JP3244119B2 - 板材圧延における板形状・エッジドロップ制御方法 - Google Patents

板材圧延における板形状・エッジドロップ制御方法

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JP3244119B2 JP35537497A JP35537497A JP3244119B2 JP 3244119 B2 JP3244119 B2 JP 3244119B2 JP 35537497 A JP35537497 A JP 35537497A JP 35537497 A JP35537497 A JP 35537497A JP 3244119 B2 JP3244119 B2 JP 3244119B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、板材圧延における
板形状・エッジドロップ制御方法に係り、特に、冷間圧
延機において鋼板等の板材を圧延する際に用いるのに好
適な、板形状を良好に保ち、且つ、エッジドロップと呼
ばれる幅方向の両端部における急激な板厚減少を改善
し、幅方向の板厚分布を全体に渡ってほぼ均一にするこ
とが可能な、板材圧延における板形状・エッジドロップ
制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】圧延中の板材(被圧延材)に生じる幅方
向の板厚偏差のうち、特に幅方向の両端部における急激
な板厚減少はエッジドロップと呼ばれている。板圧延に
おいて、幅方向の板厚分布を均一にして、良好な被圧延
材を得るためには、このエッジドロップを低減させる必
要がある。
【0003】このような板材に生じるエッジドロップを
低減させる制御方法として、従来より、ロールの片側端
部にテーパを付与したワークロール(WR)を、そのロ
ール軸方向にシフトする圧延方法が用いられている。
【0004】例えば、特公平2−34241には、ロー
ルの片側端部にテーパを付与したワークロールを使用
し、ロール軸方向にシフトして、圧延機の入側における
母板の板厚プロフィル(幅方向板厚分布)と、上下ワー
クロール間のロールギャップ分布、及び、該ロールギャ
ップ分布の被圧延材への転写率から、圧延機出側の板厚
プロフィルを推定し、この推定値と目標板厚プロフィル
とを照合して、両者の差が最小となる位置にワークロー
ルをシフトする方法が開示されている。
【0005】又、特開昭60−12213では、テーパ
を付与したワークロールをシフトしてエッジドロップを
制御する際に、板形状が悪化するのを防止するため、シ
フト制御と共にロールベンダの制御を行う技術が開示さ
れている。
【0006】又、文献「板クラウン・エッジドロップ制
御特性」(第45回塑性加工連合講演会予稿集、403
−406頁、1994)には、上下のワークロールを、
それぞれの側のバックアップロールと共にクロスするこ
とにより、上下のワークロール間の幅方向中央から板端
に向かって生じる放物線状のロールギャップによって、
板厚プロフィルを均一化する効果があることが開示され
ている。
【0007】又、上下ワークロールについてロールクロ
スとロールシフトを組み合わせた技術として、例えば特
開昭57−206503には、所定の角度に交差する上
部ロール群と下部ロール群からなるロールクロス式圧延
機において、両ロール群中のワークロールにおける圧延
材に対する相対位置をロール軸方向に移動させることに
より、ワークロールの摩耗を均一化し、ロール研磨の頻
度を減らし、ロール原単位の改善を図る技術が開示され
ている。
【0008】又、特開平5−185125には、コイル
の溶接点(板継ぎ点)通過に伴う走間設定変更時に、ロ
ールクロス角を変更する過程で生じる板形状の不良域を
低減するため、ロールクロス角の変更タイミングに合わ
せて、ロールシフトとワークロールベンド力を操作する
方法が開示されている。この方法では、コイル溶接点に
おいて圧延条件が大きく変わる際に、板形状を良好に保
つことを目的として、ロールクロス角の設定変更開始か
ら変更終了までの間のロールクロス角設定の過渡状態に
おいて、ワークロールのシフト量を変更すると共に、先
行コイルに対するロールクロス角とワークロールベンド
力の関係を示す最適曲線より設定されるロールクロス角
及びワークロールベンド力から、後行コイルに対するワ
ークロール角及びワークロールベンド力へ最短時間で変
更できるように、ワークロールベンド力を最適パターン
に従って変更しており、コイルの一部分のみを取り扱っ
