JP3285887B2 - 中和された酸化セルロース生成物の製法およびその使用法 - Google Patents

中和された酸化セルロース生成物の製法およびその使用法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】これは1990年1月12日に提出された
米国特許出願第464,060号の一部継続出願である。
本発明は、貯蔵安定的酸化セルロース生成物の製法およ
びその使用法に関するものである。より詳細に言えば、
本発明は、中和された酸化セルロース材料を含み、酸敏
感性薬剤、生成製剤、酵素および癒着防止剤をも含む貯
蔵安定的生成物の製法に関する。中和された酸セルロー
ス布は哺乳動物の出血箇所に止血のために使われ、又は
外科的活性部位と隣接組織との間に置かれ、術後癒着を
阻止する。
【0002】ダウ(Doub) らは、米国特許第2,517,7
72号において、中和された酸化セルロース生成物への
トロンビン含浸を記載している。ダウらは、酸化セルロ
ース布を炭酸水素ナトリウム水溶液(実施例2)又は酢
酸カルシウム水溶液(実施例1)で中和する方法を開示
している。ダウらの特許の実施例2は、酸化セルロース
ガーゼを強塩基性炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、
それから中和された生成物にトロンビンを含浸させるこ
とを開示している。トロンビン含浸ガーゼはその後冷凍
され、凍結乾燥されて、申し立てによると高度に止血効
果をもつ外科用包帯が提供される。
【0003】本発明者は、炭酸水素ナトリウム水溶液を
用いて酸化セルロース布を中和すると、一部ゲル化し、
その最初の寸法からゆがんだ、一体性のほとんどない、
非常に弱い布が生じることを見いだした。その布の引張
り強さは、たとえば止血などの実際的用途には低過ぎ
る。ダウらの特許の実施例1の教示にしたがって酢酸カ
ルシウムで中和された酸化セルロース布の研究では、容
認し得る一体性をもってはいるが、接触部位の哺乳動物
皮膚及びその他の体細胞に刺激作用をもつ布が提供され
た。さらに、肉芽組織と推測される大きい白っぽい塊
(mass)が布の適用部位に生成する。見たところ、この
ような組織は酸化セルロース布のカルシウム塩を封入し
ようとしている。ダウらの特許は動物試験に関する実際
的データを開示していない。本発明者は、水酸化ナトリ
ウム、水酸化アンモニウム、及び炭酸ナトリウムの強塩
基性水溶液を用いて酸化セルロース布を中和すると、ど
の場合にも布はかなり収縮し、その引張り強さはかなり
失われることを見いだした。乾燥アンモニヤガスは布を
明らかに褐色にし、その布を濡らしたときそれは速やか
にゲル化し、したがってそれをたとえば外科用包帯のよ
うな治療用製品として使用することは不可能になる。
【0004】バリンカ(Barinka)らは英国特許第1,59
3,513号において、セルロースを硝酸と安定化(phle
gmatized) 亜硝酸との混合物で酸化する方法を開示して
いる。その材料はその後、尿素又はそのN,N−二置換
アルキル又はアシル誘導体の水−アルコール溶液で安定
化される。最後に、酸化されたセルロースはカルシウ
ム、ナトリウム又はアンモニウムの塩化物及び酢酸塩の
等モル混合物の吸収及びその遠心分離を交互に繰り返す
ことによって、そのカルシウム−、ナトリウム−、又は
アンモニウム塩に変換される。
【0005】酸化セルロースファブリクは組織表面に好
都合に適用できる、生体に吸収される、吸収性基質であ
る。このようなファブリクの二つの例は、インターシー
ド(TC7)吸収性癒着バリヤ〔INTERCEED*
(TC7)Absorbable Adhesion Barrier 〕及びサーギ
セル吸収性止血材料〔SURGICEL*AbsorbableHe
mostat〕である。しかしながらこれらの材料は酸性であ
る。精製水100mlにインターシードバリヤ1gを懸濁
させた水相のPHは約4.1 である。完全に水を飽和させ
たファブリク片の表面PHは約1.7 である。トロンビ
ン、組織プラスミノゲンアクチベータ類似物質などの材
料(t−PAA)及びその他の高度に酸敏感性材料は、
手術時に移植部位に供給するために使用した場合を除い
て、このような基質上では直ちに不活性化される。この
PHでは、たとえばヘパリンのような活性作用物質は直
ぐにはその活性を失わず、手術時、又は手術の少し前に
(基質に)供給すればよいが、供給後時が経つと不活性
化される。このためヘパリン含浸インターシードバリヤ
は patient ready(長期間に亙っていつでも使える)貯
蔵安定性製品として使用することはできない。したがっ
て本発明の目的は、実際的使用並びに治療的用途のため
の一体性及び引っ張り強さを保持し、酸敏感性薬物、生
物製剤、酵素及び癒着防止物質を好都合に含浸できる、
PH5ないし8をもった貯蔵安定てき、中和酸化セルロ
ース布を提供することである。強い、実用可能の、使用
しやすい、貯蔵安定的酸化セルロース布を提供する上記
の目的は、今、本発明のプロセス及び方法によって実現
される。
【0006】本発明の目的によれば、ここに具体的に表
現され、十分に記載されているように、本発明は、酸性
の酸化セルロース生成物を、わずかに塩基性の弱酸塩の
水及びアルコール溶液と接触させてセルロース材料のP
Hを5ないし8に上げ;この材料をアルコールで洗って
過剰の塩及び水を除去し;セルロース材料を乾かしてア
ルコールを除去する諸段階から成る、貯蔵安定的非刺激
性及び治療用の、中和酸化セルロース生成物の製法を含
んで成る。(この明細書及び添付の請求では、異なる方
法が特記されない限り、PHは、新鮮な沸騰精製水10
0ml中この材料1gの水相で測定されたものである。)
【0007】別の実施態様において、セルロース材料は
空気乾燥され、有効量の酸敏感性薬物、生物製剤又は酵
素を含浸する。止血のためには薬剤はトロンビンである
ことが好ましい。術後癒着を防止するためには薬剤は、
たとえば組織プラスミノゲンアクチベーター(t−P
A)そしてプラスミノゲンアクチベーター類似物質(t
−PAA)、ストレプトキナーゼ、ヘパリン、低分子ヘ
パリン、又は五單糖などの癒着防止物質である。
【0008】好ましい実施態様において、弱酸のわずか
に塩基性の塩は酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、クエン
酸ナトリウム、蟻酸ナトリウム、クエン酸カリウム、蟻
酸カリウム、及びこれらの混合物から成る群から選択さ
れる無塩化物−有機酸塩である。その他の好ましい実施
態様においては、弱酸のわずかに塩基性の塩はたとえば
リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウムなどの
無塩化物無機酸塩である。
【0009】発明のプロセスの好ましい実施態様におい
て、水とアルコールとの溶液はアルコール:水の比が約
3:2ないし約1:1である。使用アルコールはメタノ
ールであることが好ましい。発明は、酸敏感性薬剤の有
効量を含浸させたか或いは含浸させない、本発明のプロ
セスによって製造される貯蔵安定的中和酸化セルロース
生成物にも向けられている。ここに具体化され、記載さ
れているように、本発明は発明のプロセスによってつく
られる生成物をも含む。
【0010】ここに具体化され記載されているように、
本発明はさらに、発明の方法によって製造され、約5な
