JP3293023B2 - 溶鋼の真空吹酸方法 - Google Patents

溶鋼の真空吹酸方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空精錬装置によ
る溶鋼の精錬方法に関し、特に直胴型浸漬管を有する真
空精錬装置を用い、真空槽内に挿入したランスから酸素
を吹き付けることで、効率的に極低炭素領域までの脱炭
精錬を可能にする溶鋼の真空吹酸方法に関する。
【0002】
【従来の技術】極低炭素溶鋼の減圧脱炭方法としては、
RH、DHが広く用いられている。しかし、RHにおい
て極低炭素鋼を溶製する場合には、多量のスプラッシュ
が発生するため、真空槽に地金が付着して操業に多大の
支障を招き、さらに炭素濃度が高い付着地金が再溶解す
ることによる炭素のピックアップにより、極低炭素域で
の脱炭速度が著しく低下するという大きな問題が生ず
る。また、酸素濃度が高い方が脱炭には有利になるが、
転炉の吹き止め炭素を下げて酸素濃度を増加させた場合
には、吹き止め温度が上がり、転炉耐火物コストが高く
なるため、転炉の吹き止め炭素は下げずに、RHで酸素
濃度を増大させる方法が必要である。
【0003】これらに対応するため、特開平2−775
18号公報には、溶鋼湯面から所定位置離した上方か
ら、適正範囲の湯面到達圧力になるように酸素ガスを吹
き付けることで、2次燃焼反応を利用する方法が開示さ
れている。また、特開平2−54714号公報において
も、RHで水冷上吹きランスより酸素を吹き付ける方法
が開示されている。
【0004】しかし、RHの場合には真空槽に2本の浸
漬管を設ける方法であり、必然的に真空槽の槽底を有す
るため、上吹き酸素は槽底に到達しない程度に吹き付け
る必要がある。さらに、溶鋼の環流が開始されるまでは
酸素を吹き付けても何等の効果も有さないため、特開平
4−176812号公報に記載されているように、真空
度が200Torr程度よりも高真空にならない限り、
酸素は吹き付けられない。さらに、このような真空度で
は上吹き酸素ガスが直接槽底耐火物と衝突するため、槽
底耐火物が激しく溶損される。
【0005】このように、RHにおける酸素上吹きの問
題をまとめると、(1)真空度が200Torr程度よ
りも高真空にならない限り酸素は吹き付けられないた
め、酸素濃度を上昇させることで脱炭が最も効果的に促
進される上に、炭素濃度が高いために地金として炉壁に
溶鋼が付着することを最も嫌う、処理の初期の時期に酸
素が吹き付けられない。(2)真空度が向上した高真空
度であっても、溶鋼表面と槽底の間の距離が小さいた
め、上吹き酸素の溶鋼到達噴流流速は、ガスの動圧によ
り溶鋼面にできる凹み深さ(キャビティー)を深くする
(ハードブロー)ことはできず、酸素の利用効率が低
い。また、逆にキャビティーが浅い(ソフトブロー)た
め脱炭反応で発生するCOガスが空間でCO2 まで酸化
される2次燃焼が起こりやすいが、溶鋼への着熱が悪
く、溶鋼温度を補償するには耐火物の温度が上がりす
ぎ、また耐火物加熱による地金付着防止を目的とする場
合には、溶鋼温度は上昇させられないという問題がで
る。また、従来の上吹きランスは、通常用いる酸素流
量、ランス操業2次圧、雰囲気圧力下で適正な膨張挙動
を示す条件で設計するため、真空精錬炉のように処理中
に雰囲気圧力が変化する場合には、高真空条件ではハー
ドブロー、低真空条件ではソフトブローとなり、雰囲気
圧力が変わった場合には、適正な条件での送酸ができな
いという問題があった。
【0006】本発明者らは、特開平6−116624号
公報で、深い位置からのガス攪拌と大径の直胴型浸漬槽
を用いて槽内を減圧する真空精錬炉を開示している。こ
れは、真空下に曝露されている溶鋼表面部分を有効に攪
拌して実質的な表面積を増大させることが極めて効果的
であるとの知見に基づくもので、吹き込まれたガスが真
空に曝露されている溶鋼表面に浮上する領域である気泡
活性面を広くとることで、極めて効率的な脱炭を可能と
している。しかし、この方法では極低炭素濃度まで脱炭
速度が停滞することなく脱炭が進行してスプラッシュも
少ないが、長期間操業した場合には地金付着が問題とな
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特開平2−
77518号公報、特開平2−54714号公報、特開
平4−176812号公報に開示されたRHでの上吹き
ランスからの送酸技術においては、槽底を有するために
低真空度域での送酸ができず、高真空度でもハードブロ
