JP3299480B2 - シリコーンゴムスポンジ組成物 - Google Patents
シリコーンゴムスポンジ組成物Info
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Description
ザービームプリンタ(以下、LBPという)の定着装置
における加圧ローラや、クリーニングローラ、オイル供
給ローラなどの弾性体層に用いるのに好適なシリコーン
ゴムスポンジ組成物、および該組成物を硬化発泡させて
得られるシリコーンゴムスポンジに関する。
寒性に優れ、広い温度範囲で良好な圧縮復元性を示し、
耐候性、耐オゾン性、耐コロナ性、電気特性、耐熱油
性、耐薬品性、耐熱水性などに優れた材料であるため、
種々の工業分野で使用されている。特に複写機やLBP
は、近年、その小型化とともに、使用される加圧ローラ
や加熱ローラの小型化も進んだため、加熱ローラの定着
時のニップ幅を確保するためと耐久性の観点とから、加
熱ローラ芯金の外周に被覆される弾性体層にシリコーン
ゴムスポンジを適用する傾向にある。シリコーンゴムス
ポンジは低硬度であるため、低荷重でも高ニップ幅が得
られる。
化機構により種々のグレードがある。一般には、特公昭
44−461号公報に開示されているように、オルガノ
ポリシロキサン、補強性シリカおよび加硫剤からなるシ
リコーンゴム組成物に、発泡剤としてアゾビスイソブチ
ロジニトリルを添加して加熱することにより、シリコー
ンゴムスポンジを製造する。
−ジクロロベンゾイルパーオキサイドが多用されてき
た。2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイドは、シ
リコーンゴムスポンジ用として非常に優れた加硫剤であ
る。しかし、近年、2,4−ジクロロベンゾイルパーオ
キサイドのような塩素含有ジアシル系パーオキサイド
は、使用時にポリ塩化ビフェニルが微量副成する可能性
があるとの懸念がなされ、業界としても塩素含有ジアシ
ル系パーオキサイドの製造および使用を自粛する動きに
ある。
の如き塩素含有ジアシルパーオキサイドを使用しないで
シリコーンゴムスポンジを製造することは、例えば、特
公平6−4716号公報に記載されているように公知で
ある。該公報には、分解温度が160℃以下のアゾジカ
ルボンアミド系発泡剤、および半減期10時間を得るた
めの分解温度が100℃以下のジアシル系パーオキサイ
ドのみを使用した発泡シリコーンゴムスポンジが開示さ
れている。
ル系パーオキサイドとして、ベンゾイルパーオキサイ
ド、ジ−(オルソ−メチルベンゾイル)パーオキサイ
ド、ジ−(パラ−メチルベンゾイル)パーオキサイドな
どが例示されている。しかし、加硫剤としてベンゾイル
パーオキサイドもしくはジ−(パラ−メチルベンゾイ
ル)パーオキサイドを使用し、発泡剤としてアゾイソブ
チロジニトリルを使用しても、また、アゾジカルボンア
ミド系発泡剤と併用しても、平均セル径が350μm 以
下、好ましくは300μm 以下の微細なスポンジを安定
に形成できないという不具合があった。
は、従来のシリコーンゴムスポンジの製造における課題
である前記した微細なセル形成の不安定さの解消や、複
写機、LBPなどの定着装置に使用される加圧ローラの
弾性体層としてのシリコーンゴムスポンジに望まれる低
硬度化および耐久性に対応可能であり、かつポリ塩化ビ
フェニルのような有害物質を発生させる懸念のないシリ
コーンゴムスポンジ組成物を提供することにある。
の課題を解決すべく鋭意研究した結果、シリコーンゴム
スポンジ組成物において、加硫剤としてのジ−(パラ−
メチルベンゾイル)パーオキサイドおよびベンゾイルパ
ーオキサイド、ならびに発泡剤としてのアゾビスイソブ
