JP3293769B2 - オーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents

オーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ

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JP3293769B2
JP3293769B2 JP00116798A JP116798A JP3293769B2 JP 3293769 B2 JP3293769 B2 JP 3293769B2 JP 00116798 A JP00116798 A JP 00116798A JP 116798 A JP116798 A JP 116798A JP 3293769 B2 JP3293769 B2 JP 3293769B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオーステナイト系ス
テンレス鋼をガスシールドアーク溶接により溶接する場
合に使用されるフラックス入りワイヤに関し、特に、ス
ラグ剥離性が優れたオーステナイト系ステンレス鋼溶接
用フラックス入りワイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ステンレス鋼のガスシールド
アーク溶接においては、フラックス入りワイヤが広く使
用されており、この溶接方法によると、ガスによるシー
ルド効果と、外皮に内包されたフラックスから発生する
スラグによるシールド効果とにより、溶接金属を保護し
て、ビードの外観及び機械的性能等が確保される。従っ
て、ガスシールドアーク溶接に使用されるフラックス入
りワイヤにおいては、アークが安定であり、スパッタ発
生量が少ないと共に、スラグが適切な流動性を有してい
て、溶接ビードの被包性が優れており、溶接金属の冷却
固化後のスラグの剥離性が良好であることが要求され
る。
【0003】これらの特性の向上を図ったフラックス入
りワイヤとして、フラックス中にTiO2:4乃至12
重量%、SiO2:0.5乃至3.0重量%、アルカリ
金属弗化物:0.5乃至1.5重量%、Bi及びBi酸
化物:0.002乃至0.02重量%及びTi:0.0
5乃至0.9重量%が添加されたワイヤが提案されてい
る(特開平1−215493号公報)。このワイヤにお
いて、特に、Bi及びBi酸化物は、スラグ剥離性を向
上する目的で添加されている。
【0004】一方、溶接金属中のBiは、溶接金属の低
温靱性及び高温延性を低下させると共に、耐割れ性を低
下させる成分であることが公知である。そこで、フラッ
クス中のBi含有量を0.008重量%未満に規制する
ことにより、溶接金属の高温延性を向上させたステンレ
ス鋼フラックス入りワイヤが提案されている(特開平7
−276085号公報)。他に、フラックス中のBi及
びPbの含有量を低減することにより、溶接金属の低温
靱性、高温延性及び耐割れ性の向上を図ったステンレス
鋼フラックス入りワイヤが開示されている(特開平9−
66391号公報)。これらのフラックス入りワイヤに
おいては、フラックス中のBi及びBi化合物の含有量
を低減することにより発生するスラグ剥離性の低下を、
他のフラックス成分を調整することにより防止してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来のフラックス入りワイヤを使用して、ステンレス鋼
を溶接しても、スラグ剥離性を向上させる効果を十分に
得ることができない。このように、スラグの剥離性を向
上させることができると共に、その他の要求される特性
を全て満足するフラックス入りワイヤは、未だ開発され
ていない。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、アーク安定性が良好であり、スパッタ発生
量を低減することができると共に、優れたスラグ剥離性
及びビード形状を得ることができるオーステナイト系ス
テンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤを提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るオーステナ
