JP3291219B2 - 圧延方法、圧延機、および圧延設備 - Google Patents

圧延方法、圧延機、および圧延設備

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JP3291219B2
JP3291219B2 JP08693797A JP8693797A JP3291219B2 JP 3291219 B2 JP3291219 B2 JP 3291219B2 JP 08693797 A JP08693797 A JP 08693797A JP 8693797 A JP8693797 A JP 8693797A JP 3291219 B2 JP3291219 B2 JP 3291219B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、上下一対の作業ロ
ールとそれらの作業ロールをそれぞれ支持する少なくと
も一対のロールとを備えた圧延機および圧延方法に係わ
り、特に作業ロールに圧延材の一部が付着しその作業ロ
ール表面にコーティングが形成されるような圧延を行う
圧延方法、圧延機、および、圧延設備に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえばアルミニウム材などを熱間圧延
する場合には、圧延により圧延材の一部(磨耗粉)が作
業ロール表面にコーティングされる。これは、圧延の進
行とともに作業ロールと圧延材表面との摩擦に起因して
圧延材がむしられ、磨耗粉が容易に発生し、その摩耗粉
が圧延材や作業ロール表面に付着するためである。作業
ロール表面への付着量が過大になるとそのコーティング
の一部が脱落して圧延材表面に付着したり、または作業
ロール表面が不均一な状態となってその不均一な形状が
圧延材表面にプリントされ表面欠陥を発生させたり、さ
らに圧延材の表面光沢を著しく悪化させるなどの悪影響
を与える。
【0003】このような圧延を行うにあたって、従来で
は、圧延材の表面光沢などの表面品質を制御および調整
するために、主としてロールクーラント油を適当なもの
に選定したり、或いは、少なくとも作業ロール側に設置
したブラシ装置(ブラシロール)によって研削を行って
いた。
【0004】一方、最近の熱間圧延においては、板幅方
向の板厚分布である板クラウンや板長手方向の形状を大
きく変更したり制御する圧延機が求められており、アル
ミニウム材などの熱間圧延時にこのような板クラウン制
御を行うためには、作業ロールベンダ付圧延機、6段圧
延機、作業ロールシフト式(カーブ付ロールを備えたも
のを含む)圧延機、さらに補強ロールの表面プロフィル
を変更および制御するVCロールやテーパピストンロー
ルを使用した圧延機などが使用される。これらの板クラ
ウン制御を行うことを狙いとした圧延機でも、圧延材の
表面品質の制御および調整は、前述のブラシロールを用
いたコーティング量の調整によることが基本であった。
【0005】また、作業ロールに圧延材の一部が付着し
コーティングが施されるような圧延には該当しないが、
圧延材の表面光沢の調整に関する従来技術として、特開
平5−253601号公報や特開平5−123704号
公報に記載のように、作業ロールの軸心を圧延材を含む
面に平行な面内で上下互いに反対方向に交差させ、その
時生じる摩擦力を利用して、例えばステンレス等の圧延
材の表面光沢を向上させようとするものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ブラシロールは、研削
によって作業ロール表面のコーティング量を均一で適正
な厚みにしようとするものであるが、圧延材の表面光沢
の調整能力は十分とは言えず、しかも均一化能力には限
界があった。つまり、ブラシロールの磨耗や消耗によっ
てコーティング量は変化するし、メンテナンスも大変で
あり、一定のコーティング量を長く維持することは困難
であった。
【0007】また、板クラウン制御を行うことを狙いと
した作業ロールベンダ付圧延機、6段圧延機、作業ロー
ルシフト式圧延機、VCロール、テーパピストンロール
等の圧延機では、ブラシロールを用いて圧延材の表面品
質の制御および調整を行うことが基本であったために、
別の手段による表面品質の調整、特に表面光沢の調整は
行われていなかった。即ち、板クラウンを大きく制御す
ることと、圧延材の表面品質、特に表面光沢を調整する
こととは両立していなかった。
【0008】また、特開平5−253601号公報や特
開平5−123704号公報に記載の従来技術では、ス
テンレス等の圧延材の表面光沢向上には有利であるが、
圧延によって圧延材の一部が作業ロール表面に必然的に
コーティングされるようなアルミニウム材などの圧延に
適用した場合には、作業ロール表面へのコーティング量
が圧延の進行に伴って過度に進行し、ロール表面からの
コーティングの一部の脱落や、ロール表面の不均一な形
状の圧延材への転写が一層よく起こるようになり、かえ
って圧延材の表面光沢の悪化につながる。
【0009】本発明の第1の目的は、作業ロールに圧延
材の一部が付着してコーティングが形成されるような圧
延を行うに際し、例えば表面光沢等の圧延材の表面品質
を均一に制御できる圧延方法、圧延機、および圧延設備
を提供することである。
【0010】本発明の第2の目的は、作業ロールに圧延
材の一部が付着してコーティングが形成されるような圧
延を行うに際し、表面光沢などの表面品質を均一に制御
でき、同時に板クラウンや板長手方向の形状を制御する
ことも可能な圧延方法、圧延機、および圧延設備を提供
することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本発明によれば、上下一対の作業ロールとそれ
らの作業ロールをそれぞれ支持する少なくとも一対のロ
ールとを用い、前記作業ロールに圧延材の一部が付着し
てコーティングが形成される圧延を行う圧延方法におい
て、前記作業ロールの表面に付着する過度のコーティン
グを除去するように上記作業ロールの軸心とその作業ロ
ールを支持するロールの軸心とを前記圧延材を含む面に
平行な面内で交差可能に配設し、前記コーティングの厚
さが所望量となるように圧延条件および圧延材の種類に
応じて前記作業ロールの軸心とその作業ロールを支持す
る前記ロールの軸心との交差角を設定し、作業ロール表
面への前記圧延材のコーティング量を制御することを特
徴とする圧延方法が提供される。
【0012】前述したように、アルミニウム材などを熱
間圧延する場合には、圧延の進行とともに作業ロールと
圧延材表面との摩擦に起因して圧延材がむしられ、発生
した磨耗粉が圧延材や作業ロール表面に付着する。これ
により、作業ロール表面に圧延材の一部がコーティング
される。この現象は、例えば上下一対の作業ロールの軸
心が圧延パス方向に直角に配設されていても、或いは圧
延材を含む面に平行な面内で互いに反対方向に交差して
いたとしても(即ち上下一対の作業ロールの軸心が平行
であっても)起こり得る。そして、このまま圧延を続行
すると作業ロール表面のコーティングが生長して過度に
厚くなり、そのコーティングの一部が脱落して圧延材表
面に付着したり、または不均一な状態となった作業ロー
ル表面形状が圧延材表面にプリントされ表面欠陥を発生
させたり、圧延材の表面光沢を著しく悪化させるなどの
悪影響を与える。
【0013】これに対し本発明では、作業ロールの軸心
とその作業ロールを支持するロールの軸心とを圧延材を
含む面に平行な面内で交差可能に配設するため、作業ロ
ールとそれを支持するロールとの間で摩擦が起こりせん
断変形やスベリが発生する。これによって作業ロールの
表面に付着していた過度のコーティングが常時除去され
