JP3294442B2 - 圧縮コイルばね - Google Patents
圧縮コイルばねInfo
- Publication number
- JP3294442B2 JP3294442B2 JP23862594A JP23862594A JP3294442B2 JP 3294442 B2 JP3294442 B2 JP 3294442B2 JP 23862594 A JP23862594 A JP 23862594A JP 23862594 A JP23862594 A JP 23862594A JP 3294442 B2 JP3294442 B2 JP 3294442B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wire
- coil spring
- coil
- spring
- notch
- Prior art date
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- Expired - Lifetime
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、機械一般に広く使用さ
れる圧縮コイルばねにおいて、その圧縮時にコイルの０
巻目線端部が１巻目コイル線に接触して生ずるフレッテ
ィング破壊を減少させることにより、ばね寿命を延長し
た耐フレッティング破断圧縮コイルばねに関する。
れる圧縮コイルばねにおいて、その圧縮時にコイルの０
巻目線端部が１巻目コイル線に接触して生ずるフレッテ
ィング破壊を減少させることにより、ばね寿命を延長し
た耐フレッティング破断圧縮コイルばねに関する。
【０００２】
【従来の技術】従来のコイル端面を平面加工したクロー
ズドエンドタイプの圧縮コイルばねは、図３に示すよう
に０巻目線端部Ａが先端まで付勢体平面（座金１１）に
接触する平面を形成しているため、コイルばねの圧縮時
に図４に示すように０巻目線端部Ａの下部エッジ２が１
巻目コイル線の相対する部分３に接触し、この接触部に
過大な局部圧力が生じて１巻目コイルにフレッティング
摩耗・疲労が生じ、圧縮コイルばねがフレッティング破
壊によりばね本来の寿命よりはるかに短い寿命で破壊す
るという問題点がある。
ズドエンドタイプの圧縮コイルばねは、図３に示すよう
に０巻目線端部Ａが先端まで付勢体平面（座金１１）に
接触する平面を形成しているため、コイルばねの圧縮時
に図４に示すように０巻目線端部Ａの下部エッジ２が１
巻目コイル線の相対する部分３に接触し、この接触部に
過大な局部圧力が生じて１巻目コイルにフレッティング
摩耗・疲労が生じ、圧縮コイルばねがフレッティング破
壊によりばね本来の寿命よりはるかに短い寿命で破壊す
るという問題点がある。
【０００３】これを防止する一つの方法として、ばねの
０巻目線端部Ａと１巻目コイルとの間に若干（１ｍｍ〜
２ｍｍ）の間隙を設けて、前記１巻目コイル線の接触部
３にショットピーニングを施すことにより、１巻目線材
表面に圧縮応力を残留させてフレッティング破壊を減少
する方法が行われている。
０巻目線端部Ａと１巻目コイルとの間に若干（１ｍｍ〜
２ｍｍ）の間隙を設けて、前記１巻目コイル線の接触部
３にショットピーニングを施すことにより、１巻目線材
表面に圧縮応力を残留させてフレッティング破壊を減少
する方法が行われている。
【０００４】しかしながら、かかる狭い隙間には十分な
ショットピーニング効果を与えることが困難で、高応力
で負荷されるばねではフレッティング破壊の防止には十
分な効果が得られなかった。
ショットピーニング効果を与えることが困難で、高応力
で負荷されるばねではフレッティング破壊の防止には十
分な効果が得られなかった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、圧縮
コイルばねの０巻目コイル線端が１巻目コイル線と接触
する接触部の過大な局部接触圧を低下させることによ
り、１巻目コイルの接触部のフレッティング摩耗を減少
させることに着目し、フレッティング破壊を効果的に防
止できる耐フレッティング破壊圧縮コイルばねを提供す
ることを目的とする。
コイルばねの０巻目コイル線端が１巻目コイル線と接触