イト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤは、ス
テンレス鋼からなる外皮中にフラックスを充填してなる
オーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワ
イヤにおいて、前記フラックスはワイヤ全重量あたり、
TiO2:4.5乃至9.8重量%、SiO2:0.5乃
至1.8重量%、ZrO2:1.4乃至3.0重量%、
金属弗化物(F換算値):0.1乃至1.5重量%を含
有し、不可避的不純物としてのAl23が0.05重量
%以下、Bi及びBi化合物(Bi換算値)が0.00
2重量%以下に規制されており、前記フラックス中のス
ラグ形成剤がワイヤ全重量あたりの総量で7.5乃至1
5.0重量%であると共に、前記TiO2含有量を重量
%で[TiO2]、前記SiO2含有量を重量%で[Si
2]、前記ZrO2含有量を重量%で[ZrO2]とし
たとき、数式{X=[SiO2]/([TiO2]+[S
iO2]+[ZrO2])}により算出されるXが0.0
5乃至0.15であり、数式{Y=[ZrO2]/
([TiO2]+[SiO2]+[ZrO2])}により
算出されるYが0.15乃至0.30であることを特徴
とする。
【0008】また、前記Al23がワイヤ全重量あたり
0.02重量%以下であることが好ましい。
【0009】なお、本発明において、スラグ形成剤とし
ては、TiO2、SiO2、ZrO2、Al23、Fe
O、MnO、MgO、Na2O、K2O及びLi2O等の
金属酸化物、LiF、NaF、CaF2、MgF2、K2
ZrF6及びKBF4等の金属弗化物、並びにLi2
3、Na2CO3、CaCO3、MgCO3及びMnCO3
等の金属炭酸塩がある。
【0010】
【発明の実施の形態】本願発明者等は、フラックス中に
Bi及びBi化合物を実質的に含有させることなく、ス
ラグ剥離性を向上させることができるフラックス入りワ
イヤを得るために、種々実験研究を行った。その結果、
Bi及びBi化合物等の低融点化合物を含有せず、Ti
2−ZrO2−SiO2系のスラグ形成剤を含有するフ
ラックス入りワイヤにおいては、ワイヤ中のAl23
有量を低減することにより、スラグ剥離性を著しく向上
させることができることを見い出した。
【0011】以下、本発明に係るオーステナイト系ステ
ンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤについて、外皮に
内包されるフラックスの組成限定理由について説明す
る。
【0012】TiO2:4.5乃至9.8重量% TiO2はビードの被包性が良好であるスラグを形成し
て、ビード形状を良好にする効果を有する成分である。
フラックス中のTiO2がワイヤ全重量あたり4.5重
量%未満であると、その効果を十分に得ることができな
い。一方、TiO2が、ワイヤ全重量あたり9.8重量
%を超えて過剰にフラックス中に添加されると、スラグ
の剥離性が劣化する。従って、フラックス中のTiO2
はワイヤ全重量あたり4.5乃至9.8重量%とする。
【0013】SiO2:0.5乃至1.8重量% SiO2は流動性が良好であるスラグを形成し、スラグ
の被包性及び止端部のビードのなじみ性を向上させる効
果を有する成分である。フラックス中のSiO2がワイ
ヤ全重量あたり0.5重量%未満であると、その効果を
十分に得ることができない。一方、SiO2が、ワイヤ
全重量あたり1.8重量%を超えて過剰にフラックス中
に添加されると、スラグ剥離性が低下する。従って、フ
ラックス中のSiO2はワイヤ全重量あたり0.5乃至
1.8重量%とする。
【0014】ZrO2:1.4乃至3.0重量% ZrO2をフラックス中に添加することにより、スラグ
の剥離性を向上させることができる。フラックス中のZ
rO2がワイヤ全重量あたり1.4重量%未満である
と、その効果を十分に得ることができない。一方、Zr
2が、ワイヤ全重量あたり3.0重量%を超えて過剰
にフラックス中に添加されると、スラグの飛散及びスラ
グ被包性の劣化を引き起こす。従って、フラックス中の
ZrO2はワイヤ全重量あたり1.4乃至3.0重量%
とする。
【0015】金属弗化物(F換算値):0.1乃至1.