ることになる。また、圧延条件および圧延材の種類に応
じて作業ロールの軸心とその作業ロールを支持するロー
ルの軸心との交差角を設定することにより、その交差角
に応じた一定のコーティングの厚さを常に保ったり、そ
のコーティング量を制御することができるようになる。
従って、圧延材の表面品質、特に表面光沢を均一に制御
することが可能となる。
【0014】ここで上記ロ−ルの交差角を、0度を含む
0度近傍の小さな値に設定すれば、従来と同等でしかも
均一な表面品質を有する圧延材の確保が可能であること
が本発明者らの検証により明らかとなっている。
【0015】上記においては、一対の作業ロールの軸心
を圧延材を含む面に平行な面内で上下互いに反対方向に
交差可能に配設し、かつ作業ロールを支持する一対のロ
ールの軸心を圧延パス方向に直角に配設して圧延を行う
か、一対の作業ロールの軸心を圧延パス方向に直角に配
設し、かつ作業ロールを支持する一対のロールの軸心を
圧延材を含む面に平行な面内で上下互いに反対方向に交
差可能に配設して圧延することが好ましい。
【0016】上下一対の作業ロールの軸心を圧延材を含
む面に平行な面内で上下互いに反対方向に交差させて圧
延を行うと、圧延材表面と作業ロールとの間にせん断変
形やスベリが発生するようになり、作業ロール表面に付
着するコーティング量は多くなる。さらに、上記の交差
角が大きくなるほどそのコーティングの生長速度は速く
その量は大となる。ところがここでは、作業ロールを支
持するロールの軸心を圧延パス方向に直角にしているた
め、上下作業ロールの交差角を大きくするということ
は、必然的に作業ロールの軸心とそれを支持するロール
の軸心との交差角を大きくすることであり、そのためコ
ーティングの除去の程度も大きくなる。従って、作業ロ
ール表面のコーティング量の制御により、表面光沢等の
圧延材の表面品質を均一に制御することが可能となる。
【0017】上記に対し、一対の作業ロールの軸心を圧
延パス方向に直角に配設し、作業ロールを支持する一対
のロールの軸心を圧延材を含む面に平行な面内で上下互
いに反対方向に交差可能に配設する場合も、程度の違い
はあるが、同様に作業ロール表面に圧延材の一部がコー
ティングされることには変りなく、作業ロールを支持す
る一対のロールの交差角に応じて作業ロールと軸心を交
差させた一対のロールとの間で発生するせん断変形やス
ベリが発生し、それを利用して作業ロール表面のコーテ
ィング量を制御でき、表面光沢等の圧延材の表面品質を
均一に制御することが可能となる。
【0018】作業ロールの軸心を交差させた圧延機は、
上下作業ロール隙間の変更能力即ち板クラウン制御能力
や板長手方向の形状制御能力を有しており、その能力が
大きいために、おもに鉄鋼材の熱間圧延に適用して板ク
ラウン制御や板長手方向の形状制御に利用される場合が
ある。例えば圧延荷重が大きい場合には、一般的に板ク
ラウンは凸型になる傾向があるため、作業ロールの交差
角を大きく設定して上下の作業ロール間のロール隙間を
凹型にするのが望ましいとされている。このような作業
ロールを交差させた圧延機を、作業ロールに圧延材の一
部がコーティングされるような圧延材の圧延に適用する
場合、作業ロールの交差角を大きくすると、圧延材と作
業ロール間のスベリは大となり作業ロールに付着するコ
ーティングの生長速度は大きくなる傾向にある。ところ
が、作業ロールとそれを支持する側のロールとの間のス
ベリも増大し、結果的に作業ロールのコーティング量の
生長が抑制されることになり、コーティング量を均一状
態に調整維持できる。従って、言い換えれば、作業ロー
ルの交差角を最適に調整することにより、圧延材の表面
光沢等の表面品質を良好に制御維持すると同時に、それ
との調和を図りながら大幅な板クラウン制御や板長手方
向の形状制御も行うことができる。逆に、圧延荷重が小
さい場合には、一般的に上記と逆の傾向となるが、同様
の議論からやはり作業ロールのコーティング量を均一状
態に制御維持できる。以上のことから、本発明の第1お
よび第2の目的を達成することができる。
【0019】さらに、一対の上下作業ロールの軸心が圧
延パス方向に直角に配設され作業ロールが上下で平行に
なっている場合でも、本発明のように作業ロールを支持
する一対のロールの軸心が交差していれば、程度は低い
が板クラウン制御能力や板長手方向の形状制御能力をも
たせることができる。従って、上記と同様に作業ロール
の交差角を最適に調整することで、圧延材の表面光沢等
の表面品質を良好に制御維持すると同時に、それとの調
和を図りながら板クラウン制御や板長手方向の形状制御
も行うことができる。
【0020】ところで、作業ロールとそれを支持するロ
ールの間の潤滑を、従来のように単に水のみで行うと、
両ロール間に生じる大きな摩擦力によってロール軸方向
に大きなスラスト力が発生したり、ミル振動などの原因
となるが、両ロール間に適切な潤滑油を供給し上記の摩
擦力を低減することによってスラスト力を低下させミル
振動を解消することが可能である。このことは特開平5
ー50110号に記載されている。一方、アルミニウム
材の熱間圧延に使用されているロール冷却用のクーラン
ト油は、後述するように特開平5ー50110号で利用
されているロール間の潤滑油と同等の摩擦係数値であ
る。従って、作業ロールとそれを支持するロールの間の
潤滑油をロール冷却用のクーラント油と同等のものとし
て差し支えない。
【0021】このようなことから本発明では、一対の作
業ロールとその作業ロールを支持する一対のロールとの
間に、作業ロール冷却用のクーラント油をロール冷却お
よびロール間潤滑を兼用する油として供給するか、また
はロール間潤滑油としてロールクーラント油と混合して
も差し支えない油を供給することが好ましい。このよう
に作業ロールとそれを支持するロールとの間の潤滑油を
作業ロール冷却用のクーラント油を使用するか、或いは
ロール間潤滑油としてロールクーラント油を混合しても
問題のない油を使用することにより、良好なロール冷却
とロール間潤滑を達成でき、使用後の廃液処理などが容
易になり、その処理量も低減することが可能となる。ま
た、上記のような条件の範囲内であれば、必要に応じて
他の潤滑油または添加剤を加えてもよい。
【0022】なお、ここでは交差するロ−ルとして作業
ロ−ルとそれを支持するロ−ルとを対象とし、そららの
間への潤滑油供給について説明したが、他の交差するロ
−ルがあった場合にもそれら間に潤滑油を供給するのが
基本である。
【0023】また、作業ロール表面のコーティングをブ
ラシ装置を用いて研削し、作業ロールの軸心とその作業
ロールを支持するロールの軸心との交差角変更、および
上記ブラシ装置による研削を併用して圧延材表面の品質
を制御することが好ましい。このように、作業ロールと
それを支持するロールとの摩擦による作業ロール表面の
コーティング量の制御に加え、ブラシ装置で研削するこ
とによって、作業ロール表面のコーティング量のより微
細な調整が可能となり、より微細な圧延材の表面品質の
調整が可能となる。
【0024】さらに、本発明によれば、作業ロールに圧
延材のコーティングが形成される圧延を、複数スタンド
の圧延機で構成されるタンデム圧延設備で行う圧延方法
において、少なくとも最終スタンドの圧延を上記述べた
ような圧延方法により行うことを特徴とする圧延方法が
提供される。
【0025】さらに、本発明によれば、作業ロールに圧
延材のコーティングが形成される圧延を、リバース圧延
設備を用いて行う圧延方法において、少なくとも最終パ
スの圧延を上記述べたような圧延方法により行うことを
特徴とする圧延方法が提供される。
【0026】また、作業ロ−ルまたは作業ロールを支持