いし8のPH範囲をもち、任意にトロンビンを含浸させ
た中和酸化セルロース布を哺乳動物の出血部位に当てる
段階から成る哺乳動物の止血法を含んで成る。本発明は
さらに、発明の方法によって製造され、約5ないし8の
PH範囲をもち、任意に手術的癒着防止物質を含浸させ
た中和酸化セルロース材料を物理的バリヤとして手術的
活性部位と隣接組織との間に置くことから成る手術癒着
防止法を含む。発明の好ましい実施態様についてここに
詳しく言及する;その実施例は次の実施例の部位に説明
される。
【0011】発明の方法にしたがい、酸化セルロース材
料は5ないし8のPHに中和される。セルロース材料は
たとえば布、スポンジ、紙又はフィルムなどの基質であ
る。便利の為に、この後は、これを布とするが、この言
葉によって、適したいかなる材料でも使用できることは
当然である。このPH範囲において、薬剤、生物製剤、
及び酵素を含む酸敏感性治療材料が布に適用され、活性
及び治療的有効性を保つ。さらに、発明の中和プロセス
により、予想外に、一体性及び引っ張り強さを保持でき
る一方、収縮は最小であり、そのためたとえば外科医が
外科用包帯又は止血用品として実際に使用できるセルロ
ース材料が製造される。発明の好ましい実施態様では、
中和された布を外科用包帯として用い、傷を覆って、そ
れを清潔且つ湿った状態に保つことができる。その他の
実施態様では、布に、たとえば成長因子、殺菌剤、又は
抗ヒスタミン剤のような薬剤を含浸させる。このような
薬剤は布から徐々に漏出して創傷床に達し、創傷治癒を
速めるのに役立つ。この布は、中和され、薬剤をしみ込
ませた時、良い治療価値をもった生体内吸収性の創傷カ
バーとなる。
【0012】酸化セルロース布の中和は、弱酸のナトリ
ウム又はカリウム塩、たとえば酢酸ナトリウムのような
緩和な中和剤で、水中又は水とアルコールとの混合液中
で行われる。このプロセスにより製造される中和酸化セ
ルロース生成物は、強い(すなわち十分な引っ張り強
さ、及び一体性)使用しやすい、貯蔵安定的な、止血に
有効な布組成物を提供する。これはたとえば水酸化ナト
リウム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム又は炭酸
水素ナトリウムなどのより強い塩基の試用時とは対照的
である;これらは不都合なことに、中和された布を容認
できないほど弱め、一部ゲル化させる。その上、その酸
化セルロースは、塩化物と酸化セルロースとの反応の副
産物である塩化水素酸の生成を避けるため、塩化物なし
で中和される。塩化水素酸のような強酸は、酸化セルロ
ースを低分子ポリマーに分解せしめ、引っ張り強さの低
下及び貯蔵寿命の短縮をおこす。弱酸は酸化セルロース
布にほとんど損害を与えない。
【0013】中和反応は水中又はアルコール中でも行わ
れるが、水とアルコールとの混液中で行うのがより好ま
しい。水−アルコール混液を使用すると、弱酸塩は水に
よってよく溶解し、アルコールは酸化セルロースの中和
中における過度の膨潤、ゆがみ及び弱化を阻止する。こ
うしてこの材料の物理的特性は保持される。メタノール
は好ましいアルコールである、なぜならば上記の塩の多
くはこのアルコールと水との混液中では良い溶解度をも
つからである。アルコール:水の比は約4:1ないし
1:4の範囲であることが好ましい。溶液にアルコール
が多過ぎる場合、特にそのアルコールがメタノール以外
のものであった場合、若干の塩はもはや溶解しない。そ
の溶液に水が多すぎる場合、中和が起きるときに布は若
干膨潤し、布の物理的特性、たとえば引っ張り強さなど
に若干の損失が起きる。その他の有用なアルコールは、
たとえばエチルアルコール、プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコールである。
【0014】たとえば酢酸ナトリウムのような緩和な中
和剤を使用すると、中和度をコントロールすることがで
きる。酸化セルロース布に、化学量の、且つ化学的等量
の中和剤とカルボン酸を使用するとき、水酸化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム及び水酸化アンモニウムのような塩
基との強い非可逆的反応で生成するような100%中和
された布は生成しない。酸化セルロースはイオン交換体
として振る舞い、その上を通過する塩の金属カチオンを
溶液から引き出す。この交換の副産物はその塩からでき
る酸であり、弱有機酸の塩を使用することによって、布
を損傷しないたとえば酢酸のような弱酸が生ずる。たと
えば塩化ナトリウム又は硫酸ナトリウムなどの強酸の塩
を用いると、副産物としてそれぞれ塩酸又は硫酸が生成
する。これらの強酸は布に脱分極のような損害を与える
かも知れない。
【0015】弱酸のナトリウム−又はカリウム塩を用い
るとき、ナトリウム−又はカリウムイオンは酸化セルロ
ース上のプロトンと交換され、その塩の一部は弱酸に変
わる。溶液中の酸と塩との混合物は、緩衝溶液を形成
し、それはPHをかなり一定に保ち、中和度をコントロ
ールする。ナトリウム−又はカリウムイオンを酸化セル
ロース布の酸部分に、そしてその塩分子にも結合させる
平衡反応が確立される。ナトリウム−又はカリウムイオ
ンのこの分配は、布の中和の完了を阻止する、この結果
非常に弱い、水で濡れたとき膨潤する布ができる。たと
えばリン酸水素ナトリウム(Na2HPO4)は弱酸であり、こ
の塩の溶液が酸化セルロースを通過するとき、その布は
ナトリウムイオン一個を引き出して、酸化セルロースの
ナトリウム塩と、弱酸であるリン酸二水素ナトリウム
(H2NaPO4)を形成する。
【0016】リン酸水素ナトリウムの存在下におけるリ
ン酸二水素ナトリウムの生成は好ましい緩衝液を形成
し、それは中和反応中、溶液のPHを十分一定に保つ。
たとえば酢酸ナトリウムの化学量を用いると、酸化セル
ロースポリマー上のカルボン酸基の中和度は約65−7
5%になる。このように自発的緩衝溶液を作り出すこと
によってPHをコントロールし、メタノールを用いて布
の膨潤をコントロールすると、たとえばトロンビンのよ
うな酸敏感性薬剤、酸敏感性生物製剤又は酵素、及び酸
敏感性癒着防止物質をそれに付加させることができ、同
時に物理的特性、たとえば引張り強さ及び布の形は保存
されるという十分に中和された布ができあがる。発明に
よる貯蔵安定的酸化セルロース生成物の好ましい製法
は、まず第一に酸性酸化セルロース生成物(PH約4.1)
を酢酸ナトリウムの水−アルコール溶液と接触させてセ
ルロース材料のPHを5ないし8に高める段階を含んで
成る。アルコール:水の比は4:1ないし1:4で、ア
ルコール溶液がメタノールと水との約3:2ないし1:
1混液であることがより好ましい。
【0017】使用する酢酸ナトリウム塩の量は布の所望
中和程度に依存し、酸化セルロース布のカルボン酸含量
の等モル量以下、等モル量、又はその二倍にもなるかも
知れない。化学量論的に布のカルボン酸含量と一致する
塩の量が最も好ましい。カルボン酸含量18重量%の酸
化布100gを中和するのに必要な酢酸ナトリウム量を
決定するために次の方法が用いられる。布の重量(10
0g)にカルボン酸のパーセントを掛けるとカルボン酸
部分の重量が得られる;カルボン酸は100×0.18=1
8gである。これをカルボン酸基(COOH)の分子
量、45、で割るとカルボン酸のモル数が得られる。1
8/45=0.40モル。酸化布を中和するのに必要な酢酸
ナトリウムのモル数は酸のモルの化学量である、又は酢