ーができないために酸素の利用効率が低いという問題
点、また特開平6−116624号公報に示された方法
のみでは長期間操業した場合に地金付着が生じるという
問題点を解決した上に、さらに従来の上吹きランスでは
雰囲気圧力が変わった場合に適正な条件での送酸ができ
ないという問題点を解決し、直胴型浸漬管による効率的
な極低炭素領域までの脱炭精錬技術を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、円筒形の
浸漬管に溶鋼を吸い上げ、取鍋底部に設けたガス吹き込
み孔から不活性ガスを導入する方式に基づいて、種々の
条件を変化させた試験を実施したが、安定した極低炭素
領域までの脱炭を行うことができなかった。これは、脱
炭処理開始直後に飛散する炭素濃度の高いスプラッシュ
が耐火物壁面に付着し、これが脱炭末期の炭素濃度が低
い時期に溶解して炭素を供給するためである。そこで、
上吹きランスを導入したが、噴流特性に対するランス操
業圧と真空度の影響を適切に考慮したランスデザインと
することで、雰囲気圧力が変わった場合にも適正な条件
で送酸が可能であることを見出した。
【0009】すなわち、本発明の要旨とするところは下
記のとおりである。 (1)真空脱ガス装置で、真空度が10〜400Tor
rの範囲で上方から挿入したガス供給用上吹きランスを
用いて溶鋼面より1〜5m上方より、酸素ガスを3〜1
8Nm3 /(Hr・ton)の流量で供給する溶鋼の精
錬方法であって、操業時のランス操業2次圧Po (kg
f/cm2 ・G)をランス設計2次圧 s (kgf/c
2 ・G)の0.7〜2.5倍の範囲で変更させるこに
より操業中の酸素ガス流量を変化させつつ、下記(1)
式で計算されるパラメータuが0.5〜2の範囲となる
ようにランス先端から溶鋼面までの距離(ランス高さ:
o (mm))を制御することを特徴とする溶鋼の真空
吹酸方法。
【0010】u=H/G o …… (1) (1)式において、Hはジェットコア長さであり、下記
(2)式より求められる。 H=f(X)×M s ×(4.2+1.1M s 2 )×d t …… (2) (2)式において、f(X)は下記(3)式より求めら
れる。
【0011】
【数2】
【0012】(3)式において、Xは下記(4)式より
求められる。 X=(P o +Q o /730)/(P s +Q o /730) …… (4) (2)式において、M s は設計吐出マッハ数であり、下
記(5)式より求められる。 s =2.24×〔{(P s +Q s /730)/(Q s /730)} 2/7 −1〕 1/2 …… (5) ここで、Hはジェットコア長さ(mm)、G o はランス
高さ(mm)、P o はランス操業2次圧(kgf/cm
2 ・G)、P s はランス設計2次圧(kgf/cm 2
G)、Q o は操業真空度(Torr)、Q s は設計真空
度(Torr)、d t は上吹きランスのノズルスロート
部直径(mm)である。 (2) 前記(1)において、基準真空度をQ B (Tor
r)、基準ランス高さを B (mm)とした場合、操業
真空度Qo (Torr)においてランス高さ o (m
m)を下記(6)式に従って制御することを特徴とする
溶鋼の真空吹酸方法。
【0013】 o =α×G B ×(Q B /Q o 1/2 …… (6) ここでαは0.8〜1.2の値をとり、 B は40〜2
00(Torr)、 B は1000〜3000(mm)
であることが望ましい。(3) 取鍋内溶鋼表面の一部に、真空槽の下部に連結し
た直胴型浸漬管を浸漬する真空脱ガス装置で、該真空槽
の上方から挿入したガス供給用上吹きランスを用いるこ
とを特徴とする前記(1)または(2)記載の溶鋼の真
空吹酸方法。
【0014】ここで、上吹きランスのノズルスロート部
直径(dt :mm)と、ノズル出口部直径(de :m
m)は下記の式で決定されることが望ましい。 dt =(1.27×St 1/2 t =F s /{(0.581×n×(P s +Q s /730)} s =f s ×We =(1.27×Se 1/2 e =S t ×{(1+0.2M s 2 )/1.2} 3 /M s s =2.24×〔{(P s +Q s /730)/(Q s /730)} 2/ 7 −1〕 1/2 ここで、S t はノズルスロート断面積(mm 2 )、F s
は設計送酸速度(Nm 3 /Hr)、nはノズル数、P s
はランス設計2次圧で3〜13kgf/cm 2 ・G、Q
