JP3292744B2 - ガスエンジンの空燃比制御方法 - Google Patents

ガスエンジンの空燃比制御方法

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JP3292744B2
JP3292744B2 JP31882891A JP31882891A JP3292744B2 JP 3292744 B2 JP3292744 B2 JP 3292744B2 JP 31882891 A JP31882891 A JP 31882891A JP 31882891 A JP31882891 A JP 31882891A JP 3292744 B2 JP3292744 B2 JP 3292744B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、排気通路に配列されて
排気ガスを浄化する三元触媒と、該三元触媒の上流側に
配設された第1の酸素センサと、前記三元触媒の下流側
に配設された第2の酸素センサと、前記第1及び第2の
酸素センサの出力に応答して、排気ガス中の酸素濃度か
らガスエンジンの空燃比が理論空燃比に対してリッチ状
態にあるかリーン状態にあるかを検出し、その結果に基
づいて前記ガスエンジンの空燃比を制御する空燃比制御
装置、とを含むガスエンジンに関する。より詳細には、
その様なガスエンジンにおける空燃比制御方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図1を参照して、従来のガスエンジンに
おいて為されている空燃比制御の態様について説明す
る。
【0003】図1において、符号Eで示すガスエンジン
の吸気通路1には、燃料通路2からの燃料(例えば都市
ガス13A)及び空気取入口3からの空気を混合するミ
キサ4と、スロットルバルブ5と、吸気圧を検出する圧
力センサ6とが設けられている。また、ミキサ4をバイ
パスして、吸気通路1のスロットルバルブ5の上流側と
燃料通路2とを接続するバイパス通路7が設けられ、該
バイパス通路には、バイパス流量を調節するためのバル
ブすなわち空燃比制御バルブ8が介装されている。
【0004】ここで、ガスエンジンEには、エンジン回
転数を検出するための回転数センサ9が設けられてい
る。
【0005】一方、ガスエンジン4の排気通路10には
三元触媒11が介装され、該触媒11の上流側には第1
の酸素センサ(以下メイン酸素センサという)12が設
けられ、触媒11の下流側には第2の酸素センサ(以下
サブ酸素センサという)13が設けられている。なお、
図示の例では、触媒11の下流側に測温センサ14も設
けられている。
【0006】前記圧力センサ6、回転数センサ9、メイ
ン及びサブ酸素センサ12、13、測温センサ14から
の検出信号は電子制御装置(ECU)15に入力され、
該制御装置15で所定の処理が為された後に制御信号と
して空燃比制御バルブ8へ出力される。
【0007】制御装置15において、圧力センサ6及び
回転数センサ9の出力信号は全ガス消費量演算手段16
に入力されて、そこで演算された全ガス消費量TGはバ
イパスガス量演算手段17へ送出される。バイパスガス
量演算手段17は、バイパス比率テーブル18の中か
ら、エンジンを理論空燃比付近で運転するのに必要なバ
イパス比率BRを割り出す。
【0008】サブ酸素センサ13の出力V2は、触媒劣
化判定手段19及び制御定数演算手段20に入力され
る。そして制御定数演算手段20は、サブ酸素センサ1
3の出力V2に応答して、例えば遅延時間TDL、TD
R(リーン及びリッチ遅延時間)等のメインフィードバ
ック定数を演算して、空燃比補正量演算手段21へ送出
する。ここで、空燃比補正量演算手段21は、制御定数
演算手段20で演算された遅延時間TDL、TDR及び
メイン酸素センサ12からの出力V1に基づいて空燃比
補正量FAFを演算し、該補正量FAFをバイパスガス
量演算手段17へ送出する。
【0009】バイパスガス量演算手段17は、全ガス消
費量演算手段16で演算された全ガス消費量TG、バイ
パス比率テーブル18の中から割り出されたバイパス比