チロジニトリルを使用することにより、上記の課題を解
決できることを見出した。すなわち、本発明は、(a)
オルガノポリシロキサン、(b)シリカ、(c)アゾビ
スイソブチロジニトリルからなる発泡剤、ならびに
(d)ジ−(パラ−メチルベンゾイル)パーオキサイド
およびベンゾイルパーオキサイドからなる加硫剤、を含
むシリコーンゴムスポンジ組成物を提供する。
ポンジ組成物を詳述する。本発明で使用するオルガノポ
リシロキサンとしては、有機過酸化物により加硫される
熱硬化型オルガノポリシロキサンとして公知のものを、
特に制限なく使用することができる。
よび非補強性シリカが挙げられ、さらに該補強性シリカ
には、湿式シリカや乾式シリカ(煙霧状シリカ)があ
る。湿式シリカの製造方法には、けい酸ナトリウムを硫
酸で直接分解する直接法や、けい酸ナトリウムを塩類と
反応させてけい酸塩を生成し、次に硫酸または炭酸ガス
で分解する間接法などの方法がある。代表的な湿式シリ
カとしては、Nipsil VN3 (日本シリカ工業株式会社
製商品名)、カープレックスCS−5(シオノギ製薬株
式会社製商品名)、スターシルS(神島化学工業株式会
社製商品名)、トクシールUS(株式会社トクヤマ製商
品名)Hisil223 (PPG社(米国)製商品名)、Ult
rasil VN3 (デグッザ社(ドイツ)製商品名)、Vul
kasilS(バイエル社(ドイツ)製商品名)などが例示
される。該シリカの平均粒径は、通常、30μm 以下で
よく、好ましくは5μm 以下である。乾式シリカは、ハ
ロゲン化けい素の熱分解法やけい砂を加熱還元し、気化
したSiOの空気酸化法、有機けい素化合物の熱分解法
などにより製造される二酸化けい素からなる補強性シリ
カであり、アエロジル200やアエロジルR972(日
本アエロジル株式会社製商品名)、Cab−O−Sil M
S−5(キャボット社(米国)製商品名)が例示され
る。なお、必要に応じて湿式シリカと乾式シリカとを適
宜併用してもよい。
よる二次結合の防止を目的として、潤滑剤(ウエッタ)
で表面処理してもよい。該潤滑剤としては、シリコーン
レジン類、アルコキシシランおよびアルコキシシロキサ
ン類、ヒドロキシシランおよびヒドロキシシロキサン
類、シラザン類、有機酸エステル類、多価アルコール類
などが挙げられる。
トVX−S(株式会社龍森製商品名)の如き石英粉が挙
げられる。本発明の組成物において、シリカの使用量
は、オルガノポリシロキサン100重量部に対して、通
常、5〜100重量部でよく、好ましくは10〜40重
量部である。
ポリシロキサンと配合された状態で市販されている組成
物でもよい。このような市販の組成物としては、例えば
KE901U、KE903U、KE904FU(以上、
信越化学工業株式会社製商品名)、XE21−A527
3,XE21−A9915(以上、東芝シリコーン株式
会社製商品名)、DY32−4007U(東レ・ダウコ
ーニング・シリコーン株式会社製商品名)などが挙げら
れる。
ゾイル)パーオキサイドおよびベンゾイルパーオキサイ
ドは、加硫剤として作用する。ジ−(パラ−メチルベン
ゾイル)パーオキサイドには、貯蔵安定性とシリコーン
ゴムに対する混練り性を考慮して、シリコーンオイルや
シリコーン生ゴムや炭酸カルシウムなどを添加すること
によりペースト化したものでもよく、例えばC−23
(信越化学工業株式会社製商品名:ジ−(パラ−メチル
ベンゾイル)パーオキサイド含有量50重量%)やRC
−14(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製
商品名:同含有量50重量%)やTC−12(東芝シリ
コーン株式会社製商品名:同含有量50重量%)が挙げ