酸ナトリウム0.40モルである。酢酸ナトリウムの分子
量、82、に0.40を掛けると、酸化セルロース布100
gを中和するのに酢酸ナトリウム32.8gが必要であるこ
とがわかる。使用される酢酸ナトリウム量は概して布の
カルボン酸含量に大体等しいか又はその2倍にもなる。
別法として、最初の投入で一定のPHに達した後新たな
溶媒及び塩で再び反応させる場合酢酸ナトリウムの化学
量の二回目の投入をおこなうことができる。高いPHを
もったセルロース材料をその後アルコールで洗って過剰
の水、酢酸ナトリウム塩及びイオンを除去する。
【0018】酸化布の中和法は、中和剤を布を通して循
環させるポンプを使用し、循環液のPHをモニターして
中和量をコントロールすることによって改良される。中
和剤溶液を酸化セルロース布の周囲を、またその布を通
過して循環させるポンプの一例は、溶液を外循環させる
内蔵ポンプをもった一定温度浴である(例、ブルックフ
ィールドEX−100型バスポンプ)。ポンプは、キャ
ニスターのコアの周りに巻き付けられた布の周囲に水/
アルコール及び中和剤の溶液を循環させる。そのキャニ
スターは中和溶液をコア中心に導く入り口と中和溶液を
循環浴に送り返す出口をもっている。使用するポンプの
種類は本発明においては重要ではなく、他の種類のポン
プでも同様にうまくいく。中和を行う場合、ポンプを備
えた循環浴にアルコールと水とを満たし、酢酸ナトリウ
ムのような中和剤を加え、ポンプをオンにする。中和の
進行はPHプロープによってモニターされる;それは中
和が完了したときには一定値に達しなければならない。
この時点で反応は終わり、キャニスターから布を取り出
し、布を覆うくらい十分のメチルアルコールを含むビー
カーにそれを浸すことによってメチルアルコールで洗
う。それから布を空気乾燥することによって過剰の水及
びアルコールを除去する。この時点で布のPHは5以上
である。洗浄のために用いる好ましいアルコールはやは
りメタノールである。但しその他のアルコールたとえば
エチルアルコール、プロピルアルコール及びイソプロピ
ルアルコールなども、中和剤、たとえば酢酸ナトリウム
がこれらの溶液に溶解する限り、メタノールのかわりに
なり得る。
【0019】幾つかの好ましい実施態様において、空気
乾燥した材料に治療的有効量の酸敏感性薬剤、生物製剤
又は酵素、たとえば止血的有効量のトロンビン又はその
代わりとして有効量の癒着防止物質を含浸させる。トロ
ンビンは、フィブリノゲンのフィブリン(血液凝固に通
ずる)への変換を触媒する蛋白質分解酵素である。止血
のためには布にやはりフィブリノゲンを含浸させる;フ
ィブリノゲンは、トロンビンによってフィブリンに変換
されたとき、強固な凝血形成に役立つ。フィブリノゲン
は可溶性血漿蛋白質であって、酵素トロンビンの作用に
よって不溶性フィブリン凝塊に変換される。フィブリノ
ゲンは正常血漿中に2 - 6mg/ml濃度で存在し、血液凝固
のためには不可欠である。外部からのフィブリノゲン−
ソースは創傷をより強固により速く閉鎖する。中和され
た布はフィブリノゲン溶液に浸され、出血中の傷に適用
される。その布にトロンビン溶液を噴霧すると、フィブ
リノゲンは瞬間的にフィブリン凝塊を形成し、傷を閉鎖
する。中和された布は繊維の足場となり、凝血を強化
し、より強くする。生体内で吸収可能のこの中和された
布は、7−14日で溶解する。布は凝血があまりに速く
溶解することを阻止するアプロチニンのような抗繊維素
溶解物質を含むこともできる。これは、速すぎる凝血溶
解が再出血を引き起こし得る外科的処置において特に重
要である。
【0020】トロンビンは、酸性度の強すぎる−すなわ
ちPH約5以下の−基質材料には適用できない、なぜな
らば接触すると速やかに不活性化されてしまうからであ
る。本発明の中和布による止血の場合には、トロンビン
水溶液を直接それに適用し、凍結乾燥して、長期間いつ
でも使える貯蔵安定的止血材料をつくる。手術時にこの
中和布を新たに調製したトロンビン水溶液で濡らすこと
によってトロンビンを浸み込ませ、これを止血部位に適
用する。中和布を使えば、トロンビンが不活性化されな
いので、この処置が行える。
【0021】中和酸化セルロース布はその出発材料、す
なわち中和されない(酸性の)酸化セルロースより効果
的な止血物質であることがわかった;その理由は、酸性
酸化セルロース布(PH約4.1)は、血液の緩衝作用で布
のPHがトロンビンにとっての安定領域である約5に達
するまで、創傷部位で自然に発生するトロンビンを不活
性化してしまうからである。他方、中和布は既にトロン
ビンの安定PH領域にあり、そのため止血物質としては
るかに速く作用する。ナトリウム中和セルロース材料は
中和していないセルロース材料に比べて予想外に高い止
血効果をもつ(出血時間の約50%のオーダーの減
少)。止血材料1mgにつき使用される好ましいトロンビ
ン量は、トロンビン3.5 ないし9単位/mgファブリクで
あり、この結果、気密容器にいれて冷蔵温度で2年以上
貯蔵した後トロンビンの70%−85%が残る。トロン
ビン単位は、血液からのフィブリノゲンと反応する場合
のトロンビンの強度の尺度である。トロンビン1単位
は、血漿1ml中のフィブリノゲンを15秒以内に凝固さ
せるのに必要なトロンビン量と定義される。
【0022】トロンビン含浸中和セルロース材料は哺乳
動物の外科的処置における実際的止血物質として効果的
に用いることができる。貯蔵安定的止血製品は、使用の
準備を始めるまで、冷蔵庫に保存しなければならない。
使用時にはそれを直接出血部位に当てるか、又は血管周
囲に巻き付けて止血させる。トロンビンは中和酸化セル
ロース材料と接触してもその活性(viability)及び効果
を保有するのみならず、冷蔵条件下、たとえば約4℃で
長期間安定的に保存される。本発明のプロセスにより適
用されるトロンビンは2年以上の間その止血活性の70
−85%を保持する。
【0023】任意に酸敏感性癒着防止物質を含浸させた
中和酸化セルロース布も、術後癒着形成を阻止するため
に、出血中の手術部位においてさえ、有用である。この
ような癒着防止物質の例は、ヘパリンである;これはフ
ィブリンが手術部位に生成するのを阻止し、したがって
手術癒着の阻止に有用である。たとえばt−PAAのよ
うな繊維素溶解酵素も同様に、手術部位に存在するフィ
ブリンを溶解することによって手術的癒着形成の防止に
役立つ。
【0024】長期又は短期接触によって酸供給系に感受
性をもつその他の癒着防止剤の例としては、その他のグ
リコサミノグリカン(たとえばデルマタン硫酸、ヘパリ
ン硫酸)、その他の繊維素溶解酵素(たとえばt−P
A)ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、及びプロウロ
キナーゼ、非繊維素溶解酵素、抗生物質、低分子ヘパリ
ン、ヘパリノイド、合成ヘパリン、合成ヘパリンフラグ
メント、五單糖、カルシウムチャンネル遮断剤、ステロ
イド、及びトロンビンインヒビター(たとえばヒルジ
ン)がある。五單糖は中和マトリックスにおける癒着防
止に特に有用である、なぜならばそれはヘパリン及びそ
の他の抗凝固剤ほどは血液動態に混乱を起こすことなく
抗血栓症効果を得る特殊な性質をもっているからであ
る。こうして五單糖を用いることによって、不必要な出
血のリスクを冒すことなく、癒着形成性フィブリンの生
成を阻止できることが期待される。〔サイエンスフォー
カス(scienceFocus) 、The New York Academy of Scie