率BR、空燃比補正量演算手段21で演算された空燃比
補正量FAFに基づいて、次式(1)によりバイパスガ
ス量BGを算出する。
【0010】 BG=TG×(BR+FAF)・・・・・(1) ここで、空燃比補正量FAFはゼロを中心に+或いは−
に振動するべき変数である。そのため、空燃比補正量F
AFがオフセット値を有し+或いは−の領域で振動して
いる場合には、ゼロを中心に振動する様に、バイパス比
率演算手段22によりバイパス比率BRを変更し、バイ
パス比率テーブル18を更新する。
【0011】バイパスガス量演算手段17で演算された
バイパスガス量BGは、空燃比調整手段23へ送出され
る。そして空燃比調整手段23は、バイパスガス量BG
の演算結果に基づいて空燃比制御バルブ8の開度を設定
し、該バルブ8の開度を制御するのである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ここで、サブ酸素セン
サ13の出力特性は図10で示す様になっており、空燃
比の制御は振幅の中心値を基準とする所謂「中心制御」
方式が採用されている。そして新品触媒を用いて、スレ
ショールドレベル、すなわちその電位以下になるとNO
xが浄化出来なくなる電位レベル、が実験的に求めら
れ、サブ酸素センサ13の出力振幅の中心値は該スレシ
ョールドレベルよりも十分上方に設定されている。
【0013】しかし、図10から明らかな様に、サブ酸
素センサ13の出力は三元触媒11の劣化に対応して、
その出力の中心V2c或いは制御中心もリッチ側(図1
0では下方)へシフトしてしまう。その結果、符号B
1、B2で示す様に、サブ酸素センサ出力の振幅下限が
スレショールドレベルを越えてしまう場合が存在する。
そして、スレショールドレベルはそれ以下になるとNO
xが浄化出来なくなる電位レベルであるため、サブ酸素
センサ出力の振幅下限がスレショールドレベルを越えて
しまうと、NOxの除去量或いはエミッションが悪化し
てしまう。現段階では、ガスエンジンのNOxの除去量
は99%という非常に高いレベルを目的としており、該
目的達成のためにも、図10の符号B1、B2で示す様
な状態、すなわちサブ酸素センサ出力の振幅下限がスレ
ショールドレベルを越えてしまう状態の存在は阻止され
なければならない。
【0014】本発明は上記した従来技術の問題点に鑑み
て提案されたもので、サブ酸素センサ出力の振幅下限が
スレショールドレベルを越えてしまうことを防止するこ
とが出来る様なガスエンジンの空燃比制御方法の提供を
目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、排気通
路に配列されて排気ガスを浄化する三元触媒と、該三元
触媒の上流側に配設された第1の酸素センサと、前記三
元触媒の下流側に配設された第2の酸素センサと、前記
第1及び第2の酸素センサの出力に応答して、排気ガス
中の酸素濃度からガスエンジンの空燃比が理論空燃比に
対してリッチ状態にあるかリーン状態にあるかを検出
し、その結果に基づいて前記ガスエンジンの空燃比を制
御する空燃比制御装置とを含むガスエンジンの空燃比制
御方法において、新品触媒を用いて実験的に求めた当初
のスレショールドレベル(三元触媒新品時のスレショー
ルドレベル)に三元触媒劣化時の第2の酸素センサ(サ
ブ酸素センサ)出力振幅の1/2の数値を加算する工程
と、該加算された電位レベルを新たなスレショールドレ
ベルに設定する工程と、該新たに設定されたスレショー
ルドレベルを第2の酸素センサ(サブ酸素センサ)出力
の中心値が下回らない様に空燃比制御を行う工程とより
なり、もって第2の酸素センサ(サブ酸素センサ)出力
の振幅下限値が所定のスレショールドレベルを越えない
様に制御するようになっている。
【0016】また本発明によれば、排気通路に配列され
て排気ガスを浄化する三元触媒と、該三元触媒の上流側
に配設された第1の酸素センサと、前記三元触媒の下流
側に配設された第2の酸素センサと、前記第1及び第2
の酸素センサの出力に応答して、排気ガス中の酸素濃度
からガスエンジンの空燃比が理論空燃比に対してリッチ
状態にあるかリーン状態にあるかを検出し、その結果に