する接触部の過大な局部接触圧を低下させることによ
り、１巻目コイルの接触部のフレッティング摩耗を減少
させることに着目し、フレッティング破壊を効果的に防
止できる耐フレッティング破壊圧縮コイルばねを提供す
ることを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の耐フレッティング破壊圧縮コイルばねは、端
部形状がクローズドエンドタイプの線径（ｄ），コイル
平均径（Ｄ）を有するコイルばねのコイル端を平面加工
した圧縮コイルばねにおいて、０巻目コイル線端部をそ
の線端が薄くなるようにコイル端平面に対して角度をな
して切欠き、切欠長さ（Ｌ），線端部の切欠量（Ｔ）を
有する楔形を形成する線端部を設けたものである。
に本発明の耐フレッティング破壊圧縮コイルばねは、端
部形状がクローズドエンドタイプの線径（ｄ），コイル
平均径（Ｄ）を有するコイルばねのコイル端を平面加工
した圧縮コイルばねにおいて、０巻目コイル線端部をそ
の線端が薄くなるようにコイル端平面に対して角度をな
して切欠き、切欠長さ（Ｌ），線端部の切欠量（Ｔ）を
有する楔形を形成する線端部を設けたものである。
【０００７】また、上記目的を達成するために本発明の
耐フレッティング破壊圧縮コイルばねは、前記線端部の
楔形切欠の切欠長さ（Ｌ）とコイルばねのコイル平均径
（Ｄ）が、０．０５Ｄ≦Ｌ≦０．１Ｄを満足し、かつ線
端部の切欠量（Ｔ）とコイルばねの線径（ｄ）が、Ｔ≧
１／６ｄを満足することが望ましい。
耐フレッティング破壊圧縮コイルばねは、前記線端部の
楔形切欠の切欠長さ（Ｌ）とコイルばねのコイル平均径
（Ｄ）が、０．０５Ｄ≦Ｌ≦０．１Ｄを満足し、かつ線
端部の切欠量（Ｔ）とコイルばねの線径（ｄ）が、Ｔ≧
１／６ｄを満足することが望ましい。
【０００８】
【作用】本発明の耐フレッティング破断圧縮コイルばね
は、図１に示すごとく０巻目コイル線端が薄くなるよう
にコイル端平面に対して角度をなす楔形を形成する線端
部を設けたことにより、コイル線端と付勢体平面（座金
１１）との間に隙間が形成され、かつ線端部の断面積が
減じて剛性が低下するので、コイルばねの圧縮時に１巻
目コイル線に接触するコイル線端が座金１１方向に曲り
変形し、１巻目コイル線の接触部の局部応力が減少して
１巻目コイル線に発生するフレッティング摩耗・疲労が
減少する。
は、図１に示すごとく０巻目コイル線端が薄くなるよう
にコイル端平面に対して角度をなす楔形を形成する線端
部を設けたことにより、コイル線端と付勢体平面（座金
１１）との間に隙間が形成され、かつ線端部の断面積が
減じて剛性が低下するので、コイルばねの圧縮時に１巻
目コイル線に接触するコイル線端が座金１１方向に曲り
変形し、１巻目コイル線の接触部の局部応力が減少して
１巻目コイル線に発生するフレッティング摩耗・疲労が
減少する。
【０００９】前記線端部の楔形切欠の形状は、切欠長さ
が長過ぎ線端が薄くなり過ぎると、ばねの剛性を欠き、
切欠長さが短か過ぎ線端が厚くなり過ぎると、圧縮時に
先端が変形しないで接触局部応力を減少できない。そこ
で実験の結果、前記線端部の楔形切欠の切欠長さ（Ｌ）
とコイルばねのコイル平均径（Ｄ）の関係を０．０５Ｄ
≦Ｌ≦０．１Ｄに、かつ線端部の切欠量（Ｔ）とコイル
ばねの線径（ｄ）の関係をＴ≧１／６ｄにとることによ
り、ばね圧縮時の線端部の曲りに対し適当な線端部の剛
性が得られ、使用応力において所要のばね特性と高い耐
フレッティング破壊性が得られることが分かった。
が長過ぎ線端が薄くなり過ぎると、ばねの剛性を欠き、
切欠長さが短か過ぎ線端が厚くなり過ぎると、圧縮時に
先端が変形しないで接触局部応力を減少できない。そこ
で実験の結果、前記線端部の楔形切欠の切欠長さ（Ｌ）
とコイルばねのコイル平均径（Ｄ）の関係を０．０５Ｄ
≦Ｌ≦０．１Ｄに、かつ線端部の切欠量（Ｔ）とコイル
ばねの線径（ｄ）の関係をＴ≧１／６ｄにとることによ
り、ばね圧縮時の線端部の曲りに対し適当な線端部の剛
性が得られ、使用応力において所要のばね特性と高い耐
フレッティング破壊性が得られることが分かった。
【００１０】
【実施例】以下、本発明を図示の一実施例について具体
的に説明する。本実施例では、本発明のコイルばねとし
