JP3289578B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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JP3289578B2
JP3289578B2 JP28607695A JP28607695A JP3289578B2 JP 3289578 B2 JP3289578 B2 JP 3289578B2 JP 28607695 A JP28607695 A JP 28607695A JP 28607695 A JP28607695 A JP 28607695A JP 3289578 B2 JP3289578 B2 JP 3289578B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両に用いられるパ
ワーステアリング装置のうちモータによって操舵補助力
(アシスト力)を発生する電動パワーステアリング装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】車両に用いられるパワーステアリング装
置(所謂、パワーアシスト付きの操舵装置)のうち、モ
ータによって操舵補助力(アシスト力)を発生する構成
のものが一般的に知られている(一例として、特開平6
−171518号公報)。
【0003】この電動パワーステアリング装置では、ス
テアリングシャフト等から成るかじ取り機構に加えて、
操舵補助力を発生するモータを備えている。このモータ
は、ステアリングシャフトに連結配置されており、駆動
トルクを伝達可能な構成となっている。また、ステアリ
ングシャフトの途中部分にはトーションバーが介装され
ており、さらにこのトーションバーにはトルク検出機構
(トルクセンサ)が設けられている。ステアリングホイ
ールが操舵されると、この操舵トルクがトルク検出機構
によって検出され、検出された操舵トルクに基づいてモ
ータが駆動され、モータの駆動トルクがステアリングシ
ャフトに伝達されて操舵補助力が得られるようになって
いる。このような電動パワーステアリング装置では、ス
テアリングホイールの操舵トルクに応じてモータが駆動
されて、操舵力の補助を良好に行うことができる。
【0004】しかしながら、前記公報に示された従来の
電動パワーステアリング装置では、ステアリングホイー
ルの操舵トルクに応じてモータを制御するために、トル
クセンサやモータコントローラ等の部品が不可欠な構成
であり、このためシステムが全体として複雑でコスト高
になる欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実を考
慮し、簡単な構造で低コストにより、ステアリングホイ
ールの操舵トルクに応じてモータを制御して操舵力の補
助を良好に行うことができる電動パワーステアリング装
置を得ることが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の電
動パワーステアリング装置は、ステアリングホイールが
取り付けられる操舵入力軸と、軸線周りに回転可能な左
右のナックルアームに連結されて転舵輪を転舵するため
の転舵棒と、前記転舵棒に連結され前記転舵棒を移動さ
せるための操舵出力軸と、前記操舵出力軸に連結された
モータ出力軸を有し固定子に対し軸線方向に沿って相対
接離移動可能とされると共に前記相対接離移動によって
前記固定子との隙間が増減する対向面を有した回転子
と、前記回転子のモータ出力軸と同軸的で相対回転可能
に配置され前記操舵入力軸に連結されたモータ入力軸
と、操舵トルクに応じて前記回転子を前記固定子に対し
軸線方向に相対接離移動させる移動手段と、前記モータ
入力軸の左右の回転方向に応じて前記回転子への通電方
向を切り換える通電切換機構と、から成るモータと、を
備えたことを特徴としている。
【0007】請求項1記載の電動パワーステアリング装
置では、転舵棒に連結された操舵出力軸はモータの回転
子のモータ出力軸に連結されており、また、ステアリン
グホイールが取り付けられる操舵入力軸はモータ入力軸
に連結されている。
【0008】ここで、ステアリングホイール(操舵入力
軸)が操舵されると、この操舵直後においては、転舵棒
(すなわち、タイヤ側)の抵抗が大きいため転舵棒(モ
ータ出力軸)は不動であり、このため、操舵入力軸に連
結されたモータ入力軸の操舵トルクに応じて移動手段が
作動し、回転子が固定子に対し軸線方向に相対接離移動
される。さらにこの際に、通電切換機構が作動してモー
タの回転子へ通電され、モータが駆動される。これによ
り、モータ出力軸に連結された操舵出力軸へモータの駆
動力が作用し、補助駆動力として転舵棒へ付与される。
したがって、操舵入力軸(ステアリングホイール)の操
舵力が軽減される。
【0009】この場合、移動手段の作動は、操舵入力軸
に連結されたモータ入力軸の操舵トルクに対応してお
り、回転子は操舵トルクに応じて固定子に接離移動され
るため、操舵トルクに応じてモータ(回転子及び固定
子)の磁束密度(磁界の強さ)が変化する。このため、
転舵棒へ付与される補助駆動力(モータの駆動力)は、
回転子の接離移動すなわち操舵入力軸の操舵力に比例し
て増減することになり、従来の油圧式のパワーステアリ
ング装置と同様にサーボ機構として作動させることがで
きる。
【0010】また、操舵入力軸が左右で切り換えられた
場合には、通電切換機構によってモータの回転子への通
電方向が切り換えられ、モータ出力軸の回転方向が切り
換えられて、操舵入力軸の操舵方向に対応できる。
【0011】このように、請求項1記載の電動パワース
テアリング装置では、操舵トルクに応じてモータの回転
子を固定子に接離移動させて磁束密度を変化させること
により、ステアリングホイール(操舵入力軸)の操舵ト
ルクに応じたモータの駆動制御を行っており、操舵力の
補助を良好に行うことができる。さらに、従来の如きト
ルクセンサやモータコントローラ等を必要としない簡単
な構造であり、大幅にコストの低減や小型軽量化を図る
ことができる。
【0012】請求項2に係る発明の電動パワーステアリ
ング装置は、請求項1記載の電動パワーステアリング装
置において、前記移動手段は、前記モータ入力軸と回転
子との間に設けられ前記モータ入力軸の回転トルクに応
じて前記回転子を移動させるカム機構とされることを特
徴としている。
【0013】請求項2記載の電動パワーステアリング装
置では、回転子の固定子に対する接離移動は、モータ入
力軸と回転子との間に設けられたカム機構によって行わ
れる。すなわち、ステアリングホイール(操舵入力軸)
が操舵されると、この操舵直後においては、転舵棒(タ
イヤ側)の抵抗が大きいため転舵棒(モータ出力軸)は
不動であり、このため、操舵入力軸に連結されたモータ
入力軸の回転トルクに応じてカム機構が作動し、回転子
が固定子に対し軸線方向に相対接離移動される。
【0014】この場合、カム機構の作動は、モータ入力
軸の回転トルクに対応しており、回転子はモータ入力軸
の回転トルクに応じて固定子に接離移動されるため、転
舵棒へ付与される補助駆動力(モータの駆動力)は、回
転子の接離移動すなわち操舵入力軸の操舵力に比例して
増減することになり、従来の油圧式のパワーステアリン
グ装置と同様にサーボ機構として作動させることができ
る。
【0015】このように、請求項2記載の電動パワース
テアリング装置では、モータ入力軸と回転子との間に設
けられたカム機構によって、操舵トルクに応じて回転子
を固定子に接離移動させて操舵トルクに応じたモータの
駆動制御を行っており、簡単な構造で大幅にコストの低
減や小型軽量化を図ることができる。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】請求項に係る発明の電動パワーステアリ
ング装置は、ステアリングホイールが取り付けられる操
舵入力軸と、軸線周りに回転可能な左右のナックルアー
ムに連結されて転舵輪を転舵するための転舵棒と、前記
転舵棒に連結され前記転舵棒を移動させるための操舵出
力軸と、前記操舵出力軸に連結されたモータ出力軸を有
する回転子と、前記回転子に対し半径方向に沿って相対
接離移動可能とされた固定子と、前記回転子のモータ出
力軸と同軸的で相対回転可能に配置され前記操舵入力軸
に連結されたモータ入力軸と、操舵トルクに応じて前記
固定子を前記回転子に対し半径方向に相対接離移動させ
る移動手段と、前記モータ入力軸の左右の回転方向に応
じて前記回転子への通電方向を切り換える通電切換機構
と、から成るモータと、を備えたことを特徴としてい
る。
【0022】請求項記載の電動パワーステアリング装
置では、転舵棒に連結された操舵出力軸はモータの回転
子のモータ出力軸に連結されており、また、ステアリン
グホイールが取り付けられる操舵入力軸はモータ入力軸
に連結されている。
【0023】ここで、ステアリングホイール(操舵入力
軸)が操舵されると、この操舵直後においては、転舵棒
(タイヤ側)の抵抗が大きいため転舵棒(モータ出力
軸)は不動であり、このため、操舵入力軸に連結された
モータ入力軸の操舵トルクに応じて移動手段が作動し、
固定子が回転子に対し半径方向に沿って相対接離移動さ
れる。さらにこの際に、通電切換機構が作動してモータ
の回転子へ通電され、モータが駆動される。これによ
り、モータ出力軸に連結された操舵出力軸へモータの駆
動力が作用し、補助駆動力として転舵棒へ付与される。
したがって、操舵入力軸(ステアリングホイール)の操
舵力が軽減される。
【0024】この場合、移動手段の作動は、操舵入力軸
に連結されたモータ入力軸の操舵トルクに対応してお
り、固定子は操舵トルクに応じて回転子に接離移動され
るため、操舵トルクに応じてモータ(回転子及び固定
子)の磁束密度(磁界の強さ)が変化する。このため、
転舵棒へ付与される補助駆動力(モータの駆動力)は、
固定子の接離移動すなわち操舵入力軸の操舵力に比例し
て増減することになり、従来の油圧式のパワーステアリ
ング装置と同様にサーボ機構として作動させることがで
きる。
【0025】また、操舵入力軸が左右で切り換えられた
場合には、通電切換機構によってモータの回転子への通
電方向が切り換えられ、モータ出力軸の回転方向が切り
換えられて、操舵入力軸の操舵方向に対応できる。
【0026】このように、請求項記載の電動パワース
テアリング装置では、操舵トルクに応じてモータの固定
子を回転子に接離移動させて磁束密度を変化させること
により、ステアリングホイール(操舵入力軸)の操舵ト
ルクに応じたモータの駆動制御を行っており、操舵力の
補助を良好に行うことができる。さらに、従来の如きト
ルクセンサやモータコントローラ等を必要としない簡単
な構造であり、大幅にコストの低減や小型軽量化を図る
ことができる。
【0027】請求項に係る発明の電動パワーステアリ
ング装置は、請求項記載の電動パワーステアリング装
置において、前記移動手段は、前記固定子に対向して配
置され軸線方向に移動することにより前記固定子に係合
して前記固定子を移動させるカムプレートと、前記カム
プレートと前記モータ入力軸との間に設けられ前記モー
タ入力軸の回転トルクに応じて前記カムプレートを移動
させるカム機構と、を備えることを特徴としている。
【0028】請求項記載の電動パワーステアリング装
置では、固定子の回転子に対する接離移動は、カムプレ
ートとカム機構によって行われる。すなわち、ステアリ
ングホイール(操舵入力軸)が操舵されると、この操舵
直後においては、転舵棒(タイヤ側)の抵抗が大きいた
め転舵棒(モータ出力軸)は不動であり、このため、操
舵入力軸に連結されたモータ入力軸の回転トルクに応じ
てカム機構が作動し、固定子に対向して配置されたカム
プレートが軸線方向に移動する。このため、固定子が回
転子に対し半径方向に沿って相対接離移動される。
【0029】この場合、カム機構の作動及びカムプレー
トの移動は、モータ入力軸の回転トルクに対応してお
り、固定子はモータ入力軸の回転トルクに応じて回転子
に接離移動されるため、転舵棒へ付与される補助駆動力
(モータの駆動力)は、固定子の接離移動すなわち操舵
入力軸の操舵力に比例して増減することになり、従来の
油圧式のパワーステアリング装置と同様にサーボ機構と
して作動させることができる。
【0030】このように、請求項記載の電動パワース
テアリング装置では、固定子に対向して配置されたカム
プレートと、カムプレートとモータ入力軸との間に設け
られたカム機構とによって、操舵トルクに応じて固定子
を回転子に接離移動させて操舵トルクに応じたモータの
駆動制御を行っており、簡単な構造で大幅にコストの低