nces、1988、2巻、No. 3;ワレンガ(walenga)ら
著、“トロンビンの生成阻止及び単一抗因子Xa活性を
もつ五單糖の抗血栓症効果(The inhibition of the ge
neration of thrombinand the antithrombotic effect
of a pentasa-ccharide with sole anti-factor Xa act
ivity)血栓症研究(Thrombosis Research)51;21、
1988〕。
【0025】中和セルロース材料の製造は、これらの生
成物を約5ないし8のPHにして供給できるように行わ
れた;中和された酸化セルロースは比較的低いカルボキ
シル基含量を示し、中和されてより高いPHになったと
きより大きい一体性をもつ。本発明は、基質(matrix)
から手術部位に供給され得る外科的癒着防止物質の種類
の範囲を広げるものである;その基質は、その吸収性、
生体内吸収可能且つPH相容性などの特性をもつため
に、その場所に保持され得る。それは又、“低PHにお
いては不安定な活性物質”を浸み込ませた patient-rea
dy 乾燥製品の製造を可能にする。
【0026】治療的使用のための中和酸化セルロース布
に好適に使用されるその他の酸敏感性薬剤、酵素及び生
物製剤には、凝血があまり速く溶解するのを防ぐアプロ
チニン、又はトラシロール*などの抗繊維素溶解物質;
創傷治癒を速める成長因子組成物、たとえば血小板由来
の成長因子又は表皮由来の成長因子;及び創傷治癒に有
効であることがわかっている生物製剤であるコンドロイ
チン硫酸及びヒアルロン酸などのグリコサミノグリカン
がある。
【0027】
【好ましい実施例】本発明を実施例によって説明する。
以下の実施例は本発明の組成物、プロセス及び方法の好
ましい実施態様を示す。実施例は本発明の範囲を制限す
るものではなく、以上の詳細な全般的記述と組み合わせ
て読むとき、本発明、並びに発明の生成物の製造及び発
明の方法の実施のためのプロセスのアウトラインはより
よく理解される。
【0028】
【実施例 1】メチルアルコール3部、水2部中で中和
剤として酢酸ナトリウムを用いる、中和ORC布の製
法。
【0029】カルボン酸含量15.2%の酸化再生セルロー
ス(ORC)ファブリク71.9g量を孔の開いたコアの周
囲に巻き付け、循環ポンプを備えたリアクターの中に置
いた。リアクターに水3リットルとメチルアルコール2
リットルとの混液を満たした。溶液の外循環のための内
蔵ポンプをもったブルックフィールドEX−100一定
温度浴をオンにして、ポンプで溶媒を孔開きコアの中心
を通してそしてコアの周囲に巻き付けた布の層を通して
循環させる。溶媒は導出管を通って流れ、ポンプによっ
て再循環されてコアに戻る。
【0030】布のカルボン酸のモル数に等しい酢酸ナト
リウム三水加物の化学量を溶液に加える;すなわち71.9
×15.2%= 10.92gカルボン酸;10.92/45=0.242molカ
ルボン酸; 0.242×136.1 = 33.05g酢酸ナトリウム三
水加物。酢酸ナトリウム三水加物 33.05gを水性アルコ
ール溶液に加え、ポンプによって30分間ファブリクの
周囲を及びファブリクを通過して循環せしめる。30分
後、循環溶液のPHは一定値(PH4.6)に達する。酢酸
ナトリウムと、酢酸ナトリウムと酸化セルロースとの反
応から生じた副産物である酢酸との混液から成る緩衝液
によって布は中和されていく。酸化セルロース布を、物
理的特性を失わずに中和せしめるのは、この自ずから生
成する緩衝液なのである。この時点で中和は完了し、フ
ァブリクはリアクターから取り出され、メタノール60
0ml中に10分間置かれる。10分後、アルコールを除
去し、さらに新鮮メタノール600mlをその代わりに入
れる。そのメタノールは水及び過剰の酢酸ナトリウムす
べてを布から洗い去る。二回目の洗浄後、布を吊り下
げ、空気乾燥する。布1gを精製水100ml中に入れ、
速やかにブレンダーで1分間撹拌することによって、布
のPHを測定した。溶液を濾過によって、その細切布か
ら分離し、濾液のPHを測定した。最初の中和していな
い布のPH3.3 に対して、このPHは6.5 であった。こ
の布のカルボン酸含量を標準水酸化ナトリウムで滴定す
ると、5.32重量%のカルボン酸であることがわかった。
最初の中和していない布のカルボン酸含量は15.2%で、
カルボン酸基の65%が中和されたことを示している;
(15.2−5.32)/15.2×100=65%。
【0031】インターシード*バリヤ及び中和(N−イ
ンターシード)バリヤのバッチのPH測定は次ぎのよう
に行われた:
【0032】 新たに沸騰させた精製水100ml中試験材料1gのPH 試験材料 バッチナンバー PH範囲 PH中間値 インターシード* 11 3.9−4.3 4.1 N−インターシード* 8 5.3−7.2 6.7
【0033】各材料の代表的バッチの表面PHの測定も
次のように行われた;“3×4”のファブリク片を新た
に沸騰させた精製水で飽和し、そのPHを表面電極で測
定する。この試験の意味は、基質表面の酸敏感性薬剤の
実際的PH経験を予測することにある。
【0034】 表面電極による飽和ファブリクのPH測定 試験材料 バッチナンバー PH範囲 PH中間値 インターシード* 6 1.64−1.93 1.72 N−インターシード* 2 4.20−4.48 4.34 (平均)
【0035】中和布は白く、丈夫で、コバルト照射で殺
菌でき、包装乾燥するとき数年間は安定である。ラット
の皮下に挿入した場合、中和布は非中和布と同じ期間内
に吸収される。この布は、トロンビンのような酸敏感性
薬剤を浸み込ませ得る程十分に中和される。
【0036】
【実施例 2−トロンビン含浸】実施例1の3×4イン
チ( 7.6cm×10cm) 片(重量 2.5g)をトロンビン1
0,000単位を含む蒸留水10mlに入れる。その布にトロ
ンビン溶液を吸収せしめ、それから布を2×4cm片に切
断し、豚脾臓細切モデルを用いて止血効果をテストし
た。トロンビンつきの中和布は、6カ所の傷でテストし
たとき、平均1分間で出血を止めた、一方同様なトロン
ビン溶液に浸した非中和布は同じテストで平均6分間で
出血を止め、中和布がトロンビンの力価を保持すること
がわかった。
【0037】
【実施例 3】これは、酸化セルロースファブリクをメ
タノールと水との混液中で中和剤としての酢酸ナトリウ
ムで中和し、その中和布にトロンビンを浸み込ませてpa
tient-ready乾燥トロンビン含浸吸収性止血物質を作る
一例である。カルボン酸含量15.2%の酸化セルロース布
217gを孔開きコアに巻き付け、それをポンプを備え
付けた循環浴中に置き、溶液をコアから上へ、そしてコ
アに巻き付けた布を通して循環させる。その浴にはメタ
ノール3リットルと水2リットルとの混液が満たされて
いる。その浴には酢酸ナトリウム三水加物99.3gが加え
られた。酢酸ナトリウムのこの重量は、酸化セルロース
上のカルボン酸のモル等量である。すなわち217×1
5.2%=32.9gカルボン酸; 32.9/45=0.73mol カルボ
ン酸;0.73×136.1 =99.3g酢酸ナトリウム三水加物。
酢酸ナトリウムを水性メタノール溶液に溶かし、この溶
液をコアの周囲に30分間循環させる、この時間後、溶
液のPHは5.3 に安定した。循環溶液に希水酸化ナトリ
