JP3282032B2 - 活性酸素抑制組成物 - Google Patents

活性酸素抑制組成物

Info

Publication number
JP3282032B2
JP3282032B2 JP2898399A JP2898399A JP3282032B2 JP 3282032 B2 JP3282032 B2 JP 3282032B2 JP 2898399 A JP2898399 A JP 2898399A JP 2898399 A JP2898399 A JP 2898399A JP 3282032 B2 JP3282032 B2 JP 3282032B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substance
oil
active oxygen
sod
added
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2898399A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000224970A (ja
Inventor
冬樹 光山
Original Assignee
冬樹 光山
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 冬樹 光山 filed Critical 冬樹 光山
Priority to JP2898399A priority Critical patent/JP3282032B2/ja
Publication of JP2000224970A publication Critical patent/JP2000224970A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3282032B2 publication Critical patent/JP3282032B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Alcoholic Beverages (AREA)
  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)
  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医薬品・健康食品・
健康飲料などをつくる上で有用かつ有益な活性酸素抑制
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】活性酸素抑制組成物については、健康の
維持と増進、疾病や老化の予防と治療に著効であるとい
う報告が多くあり、これの研究が医薬・健康食品・健康
飲料などの分野で多角的に進められている。
【0003】ヒトの体内で産生される活性酸素や過酸化
脂質(以下活性酸素等という)とSOD (Super Oxisid
e Dismutase)と称する酵素との関係についてはつぎのよ
うな知見がある。活性酸素等が体内で過剰産生される
と、動脈硬化や癌などの成人病をはじめアトピーや喘息
のようなアレルギー性疾患・自己免疫疾患・その他の難
病までが惹き起こされる。この過剰な活性酸素等を消去
して人体組織を破壊から守るというのがSODである。
したがってSODは疾病のない健康体を維持する上で重
要な働きをする酵素といえる。とはいえ、SODは加齢
とともに漸減するので成人などはこれが不足しがちにな
る。ちなみに成人の場合はSOD不足のために40歳を
越えたあたりから成人病が多発する。また、慢性や急性
の刺激とか化学物質の摂取や侵入とかによって過剰な活
性酸素等が体内で生成される場合も、SODが不足する
ために前述した諸疾病を惹き起す。これについては近時
医学の分野で実証ずみである。それゆえ、医学をはじめ
とする各種の分野でSODが注目されている。
【0004】SOD様作用のある物質(以下SOD様物
質という)は各種の動植物に含まれており、最近では化
学的に合成されるようにもなっている。このSOD様物
質を経口または注射で人体に投与したときの臨床結果と
して、確実な疾病予防や治療効果が出はじめているとい
う報告例もある。とくに健康食品や経口薬品などの形態
で具体化されたSOD様物質は普遍的に使用されやすい
ので望ましい。当然のことであるが、自然のものでつく
られたSOD様物質は各種の副作用がない点で化学的に
合成されたものよりもよい。また、動物性脂質が成人病
等の大きな原因であることを鑑みた場合、自然のSOD
様物質の中では、植物性のものが動物性のものよりも安