減や小型軽量化を図ることができる。
【0031】請求項に係る発明の電動パワーステアリ
ング装置は、請求項記載の電動パワーステアリング装
置において、前記移動手段は、前記固定子に対向して配
置されると共に前記モータ入力軸に連結され前記モータ
入力軸と共に移動することにより前記固定子に係合して
前記固定子を移動させるカムプレートと、前記モータ入
力軸と前記操舵入力軸との間に設けられ前記操舵入力軸
の回転トルクに応じて前記モータ入力軸を移動させる傘
歯車機構と、を備えることを特徴としている。
【0032】請求項記載の電動パワーステアリング装
置では、固定子の回転子に対する接離移動は、カムプレ
ートと傘歯車機構によって行われる。すなわち、ステア
リングホイール(操舵入力軸)が操舵されると、この操
舵直後においては、転舵棒(タイヤ側)の抵抗が大きい
ため転舵棒(モータ出力軸)は不動であり、このため、
操舵入力軸に連結されたモータ入力軸の回転トルクに応
じて傘歯車機構が作動し、固定子に対向して配置された
カムプレートがモータ入力軸と共に移動する。このた
め、固定子が回転子に対し半径方向に沿って相対接離移
動される。
【0033】この場合、カム機構の作動及びカムプレー
トの移動は、モータ入力軸の回転トルクに対応してお
り、固定子はモータ入力軸の回転トルクに応じて回転子
に接離移動されるため、転舵棒へ付与される補助駆動力
(モータの駆動力)は、固定子の接離移動すなわち操舵
入力軸の操舵力に比例して増減することになり、従来の
油圧式のパワーステアリング装置と同様にサーボ機構と
して作動させることができる。
【0034】このように、請求項記載の電動パワース
テアリング装置では、固定子に対向して配置されモータ
入力軸に連結されたカムプレートと、モータ入力軸と操
舵入力軸との間に設けられた傘歯車機構とによって、操
舵トルクに応じて固定子を回転子に接離移動させて操舵
トルクに応じたモータの駆動制御を行っており、簡単な
構造で大幅にコストの低減や小型軽量化を図ることがで
きる。
【0035】請求項に係る発明の電動パワーステアリ
ング装置は、請求項記載の電動パワーステアリング装
置において、前記移動手段は、前記固定子に対向して配
置され軸線方向に移動することにより前記固定子に係合
して前記固定子を移動させるカムプレートと、前記カム
プレートと前記モータ入力軸との間に設けられ前記モー
タ入力軸の回転トルクに応じて前記カムプレートを移動
させる螺子溝機構と、を備え、前記通電切換機構は、前
記モータの軸線方向に沿って配設され電源に接続された
少なくとも二組の固定接点と、前記カムプレートに設け
られ前記螺子溝機構の作動によって前記カムプレートと
共に移動されて前記固定接点に選択的に接触する接触子
と、により構成される、ことを特徴としている。
【0036】請求項記載の電動パワーステアリング装
置では、固定子の回転子に対する接離移動は、カムプレ
ートと螺子溝機構によって行われる。すなわち、ステア
リングホイール(操舵入力軸)が操舵されると、この操
舵直後においては、転舵棒(タイヤ側)の抵抗が大きい
ため転舵棒(モータ出力軸)は不動であり、このため、
操舵入力軸に連結されたモータ入力軸の回転トルクに応
じて螺子溝機構が作動し、固定子に対向して配置された
カムプレートが軸線方向に移動する。このため、固定子
が回転子に対し半径方向に沿って相対接離移動される。
【0037】この場合、螺子溝機構の作動及びカムプレ
ートの移動は、モータ入力軸の回転トルクに対応してお
り、固定子はモータ入力軸の回転トルクに応じて回転子
に接離移動されるため、転舵棒へ付与される補助駆動力
(モータの駆動力)は、固定子の接離移動すなわち操舵
入力軸の操舵力に比例して増減することになり、従来の
油圧式のパワーステアリング装置と同様にサーボ機構と
して作動させることができる。
【0038】また、操舵入力軸が左右で切り換えられた
場合には、螺子溝機構の作動によって接触子がカムプレ
ートと共に移動されて、固定接点に選択的に接触する。
これにより回転子への通電方向が切り換えられ、モータ
出力軸の回転方向が切り換えられて、操舵入力軸の操舵
方向に対応できる。
【0039】このように、請求項記載の電動パワース
テアリング装置では、カムプレートと螺子溝機構によっ
て、操舵トルクに応じて固定子を回転子に接離移動させ
て操舵トルクに応じたモータの駆動制御を行うと共に、
螺子溝機構の作動により固定接点に選択的に接触する接
触子によって通電方向の切り換え制御を行っており、簡
単な構造で大幅にコストの低減や小型軽量化を図ること
ができる。
【0040】請求項に係る発明の電動パワーステアリ
ング装置は、ステアリングホイールが取り付けられる操
舵入力軸と、軸線周りに回転可能な左右のナックルアー
ムに連結されて転舵輪を転舵するための転舵棒と、前記
転舵棒に連結され前記転舵棒を移動させるための操舵出
力軸と、ハウジングに対し所定角度回転可能に設けられ
た磁極子と、前記操舵出力軸に連結されたモータ出力軸
を有し前記磁極子に対し軸線方向に沿って相対接離移動
可能とされると共に前記相対接離移動によって前記磁極
子との隙間が増減する対向面を有した回転子と、前記回
転子のモータ出力軸と同軸的で相対回転可能に配置され
前記操舵入力軸に連結されたモータ入力軸と、操舵トル
クに応じて前記回転子を前記磁極子に対し軸線方向に相
対接離移動させる移動手段と、から成るモータと、を備
えたことを特徴としている。
【0041】請求項記載の電動パワーステアリング装
置では、操舵トルクに応じた移動手段の作動によって、
モータの駆動制御が行なわれる。
【0042】さらにここで、操舵入力軸が左右で切り換
えられた際に、モータの磁極子と回転子(ブラシ)の極
相関係が操舵入力軸の操舵方向に対応していない場合に
は、モータの磁極子は、回転子との極相関係が最も安定
した(効率の良い)位置関係となるように移動しようと
し、このため、磁極子が回転して回転子との位置関係が
変更され、磁極子と回転子の極相関係が操舵入力軸の操
舵方向に対応する。
【0043】このように、請求項記載の電動パワース
テアリング装置では、操舵トルクに応じてモータの回転
子を磁極子に接離移動させて磁束密度を変化させること
により、ステアリングホイール(操舵入力軸)の操舵ト
ルクに応じたモータの駆動制御を行っており、操舵力の
補助を良好に行うことができる。さらに、左右の操舵入
力に応じたモータへの通電切換機構(スイッチ等)を用
いること無く、操舵入力軸の操舵方向に対応して作動す
ることができ、簡単な構造で大幅にコストの低減や小型
軽量化を図ることができる。
【0044】請求項8に係る発明の電動パワーステアリ
ング装置は、請求項7記載の電動パワーステアリング装
置において、前記モータは、前記ハウジングと磁極子
の間にエアダンパを備え、前記磁極子の回転時に所定の
トルクを吸収することを特徴としている。
【0045】請求項8記載の電動パワーステアリング装
置では、ハウジングと磁極子との間に設けられたエアダ
ンパによって、モータの回転開始時の突入トルクが吸収
される。このため、ステアリングの巻き込みを防止でき
る。
【0046】請求項に係る発明の電動パワーステアリ
ング装置は、ステアリングホイールが取り付けられる操
舵入力軸と、軸線周りに回転可能な左右のナックルアー
ムに連結されて転舵輪を転舵するための転舵棒と、前記
転舵棒に連結され前記転舵棒を移動させるための操舵出
力軸と、前記操舵出力軸に連結されたモータ出力軸を有
し固定子に対し軸線方向に沿って相対接離移動可能とさ
ると共に前記相対接離移動によって前記固定子との隙
間が増減する対向面を有した回転子と、前記回転子のモ
ータ出力軸と同軸的で相対回転可能に配置され前記操舵
入力軸に連結されたモータ入力軸と、前記モータ入力軸
の回転に連動して作動し操舵トルクに応じて前記回転子
を前記固定子に対し軸線方向に相対接離移動させる移動
手段と、から成るモータと、前記操舵入力軸の左右の回
転方向を検出しこれに応じて前記モータの回転子への通
電方向を切り換える通電切換制御手段と、を備えたこと
を特徴としている。
【0047】請求項記載の電動パワーステアリング装
置では、操舵トルクに応じて移動手段が作動し、これに
よってモータの回転子が磁極子に接離移動されて磁束密
度が変化し、ステアリングホイール(操舵入力軸)の操
舵トルクに応じたモータの駆動制御が行なわれる。さら
に、操舵入力軸が左右で切り換えられた場合には、通電
切換制御手段によってモータの回転子への通電方向が切
り換えられ、モータ出力軸の回転方向が切り換えられ
て、操舵入力軸の操舵方向に対応できる。
【0048】請求項10に係る発明の電動パワーステア
リング装置は、ステアリングホイールが取り付けられる
操舵入力軸と、軸線周りに回転可能な左右のナックルア
ームに連結されて転舵輪を転舵するための転舵棒と、前
記転舵棒に連結され前記転舵棒を移動させるための操舵
出力軸と、前記操舵出力軸に連結されたモータ出力軸を
有し固定子に対し軸線方向に沿って相対接離移動可能と
されると共に前記相対接離移動によって前記固定子との
隙間が増減する対向面を有した回転子と、前記回転子の
モータ出力軸と同軸的で相対回転可能に配置され前記操
舵入力軸に連結されたモータ入力軸と、操舵トルクに応
じて前記回転子を前記固定子に対し軸線方向に相対接離
移動させる移動手段と、から成るモータと、前記操舵出
力軸とモータ出力軸との間に互いに同軸的に対向配置さ
れ、それぞれ前記モータ出力軸に連結された一対の傘歯
車と、前記一対の傘歯車のそれぞれに対応して設けら
れ、前記操舵入力軸の左右の回転方向に応じて作動して
前記一対の傘歯車をそれぞれ独立して前記操舵出力軸に
連結する一対のクラッチと、を備えたことを特徴として
いる。
【0049】請求項10記載の電動パワーステアリング
装置では、モータの回転子(モータ出力軸)には、互い
に同軸的に対向配置された一対の傘歯車がそれぞれ連結
されており、さらに、各傘歯車はそれぞれクラッチを介
して操舵出力軸に連結されている。このため、モータの
回転子(モータ出力軸)が一方向に回転することによ
り、各傘歯車は操舵出力軸に対し互いに逆方向に回転す
ることになる。
【0050】ここで、ステアリングホイール(操舵入力
軸)が操舵されると、操舵トルクに応じて移動手段が作
動し、これによってモータの回転子が固定子に接離移動
されて磁束密度が変化すると共に、操舵入力軸の操舵方
向に対応する何れか一方のクラッチが作動してモータ出
力軸が操舵出力軸に連結される。これにより、モータ出
力軸から操舵出力軸へトルクが伝達されると共に、ステ
アリングホイール(操舵入力軸)の操舵トルクに応じた
モータの駆動制御が行なわれる。さらに、操舵入力軸が
左右で切り換えられた場合には、操舵方向に対応する何
れか他方のクラッチが作動してモータ出力軸が操舵出力
軸に連結される。これにより、モータ出力軸から操舵出
力軸へ伝達される出力の回転方向が切り換えられて、操
舵入力軸の操舵方向に対応できる。
【0051】このように、請求項10記載の電動パワー
ステアリング装置では、操舵トルクに応じたモータの駆
動制御を行っており、操舵力の補助を良好に行うことが
できる。さらに、モータへの通電切換機構(スイッチ
等)を用いること無く、操舵入力軸の左右の操舵方向に
対応して作動することができ、簡単な構造で大幅にコス
トの低減や小型軽量化を図ることができる。またこの場
合、モータの回転子(モータ出力軸)は一方向に回転す
るのみで、操舵入力軸が左右で切り換えられた場合にも
対応することができるため、操舵反転時においても追従
性が向上する。さらに、各クラッチを好適に作動させる
(例えば、一時的に滑らせる)ことにより、モータの回
転開始時の突入トルクを吸収することができ、ステアリ
ングの巻き込みを防止できる。
【0052】請求項11に係る発明の電動パワーステア
リング装置は、軸線周りに回転可能な左右のナックルア
ームに連結されて転舵輪を転舵するための転舵棒と、ス
テアリングホイールが取り付けられると共に前記転舵棒
に連結され、操舵力を前記転舵棒へ伝達して軸線方向に
駆動させると共に操舵反力により変位される操舵軸と、
前記操舵軸に連結されたモータ出力軸を有し固定子に対
し軸線方向に沿って相対接離移動可能とされると共に前
記相対接離移動によって前記固定子との隙間が増減する
対向面を有した回転子と、前記回転子のモータ出力軸と
同軸的で相対回転可能に配置され前記操舵軸に連結され
たモータ入力軸と、操舵トルクに応じて前記回転子を前
記固定子に対し軸線方向に相対接離移動させる移動手段
と、から成るモータと、前記操舵軸に対応して配置さ