5重量% フラックス中の金属弗化物がF換算値でワイヤ全重量あ
たり0.1重量%未満であると、良好なスラグの流動
性、スラグの被包性及び耐ピット性を得ることができな
い。一方、フラックス中の金属弗化物がF換算値でワイ
ヤ全重量あたり1.5重量%を超えると、フラックスの
融点が著しく低下して、アークの安定性が低下する。従
って、フラックス中の金属弗化物は、ワイヤ全重量あた
りのF換算値で0.1乃至1.5重量%とする。
【0016】なお、金属弗化物とは、LiF、NaF、
CaF2、MgF2、K2ZrF6及びKBF4等の金属又
は金属化合物の弗化物をいう。本発明においては、これ
らのいずれの金属弗化物を使用してもよく、これら金属
弗化物のF換算値の総量が、ワイヤ全重量あたり0.1
乃至1.5重量%の範囲となるように、金属弗化物をフ
ラックス中に添加するものとする。
【0017】Al23:0.05重量%以下、好ましく
は0.02重量%以下 Bi及びBi化合物等の低融点化合物を含有するオース
テナイト系ステンレス鋼溶接用のフラックス入りワイヤ
においては、立て向き姿勢における溶接作業性及び水平
姿勢における溶接ビードの当脚長性を向上させる目的
で、Al23が添加されている。しかし、本願発明者等
は、Bi及びBi化合物等の低融点化合物を含有せず、
TiO2−ZrO2−SiO2系のスラグ形成剤を含有す
るフラックス入りワイヤにおいては、ワイヤ中の不可避
的不純物としてのAl23含有量を低減することによ
り、スラグ剥離性を著しく向上させることができること
を見い出した。フラックス中の不可避的不純物としての
Al23がワイヤ全重量あたり0.05重量%を超える
と、スラグ剥離性を向上させる効果を得ることができな
い。従って、フラックス中の不可避的不純物としてのA
23は、ワイヤ全重量あたり0.05重量%以下とす
る。なお、好ましくは、フラックス中のAl23は0.
02重量%以下であり、これにより、更に一層スラグ剥
離性を向上させる効果を得ることができる。
【0018】Bi及びBi化合物(Bi換算値):0.
002重量%以下 本発明においては、Bi及びBi化合物を実質的に含有
しないワイヤについて、スラグ剥離性を向上させるため
のフラックス組成を適切に調整している。即ち、フラッ
クス中のBi及びBi化合物が、Bi換算値でワイヤ全
重量あたり0.002重量%を超えると、溶接金属の低
温靱性、耐割れ性及び高温延性等が低下する。従って、
フラックス中のBi及びBi化合物は、ワイヤ全重量あ
たりのBi換算値で0.002重量%以下とする。
【0019】フラックス中のスラグ形成剤の総量:7.
5乃至15.0重量% ワイヤ全重量あたりのフラックス中のスラグ形成剤量
(スラグ率)が7.5重量%未満であると、良好なスラ
グの被包性を得ることができない、一方、スラグ率が1
5.0重量%を超えると、スラグ量が過剰となって、ス
ラグの巻き込みが発生しやすくなる。従って、フラック
ス中のスラグ形成剤は、ワイヤ全重量あたりの総量で
7.5乃至15.0重量%とする。なお、本発明におい
て、スラグ形成剤としては、TiO2、SiO2、ZrO
2、Al23、FeO、MnO、MgO、Na2O、K2
O及びLi2O等の金属酸化物、LiF、NaF、Ca
2、MgF2、K2ZrF6及びKBF4等の金属弗化
物、並びにLi2CO3、Na2CO3、CaCO3、Mg
CO3及びMnCO3等の金属炭酸塩がある。
【0020】数式{X=[SiO2]/([TiO2]+
[SiO2]+[ZrO2])}により算出されるX:
0.05乃至0.15 数式{Y=[ZrO2]/([TiO2]+[SiO2
+[ZrO2])}により算出されるY:0.15乃至
0.30 前述の如く、SiO2及びZrO2がフラックス中に過剰
に添加されると、ワイヤのスラグ剥離性が低下する。そ
こで、本願発明者等は、SiO2含有量及びZrO2含有
量を種々に変化させて、これらの含有量のスラグ剥離性
に対する影響を調査した。その結果、SiO2及びZr
2の添加により得られる効果の度合いは、これらの化
合物の添加量のみに依存するのではなく、その効果は、
TiO2、SiO2及びZrO2の含有量の比率と相関が
あることを見い出した。即ち、本発明は、フラックス中
のTiO2含有量、SiO2含有量及びZrO2含有量
を、夫々、ワイヤ全重量あたりの重量%で、[Ti
2]、[SiO2]及び[ZrO2]として、数式{X
