JP3817450B2 - 粉末チョコレートとその製造方法及びそれを含有した飲食物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、良好なチョコレート風味を有する粉末チョコレートとその製造方法及びそれを含有した飲食物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の製造技術として、▲1▼特開平6-62744号公報「粉末チョコレートの製造方法」にはホイップ機能を有した界面活性剤を加えたチョコレート生地に空気を含気させ、該気相が連続相である含気チョコレートを冷却固化し、ほぐすことによって粉末チョコレートを得る方法が開示されている。
▲2▼液体窒素を使用してチョコレートを固化、凍結粉砕する方法も容易に利用可能な製造方法である。
▲3▼特開平8-205773号公報には油分25〜35%のチョコレート生地にHLBの高い界面活性剤を0.1〜1.0%添加、混合し、さらに水分11〜25重量%になる様に加水して乳化物とした後、品温90℃以下で乾燥、ついで粉砕し、比重0.35〜0.55、粒径5mm以下とすることを特徴とする可溶性粉末チョコレートの製法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
▲1▼特開平6-62744号公報に開示の粉末チョコレートの製造方法はホイップ機能を有した界面活性剤を加えたチョコレート生地に空気を含気させ、該気相が連続相である含気チョコレートを冷却固化し、ほぐすことによって粉末チョコレートを得る方法であるが、本製造方法で得られる製品は室温が27℃以上となった場合、チョコレート粉末粒子同士が付着し、固結し、粉末としての性状を消失する。
▲2▼液体窒素によってチョコレート生地を冷却固化して凍結粉砕する方法によって粉末チョコレートを製造することも可能であるが、本製造方法によって得られる粉末チョコレートも室温が27℃以上となった場合にはチョコレート粉末粒子同士が付着し、固結し、粉末としての性状を消失する。
▲3▼特開平8-205773号公報には油分25〜35%のチョコレート生地にHLBの高い界面活性剤を0.1〜1.0%添加、混合し、さらに水分11〜25重量%になる様に加水して乳化物とした後、品温90℃以下で乾燥、ついで粉砕し、比重0.35〜0.55、粒径5mm以下とすることを特徴とする可溶性粉末チョコレートの製法では界面活性剤の使用と、加水して乾燥するために風味が低下する問題点がある。
【0004】
前記の如く、従来技術による粉末チョコレートの製造方法には
(1) 27℃以上の保管条件で固結し、粉末としての性状を消失する。
(2) チョコレート生地に加水し乳化剤を添加し、乾燥することによる香味劣化を起こす。
等の問題点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記従来技術による粉末チョコレートの問題点を解決するために
1.チョコレート生地を水に溶解して水系で乳化することなく、粉末化する。
2.チョコレート特有の風味を有し、減じる事が無い。
3.固結や油のにじみがなく、27℃以上の保管条件でも粉末としての流動性を有すること。
という課題を解決すべく鋭意研究の結果、本発明を開発するに至った。
【0006】
以下、本発明の内容について詳細に説明する。