基づいて前記ガスエンジンの空燃比を制御する空燃比制
御装置とを含むガスエンジンの空燃比制御方法におい
て、三元触媒新品時のスレショールドレベルを基準とし
て第2の酸素センサ(サブ酸素センサ)出力振幅の下限
値の移動平均値を用いて該平均値がスレショールドレベ
ルを越えない様に、空燃比制御を行う工程を含み、もっ
て第2の酸素センサ(サブ酸素センサ)の出力の振幅下
限値が所定のスレショールドレベルを越えてしまわない
様に制御するようになっている。
【0017】
【0018】
【作用】上記の様な構成を有する本発明によれば、サブ
酸素センサの出力が所定のスレショールドレベルを越え
ない様に制御するので、NOxの除去量或いはエミッシ
ョンが悪化してしまうことがない。
【0019】すなわち、三元触媒新品時のスレショール
ドレベルに三元触媒劣化時のサブ酸素センサ出力振幅の
1/2の数値を加算して得られた電位レベルを新たなス
レショールドレベルに設定し、サブ酸素センサ出力の中
心値が、該新たに設定されたスレショールドレベルを下
回らない様に空燃比制御を行えば、サブ酸素センサ出力
の振幅下限値も当初のスレショールドレベルを下回るこ
とが無い。
【0020】或いはサブ酸素センサ出力の振幅下限値そ
のものを制御の対象とすることにより、該下限値が当初
のスレショールドレベルを下回ってしまうことが防止さ
れるのである。
【0021】これ等の制御の結果、空燃比の制御中心は
劣化触媒の程度に応じてリッチ側にシフトする。そのた
め、エミッションが改善されるのである。
【0022】
【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明の実施例
を説明する。
【0023】先ず、図2、3を参照して、図1で示すガ
スエンジンEの空燃比制御におけるメインフィードバッ
クについて説明する。
【0024】ガスエンジンEの空燃比制御に際して、図
1で説明した様に、空燃比補正量演算手段21において
空燃比補正量FAFが演算される。以下、図2及び図3
を参照して、空燃比制御のためのメインフィードバック
について説明する。
【0025】図2において、(A)の符号V1はメイン
酸素センサ12の出力を示し、符号VR1は第1の比較
電圧(例えば0.45V)を示している。そして、メイ
ン酸素センサ出力V1が比較電圧VR1よりも大きいと
リッチ状態と判定され、小さいとリーン状態と判定され
る。その旨は、図2の(B)で示されている。
【0026】図3は、空燃比補正量演算手段21(図
1)において、メイン酸素センサ12の出力V1に基づ
いて空燃比補正量FAFを演算するメインフィードバッ
クのフローチャートを示している。なお、図示の実施例
においては、図3の制御ルーチンは例えば4ms毎に実
行される。
【0027】先ずステップS1において、メインフィー
ドバックの条件が成立しているか否かを判断する。ここ
でメインフィードバックの条件は、本実施例の場合では
ガスエンジンEが運転中であること、メイン酸素センサ
12が活性状態にあること等である。メインフィードバ
ックの条件が成立していない場合には、すなわちステッ
プS1がNOの場合は、ステップS2において空燃比補
正量FAFを0に設定して、ルーチンを終了する。
【0028】メインフィードバックの条件が成立(ステ
ップS1がYES)していると判断された場合には、ス
テップS2以降のメインフィードバックを実行する。
【0029】先ずステップS2において、メイン酸素セ
ンサ12の出力V1を取り込む。そして、取り込まれた
出力V1が比較電圧VR1よりも小さいか否か、換言す
るとリーン状態であるかリッチ状態であるかが判断され
る(ステップS4)。出力V1が比較電圧VR1よりも
小さければ(リーン状態:ステップS4がYES)、ス
テップS5でフラッグF1が正の値を有するか否かが判
断される。これは、前回の制御ルーチンにおいて空燃比
が反転しなかったのか否かを判断することを意味してい
る。
【0030】フラッグF1が正の値を有する場合(ステ
ップS5がYES)はステップS6には進み、第1のデ
ィレイカウンタCDLY1の値を1だけ減じ、ステップ
S7に進む。一方、フラッグF1が負の値を有する場合