するロールの交差角を、0度を含む0度近傍の小さな値
に設定すれば従来と同等の圧延材表面品質の確保が可能
であることを前述したが、上記のようなタンデム圧延設
備の場合には少なくとも最終スタンドにおいて、またリ
バース圧延設備の場合には最終パスにおいて、それぞれ
作業ロ−ルの交差角を0度を含む0度近傍の小さな値に
設定したり、或いは作業ロ−ルを支持する一対のロ−ル
の交差角を0度を含む0度近傍の小さな値に設定するこ
とにより、従来と同等の圧延材の表面品質の確保が可能
となる。この結果、従来と同等の表面品質を有する圧延
材を確保したいというニ−ズに応えることもできる。
【0027】さらにロールの交差角を、0度を含む0度
近傍の小さな値に設定すると、板クラウン制御や板長手
方向の形状制御の能力が低下する可能性があるが、この
圧延材の板クラウン及び板長手方向の形状制御を、作業
ロ−ルの交差角の制御、または作業ロールを支持するロ
ールの交差角の制御以外の他の手段を主たる制御手段と
して行うことによれば、板クラウン制御や板長手方向の
形状制御の能力を維持できる。
【0028】また本発明によれば、上記第1の目的を達
成するために、上下一対の作業ロールとそれらの作業ロ
ールをそれぞれ支持する少なくとも一対のロールとを備
え、前記作業ロールに圧延材の一部が付着してコーティ
ングが形成される圧延を行う圧延機において、前記作業
ロールの表面に付着する過度のコーティングを除去する
ように前記作業ロールの軸心とその作業ロールを支持す
る前記ロールの軸心とを圧延材を含む面に平行な面内で
交差可能に配設し、前記コーティングの厚さが所望量と
なるように圧延条件および前記圧延材の種類に関する情
報を入力する入力手段と、前記入力情報に応じて前記作
業ロールの軸心とその作業ロールを支持する前記ロール
の軸心との交差角を設定する交差角設定手段とを設けた
ことを特徴とする圧延機が提供される。
【0029】上記のような圧延機において好ましくは、
一対の作業ロールの軸心が圧延材を含む面に平行な面内
で上下互いに反対方向に交差可能に配設され、かつ作業
ロールを支持する一対のロールの軸心が圧延パス方向に
直角に配設される。
【0030】上記に対し、一対の作業ロールの軸心を圧
延パス方向に直角に配設し、かつ作業ロールを支持する
一対のロールの軸心を圧延材を含む面に平行な面内で上
下互いに反対方向に交差可能に配設してもよい。
【0031】また、本発明においては、作業ロールを支
持する一対のロールを補強ロールとし、上記一対の作業
ロールと上記一対の補強ロールとで4段圧延機を構成し
たり、作業ロールを支持する一対のロールを中間ロール
とすると共にその一対の中間ロールをさらに一対の補強
ロールによって支持し、上記一対の作業ロールと上記一
対の中間ロールと上記一対の補強ロールとで6段圧延機
を構成してもよい。
【0032】また、上記において好ましくは、一対の作
業ロールと作業ロールを支持する前記一対のロールとの
間に、作業ロール冷却用のクーラント油をロール冷却お
よびロール間潤滑を兼用する油として供給する油供給手
段、またはロール間潤滑油としてロールクーラント油と
混合しても差し支えない油を供給する油供給手段を設け
る。
【0033】また、本発明の作業ロールにおいて好まし
くは、その作業ロール表面のコーティング量を調整する
ブラシ装置をさらに具備する。
【0034】また、本発明によれば、タンデム圧延を行
う複数スタンドの圧延機を備え、その圧延機の作業ロー
ルに圧延材のコーティングが形成される圧延を行う圧延
設備において、少なくとも最終スタンドの圧延機を上記
述べたような圧延機としたことを特徴とする圧延設備が
提供される。
【0035】さらに、本発明によれば、リバース圧延を
行う圧延機を備え、その圧延機の作業ロールに圧延材の
コーティングが形成される圧延を行う圧延設備におい
て、少なくとも最終パスの圧延を行う圧延機を上記述べ
たような機能を有する構造の圧延機としたことを特徴と
する圧延設備が提供される。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施形態につい
て、図1から図7により説明する。図1は本実施形態の
圧延機を示す図であり、圧延材を含む面に平行な面内で
作業ロールの軸線を上下互いに反対方向に交差させた圧
延機(作業ロール単独クロス圧延機)の構成を示す。図
1(a)において、作業ロール単独クロス圧延機は上下
一対の作業ロール1a,1bとこの作業ロール1a,1
bを支持する上下一対の補強ロール2a,2bとを備え
ている。作業ロール1a,1bの各々の端部には作業ロ
ールチョック7a,7bが設けられ、作業ロール1a,
1bを回転可能に支持している。同様に、補強ロール2
a,2bの端部には補強ロールチョック8a,8bが設
けられ、補強ロール2a,2bを回転可能に支持してい
る。これら作業ロールチョック7a,7b及び補強ロー
ルチョック8a,8bは、圧延機のロール軸方向に離間
して垂直方向に配置されている一対のスタンド9のウィ
ンドウ面10に面してそれぞれ配設されており、このス
タンド9に上部または下部に設けられた圧下手段(図示
せず)から圧延荷重を各ロールに負荷することにより圧
延材4を圧延する。
【0037】作業ロールチョック7a,7bの両側面に
面したスタンド9のプロジェクトブロック11には油圧
ジャッキ12a,12bがそれぞれ設けられており、こ
の油圧ジャッキ12a,12bによって上下の作業ロー
ル1a,1bの軸心が圧延材を含む面に平行な面内(以
下、これを水平面内とする)において上下互いに反対方
向に交差し、かつ作業ロール1a,1bの軸心が補強ロ
ール2a,2bのロール軸心に対して傾斜することを可
能としている。また、補強ロール2a,2bは、その軸
心が圧延パス方向に直角になるように取り付けられてい
る。
【0038】図2は作業ロール1a,1bの交差角を設
定する機構を示す図であって、油圧ジャッキ12a,1
2bを駆動させるための油圧システムを示す図である。
但し、図2では油圧ジャッキ12a、即ち上側のロール
に関してのみ表してある。入力部16aには圧延材4の
種類、所望の板クラウン、圧延材4の形状や表面光沢な
どの圧延条件が入力される。この入力部16aへの圧延
条件の入力は、例えばオペレータが行う。そして、上記
圧延条件を基に作業ロールクロス角制御器16において
作業ロール1a,1bの交差角(クロス角)が演算さ
れ、その演算結果に基づく信号が切り替え弁13に指令
が送られる。一方(図中左側)の油圧ジャッキ12aに
は切り替え弁13を介して圧油が供給される。油圧ジャ
ッキ12aの油圧ラム18aの移動量は、その油圧ラム
18aに取り付けたロッド14の変位を変位センサ15
で検知することにより検出され、その検出信号は作業ロ
ールクロス角制御器16にフィードバックされる。そし
て作業ロールクロス角制御器16では作業ロール1a,
1bの交差角が設定した所定の角度になるように切り替
え弁13を調整する。これによって作業ロール1a,1
bの交差角が圧延条件に応じた所定の角度に設定され
る。また他方(図中右側)の油圧ジャッキ12aには減
圧弁17を介して圧油が供給され、必要な押しつけ力で
作業ロールチョック7aを押圧している。なお、上記に
おいて、油圧ジャッキ12a、切り替え弁13、ロッド
14、変位センサ15、作業ロールクロス角制御器1
6、減圧弁17、および油圧ラム18aは交差角設定手
段を構成する。
【0039】また、図1(a)及び図2に示すように、
ロールの軸心方向に沿って供給ヘッダー3a,3bが配
設されており、作業ロール1a,1bと補強ロール2
a,2bとの間には作業ロール冷却用のクーラント油或
いは同系統の油が、ロール冷却及び潤滑を兼用する油と