比容積4ml/g 以上、11 ml/g以下のデキストリン粉末を品温10℃以下に流動層造粒乾燥機又は混合機で転動・冷却しながら、融解したチョコレート原料を1流体又は2流体ノズルを使用して噴霧し、該チョコレート原料噴霧粒子の表面をデキストリン粒子によって被覆し、該デキストリン粒子被覆チョコレート原料に甘味度を調整するためのグラニュー糖又は各種糖原料を混合し、該混合粉体を必要に応じて破砕、整粒することにより、チョコレート風味を有する27℃以上の保管条件でも粉末としての流動性を有する粉末チョコレートが得られる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法で使用するデキストリン粉末はパウダテスタ(ホソカワミクロン(株)製)を使用してゆるみ見掛比重(Aerated Bulk Density)計測法によって計測した値を比容積値とした比容積が4ml/g 以上、11 ml/g以下のものを使用し、10℃以下に調温した該デキストリン粉末に1流体又は2流体ノズルによって微粒子化されたチョコレート原料粒子を噴霧し、該デキストリン粉末よって噴霧されたチョコレート原料粒子を被覆することにより27℃以上の保管条件でも粉末としての流動性を有する粉末チョコレートが本発明の特徴とするところである。
【0008】
該特徴を確保するためにはデキストリン粉末の比容積は4ml/g以上、11ml/g以下である事が好ましい。該デキストリン粉末の比容積が下記試験例1の表-1に示す様に4ml/g未満の場合には本発明の特徴であるチョコレート原料粒子をデキストリン粉末片によって被覆することが不完全となり、25℃以下で固結が起こり易く、パウダテスタ(ホソカワミクロン(株)製)を使用して安息角を測定した場合、パウダテスタ付属の直径10mm内径の濾戸から比容積4ml/g未満のデキストリン粉末を使用した粉末チョコレートを25℃の室温で計測した安息角は55度と高く、流動性を消失していた。
一方、 比容積の値が11ml/g超えるのものも品質上問題はないが、比容積が過大となり、デキストリン粉末にチョコレート原料を噴霧する工程の製造効率が低下すると共に、11ml/g超えるデキストリン粉末については当該デキストリン製造プロセスが煩雑となり通常のデキストリンに比べて必要に応じて即刻入手しがたく、また比容積11ml/g超えるデキストリンを使用しても、本願粉末チョコレートの品質の低下に大きな影響は及ぼさない。
【0009】
試験例1
【表1】
デキストリン粉末の比容積と粉末チョコレートの安息角と粉末状態
表1の説明
表1はカカオマス25重量、全脂粉乳25重量、砂糖30重量、カカオバター19重量、レシチン0.5重量、香料0.5重量より成る油脂含有32重量%のミルクチョコレート86.5重量にカカオバター13重量、を加えた油分量41重量%の原料チョコレートの油分量10重量部に対して10℃に冷却した各種比容積のデキストリンを30重量部に噴霧処理して得た粉末チョコレートをパウダテスタ(ホソカワミクロン(株)製)を使用して25℃の室温で安息角と粉末の状態を観測した結果を示している。
【0010】
次に、噴霧方法としては1流体又は2流体式噴霧装置を使用することが出来る。チョコレート原料の噴霧粒子を被覆するデキストリン粉末の流動、冷却方法としては流動層造粒機にデキストリン粉末を投入し、冷却風を送風して、デキストリン粉末を転動させることによって冷却する方法と、一軸又は二軸の混合機にデキストリン粉末を投入し、回転しながら、該混合機のジャケット部に冷却水を通水し、且つ混合機の原料投入部より冷却風又は液体炭酸ガスボンベより気化した低温の炭酸ガス、液体窒素ボンベより気化した低温の窒素ガスを送風又は、ドライアイスを投入することによって冷却する方法が採用できる。
【0011】
試験例2
表2にチョコレート原料中の油分量に対してのデキストリン粉末量の違いによる安息角の違い、および整粒の際のベタツキの有無を示す。
この結果から明らかなる様にチョコレート原料中の油分量10重量部に対して整粒しない場合はデキストリン粉末量が10重量部以上が好ましく、さらに整粒する場合には30重量部以上であることが好ましい。整粒しない場合はデキストリン粉末量が10重量部未満では流動性のある粉末を得ることができない。さらに整粒する場合には30重量部未満では流動性のある整粒状態ではなく、べたつきが有り好ましくない。
