JP5419492B2 - ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents
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鋼製外皮とフラックスの両方の合計で、
C:0.03〜0.12%、
Si:0.5〜1.5%、
Mn:1.5〜4.0%、
フラックスに、
Ti酸化物のTiO2換算値:1.0〜2.5%、
Si酸化物のSiO2換算値:0.2〜2.0%、
Zr酸化物のZrO2換算値:0.05〜0.70%、
酸素量が0.25%以下である鉄粉:2〜15%、
弗素化合物のF換算値:0.1%以下、
Mg:0.2%以下、
弗素化合物を含むスラグ形成剤の合計が1.5〜4.5%
を含有し、残部はFeおよび不可避不純物からなることを特徴とするガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤにある。
Cは、鋼製外皮、フラックス中に含有されるフェロマンガン、フェロシリコンマンガンおよびグラファイト等から添加され、溶接金属の強度を調整する重要な元素の1つである。Cが0.03質量%(以下、%という。)未満であると溶接金属の強度および靭性が低下する。一方、0.12%を超えるとアークが強くなりすぎて高電流域の溶接が困難となり、スパッタ発生量が多くなる。さらに溶接金属の強度が高くなり靭性が低下する。
Siは、鋼製外皮、フラックス中に含有される金属シリコン、フェロシリコンおよびフェロシリコンマンガン等から添加され、溶接金属の強度および靭性を確保するために重要な成分である。Siが0.5%未満であると強度および靭性が低下する。一方、1.5%を超えると溶接金属の強度が高くなり靭性が低下する。
Mnは、鋼製外皮、フラックス中に含有される金属マンガン、フェロマンガンおよびフェロシリコンマンガン等から添加され、溶接金属の強度および靭性を確保するために重要な成分である。Mnが1.5%未満であると溶接金属の強度および靭性が低下する。一方、4.0%を超えると溶接金属の強度が高くなり靭性が低下する。
TiO2は、フラックス成分のTi酸化物のルチール、酸化チタン、チタン酸ソーダ、チタンスラグ、イルミナイト等から添加される。これらはビード全体を均一に被包する作用を有する。また、アークを持続して安定させスパッタ発生量を低減させる効果がある。Ti酸化物のTiO2換算値が1.0%未満であると、スラグ生成量が不足してビードを均一に被包できないのでスラグがビード表面に焼き付きビード外観が不良になる。また、アークを安定させる効果がなくなりスパッタ発生量も増加する。一方、2.5%を超えると、アークは安定してスパッタ発生量は減少するが、スラグが厚くなるので多層盛溶接連続溶接を行うときに途中でスラグを除去する工程が必要となる。
SiO2は、フラックス成分の珪砂、ジルコンサンド等より添加されスラグ形成剤として作用し、少量でスラグ粘性を大きくする効果がある。Si酸化物のSiO2換算値が0.2%未満であるとスラグ形成剤としての効果が無くスラグ被包性が悪くなりスラグが焼き付きビード形状が劣化する。一方、2.0%を超えると、アークが荒くなりスパッタ発生量が多くなる。
ZrO2は、フラックス成分のジルコンサンドおよび酸化ジルコニウム等から添加され、Zr酸化物のZrO2換算値が0.05%以上でスラグ被包性を改善してビード形状を改善するスラグ形成剤として作用する。一方、0.70%を超えると、アークが荒くなりスパッタ発生量が多くなるとともに、スラグが硬くなりビードにスラグが均一に被包し難くなるので、焼付いてスラグ除去が困難となりスラグ剥離性が悪くなる。
鉄粉は、フラックス入りワイヤの高溶着で極低スラグという特性を確保するためにフラックス成分として必須な成分である。鉄粉が2%未満では、高溶着性が得られずフラックス入りワイヤの特性が十分に発揮できない。一方、15%を超えるとワイヤ製造段階の伸線工程でワイヤ長手方向にフラックス充填率の変動が生じるようになり断線が発生しやすくなるとともに、溶接時のアーク状態が不安定でスパッタ発生量が多くなる。
Fは、フラックス成分のフラックスの弗化ソーダ、珪弗化カリ、氷晶石、弗化アルミ、弗化リチウムおよびホタル石等から添加され、アークの安定性を向上させるが、弗素化合物のF換算値が0.1%を超えるとアークが強くなり、スパッタ発生量が増大する。また、スラグの粘性が低下してスラグ被包性が悪くスラグが焼き付いてビード外観が悪くなる。
Mgは、フラックス成分の金属MgおよびAl−Mg等から添加されて脱酸剤として作用するので添加することが好ましいが、本発明のようにスラグ量が少ない場合には、Mgが0.2%を超えるとスラグの粘性が過剰となりスラグが均一に被包しなくなり、スラグが焼き付きビード外観が悪くなるので、上限を0.2%とした。
スラグ形成剤は、ビード外観を整える作用がある。弗素化合物を含むスラグ形成剤の合計が1.5%未満であると、スラグ生成量が不足してビードを均一に被包できないのでスラグが焼き付きスラグ剥離性が悪くなるとともにビード外観を整えることができなくなる。また、アークが荒くなりスパッタ発生量が多くなる。一方、4.5%を超えるとアークが安定してスパッタも減少するが、スラグ生成量が多くなるため多層盛連続溶接を行うときに途中でスラグを除去する工程が必要となる。
Claims (1)
- 鋼製外皮にフラックスを充填してなるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤにおいて、ワイヤ全質量%で、
鋼製外皮とフラックスの両方の合計で、
C:0.03〜0.12%、
Si:0.5〜1.5%、
Mn:1.5〜4.0%、
フラックスに、
Ti酸化物のTiO2換算値:1.0〜2.5%、
Si酸化物のSiO2換算値:0.2〜2.0%、
Zr酸化物のZrO2換算値:0.05〜0.70%、
酸素量が0.25%以下である鉄粉:2〜15%、
弗素化合物のF換算値:0.1%以下、
Mg:0.2%以下、
弗素化合物を含むスラグ形成剤の合計が1.5〜4.5%
を含有し、残部はFeおよび不可避不純物からなることを特徴とするガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
Priority Applications (1)
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JP2009044228A JP5419492B2 (ja) | 2009-02-26 | 2009-02-26 | ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2009044228A JP5419492B2 (ja) | 2009-02-26 | 2009-02-26 | ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ |
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2009
- 2009-02-26 JP JP2009044228A patent/JP5419492B2/ja not_active Expired - Fee Related
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