られる。ペーストタイプの方が分散性が良いので、添加
剤として好ましい。
には、C−23N(信越化学工業株式会社製商品名:同
含有量50重量%)のように加硫剤の粒径が5μm以下
のグレードを選択してもよい。
サイドの添加量は、前記オルガノポリシロキサンおよび
シリカの合計100重量部に対して、通常、0.1〜
2.0重量部でよく、好ましくは0.2〜1.0重量部
である。また、ベンゾイルパーオキサイドの添加量は、
前記オルガノポリシロキサンおよびシリカの合計100
重量部に対して、通常、0.2〜3.0重量部でよく、
好ましくは0.3〜1.5重量部である。ジ−(パラ−
メチルベンゾイル)パーオキサイド/ベンゾイルパーオ
キサイドの重量比は、通常、3/1〜1/4でよく、好
ましくは2/1〜1/3である。なお、ペースト状のジ
−(パラ−メチルベンゾイル)パーオキサイドを用いる
場合には、該ペーストが通常50重量%程度のマスター
バッチのため、ペースト添加量をジ−(パラ−メチルベ
ンゾイル)パーオキサイド含有量に応じて増加する必要
がある。
に応じて従来公知の加硫剤を添加してもよい。該加硫剤
には、ジクミルパーオキサイドや2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンの如きジ
アルキルパーオキサイド;t−ブチルパーオキシベンゾ
エートやt−パーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキ
サノエートの如きパーオキシエステルが挙げられる。こ
れらは、単独であるいは2種以上組み合わせて使用する
ことができる。これらの加硫剤を添加すると、接着性お
よびセルの安定化を図ることできる。これらの添加量
は、前記オルガノポリシロキサンおよびシリカの合計1
00重量部に対して、通常、0.1〜2重量部でよい。
トリルは、発泡剤として作用する。また、アゾビスイソ
ブチロジニトリルを主成分として、アゾビスイソブチロ
ジニトリル以外の発泡剤を同時に使用することもでき
る。例えば1,1′−アゾビス(1−アセトキシ−1−
フェニルエタン)や2,2′−アゾビス(2−メチルブ
チロニトリル)などが挙げられる。これらは一種単独
で、または二種以上組み合わせて使用することができ
る。本発明において、発泡剤の添加量は、前記オルガノ
ポリシロキサンおよびシリカの合計100重量部に対し
て、通常、0.5〜3.0重量部でよく、好ましくは
1.0〜2.0重量部である。アゾビスイソブチロジニ
トリル以外の発泡剤を併用するときには、その使用割合
は、発泡剤全体の75重量%以下であることが好まし
い。
の使用目的や設計目的などに応じて、本発明の組成物に
は、必須成分である前記オルガポリシロキサン、シリ
カ、発泡剤および加硫剤の他に、補強性充填剤、増量充
填剤、着色剤、導電性物質、耐熱剤、顔料などの助剤を
添加することができる。補強性充填材としては、前記補
強性シリカ以外の充填剤、例えば非常に微細な炭酸カル
シウム、アルミナ、チタン白、けい酸カルシウム、亜鉛
華などが挙げられる。
度、ゴム硬度、圧縮永久歪みなどの機械特性を向上させ
る成分である。増量充填剤の例としては、前期非補強性
シリカ以外の充填剤、例えば炭酸カルシウム、ラジオラ
イトF(昭和化学工業株式会社製商品名)の如きけい藻
土、けい酸ジルコニウム、クレー(けい酸アルミニウ
ム)、タルク(含水けい酸マグネシウム)、JA−30
W(浅田製粉株式会社製商品名)の如きウォラストナイ
ト(メタけい酸カルシウム)、酸化チタン、酸化亜鉛、
酸化マグネシウム、アルミナ(酸化アルミニウム)、酸
化クロム、ベンガラ(酸化鉄)、硫酸アルミニウム、硫
酸バリウム、リトポン、二硫化モリブデン、マイカ(雲