して供給される。この潤滑油には作業ロール冷却用のク
ーラント油と同一の油を用いてもよいが、必要に応じて
他の添加剤を加えたり、または作業ロール冷却用のクー
ラント油と混合しても差し支えのない程度の潤滑油を用
いてもよい。また、供給ヘッダー3a,3bの配置位置
は図示の位置に限る必要はなく、結果として作業ロール
1a,1bと補強ロール2a,2bの間に供給可能な位
置であればよく、しかも図ではロール入側及び出側の両
方に設けているが、ロール出側のみに設けてもよい。
【0040】さらに、図1(a)に示すように、作業ロ
ール1a,1bにはベンダー6a,6bが取り付けら
れ、作業ロール1a,1bにベンディング力を付与する
ようにしている。このベンダー6a,6bは油圧ジャッ
キ12a,12bを挟むようにしてプロジェクトブロッ
ク11に内蔵されており、ベンダー6a,6bからの力
は作業ロールチョック7a,7bより突出したヒレ部7
A,7Bに作用し、上下作業ロール1a,1b間のギャ
ップを凸型または凹型に形成する。また、図1(b)に
示すように、少なくとも作業ロール1a,1bにはブラ
シロール5が設置されており、必要に応じこのブラシロ
ール5により作業ロール1a,1b表面を研削する。
【0041】次に、以上のように構成した本実施形態の
作用を説明する。上下一対の作業ロール1a,1bの軸
心を圧延材4を含む面に平行な面内で互いに反対方向に
交差させて圧延を行うと圧延材4の表面と作業ロール1
a,1bとの間にはせん断変形及びスベリが発生する。
図3はその様子を説明する図である。交差する上下の作
業ロール1a,1b同士を接触させた場合には、図3
(a)のようにロール間の接触幅の存在によって本来の
ロール周速VRと実質のロール周速VSとの間にズレが生
じ、その差がロール間のスベリとなる。但し、図3
(a)に示したベクトルは図中左側のロール接触点にお
ける作業ロール1b側の速度ベクトルであり、その点で
のロール周速VRと圧延材4の進行方向とのなす角をθ
としている。このような状態で圧延を行うと、図3
(b)に示すように圧延材4と作業ロール1a,1bと
の間にすべりが生じる。また、このすべりに起因してそ
の方向にせん断応力が生じることになり、このスベリや
せん断によって圧延材4からは磨耗粉が生じて、作業ロ
ール1a,1b表面にコーティングされる。なお、作業
ロール1a,1bが交差していなくても磨耗粉は生じる
が、交差している方が上記の理由から多く発生する。
【0042】このように、作業ロール1a,1bへのコ
ーティングが圧延材4と作業ロール1a,1bとの間の
摩擦による磨耗粉がロール表面に付着することで生長す
ることを考えると、上下の作業ロール1a,1bの交差
角を大きくすればするほどそのコーティングの生長速度
は速くその量は大となる。
【0043】ところが、補強ロール2a,2bの軸心を
圧延パス方向に直角にしているため、作業ロール1a,
1bの軸心と補強ロール2a,2bの軸心とは圧延材4
を含む面に平行な面内で交差し、その交差角によって値
は異なるが圧延材4と作業ロール1a,1bとの間に発
生したのと同様のせん断変形及びスベリが発生する。こ
れによって作業ロール1a,1bの表面に付着し光沢な
どの表面品質を悪化させる原因となる過度のコーティン
グを常時除去することができる。
【0044】このことから、前述のように上下作業ロー
ル1a,1bの交差角を大きくするということは、必然
的に作業ロール1a,1bの軸心と補強ロール2a,2
bの軸心との交差角を大きくすることになり、そのため
コーティングの除去の程度も大きくなり、表面光沢等の
圧延材4の表面品質を均一に制御することが可能とな
る。また、例えば作業ロール1a,1bの交差角を適当
に調整することによって、それに応じた一定のコーティ
ングの厚さを常に保ったり、そのコーティング量を制御
することができるようになり、表面光沢等の圧延材4の
表面品質を良好な一定の状態に制御できる。
【0045】ここで,従来と同等の表面光沢を確保した
いというニ−ズに対しては、ロールの交差角を、0度を
含む0度近傍の小さな値に設定することにより応えるこ
とができる。
【0046】さらに、本実施形態では、ブラシロール5
により作業ロール1a,1b表面を研削することによっ
て、上記に加えてより微細な圧延材の表面品質の調整が
可能となる。
【0047】次に、作業ロール1a,1bと補強ロール
2a,2bとの間に供給される潤滑油に関して説明す
る。作業ロール1a,1bと補強ロール2a,2bとが
交差する場合に、両ロール間に特開平5ー50110号
に記載のような適切な潤滑油を供給することにより、摩
擦力を低減すればスラスト力を低下させミル振動を解消
することが可能なことは先に述べた。そこで、本発明者
らがアルミニウム材等の熱間圧延に通常使用されている
ロール冷却用のクーラント油を別途調査したところ、こ
のクーラント油が上記特開平5ー50110号に記載さ
れているロール間の潤滑油と同等の摩擦係数値を有する
ことが判明した。図4は、このことを示す図である。但
し、図4では、横軸にロールの交差角をとり、縦軸には
摩擦に起因したスラスト係数をとってある。従って、ア
ルミニウム材等の熱間圧延を行う際に、作業ロール1
a,1bと補強ロール2a,2bの間の潤滑油として、
作業ロール1a,1bの冷却用のクーラント油と同等の
ものとして差し支えない。これにより、作業ロール1
a,1bと補強ロール2a,2bとの間の潤滑つまりス
ラスト力の低下、および作業ロール1a,1bの冷却の
両方を同種の油で行うことができ、使用後の廃液処理時
にも異種の油が混じり合うという嫌みを回避することが
でき、さらに廃液の処理が容易になりその処理量も低減
することが可能となる。
【0048】一例を挙げると、作業ロール1a,1bと
補強ロール2a,2bの潤滑剤が水である場合には、摩
擦係数が0.3以上であるために、2000トンの圧延
荷重を与えた場合のスラスト力は600トンと非常に大
きな値となり、実用化が困難である。これに対し、アル
ミニウム材などの熱間圧延時に作業ロール冷却用のクー
ラント油の摩擦係数は図4より0.06程度であるの
で、2000トンの圧延荷重を与えた場合のスラスト力
は120トン程度となり、約1/5程度に抑制できる。
【0049】次に、本実施形態によって板クラウン制御
や板長手方向の形状制御も同時に行えることについて説
明する。作業ロールの軸心を交差させた圧延機は、おも
に鉄鋼材の熱間圧延の場合に、板クラウン制御能力や板
長手方向の形状制御能力を大きく発揮できることは先に
述べた。図5はこのことを示す図であって、作業ロール
と補強ロールを共に交差させた方式(ペアクロス方式)
や、作業ロールを平行としかつ補強ロールを交差させた
方式(バックアップロールクロス方式)に比べて、作業
ロールのみを交差させた方式(ワークロールクロス方
式)が大きな板クラウン制御能力を有することを表して
いる。但し、計算条件は図に示す通りである。
【0050】本実施形態において圧延荷重が大きい場合
に、作業ロール間のロール隙間が凹型になるように作業
ロール1a,1bの交差角を大きくすると、圧延材4と
作業ロール1a,1bとの間のスベリは大となり作業ロ
ール1a,1bに付着するコーティングの生長速度は大
きくなる。ところが、作業ロール1a,1bとそれを支
持する補強ロール2a,2bとの間のスベリも増大し、
結果的に作業ロール1a,1bのコーティング量の生長
が抑制されることになり、コーティング量を均一状態に
調整維持できる。つまり、作業ロール1a,1bの交差
角を最適に調整することにより、圧延材4の表面光沢等
の表面品質を良好に制御維持すると同時に、それとの調
和を図りながら板クラウン制御や板長手方向の形状制御
