化する場
合、これらに含まれている固形脂を溶融させて多孔質食
品素材を添加する方法で顆粒化することができるが、こ
の際、パーム硬化油等を併用して固形脂の融点を上昇さ
せれば、夏場でも塊状化しにくくすることを可能にす
る。
【0031】
【実施例】以下に本発明の詳細を実験例と実施例を挙げ
て示すが、これらの例に於いて部は重量部を示す。
【0032】
【実験例1】ジャケット付きニーダー(梶原工業株式会
社製)に融点30℃のラードと融点50℃のパーム硬化
油を添加し、10〜20rpmの速度で撹拌しながらジ
ャケットに蒸気を入れて加熱して油脂を溶融し、品温6
0℃程度で小麦粉を投入して110℃まで加熱し、この
温度を10分間保持した後、ジャケットに冷水を入れて
冷却し品温60℃付近でパインフロー(松谷化学工業製
の多孔質澱粉分解物で比容積8cc/gのもの)を少し
ずつ投入し20分間混合後、ジャケットに冷水を入れて
品温20℃まで冷却して、固形脂の融点が約40℃を示
す含油食品を得た。使用した原材料の割合、含油食品の
顆粒状態と溶解性を表1に示す。尚、溶解性は95℃の
熱水80gに試料20gを投入し、ガラス棒で60回/
分の速度で撹拌した時の分散と溶解の状況で示した。
【0033】
【表1】 顆粒状態 ◎;均一な顆粒状である ○;顆粒状であるが多少不均一 ×;粉末状となって顆粒状にならない 溶解性 ◎;分散が良く30秒以内に溶解する ○;分散は良いが、溶解に45〜60秒間要する ×;一部ダマが発生し、60秒以内にダマが解消しない
【0034】
【実施例1】ニーダーに融点30℃のラード、融点28
℃のマーガリン、融点50℃の牛脂硬化油を添加し、1
0〜20rpmの速度で撹拌しながら加熱して油脂を溶
融し、品温60℃程度で小麦粉を投入して110℃まで
加熱し、この温度を10分間保持した後、純カレー粉、
上白砂糖、食塩、オニオンパウダー、ガーリックパウダ
ー、グルタミン酸ソーダ、酵母エキス、粉末ソースを投
入して混合し、110℃以下の温度で加熱して水分2%
以下になるようにした後、冷却して品温55℃程度で多
孔食品素材としてパインフロー及び多孔質澱粉(特開昭
55−99166号に基づき、エクスツルーダを使用し
水分含量19%のコーンスターチ、ダイス部分190
℃、圧力15kg/cm2 で押出し、カッチング後水分
5%以下に通風乾燥し、粉砕して得られた比容積15.
4cc/gのもの)を使用し、それぞれを3回に分けて
投入してから20分間混合し品温20℃まで冷却して顆
粒状カレールー得た。何れのカレールーも融点約39℃
で均一な顆粒状を示したが、その時の原材料の割合を表
2に示した。これらの顆粒状のカレーを用いて具材入り
の即席カレーを作った。即ち水200gに野菜、肉を入
れ、沸騰させて柔らかくなった後、これらの顆粒状カレ
ールーをそれぞれ30g入れ、30秒間軽く撹拌するこ
とによって何れの場合も非常に簡単に溶解し、調理カレ
ーができた。
【0035】
【表2】
【0036】
【実施例2】ニーダーに融点30℃のマーガリン40部
を投入し、50℃まで品温を上昇させてマーガリンを溶
融し、表3に示す割合でその他の食品材料を投入し、1
5分間混合後パインフローを添加して20分間混合後、
20℃まで冷却して均一な顆粒状を示すコーンクリーム
スープが得られた。得られた顆粒状スープ20gを95
℃の熱水80gに溶解したところ、極めて容易に溶解
し、食したところ美味しいものであった.尚、NX−1
0は松谷化学工業株式会社製の焙焼小麦粉である。
【0037】
【表3】
【0038】
【実施例3】融点29℃のカカオ脂を50%含有するカ
カオマスに乳脂肪25%を含む全脂粉乳と砂糖を添加し
て混合し、3本ロールに通して粒子を微粒子化したもの
を、ジャケットに予め50〜60℃の温水を入れてある
ニーダーに投入し、10〜20rpmの速度で撹拌し、
品温40℃で融点28℃のカカオバターを投入し、品温
が50℃に達したら、撹拌速度を100rpm程度に上
げて水分が1%以下になるまでこの温度を保持する。次
に撹拌速度を10〜20rpmに下げてパインフローを
少しずつ添加し、20分間混合後、ジャケットに冷水を
通して品温15℃まで冷却して均一な顆粒状を示す融点
約29℃のチョコレートが得られたが、その時の原材料
の割合を表4に示す。このチョコレートをそのまま食す
ると口当たりや口溶けに優れ、熱水に溶解すると極めて
容易に溶解して美味しいチョコレート飲料が得られた。
【0039】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−251047(JP,A) 特開 昭58−107152(JP,A) 特開 昭60−145055(JP,A) 特開 平2−27944(JP,A) 特開 平6−125717(JP,A) 特開 平7−213248(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/40 A23G 1/00 A23L 1/00 A23L 2/39 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油脂と油脂以外の食品材料からなり、且つ
    油脂が固形脂よりなる含油食品の製造において、固形脂
    を20重量%以上含有する食品を固形脂の融点以上に加
    熱し、次いで澱粉分解物を基材とする多孔質食品素材を
    固形脂に対して20〜100重量%添加して混合した
    後、固形脂の融点以下の温度に冷却することを特徴とす
    る顆粒状含油食品の製造法。
  2. 【請求項2】固形脂と固形脂以外の食品材料が35/6
    5〜80/20の重量比で含有する食品を使用する請求
    項1に記載の顆粒状含油食品の製造法。
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