s は設計真空度(Torr)、f s は溶鋼トン当たりの
設計送酸速度で5〜20(Nm 3 /(Hr・to
n))、Wは溶鋼量(ton)、S e はノズル出口断面
積(mm 2 )、M s は設計吐出マッハ数である。
【0015】上吹きランスとしては1〜4孔を有する水
冷上吹きランスが望ましい。本発明は、設計時の真空度
s に対して操業時の真空度Qo が10〜400Tor
rに変化してもハードブローが可能な上吹きランスを与
えるものである。本発明者らは、種々のランスノズルか
ら噴出された噴流の特性を、真空度を大幅に変更させた
条件下で詳細に研究した結果、以下の事実に到達するに
至った。
【0016】 真空度にかかわらず、ノズルを噴出し
たガスは、流速が低下しないポテンシャルコア域を経
て、流速がノズル先端からの距離の1乗に反比例して低
下する特性減衰域へと至るという挙動をとる。 同一
ノズルで真空度を高めた場合には、周囲のガスの巻き込
み量が低下するため減衰しにくくなりジェットコア長さ
(噴流の中心軸上マッハ数が1となる位置のノズル先端
からの距離、H:mm)が伸びるが、特性減衰域での挙
動は影響を受けず、真空度の影響はジェットコア長さ
のみ表される。
【0017】 真空度の影響は、ランスデザイン(ス
ロート径、出口径)を変更しても変わらない。この3つ
の知見によりノズル先端からの距離Y(mm)の位置で
噴流中心軸上流速U(m/s)は(7)式で表され、
ジェットコア長さ(H:mm)は(2)〜(4)式で表
される。
【0018】 U=320・H/Y …(7) H=f(X)×M s ×(4.2+1.1M s 2 )×d t …… (2)
【0019】
【数3】
【0020】 X=(P o +Q o /730)/(P s +Q o /730) …… (4) これにより、あらゆるノズルから噴出する噴流挙動が、
如何なる真空度条件でも推定可能となる。本発明者は、
この式に基づき、真空下でランス2次圧を大幅に変化さ
せた場合のUの変化を測定した結果、図1に示すよう
に、ランス2次圧を大きく変化させてもUがほとんど変
化しない条件があり、さらにこの条件は真空度にはほと
んど依存しないことを見出した。これより、真空脱ガス
装置で吹酸精錬する場合、操業時のランス操業2次圧P
o (kgf/cm2 ・G)をランス設計2次圧P s (k
gf/cm2 ・G)の0.7〜2.5倍の範囲で変更さ
せることで、操業中の酸素ガス流量を変化させても湯面
到達流速はほとんど変化せず、ハードブローを維持した
ままで必要に応じた任意の流量で送酸が可能となる。
【0021】ここで、操業時の o /P s が0.7より
も小さい場合には、噴流の減衰が激しくソフトブローと
なり溶鋼への着熱効率が低下し、また2.5よりも大き
い場合には、ノズル出口での不適正膨張によるエネルギ
ー損失よりも噴流の慣性力の方が優勢となるため、過度
のハードブローとなってスプラッシュ発生等の操業上の
困難を生ずる。
【0022】また、本発明は、真空度が10〜400T
orrの範囲で、溶鋼面より1〜5m上方より、酸素ガ
スを3〜18Nm3 /(Hr・ton)の流量で供給し
た場合であることが必要である。真空度が10Torr
よりも高真空の場合には、噴流の減衰が小さくハードブ
ローとなることが避け難く、400Torrよりも低真
空の場合には、逆に噴流の減衰が大きくソフトブローと
なることは避け難い。また、ランスと溶鋼面間の距離が
1mよりも小さい場合にはランスに対する輻射伝熱量が
大きいためランス寿命が短いという問題があり、5mよ
りも上方から吹酸する場合には炉壁耐火物の溶損が大き
いという問題がある。また、酸素ガスが3Nm3 /(H
r・ton)よりも小さい場合には、十分な熱量が得ら
れないため酸素を使用した効果が表れず、18Nm3
(Hr・ton)よりも大きい場合には入熱量が大きす
ぎるため耐火物溶損を引き起こす。
【0023】さらに、前述の数式によりノズル先端から
の距離Y(mm)の位置での噴流中心軸上流速U(m/
s)が求められるが、この値に基づくパラメータuが
0.5〜2の範囲になるようにランス高さを制御する
と、さらに効率的な吹酸が可能となる。uはUを大気圧
下での音速である320m/sで割ったパラメータであ
り、鋼浴面に到達した時点の噴流強度を示す。図2に示
すように、uが0.5よりも小さい場合には噴流強度が
弱すぎるために、空間でCOがCO2 まで燃焼する、い
わゆる2次燃焼が激しく起こるため排ガス温度が上昇し
て耐火物が著しく溶損し、またuが2よりも大きい場合