れ、前記操舵軸の変位に応じて左右の操舵状態を検出し
て前記回転子への通電方向を切り換える通電切換手段
と、を備えたことを特徴としている。
【0053】請求項11記載の電動パワーステアリング
装置では、ステアリングホイール(操舵入力軸)が操舵
されると、この操舵直後においては、転舵棒(タイヤ
側)の抵抗が大きいため転舵棒(モータ出力軸)は不動
であり、このため、操舵反力によって操舵軸が変位され
る。この操舵軸の変位が通電切換手段によって検出され
るて回転子へ通電される。さらに、これと同時に、操舵
軸に連結されたモータ入力軸の回転トルクに応じて移動
手段が作動し、回転子が固定子に対し軸線方向に相対接
離移動される。これにより、モータの回転子と固定子と
の磁束密度が変化し、ステアリングホイール(操舵軸)
の操舵トルクに応じたモータの駆動制御が行なわれる。
さらに、操舵軸が左右で切り換えられた場合には、操舵
反力によって操舵軸が逆向きに変位される。このため、
通電切換手段によってモータの回転子への通電方向が切
り換えられ、モータ出力軸の回転方向が切り換えられ
て、操舵入力軸の操舵方向に対応できる。
【0054】このように、請求項11記載の電動パワー
ステアリング装置では、操舵トルクに応じて回転子を固
定子に接離移動させて操舵トルクに応じたモータの駆動
制御を行うと共に、操舵反力による操舵軸の変位に基づ
いて回転子への通電方向の切換を行っており、簡単な構
造で大幅にコストの低減や小型軽量化を図ることができ
る。
【0055】
【発明の実施の形態】図1には本発明の第1の実施の形
態に係る電動パワーステアリング装置10の全体構成が
概略的に正面図にて示されている。
【0056】電動パワーステアリング装置10では、転
舵棒12を備えている。この転舵棒12にはラックギヤ
14が設けられており、さらに、ナックルアームに連結
されたタイロッド(共に図示省略)を介して転舵輪に連
結されている。これにより、転舵棒12は軸線方向に移
動することによって転舵輪を転舵することができる。ま
た、電動パワーステアリング装置10は、操舵出力軸1
6及び操舵入力軸18を備えている。操舵出力軸16
は、転舵棒12と略直交して配置されており、その先端
にはピニオン20が設けられて転舵棒12のラックギヤ
14に噛み合っている。このため、操舵出力軸16が回
転することにより転舵棒12が軸線方向に移動される構
成である。また、操舵出力軸16には、ピニオン20の
近傍にギヤ22が一体に設けられている。一方、操舵入
力軸18は、操舵出力軸16と同軸的に配置されてお
り、中間部にはギヤ24が一体に設けられている。この
操舵入力軸18には、図示しないステアリングホイール
が取り付けられている。
【0057】操舵入力軸18と操舵出力軸16との間に
は、モータ26が配置されている。ここで、図2にはこ
のモータ26の詳細が断面図にて示されており、図3に
はこのモータ26の主要部の構成が模式的に示されてい
る。
【0058】モータ26は、モータ出力軸28を有する
回転子30を備えている。この回転子30のモータ出力
軸28は、ハウジング32に軸受34によって回転自在
でかつ軸線方向に移動可能に支持されている。また、モ
ータ出力軸28の先端部はハウジング32から外方へ突
出されており、ピニオン36が取り付けられている。こ
のピニオン36は、操舵出力軸16のギヤ22に噛み合
っている。このため、モータ26の回転子30が回転す
ると、この回転力はピニオン36及びギヤ22を介して
操舵出力軸16へ伝達される構成である。
【0059】また、回転子30のコア部38は、一端側
(軸受34の側)から他端側へ向けて次第に拡径して全
体として円錐台形状に形成されており、ハウジング32
の内周面に固定された固定子40に均一な隙間で対向し
ている。この場合、前述の如く回転子30(モータ出力
軸28)が軸線方向に移動することで、固定子40との
隙間が増減する構成となっている。
【0060】なお、回転子30のコア部38は、通常の
場合、薄肉板材から成るコアプレートを多数枚重ね合わ
せて構成されるが、本実施の形態においては、隣接する
複数枚(例えば、2〜3枚)毎において径寸法を同じに
構成しており、全体として若干の段付き状態で円錐台形
状に構成している。したがって、コアプレートを製作す
る際の型を全体として少なくすることができるようにな
っている。
【0061】また、モータ出力軸28の先端部に対応す
るハウジング32には、反力バネ42が設けられてお
り、常にモータ出力軸28を押圧付勢している。一方、
図3にも模式的に示す如く、回転子30の他端側にはコ
ンミテータ44が設けられており、さらに、コンミテー
タ44にはこれに対向してハウジング32に設けられた
一対のブラシ46、ブラシ48がそれぞれ摺接してい
る。また、コンミテータ44の側方には、通電切換機構
を構成する一対の給電リング50、給電リング52が隣
接して配置されている。各給電リング50、52は互い
に電気的に独立しており、回転子30と一体的に回転す
る。各給電リング50、52には、給電ターミナル5
4、給電ターミナル56がそれぞれ電気的に独立して接
続されており、共に給電リング52の側方へ延出されて
いる。また、これらの給電リング50、52には、ハウ
ジング32に設けられたブラシ58、ブラシ60がそれ
ぞれ摺接している。さらに、一方のブラシ58はブラシ
46に接続されており、他方のブラシ60はブラシ48
に接続されている。これにより、給電ターミナル54は
一方の給電リング50、一方のブラシ58及びブラシ4
6を介してコンミテータ44に電気的に接続され、ま
た、給電ターミナル56は他方の給電リング52、他方
のブラシ60及びブラシ48を介してコンミテータ44
に電気的に接続されている。
【0062】一方、ハウジング32の他端部(軸受34
と反対側端部)には、軸受62によってモータ入力軸6
4が回転自在に支持されている。モータ入力軸64は、
回転子30のモータ出力軸28と同軸的で相対回転可能
に配置されており、先端部はハウジング32の外方に突
出されてピニオン66が取り付けられている。このピニ
オン66は、操舵入力軸18のギヤ24に噛み合ってい
る。このため、操舵入力軸18が操舵(回転)される
と、これに伴ってモータ入力軸64が回転される構成で
ある。
【0063】モータ入力軸64の他端部(ピニオン66
と反対側端部)には、移動手段としてのカム機構部68
が設けられている。カム機構部68は、モータ入力軸6
4に設けられた立体カム70と、モータ出力軸28に設
けられたカムフォロア72とによって構成されている。
立体カム70はU字形に切欠かれて形成されており、こ
の立体カム70内にカムフォロア72が入り込んでい
る。このため、モータ入力軸64と共に立体カム70が
回転すると、カムフォロア72が立体カム70の傾斜面
を登り上がり、操舵入力軸18の操舵トルク(モータ入
力軸64の回転トルク)に応じてモータ出力軸28(す
なわち、回転子30)が軸線方向に移動される構成であ
る。
【0064】なお、前記カム機構部68の構成として
は、既に本出願人が特願平5−117329号、あるい
は特願平5−49168号等に詳細に提案したものが適
用可能である。
【0065】また、立体カム70(換言すれば、モータ
入力軸64)には、図3にも模式的に示す如く、通電切
換機構を構成する一対の給電リング74、給電リング7
6が隣接して設けられている。各給電リング74、76
は互いに電気的に独立しており、モータ入力軸64と一
体的に回転する。また、各給電リング74、76には、
一対の+給電接点78A、78Bと、一対の−給電接点
80A、80Bがそれぞれ電気的に独立して接続されて
いる。図4に詳細に示す如く、これらの一対の+給電接
点78A、78Bと、一対の−給電接点80A、80B
は、前述した給電リング52の側方に延出する給電ター
ミナル54、56に対応しており、+給電接点78Aと
−給電接点80Bが給電ターミナル56を挟むようにし
て対向しており、また、+給電接点78Bと−給電接点
80Aが給電ターミナル54を挟むようにして対向して
いる。
【0066】このため、給電リング74、76(すなわ
ち、モータ入力軸64)が右方向に回転した場合には、
+給電接点78Aが給電ターミナル56に接触しかつ−
給電接点80Aが給電ターミナル54に接触する状態と
なり、一方、給電リング74、76(モータ入力軸6
4)が左方向に回転した場合には、+給電接点78Bが
給電ターミナル54に接触しかつ−給電接点80Bが給
電ターミナル56に接触する状態となる構成である。
【0067】さらに、これらの給電リング74、76に
は、ハウジング32に設けられた+ブラシ82、−ブラ
シ84がそれぞれ摺接しており、さらに、これらの+ブ
ラシ82、−ブラシ84は車両に設けられた電源に電気
的に接続されている。
【0068】次に本第1の実施の形態の作用を説明す
る。上記構成の電動パワーステアリング装置10では、
転舵棒12に連結された操舵出力軸16はモータ26の
回転子30のモータ出力軸28に連結されており、ま
た、ステアリングホイールが取り付けられる操舵入力軸
18はモータ入力軸64に連結されている。
【0069】ここで、ステアリングホイール(操舵入力
軸18)が操舵されると、操舵トルクに応じてモータ2
6が作動される。
【0070】例えば、ステアリングホイール(操舵入力
軸18)が右切り方向に操舵されると、この操舵直後に
おいては、転舵棒12(すなわち、タイヤ側)の抵抗が
大きいため転舵棒12(モータ出力軸28)は不動であ
る。このため、操舵入力軸18に連結されたモータ入力
軸64の操舵トルクに応じて、モータ入力軸64と共に
立体カム70が回転する。立体カム70が回転すると、
カムフォロア72が立体カム70の傾斜面を登り上が
り、操舵入力軸18の操舵トルク(モータ入力軸64の
回転トルク)に応じてモータ出力軸28(すなわち、回
転子30)が、反力バネ42の付勢力に抗して軸線方向
に移動され、固定子40との隙間(所謂、エアギャッ
プ)が減少される。さらにこの際に、図6及び図7に示
す如く、モータ入力軸64と共に給電リング74、76
が右方向に回転し、+給電接点78Aが給電ターミナル
56に接触しかつ−給電接点80Aが給電ターミナル5
4に接触する。
【0071】このため、図5及び図6に示す如く、電源
に接続された+ブラシ82、給電リング74、+給電接
点78A、給電ターミナル56、給電リング52、ブラ
シ60及びブラシ48が電気的に接続されてブラシ48
は+側となり、一方、−ブラシ84、給電リング76、
−給電接点80A、給電ターミナル54、給電リング5
0、ブラシ58及びブラシ46が電気的に接続されてブ
ラシ46は−側となる。これにより、モータ26の回転
子30が右方向に回転する。
【0072】これにより、モータ出力軸28に連結され
た操舵出力軸16へモータ26の駆動力が作用し、補助
駆動力として転舵棒12へ付与される。したがって、操
舵入力軸18(ステアリングホイール)の操舵力が軽減
される。
【0073】この場合、モータ出力軸28(すなわち、
回転子30)の軸線方向移動、すなわちカム機構部68
の作動は、操舵入力軸18に連結されたモータ入力軸6
4の操舵トルクに対応しており、回転子30は操舵トル
クに応じて固定子40に接離移動されて隙間(エアギャ
ップ)が増減するため、操舵トルクに応じてモータ26
(回転子30及び固定子40)の磁束密度(磁界の強
さ)が変化する。このため、転舵棒12へ付与される補
助駆動力(モータ26の駆動力)は、回転子30の接離
移動すなわち操舵入力軸18の操舵力に比例して増減す
ることになり(操舵トルクに応じた補助駆動力を付与す
ることができ)、従来の油圧式のパワーステアリング装
置と同様にサーボ機構として作動させることができる。
【0074】また、ステアリングホイール(操舵入力軸
18)が左右で切り換えられた場合には、通電切換機構
によってモータ26の回転子30への通電方向が切り換
えられ、モータ出力軸28の回転方向が切り換えられ
て、操舵入力軸18の操舵方向に対応できる。
【0075】すなわち、ステアリングホイール(操舵入
力軸18)が左切り方向に操舵されると、前述と同様
に、操舵入力軸18に連結されたモータ入力軸64の操
舵トルクに応じて、モータ入力軸64と共に立体カム7
0が回転する。立体カム70が回転すると、カムフォロ
ア72が立体カム70の傾斜面を登り上がり、操舵入力
軸18の操舵トルク(モータ入力軸64の回転トルク)
に応じてモータ出力軸28(すなわち、回転子30)が
軸線方向に移動される。さらにこの際に、図9及び図1
0に示す如く、モータ入力軸64と共に給電リング7