(ステップS5がNO)は、空燃比が反転したものと判
断して、ステップS8、9の処理を行う。すなわち、ス
テップS8において、図2の(D)で示すバルブ開度F
AFの変化速度を規定する定数KR1がリバースフラッ
グRF1となる。そして、ステップS9において、第1
のディレイカウンタCDLY1の値を、後述する第1の
リーン遅延時間TDL1に設定する。その後、ステップ
S7に進むのである。
【0031】ステップS7では、図2の(D)で示す空
燃比補正量FAFの変化速度を規定するもう一つの定数
KL1が、フラッグF1として設定される。そして、ス
テップS10に進み、第1のディレイカウンタCDLY
1の値がゼロとなったか否か、すなわち遅延時間が経過
したか否かが判断される。
【0032】ステップS4がNOの場合、すなわち出力
V1が比較電圧VR1よりも大きくリッチ状態である場
合には、ステップS11に進みフラッグF1が負の値を
有するか否か、すなわち前回の制御ルーチンにおいて空
燃比が反転しなかったのか否かが判断される。フラッグ
F1が負の値を有する場合には(ステップS11がYE
S)、ステップS12に進み第1のディレイカウンタC
DLY1の値を1だけ減ずる。そしてステップS13に
進む。
【0033】一方、フラッグF1が正の値を有する場合
(ステップS11がNO)は、前回の制御ルーチンで空
燃比が反転したものと判断して、ステップS14、15
の処理を行う。すなわち、ステップS14において、図
2の(D)で示す空燃比補正量FAFの変化速度を規定
する定数KL1がリバースフラッグRF1となる。そし
て、ステップS15において、第1のディレイカウンタ
CDLY1の値を、後述する第1のリッチ遅延時間TD
R1に設定する。その後、ステップS13に進むのであ
る。
【0034】ステップS13では、図2の(D)で示す
空燃比補正量FAFの変化速度を規定する定数KR1
が、フラッグF1として設定される。そして、ステップ
S10に進み、第1のディレイカウンタCDLY1の値
がゼロとなったか否かが判断される。
【0035】ステップS10において、遅延時間が丁度
経過しCDLY1の値がゼロとなれば(ステップS10
がYES)、空燃比補正量FAFを図2の(D)で示す
様にスキップさせる。そのため、ステップS16におい
て、空燃比補正量FAFが、直前の数値にスキップ量
(F1×RS1)を加えた値となる様に設定し、この制
御ルーチンを終了する。
【0036】ステップS10でCDLY1の値がゼロで
は無い場合は、ステップS17へ進みCDLY1の値が
正か負かを判断し、以て遅延時間(ディレイ)が完了し
ているか否かを判断する。CDLY1の値が正でディレ
イ完了前の場合(ステップS17がYES)には、空燃
比補正量FAFを、(リバースフラッグRF1)×{図
2の(D)で示す傾きk1}なる量を直前の空燃比補正
量FAFの数値に加えた値に設定して(ステップS1
8)、この制御ルーチンを終了する。一方、ステップS
17がNO(CDLY1の値が負でディレイが完了)の
場合にはステップS19へ進み、{(フラッグF1)×
(図2(D)で示す傾きk1)}なる量を直前のFAF
の数値に加えた値に設定して、制御ルーチンを終了す
る。
【0037】以上説明したメインフィードバック処理に
より、空燃比補正量FAFが好適に設定される。これに
より、三元触媒11において、エミッションが最も効果
的となる空燃比が得られるのである。
【0038】メインフィードバックにおける第1リッチ
或いはリーン遅延時間は、サブ酸素センサ13(図1)
の出力V2に基づいて、図4〜9を参照しつつ以下に説
明するサブフィードバックにより設定される。なお、上
記のメインフィードバックは例えば4ms毎に制御ルー
チンが実行されるが、サブフィードバックはメインフィ
ードバックの制御ルーチン毎に実行する必要は無く、例
えば1s毎に起動或いは実行される。
【0039】本発明の第1実施例に係るサブフィードバ
ックのフローを図4に示す。図4において、先ずサブフ
ィードバックのための条件が成立しているか否かが判断
される(ステップS31)。サブフィードバックのため
の条件としては、メインフィードバック条件が成立して