母粉)、グラファイトなどが例示される。これらの平均
粒径は、補強性シリカと同様に、5μm 以下が好まし
い。前記補強性充填剤および増量充填剤の配合割合は、
特に制限されるものではなく、通常、ベースのオルガノ
ポリシロキサン100重量部に対して、10〜300重
量部程度添加される。
マグネシウムのような受酸剤を0.5〜3重量部程度添
加してもよい。
常、ベンガラ色に着色される。着色剤として使用される
ベンガラとしては、SRIS1108(日本ゴム協会標
準規格)に規定のゴム用ベンガラを適用するのが一般で
ある。加工時のゴム内における配向性に留意する必要が
ある場合には、バイフェロックス130M(バイエル社
(ドイツ)製商品名)のような平均粒径が0.3μm 以
下の球状のグレードのものをシリコーンゴムに対して
0.2〜2重量%程度添加すればよい。最近、分散性や
飛散防止を考慮して、CP−21(東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン株式会社製商品名)のような含有量が5
0%程度のシリコーンマスターバッチを0.3〜4重量
%程度添加する例が多い。
るには、オルガノポリシロキサンおよびシリカからなる
組成物、アゾビスイソブチロジニトリルからなる発泡
剤、ならびにジ−(パラ−メチルベンゾイル)パーオキ
サイドおよびベンゾイルパーオキサイドからなる加硫剤
を混合し、次いで加熱する方法が採られる。以下、具体
的に説明する。まず、前記オルガノポリシロキサンおよ
びシリカに、必要に応じて前記助剤を一種またはそれ以
上添加し、次いで前記発泡剤および前記加硫剤を添加
し、常法により混練りする。得られた混練物を、押出機
でチューブ状、棒状などの所望の形状に押し出す。
:熱風加硫)法やUHF(Ultra High Frequency Vulc
anization:高周波加硫)法やFBV(Fluid Bed Valca
nization : 流動床加硫)法などにより、加熱発泡させ
てシリコーンゴムスポンジを得る。加熱温度は、シリコ
ーンゴムスポンジ組成物の加硫速度とゴムの容量により
決まり、具体的には、通常、100〜300℃であり、
時間は10分〜2時間程度でよい。UHF(高周波加
硫)法の場合には、熱風炉と併用される場合が多く、ま
たベント式押出機(Ventilated Extruder:真空押出
機)を用いると、より微細で均一なスポンジセルが得ら
れる。
ブは、予め芯金の外周にTSE322(東芝シリコーン
株式会社製商品名)の如き付加型接着剤の塗布された芯
金の外周に装着して、加熱接着する。次いで、外周を所
定寸法に研磨してシリコーンスポンジローラを得る。シ
リコーンスポンジローラの別の製造方法として、予めD
Y39−092(東レ・ダウコーニング・シリコーン株
式会社製商品名)の如きシリコーン系接着剤を塗布した
芯金を、経時的に押出機のクロスヘッドダイを通過さ
せ、上記芯金上に前記混練物からなる層を形成した後、
常圧熱気炉にて発泡させる方法でもよい。
は、図1に示すように、所望によりシリコーンゴムスポ
ンジの外周にスリーブ4を巻いてもよい。スリーブ4の
材質として、例えばフッ素樹脂スリーブの材料が挙げら
れる。該フッ素系樹脂のスリーブを加圧ローラに巻く
と、加圧ローラのトナーに対する離型性を確保すること
ができる。フッ素系樹脂の具体例としては、テフロンP
FA350−J,450HP−J,451HP−J(三
井デュポン・フロロケミカル株式会社製商品名)やアフ
ロンPFAP−66P(旭硝子株式会社製商品名)の如
きテトラフルオロエチレン−パーフルオロイソプロピル
ビニルエーテル共重合体(以下PFAと略称する);H
YFLONMFA620(AusimontS.P.