には、噴流強度が強すぎるために激しいスプラッシュを
生じるという問題がある。
【0024】ところで、実際のプロセスでは、操業中の
真空度は必ずしも一定ではなく、変動する。真空下での
噴流挙動は真空度に大きく影響を受けるため、このよう
な変動は無視できない影響を与える。本発明者らによる
真空下での噴流特性の詳細な検討によれば、ノズルのス
ロート径と出口径の関係が如何様であろうとも、大気圧
下での噴流中心軸上流速760 真空度P下での噴流中
心軸上流速P との間には次式の関係がある。また、ラ
ンス高さと噴流最大流速の間には、ノズル形状や真空度
に依らず、反比例関係がある。
【0025】UP =29×U760 /√P これらの事項は、従来行われていた大気圧下での噴流特
性の調査結果からは推定できるものではなく、これまで
全く不明であった減圧下での噴流挙動も、比較的簡単な
関数で制御できることを示すものである。この知見に基
づけば、基準真空度Q B (Torr)、基準ランス高さ
B (mm)とした場合、操業真空度Qo (Tor
r)においてランス高さ o (mm)を次式に従って制
御すれば、前述の真空度の変動の影響を受けずに、一定
範囲の噴流強度での吹酸が常に可能となる。
【0026】 o =α×G B ×(Q B /Q o 1/2 …… (6) ここで、αは0.8〜1.2であり、αが0.8よりも
小さい場合にはソフトブローになり過ぎ、1.2より大
きい場合にはハードブローになり過ぎるという問題が生
ずる。本発明の上吹き方法は、図3に示すような、取鍋
内溶鋼表面の一部に真空槽の下部に連結した直胴型浸漬
管を浸漬する真空脱ガス装置に適用した場合に最も有効
である。これは、浸漬管内のみを部分的に真空にするこ
とにより、取鍋スラグの影響を排除することができる上
に、溶鋼ヘッドが高くなり、低部から吹き込まれたガス
が表面に浮上する領域を広くとれる利点があるためであ
る。このような場合には、攪拌用ガスが表面で破泡した
時に生成する微細な溶鋼粒子が空間に飛散し、空間で酸
素上吹きにより生成した熱を受けて高温に加熱された状
態で鋼浴に戻るという機構が有効に作用するため、高い
着熱効率が可能となる。これに対して、取鍋全体を真空
にする、いわゆるタンク脱ガス方式の場合には、取鍋ス
ラグの影響を排除できず、スラグが上部空間で発熱した
熱を鋼浴へ伝熱する際の断熱層となるため、着熱効率が
充分には高くならない。また、RHのように狭い上昇管
からのみ攪拌用ガスを吹き込む場合には、ガスが狭い領
域に集中的に浮上するため、表面で破泡した時に生成す
る溶鋼粒子が大きな速度で空間に飛散し、伝熱媒体とし
て作用せず、単なるスプラッシュとして耐火物に付着す
るという問題がある。
【0027】
【発明の実施の形態】〔実施例〕 表1に示す比較例−1は、8トン規模の真空取鍋精錬装
置を用いた結果であり、取鍋全体が真空チャンバー内に
置かれた状態で減圧し、上方より水冷上吹きランスを真
空チャンバー内に挿入し、酸素ガスを上吹きした。溶鋼
としては、処理前の炭素濃度が250〜450ppmの
未脱酸鋼を用いた。
【0028】ここで、時間当たりの溶鋼温度の上昇速度
を測定し、昇熱速度V(℃/分)とした。また、着熱効
率η(%)は、上吹き酸素が全てCO2 となった場合の
総発熱量に対する溶鋼顕熱の増加量として評価した。こ
こで、Qo は操業真空度(Torr)、 o はランス高
さ(mm)、 o 溶鋼トンあたりの操業送酸速度(N
3 /(Hr・ton))、 o /P s は操業時のラン
操業2次圧Po (kgf/cm2 ・G)とランス設計
2次圧Ps (kgf/cm2 ・G)との比である。
【0029】表2に示す比較例−2は、175トンの転
炉出鋼溶鋼を用いて、図3に示した形状の真空精錬炉に
て実施した。図3に示すように、真空槽1は、下部の取
鍋3中の溶鋼2に浸漬される直胴型浸漬管6を有し、該
真空槽1の上部からは上吹き水冷ランス4が挿入され、
該上吹き水冷ランス4は真空槽1の天蓋に設けられたラ
ンス把持装置7により把持されており、適正なランス−
溶鋼表面間距離を維持するために昇降制御される。取鍋
3の鍋底のポーラス煉瓦8からはArガスを直胴型浸漬
管6内に偏心して吹き込み、溶鋼2は直胴型浸漬管6内
の片側壁に沿ってガスとともに上昇し、他方側から降下
して取鍋3と直胴型浸漬管6内を環流する。
【0030】表4に示す実施例−3は、表3に示すラン
スおよび図3に示す装置を用いて実施したuを適正範囲
にした操業例である。ここで、 s は溶鋼トン当たりの
設計送酸速度(Nm3 /(Hr・ton))、nはノズ