て、前記の望ましい楔形切欠寸法から図１及び２に示す
ように０巻目線端部ＡをＬ＝０．０７Ｄ（２．６ｍ
ｍ），Ｔ＝０．２ｄ（１．８ｍｍ）の寸法に斜めに切欠
研磨したコイルばねと、比較材コイルばねとして、図３
のようにコイルの端面研磨したままで線端部に加工を施
さないコイルばねとを作成し、両者について以下の試験
条件で繰返疲労試験を行った。
的に説明する。本実施例では、本発明のコイルばねとし
て、前記の望ましい楔形切欠寸法から図１及び２に示す
ように０巻目線端部ＡをＬ＝０．０７Ｄ（２．６ｍ
ｍ），Ｔ＝０．２ｄ（１．８ｍｍ）の寸法に斜めに切欠
研磨したコイルばねと、比較材コイルばねとして、図３
のようにコイルの端面研磨したままで線端部に加工を施
さないコイルばねとを作成し、両者について以下の試験
条件で繰返疲労試験を行った。
【００１１】 供試ばね条件 供試ばね材質： ＳＡＥ ９２５４ ばね材引張り強さ： １９６１Ｎ／ｍｍ2 コイルばね寸法： ばね線径 ９．０ｍｍφ コイルの平均径 ３９．５ｍｍφ 自由高さ ５７．０ｍｍ 巻数 ４．５ コイル端形状： クローズドエンドコイル両端を平行平面に研磨（図１ 及び図３） 線端形状： 本発明ばね：０巻目線端部Ａを前記寸法に切欠研磨（図１及び 図２．Ｌ：２．６ｍｍ，Ｔ：１．８ｍｍ） 比較ばね： 線端加工なし（図３．Ｌ：０，Ｔ：０）
【００１２】試験条件 試験機 コイルばね圧縮疲労試験機 試験荷重 τｍ：７９５±τａ：３５３ Ｎ／ｍｍ2 供試ばね個数 本発明ばね、比較ばね各１２個
【００１３】試験結果を表１に示す。即ち、表１に示す
ように線端に楔形切欠を設けない比較材コイルばねで
は、いずれも１３．７〜２９．１×１０4 回でフレッテ
ィング破断したが、線端に楔形切欠を設けた本発明コイ
ルばねはいずれも１０×１０5回では破断せず、約１桁
の寿命の差が認められた。本発明のコイルばねによれ
ば、圧縮コイルばねのフレッティング破断が減少でき、
ばね寿命の延長に各段の効果が認められた。
ように線端に楔形切欠を設けない比較材コイルばねで
は、いずれも１３．７〜２９．１×１０4 回でフレッテ
ィング破断したが、線端に楔形切欠を設けた本発明コイ
ルばねはいずれも１０×１０5回では破断せず、約１桁
の寿命の差が認められた。本発明のコイルばねによれ
ば、圧縮コイルばねのフレッティング破断が減少でき、
ばね寿命の延長に各段の効果が認められた。
【００１４】
【表１】
【００１５】上記のように、本発明の圧縮コイルばね
は、楔形に切欠いた線端部を形成することにより、線端
と相対するコイル端平面（座金１１）との間に隙間を生
じ、かつ線端部の線断面の断面積が減少して剛性が低下
するので、ばねの圧縮によりコイル線端が１巻目コイル
線に接触すると曲げ応力により線端に曲り変形が生じ、
１巻目コイル線の接触部に生ずる局部応力が減少する。
これによって、過大な局部応力によるフレッティング破
断が低減される。
は、楔形に切欠いた線端部を形成することにより、線端
と相対するコイル端平面（座金１１）との間に隙間を生
じ、かつ線端部の線断面の断面積が減少して剛性が低下
するので、ばねの圧縮によりコイル線端が１巻目コイル
線に接触すると曲げ応力により線端に曲り変形が生じ、
１巻目コイル線の接触部に生ずる局部応力が減少する。
これによって、過大な局部応力によるフレッティング破
断が低減される。
【００１６】本実施例では丸線コイルばねを使用した
が、平線コイルばねについても同様の効果を得ることが
できる。
が、平線コイルばねについても同様の効果を得ることが
できる。
【００１７】
【発明の効果】以上説明したように本発明の圧縮コイル
ばねによれば、コイル線端部が１巻目コイル線に接触す
る部分の局部応力が減少するので、接触部のフレッティ
ング摩耗・疲労が減少してフレッティング破断が低減さ
れ、圧縮コイルばねの寿命が延長され信頼性が向上す
る。
ばねによれば、コイル線端部が１巻目コイル線に接触す
る部分の局部応力が減少するので、接触部のフレッティ
ング摩耗・疲労が減少してフレッティング破断が低減さ
れ、圧縮コイルばねの寿命が延長され信頼性が向上す
る。
【００１８】また、前記楔形切欠はコイル端面側から容
易に加工できるので、１巻目のコイル線に傷付けること