A.(イタリア)製商品名)の如きテトラフルオロエチ
レン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(以
下MFAと略称する);テフロンFEP160−J(三
井・デュポン・フロロケミカル株式会社製商品名)の如
きテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン
共重合体(以下FEPと略称する)、ネオフロンEPA
SP−120(ダイキン工業株式会社製商品名)の如
きテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン
−パーフルオロイソプロピルビニルエーテル三元共重合
体(以下EPAと略称する)などが例示される。これら
のフッ素樹脂は、通常は単独で使用され、また、必要に
応じてPFAとMFAを適時ブレンドしたり、あるいは
FEPとEPAとをブレンドしてもよい。
ックなどの導電性付与剤をこれらのフッ素樹脂に添加し
て、フッ素樹脂スリーブに106 〜1017Ω程度(表面
抵抗)の導電性を付与してもよい。
ーブ4と弾性体層3(シリコーンゴムスポンジ)とを接
着させるには、例えば内面処理を施したフッ素樹脂スリ
ーブ4を準備し、シリコーンゴムスポンジからなる弾性
体層3の外周にTSE322の如き付加型シリコーンゴ
ム系接着剤を塗布した後、前記内面処理済みスリーブを
装着し、加熱加硫して接着させる方法が採られる。
は、テトラH(株式会社潤工社製商品名)のようなTH
F(テトラヒドロフラン)もしくはエチレングリコール
ジメチルエーテルに、金属ナトリウムとナフタリンを溶
解させた溶液で化学処理する方法、液体アンモニアに金
属ナトリウムを溶解させた溶液で化学処理する方法、リ
チウムのようなアルカリ金属の水銀アマルガムにより化
学処理する方法、電解還元法、コロナ放電処理法、ヘリ
ウムやアルゴンのような不活性ガスプラズマで処理する
方法、エキシマレーザにより処理する方法などが例示さ
れる。
は、−30〜230℃の高温時における耐久性と低硬度
(例えばアスカーCによるスポンジ硬度で15〜55
度)を有するために、クリーニングローラ、オイル供給
ローラ、加圧ローラ、加熱ローラなどの分野に使用で
き、特に複写機、レーザプリンタの加圧ローラの弾性体
層として有用である。
明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではな
く、必要に応じて変更することができる。 〔実施例1〕 シリコーンゴムスポンジ組成物の調製、およびシリコ
ーンゴムスポンジローラの作製 熱硬化型シリコーンゴム組成物として信越化学工業株式
会社製KE904FU(オルガノポリシロキサン/シリ
カの重量比=75/25)を使用し、これに表1に示す
配合の発泡剤と加硫剤を添加し、関西ロール株式会社製
16インチロールで混練りし、次いで、株式会社三葉製
作所製押出機で押し出し、原料ゴムチューブを形成し
た。その後、HAV法により、250℃20分間加熱発
泡させてシリコーンゴムスポンジを作製した。次いで、
外径20mm、ゴム部の長さ320mmの芯金2に、上記で
得られたシリコーンゴムスポンジ(弾性体層3)を装着
した。接着剤には、TSE322(東芝シリコーン株式
会社製商品名)を使用した。次いで、200℃24時間
の条件にて二次加硫を実施した。 シリコーンゴムスポンジローラの物性測定 上述のシリコーンゴムスポンジローラの肉厚を5mmまで
(外径が30mm)研磨した後、SRIS(日本ゴム協会
標準規格)0101膨張ゴム試験方法に規定されたスポ
ンジゴム用硬度計であるアスカ−C硬度計(高分子計器
株式会社製商品名)にてスポンジ硬度を測定した。次
に、このシリコーンゴムスポンジローラのスポンジ層を
周方向に幅2mmにスライスした後、肉厚5mmのスポンジ
層部の中央付近を40倍の倍率にて走査型電子顕微鏡で
撮影し、写真上のセルの大きさから各試料の平均セル径
を求めた。実施例1の原料の配合割合、およびシリコー
ンゴムスポンジのスポンジ硬度および平均セル径を表1
に示す。
評価 上記で得られたシリコーンゴムスポンジローラに、液体
アンモニアに金属ナトリウムを溶解させた溶液により内
面処理を施したフッ素樹脂(PFA)スリーブ4を準備
し、該シリコーンゴムスポンジの外周に接着剤(TSE