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
公平2−34241で開示されている技術では、ワーク
ロールのテーパは圧延前に研磨でロールに付与されるも
のであり、そのままでは圧延中にテーパの量や形状等を
変更することは不可能である。又、通常、ワークロール
は圧延材1本毎に交換するものではなく、数十本の圧延
に供されるものである。そのため、数十本ある圧延材の
圧延において、母板のエッジドロップが大きい場合に
は、エッジドロップ改善が不十分であったり、母板のエ
ッジドロップが小さい場合には、エッジドロップ改善が
過大となり、板端部が過厚となってしまうなどの問題が
生じてくる。又、エッジドロップ制御方法として、本技
術では、転写率によるシフト位置のみの設定方法が開示
されているのみで、例えばクロスを組み合わせたときの
制御方法については全く開示されておらず、エッジドロ
ップを改善するためにワークロールのテーパ部が、被圧
延材が実際に通る板道内に入るようにシフト制御する
と、荷重分布が大きく変化するため、板形状も大きく変
化してしまう。
【0010】一方、前記特開昭60−12213では、
テーパを付与したワークロールをシフトしてエッジドロ
ップを制御する際に、板形状が悪化するのを防止するた
め、シフト制御と共にロールベンダの制御を行う技術を
開示しているが、ベンダによって修正可能な板形状は、
いわゆる耳伸びや中伸びと呼ばれる単純な二次成分のみ
であり、板端部にワークロールのテーパがあるため生じ
るような複雑な板形状については制御不可能である。
【0011】又、前記文献「板クラウン・エッジドロッ
プ制御特性」に開示されている方法では、板幅中央から
板端に向かって生じる放物線状のロールギャップが緩や
かに広がっていくため、いわゆるボディクラウン(板ク
ラウン)を改善する効果はあるが、板幅端部のみの板
偏差であるエッジドロップを低減する効果は小さい。更
に、本技術では、クロスのみによるエッジドロップ制御
方法が開示されているのみで、例えばワークロールシフ
トを組み合わせたときの制御方法については全く開示さ
れておらず、板幅中央から板端に向かって生じる放物線
状のロールギャップにより、板厚プロフィルを改善した
際に生じる板形状の悪化についての防止策についても、
何等開示されていない。
【0012】又、前記特昭57−206503は、ワ
ークロールの偏摩耗防止を目的としており、エッジドロ
ップを直接制御することはできない。
【0013】又、前記特平5−185125に記載さ
れた方法は、クロス角変更の過渡期間における板形状の
悪化を防止することを目的としており、エッジドロップ
については、特公平2−4364等に開示されている、
コイル全長に渡ってワークロールシフトを行うのみの従
来技術以上の改善効果を期待することができない。又、
ワークロールとクロスを組み合わせてのエッジドロップ
制御方法については、全く開示されていない等の問題点
を有していた。
【0014】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、圧延中の板形状を悪化させることな
く、エッジドロップを確実に低減でき、幅方向全体に渡
って均一な板厚に圧延することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、ロールの片側
端部にテーパを付与したワークロールを軸方向にシフト
する機構と、該ワークロールをクロスさせる機構を備え
た圧延機を用いる板材のエッジドロップ制御において、
クロス角及びシフト量とエッジドロップ改善効果との関
に基づいて所望のエッジドロップ改善を得るためのシ
フト量及びクロス角の範囲を算出し、クロス角及びシフ
ト量と板形状との関係に基づいて最適形状となるシフト
量及びクロス角を選択し、該シフト量及びクロス角を操
作量としてエッジドロップ及び板形状の双方を制御する
ことにより、前記課題を解決したものである。
【0016】又、前記クロス角及びシフト量とエッジド
ロップ改善効果との関係を、板端部より一定距離離れた
位置を基準とした有効ロールギャップとエッジドロップ
改善量の関係として表わし、且つ、前記有効ロールギャ
ップを、クロスによるギャップとシフトによるギャップ
を加算して求めるようにしたものである。
【0017】
【0018】又、前記クロス角及びシフト量と板形状と
の関係を、一方の軸が中伸び・耳伸び形状の程度に対応
し、他方の軸がクォータ伸び形状の程度に対応する形状