ここで言う整粒とは、チョコレート原料をデキストリン粉末で被覆後、その物の低温に於ける脆性を利用して撃剪挽きを行い、粉砕と整粒の機能を兼ね備えた、所謂ピンタイプミルを用いて行うことが好ましい。
【表2】
チョコレート原料中の油分量10重量部に対するデキストリン粉末配合量とその状態
評価
【0012】
表2の簡単な説明
表2はカカオマス25重量%、全脂粉乳25重量%、砂糖30重量%、カカオバター19重量%、レシチン0.5重量%、香料0.5重量%より成る油脂含有32重量%のミルクチョコレート86.5重量部にカカオバター13重量部を加えた油分量41重量%のチョコレート原料の油分量10重量部に対して10℃に冷却した容積4ml/gのデキストリンを5,10,20,30,40重量部に噴霧処理して得た粉末チョコレートの粉末の状態を示している。
表中の「+」はチョコレート原料中の油脂がデキストリンを介して一部滲み出た状態でべ たつく。
「−」はチョコレート原料中の油脂がデキストリンを介して滲み出ず、サラサラの 状態。
【0013】
更にチョコレート原料中の油分量10重量部に対するデキストリン配合量の最大値を求めるために以下の試験を行った。すなわち油脂含量32重量%のミルクチョコレート原料中の油分量10重量部に対し、10℃に冷却した比容積4ml/gのデキストリン100、150、200、250、300、350、400重量部に各々噴霧処理して得られた7種類の粉末チョコレートに於いて、該粉末チョコレートを喫食した時にミルクチョコレートの風味が十分感じられるかどうか、20人の一般パネルを用いて試験した。
デキストリン1gを舌の上に10秒間滞留させた時の味をゼロとし、その後7種類の試料をデキストリン配合量の多い順に、デキストリン1gの場合と同様の手法で順次喫食し、チョコレートの風味が十分感じられるデキストリン配合量を2点識別試験法により求めた。 尚、各試料喫食時前後には微温湯にて十分に口を濯いだ。
その結果、デキストリン配合量400重量部で20人中8人、350重量部で20人中15人、300重量部で20人中16人、250重量部で20人中17人、200重量部で20人中19人、150重量部で20人中20人、100重量部で20人中20人、がチョコレートの風味が十分感じられたと答えた。
従ってチョコレート原料中の油分量10重量部に対してデキストリン配合量が300重量部以下の場合は、チョコレートの風味が危険率1%で有意に感じられる事が結論付けられた。
【0014】
チョコレート原料の噴霧粒子を被覆し、デキストリン粉末を転動・冷却する装置としては連続、又はバッチ型の流動層造粒乾燥機か、一軸又は二軸混合機としては、ニーダー、リボンミキサーが使用可能である。
流動層造粒乾燥機又は該混合機内のチョコレート原料とデキストリンとの混合粉末の温度は21℃以下、好ましくは10℃以下とするが、21℃を超えるとチョコレート原料とデキストリンとの混合物粉末、即ち 粉末チョコレートがべたつきを発生し、粉末状を保持することが難しい。
また、−2℃未満では噴霧されているチョコレート原料は所期量のデキストリンが被覆される前に固化し、所望の粉末チョコレートが得られない。更に流動層造粒乾燥機又は該混合機より取り出した時に結露して好ましくない。
かくして得たチョコレート原料とデキストリンとの混合粉末である粉末チョコレートには嗜好に合わせて糖質を更に適宜添加混合することもできる。
【0015】
比較例1
本発明の粉末チョコレートと従来技術による製造方法で得られる粉末チョコレートの耐熱性を比較するために、下記要領にて2種類の粉末チョコレートを調製した。
カカオマス25重量%、全脂粉乳25重量%、砂糖30重量%、カカオバター19重量%、レシチン0.5重量%、香料0.5重量%の配合からなる油脂含量32重量%のミルクチョコレートを調製し、このミルクチョコレート87重量部にカカオバター13重量部を加えた油脂含量41重量%のチョコレート原料50重量部を本発明の方法に則り比容積6ml/g、10℃のデキストリン粉末67重量部に噴霧処理して得られたものを本発明の粉末チョコレートとする。