ウムを添加することによってPHを 5.4に上げた。水酸
化ナトリウムの添加をこの時に行ったのは、その溶液が
酢酸ナトリウムと酢酸との緩衝液を含み、それはPH変
化を緩和するからである。この緩衝液がなかったなら
ば、水酸化ナトリウムの添加はPHの急激な上昇と布の
広範な膨潤及び弱化を引き起こす。水酸化ナトリウムを
添加し、循環浴のPHが 5.4に上がった後、布を循環浴
から取り出し、メタノール2リットルで10分間洗い、
水及び塩を布から除去する。別の新鮮メタノール2リッ
トルでこれを繰り返し、それから布を空気乾燥した。そ
の布は白く、丈夫で、蒸留水中PH6.8 を示した。カル
ボン酸量を滴定した場合、中和布はカルボン酸量 3.5%
を示した。元の布のカルボン酸量は15.2%であったか
ら、中和度は76.9%である。
【0038】この中和布の3×4インチ(7.6cm ×10.2
cm) 片を、蒸留水10mlに溶かしたトロンビン5,000 単
位を含むトレーに置いた。その布にトロンビン溶液を吸
収させた。飽和した布を新鮮なトレーに置き、凍結乾燥
機の冷却棚上に置き、−20℃で凍結させた。完全に凍
結した布を真空にさらすことによって凍結乾燥し、16
時間凍結乾燥を続けた。翌日、凍結乾燥した布の一部に
ついてトロンビンを測定し、布1平方インチ(6.54cm2)
につき350単位を含むことが判明した。布をホイルに
包み、ヒートシールし、冷蔵庫に 1.5年間保存した。
1.5年後、トロンビン含浸中和酸化布を冷蔵庫から取り
出し、まだ白く丈夫で、布1平方インチあたりトロンビ
ン280単位(43.4単位/cm2)であることを見いだし
た;すなわち残ったトロンビンの80%が活性であっ
た。この patient-ready、トロンビン含浸、吸収性止血
物質の止血時間を、豚脾臓細切モデルを用いて調べた。
6カ所の傷で試験したとき、このモデルでは平均1分間
で出血は止むが、未処理の非トロンビン含浸、酸化セル
ロース出発材料では 6.2分間かかることがわかった。こ
れは、乾燥 patient-ready、中和された安定なトロンビ
ン含浸吸収性酸化セルロース布がこの実施例に記載の方
法で作られることを示している。
【0039】
【実施例 4】これは、酸化セルロース布を水4部・メ
チルアルコール1部中でリン酸水素カリウムで中和する
一例である。カルボン酸含量18%の酸化セルロース布
119.5g量(カルボン酸0.47mol)を孔開きコアの周りに
巻き付け、循環ポンプつきのリアクターに入れた。リア
クターに水 3.5リットルとメチルアルコール 1.0リット
ルを加え、これをコアの周りに循環させた。リン酸水素
二カリウム81.8g量を水500mlに溶かし、10ml/min
の速度でゆっくりと循環溶液に加えた。1時間後、循環
溶液のPHは6.1 で、それ以上の変化を示さなかった。
中和布をリアクターから取り出し、メタノール600ml
で3回洗い、空気乾燥した。布は白く、精製水中でPH
6.8 を示した。
【0040】
【実施例 5】これは、メタノール:水、50:50中
における中和剤として酢酸ナトリウムを用いる酸化セル
ロース布の中和及びその中和布の止血物質としての使用
の例である。カルボン酸含量18重量パーセント(酸0.
37mol)の酸化セルロースファブリク92.6g量をコアの周
りに巻き付け、水 2.5リットル及びメチルアルコール
2.5リットルの混液を含むリアクターに入れる。この溶
液に無水酢酸ナトリウム30.3g(0.37mol)を加えた。こ
の溶液を1時間循環させた。この時間後、溶液のPHは
5.3であり、一定のままであった。布を取り出し、メチ
ルアルコール400mlで3回洗い、吊るして空気乾燥さ
せた。乾燥布のPHは5.76であった。この中和布をコバ
ルト照射によって殺菌し、豚脾臓細切モデルでその止血
効果を試験し、中和していない布と比べた。6カ所の傷
で試験したとき、中和布は平均 3.1分で出血を止めた
が、非中和布では 6.5分かかった。こうして、未中和酸
化セルロース布と比べて、中和布の方が速く止血を実現
する。
【0041】
【実施例 6】これは、中和布にフィブリノゲンを浸み
込ませ、それを止血物質として使用する例である。以上
の実施例のいづれかによってつくられたPH5以上の中
和酸化セルロースの2×4cm乾燥片(重量80mg)をフ
ィブリノゲン50mg/ml を含む溶液に浸す。布はこの溶
液317mg、又はフィブリノゲン蛋白質約15.8mgを吸収
する。布を長さ1cm厚さ1mmの豚脾臓切片上に置き、ト
ロンビン 1,000単位/mlを含むトロンビン溶液1mlを噴
霧する。ほとんど直ちにフィブリン凝塊が生成し、出血
は30秒以内に止む。この実験を合計6カ所の傷で繰り
返し、出血は平均30秒で止む。フィブリノゲン含浸未
中和で実験を行うとき、出血は3分で止む。この実験
は、中和酸化セルロース布に酸敏感性フィブリノゲンを
含浸させることができ、この布は同様に含浸させた未中
和布より高い止血効果を現すことを示す。
【0042】多くの実施例は、中和酸化セルロース−特
に中和インターシード*バリヤ(N−インターシード)
の術後性癒着防止のための使用を明らかにしている。こ
れらの実施例は、酸敏感性抗癒着剤を浸み込ませたN−
インターシードバリヤを用いる治療の効果を、同様の薬
剤を浸み込ませた未中和酸化再生セルロースバリヤと比
較して示す動物実験を記載している。心臓モデルにおい
ても、このような供給系からの薬剤はそれを単独で至適
量与えた場合と同じように有効であることが証明され
た。N−インターシードバリヤでは、未中和酸化セルロ
ースバリヤを上回る改善された効果が示された。
【0043】In vitro実験では、中和材料における抗凝
固剤の安定性が証明された;それに対して、酸性材料で
はこれら薬剤は不安定である。これは、含浸、patient-
ready 製品のための製造のためのモデルとして役立つ。
【0044】湿潤性改善のためのN−インターシードの処理
【0045】中和酸化セルロースを湿潤性改善のために
グリセロールで処理し、薬剤が容易にしみ込むようにす
る。このような操作法の一例は次のようである:N−イ
ンターシードバリヤ125g量を4%グリセロール−イ
ソプロピルアルコール溶液500mlに20分間浸す。布
をその溶液から取り出し、ペーパータオル上で2ないし
3時間空気乾燥する。1.5cm×1.5cm の正方形のグリセ
ロール処理−及びグリセロール未処理N−インターシー
ドバリヤをペトリ皿に置き、各正方形片に食塩液一滴づ
つ加え、それらの片を観察した。グリセロール処理サン
プルは、グリセロール未処理N−インターシードバリヤ
サンプルより速く食塩液を吸収した。
【0046】動物モデル
【0047】動物の外科的処置はすべて“実験動物の世
話並びに使用のための指針(Guidefor the Care and Us
e of Laboratory Animal)" に示される原理によって行
われた〔実験動物資源研究所、国家研究会議(Institut
e of Laboratory Animal Resources、National Researc
h Council)〕。
【0048】子宮角モデル
【0049】このモデルは、リンスキー(Linsky,C.B.)
らの“家兎子宮角モデルにおける吸収性バリヤを用いる
癒着減少(Adhesion reduction in the rabbit uterine
hornmodel using an absorbable barrier)" TC7,J.