平面により表わすようにしたものである。
【0019】又、実績エッジドロップ量と目標エッジド
ロップ量の差としてエッジドロップ改善量を求め、求め
られたエッジドロップ改善量を与えるクロス角とシフト
量の範囲を求め、求められたクロス角とシフト量の範囲
に対応する形状平面を求め、求められた形状平面内で最
適な形状を選択し、その時のクロス角及びシフト量を求
めて制御に用いるようにしたものである。
【0020】まずここで、本発明で使用するロールの片
側端部にテーパを付与した上下ワークロールについての
シフトとクロスの概念を、図1及び図2を用いて明確に
しておく。
【0021】前記シフトは、図1に圧延機を正面から見
た状態を概念的に示したように、上下ワークロール1
2、14で点対称なロール端の片側端部にテーパ16を
付与したワークロール12、14を、その軸方向に上下
で逆方向に移動させる操作で、シフト量はその移動量で
あり、具体的には、上ワークロール12の片側端部近傍
を拡大して示した図2に示すように、被圧延材10の板
端からテーパ始端部16Aまでの距離ELである。又、
ロールのテーパ量は、図2において、H/Lと定義す
る。
【0022】又、前記クロスは、図3に圧延機を上から
見た状態でのワークロールを概念的に示したように、上
下ワークロール12、14を互いに交差させる操作で、
クロス角θは、両ワークロール12、14の軸のなす角
度の1/2である。
【0023】本発明者等は、ロールの端部にテーパを付
与したワークロールを用いてシフトさせる圧延、上下ワ
ークロールを所定量クロスする圧延、及び、ワークロー
ルのシフトとクロスを併用する圧延を行、鋭意検討し
た結果、シフト量及びクロス角とエッジドロップ改善効
果との関係が、例えば以下のように表わされることを把
握した。
【0024】即ち、板端部より一定距離離れた位置に有
効ロールギャップ基準位置を設ければ、該基準位置を基
準としたロールギャップ(以下、有効ロールギャップと
称する)で、エッジドロップ改善量の関係を整理でき
ることがわかった。図4に、圧延実験により調査した、
例えば板端部100mm位置を基準として定義した有効
ロールギャップとエッジドロップ改善量との関係を示
す。ここで、ワークロールとしては、テーパ量1/30
0のロールを使用して、シフト量は0〜70mmまでの
範囲、クロス角は0〜0.8°までの範囲で変更した。
又、エッジドロップの評価位置は板端部15mmの位置
とし、板端部100mm位置との板厚偏差をE15とし
て、次のように定義する。
【0025】E15=h15−h100 …(1) ここで、h15:板端部15mm位置の板厚 h100 :板端部100mm位置の板厚
【0026】エッジドロップ改善効果は、シフト量0m
m且つクロス角0°のフラットロールで圧延した場合の
板端部15mm位置板厚偏差E15と、シフト量及びシフ
ト角を所定量にして圧延した場合の板端部15mm位置
板厚偏差E15との差(変化量)で評価した。図4より、
有効ロールギャップが小さいときには、エッジドロップ
改善量は小さいが、有効ロールギャップが大きくなるに
れて、エッジドロップ改善量が急激に大きくなること
が分かる。
【0027】なお、ここではエッジドロップの評価位置
として、板端部15mm位置を取り上げて説明したが、
それ以外の例えば板端部10mm位置や20mm位置で
も、上記の関係は成り立つ。又、有効ロールギャップ基
準位置は、被圧延材の板厚や変形抵抗、ワークロールの
ロール径、圧延荷重等の諸条件によって変えてもよく、
上記で説明した100mm位置とは限らない。
【0028】又、同様に実験から、シフト量及びクロス
角と板形状との関係が、以下のように表わされることを
把握した。
【0029】図5に、ワークロールとしてテーパ量1/
300のロールを使用したときの、シフト量及びクロス
角を変更したときの板形状の変化を形状平面により表わ
した図を示す。図において、Λ2は、図6に示すような
いわゆる中伸び形状及び耳伸び形状を表し、Λ4は、図
7に示すようなクォータ伸び形状を表わしており、その
定義は、次式による。
【0030】 Λ2=(板端部の伸び差率)−(板幅中央の伸び差率) …(2) Λ4=(幅中央から板端部に向かって1/√2位置の伸び差率) −(板幅中央の伸び差率) …(3)
【0031】図5において、ワークロールシフトでは、
クォータ伸び形状Λ4はほとんど変化せず、中伸び・耳
伸び形状Λ2が変化しており、シフト量が大きくなると
中伸び形状となっている。一方、ワークロールクロスで