も大幅に行うことができる。
【0051】また、圧延荷重が小さい場合には、一般的
に上記と逆の傾向、即ち圧延材4と作業ロール1a,1
bとの間のスベリは小となり作業ロール1a,1bに付
着するコーティングの生長速度は小さくなる。ところ
が、作業ロール1a,1bと補強ロール2a,2bとの
間のスベリも減少するため、作業ロール1a,1bのコ
ーティング量が圧延荷重が大きいときに比較して生長し
やすくなり、やはり作業ロールのコーティング量を均一
状態に制御維持できる。
【0052】ここで、作業ロールに圧延材の一部がコー
ティングされるような従来の圧延機について説明する。
図6はアルミニウム材等に使用される従来の熱間圧延機
の一例を示す図である。この圧延機は、上下一対の作業
ロール51a,51bと、それを支持する補強ロール5
2a,52bとからなり、作業ロール51a,51bの
冷却はロールクーラント供給ヘッダー53a,53bか
ら噴射して供給される。また、圧延材54の磨耗粉が作
業ロール51a,51bに付着しコーティングされる厚
さは圧延の経過とともに生長する。作業ロール51a,
51bへのコーティングが過大となると、圧延材54の
表面品質、特に光沢に悪影響を及ぼす。これを抑制し、
コーティング量(厚み)を一定および均一にするために
少なくとも作業ロール51a,51bには図6(b)に
示すようにブラシロール55a,55bが取りつけられ
ている。一方、作業ロール51a,51bにはベンディ
ング力を付与するためのベンダ56a,56bが設置さ
れており、これによって板クラウン制御や板長手方向の
形状制御を行っている。なお、図6ではベンダ56a,
56bを矢印で簡略化して示しているが、実際には図1
と同様の構成をもつ。
【0053】このような従来の圧延機では、作業ロール
51a,51bへのコーティング量の一定化および均一
化が十分ではなく、板クラウン制御のためにもベンダ5
6a,56bだけでは不十分ということで、前述のよう
な種々のタイプの圧延機、例えば6段圧延機、作業ロー
ルシフト式圧延機、VCロール、テーパピストンロール
などが提案され実用化されている。
【0054】また6段圧延機の場合の板クラウン制御手
段としては、作業ロ−ルベンディングや中間ロ−ル軸方
向移動、必要によっては中間ロ−ルベンディングなどが
あり、さらに作業ロ−ルシフト圧延機では、作業ロ−ル
ベンディングや作業ロ−ルシフトがある。また、VCロ
−ルやテ−パピストンロ−ルでは、油圧あるいはテ−パ
ピストンによる補強ロ−ルのロ−ル形状の変更、及び作
業ロ−ルのベンディング手段によっている。
【0055】しかし、いずれにしても圧延材54の表面
光沢などの調整は依然としてブラシロール55aが主体
である。
【0056】また板クラウン制御に重きをおいた圧延機
として、図7に示すように、上下一対の作業ロール61
a,61bとそれを支持する補強ロール62a,62b
を備えた4段圧延機で、上の作業ロール61a及び補強
ロール62aと下の作業ロール61b及び補強ロール6
2bをペアとして軸心を互いに反対方向に交差するよう
に配設した圧延機(ペアクロス圧延機)が鉄鋼材の圧延
の分野で実用化されている。このような圧延機によって
本発明が対象とするような圧延、即ち作業ロールに圧延
材の一部が付着しコーティングされるような圧延を行う
と、上下作業ロール61a,61bの軸心は交差してい
るので圧延材64との間での摩擦が大きくなって磨耗粉
の発生が多くなり、作業ロール61a,61bへのコー
ティング量が増大することは勿論のこと、作業ロール6
1a,61bと補強ロール62a,62bの間の交差角
は0°であるのでこの間での摩擦は小さくこの間でのコ
ーティング量の生長防止は期待出来ない。つまり、この
場合は、不均一なコーティングの形状が圧延材64に転
写されて圧延材64の表面光沢は悪化する。
【0057】上記のような図6や図7の圧延機に対し、
本実施形態では、作業ロール1a,1bの軸心と補強ロ
ール2a,2bの軸心とを圧延材4を含む面に平行な面
内で交差するように配設するため、作業ロール1a,1
bと補強ロール2a,2bとの間で発生するせん断変形
やスベリによって作業ロール1a,1b表面の過度のコ
ーティングが常時除去され、上下作業ロール1a,1b
の軸心の交差角、従って、作業ロール1a,1bの軸心
と補強ロール2a,2bの軸心の交差角を適当に調整す
ることによって、それに応じた一定のコーティングの厚
さを常に保ったり、そのコーティング量を制御すること
ができるようになる。
【0058】以上のような本実施形態によれば、圧延材
4を含む面に平行な面内で作業ロール1a,1bの軸心
を交差させ、圧延材4の種類、所望の板クラウン、圧延
材4の形状や表面光沢などの圧延条件に応じてその交差
角を設定するので、一定のコーティングの厚さを常に保
ったり、そのコーティング量を制御することができ、圧
延材4の表面品質、特に表面光沢を良好な一定の状態に
維持することができる。
【0059】また、作業ロール1a,1bと補強ロール
2a,2bの間のロール冷却及び潤滑を兼用する油とし
て、作業ロール1a,1bの冷却用のクーラント油と同
等のものを使用するので、作業ロール1a,1bと補強
ロール2a,2bとの間の潤滑つまりスラスト力の低
下、および作業ロール1a,1bの冷却の両方を同種の
油で容易に行うことができ、使用後の廃液の処理も容易
になりその処理量も低減することができる。
【0060】さらに、作業ロール1a,1bの交差角を
最適に調整するので、圧延材4の表面光沢等の表面品質
を良好に制御維持すると同時に、それとの調和を図りな
がら大幅に板クラウン制御や板長手方向の形状制御を行
うことができる。
【0061】さらに、ブラシロール5で作業ロール1
a,1b表面を研削するので、より微細な圧延材の表面
品質の調整が可能となる。
【0062】なお、圧延後の圧延材4の表面品質に応じ
て、作業ロール1a,1bの軸心の交差角を変更(再設
定)してもよい。
【0063】次に、本発明の第2および第3の実施形態
について、図8〜図11を参照しながら説明する。図8
および図9は、多スタンドの圧延機で一方向に圧延を行
うタンデム圧延設備の仕上圧延機に図1のような圧延機
を配置した例を示し、図10および図11は、1スタン
ドの圧延機に往復して通過させ圧延を行うリバース圧延
設備に図1のような圧延機を適用した例を示す。
【0064】まず、タンデム圧延設備について図8によ
り説明する。図8に示すように、粗圧延機101で粗圧
延された板厚が約15〜30mmのバー材は、仕上げタ
ンデム圧延機列102で仕上圧延される。そして、例え
ばアルミニウム材を熱間でタンデム圧延を行う場合、仕
上げタンデム圧延機列102の前方スタンドでは主とし
て板クラウンを制御するため、第1スタンドの圧延機1
02aや第2スタンドの圧延機102bでは作業ロール
の交差角を大きめに設定し、後方スタンドでは主として
板長手方向の形状を制御するために第3スタンドの圧延
機102cや第4スタンドの圧延機102dでは前方ス
タンドの作業ロールの交差角よりは小さくするのが望ま
しい。また、仕上げタンデム圧延機列102の少なくと
も最終スタンド即ち第4スタンドの圧延機102dの作
業ロールの交差角は表面光沢などの所望の圧延材の表面
品質が確保できるように、かつ良好な板形状も確保でき
るように設定するのがよい。
【0065】また、従来と同等の表面品質を有する圧延
製品を得たいというニ−ズに対しては、図9(図8の変
形例)に示すように、少なくとも最終スタンドの圧延機
102dの作業ロ−ルの交差角を、0度を含む小さな値
に設定することによって実現可能である。あるいは、少
なくとも最終スタンドの圧延機102dとして、これま