4、76が左方向に回転し、+給電接点78Bが給電タ
ーミナル54に接触しかつ−給電接点80Bが給電ター
ミナル56に接触する。
【0076】このため、図8及び図9に示す如く、電源
に接続された+ブラシ82、給電リング74、+給電接
点78B、給電ターミナル54、給電リング50、ブラ
シ58及びブラシ46が電気的に接続されてブラシ46
が+側となり、一方、−ブラシ84、給電リング76、
−給電接点80B、給電ターミナル56、給電リング5
2、ブラシ60及びブラシ48が電気的に接続されてブ
ラシ48が−側となる。これにより、モータ26の回転
子30への通電方向が切り換えられ、回転子30が左方
向に回転する。
【0077】これにより、モータ出力軸28に連結され
た操舵出力軸16へモータ26の駆動力が作用し、補助
駆動力として転舵棒12へ付与される。したがって、操
舵入力軸18(ステアリングホイール)の操舵力が軽減
される。
【0078】この場合にも、前述と同様に、モータ出力
軸28(すなわち、回転子30)の軸線方向移動、すな
わちカム機構部68の作動は、操舵入力軸18に連結さ
れたモータ入力軸64の操舵トルクに対応しており、回
転子30は操舵トルクに応じて固定子40に接離移動さ
れて隙間(エアギャップ)が増減するため、操舵トルク
に応じてモータ26(回転子30及び固定子40)の磁
束密度(磁界の強さ)が変化する。このため、転舵棒1
2へ付与される補助駆動力(モータ26の駆動力)は、
回転子30の接離移動すなわち操舵入力軸18の操舵力
に比例して増減することになり、従来の油圧式のパワー
ステアリング装置と同様にサーボ機構として作動させる
ことができる。
【0079】このように、第1の実施の形態に係る電動
パワーステアリング装置10では、操舵トルクに応じ
て、カム機構部68によってモータ26の回転子30を
固定子40に接離移動させて磁束密度を変化させること
により、ステアリングホイール(操舵入力軸18)の操
舵トルクに応じたモータ26の駆動制御を行っており、
操舵力の補助を良好に行うことができる。さらに、従来
の如きトルクセンサやモータコントローラ等を必要とし
ない簡単な構造であり、大幅にコストの低減や小型軽量
化を図ることができる。
【0080】次に、本発明の他の実施の形態を説明す
る。なお、前記第1の実施の形態と基本的に同一の部品
には前記第1の実施の形態と同一の符号を付与しその説
明を省略する。
【0081】図11には本発明の第2の実施の形態に係
る電動パワーステアリング装置90の主要部の構成が平
断面図にて示されている。また、図12には図11の1
2−12線に沿った電動パワーステアリング装置90の
断面図にて示されており、図13には図12の13−1
3線に沿った電動パワーステアリング装置90の断面図
が示されている。
【0082】電動パワーステアリング装置90では、基
本的には前述した第1の実施の形態に係る電動パワース
テアリング装置10と同様の構成であるが、操舵入力軸
18と操舵出力軸16との間には、モータ92が配置さ
れている。モータ92は、モータ出力軸94を有する回
転子96を備えている。この回転子96のモータ出力軸
94は、ハウジング98に軸受100及び軸受102に
よって回転自在に支持されている。また、モータ出力軸
94の先端部はハウジング98から外方へ突出されてお
り、ピニオン104が形成されている。このピニオン1
04は、操舵出力軸16のギヤ22に噛み合っている。
このため、モータ92の回転子96が回転すると、この
回転力はピニオン104及びギヤ22を介して操舵出力
軸16へ伝達される構成である。
【0083】一方、回転子96の外方のハウジング98
の内周面には、一対の固定子106A、固定子106B
が配置されている。固定子106A、106Bは、回転
子96を挟み込む状態で互いに対向して配置されてお
り、互いに平行に接離する方向すなわち回転子96に対
し半径方向に沿って相対接離移動可能に設けられてい
る。
【0084】また、固定子106Aと固定子106Bと
の間には、移動手段としての上下一対のカムプレート1
08が配置されている。カムプレート108は略三角形
状の板材で、それぞれ固定子106Aと固定子106B
との間に複数のボールベアリング110を介在した状態
で対向して配置されており、軸線方向に移動することに
より固定子106Aと固定子106Bに係合してこれら
の固定子106Aと固定子106Bを互いに接離する方
向すなわち回転子96に対し半径方向に沿って相対接離
移動させることができる。したがって、固定子106A
と固定子106Bを互いに接離移動することで、回転子
96との隙間が増減する構成となっている。
【0085】カムプレート108の先端部には、作動プ
レート112が連結されている。作動プレート112は
その基端部がモータ出力軸94の外周にスライド可能に
設けられており、先端部がカムプレート108に連結さ
れている。このため、作動プレート112がモータ出力
軸94に沿ってスライドすることにより、カムプレート
108が軸線方向に移動されるようになっている。
【0086】一方、軸受102によって支持されたモー
タ出力軸94の軸芯部分には、モータ入力軸114が配
置されている。モータ入力軸114は、モータ出力軸9
4の軸芯部分に一対の軸受116、118によって、モ
ータ出力軸94と同軸的に相対回転可能でかつ軸線方向
に移動可能に配置されており、先端部にはピニオン12
0が形成されている。このピニオン120は、操舵入力
軸18のギヤ24に噛み合っている。このため、操舵入
力軸18が操舵(回転)されると、これに伴ってモータ
入力軸114が回転される。また、モータ入力軸114
のピニオン120とモータ出力軸94のピニオン104
との間には、反力バネ122が設けられており、常にモ
ータ入力軸114を押圧付勢している。
【0087】モータ入力軸114の他端部(ピニオン1
20と反対側端部)には、移動手段としてのカム機構部
124が設けられている。カム機構部124は、前述し
た第1実施の形態に係る電動パワーステアリング装置1
0のカム機構部68と基本的に同一の構成であり、さら
に、作動レバー126が設けられている。この作動レバ
ー126は、前述した作動プレート112に連結されて
おり、操舵入力軸18の操舵トルク(モータ入力軸11
4の回転トルク)に応じたカム機構部124の作動によ
り揺動されて、作動プレート112をモータ出力軸94
に沿ってスライドさせることができる構成である。
【0088】なお、モータ92の回転子96のコンミテ
ータ97への通電方向を切り換える通電切換機構は、前
述した第1の実施の形態の電動パワーステアリング装置
10と同様の構成であるため、その説明は省略する。
【0089】次に本第2の実施の形態の作用を説明す
る。上記構成の電動パワーステアリング装置90では、
転舵棒12に連結された操舵出力軸16はモータ92の
回転子96のモータ出力軸94に連結されており、ま
た、ステアリングホイールが取り付けられる操舵入力軸
18はモータ入力軸114に連結されている。
【0090】ここで、ステアリングホイール(操舵入力
軸18)が操舵されると、操舵トルクに応じてモータ9
2が作動される。
【0091】例えば、ステアリングホイール(操舵入力
軸18)が右切り方向に操舵されると、この操舵直後に
おいては、転舵棒12(すなわち、タイヤ側)の抵抗が
大きいため転舵棒12(モータ出力軸94)は不動であ
る。このため、操舵入力軸18に連結されたモータ入力
軸114の操舵トルクに応じて、カム機構部124が作
動し、作動レバー126が揺動されて作動プレート11
2がモータ出力軸94に沿ってスライドされる。このた
め、作動プレート112に連結されたカムプレート10
8が軸線方向移動され、このカムプレート108によっ
て固定子106A及び固定子106Bが押圧される。こ
れにより、固定子106Aと固定子106Bが互いに接
離する方向すなわち回転子96に対し半径方向に沿って
移動され、図14に示す如く、回転子96との隙間(エ
アギャップ)が減少される。さらにこの際に、前記第1
実施の形態と同様に通電切換機構が作動して回転子96
に通電され、回転子96が右方向に回転する。
【0092】これにより、モータ出力軸94に連結され
た操舵出力軸16へモータ92の駆動力が作用し、補助
駆動力として転舵棒12へ付与される。したがって、操
舵入力軸18(ステアリングホイール)の操舵力が軽減
される。
【0093】この場合、カムプレート108による固定
子106Aと固定子106Bの接離移動は、操舵入力軸
18に連結されたモータ入力軸114の操舵トルクに対
応しており、カムプレート108は操舵トルクに応じて
移動して固定子106Aと固定子106Bが接離移動さ
れて回転子96との隙間が増減するため、操舵トルクに
応じてモータ92(回転子96及び固定子106Aと固
定子106B)の磁束密度(磁界の強さ)が変化する。
このため、転舵棒12へ付与される補助駆動力(モータ
92の駆動力)は、固定子106Aと固定子106Bの
接離移動すなわち操舵入力軸18の操舵力に比例して増
減することになり、従来の油圧式のパワーステアリング
装置と同様にサーボ機構として作動させることができ
る。
【0094】また、ステアリングホイール(操舵入力軸
18)が左右で切り換えられた場合には、前記第1の実
施の形態と同様に通電切換機構によってモータ92の回
転子96への通電方向が切り換えられ、モータ出力軸9
4の回転方向が切り換えられて、操舵入力軸18の操舵
方向に対応できる。
【0095】このように、第2の実施の形態に係る電動
パワーステアリング装置90では、固定子106Aと固
定子106Bに対向して配置されたカムプレート108
と、カムプレート108とモータ入力軸114との間に
設けられた作動プレート112及び作動レバー126を
含んで構成されるカム機構部124とによって、操舵ト
ルクに応じて固定子106Aと固定子106Bを回転子
96に接離移動させて磁束密度を変化させることによ
り、ステアリングホイール(操舵入力軸18)の操舵ト
ルクに応じたモータ92の駆動制御を行っており、簡単
な構造で大幅にコストの低減や小型軽量化を図ることが
できる。
【0096】さらに、電動パワーステアリング装置90
では、固定子106Aと固定子106Bとの間に配置さ
れたカムプレート108の形状(あるいは、固定子10
6Aと固定子106Bのカムプレート108係合部分の
形状)を適宜設定することにより、操舵トルクとモータ
92の駆動トルク(磁束密度)との関係を任意に変更す
ることができる。
【0097】なお、本第2の実施の形態に係る電動パワ
ーステアリング装置90においては、一対の固定子10
6A、106Bが共に接離移動する構成(回転子96に
対し半径方向に沿って平行に相対接離移動する構成)と
したが、これに限らず、固定子106A及び固定子10
6Bのうち何れか一方のみを回転子96に対し相対接離
移動させる構成としてもよい。この場合であっても、操
舵トルクに応じて磁束密度を変化させることにより、ス
テアリングホイール(操舵入力軸18)の操舵トルクに
応じたモータ92の駆動制御を実施でき、簡単な構造で
大幅にコストの低減や小型軽量化を図ることができる。
【0098】次に、図15には本発明の第3の実施の形
態に係る電動パワーステアリング装置130の主要部の
構成が平断面図にて示されている。また、図16には図
15の16−16線に沿った電動パワーステアリング装
置130の断面図にて示されている。
【0099】電動パワーステアリング装置130では、
基本的には前述した第2の実施の形態に係る電動パワー
ステアリング装置90と同様の構成であるが、操舵入力
軸18と操舵出力軸16との間には、モータ132が配
置されている。
【0100】このモータ132では、回転子134の外
方に対向して配置された固定子136A、固定子136
Bは、それぞれヒンジ138によって支持されており、
このヒンジ138周りに回転可能となっている。固定子
136A、136Bは、ヒンジ138周りに互いに接離
する方向に回転することで、回転子134に対し半径方
向に沿って相対接離移動する構成である。
【0101】また、固定子136Aと固定子136Bと
の間には、移動手段としての上下一対のカムプレート1
40が配置されている。このカムプレート140は、前
述した第2実施の形態に係るカムプレート108と同様
の構成であり、軸線方向に移動することにより固定子1
36Aと固定子136Bに係合してこれらの固定子13
6Aと固定子136Bをヒンジ138周りに回転させる
ことができる。
【0102】カムプレート140の先端部には、作動プ