322)を塗布した後、スリーブ4を装着し、150℃
で1時間加熱加硫することにより、弾性体層3とスリー
ブ4を接着した。フッ素樹脂スリーブ4の肉厚は50μ
mであった。このシリコーンゴムスポンジローラの耐久
性を評価するために、上記加圧ローラ1を複写機のNP
6030(キヤノン株式会社製商品名)に取付け、連続
して3万枚の通紙テストを行った。その結果、試料3万
枚の通紙テスト終了後も、問題となるような画像不良は
発生せず、また画像形成上問題となる紙シワやカールな
どは発生しなかった。
−(パラ−メチルベンゾイル)パーオキサイドおよびベ
ンゾイルパーオキサイドの割合を表2および表3に示す
ように変更した以外は、実施例1−およびと同様の
操作にて、シリコーンゴムスポンジローラの作製および
物性測定を行った。さらに、実施例1−と同様の操作
で、シリコーンゴムスポンジローラの耐久性を評価し
た。その結果、試料3万枚の通紙テスト終了後も、問題
となるような画像不良は発生せず、また画像形成上問題
となる紙シワやカールなどは発生しなかった。
ラ−メチルベンゾイル)パーオキサイドおよびベンゾイ
ルパーオキサイドの代わりに、2,4−ジクロロベンゾ
イルパーオキサイド1.00重量部用いた以外は、実施
例1−およびと同様の操作を行い、シリコーンゴム
スポンジローラの作製および物性測定を行った。その結
果を表2に示す。
(パラ−メチルベンゾイル)パーオキサイドまたはベン
ゾイルパーオキサイドを表2に示すように一種しか用い
なかった点を除き、実施例1−およびと同様の操作
を行い、シリコーンゴムスポンジローラの作製および物
性評価を行った。その結果を表2に示す。さらに、実施
例1−と同様の操作で、シリコーンゴムスポンジロー
ラの耐久性を評価した。その結果、3万枚の連続試験の
時点で著しい画像不良が発生した。加圧ローラ1を取り
出したところ、画像不良の原因であるスポンジのセル破
壊および硬度低下を確認した。
かる。オルガノポリシロキサンおよびシリカの合計10
0重量部に、例えばジ−(パラ−メチルベンゾイル)パ
−オキサイドおよびベンゾイルパーオキサイドを、正味
配合量で、それぞれ0.3重量部および0.4重量部
(実施例1)、または0.2重量部および0.5重量部
(実施例8)配合すると、平均セル径が350μm のシ
リコーンゴムスポンジを得ることができる。また、上記
ジ−(パラ−メチルベンゾイル)パ−オキサイドおよび
/またはベンゾイルパーオキサイドを上記より増量する
と、平均セル径が300μm のシリコーンゴムスポンジ
を得ることができる(その他の実施例)。これらは、従
来の2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサドを使用し
て得られるシリコーンスポンジ(比較例1)の平均セル
径と同等である。ジ−(パラ−メチルベンゾイル)パー
オキサイドまたはベンゾイルパーオキサイドを単独で使
用すると(比較例2〜5)、平均セル径が300μmよ
りも著しく大きいシリコーンゴムスポンジとなる。
熱発泡させることにより、350μm以下の平均セル径
を有し、かつ低硬度のシリコーンゴムスポンジとなる。
該シリコーンゴムスポンジを複写機などの加圧ローラの
弾性体層に用いると、耐久性に優れるローラが得られ
る。
して得られるシリコーンゴムスポンジ加圧ローラの断面
図を示す。
Claims (3)
- 【請求項1】(a)オルガノポリシロキサン、(b)シ
リカ、(c)アゾビスイソブチロジニトリルからなる発
泡剤、ならびに(d)ジ−(パラ−メチルベンゾイル)
パーオキサイドおよびベンゾイルパーオキサイドからな
る加硫剤、を含むシリコーンゴムスポンジ組成物。 - 【請求項2】 前記ジ−(パラ−メチルベンゾイル)パ
ーオキサイドおよびベンゾイルパーオキサイドの添加量
が、前記オルガノポリシロキサンおよびシリカの合計1
00重量部に対して、それぞれ、0.1〜2.0重量部
および0.2〜3.0重量部であることを特徴とする、
請求項1記載のシリコーンゴムスポンジ組成物。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載のシリコーンゴ
ムスポンジ組成物を硬化発泡させて得られるシリコーン
ゴムスポンジ。
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