でに述べたようなロ−ルの交差角の設定可能な機能が付
属していない圧延機を適用してもよい。
【0066】図15は、作業ロ−ルの交差角を例えば0
度することによって従来と同等の表面品質の圧延製品が
得られることについて検証した結果を説明する図であ
り、横軸に圧延パス数を、縦軸に板表面光沢度(相対
値)を示す。図15に示すように、ロールの交差角を1
度に設定して数パス圧延した後に、ロールの公差角を0
度に戻して圧延すると、圧延材の板表面光沢度(相対
値)は、最初の圧延パスから交差角を0度にして圧延し
た場合の光沢度と一致する。このようにロールの交差角
を0度近傍に設定すると、板クラウン制御や板長手方向
の形状制御の能力が低下する可能性があるが、この圧延
材の板クラウン及び板長手方向の形状制御を、ロ−ル交
差角の制御以外の他の手段、例えば作業ロ−ルベンディ
ングなどを主たる制御手段として行えば、板クラウン制
御や板長手方向の形状制御の能力を維持できる。
【0067】次に、リバース圧延設備について図10に
より説明する。図10に示すように、粗圧延機111で
粗圧延された板厚が約15〜30mmのバー材は、図1
のような構成の可逆式圧延機112で圧延される。この
場合、可逆式圧延機112に往復して圧延材を通過させ
て圧延が行われるが、初期のパスから少なくとも最終パ
スの一回前のパスまでは作業ロールの交差角を大きめに
設定しておいて主として板クラウン制御を行い、最終パ
スに近づくにつれて次第に作業ロールの交差角を小さく
して行き、主として板長手方向の形状の制御を行う。そ
して、少なくとも最終パスにおいては表面光沢などの所
望の圧延材の表面品質が確保できるように作業ロールの
交差角を設定し、かつ良好な板形状も共に確保できるよ
うに設定するのがよい。
【0068】また、従来と同等の表面品質を有する圧延
製品を得たいというニ−ズに対しては、図11(図10
の変形例)に示すように、少なくとも最終パスにおける
作業ロ−ルの交差角を、0度を含む小さな値に設定する
ことによって実現可能である。このようにした場合の圧
延材の板表面光沢度(相対値)が、最初の圧延パスから
交差角を0度にして圧延した場合の光沢度と一致するこ
とは、図15の検証結果からタンデム圧延設備の場合と
同様に説明される。さらにこの場合も、圧延材の板クラ
ウン及び板長手方向の形状制御を、ロ−ル交差角の制御
以外の他の手段、例えば作業ロ−ルベンディングなどを
主たる制御手段として行えば、板クラウン制御や板長手
方向の形状制御の能力を維持できる。
【0069】以上のような本実施形態によれば、タンデ
ム圧延設備やリバース圧延設備において、板クラウンや
板長手方向の形状の適切な制御と共に表面光沢などの所
望の圧延材の表面品質を確保することもできる。但し、
本発明の圧延設備は図8〜図11のような構成に限定さ
れるものではない。また、粗圧延によって板クラウンの
小さなバー材を供給したい場合に、粗圧延機に図1のよ
うな圧延機を適用してもよい。さらに粗圧延機および仕
上げ圧延機の両方に図1のような圧延機に適用してもよ
い。
【0070】次に、本発明の第4、第5、および第6の
実施形態について説明する。図12に示す圧延機は、上
下一対の作業ロール21a,21b、その作業ロール2
1a,21bを支持する中間ロール22a,22b、さ
らにその中間ロール22a,22bを支持する補強ロー
ル23a,23bとからなる6段圧延機であり、作業ロ
ール21a,21bのみの軸心を交差させたものであ
る。また図13に示す圧延機は、上下一対の作業ロール
31a,31b、その作業ロール31a,31bを支持
する中間ロール32a,32b、さらにその中間ロール
32a,32bを支持する補強ロール33a,33bと
からなる6段圧延機であり、中間ロール32a,32b
のみの軸心を交差させたものである。図12や図13の
6段圧延機の場合には、作業ロール21a,21bまた
は作業ロール31a,31bにロ−ルベンディング付与
手段を取り付けたり、中間ロール22a,22bまたは
中間ロール32a,32bを必要に応じて軸方向に移動
可能として、板クラウンや形状の制御能力をさらに拡大
させてもよく、柔軟性のある制御ができる。
【0071】さらに図14に示す圧延機は、上下一対の
作業ロール41a,41b、およびその作業ロール41
a,41bを支持する補強ロール42a,42bとから
なる4段圧延機であり、図1のように作業ロールの軸心
を交差させるのとは異なり、補強ロール42a,42b
のみの軸心を交差させたものである。なお、この場合
も、第1の実施形態より劣るものの、板クラウン制御能
力や板長手方向の形状制御能力を有する。
【0072】以上のように、図12から図14に示した
各々の実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果
が得られる。
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、作業ロールの表面に付
着する過度のコーティングを除去するように作業ロール
の軸心とその作業ロールを支持するロールの軸心とを圧
延材を含む面に平行な面内で交差するように配設し、そ
の交差角をコーティングの厚さが所望量となるように
延条件および圧延材の種類に応じて設定するので、作業
ロールの表面に付着した過度のコーティングが除去さ
れ、一定のコーティングの厚さを常に保つことができ圧
延材の表面品質、特に表面光沢を所望の良好な状態に制
御することができる。その結果、表面光沢などの圧延材
の表面品質の良好な圧延製品を製造することができる。
【0074】また、作業ロールとの間のロール冷却及び
潤滑を兼用する油として、作業ロールの冷却用のクーラ
ント油と同等のものを使用するので、スラスト力の低下
および作業ロールの冷却の両方を同種の油で容易に行う
ことができ、使用後の廃液の処理も容易になりその処理
量も低減することができる。
【0075】また、作業ロールまたは作業ロールを支持
するロールの交差角を最適に調整するので、圧延材の表
面光沢等の表面品質を良好に制御維持すると同時に、そ
れとの調和を図りながら大幅に板クラウン制御や板長手
方向の形状制御を行うことができる。
【0076】さらに、ブラシロールで作業ロール表面を
研削するので、より微細な圧延材の表面品質の調整が可
能となる。
【0077】しかも本発明は4段,6段圧延機を適用し
ても同様の効果が得られ、複数スタンドの圧延機を設置
したタンデム圧延設備やリバース圧延設備において、板
クラウンや板形状の適切な制御と共に表面光沢などの所
望の圧延材の表面品質を確保することもできる。
【0078】また、タンデム圧延設備の場合には少なく
とも最終スタンドにおいて、またリバース圧延設備の場
合には最終パスにおいて、それぞれ作業ロ−ルの交差角
を0度を含む0度近傍の小さな値に設定したり、或いは
作業ロ−ルを支持する一対のロ−ルの交差角を0度を含
む0度近傍の小さな値に設定することのよって、従来と
同等の表面品質を有する圧延材を確保したいというニ−
ズに応えることもできる。さらに、圧延材の板クラウン
及び板長手方向の形状制御を、作業ロ−ルの交差角の制
御、または作業ロールを支持するロールの交差角の制御
以外の他の手段を主たる制御手段として行うので、板ク
ラウン制御や板長手方向の形状制御の能力を維持でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す図であって、
(a)は圧延材を含む面に平行な面内で作業ロールの軸
線を上下互いに反対方向に交差させた圧延機(作業ロー
ル単独クロス圧延機)の構成を示す図、(b)は(a)
における作業ロールに設置されるブラシロールを示す図
である。