いること(図3のステップS1がYESであること)、
サブ酸素センサ13(図1)が活性状態であること、と
いう条件を全て充足していること、等が挙げられる。
【0040】ステップS31がNOの場合、すなわちサ
ブフィードバックのための条件が成立していない、或い
はサブフィードバックを実行しない場合は、制御ルーチ
ンを終了する。一方、サブフィードバックのための条件
が成立している(ステップS31がYES)場合にはス
テップS32へ進み、図5(A)で示されているサブ酸
素センサ出力V2を取り込む。
【0041】ステップS33において、振幅を持つ出力
V2の平均値の軌跡である移動平均がV2として設定さ
れる。この出力V2の移動平均は図6では1点鎖線V2
cにて表現されている。換言すると、ステップS33に
おいて、サブ酸素センサ出力V2としては、その中心値
が取り込まれることになる。
【0042】図6で示す様に、本発明の第1実施例で
は、新品触媒を用いて実験的に求めた当初のスレショー
ルドレベル(当初のスレショールドレベル)VR2に、
サブ酸素センサの出力V2の振幅Aの1/2(図6中、
符号eで示す)を加えた電位レベルNVR2(図6中、
2点鎖線で示すレベル)を新たなスレショールドレベル
に設定する。そして、サブ酸素センサ出力の移動平均V
2cが、該新たなスレショールドレベルNVR2を越え
ない様に制御する。そのため、ステップS33におい
て、移動平均V2cがV2として設定されるのである。
【0043】ステップS33で新たに設定された出力V
2は、ステップS34において第2の比較電圧(スレシ
ョールドレベル)VR2と比較される。換言すると、サ
ブ酸素センサ13の出力V2をスレショールドレベルV
R2と比較することにより、サブ酸素センサ13で検出
される空燃比がリーン状態にあるのかリッチ状態にある
のかが判断される。
【0044】ここで、前述した様に、本発明の第1実施
例においては、新たなスレショールドレベルNVR2を
設定する必要があり、そのための制御ルーチンが図7に
示されている。
【0045】図7において、先ずステップS101でフ
ィードバック条件(ガスエンジンが始動しているか否か
等)が成立しているか否かの判断を行う。フィードバッ
ク条件が成立していれば(ステップS101がYE
S)、サブ酸素センサ出力V2を取り込む(ステップS
102)。そしてステップS103において、出力V2
の振動周波数Hと、当初のスレショールドレベルVR2
近傍に振幅下限が存在する出力における振幅Aとを検出
する。
【0046】ここで、振動周波数Hが2Hzより大きい
場合、該周波数Hはノイズだと考えられる。また、振幅
Aが100mV以下である場合には、三元触媒の劣化は
進行しておらず、スレショールドレベルを新たに設定す
る必要はないと考えられる。従って、ステップS104
において振動周波数Hが2Hz以下であり、且つ振幅A
が100mVより大きいか否かを判定し、以て、検出さ
れた出力V2がノイズでは無く、三元触媒はスレショー
ルドレベルを新たに設定する必要がある程度に劣化して
いる旨を判定するのである。
【0047】振動周波数Hが2Hz以下であり、且つ振
幅Aが100mVより大きい場合には(ステップS10
4がNO)、ステップS105においてサブ酸素センサ
が劣化していないか否かを判定する。この判定方法とし
ては、例えば、空燃比制御バルブ8(図1)の開度を増
加してから減少し、増加した際にサブ酸素センサ出力V
2が上限側のスレショールドレベルを上回り、且つ減少
した際に出力V2が上限側のスレショールドレベルを下
回る場合には、サブ酸素センサが正常であると判断する
という内容の劣化判定方法を実行することが考えられ
る。
【0048】サブ酸素センサが劣化していない場合(ス
テップS105がYES)には、スレショールドレベル
VR2に振幅Aの1/2を加算したものを新たにスレシ
ョールドレベルVR2(図6のスレショールドレベルN
VR2に対応)に設定する(ステップS106)。そし
て、新たに設定されたスレショールドレベルVR2が
0.75V以上であるか否かの判定が為され(ステップ
S107)、0.75Vより小さければその数値がスレ