=[SiO2]/([TiO2]+[SiO2]+[Zr
2])}及び数式{Y=[ZrO2]/([TiO2
+[SiO2]+[ZrO2])}により算出されるX及
びYを規定するものである。
【0021】前記数式により算出されるXが0.05未
満であると、スラグのビード被包性及びビードのなじみ
性が低下する。一方、このXが0.15を超えるか、又
は前記数式により算出されるYが0.15未満である
と、スラグ剥離性が低下し、このYが0.30を超える
と、スラグのビード被包性が低下すると共に、スラグの
飛散が発生する。従って、Xが0.05乃至0.15、
Yが0.15乃至0.30となるように、TiO2、S
iO2及びZrO2の含有量を調整する。
【0022】
【実施例】以下、本発明に係るオーステナイト系ステン
レス鋼溶接用フラックス入りワイヤを使用して溶接した
ときの実施例について、その比較例と比較して具体的に
説明する。
【0023】先ず、下記表1に示す組成を有するステン
レス鋼からなる外皮を準備し、この外皮に種々の組成を
有するフラックスを充填して、ワイヤ径が1.2mmで
あるオーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入
りワイヤを作製した。次に、これらのワイヤを使用し
て、T字形に組み立てられたSUS304L鋼に対して
下記表2に示す溶接条件で水平すみ肉溶接を実施し、溶
接作業性を評価した。なお、溶接作業性は、アークの安
定性、スパッタ発生量、スラグのビード被包性、スラグ
剥離性、スラグの耐飛散性、ビードのなじみ性、ビード
形状及びスラグ巻き込みを観察することにより評価し
た。各ワイヤのフラックス組成を下記表3乃至8に示
し、溶接作業性の評価結果を下記表9乃至12に示す。
なお、下記表5及び8に示すX及びYは、フラックス中
のTiO2含有量、SiO2含有量及びZrO2含有量
を、夫々、ワイヤ全重量あたりの重量%で、[Ti
2]、[SiO2]及び[ZrO2]とした場合に、数
式{X=[SiO2]/([TiO2]+[SiO2]+
[ZrO2])}及び数式{Y=[ZrO2]/([Ti
2]+[SiO2]+[ZrO2])}により算出され
る値である。また、下記表9乃至12に示す溶接作業性
評価結果欄において、◎は極めて優れていることを示
し、○良好であることを示す。また、△は若干問題があ
ることを示し、×は実用に適さないことを示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】
【表7】
【0031】
【表8】
【0032】
【表9】
【0033】
【表10】
【0034】
【表11】
【0035】
【表12】
【0036】上記表3乃至12に示すように、実施例N
o.1乃至8は、フラックスの組成並びにフラックス中
のTiO2、SiO2及びZrO2の含有量より算出され
るX及びYが適切に規制されているので、アーク安定
性、スラグのビード被包性、スラグ剥離性、スラグの耐
飛散性が良好であり、スパッタ発生量が少ないと共に、
ビード形状及びビードのなじみ性が共に良好となった。
特に、Al23の含有量を0.02重量%以下に規制し
た実施例No.1及び4は、スラグの剥離性が更に一層
優れたものとなった。
【0037】一方、比較例No.9はフラックス中のT
iO2含有量が本発明範囲の下限未満であるので、スラ
グ被包性が悪く、溶接ビードを被包しているスラグが薄
くなっている部分と厚くなっている部分とが発生した。
その結果、薄いスラグで被包されている領域において
は、スラグの厚さの不足によって、スラグ剥離性が低下
した。比較例No.10はフラックス中のTiO2含有
量が本発明範囲の上限を超えているので、スパッタ発生
量が増加し、ビードのなじみ性が不良となった。比較例
No.11はフラックス中のSiO2含有量が本発明範
囲の下限未満であるので、スラグ被包性及びビードのな
じみ性が低下した。比較例No.12はフラックス中の
SiO2含有量が本発明範囲の上限を超えているので、
スラグ剥離性が低下した。
【0038】比較例No.13はフラックス中のZrO
2含有量が本発明範囲の下限未満であるので、スラグの
剥離性が低下した。比較例No.14はフラックス中の
ZrO2含有量が本発明範囲の上限を超えているので、
スラグのビード被包性が不良になると共に、スラグの飛
散が発生した。比較例No.15はフラックス中のAl