【図2】図1の作業ロール1a,1bの交差角を設定す
る機構を示す図であって、油圧ジャッキ12a,12b
を駆動させるための油圧システムを示す図である。
【図3】上下の作業ロールの軸心を圧延材を含む面に平
行な面内で交差させて圧延を行う場合に、せん断変形及
びスベリが発生する様子を説明する図であり、(a)は
ロール間のスベリを、(b)は作業ロールと圧延材との
間に発生するスベリを表す。
【図4】アルミニウム材等の熱間圧延に通常使用されて
いるロール冷却用のクーラント油と、特開平5ー501
10号に記載されているロール間の潤滑油の摩擦を比較
するための図である。
【図5】作業ロールと補強ロールを共に交差させた方式
(ペアクロス方式)、作業ロールを平行としかつ補強ロ
ールを交差させた方式(バックアップロールクロス方
式)、および作業ロールのみを交差させた方式(ワーク
ロールクロス方式)の各々による板クラウン制御能力を
比較する図である。
【図6】(a)はアルミニウム材等に使用される従来の
熱間圧延機の一例を示す図であり、(b)は(a)にお
ける作業ロールに設置されるブラシロールを示す図であ
る。
【図7】上の作業ロール及び補強ロールと下の作業ロー
ル及び補強ロールをペアとして軸心を互いに反対方向に
交差するように配設した4段圧延機(ペアクロス圧延
機)を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態を示す図であって、多
スタンドの圧延機で一方向に圧延を行うタンデム圧延設
備の仕上圧延機に図1のような圧延機を配置した例を示
す図である。
【図9】図8の変形例を示す図であって、従来と同等の
表面光沢を確保する目的で,最終スタンドの交差角を0
度に設定した場合を示す図である。
【図10】本発明の第3の実施形態を示す図であって、
1スタンドの圧延機に往復して通過させ圧延を行うリバ
ース圧延設備に図1のような圧延機を適用した例を示す
図である。
【図11】図10の変形例を示す図であって、従来と同
等の表面光沢を確保する目的で,最終パスの交差角を0
度に設定した場合を示す図である。
【図12】本発明の第4の実施形態を示す図であって、
作業ロールのみの軸心を交差させた6段圧延機を示す図
である。
【図13】本発明の第5の実施形態を示す図であって、
中間ロールのみの軸心を交差させた6段圧延機を示す図
である。
【図14】本発明の第6の実施形態を示す図であって、
補強ロールのみの軸心を交差させた4段圧延機を示す図
である。
【図15】作業ロ−ルの交差角を例えば0度することに
より、従来と同等の表面品質の圧延製品が得られること
について検証した結果を説明する図である。
【符号の説明】
1a,1b 作業ロール 2a,2b 補強ロール 3a,3b 供給ヘッダー 4 圧延材 5 ブラシロール 6a,6b ベンダー 7a,7b 作業ロールチョック 8a,8b 補強ロールチョック 9 スタンド 10 ウィンドウ面 11 プロジェクトブロック 12a,12b 油圧ジャッキ 13 切り替え弁 14 ロッド 15 センサー 16 作業ロールクロス角制御器 16a 入力部 17 減圧弁 18a,18b 油圧ラム 21a,21b 作業ロール 22a,22b 中間ロール 23a,23b 補強ロール 31a,31b 作業ロール 32a,32b 中間ロール 33a,33b 補強ロール 41a,41b 作業ロール 42a,42b 補強ロール 101 粗圧延機 102 仕上げタンデム圧延機列 102a,102b,102c,102d (仕上げ)圧
延機 111 粗圧延機 112 可逆式圧延機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B21B 28/04 B21B 28/04 A 37/28 37/00 116Z 117Z (72)発明者 成田 健次郎 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株式会社 日立製作所 電力・電機開発 本部内 (72)発明者 平間 幸夫 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株式会社 日立製作所 電力・電機開発 本部内 (72)発明者 高倉 芳生 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (72)発明者 堀井 健治 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (72)発明者 近藤 繁俊 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (72)発明者 鈴木 和好 愛知県稲沢市小池1丁目11番1号 日本 軽金属株式会社 名古屋工場内 (72)発明者 古田 佐 愛知県稲沢市小池1丁目11番1号 日本 軽金属株式会社 名古屋工場内 (56)参考文献 特開 平5−237512(JP,A) 特開 平6−15320(JP,A) 特開 平10−29010(JP,A) 特許3233586(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 1/22 B21B 1/34 B21B 3/00 B21B 13/14 B21B 27/10 B21B 28/04 B21B 37/28

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上下一対の作業ロールと前記作業ロールを
    それぞれ支持する少なくとも一対のロールとを用い、前
    記作業ロールに圧延材の一部が付着してコーティングが
    形成される圧延を行う圧延方法において、前記作業ロールの表面に付着する過度のコーティングを
    除去するように 前記作業ロールの軸心と前記作業ロール
    を支持する前記ロールの軸心とを前記圧延材を含む面に
    平行な面内で交差可能に配設し、前記コーティングの厚
    さが所望量となるように圧延条件および前記圧延材の種
    類に応じて前記作業ロールの軸心と前記作業ロールを支
    持する前記ロールの軸心との交差角を設定し、前記作業
    ロール表面への前記圧延材のコーティング量を制御する
    ことを特徴とする圧延方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の圧延方法において、前記一
    対の作業ロールの軸心を前記圧延材を含む面に平行な面
    内で上下互いに反対方向に交差可能に配設し、かつ前記
    作業ロールを支持する前記一対のロールの軸心を圧延パ
    ス方向に直角に配設して圧延を行うことを特徴とする圧
    延方法。
  3. 【請求項3】請求項2記載の圧延方法において、前記作
    業ロール表面へのコーティング量の制御と同時に、前記
    作業ロールの軸心の交差角の制御によって前記圧延材の
    板クラウン制御および板長手方向の形状制御を行うこと
    を特徴とする圧延方法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の圧延方法において、前記一
    対の作業ロールの軸心を圧延パス方向に直角に配設し、
    かつ前記作業ロールを支持する前記一対のロールの軸心
    を前記圧延材を含む面に平行な面内で上下互いに反対方
    向に交差可能に配設して圧延することを特徴とする圧延
    方法。
  5. 【請求項5】請求項4記載の圧延方法において、前記作
    業ロール表面へのコーティング量の制御と同時に、前記
    作業ロールを支持する前記一対のロールの軸心の交差角