ショールドレベルVR2となり、0.75V以上であれ
ばスレショールドレベルVR2を0.75Vに設定す
る。
【0049】この様にして、図4のステップS34を実
行するのに必要なスレショールドレベルVR2が決定さ
れるのである。
【0050】図4に戻って、ステップS34において、
サブ酸素センサ出力V2がスレショールドレベルVR2
よりも小さい場合、すなわちサブ酸素センサ13で検出
される空燃比がリーン状態にある場合には、ステップS
35において第2のフラッグF2がゼロより大きいか否
かが判断される。これは、直前のルーチンで空燃比が反
転したか否かを判断するものであり、反転していない場
合にはステップS35はYESとなる。その場合はステ
ップS36へ進み、第2のディレイカウンタCDLY2
の値を1だけ減じて、ステップS37へ進む。
【0051】ステップS35においてNOの場合、すな
わち直前のルーチンで空燃比が反転している場合には、
ステップS38において、図5の(D)で示す遅延補正
値DLTDの変化速度を規定する定数KR2を、第2の
リバースフラッグRF2に設定する。そして、第2のリ
ーン遅延時間TDL2を、第2のディレイカウンタCD
LY2の値に設定し(ステップS39)、ステップS3
7へ進む。
【0052】ステップS37においては、図5の(D)
で示す遅延補正値DLTDの変化速度を規定するもう一
つの定数KR2を、第2のフラッグF2として設定す
る。そして、ステップS40へ進む。
【0053】サブ酸素センサ出力V2がスレショールド
レベルVR2よりも大きく、サブ酸素センサ13で検出
される空燃比がリッチ状態にあって、ステップS34が
NOとなる場合には、ステップS35と同様にステップ
S41においてフラッグF2がゼロより小さいか否かが
判断される。第2のフラッグF2が負であり、直前のル
ーチンで空燃比が反転していないと推定される場合(ス
テップS41がYES)には第2のディレイカウンタC
DLY2の値を1だけ減じて(ステップS42)、ステ
ップS43へ進む。
【0054】ステップS41においてNOの場合、すな
わち直前のルーチンで空燃比が反転している場合には、
ステップS44において定数KR2を第2のリバースフ
ラッグRF2に設定する。そして、第2のリッチ遅延時
間TDR2を、第2のディレイカウンタCDLY2の値
に設定し(ステップS45)、ステップS43へ進むの
である。
【0055】ステップS43においては、第2のフラッ
グF2として定数KR2を設定し、そしてステップS4
0へ進む。
【0056】ステップS40においては、第2のディレ
イカウンタCDLY2がゼロであるか否かを判断する。
遅延時間が丁度経過して、CDLY2の値がゼロとなっ
た場合(ステップS10がYES)、遅延補正値DLT
Dを図5の(D)で示す様にスキップさせる。すなわ
ち、ステップS46において、遅延補正値DLTDが、
直前の数値にスキップ量(F2×RS2)を加えた値と
なる様に設定する。そして、ステップS47へ進む。
【0057】ステップS40でCDLY2の値がゼロで
は無い場合は、ステップS48へ進みCDLY2の値が
正か負かを判断し、以て第2の遅延時間(ディレイ)が
完了しているか否かを判断する。CDLY2が正であ
り、ディレイが完了していない(ステップS48がYE
S)場合には、遅延補正値DLTDは、{(図5(D)
で示すDLTDの傾斜k2)×(リバースフラッグRF
2)}なる数値を、直前の遅延補正値DLTDに加えた
値に設定される(ステップS49)。一方、CDLY2
が負であり、ディレイが完了している(ステップS48
がNO)場合、{(傾斜k2)×(フラッグF2)}な
る数値を直前の遅延補正値DLTDに加えた値が、新た
な遅延補正値DLTDとして設定される(ステップS5
0)。そして、ステップS49或いはステップS50が
実行された後にステップS47に進む。
【0058】ステップS47を実行する際には、既に遅
延補正値DLTDは設定されている(ステップS46、
S49、S50参照)。ステップS47においては該遅
延補正値DLTDが正か負かを判断する。そして、遅延
補正値DLTDが正であれば(ステップS47がYE