全であるといえる。
【0005】SOD様物質を含有したもので卓効のある
製剤や物質については、特許第1366268号公報
(公知文献1)に開示された植物系栄養剤のほか、特開
昭63−79834号公報(公知文献2)や特開平6−
9421号公報(公知文献3)に記載された活性酸素抑
制物質が知られている。これらの文献にみられる製剤や
物質は下記のようなものである。
【0006】公知文献1の植物系栄養剤は、焼炒粉砕し
た玄米粉および大豆粉に緑茶粉を混合し、これに麹菌を
少量添加して粉末としたものをゴマ油および大豆油より
なる植物性混合油中に4日前後浸漬して有効成分を抽出
した後、遠心分離で沈殿物を除き、残った油状物をゼラ
チンなどのカプセルに封入したものである。公知文献1
はその製剤の効果として、SODを多量に含むほか、多
くのビタミン類も活性化し、生体の活力、活動性を増進
させる作用があるという。
【0007】公知文献2の活性酸素抑制物質は、植物種
子またはその胚芽を焙煎し、つぎに、これに微生物を加
えて発酵させ、その後、焙煎した植物より得た植物油を
上記発酵処理物に添加してなるものである。同文献2の
活性酸素抑制物質は、また、ビタミンC、ビタミンCの
誘導体、または、これらを含有する植物体を必要に応じ
て添加するというものである。公知文献2は、前記文献
1の製剤について、原料となる植物体の加工方法などに
問題があるため有効成分である活性酸素抑制物質の活性
が低いことを指摘し、これを改善したという。すなわち
公知文献2の発明は、原料となる植物体を遠赤外線でゆ
っくり焙煎して活性酸素抑制物質の失活防止と有効成分
の遊離低分子化をはかるだけでなく、焙煎後の原料を発
酵させて有効成分の遊離低分子化を促進することにより
活性酸素抑制物質の活性が著しく向上したという。
【0008】公知文献3の活性酸素抑制物質は、米胚芽
または小麦胚芽と大豆とからなる穀物原料を100℃以
下の温度で焙煎し、ついで、これに麹を加えて発酵させ
微粉末化したものを、上記と同じ低温焙煎後のゴマから
採取した油と生ゴマから採取した油との混合油に添加し
てなる。そして微粉末と混合油との合計量に対する混合
油の割合を60〜95%としている。公知文献3は前記
文献2の活性酸素抑制物質について、試験管内では活性
酸素や過酸化脂質の産生を著しく抑制するが、ヒトの体
内では油脂分に富んだ細胞膜への浸透力が弱いため、所
期の抑制作用を必ずしも有効に発揮しないと指摘する。
その対策として公知文献3の発明は混合油を上記のごと
く大量添加している。かくて十分に油剤化された活性酸
素抑制物質は、これと細胞膜との親和性が高められて疾
病箇所などの細胞内にまで十分に到達する。ゆえに公知
文献3の活性酸素抑制物質では、ほぼ期待したとおりの
効果が得られるという。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記公知文献1〜3の
うちでは文献3の活性酸素抑制物質が最も優れている。
その理由は、植物性原料を100℃以下のゆるやかな低
温焙煎で遊離低分子化し活性化していること、これを発
酵処理でさらに遊離低分子化していること、低温焙煎ゴ
マから採取した油の成分を有効に活用し、これと生ゴマ
から採取した油との混合油を発酵後の微粉末に添加して
油剤化を十分にしていることなど、これらによる相乗効
果を発揮するからである。とくに植物性原料の低温焙煎
法は、旧来の高温焙煎法に比較して活性酸素抑制物質の
失活をより回避できるから望ましい。
【0010】しかしながら低温焙煎法も、現状の技術水
準では相対的に優位というだけであって完璧な手段とは
いいがたい。すなわち焙煎法の場合は低温であるか高温
であるかを問わず失活が不可避的に生じる。低温焙煎法
の際、かなりの活性酸素抑制物質が失活することは実験
で判明している。その一方で、活性酸素抑制物質は保存
中にも失活する。したがって活性酸素抑制物質は、長く
保存するというケースにおいて前述した諸機能や諸効果
をほとんど喪失してしまう。その対策として焙煎・発酵
などの処理を施さない植物体の微粉末を低分子活性酸素
抑制物質に添加することも行われているが、失活を改善
する上で十分な成果をあげていない。
【0011】
【発明の目的】本発明は上述した技術上の課題を解決す
るためになされたもので、製造過程や保存中失活する
ことのない活性酸素抑制組成物や油剤化の十分な活性酸
素抑制組成物を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
活性酸素抑制組成物は、所期の目的を達成するために下