    の制御によって前記圧延材の板クラウン制御および板長
    手方向の形状制御を行うことを特徴とする圧延方法。
  6. 【請求項6】請求項1から5のうちいずれか1項記載の
    圧延方法において、前記一対の作業ロールと前記作業ロ
    ールを支持する前記一対のロールとの間に、前記作業ロ
    ール冷却用のクーラント油をロール冷却およびロール間
    潤滑を兼用する油として供給するか、またはロール間潤
    滑油としてロールクーラント油と混合しても差し支えな
    い油を供給することを特徴とする圧延方法。
  7. 【請求項7】請求項1から6のうちいずれか1項記載の
    圧延方法において、前記作業ロール表面のコーティング
    をブラシ装置を用いて研削し、前記作業ロールの軸心と
    前記作業ロールを支持する前記ロールの軸心との交差角
    変更、および前記ブラシ装置による研削を併用して前記
    圧延材表面の品質を制御することを特徴とする圧延方
    法。
  8. 【請求項8】作業ロールに圧延材のコーティングが形成
    される圧延を、複数スタンドの圧延機で構成されるタン
    デム圧延設備で行う圧延方法において、少なくとも最終
    スタンドの圧延に請求項2記載の圧延方法を適用し、か
    つ前記作業ロ−ルの交差角を、0度を含む0度近傍の値
    に設定して圧延することを特徴とする圧延方法。
  9. 【請求項9】請求項8記載の圧延方法において、少なく
    とも最終スタンドの圧延における前記圧延材の板クラウ
    ン及び板長手方向の形状制御を、前記作業ロ−ルの交差
    角の制御以外の他の手段を主たる制御手段として行うこ
    とを特徴とする圧延方法。
  10. 【請求項10】作業ロールに圧延材のコーティングが形
    成される圧延を、複数スタンドの圧延機で構成されるタ
    ンデム圧延設備で行う圧延方法において、少なくとも最
    終スタンドの圧延に請求項4記載の圧延方法を適用し、
    かつ前記作業ロ−ルを支持する前記一対のロールの交差
    角を、0度を含む0度近傍の値に設定して圧延すること
    を特徴とする圧延方法。
  11. 【請求項11】請求項10記載の圧延方法において、前
    記圧延材の板クラウン及び板長手方向の形状制御を、前
    記作業ロ−ルを支持する前記ロールの交差角の制御以外
    の他の手段を主たる制御手段として行うことを特徴とす
    る圧延方法。
  12. 【請求項12】作業ロールに圧延材のコーティングが形
    成される圧延を、リバース圧延設備を用いて行う圧延方
    法において、少なくとも最終パスの圧延に請求項2記載
    の圧延方法を適用し、かつ前記作業ロ−ルの交差角を、
    0度を含む0度近傍の値に設定して圧延することを特徴
    とする圧延方法。
  13. 【請求項13】請求項12記載の圧延方法において、前
    記圧延材の板クラウン及び板長手方向の形状制御を、前
    記作業ロ−ルの交差角の制御以外の他の手段を主たる制
    御手段として行うことを特徴とする圧延方法。
  14. 【請求項14】作業ロールに圧延材のコーティングが形
    成される圧延を、リバース圧延設備を用いて行う圧延方
    法において、少なくとも最終パスの圧延に請求項4記載
    の圧延方法を適用し、かつ前記作業ロ−ルを支持する前
    記一対のロールの交差角を、0度を含む0度近傍の値に
    設定して圧延することを特徴とする圧延方法。
  15. 【請求項15】請求項14記載の圧延方法において、前
    記圧延材の板クラウン及び板長手方向の形状制御を、前
    記作業ロ−ルの交差角の制御以外の他の手段を主たる制
    御手段として行うことを特徴とする圧延方法。
  16. 【請求項16】上下一対の作業ロールと前記作業ロール
    をそれぞれ支持する少なくとも一対のロールとを備え、
    前記作業ロールに圧延材の一部が付着してコーティング
    が形成される圧延を行う圧延機において、前記作業ロールの表面に付着する過度のコーティングを
    除去するように 前記作業ロールの軸心と前記作業ロール
    を支持する前記ロールの軸心とを前記圧延材を含む面に
    平行な面内で交差可能に配設し、少なくとも圧延条件お
    よび前記圧延材の種類に関する情報を入力する入力手段
    と、前記コーティングの厚さが所望量と なるように前記
    入力情報に応じて前記作業ロールの軸心と前記作業ロー
    ルを支持する前記ロールの軸心との交差角を設定する交
    差角設定手段とを設けたことを特徴とする圧延機。
  17. 【請求項17】請求項16記載の圧延機において、前記
    一対の作業ロールの軸心は前記圧延材を含む面に平行な
    面内で上下互いに反対方向に交差可能に配設され、かつ
    前記作業ロールを支持する前記一対のロールの軸心は圧
    延パス方向に直角に配設されていることを特徴とする圧
    延機。
  18. 【請求項18】請求項16記載の圧延機において、前記
    一対の作業ロールの軸心は圧延パス方向に直角に配設さ
    れ、かつ前記作業ロールを支持する前記一対のロールの
    軸心は前記圧延材を含む面に平行な面内で上下互いに反
    対方向に交差可能に配設されていることを特徴とする圧
    延機。
  19. 【請求項19】請求項17または18記載の圧延機にお
    いて、前記作業ロールを支持する前記一対のロールは補
    強ロールであり、前記一対の作業ロールと前記一対の補
    強ロールとで4段圧延機を構成したことを特徴とする圧
    延機。
  20. 【請求項20】請求項17または18記載の圧延機にお
    いて、前記作業ロールを支持する前記一対のロールは中
    間ロールであり、前記一対の中間ロールはさらに一対の
    補強ロールによって支持され、前記一対の作業ロールと
    前記一対の中間ロールと前記一対の補強ロールとで6段
    圧延機を構成したことを特徴とする圧延機。
  21. 【請求項21】請求項16から20のうちいずれか1項
    記載の圧延機において、前記一対の作業ロールと前記作
    業ロールを支持する前記一対のロールとの間に、前記作
    業ロール冷却用のクーラント油をロール冷却およびロー
    ル間潤滑を兼用する油として供給する油供給手段、また
    はロール間潤滑油としてロールクーラント油と混合して
    も差し支えない油を供給する油供給手段を設けたことを
    特徴とする圧延機。
  22. 【請求項22】請求項16から21のうちいずれか1項
    記載の圧延機において、前記作業ロールにその表面のコ
    ーティング量を調整するブラシ装置をさらに具備したこ
    とを特徴とする圧延機。
  23. 【請求項23】タンデム圧延を行う複数スタンドの圧延
    機を備え、前記圧延機の作業ロールに圧延材のコーティ
    ングが形成される圧延を行う圧延設備において、少なく
    とも最終スタンドの圧延機の上流側圧延機を請求項16
    から22のうちいずれか1項記載の圧延機としたことを
    特徴とする圧延設備。
  24. 【請求項24】リバース圧延を行う圧延機を備え、前記
    圧延機の作業ロールに圧延材のコーティングが形成され
    る圧延を行う圧延設備において、前記圧延機を請求項1
    6から22のうちいずれか1項記載の機能を有する構造
    の圧延機としたことを特徴とする圧延設備。
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