レート142が連結されている。作動プレート142は
その基端部がモータ入力軸144の外周に固定されてお
り、先端部がカムプレート140に連結されている。こ
のため、作動プレート142がモータ入力軸144と共
に移動することにより、カムプレート140が軸線方向
に移動されるようになっている。
【0103】また、回転子134のモータ入力軸144
の先端部には、前記第2の実施の形態に係るモータ13
2のピニオン120に代えて、移動手段として傘歯車機
構を構成する傘歯車146が取り付けられている。この
傘歯車146は、操舵入力軸18に設けられ同様に傘歯
車機構を構成する傘歯車148に噛み合っている。この
ため、操舵入力軸18が回転すると、この回転に起因す
るスラスト力によってモータ入力軸144が軸線方向に
移動される構成である。また、モータ入力軸144の軸
芯部分(モータ出力軸150の周囲)には反力バネ15
2が設けられており、常にモータ入力軸144を押圧付
勢している。さらに、モータ出力軸150の先端部に
は、傘歯車154が取り付けられており、操舵出力軸1
6に設けられた傘歯車156に噛み合っている。また、
この操舵出力軸16は操舵入力軸18と同一軸線上に配
置されており、操舵出力軸16と操舵入力軸18との間
には図示を省略したマニアル(機械的)ストッパが設け
られて軸の回転角度を規制している。
【0104】なお、モータ132の回転子134への通
電方向を切り換える通電切換機構は、前述した第1の実
施の形態の電動パワーステアリング装置10と同様の構
成であるため、その説明は省略する。
【0105】次に本第3の実施の形態の作用を説明す
る。上記構成の電動パワーステアリング装置130で
は、固定子136A及び固定子136Bの回転子134
に対する接離移動は、カムプレート140と傘歯車機構
(傘歯車146及び傘歯車148)によって行われる。
【0106】すなわち、例えばステアリングホイール
(操舵入力軸18)が右切り方向に操舵されると、この
操舵直後においては、転舵棒12(タイヤ側)の抵抗が
大きいため転舵棒12(モータ出力軸150)は不動で
ある。このため、操舵入力軸18の回転に起因し傘歯車
146と傘歯車148に生じるスラスト力によって、操
舵入力軸18の操舵トルクに応じて、モータ入力軸14
4が反力バネ152の付勢力に抗して軸線方向に移動さ
れる。これにより、作動プレート142がモータ入力軸
144と共に移動されて、カムプレート140がスライ
ドされる。このため、固定子136A及び固定子136
Bがそれぞれヒンジ138周りに回転され、回転子13
4に対し半径方向に沿って移動される。これにより、固
定子136A及び固定子136Bと回転子134との隙
間(エアギャップ)が減少される。さらにこの際に、前
記第1実施の形態と同様に通電切換機構が作動して回転
子134に通電され、回転子134が右方向に回転す
る。
【0107】これにより、モータ出力軸150に連結さ
れた操舵出力軸16へモータ132の駆動力が作用し、
補助駆動力として転舵棒12へ付与される。したがっ
て、操舵入力軸18(ステアリングホイール)の操舵力
が軽減される。
【0108】この場合、カムプレート140による固定
子136Aと固定子136Bの接離移動は、操舵入力軸
18に連結されたモータ入力軸144の操舵トルクに対
応しており、カムプレート140は操舵トルクに応じて
移動して固定子136A及び固定子136Bが回転され
て回転子134との隙間が増減するため、操舵トルクに
応じてモータ132(回転子134と固定子136A及
び固定子136B)の磁束密度(磁界の強さ)が変化す
る。このため、転舵棒12へ付与される補助駆動力(モ
ータ132の駆動力)は、固定子136A及び固定子1
36Bの接離移動すなわち操舵入力軸18の操舵力に比
例して増減することになり、従来の油圧式のパワーステ
アリング装置と同様にサーボ機構として作動させること
ができる。
【0109】また、ステアリングホイール(操舵入力軸
18)が左右で切り換えられた場合には、前記第1の実
施の形態と同様に通電切換機構によってモータ132の
回転子134への通電方向が切り換えられ、モータ出力
軸150の回転方向が切り換えられて、操舵入力軸18
の操舵方向に対応できる。
【0110】このように、第3の実施の形態に係る電動
パワーステアリング装置130では、固定子136A及
び固定子136Bに対向して配置されモータ入力軸14
4に連結されたカムプレート140と、モータ入力軸1
44と操舵入力軸18との間に設けられた傘歯車機構
(傘歯車146及び傘歯車148)とによって、操舵ト
ルクに応じて固定子136Aと固定子136Bを回転子
134に接離移動させて磁束密度を変化させることによ
り、ステアリングホイール(操舵入力軸18)の操舵ト
ルクに応じたモータ132の駆動制御を行っており、簡
単な構造で大幅にコストの低減や小型軽量化を図ること
ができる。
【0111】さらに、電動パワーステアリング装置13
0では、固定子136Aと固定子136Bとの間に配置
されたカムプレート140の形状(あるいは、固定子1
36Aと固定子136Bのカムプレート140係合部分
の形状)を適宜設定することにより、操舵トルクとモー
タ132の駆動トルク(磁束密度)との関係を任意に変
更することができる。
【0112】なお、本第3の実施の形態に係る電動パワ
ーステアリング装置130においては、一対の固定子1
36A、136Bが共にヒンジ138周りに回転して回
転子134に対し半径方向に沿って相対接離移動する構
成としたが、これに限らず、固定子136A及び固定子
136Bのうち何れか一方のみを回転子134に対し相
対接離移動させる構成としてもよい。この場合であって
も、操舵トルクに応じて磁束密度を変化させることによ
り、ステアリングホイール(操舵入力軸18)の操舵ト
ルクに応じたモータ132の駆動制御を実施でき、簡単
な構造で大幅にコストの低減や小型軽量化を図ることが
できる。
【0113】次に、図17には本発明の第4の実施の形
態に係る電動パワーステアリング装置160の主要部の
構成が平断面図にて示されている。また、図18には図
17の18−18線に沿った電動パワーステアリング装
置160の断面図が示されている。
【0114】電動パワーステアリング装置160では、
基本的には前述した第3の実施の形態に係る電動パワー
ステアリング装置130と同様の構成であるが、操舵入
力軸18と操舵出力軸16との間には、モータ162が
配置されている。
【0115】このモータ162では、回転子164の外
方に対向して配置された固定子166A、固定子166
Bは、それぞれヒンジ168によって支持されており、
このヒンジ168周りに回転可能となっている。固定子
166A、固定子166Bは、ヒンジ168周りに互い
に接離する方向に回転することで、回転子164に対し
半径方向に沿って相対接離移動する構成である。
【0116】また、固定子166Aと固定子166Bと
の間には、移動手段としての上下一対のカムプレート1
70が配置されている。このカムプレート170は、前
述した第3の実施の形態に係るカムプレート140と同
様の構成であり、軸線方向に移動することにより固定子
166Aと固定子166Bに係合してこれらの固定子1
66Aと固定子166Bをヒンジ168周りに回転させ
ることができる。
【0117】カムプレート170の先端部には、作動リ
ング172が連結されている。作動リング172はモー
タ出力軸174の外周に配置されており、軸受176を
介してカムプレート170に連結支持されている。この
ため、作動リング172は、カムプレート170に対
し、モータ出力軸174の軸線周りに相対回転可能でか
つ軸線方向に沿って一体に移動する。また、作動リング
172の基端部は、モータ出力軸174の外周のスライ
ド溝178内に入り込んでいる。このため、作動リング
172は、モータ出力軸174と一体回転すると共に、
軸線方向に沿って相対的にスライド移動可能となってい
る。
【0118】一方、モータ入力軸180は、その先端部
が円筒形に形成されており、軸受182によってハウジ
ング32に支持されると共に、内部にはモータ出力軸1
74の一端部が一対の軸受184によって相対回転可能
に支持されている。また、モータ入力軸180(円筒形
部分)の外周には、図19に示す如く、螺子溝機構を構
成する螺子溝186が形成されており、さらに螺子溝1
86(作動リング172との間)にはボール188が嵌
入している。螺子溝186は、モータ入力軸180の軸
線に対し傾斜する方向に形成されており、ボール188
は螺子溝186を移動可能である。すなわち、作動リン
グ172はボール188を介在した状態でモータ入力軸
180に連結されている。これにより、作動リング17
2はモータ入力軸180に対し相対回転可能であり、さ
らに、モータ入力軸180が軸線周りに回転した場合に
は、ボール188が螺子溝186によって押圧案内され
ることにより、作動リング172が強制的に軸線方向に
移動される構成である。
【0119】また、作動リング172の両側方には、そ
れぞれ反力バネ190、192が設けられており、常に
作動リング172を中立位置に押圧付勢している。
【0120】また一方、カムプレート170に対向する
ハウジング32の内周部分には、図20乃至図22にも
模式的に示す如く、通電切換機構を構成する一対二組の
固定接点194、固定接点196が設けられている。こ
れらの固定接点194と固定接点196とは互いに対向
して配置されており、それぞれ電源に接続されている。
また、これらの固定接点194と固定接点196との間
には、通電切換機構を構成する接触子198、接触子2
00が位置している。接触子198、200は、それぞ
れカムプレート170に一体に取り付けられており、カ
ムプレート170と共に移動する。これらの接触子19
8、200は、回転子164のコンミテータ165に摺
接する一対のブラシ202、ブラシ204にそれぞれ接
続されている。これにより、各接触子198、200が
カムプレート170と共に移動することで、二組の固定
接点194、固定接点196のうち何れか一方に選択的
に接触し、回転子164(コンミテータ165)へ通電
されると共にその通電方向が切り換えられる構成であ
る。
【0121】次に本第4の実施の形態の作用を説明す
る。上記構成の電動パワーステアリング装置160で
は、固定子166A及び固定子166Bの回転子164
に対する接離移動は、カムプレート170と螺子溝機構
(作動リング172、螺子溝186及びボール188)
によって行われる。
【0122】すなわち、例えばステアリングホイール
(操舵入力軸18)が右切り方向に操舵されると、この
操舵直後においては、転舵棒12(タイヤ側)の抵抗が
大きいため転舵棒12(モータ出力軸174)は不動で
ある。このため、操舵入力軸18の回転に起因してモー
タ入力軸180が軸線周りに回転すると、ボール188
が螺子溝186によって押圧案内されて、作動リング1
72が反力バネ190の付勢力に抗して強制的にスライ
ド溝178に沿って軸線方向に移動される。これによ
り、カムプレート170が作動リング172と共にスラ
イドされる。このため、固定子166A及び固定子16
6Bがそれぞれヒンジ168周りに回転され、回転子1
64に対し半径方向に沿って移動される。これにより、
固定子166A及び固定子166Bと回転子164との
隙間(エアギャップ)が減少される。さらにこの際に、
カムプレート170がスライドされると、カムプレート
170に一体に取り付けられた接触子198、200が
カムプレート170と共に移動し、図21に示す如く一
方の固定接点194に接触して、回転子164(コンミ
テータ165)へ通電される。
【0123】これにより、回転子164が右方向に回転
し、モータ出力軸174に連結された操舵出力軸16へ
モータ162の駆動力が作用して、補助駆動力として転
舵棒12へ付与される。したがって、操舵入力軸18
(ステアリングホイール)の操舵力が軽減される。
【0124】この場合、カムプレート170による固定
子166Aと固定子166Bの接離移動は、操舵入力軸
18に連結されたモータ入力軸180の操舵トルクに対
応しており、カムプレート170は操舵トルクに応じて
移動して固定子166A及び固定子166Bが回転され
て回転子164との隙間が増減するため、操舵トルクに
応じてモータ162(回転子164と固定子166A及
び固定子166B)の磁束密度(磁界の強さ)が変化す
る。このため、転舵棒12へ付与される補助駆動力(モ
ータ162の駆動力)は、固定子166A及び固定子1