ル数、 s ランス設計2次圧(kgf/cm2
G)、 s は設計真空度(Torr)、dt は上吹きラ
ンスのノズルスロート部直径(mm)、de はノズル出
口直径(mm)である。
【0031】表5に示す実施例−4は、表3に示すラン
スおよび図3に示す装置を用いて実施した o を適正範
囲にした操業例である。ここで、 B は基準真空度(T
orr)、 B は基準ランス高さ(mm)、Qo は操業
真空度(Torr)、 o はランス高さ(mm)であ
る。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】
【発明の効果】本発明により、処理初期の高い炭素濃度
域で、脱炭効率が高く地金付着がない酸素の供給が可能
となったため、効率的な極低炭素領域までの脱炭精錬が
可能となるとともに、熱効率の高いAl昇熱が可能とな
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】 o /P s とUの関係の実験結果を示す図であ
り、 s ランス設計2次圧(kgf/cm2 ・G)、
o ランス操業2次圧(kgf/cm2 ・G)、Uは
噴流の中心軸上流速を示す。
【図2】パラメータuと排ガス温度、スプラッシュ発生
状況の関係の実験結果を示す図である。
【図3】本発明の実施形態を示す模式図である。
【符号の説明】
1 真空槽 2 溶鋼 3 取鍋 4 上吹き水冷ランス 5 ガスジェット 6 直胴型浸漬管 7 ランス把持装置 8 ポーラス煉瓦
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21C 7/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空脱ガス装置で、真空度が10〜40
    0Torrの範囲で上方から挿入したガス供給用上吹き
    ランスを用いて溶鋼面より1〜5m上方より、酸素ガス
    を3〜18Nm3 /(Hr・ton)の流量で供給する
    溶鋼の精錬方法であって、操業時のランス操業2次圧P
    o (kgf/cm2 ・G)をランス設計2次圧 s (k
    gf/cm2 ・G)の0.7〜2.5倍の範囲で変更さ
    せるこにより操業中の酸素ガス流量を変化させつつ、下
    記(1)式で計算されるパラメータuが0.5〜2の範
    囲となるようにランス先端から溶鋼面までの距離(ラン
    ス高さ:G o (mm))を制御することを特徴とする溶
    鋼の真空吹酸方法。u=H/G o …… (1) (1)式において、Hはジェットコア長さであり、下記
    (2)式より求められる。 H=f(X)×M s ×(4.2+1.1M s 2 )×d t …… (2) (2)式において、f(X)は下記(3)式より求めら
    れる。 【数1】 (3)式において、Xは下記(4)式より求められる。 X=(P o +Q o /730)/(P s +Q o /730) …… (4) (2)式において、M s は設計吐出マッハ数であり、下
    記(5)式より求められる。 s =2.24×〔{(P s +Q s /730)/(Q s /730)} 2/7 −1〕 1/2 …… (5) ここで、Hはジェットコア長さ(mm)、G o はランス
    高さ(mm)、P o ランス操業2次圧(kgf/cm
    2 ・G)、P s はランス設計2次圧(kgf/cm 2
    G)、Q o は操業真空度(Torr)、Q s は設計真空
    度(Torr)、d t は上吹きランスのノズルスロート
    部直径(mm)である。
  2. 【請求項2】 請求項1において、基準真空度をQ
    B (Torr)、基準ランス高さを B (mm)とした
    場合、操業真空度Qo (Torr)においてランス高さ
    o (mm)を下記(6)式に従って制御することを特
    徴とする溶鋼の真空吹酸方法。 o =α×G B ×(Q B /Q o 1/2 …… (6) ここでαは0.8〜1.2の値をとる。
  3. 【請求項3】 取鍋内溶鋼表面の一部に、真空槽の下部
    に連結した直胴型浸漬管を浸漬する真空脱ガス装置で、
    該真空槽の上方から挿入したガス供給用上吹きランスを
    用いることを特徴とする請求項1または2記載の溶鋼の
    真空吹酸方法。
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