一方、特開平6-62744号公報に記載の方法に準拠して前述の配合からなる油脂含量32重量%のミルクチョコレート86.5重量%にカカオバター13重量%、ホイップ機能を有したグリセリン脂肪酸エステル(HLB2)の界面活性剤0.5重量%を混合し、ケンミックスミキサー((株)愛工舎製作所製 A−907D、駕篭型撹拌翼使用)で比重が0.75g/mlまでエアレーションし、冷却固化後、粗砕して得られた油脂含量41重量%のチョコレート原料50重量部と比容積6ml/gのデキストリン粉末67重量部を混合して粉末チョコレートを得た。
本発明の粉末チョコレート(本発明品)と、上記特開平6-62744号公報に記載の方法に準拠して調製した粉末チョコレート(比較例品1)との比較耐熱試験を行った。
【0016】
【表3】
本発明の製造方法と特開平6-62744製法によって得た粉末チョコレートの耐熱
試験結果
○ : さらさらした状態でべたつき無し
△ : べたつき有り
× : 液状
上記結果の通り、本発明の方法によって得られた粉末チョコレートは従来製法の特開平6-62744号公報記載の方法による比較例品1に比べ、27℃以上の雰囲気下でも流動性が保たれ、耐熱性の優れた粉末チョコレートであった。
【0017】
表3の説明
表3の耐熱試験では、100mlのビーカーにそれぞれの粉末チョコレートを各10gづつ入れ、25℃、27℃、30℃、37℃の恒温機で経時的にそれぞれの粉末チョコレートの粉末状態を確認した。
上記結果の通り、本発明によって得られた粉末チョコレートは27℃以上の雰囲気下でもべたつきがなく粉末の状態が保たれ、耐熱性の優れた粉末チョコレートであった。
【0018】
本発明による粉末チョコレートはケーキ類のデコレーションコート用、粉末飲料、粉末調整ココア飲料等の飲食物に適用する事が可能である。
粉末飲料、粉末調整ココア飲料等を調製するには、本願粉末チョコレートの主原料と糖類・粉乳等の粉体副原料とを用いて湿式造粒する。湿式造粒には当該粉体を相互に顆粒状に結着させる為にバインダーが必要である。当該バインダーとしては砂糖・ぶどう糖・水飴等の糖類を水に溶解したシロップ、又は必要に応じてアラビアガム・グアガム等の増粘剤との併用又は単独使用より成る。また、単に水を霧状にしてそのままバインダーとして使用する事も出来る。
【0019】
【実施例】
次に本発明の実施例により、更に詳細に説明する。
【0020】
実施例1
比容積が6ml/gのデキストリン粉末16重量部を流動層造粒フローコーター(FLO-I型 フロイント産業(株)製)に投入し、10℃の冷風を送風して流動させながら冷却し、40℃に融解したカカオマ
ス25重量部、全脂粉乳25重量部、砂糖30重量部、カカオバター19重量部、レシチン0.5重量部、香料0.5重量部より成る油脂含有32重量%の、粘度が40℃で200P(東京計器(株)製B型粘度計 No.6 ローターを用い4r.p.m.にて測定、以下同様)のミルクチョコレートであるチョコレート原料50重量部を該流動層造粒フローコーター付属の2流体噴霧装置を使用し、口径2mmの2流体ノズルを使用し、噴霧空気圧0.3MPa、チョコレート流量0.3kg/分の条件で均一に噴霧し、該チョコレート粒子の表面をデキストリンによって被覆し、粉末チョコレートを得た。
かくして得た粉末チョコレートは安息角45度で、30℃恒温機で7日経過後もサラサラした粉末状態で、安息角も45度で変化がなかった。
【0021】
実施例2