は、クロス角を大きくすると、Λ2及びΛ4が共に変化
し、中伸び形状となっている。又、シフトとクロスを併
用すると、シフト単独及びクロス単独の中間的な形状変
化となっている。このように、シフト量の変更量及びク
ロス角の変更量によって、板形状の変化の仕方が異なっ
てくる。
【0032】本発明は、上記2つの知見に基づいてなさ
れたもので、テーパが付与されたロールのシフトにクロ
スを併用する圧延によって、板形状を良好に保ちなが
ら、エッジドロップの改善を図ったものである。
【0033】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して、本発明の実
施形態を詳細に説明する。
【0034】図8は、本発明に係る実施形態の冷間タン
デム圧延機(圧延設備)の概略構成を示す、ブロック図
を含む側面図である。
【0035】本実施形態で用いられる圧延設備は、6ス
タンドからなる冷間タンデム圧延機であり、その第1ス
タンド21には、図1に示したような一方の端部にテー
パが付与されたワークロール12、14が用いられ、且
つ、図3に示した如く、互いにクロスする機構も備えら
れている。この第1スタンド21は、前記上下のワーク
ロール12、14の上下に補強用のバックアップロール
31が設けられた4段圧延機とされている。
【0036】該第1スタンド21のワークロール12、
14は、シフトクロス操作装置40により所定位置にシ
フトされ、所定角度にクロスされる。
【0037】前記第1スタンド21の出側には、板形状
を測定するための形状検出器42が設置されている。
又、第6スタンド出側には、エッジドロップを測定する
ための板厚プロフィル計44が設置されている。
【0038】第1スタンド制御装置50は、前記形状検
出器42により測定された板形状、前記板厚プロフィル
計44により測定された出側エッジドロップ情報、前工
程の熱間圧延機出側から本冷間タンデム圧延機の入側ま
でのいずれかの位置で測定された母板のエッジドロップ
情報、板厚、荷重等の冷間タンデム圧延機における圧延
条件、板形状目標、エッジドロップ目標の諸入力に基づ
いて、シフト量及びクロス角を算出し、前記シフトクロ
ス操作装置40に出力して、上記ワークロール12、1
4を制御する。該第1スタンド制御装置50は、更に、
予め定めたクロス角及びシフト量とエッジドロップ改善
効果との関係、及び、クロス角及びシフト量と板形状と
の関係に基づいて、本発明により、エッジドロップ及び
板形状の双方を制御する。
【0039】本実施形態では、第1スタンドのワークロ
ール12、14の直径は570mm、テーパ量は1/3
00であり、被圧延材10としては、圧延後に酸洗した
板幅900mmのブリキ用鋼板を圧延した。エッジドロ
ップ制御点は、板端部15mm位置であり、該制御点で
の板厚偏差0μmを目標とした。有効ロールギャップ基
準位置は、板端部100mm位置とした。
【0040】本実施形態では、クロス角及びシフト量と
エッジドロップ改善効果との関係は、次のようにモデル
式化した。
【0041】 ΔE15=0.004×(ΔS15)2 …(4) ここで、ΔE15:板端部15mm位置での板厚偏差改善
量 ΔS15:板端部15mm位置での有効ロールギャップ
【0042】上記有効ロールギャップΔS15は、シフト
によるギャップfx 100 (EL)とクロスによるギャッ
プgx 100 より、次の(5)式のxに15を代入して求
める。
【0043】 ΔSx =fx 100 (EL)+gx 100 (θ) …(5) ここで、 fX100 (EL)=(EL−x)・tan α …(6) gx 100 (θ)=2[{(W/2)−x}2 +{(W/2)−100}2 ]・tan 2 θ/(D・W) …(7) ここで、EL:シフト量 tan α:テーパ量 θ:クロス角 D:ロール径 W:板幅
【0044】又、図5に示されるような関係に基づい
て、クロス角及びシフト量と板形状との関係を、次のよ
うにモデル式化した。
【0045】 ΔΛ2=−3・ΔEL−300・Δθ …(8) ΔΛ4=−0.2・ΔEL−300・Δθ …(9) ここで、ΔΛ2:形状Λ2の変化量ΔΛ4:形状Λ4
の変化量ΔEL:シフト量ELの変更量Δθ:クロ
ス角θの変更量
【0046】本発明による制御に際しては、まず、次式
によりエッジドロップ(板厚偏差)改善量ΔExを算出
する。
【0047】 ΔEx=(実績エッジドロップ)−(目標エッジドロップ) …(10)
【0048】次いで、(4)及び(5)式より、(1