66Bの接離移動すなわち操舵入力軸18の操舵力に比
例して増減することになり、従来の油圧式のパワーステ
アリング装置と同様にサーボ機構として作動させること
ができる。
【0125】また、ステアリングホイール(操舵入力軸
18)が左右で切り換えられた場合には、モータ入力軸
180の回転に伴って、ボール188が螺子溝186に
よって前述とは逆向きに押圧案内されて、作動リング1
72が反力バネ192の付勢力に抗して強制的に前述と
は逆向きに移動される。これにより、カムプレート17
0が作動リング172と共にスライドされ、接触子19
8、200がカムプレート170と共に移動して、図2
2に示す如く他方の固定接点196に接触し、回転子1
64(コンミテータ165)へ通電される。
【0126】これにより、回転子164が左方向に回転
し、モータ出力軸174に連結された操舵出力軸16へ
モータ162の駆動力が作用して、補助駆動力として転
舵棒12へ付与される。したがって、操舵入力軸18
(ステアリングホイール)の操舵力が軽減される。
【0127】このように、第4実施の形態に係る電動パ
ワーステアリング装置160では、固定子166A及び
固定子166Bに対向して配置されモータ入力軸180
に連結されたカムプレート170と、モータ入力軸18
0とカムプレート170との間に設けられた螺子溝機構
(作動リング172、螺子溝186及びボール188)
とによって、操舵トルクに応じて固定子166Aと固定
子166Bを回転子164に接離移動させて磁束密度を
変化させることにより、ステアリングホイール(操舵入
力軸18)の操舵トルクに応じたモータ132の駆動制
御を行うと共に、螺子溝機構の作動により二組の固定接
点194、固定接点196に選択的に接触する接触子1
98、200によって通電方向の切り換え制御を行って
おり、簡単な構造で大幅にコストの低減や小型軽量化を
図ることができる。
【0128】さらに、この電動パワーステアリング装置
160においても、固定子166Aと固定子166Bと
の間に配置されたカムプレート170の形状(あるい
は、固定子166Aと固定子166Bのカムプレート1
70係合部分の形状)を適宜設定することにより、操舵
トルクとモータ162の駆動トルク(磁束密度)との関
係を任意に変更することができる。
【0129】なお、本第4実施の形態に係る電動パワー
ステアリング装置160においても、固定子166A及
び固定子166Bのうち何れか一方のみを回転子164
に対し相対接離移動させる構成とすることができる。こ
の場合であっても、操舵トルクに応じて磁束密度を変化
させることにより、ステアリングホイール(操舵入力軸
18)の操舵トルクに応じたモータ162の駆動制御を
実施でき、簡単な構造で大幅にコストの低減や小型軽量
化を図ることができる。
【0130】次に、図23には本発明の第5の実施の形
態に係る電動パワーステアリング装置210の主要部の
構成が平断面図にて示されている。また、図24(A)
及び図24(B)には図23の24−24線に沿った電
動パワーステアリング装置210の断面図が示されてい
る。
【0131】電動パワーステアリング装置210では、
基本的には前述した第1の実施の形態に係る電動パワー
ステアリング装置10と同様の構成であるが、操舵入力
軸18と操舵出力軸16との間には、モータ212が配
置されている。
【0132】このモータ212では、回転子214及び
磁極子216を備えている。回転子214のコア部21
5は全体として円錐台形状に形成されており、磁極子2
16に均一な隙間で対向している。この場合、前述の如
く回転子214(モータ出力軸218)が軸線方向に移
動することで、磁極子216との隙間が増減する構成と
なっている。
【0133】一方、磁極子216は、軸受220、22
2を介してハウジング32の内周壁に支持されており、
モータ軸線周りに回転可能となっている。図24(A)
及び図24(B)に示す如く、磁極子216の外周には
一対の突起224が突出形成されており、また、ハウジ
ング32の内周壁には一対のストッパ226が突起22
4に対応して突出形成されている。これにより、磁極子
216の回転可能範囲が略180度に制限されている。
また、軸受220、222を介して支持された磁極子2
16とハウジング32の内周壁との間には隙間が設けら
れており、この空間がエアダンパ部228を構成してい
る。さらに、磁極子216(エアダンパ部228)に対
応するハウジング32には内外を連通するスリット23
0が形成されており、所定のダンピング特性が得られる
ように設定されている。
【0134】一方、回転子214の他端側(モータ出力
軸218)にはコンミテータ232が設けられており、
さらに、コンミテータ232にはこれに対向してハウジ
ング32に設けられた一対のブラシ234、ブラシ23
6がそれぞれ摺接している。ブラシ234、ブラシ23
6は車両に設けられた電源に電気的に接続されている。
【0135】なお、モータ入力軸238とモータ出力軸
218との間に設けられた移動手段としてのカム機構部
68は、前述した第1の実施の形態の電動パワーステア
リング装置10と同様の構成であるため、その説明は省
略する。
【0136】上記構成の電動パワーステアリング装置2
10では、操舵トルクに応じた移動手段(カム機構部6
8)の作動によって、モータ212の駆動制御が行なわ
れる。
【0137】さらにここで、操舵入力軸18が左右で切
り換えられた際に、モータ212の磁極子216と回転
子214の極相関係が操舵入力軸18の操舵方向に対応
していない場合には、モータ212の磁極子216は、
回転子214との極相関係が最も安定した(効率の良
い)位置関係となるように移動しようとする。このた
め、図24(A)及び図24(B)に相互に示す如く、
磁極子216が回転して回転子214との位置関係が変
更され、磁極子216と回転子214の極相関係が操舵
入力軸18の操舵方向に対応する。また、パワーステア
リング装置210では、ハウジング32と磁極子216
との間に設けられたエアダンパ部228によって、モー
タ212の回転開始時の突入トルクが吸収される。この
ため、ステアリングの巻き込みを防止できる。さらにこ
の場合、ハウジング32に形成されたスリット230の
形状や個数を好適に調整(設定)することにより、エア
ダンパ部228のダンピング特性(減衰力)を最適に設
定することができる。
【0138】このように、第5実施の形態に係る電動パ
ワーステアリング装置210では、操舵トルクに応じて
モータ212の回転子214を磁極子に接離移動させて
磁束密度を変化させることにより、ステアリングホイー
ル(操舵入力軸18)の操舵トルクに応じたモータ21
2の駆動制御を行っており、操舵力の補助を良好に行う
ことができる。さらに、左右の操舵入力に応じたモータ
212への通電切換機構(スイッチ等)を用いること無
く、操舵入力軸18の操舵方向に対応して作動すること
ができ、簡単な構造で大幅にコストの低減や小型軽量化
を図ることができる。
【0139】次に、図25には本発明の第6の実施の形
態に係る電動パワーステアリング装置240の主要部の
構成が平断面図にて示されている。
【0140】電動パワーステアリング装置240では、
基本的には前述した第5の実施の形態に係る電動パワー
ステアリング装置210と同様の構成であるが、操舵入
力軸18と操舵出力軸16との間には、モータ242が
配置されている。
【0141】このモータ242では、回転子244及び
固定子246を備えている。回転子244に均一な隙間
で対向する固定子246は、前記第5の実施の形態と異
なり、ハウジング32に固定されている。また、回転子
244(モータ出力軸248)の他端側にはコンミテー
タ250が設けられており、さらに、コンミテータ25
0にはこれに対向してハウジング32に設けられた一対
のブラシ252、ブラシ254がそれぞれ摺接してい
る。これらのブラシ252、ブラシ254は、通電切換
制御手段を構成する電流切替スイッチ256に接続され
ている。
【0142】電流切替スイッチ256には、通電切換制
御手段を構成する操舵方向検出用のトルクセンサ258
が接続されており、操舵入力軸18の操舵方向を検出で
きる。
【0143】なお、本第6の実施の形態においても、モ
ータ入力軸260とモータ出力軸248との間に設けら
れた移動手段としてのカム機構部68は、前述した第1
の実施の形態の電動パワーステアリング装置10と同様
の構成であるため、その説明は省略する。
【0144】上記構成の電動パワーステアリング装置2
40では、操舵トルクに応じた移動手段(カム機構部6
8)の作動によって、モータ242の駆動制御が行なわ
れる。
【0145】さらにここで、操舵入力軸18が左右で切
り換えられた場合には、これがトルクセンサ258によ
って検出され、これに基づいて電流切替スイッチ256
が作動してモータ242の回転子244への通電方向が
切り換えられる。これにより、モータ出力軸248の回
転方向が切り換えられて、操舵入力軸18の操舵方向に
対応できる。
【0146】なお、前記第6の実施の形態に係る電動パ
ワーステアリング装置240においては、モータ242
が所謂ブラシモータとされる構成としたが、これに限ら
ず、例えば図26に示すモータ262の如く、ブラシレ
スモータとする構成としてもよい。このモータ262で
は、回転子264及び固定子266を備えている。回転
子264は磁石とされており、一方、回転子264に均
一な隙間で対向する固定子266は電磁石とされてハウ
ジング32に固定されている。固定子266には、通電
切換制御手段を構成するコントローラ268が接続され
ている。さらに、コントローラ268には通電切換制御
手段を構成する操舵方向検出用のトルクセンサ269が
接続されており、操舵入力軸18の操舵方向を検出でき
る。
【0147】このモータ262を用いた場合において
も、操舵入力軸18の左右の操舵方向がトルクセンサ2
69によって検出され、これに基づいてコントローラ2
68によって固定子266への通電方向が切り換えられ
る。これにより、操舵入力軸18の操舵方向に対応でき
る。
【0148】次に、図27には本発明の第7の実施の形
態に係る電動パワーステアリング装置270の主要部の
構成が平断面図にて示されている。
【0149】電動パワーステアリング装置270では、
操舵入力軸18と操舵出力軸16との間には、モータ2
72が配置されている。モータ272は、基本的には前
述した第6の実施の形態に係る電動パワーステアリング
装置210のモータ244と同様の構成であり、さら
に、モータ入力軸274は一対の傘羽車276、278
を介して操舵入力軸18に連結されている。
【0150】一方、モータ出力軸280の先端部には傘
羽車282がスプライン結合(図示省略)されており、
モータ出力軸280と傘羽車282は一体回転すると共
に軸線方向には相対移動可能となっている。この傘羽車
282は、一対の傘羽車284、傘羽車286に噛み合
っている。
【0151】傘羽車284及び傘羽車286は、互いに
対向して同軸的に配置されており、それぞれ傘羽車28
2に噛み合っている。このため、傘羽車282が一方向
に回転した場合に、傘羽車284と傘羽車286は互い
に反対向きに回転される構成である。これらの傘羽車2
84及び傘羽車286の軸心部分にはシャフト288が
貫通されており、さらに、シャフト288はキー290
を介して操舵出力軸16に連結されている。このため、
シャフト288は操舵出力軸16に対し、一体回転する
と共に軸線方向に沿って相対移動可能である。このシャ
フト288の先端部及び中間部には、傘羽車284及び
傘羽車286にそれぞれ対応してクラッチ292、クラ
ッチ294が設けられている。これらのクラッチ29
2、クラッチ294は、何れか一方が作動することで、
傘羽車284及び傘羽車286の何れか一方をそれぞれ
独立してシャフト288に連結することができる構成で
ある。これらのクラッチ292、クラッチ294は、前
記操舵入力軸18の左右の回転方向に応じてそれぞれ独
立して作動する。
【0152】なお、本第7の実施の形態においても、モ
ータ入力軸274とモータ出力軸280との間に設けら
れた移動手段としてのカム機構部68は、前述した第1
の実施の形態の電動パワーステアリング装置10と同様
の構成であるため、その説明は省略する。
【0153】上記構成の電動パワーステアリング装置2
70では、モータ272のモータ出力軸280(傘羽車
282)には、互いに同軸的に対向配置された一対の傘
歯車284及び傘羽車286がそれぞれ連結されてお
り、さらに、傘歯車284及び傘羽車286はそれぞれ