比容積 2.2ml/gのデキストリン粉末20重量部と比容積 6.5ml/gのデキストリン粉末30重量部を混合して得た、比容積が4ml/g デキストリン粉末を1軸混合機(リボンミキサー 不二電機工業(株)製)に投入し、ドライアイスを投入して、10℃に冷却し、攪拌しながら該デキストリン粉末に実施例1に記載の方法により調製した粘度が40℃で200Pのチョコレート原料30重量部を2流体噴霧装置を使用し、口径4mmの2流体ノズルの噴霧空気圧0.3MPa、チョコレート流量1.3kg/分の条件で均一に噴霧し、該チョコレート粒子の表面をデキストリンによって被覆し、粉末チョコレートを得た。かくして得た粉末チョコレート45重量部にグラニュー糖55重量部を添加し、10℃以下の温度に維持するために、該混合物に液体炭酸ボンベより気化した低温の炭酸ガスを振り掛けて冷却し、均一混合後、配送パイプに同じく液体炭酸ボンベより気化した低温の炭酸ガスを供給して、10℃以下の温度を維持しながらピンミル((株)奈良機械製作所製)を使用して解砕することにより、チョコレートの風味、流動性の良好な甘味を有する整粒した粉末チョコレートを得た。整粒した該粉末チョコレートは安息角45度で、30℃恒温機で7日経過後も粉末状態を維持していた。
【0022】
実施例3
実施例1に記載の方法で得られた粉末チョコレート30重量部にココアパウダー(油脂含量22重量%)20重量部、グラニュー糖34重量部、全粉乳15重量部を混合して、50重量%の砂糖シロップをバインダーとして回転釜を用いて砂糖シロップを噴霧しながら湿式造粒することにより、溶解性の優れたチョコレート風味の良好な顆粒状の粉末調整ココア飲料が得られた。
【0023】
実施例4
実施例1と同様の方法にて比容積が6ml/gのデキストリン粉末15重量部に、全脂粉乳5重量%、脱脂粉乳9重量%、砂糖25重量%、カカオバター33重量%、乳糖27重量%、レシチン0.5重量%、香料0.5重量%の配合からなる40℃で粘度が400Pのホワイトチョコレート原料30重量部を、2流体噴霧ノズルにて噴霧し、粉末ホワイトチョコレートを得た。該粉末ホワイトチョコレート45重量部にグラニュー糖50重量部を添加して均一に混合した後、ピンミル((株)奈良機械製作所製)にて粉砕することにより、ホワイトチョコレート風味の良好な整粒された粉末ホワイトチョコレート飲料が得られた。
【0024】
実施例5
実施例4で得られた粉末ホワイトチョコレート飲料30重量部、粉糖40重量部、全粉乳24重量部、乳糖5重量部、香料1重量部を混合後、バインダーとして1重量%グアガム(五協産業(株)製)水溶液10重量部を噴霧しながら回転釜を用いて湿式造粒することにより、溶解性の優れたホワイトチョコレート風味の良好な顆粒状の粉末飲料が得られた。
【0025】
比較例2
特開平8-205773号公報に記載の方法により前記実施例1に示すカカオマス25重量部、全脂粉乳25重量部、砂糖30重量部、カカオバター19重量部、レシチン0.5重量部、香料0.5重量部から成る油脂含有32重量部のミルクチョコレートであるチョコレート原料84重量部にシュガーエステル1.0重量部を添加、混合し、さらに水分15重量部を加水して乳化物とした後、品温90℃以下で乾燥、ついで粉砕し、比重0.35〜0.55、粒径5mm以下にした粉末チョコレート(比較例品2と称す)と、実施例1で得た粉末チョコレートを下記のサンプル調製を行った後に、SPME法にて抽出された成分をGC/MS(HP6890/HP−5973 ヒューレットパッカード社製)により下記の条件にて香気成分分析を行い香気成分量の相対比較を行った。
【0026】
ここで云うSPME法とはSolid Phase Microextractionの略称を云い、異種相間の分配係数と移動の原理による化合物の分離手法を意味し、詳しくは化合物濃度ゼロのSPMEのファイバー構造体上の液相に、化合物を含有する試料液相より化合物のそれぞれの分配係数に則った濃度比に成るまで、化合物は試料液相からSPMEのファイバー構造体上の液相へと移動する。一定時間内で分配平衡に至る化合物の移動量がSPMEでの抽出効率となり、その一定時間が抽出時間となる。
【0027】
<サンプル調製>