Reprod.Med.32,(1),1987,及び1989年6月20
日発行の米国特許第4,840,626号に記載されてい
る。ニュージーランド雌白色家兎(体重 2.0ないし3.5k
g )を使用前最低2週間、飼育ケース中で環境順化させ
た。家兎は一匹づつ、ステンレス鋼製ケースで飼育され
た。それらはプリナ*(Purina*)実験用家兎食(ラルス
トンプリナ社、セントルイス)を食べ、水は自由に与え
られた。動物は手術前一晩は絶食させられた。麻酔は、
ケタミン(ケタセット*)キシラジン(ロンパン*)溶
液〔1mlキシラジン(20mg/ml)、2mlケタミン(10
0mg/ml)及び1ml滅菌水〕の筋肉注射によって行われ
た。動物を手術台上に保持するために、追加麻酔を耳辺
縁静脈から投写した。
【0050】全動物の手術は無菌的条件下で行われた;
これは、ヨウ素による洗浄、ドレーピング、及び滅菌技
術の利用を含んでいた。開腹は下正中線切開により行わ
れ、子宮角が露出された。分岐部から1cmのところから
始まり、子宮角の5cm長さの掻き傷を#10小刀の刃を
用いて作った。その掻き傷は、質がコントロールされ、
漿膜を完全に除去し、血管充血及び少量の点状出血が特
徴であった。このような傷を作るには、普通は小刀で2
0回引っ掻けば十分であった。このモデルでは、必要な
場合、タンポン挿入法で止血が行われた。損傷領域を完
全に覆うくらい十分大きいファブリク、すなわち2イン
チ×3インチ(5cm×7.6cm)に切ったファブリクで各角
を覆うことによって動物を治療した。適量の薬剤をその
部分に適用した;そのためには薬剤溶液1mlでファブリ
クを湿らせた。対照動物の角は治療しなかった、すなわ
ちファブリクも薬剤も用いなかった。
【0051】筋腹膜層を4−0ヴィクリル(Vicryl*)縫
合糸〔エチコン(Ethicon)、サマヴィル、NJ〕で、皮
膚層は皮膚ステープルで閉鎖した。動物の癒着を術後2
週間観察した。癒着の範囲及びひどさを考慮したスコア
によって評価を行った。このスコア系は子宮角がかなり
長く傷つけられるという事実に基づいていた;そこで角
の長さを測り、下記のように段階づけることによって癒
着程度を定量化することができる:
【0052】 0=癒着なし 1=外傷面積の25% 2=外傷面積の50% 3=全体が癒着を蒙っている
【0053】上記段階の中間の癒着程度をあらわすため
に、部分的スコアが与えられる。癒着のひどさ(執拗
さ)を次のように評価した:
【0054】 0=抵抗なく分離できる 0.5=若干の抵抗(軽度の力が必要) 1=鋭的剥離が必要
【0055】こうして合計したスコアは、0−4の癒着
スコア範囲を与える;これは範囲とひどさとの両方をあ
らわす。たとえばスコア0は癒着がないことをあらわ
し、スコア4は癒着の範囲及びひどさが最も重度である
ことをあらわす。いくつかの実験では、スコアの分析に
加えて、癒着を蒙った子宮角の長さのテストセグメント
の実験の測定値を分析した。これらのデータでパラメト
リック統計分析を行うことができる。さらに、子宮角が
50%以上の癒着を受けた場合に、これらの分析によ
り、治療群間をよりよく見分けることができる。0値は
癒着が全然ないことをあらわし、5cmは子宮角のテスト
セグメントが全部巻き込まれていることをあらわす。
【0056】変形子宮角モデル:(出血している手術部位)
【0057】子宮角モデルを変形し、よりひどい攻撃を
うけて出血している手術部位における癒着バリヤの効果
をテストした。子宮角モデルのための処置は上記のよう
に行われた。標準的方法で子宮角を引っ掻いた上に、各
子宮靱帯の4本の小血管を傷つけることにより、それ以
上の出血を起こした。この処置の後には止血は得られな
かった。
【0058】心臓モデル:
【0059】雌雄の白色ニュージーランド家兎(3.0−4.
0)を一匹づつ檻にいれて飼い、プリナ・ラボ家兎食HF
5326(プリナ社、セントルイス、ミズリー)を与え
た。全動物は使用前最低2週間、飼育檻の中で環境に馴
らされた。飼料及び水は自由に与えられたが、手術前一
晩は固形食は与えられなかった。
【0060】動物を秤量した。静脈内ケタミン(50mg
/ml)/キシラジン(5mg/ml)により麻酔を誘導し、気管
内挿管後はメトキシフルラン(0.5−3%,酸素中)吸入
により維持した。胸部皮膚を電気カミソリで剃り、70
%エタノールを、次にポビドンヨウ素液を塗布した。滅
菌ドレープをかけ、手術は無菌的に行われた。
【0061】正中胸骨切開術により胸部が開けられた;
電気焼灼を用いて出血がコントロールされた。心膜を中
心軸に沿ってひらく前に、心膜の上又は周囲に残ってい
る凝固を全部除去した。正中線胸骨切開によって家兎胸
郭に入った。胸骨切開の止血は電気焼灼によって行われ
た。心膜を開き、心臓の前部表面を、ガーゼにくるんだ
人指し指で40回こすることによって擦りむいた。酸化
再生セルロースファブリクの2″×3″(5cm×7.6cm)
の楕円形片を心臓前部表面と、後表面に行く頂点周囲に
かけた。酸敏感性活性薬剤を酸化再生セルロースファブ
リクに供給し、それに吸収させた。胸部を層ごとに閉鎖
した。術後4週間目に動物を殺し、心臓の前部表面及び
胸骨の裏面の癒着を評価した。前部心臓面の頂から基部
までの1cm幅の帯について、癒着しているパーセンテー
ジを見積もった。スコア100%は最大の癒着程度をあ
らわし、0%は癒着なしをあらわす。この帯は胸骨と強
く接触する心臓面であり、ここで癒着が最も起き易く、
外科医が胸郭に再侵入しようとするとき問題となる。
【0062】
【実施例 7】中和インターシードバリヤは、酸に不安
定な薬物:t−PAAの活性を保存する。この実施例に
おいて、t−PAAは組織プラスミノゲンアクチベータ
ー類似物質(Fb−Fb−CF)〔クリエイティブ・バ
イオモレキュールズ(CreativeBiomolecules) 、ホプキ
ントン、マサチュセッツ〕であり、黄色ぶどう球菌から
得られる蛋白質Aの二断片Bの一本鎖及びt−PAの触
媒部分から成る。Fb−Fb−CFの繊維素溶解活性は
基質としてS−2251を用いる色素産生アッセイによ
って測定される。Fb−Fb−CFの比活性は、t−P
Aの国際標準を参考にして5×105 IU/mg蛋白質と
推定される。それは、大腸菌(Eschrichia coli)に表現
され、大腸菌から抽出する、組換えDNA 技術によっ
てつくられる。〔参照:クレアら(Crea,R.et al.)の
“組織プラスミノゲンアクチベーターの蛋白質類似物
質”。国際特許出願WO87/05934、1987;
フィリップスら(Phillips, D.A.et al.) 家兎塞栓性発
作モデルにおける新しい組織プラスミノゲンアクチベー
ター類似物質Fb−Fb−CFの、脳再灌流に与える影
響(The effect of a new tissue plasminogen activat
or analogue 、Fb-Fb-CF、on cerebral reperfusion in
a rabbit embolicstroke model) 。Ann. Neurol.25
巻、281ページ、1989.〕
【0063】子宮角モデルを用いるこの実験系列は、N
−インターシードバリヤに与えられたt−PAAが癒着
スコアを、インターシードバリヤ、N−インターシード
バリヤ及びインターシードバリヤに加えられたt−PA
Aのそれら以下に減少させることを証明した。
【0064】子宮角モデル: 治療 角の数 癒着スコア 対照 6 4.0 0 インターシードバリヤ+1.25mgt −PAA 12 3.6 2 インターシードバリヤ+0.125mgt−PAA 10 1.5 6
【0065】 治療 角の数 癒着スコア 対照 12 3.5 0 インターシードバリヤ+食塩水 12 2.0 6 N−インターシードバリヤ+トリス緩衝液** 12 1.8 1 N−インターシードバリヤ+1.25mgt −PAA 12 0.7 9 N−インターシードバリヤ+0.125mgt−PAA 12 1.0 8
【0066】**この緩衝液はt−PAAの対照溶液と
して用いられた;メーカーがこの緩衝液(5mmトリスH