クラッチ292、クラッチ294を介して操舵出力軸1
6(シャフト288)に連結されている。このため、モ
ータ272(モータ出力軸280)が一方向に回転する
ことにより、傘歯車284と傘羽車286は操舵出力軸
16(シャフト288)に対し互いに逆方向に回転する
ことになる。
【0154】ここで、ステアリングホイール(操舵入力
軸18)が操舵されると、操舵トルクに応じてカム機構
部68が作動し、これによってモータ272の回転子2
96が固定子298に接離移動されて磁束密度が変化
し、操舵トルクに応じたモータ272の駆動制御が行な
われると共に、操舵入力軸18の操舵方向に対応する何
れか一方のクラッチが作動してモータ出力軸280が操
舵出力軸16に連結される。
【0155】例えば、ステアリングホイール(操舵入力
軸18)が右向きに操舵されると、図28(A)に示す
如く、一方のクラッチ292が作動して一方の傘羽車2
84がシャフト288(すなわち、操舵出力軸16)に
連結される。これにより、モータ出力軸280から傘羽
車282、傘羽車284、クラッチ292、及びシャフ
ト288を介して操舵出力軸16へトルクが伝達され
る。
【0156】一方、操舵入力軸18が左右で切り換えら
れた場合には、図28(B)に示す如く、他方のクラッ
チ294が作動して他方の傘羽車286がシャフト28
8(すなわち、操舵出力軸16)に連結される。これに
より、モータ出力軸280から傘羽車282、傘羽車2
86、クラッチ294、及びシャフト288を介して操
舵出力軸16へトルクが伝達される。この場合には、傘
羽車286は前述した傘羽車284とは既に逆向きに回
転されているため、モータ出力軸280から操舵出力軸
16へ伝達される出力の回転方向が切り換えられて、操
舵入力軸18の操舵方向に対応できる。
【0157】このように、第7の実施の形態に係る電動
パワーステアリング装置270では、操舵トルクに応じ
たモータ272の駆動制御を行っており、操舵力の補助
を良好に行うことができる。さらに、モータ272への
通電切換機構(スイッチ等)を用いること無く、操舵入
力軸18の左右の操舵方向に対応して作動することがで
き、簡単な構造で大幅にコストの低減や小型軽量化を図
ることができる。またこの場合、モータ272の回転子
296(モータ出力軸280)が一方向に回転するのみ
で、操舵入力軸18が左右で切り換えられた場合にも対
応することができるため(換言すれば、モータ272の
回転方向を切り換える必要が無いため)、操舵反転時に
おいても追従性が向上すると共に、省エネになる。さら
に、各クラッチ292、クラッチ294を好適に作動さ
せる(例えば、一時的に滑らせる)ことにより、モータ
272の回転開始時の突入トルクを吸収することがで
き、ステアリングの巻き込みを防止できる。
【0158】次に、図29には本発明の第8の実施の形
態に係る電動パワーステアリング装置300の主要部の
構成が平断面図にて示されている。
【0159】電動パワーステアリング装置300では、
操舵軸302を備えている。操舵軸302は、転舵棒1
2に略直交する向きに配置され軸受304によって支持
されている。この軸受304は自動調心形とされてお
り、操舵軸302はこの軸受304を支点として僅かに
揺動可能である。操舵軸302にはピニオン20が設け
られており、転舵棒12のラックギヤ14に噛み合って
いる。
【0160】また、電動パワーステアリング装置300
は、モータ306を備えている。モータ306は、基本
的には前述した第1の実施の形態に係る電動パワーステ
アリング装置10のモータ26と同様の構成であるが、
通電切換機構としての給電リング等が省略されている。
このモータ306のモータ入力軸308に設けられたピ
ニオン310は、操舵軸302に設けられたギヤ312
に噛み合っている。また、モータ306のモータ入力軸
314に設けられたピニオン316は、同様に操舵軸3
02に設けられたギヤ318に噛み合っている。
【0161】一方、操舵軸302の先端部には、これに
対応して通電切換手段としての一対のリミットスイッチ
320A、320Bが配置されている。リミットスイッ
チ320A、320Bは、操舵軸302の先端部に係合
することにより操舵軸302の操舵状態(左右の切り換
え状態)を検出し通電方向を切換可能となっている。こ
のリミットスイッチ320A、320Bには電源が接続
されると共に、モータ306のブラシ322、324に
接続されている。
【0162】なお、本第8の実施の形態においても、モ
ータ入力軸308とモータ入力軸314との間に設けら
れた移動手段としてのカム機構部68は、前述した第1
の実施の形態の電動パワーステアリング装置10と同様
の構成であるため、その説明は省略する。
【0163】第8の実施の形態に係る電動パワーステア
リング装置300では、車両直進時(すなわち、操舵軸
302が中立状態)においては、操舵軸302の先端部
は何れのリミットスイッチ320A、320Bとも非係
合状態であり、このためモータ306は不作動である。
【0164】操舵軸302が左右何れかの方向に操舵さ
れると、例えば、図29矢印A方向にて示す如く右切り
時には、操舵軸302の操舵力はピニオン20及びラッ
クギヤ14を介して転舵棒12へ伝達されて、転舵棒1
2が軸線方向(矢印B方向)に駆動され転舵輪が転舵さ
れる。
【0165】この場合、操舵軸302の操舵直後におい
ては、転舵棒12(すなわち、タイヤ側)の抵抗が大き
いため転舵棒12は不動であり、このため操舵反力によ
って操舵軸302が軸受304を支点として僅かに揺動
する。このため、操舵軸302の先端部が一方のリミッ
トスイッチ320Aに係合してリミットスイッチ320
AがONし、操舵軸302の右切り状態が検出されてモ
ータ306の回転子326へ通電され、モータ入力軸3
14が回転する。
【0166】さらに、これと同時に、操舵軸302に連
結されたモータ入力軸308の回転トルクに応じてカム
機構部68が作動し、回転子326が固定子328に対
し軸線方向に相対接離移動される。これにより、モータ
306の回転子326と固定子328との磁束密度が変
化し、ステアリングホイール(操舵軸302)の操舵ト
ルクに応じたモータ306の駆動制御が行なわれる。
【0167】一方、操舵軸302が左方向(図29矢印
Aと反対方向)に操舵されると、操舵軸302の操舵力
はピニオン20及びラックギヤ14を介して転舵棒12
へ伝達されて、転舵棒12が軸線方向(矢印Bと反対方
向)に駆動され転舵輪が転舵される。
【0168】この場合にも、操舵軸302の操舵直後に
おいては、転舵棒12(すなわち、タイヤ側)の抵抗が
大きいため転舵棒12は不動であり、このため操舵軸3
02が軸受304を支点として僅かに揺動する。このた
め、操舵軸302の先端部が他方のリミットスイッチ3
20Bに係合してリミットスイッチ320BがONし、
操舵軸302の左切り状態が検出されてモータ306の
回転子326へ通電され、モータ入力軸314が前述と
は逆向きに回転する。これにより、操舵軸302の操舵
方向に対応できる。
【0169】このように、第8の実施の形態に係る電動
パワーステアリング装置300では、操舵トルクに応じ
てモータ306の回転子326を固定子328に接離移
動させて操舵トルクに応じたモータ306の駆動制御を
行うと共に、操舵反力による操舵軸302の変位に基づ
いて回転子326への通電方向の切換を行っており、簡
単な構造で大幅にコストの低減や小型軽量化を図ること
ができる。
【0170】
【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る電動パワ
ーステアリング装置は、簡単な構造で低コストにより、
ステアリングホイールの操舵トルクに応じてモータを制
御して操舵力の補助を良好に行うことができる優れた効
果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電動パワース
テアリング装置の全体構成を示す正面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る電動パワース
テアリング装置のモータの詳細を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る電動パワース
テアリング装置のモータの主要部の構成を模式的に示す
斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る電動パワース
テアリング装置のモータの+給電接点及び−給電接点と
給電ターミナルとの対応関係を示す断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る電動パワース
テアリング装置の右切り状態におけるモータの詳細を示
す図2に対応する断面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る電動パワース
テアリング装置の右切り状態におけるモータの詳細を示
す図3に対応する斜視図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る電動パワース
テアリング装置の右切り状態におけるモータの+給電接
点及び−給電接点と給電ターミナルとの対応関係を示す
図4に対応する断面図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る電動パワース
テアリング装置の左切り状態におけるモータの詳細を示
す図5に対応する断面図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る電動パワース
テアリング装置の左切り状態におけるモータの詳細を示
す図6に対応する斜視図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る電動パワー
ステアリング装置の左切り状態におけるモータの+給電
接点及び−給電接点と給電ターミナルとの対応関係を示
す図7に対応する断面図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る電動パワー
ステアリング装置の主要部の構成を示す平断面図であ
る。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る電動パワー
ステアリング装置の主要部の構成を示す図11の12−
12線に沿った断面図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る電動パワー
ステアリング装置の主要部の構成を示す図12の13−
13線に沿った断面図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態に係る電動パワー
ステアリング装置の主要部の構成を示し電動パワーステ
アリング装置が操舵された状態における図13に対応す
る断面図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態に係る電動パワー
ステアリング装置の主要部の構成を示す平断面図であ
る。
【図16】本発明の第3の実施の形態に係る電動パワー
ステアリング装置の主要部の構成を示す図15の16−
16線に沿った断面図である。
【図17】本発明の第4の実施の形態に係る電動パワー
ステアリング装置の主要部の構成を示す平断面図であ
る。
【図18】本発明の第4の実施の形態に係る電動パワー
ステアリング装置の主要部の構成を示す図17の18−
18線に沿った断面図である。
【図19】本発明の第4の実施の形態に係る電動パワー
ステアリング装置の螺子溝の構成を示すモータ入力軸の
平面図である。
【図20】本発明の第4の実施の形態に係る電動パワー
ステアリング装置のモータの主要部の構成を模式的に示
す斜視図である。
【図21】本発明の第4の実施の形態に係る電動パワー
ステアリング装置の右切り状態におけるモータの詳細を
示す図20に対応する斜視図である。
【図22】本発明の第4の実施の形態に係る電動パワー
ステアリング装置の左切り状態におけるモータの詳細を
示す図20に対応する斜視図である。
【図23】本発明の第5の実施の形態に係る電動パワー
ステアリング装置の主要部の構成を示す平断面図であ
る。
【図24】本発明の第5の実施の形態に係る電動パワー
ステアリング装置の主要部の構成を示す図23の24−
24線に沿った断面図である。
【図25】本発明の第6の実施の形態に係る電動パワー
ステアリング装置の主要部の構成を示す平断面図であ
る。