S)、第1のリッチ遅延時間TDR1は定数aに該遅延
補正値DLTDを加えた数値となり、第1のリーン遅延
時間TDL1はそのまま定数bに設定される(ステップ
S51)。一方、遅延補正値DLTDが負であれば(ス
テップS47がNO)、ステップS52で示す様に、第
1のリッチ遅延時間TDR1はそのまま定数aが設定さ
れ、第1のリーン遅延時間TDL1は定数bから該遅延
補正値DLTDを減算した数値に設定される。
【0059】この様に、第1のリッチ遅延時間TDR1
及び第1のリーン遅延時間TDL1が設定された段階
で、サブフィードバックの制御ルーチンが完了する。
【0060】図4〜7で説明した本発明の第1実施例に
係るサブフィードバックは、三元触媒が劣化した場合に
スレショールドレベルを振幅/2だけ大きくして、サブ
酸素センサ出力の中心値が新たに設定されたスレショー
ルドレベルを下回らない様に制御するものである。これ
に対して、図8、9で説明する本発明の第1実施例に係
るサブフィードバックは、スレショールドレベルを新た
に設定することはせず、サブ酸素センサの出力の振幅下
限値を用いて制御するものである。
【0061】図8において、符号V2LCで示されいるの
はサブ酸素センサ出力V2の振幅下限値移動平均値であ
る。そして、振幅下限値移動平均値V2LCを制御の対象
として、スレショールドレベルVR2を下回らない様に
制御することによって、サブ酸素センサ出力V2がスレ
ショールドレベルVR2を下回ることが防止され、エミ
ッションの悪化も防止されるのである。
【0062】本発明の第2実施例に係るサブフィードバ
ックのフローチャートが図9で示されている。図9にお
いて、図4のサブフィードバックと同様に、先ずサブフ
ィードバックのための条件が成立しているか否かが判断
される(ステップS61)。そして、サブフィードバッ
クのための条件が成立している(ステップS61がYE
S)場合には、ステップ62へ進み、サブ酸素センサ出
力V2を取り込む。
【0063】次にステップS63において、振幅を持つ
出力V2における振幅下限値のみが選択され、それ以降
の制御ルーチンを実行する。そしてステップS64では
該振幅下限値の移動平均、すなわち図8の符号V2LC
示されるものがV2として設定される。換言すれば、サ
ブ酸素センサ出力の振幅下限値の移動平均(図8中、V
LC)が制御の対象として設定されるのである。そし
て、ステップS65において、サブ酸素センサ出力の振
幅下限値の移動平均がスレショールドレベルVR2と比
較されるのである。
【0064】以下の制御ルーチンは、第1実施例におけ
る制御ルーチンと同一であるため、対応する符号を付け
て、重複説明は省略する。
【0065】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば三元
触媒が劣化した後も劣化の程度に応じ、ややリッチ側に
よった空燃比に制御されるので、NOx除去量或いは有
害物質のエミッションが悪化することは無い。換言すれ
ば、劣化触媒においても優れたエミッションが得られる
のである。
【0066】その結果、煩雑な触媒の交換作業の周期を
長期化することが出来、ランニングコストの低下が実現
される。また、劣化触媒においても優れたエミッション
が得られることから、ガスエンジンのエミッションの目
標値到達に大いに寄与するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するガスエンジンの全体構成を示
す図。
【図2】図1のガスエンジンのメインフィードバックに
おける、メイン酸素センサの出力と、リッチ/リーン判
定と、遅延処理と、バルブ開度との時間的関係を示す特
性図。
【図3】メインフィードバックのフローチャートを示す
図。
【図4】本発明の第1実施例に係るサブフィードバック
のフローチャートを示す図。
【図5】サブフィードバックにおける、メイン酸素セン
サの出力と、リッチ/リーン判定と、遅延処理と、バル
ブ開度との時間的関係を示す特性図。
【図6】本発明の第1実施例に係るサブフィードバック
における、サブ酸素センサの出力特性とスレショールド
レベルとの関係を示した特性図。