C1、2mmEDTA)で製品を製造したからである。2
mlトリス緩衝液中のN−インターシードバリヤの2″×
3″(5cm×7.6 cm) 片のPHは4.8 であるが、食塩水
中では3.9 である。t−PAAの活性を維持するPHの
下限は4である(メーカーの情報)。家兎の腹腔内液の
PHは 7.5ないし8である。人の腹腔内液のPHは 6.8
ないし 9.8である〔バイオロジー・データ・ブック(Bi
ology Data Book)第2版、III 巻、アルトマン及びディ
トマー編、米国実験生物学学会、1974〕。
【0067】下記の心臓癒着モデル実験は、N−インタ
ーシードバリヤーマトリックスがt−PAAの活性を阻
害しないという考え方を支持する。
【0068】心臓モデル: 治療 %Central area w/Adhes 対照 8 8 6.2 N−インターシードバリヤ+緩衝液 7 8 8.6 N−インターシードバリヤ+t−PAA0.94mg 6 2 3.2 t−PAA 0.94mgのみ 5 2 8.0 治療 %Central area w/Adhes 対照 7 8 5.7 N−インターシードバリヤ+t−PAA 0.94mg 8 1 6.3
【0069】
【実施例 8】中和インターシードバリヤは酸に不安定
な薬剤:t−PAの活性を保存する。
【0070】心臓モデル: 治療 %Central area w/Adhes 対照 4 9 7.5 N−インターシードバリヤ 6 6 4.2 N−インターシードバリヤ+0.94mgt −PA 4 3.8 0.94mgt −PA 2 0.0 N−インターシードバリヤ+0.19mgt −PA 5 9 0.0 0.19mgt −PA 2 0.0 N−インターシードバリヤは低投与レベルのt−PAの
活性を阻害することが認められる。
【0071】
【実施例 9】中和サーギセル止血物質は酸に不安定な
作用物質、ストレプトキナーゼの活性を保存する。
【0072】子宮角モデル: 治療 角の数 癒着スコア 対照 12 3.3 8 N−サーギセル+125000 IU ストレプトキナーゼ 12 1.8 8 N−サーギセル 12 2.8 3
【0073】
【実施例 10】中和インターシードバリヤは、速やか
に酸で不安定になる作用物質、ストレプトキナーゼの活
性を保存する。
【0074】心臓モデル: 治療 %Central area w/Adhes 対照 3 9 3.3 N−インターシード+93750 IU 7 3 2.9 ストレプトキナーゼ 93750 IU ストレプトキナーゼ 7 4 8.6
【0075】
【実施例 11】中和酸化セルロース生成物は徐々に酸
で不安定になる作用物質、安定ヘパリン含浸生成物の活
性を保存する。
【0076】方法
【0077】この材料に癒着防止材料溶液をしみ込ま
せ、空気乾燥し、湿気防止用のホイル袋に入れて封を
し、コバルト照射によって滅菌した。しみ込ませたファ
ブリクを0.9 %食塩水中で溶出し、溶出液を活性化部分
トロンボプラスチン時間テスト(APTT)で試験する
ことによって生物学的活性を測定した(トロンボファッ
クス、オルト・ディアグノスティク・システムズ)。イ
ンターシードバリヤに3″×4″(7.6cm ×10.2cm) 片
につき1667単位のヘパリンナトリウムをしみ込ませ
る。これらの実験に用いた市販のヘパリンナトリウムの
力価(USP単位)は、メーカーが米国薬局法XXII、1
990、633ページに定められている基準にしたがっ
て測定した。サンプルは室温で保存された(約26
℃)。ヘパリン活性は、0、1、7、14及び28日後
に測定された。結果は、時がたつにつれてヘパリンが不
活性化されることを示している。
【0078】APTTテストによるヘパリン活性 − 含浸インターシードバリヤ 滅菌後の日 試験数 元の活性に対する% 0 3 85 1 3 77 7 3 58 14 3 47 28 3 30
【0079】中和サーギセル*吸収性止血物質(N−サ
ーギセル止血物質)に、3″×4″(7.6cm ×10.2cm)
片につき2000単位をしみ込ませた。この実験で酸化
セルロースとして用いたサーギセル止血材料はインター
シードバリヤと同様にして中和された。サンプルを4℃
及び30℃で保存した。0、6、14、30及び60日
経過後にヘパリン活性を測定した。その結果、時がたっ
てもヘパリンは不活性化されないことがわかった。 APTT試験によるヘパリン活性 − 含浸N−サーギ
セル止血材料
【0080】滅菌後日数 温度毎の試験サンプル数 元の活性に対する% 4℃ 30℃ 0 3 108 1 3 98 6 3 95 91 14 3 96 93 30 3 89 90 60 3 95 93
【0081】N−インターシードバリヤに3″×4″片
につき2000単位のヘパリンを含浸させた。0、1、
及び77日後にヘパリン活性を測定した。結果は、時が
たってもヘパリンは不活性化されないことを示す。
【0082】 APTT試験によるヘパリン活性 − 含浸N−インターシードバリヤ滅菌後日数 試験数 元の活性に対する% 1 3 9 8.2 77 2 9 4.0
【0083】
【実施例 12】N−インターシードバリヤは、徐々に
酸不安定になる低分子ヘパリン、フラグミン*(安定な
低分子ヘパリン含浸生成物)
【0084】N−インターシードバリヤの含浸
【0085】N−インターシードバリヤに薬剤水溶液を
しみ込ませた場合、繊維は膨潤し、よじれ始める。この
中和布を空気乾燥する場合、乾燥過程で布の若干の分解
が起こり、黄色の分解産物が生成する。布を凍結乾燥す
る場合、その分解は最低である。布に薬剤アルコール溶
液を含浸させる場合、布の膨潤及び分解は抑制され、ア
ルコール溶液の空気乾燥でより白い布が生成する。薬剤
の50%又は60%アルコール−水溶液を含浸N−イン
ターシードバリヤに用いることができる。その材料を空
気乾燥し、加熱せずに真空下で除湿し、湿気防止ホイル
袋に入れて密封し、コバルト60照射によって滅菌す
る。N−インターシードバリヤの3″×4″片に、10
0又は125抗Xa 単位フラグミン*/mlを含むアルコ
ール溶液、2ml/片を含浸させ、空気乾燥し、加熱せず
に真空下で除湿し、湿気防止ホイル袋に入れて密封し、
コバルト60照射によって滅菌した。30℃で最低2カ
月エージング後の観察は次のようであった:
【0086】 %エタノール 0 30 40 50 60 すじ状になる すじ状 すじ状 すじ状にならず すじ状にならず もろい もろくない もろくない もろくない もろくない
【0087】N−インターシード及びインターシードに
低分子ヘパリンであるフラグミン(KabiVitrum AB,スト
ックホルム、スウェーデン) を、3″×4″につき10
0抗Xa 単位をしみ込ませた。フラグミンの力価は、メ
ーカーが選んだ方法で、凝固プロテアーゼである活性因
子Xを阻害する能力を測定することによって定められ、
抗因子Xa 単位であらわされる。抗因子Xa アッセイ法
の例は米国薬局法XXII、1990、633ページ、ヘパ
リンナトリウムに関する薬局法モノグラムに見いだされ
る。生物学的活性の測定値は活性化部分トロンボプラス
チン時間テスト(APTT)によって得られる。
【0088】生物学的活性は製造後1及び2カ月にAP
TTテストによって測定された。結果は、含浸インター
シードは1カ月でそのフラグミン活性の70%を失う
が、含浸N−インターシードは60日でその活性の全部
を失うことを示した。 APTTテストによるフラグミン活性 − 含浸N−イ
ンターシード/インターシード
【0089】含浸材料 滅菌後日数 試験数 元の活性の% インターシード 30 4 3 7.9 N−インターシード 30 4 1 0 0.8 インターシード 60 3 2 9.0 N−インターシード 60 4 1 0 5.3
【0090】
【実施例 13】N−インターシードバリヤは癒着防止
に関して、インターシードバリヤより大きい効果を有す
る。