0)式で求めたエッジドロップ改善量ΔExを与えるク
ロス角θとシフト量ELの範囲を算出する。
【0049】次いで、(8)、(9)式より、上記クロ
ス角θ及びシフト量ELの範囲に対応する形状平面(Λ
2、Λ4)を算出する。
【0050】次いで、上記形状平面内で最適な形状を選
択し、(8)、(9)式より、そのときのクロス角θと
シフト量ELを逆算して、シフトクロス操作装置40に
与える。
【0051】
【実施例】初めに従来の制御結果について説明する。図
9に基準位置を板端から100mmとした場合の、片テ
ーパが付与されたワークロールシフトにより圧延してい
るときの板厚プロフィルを示す。シフト量は35mm
で、板端部15mm位置でのエッジドロップは改善さ
れ、目標とする板厚偏差が得られている。このときの板
形状として、形状検出器で測定した伸び差率分布を図1
0に示す。板形状はクォータ伸びであり、最大伸び差率
は、通常板破断を発生させ易いと言われる100任意単
位(急峻度2%)以上であり、極めて通板性が悪くなっ
ている。
【0052】次に、本発明による制御結果について説明
する。ワークロールシフトクロス圧延において、クロス
角及びシフト量とエッジドロップ改善効果との関係、及
びクロス角とシフト量と板形状との関係に基づいて、シ
フト量を30mm、クロス角を0.5°とした。図11
は、そのときの板厚プロフィルを示す。板端部15mm
位置でエッジドロップを改善し、目標とする板厚偏差を
得ることができている。又、このときの圧延後の板形状
を図12に示す。板形状は、緩やかな中伸び形状であ
り、最大伸び率差も100任意単位(急峻度2%)以下
であり、通板性の問題は全くなかった。
【0053】このように、本発明では、板形状を良好に
保ちながら、エッジドロップの改善を図ることが可能に
なる。
【0054】以上、本発明について具体的に説明した
が、本発明は前記実施形態に限られるものでなく、その
要旨を逸脱しない範囲で、種々変更可能である。
【0055】例えば有効ロールギャップ基準位置は、板
端部100mm位置に限られるものではなく、被圧延材
の板厚や変形抵抗、ワークロール径、圧延荷重等の諸条
件に応じて他の最適値を定めてもよい。
【0056】又、有効ロールギャップとエッジドロップ
改善量との関係も、前記実施形態のような二次関数によ
るモデル式に限らず、他の関数によるモデル式や、テー
ブル方式によるもの等、いずれの方法によって表わされ
ていてもよい。
【0057】又、本発明に適用できる圧延設備の具体的
構成は、前記実施形態に示したものに限定されない。例
えば、圧延機は4段のものに限定されず、6段や2段の
圧延機等でもよく、スタンド数も実施形態に示した6ス
タンドに限らず、4スタンドや5スタンド、あるいは単
スタンドでもよく、任意である。
【0058】又、テーパが付与されたワークロールのシ
フトクロス機構を備えたスタンドは、板厚が厚いほど、
より内部から板厚プロフィルの修正が可能であり、母板
エッジドロップを修正するためには、最上流である第1
スタンドに制御スタンドを備えるのが望ましいが、第1
スタンドだけでは制御能力が足りない場合には、第2、
第3スタンドと上流側から追加していくことができる。
又、製品としての板厚プロフィルを制御する場合には、
最終スタンドでフィードバック制御することも効果があ
る。
【0059】又、板形状の測定も、自動形状検出器をシ
フトクロス機構を備えたスタンドの直後に設置せず、作
業員の目視や手動によって測定してもよい。又、予め定
めた予測テーブル等を利用して推定してもよい。例え
ば、圧延条件から、次式により形状を予測することもで
きる。
【0060】 Λ2=K1 +K2 ・P+K3 ・B+K4 ・T+K5 ・D …(11) Λ4=L1 +L2 ・P+L3 ・B+L4 ・T+L5 ・D …(12) ここで、P:荷重 B:ベンダ T:張力 D:ロール径 K1 〜K5 、L1 〜L5 :係数
【0061】あるいは、オペレータの目視により形状平
面から象限を選択し、その範囲内でのθ、ELを算出し
ても良い。
【0062】又、シフトクロス機構は、バックアップロ
ールとワークロールを対にしてクロスするペアクロス圧
延機でもよい。
【0063】又、ワークロールのテーパも、単純な直線
状でなく、正弦波状や複数の傾きを持っていてもよい。
【0064】又、圧延対象とする板材も鋼板に限定され
ず、アルミ板や銅板等であってもよい。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、板形状を良好に保ちな