実施例1と比較例品2の含有するチョコレート量を同一にするため特開平8-205773号公報に示す製造方法で得られた上記粉末チョコレート50重量に比容積6ml/gのデキストリン粉末50重量を混合した物と実施例1の粉末チョコレートを試料として香気成分分析を行い総香気量の相対比較試験を実施した。
【0028】
<GC条件>
【0029】
<分析結果>
成分の合計について、実施例1の品と比較例2の品の前記サンプル調製後の品の香気成分合計値を相対比較した。
その結果、比較例2の品の前記サンプル調製後の品の香気成分合計値を100としたときに、実施例1の品の香気成分合計値は840であった。
次に、実施例1の品と比較例2の品の前記サンプル調製後の品とを各々150gずつを75℃の牛乳1000mlに溶解し、飲んだ時の美味しさについて、25人に2者択一選択を行った結果、21人が実施例1品が美味しいと言い、危険率5%で有意に実施例1品が好まれた。
更に、実施例1品と比較例2品の前記サンプル調製後の品とを各々150gずつを75℃の単なるお湯1000mlに溶解し、飲んだ時の美味しさについて、25人に2者択一選択(危険率5%)を行った結果、20人が実施例1品が美味しいと言い、有意に実施例1品が好まれた。
【0030】
【発明の効果】
以上の様に、本発明によれば、チョコレート総香気量が従来製法による粉末チョコレートに比して多く大いに風味が良好で、べとつかず、流動性の良い粉末チョコレートが得られる。更に本発明の該粉末チョコレートを単独、又は主原料とした飲食物への利用も可能である。
Claims (6)
- 比容積4ml/g 以上、11ml/g以下のデキストリン粉末を造粒機又は混合機により転動させながら冷気により品温10〜−2℃に冷却し、融解したチョコレート原料の噴霧粒子に被覆する事を特徴とする粉末チョコレートの製造方法。
- チョコレート原料とデキストリン粉末との比率はチョコレート原料中の油分量10重量部に対してデキストリン粉末10重量部以上、300重量部以下を使用する事を特徴とする請求項1記載の粉末チョコレートの製造方法。
- 比容積4ml/g 以上、11ml/g以下のデキストリン粉末を造粒機又は混合機により転動させながら冷気により品温10〜−2℃に冷却し、融解したチョコレート原料の噴霧粒子に被覆後、整粒する事を特徴とする粉末チョコレートの製造方法。
- チョコレート原料とデキストリン粉末との比率はチョコレート原料中の油分量10重量部に対してデキストリン粉末30重量部以上、300重量部以下を使用する事を特徴とする請求項3記載の粉末チョコレートの製造方法。
- 比容積4ml/g 以上、11ml/g以下のデキストリン粉末を転動させながら品温10〜−2℃に冷却し、融解したチョコレート原料の噴霧粒子に被覆した粉末チョコレートに単糖類、二糖類、寡糖類、多糖類より選択した少なくとも一種類以上の糖類と粉乳とココアパウダーより成る混合体を加えてバインダーを用いて造粒した事を特徴とする粉末ココア飲料の製造方法であって、チョコレート原料とデキストリン粉末との比率はチョコレート原料中の油分量10重量部に対してデキストリン粉末10重量部以上、300重量部以下を使用する前記方法。
- 比容積4ml/g 以上、11ml/g以下のデキストリン粉末を転動させながら品温10〜−2℃に冷却し、融解したチョコレート原料の噴霧粒子に被覆した粉末チョコレートに単糖類、二糖類、寡糖類、多糖類より選択した少なくとも一種類以上の糖類と粉乳とココアパウダーより成る混合体を加えてバインダーを用いて造粒後、整粒した事を特徴とする粉末ココア飲料の製造方法であって、チョコレート原料とデキストリン粉末との比率はチョコレート原料中の油分量10重量部に対してデキストリン粉末10重量部以上、300重量部以下を使用する前記方法。
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