【0091】心臓モデル: 治療 動物数 %Central area w/Adhes SEM 対照 15 84 6.7 インターシードバリヤ+食塩水 7 89 8.61 N−インターシードバリヤ+食塩水 15 41 10.32,3 スチュデントt−検定による比較: 1.インターシード 対 対照、2P=0.7 2.N−インターシード 対 対照、2P=0.002 3.N−インターシード 対 インターシード、2P=
0.009
【0092】子宮角モデル:
【0093】13実験から得られた子宮角スコアをまと
めた。各治療群におけるスコアの頻度は下のように記録
された:ここでは合計284角(142匹家兎)のスコ
アが分析される。
【0094】 癒着スコアによる角の分布 スコア 対照 インターシード N−インターシード 0.0 9 13 39 0.2 2 0.4 1 0.5 3 0.8 3 2 1.0 1 12 2 1.5 3 15 6 2.0 3 8 2.5 4 5 7 3.0 10 23 2 3.5 7 1 5 4.0 75 19 4 N 114 102 68 ウィルコクスンの検定をもちいる癒着スコアの比較:N
−インターシードバリヤの方がインターシードバリヤよ
り有意に良かった、2P<0.001 。
【0095】 癒着した角長さによる、治療群の比較治療 角の数 癒着した角長さ(cm) SD(N−1) 対照 99 3.3 7 1.7 8 2 インターシード+食塩水 102 1.4 6 1.3 8 1 N−インターシード+食塩水 68 0.8 7 1.4 1 2 癒着を蒙った角長さの、スチュデントt−検定による比
較:N−インターシードバリヤはインターシードバリヤ
より有意に良く振舞った、2P=0.008
【0096】
【実施例 14】N−インターシードバリヤは出血中の
手術部位においてインターシードバリヤより有意に良い
癒着防止効果を提供する。
【0097】変形子宮角モデル(出血中の手術部位):
【0098】3研究で癒着を蒙った角長さを分析する
と、対照とN−インターシードバリヤ治療との間に有意
差があることがわかる。対照とインターシードバリヤ治
療との間には差は見いだされなかった。
【0099】治療 癒着スコア w/Adh角の長さ(cm) SD 1研究 対照 12 4.0 0 4.5 4 0.6 91 N−インターシード 12 2.2 1 1.7 9 1.5 11 2研究 対照 24 3.7 1 4.1 6 1.3 22 インターシード 26 3.4 2 3.7 1 1.6 32 スチュデントのt−検定を用いて比較した: 1.N−インターシード 対 対照、2P<0.001 2.インターシード 対 対照、NS(有意でない−訳
者)、2P>0.05
【0100】本発明の範囲はここに記載の説明、実施例
及び示唆された用途によって制限されるものではなく、
発明の精神から逸脱することなく変形が行われ得る。た
とえば、トロンビン含浸中和酸化セルロース材料は創傷
の第一の補助治療に用いられる。その他の成分、たとえ
ば銀塩のような殺菌用添加物もこの材料に加えることが
できる。本発明の組成物及び方法の医薬的及び外科的用
途への応用は、熟練せる当業者には公知の現在ある又は
将来の、適切な外科的及び医薬的方法及び技術によって
達成される。こうして本発明は添付の請求の範囲に入る
本発明の変更並びに変化及びそれらの等価物を含むもの
である。この発明の具体的な実施態様はつぎのとおりで
ある。 1.アルコール水溶液が、4:1ないし約1:4のアル
コール:水の比をもつ請求項1記載の製法。 2.水−アルコール溶液のアルコールがメタノールで、
メタノール:水の比が3:2ないし1:1である請求項
1記載の製法。 3.わずかに塩基性の弱酸塩が酢酸ナトリウムである請
求項1記載の製法。 4.使用する酢酸ナトリウムの量が、モルーベースで、
酸化セルロース材料のカルボン酸の量と大体同じである
上記実施態様3記載の製法。 5.アルコール−水溶液において、メタノール:水の比
が約3:2ないし約1:1である上記実施態様3記載の
製法。 6.乾燥した材料に止血有効量のトロンビンをしみ込ま
せる付加的段階を含む請求項1記載の製法。 7.セルロース材料1ミリグラムにつき、3.5 ないし9.
0 単位のトロンビンを適用する上記実施態様6記載の製
法。 8.乾燥材料にグリセロールを適用してその湿潤性を改
良する付加的段階を含む請求項1記載の製法。 9.乾燥材料に酸敏感性薬剤、生物製剤、又は酵素をし
み込ませる付加的段階を含む上記実施態様8記載の製
法。 10.酸敏感性薬剤、生物製剤、又は酵素が血漿蛋白
質、創傷治癒蛋白質、グリコサミノグリカン及び抗繊維
素溶解剤から成る群から選択される上記実施態様9記載
の製法。 11.血漿蛋白質がフィブリノゲンで、創傷治癒蛋白質
が表皮由来の成長因子で、グリコサミノグリカンがヒア
ルロン酸で、抗繊維素溶解剤がアプロチニンである上記
実施態様10記載の製法。 12.請求項1の製法によってつくられる貯蔵安定的生
成物。 13.上記実施態様9の製法によってつくられる貯蔵安
定的生成物。 14.上記実施態様6の貯蔵安定的トロンビン含有生成
物を哺乳動物の出血部位に適用する段階を含んで成る哺
乳動物の止血法。 15.上記実施態様9の貯蔵安定的生成物を哺乳動物に
治療的に適用する段階を含んで成る哺乳動物治療法。 16.乾燥材料に酸敏感性手術癒着防止物質をしみ込ま
せる付加的段階を含む上記実施態様8記載の製法。 17.癒着防止物質が、組織プラスミノゲンアクチベー
ター、組織プラスミノゲンアクチベーター類似物質、ス
トレプトキナーゼ、ヘパリン、低分子ヘパリン及び五單
糖から成る群から選択される上記実施態様16記載の製
法。 18.上記実施態様16の製法によってつくられる貯蔵
安定的生成物。 19.手術的活性部位と隣接組織との間に物理的バリヤ
として請求項1の製法によってつくられる生成物を置く
ことを含んで成る手術癒着防止法。 20.手術的活性部位と隣接組織との間に物理的バリヤ
として上記実施態様16の製法によってつくられる生成
物を置くことを含んで成る手術癒着防止法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スティーブン・ウルフ アメリカ合衆国、08853 ニュージャー ジィ州、ネシャニック・ステイション、 テンエイック・コート 804 (72)発明者 ローラ・カンプ アメリカ合衆国、08904 ニュージャー ジィ州、ハイランド・パーク、ノース・ フォース・アベニュー 405 (72)発明者 ケアリー・リンスキー アメリカ合衆国、08816 ニュージャー ジィ州、イースト・ブランズウィック、 ビーコン・ヒル 25 (72)発明者 ディビッド・ワイズマン アメリカ合衆国、08904 ニュージャー ジィ州、ハイランド・パーク、アムハー スト・ストリート 135 (56)参考文献 特開 昭60−92211(JP,A) Chemical Abstract s 94:214657 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08B 15/02 WPI(DIALOG)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸性酸化セルロース材料を、酢酸ナトリ
    ウム、酢酸カリウム、クエン酸ナトリウム、蟻酸ナトリ
    ウム、クエン酸カリウム、蟻酸カリウム、リン酸水素二
    ナトリウム、リン酸水素二カリウム、及びそれらの混合
    物から成る群から選択された、わずかに塩基性の、塩化
    物を含まない弱酸塩のアルコール−水溶液と接触させ
    て、上記セルロース材料のPHを5ないし8に高め、 上記高PHのセルロース材料をアルコールで洗って過剰
    の塩及び水を除去し、 上記セルロース材料を乾燥させてアルコールを除去する
    諸段階から成る、貯蔵安定的、非刺激性の治療用中和酸
    化セルロース生成物の製法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の貯蔵安定的な中和酸化
    セルロース生成物をヒト以外の哺乳動物に適用する段階
    を含んで成る、ヒト以外の哺乳動物の止血法
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