【図26】本発明の第6の実施の形態に係る電動パワー
ステアリング装置の変形例を示す図25に対応する平断
面図である。
【図27】本発明の第7の実施の形態に係る電動パワー
ステアリング装置の主要部の構成を示す平断面図であ
る。
【図28】本発明の第7の実施の形態に係る電動パワー
ステアリング装置の作動状態における主要部の構成を示
す平面図である。
【図29】本発明の第8の実施の形態に係る電動パワー
ステアリング装置の主要部の構成を示す平断面図であ
る。
【符号の説明】
10 電動パワーステアリング装置 12 転舵棒 16 操舵出力軸 18 操舵入力軸 26 モータ 28 モータ出力軸 30 回転子 40 固定子 54 給電ターミナル(通電切換機構) 56 給電ターミナル(通電切換機構) 64 モータ入力軸 68 カム機構部(移動手段) 78A +給電接点(通電切換機構) 78B +給電接点(通電切換機構) 80A −給電接点(通電切換機構) 80B −給電接点(通電切換機構) 90 電動パワーステアリング装置 92 モータ 94 モータ出力軸 96 回転子 106A固定子 106B固定子 108 カムプレート(移動手段) 112 作動プレート(移動手段) 114 モータ入力軸 124 カム機構部(移動手段) 126 作動レバー(移動手段) 130 電動パワーステアリング装置 132 モータ 134 回転子 136A固定子 136B固定子 140 カムプレート(移動手段) 142 作動プレート(移動手段) 144 モータ入力軸 146 傘歯車(移動手段、傘歯車機構) 148 傘歯車(移動手段、傘歯車機構) 150 モータ出力軸 160 電動パワーステアリング装置 162 モータ 164 回転子 164A固定子 164B固定子 170 カムプレート(移動手段) 172 作動リング(移動手段) 174 モータ出力軸 180 モータ入力軸 186 螺子溝(螺子溝機構) 188 ボール(螺子溝機構) 194 固定接点(通電切換機構) 196 固定接点(通電切換機構) 198 接触子(通電切換機構) 200 接触子(通電切換機構) 210 電動パワーステアリング装置 212 モータ 214 回転子 216 磁極子 218 モータ出力軸 228 エアダンパ部 238 モータ入力軸 240 電動パワーステアリング装置 242 モータ 244 回転子 246 固定子 248 モータ出力軸 260 モータ入力軸 270 電動パワーステアリング装置 272 モータ 274 モータ入力軸 280 モータ出力軸 282 傘羽車 284 傘羽車 286 傘羽車 292 クラッチ 294 クラッチ 296 回転子 298 固定子 300 電動パワーステアリング装置 302 操舵軸 306 モータ 308 モータ入力軸 314 モータ出力軸 320Aリミットスイッチ(通電切換手段) 320Bリミットスイッチ(通電切換手段) 326 回転子 328 固定子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−282522(JP,A) 特開 平6−171518(JP,A) 特開 平6−321123(JP,A) 特開 平6−255508(JP,A) 特開 平6−344928(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 5/04 B62D 6/00 - 6/06 H02K 11/00 H02K 23/58

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングホイールが取り付けられる
    操舵入力軸と、 軸線周りに回転可能な左右のナックルアームに連結され
    て転舵輪を転舵するための転舵棒と、 前記転舵棒に連結され前記転舵棒を移動させるための操
    舵出力軸と、 前記操舵出力軸に連結されたモータ出力軸を有し固定子
    に対し軸線方向に沿って相対接離移動可能とされると共
    に前記相対接離移動によって前記固定子との隙間が増減
    する対向面を有した回転子と、前記回転子のモータ出力
    軸と同軸的で相対回転可能に配置され前記操舵入力軸に
    連結されたモータ入力軸と、操舵トルクに応じて前記回
    転子を前記固定子に対し軸線方向に相対接離移動させる
    移動手段と、前記モータ入力軸の左右の回転方向に応じ
    て前記回転子への通電方向を切り換える通電切換機構
    と、から成るモータと、 を備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装
    置。
  2. 【請求項2】 前記移動手段は、前記モータ入力軸と回
    転子との間に設けられ前記モータ入力軸の回転トルクに
    応じて前記回転子を移動させるカム機構とされることを
    特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装
    置。
  3. 【請求項3】 ステアリングホイールが取り付けられる
    操舵入力軸と、 軸線周りに回転可能な左右のナックルアームに連結され
    て転舵輪を転舵するための転舵棒と、 前記転舵棒に連結され前記転舵棒を移動させるための操
    舵出力軸と、 前記操舵出力軸に連結されたモータ出力軸を有する回転
    子と、前記回転子に対し半径方向に沿って相対接離移動
    可能とされた固定子と、前記回転子のモータ出力軸と同
    軸的で相対回転可能に配置され前記操舵入力軸に連結さ
    れたモータ入力軸と、操舵トルクに応じて前記固定子を
    前記回転子に対し半径方向に相対接離移動させる移動手
    段と、前記モータ入力軸の左右の回転方向に応じて前記
    回転子への通電方向を切り換える通電切換機構と、から
    成るモータと、 を備えたことを特徴とする 電動パワーステアリング装
    置。
  4. 【請求項4】 前記移動手段は、前記固定子に対向して
    配置され軸線方向に移動することにより前記固定子に係
    合して前記固定子を移動させるカムプレート と、前記カ
    ムプレートと前記モータ入力軸との間に設けられ前記モ
    ータ入力軸の回転トルクに応じて前記カムプレートを移
    動させるカム機構と、を備えることを特徴とする請求項
    3記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 【請求項5】 前記移動手段は、前記固定子に対向して
    配置されると共に前記モータ入力軸に連結され前記モー
    タ入力軸と共に移動することにより前記固定子に係合し
    て前記固定子を移動させるカムプレートと、前記モータ
    入力軸と前記操舵入力軸との間に設けられ前記操舵入力
    軸の回転トルクに応じて前記モータ入力軸を移動させる
    傘歯車機構と、を備えることを特徴とする請求項3記載
    電動パワーステアリング装置。
  6. 【請求項6】 前記移動手段は、前記固定子に対向して
    配置され軸線方向に移動することにより前記固定子に係
    合して前記固定子を移動させるカムプレートと、前記カ
    ムプレートと前記モータ入力軸との間に設けられ前記モ
    ータ入力軸の回転トルクに応じて前記カムプレートを移
    動させる螺子溝機構と、を備え、 前記通電切換機構は、前記モータの軸線方向に沿って配
    設され電源に接続された少なくとも二組の固定接点と、
    前記カムプレートに設けられ前記螺子溝機構の作動によ
    って前記カムプレートと共に移動されて前記固定接点に
    選択的に接触する接触子と、により構成される、 ことを特徴とする請求項3記載の 電動パワーステアリン
    グ装置。
  7. 【請求項7】 ステアリングホイールが取り付けられる
    操舵入力軸と、 軸線周りに回転可能な左右のナックルアームに連結され
    て転舵輪を転舵するための転舵棒と、 前記転舵棒に連結され前記転舵棒を移動させるための操
    舵出力軸と、 ハウジングに対し所定角度回転可能に設けられた磁極子
    と、前記操舵出力軸に連結されたモータ出力軸を有し前
    記磁極子に対し軸線方向に沿って相対接離移動可能とさ
    れると共に前記相対接離移動によって前記磁極子との隙
    間が増減する対向面を有した回転子と、前記回転子のモ
    ータ出力軸と同軸的で相対回転可能に配置され前記操舵
    入力軸に連結されたモータ入力軸と、操舵トルクに応じ
    て前記回転子を前記磁極子に対し軸線方向に相対接離移
    動させる移動手段と、から成るモータと、 を備えたことを特徴とする 電動パワーステアリング装
    置。
  8. 【請求項8】 前記モータは、前記ハウジングと磁極子
    との間にエアダンパを備え、前記磁極子の回転時に所定
    のトルクを吸収することを特徴とする請求項7記載の電
    動パワーステアリング装置。
  9. 【請求項9】 ステアリングホイールが取り付けられる
    操舵入力軸と、 軸線周りに回転可能な左右のナックルアームに連結され
    て転舵輪を転舵するための転舵棒と、 前記転舵棒に連結され前記転舵棒を移動させるための操
    舵出力軸と、 前記操舵出力軸に連結されたモータ出力軸を有し固定子
    に対し軸線方向に沿って相対接離移動可能とされると共
    に前記相対接離移動によって前記固定子との隙間が増減
    する対向面を有した回転子と、前記回転子のモータ出力
    軸と同軸的で相対回転可能に配置され前記操舵入力軸に
    連結されたモータ入力軸と、前記モータ入力軸の回転に
    連動して作動し操舵トルクに応じて前記回転子を前記固
    定子に対し軸線方向に相対接離移動させる移動手段と、
    から成るモータと、 前記操舵入力軸の左右の回転方向を検出しこれに応じて
    前記モータの回転子への通電方向を切り換える通電切換
    制御手段と、 を備えたことを特徴とする 電動パワーステアリング装
    置。
  10. 【請求項10】 ステアリングホイールが取り付けられ
    る操舵入力軸と、 軸線周りに回転可能な左右のナックルアームに連結され
    て転舵輪を転舵するための転舵棒と、 前記転舵棒に連結され前記転舵棒を移動させるための操
    舵出力軸と、 前記操舵出力軸に連結されたモータ出力軸を有し固定子
    に対し軸線方向に沿って相対接離移動可能とされると共
    に前記相対接離移動によって前記固定子との隙間が増減
    する対向面を有した回転子と、前記回転子のモータ出力
    軸と同軸的で相対回転可能に配置され前記操舵入力軸に
    連結されたモータ入力軸と、操舵トルクに応じて前記回
    転子を前記固定子に対し軸線方向に相対接離移動させる
    移動手段と、から成るモータと、 前記操舵出力軸とモータ出力軸との間に互いに同軸的に
    対向配置され、それぞれ前記モータ出力軸に連結された
    一対の傘歯車と、 前記一対の傘歯車のそれぞれに対応して設けられ、前記
    操舵入力軸の左右の回転方向に応じて作動して前記一対
    の傘歯車をそれぞれ独立して前記操舵出力軸に連結する
    一対のクラッチと、 を備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装
    置。
  11. 【請求項11】 軸線周りに回転可能な左右のナックル
    アームに連結されて転舵輪を転舵するための転舵棒と、 ステアリングホイールが取り付けられると共に前記転舵
    棒に連結され、操舵力を前記転舵棒へ伝達して軸線方向
    に駆動させると共に操舵反力により変位される操舵軸
    と、 前記操舵軸に連結されたモータ出力軸を有し固定子に対
    し軸線方向に沿って相対接離移動可能とされると共に前
    記相対接離移動によって前記固定子との隙間が増減する
    対向面を有した回転子と、前記回転子のモータ出力軸と
    同軸的で相対回転可能に配置され前記操舵軸に連結され
    たモータ入力軸と、操舵トルクに応じて前記回転子を前
    記固定子に対し軸線方向に相対接離移動させる移動手段
    と、から成るモータと、 前記操舵軸に対応して配置され、前記操舵軸の変位に応
    じて左右の操舵状態を検出して前記回転子への通電方向
    を切り換える通電切換手段と、 を備えたことを特徴とする 電動パワーステアリング装
    置。
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