【図7】本発明の第1実施例に係るサブフィードバック
において、スレショールドレベルを設定するルーチンの
フローチャートを示す図。
【図8】本発明の第2実施例に係るサブフィードバック
のフローチャートを示す図。
【図9】本発明の第2実施例に係るサブフィードバック
における、サブ酸素センサの出力特性とスレショールド
レベルとの関係を示した特性図。
【図10】従来技術におけるサブ酸素センサの出力特性
とスレショールドレベルとの関係を示した特性図。
【符号の説明】
1・・・吸気通路 2・・・燃料通路 3・・・空気取入口 4・・・ミキサ 5・・・スロットルバルブ 6・・・圧力センサ 7・・・バイパス通路 8・・・空燃比制御バルブ 9・・・回転数センサ 10・・・排気通路 11・・・三元触媒 12・・・メイン酸素センサ 13・・・サブ酸素センサ 14・・・測温センサ 15・・・制御装置 16・・・全ガス消費量演算手段 17・・・バイパスガス量演算手段 18・・・バイパス比率テーブル 19・・・触媒劣化判定手段 20・・・制御定数判定手段 21・・・空燃比補正量演算手段 22・・・バイパスガス量演算手段 23・・・空燃比調整手段 V1・・・メイン酸素センサ出力 V2・・・サブ酸素センサ出力 TDL、TDR・・・遅延時間 FAF・・・空燃比補正量 KR1、KL1・・・空燃比制御バルブ開度の変化速度
を規定する定数 DLTD・・・遅延補正値 KR2、KL2・・・遅延補正値の変化速度を規定する
もう一つの定数 VR2、NVR2・・・スレショールドレベル A・・・サブ酸素センサ出力の振幅 V2LC・・・サブ酸素センサ出力の振幅下限値の移動平
均 V2c・・・サブ酸素センサ出力の振幅中心値

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気通路に配列されて排気ガスを浄化す
    る三元触媒と、該三元触媒の上流側に配設された第1の
    酸素センサと、前記三元触媒の下流側に配設された第2
    の酸素センサと、前記第1及び第2の酸素センサの出力
    に応答して、排気ガス中の酸素濃度からガスエンジンの
    空燃比が理論空燃比に対してリッチ状態にあるかリーン
    状態にあるかを検出し、その結果に基づいて前記ガスエ
    ンジンの空燃比を制御する空燃比制御装置とを含むガス
    エンジンの空燃比制御方法において、新品触媒を用いて
    実験的に求めた当初のスレショールドレベルに三元触媒
    劣化時の第2の酸素センサ出力振幅の1/2の数値を加
    算する工程と、該加算された電位レベルを新たなスレシ
    ョールドレベルに設定する工程と、該新たに設定された
    スレショールドレベルを第2の酸素センサ出力の中心値
    が下回らない様に空燃比制御を行う工程とよりなり、も
    って第2の酸素センサの出力の振幅下限値が所定のスレ
    ショールドレベルを越えない様に制御することを特徴と
    するガスエンジンの空燃比制御方法。
  2. 【請求項2】 排気通路に配列されて排気ガスを浄化す
    る三元触媒と、該三元触媒の上流側に配設された第1の
    酸素センサと、前記三元触媒の下流側に配設された第2
    の酸素センサと、前記第1及び第2の酸素センサの出力
    に応答して、排気ガス中の酸素濃度からガスエンジンの
    空燃比が理論空燃比に対してリッチ状態にあるかリーン
    状態にあるかを検出し、その結果に基づいて前記ガスエ
    ンジンの空燃比を制御する空燃比制御装置とを含むガス
    エンジンの空燃比制御方法において、三元触媒新品時の
    スレショールドレベルを基準として第2の酸素センサ出
    力振幅の下限値の移動平均値を用いて該平均値がスレシ
    ョールドレベルを越えない様に、空燃比制御を行う工程
    を含み、もって第2の酸素センサの出力の振幅下限値が
    所定のスレショールドレベルを越えてしまわない様に制
    御することを特徴とするガスエンジンの空燃比制御方
    法。
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