なく簡単容易に加工ができる利点がある。
易に加工できるので、１巻目のコイル線に傷付けること
なく簡単容易に加工ができる利点がある。
【図１】本発明実施例の圧縮コイルばねの線端形状を示
す図である。
す図である。
【図２】本発明実施例の圧縮コイルばねの線端形状の詳
細図である。
細図である。
【図３】従来の圧縮コイルばねの線端形状を示す図であ
る。
る。
【図４】従来の圧縮コイルばねを圧縮したときの線端の
接触状態を示す図である。
接触状態を示す図である。
１ 圧縮コイルばね ２ 線端下部エッジ ３ １巻目コイル線接触部 １１ 座金 Ａ 線端部
Claims (2)
- 【請求項１】 端部形状がクローズドエンドタイプの線
径（ｄ），コイル平均径（Ｄ）を有するコイルばねのコ
イル端を平面加工した圧縮コイルばねにおいて、０巻目
コイル線端部をその線端が薄くなるようにコイル端平面
に対して角度をなして切欠き、切欠長さ（Ｌ），線端部
の切欠量（Ｔ）を有する楔形を形成する線端部を設けた
ことを特徴とする耐フレッティング破断圧縮コイルば
ね。 - 【請求項２】 前記線端部の楔形切欠の切欠長さ（Ｌ）
とコイルばねのコイル平均径（Ｄ）が、 ０．０５Ｄ≦Ｌ≦０．１Ｄ を満足し、かつ線端部の切
欠量（Ｔ）とコイルばねの線径（ｄ）が、 Ｔ≧１／６ｄ を満足することを特徴とする請求項１に
記載の耐フレッティング破断圧縮コイルばね。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23862594A JP3294442B2 (ja) | 1994-09-07 | 1994-09-07 | 圧縮コイルばね |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23862594A JP3294442B2 (ja) | 1994-09-07 | 1994-09-07 | 圧縮コイルばね |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0874907A JPH0874907A (ja) | 1996-03-19 |
| JP3294442B2 true JP3294442B2 (ja) | 2002-06-24 |
Family
ID=17032931
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23862594A Expired - Lifetime JP3294442B2 (ja) | 1994-09-07 | 1994-09-07 | 圧縮コイルばね |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3294442B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002257169A (ja) * | 2001-03-02 | 2002-09-11 | East Japan Railway Co | 鉄道車両用高疲労強度軸ばね |
| CN101184934B (zh) | 2005-05-31 | 2010-12-01 | 日本发条株式会社 | 螺旋弹簧 |
| JP2011174515A (ja) * | 2010-02-24 | 2011-09-08 | Sumitomo Metal Ind Ltd | コイルばね |
| EP2405139B1 (de) * | 2010-07-09 | 2017-08-16 | Grundfos Management A/S | Dosierpumpenaggregat |
-
1994
- 1994-09-07 JP JP23862594A patent/JP3294442B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0874907A (ja) | 1996-03-19 |
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Legal Events
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