23含有量が本発明範囲を超えて含有されているので、
スラグ剥離性が不良となり、実用に適するワイヤを得る
ことができなかった。比較例No.16は数式により算
出されるXが本発明範囲の下限未満であるので、スラグ
のビード被包性及びビードのなじみ性が低下した。比較
例No.17は数式により算出されるXが本発明範囲の
上限を超えているので、スラグ剥離性が低下した。
【0039】比較例No.18は数式により算出される
Yが本発明範囲の下限未満であるので、スラグ剥離性が
低下した。比較例No.19は数式により算出されるY
が本発明範囲の上限を超えているので、スラグのビード
被包性が低下すると共に、スラグの飛散が発生した。比
較例No.20はフラックス中の金属弗化物(F換算
値)が本発明範囲の下限未満であり、比較例No.22
はスラグ剤の総量(スラグ率)が本発明範囲の下限未満
であるので、いずれもスラグのビード被包性が不良とな
った。比較例No.21はフラックス中の金属弗化物
(F換算値)が本発明範囲の上限を超えているので、ア
ーク安定性が低下した。比較例No.23はスラグ剤の
総量(スラグ率)が本発明範囲の上限を超えているの
で、スラグ巻き込みが発生した。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
フラックスの組成並びにフラックス中のTiO2、Si
2及びZrO2の含有量より算出されるX及びYが適切
に規制されているので、Bi及びBi化合物を添加する
ことなく、アーク安定性が良好であり、スパッタ発生量
を低減することができると共に、優れたスラグ剥離性及
びビード形状を得ることができるオーステナイト系ステ
ンレスを得ることができる。また、フラックス中のAl
23の含有量を厳密に規制すると、更に一層スラグの剥
離性を向上させることができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−94693(JP,A) 特開 平9−94962(JP,A) 特開 平9−122977(JP,A) 特開 平9−122978(JP,A) 特開 平10−230391(JP,A) 特開 昭59−127995(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23K 35/368 B23K 9/23

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス鋼からなる外皮中にフラック
    スを充填してなるオーステナイト系ステンレス鋼溶接用
    フラックス入りワイヤにおいて、前記フラックスはワイ
    ヤ全重量あたり、TiO2:4.5乃至9.8重量%、
    SiO2:0.5乃至1.8重量%、ZrO2:1.4乃
    至3.0重量%、金属弗化物(F換算値):0.1乃至
    1.5重量%を含有し、不可避的不純物としてのAl2
    3が0.05重量%以下、Bi及びBi化合物(Bi
    換算値)が0.002重量%以下に規制されており、前
    記フラックス中のスラグ形成剤がワイヤ全重量あたりの
    総量で7.5乃至15.0重量%であると共に、前記T
    iO2含有量を重量%で[TiO2]、前記SiO2含有
    量を重量%で[SiO2]、前記ZrO2含有量を重量%
    で[ZrO2]としたとき、数式{X=[SiO2]/
    ([TiO2]+[SiO2]+[ZrO2])}により
    算出されるXが0.05乃至0.15であり、数式{Y
    =[ZrO2]/([TiO2]+[SiO2]+[Zr
    2])}により算出されるYが0.15乃至0.30
    であることを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼
    溶接用フラックス入りワイヤ。
  2. 【請求項2】 前記Al23がワイヤ全重量あたり0.
    02重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載
    のオーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入り
    ワイヤ。
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