がら、エッジドロップの改善を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】テーパが付与されたワークロールのシフト状態
を示す正面図
【図2】ワークロール端部のテーパ量及びシフト量の定
義を説明するための線図
【図3】ワークロールクロスの定義を説明するための平
面図
【図4】本発明の原理を説明するための、有効ロールギ
ャップと板端部板厚偏差の変化量の関係の例を示す線図
【図5】同じく形状平面の例を示す線図
【図6】中伸び・耳伸び形状の定義を示す線図
【図7】クオータ伸び形状の定義を示す線図
【図8】本発明の実施形態を示す、一部ブロック線図を
含む正面図
【図9】従来法を用いて片テーパワークロールシフトに
より圧延したときの板厚プロフィルの例を示す線図
【図10】同じく圧延後の板形状を伸び差率分布で示す
線図
【図11】本発明による制御の実施例における板厚プロ
フィルの例を示す線図
【図12】同じく圧延後の板形状を伸び差率分布で示す
線図
【符号の説明】
10…被圧延材 12、14…ワークロール(WR) 16…テーパ 40…シフトクロス操作装置 42…形状検出器 44…板厚プロフィル計 50…第1スタンド制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荻本 省三 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 千葉製鉄所内 (72)発明者 金子 智弘 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 千葉製鉄所内 (56)参考文献 特開 平10−230311(JP,A) 特開 平10−216814(JP,A) 特開 平11−57827(JP,A) 特開 平6−91314(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 37/28 B21B 13/14 B21B 37/42

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロールの片側端部にテーパを付与したワー
    クロールを軸方向にシフトする機構と、該ワークロール
    をクロスさせる機構を備えた圧延機を用いる板材のエッ
    ジドロップ制御において、 クロス角及びシフト量とエッジドロップ改善効果との関
    に基づいて所望のエッジドロップ改善を得るためのシ
    フト量及びクロス角の範囲を算出し、 クロス角及びシフト量と板形状との関係に基づいて最適
    形状となるシフト量及びクロス角を選択し、 該シフト量及びクロス角を操作量として エッジドロップ
    及び板形状の双方を制御することを特徴とする板材圧延
    における板形状・エッジドロップ制御方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記クロス角及びシフ
    ト量とエッジドロップ改善効果との関係が、板端部より
    一定距離離れた位置を基準とした有効ロールギャップと
    エッジドロップ改善量の関係として表わされ、且つ、前
    記有効ロールギャップを、クロスによるギャップとシフ
    トによるギャップを加算して求めることを特徴とする板
    材圧延における板形状・エッジドロップ制御方法。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記クロス角及びシフ
    ト量と板形状との関係が、一方の軸が中伸び・耳伸び形
    状の程度に対応し、他方の軸がクォータ伸び形状の程度
    に対応する形状平面により表わされていることを特徴と
    する板材圧延における板形状・エッジドロップ制御方
    法。
  4. 【請求項4】請求項において、 実績エッジドロップ量と目標エッジドロップ量の差とし
    てエッジドロップ改善量を求め、 求められたエッジドロップ改善量を与えるクロス角とシ
    フト量の範囲を求め、 求められたクロス角とシフト量の範囲に対応する形状平
    面を求め、 求められた形状平面内で最適な形状を選択し、 その時のクロス角及びシフト量を求めて制御に用いるこ
    とを特徴とする板材圧延における板形状・エッジドロッ
    プ制御方法。
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