記の課題解決手段を特徴とする。すなわち請求項1記載
の活性酸素抑制組成物は、発酵処理前のSOD様物質を
含む原料が、米・小麦・大麦・大豆・鳩麦・笹・胚芽・
糠・茶の葉・クロレラ・乳酸菌・ビール酵母から選択さ
れたものであってSOD様物質の一部または全部が失活
しないように原料焙煎で低分子化されていること、およ
び、原料が発酵処理でさらに低分子化されていること、
および、原料の発酵処理物が油脂系の油剤化物質で油剤
化処理されていること、および、トレハロース・ビタミ
ンC・ビタミンE・マルトースのうちの一種以上であっ
てトレハロースを欠かさないものがSOD様物質の活性
化安定剤として原料・発酵処理物・油剤化物質のうちの
一つ以上に添加されていることを特徴とする。
【0013】本発明の請求項2に係る活性酸素抑制組成
物は請求項1記載のものにおいて、原料・発酵処理物・
油剤化物質のすべてにSOD様物質の活性化安定剤が添
加されていることを特徴とする。
【0014】本発明の請求項3に係る活性酸素抑制組成
物は請求項1または2記載のものにおいて、発酵処理前
の原料または発酵処理物をAとし、油剤化物質をBとし
た場合、{B÷(A+B)}×100が50〜98重量
%となるように油剤化物質が添加されていることを特徴
とする。
【0015】本発明の請求項4に係る活性酸素抑制組成
物は請求項1〜3いずれかに記載のものにおいて、油剤
化物質を添加された発酵処理物が超音波処理を受けてい
ことを特徴とする。
【0016】
【作用】 本発明に係る低分子の活性酸素抑制組成物をヒ
トに投与して細胞内にまで到達させたときは、体内で産
生された過剰な活性酸素等が消去されるため人体組織
が破壊から免れる。これは各種の疾患や疾病を予防した
り治療したりする上で有用な物質ということであり、と
くに成人病の対策や難病の対策に欠かせない。この活性
酸素抑制組成物は、また、発酵処理によりさらに低分子
化されていて油剤化処理で油剤化もされているから細胞
膜に対する浸透性がよく、細胞内にまで十分に到達す
る。これは卓効のある製剤になり得るということであ
る。これに加え、失活の点が改善されるならば活性酸素
抑制組成物として十分なものになる。かかる観点から本
発明の活性酸素抑制組成物をみた場合、これは活性安定
化剤でSOD様物質の失活を防ぎ、活性なSOD様物質
を多量に含んでいるから、有害な活性酸素や過酸化脂質
を消失させる機能が高くその効果も著しい。そして油剤
化の際に超音波処理を受けているものは、この処理のな
いものと比べた場合に油剤を十分に吸収している。これ
によって細胞膜に対する浸透性がさらに高まり、細胞内
へ到達するSOD様物質量が十分となるから、既述の予
防や治療に用いる製剤として卓効あるものになる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に係る活性酸素抑制組成物
とその製造方法の実施形態を以下に説明する。
【0018】本発明に係る活性酸素抑制組成物の原料は
下記〜のように大別することができる。SOD様
物質を含む原料であるがこれを低分子化処理していない
もの。SOD様物質を含む原料にSOD様物質活性安
定化剤を添加したものであるがこれを低分子化処理して
いないもの。SOD様物質を含む原料を失活させない
ように低分子化処理したもの。SOD様物質を含む原
料にSOD様物質活性安定化剤を添加してこれを失活さ
せないように低分子化処理したもの。ここでいう原料は
植物であることが多い。具体的には穀物類・果実類・野
菜類・種子類・茶の葉・茸類・海草類・藻類(クロレラ
を含む)・樹木・竹・笹・草(ハーブを含む)などのう
ちからSOD様物質を含むものを選択する。また、樹皮
・果皮・花・葉・茎・根・芽・胚芽・糠のような部分を
取り出してこれを原料にすることもある。SOD様物質
(フラボノイド類・ポリフェノール類・タンニン・トコ
フェロール・ビタミンBなど)を豊富に含む米・小麦
・大麦・大豆・小豆・モロコシ・鳩麦・エンドウのごと
き種子類や、茶の葉・海草・クロレラなどはとくに望ま
しい原料である。これら以外の原料として、細菌類
(例:ビフィズス菌・乳酸菌・他の有用で安全な細菌)
や酵母類(例:ビール酵母・パン酵母など)をあげるこ
とができる。
【0019】SOD様物質の活性安定化剤については、
代表的一例としてトレハロースをあげることができる。
トレハロースは自然界に広く存在する非還元性二糖であ
って人体に無害のものである。動植物のトレハロースに
は、凍結・熱・乾燥などの障害から自身を保護する機能
があるといわれている。トレハロースには、また、植物
のSOD様活性を安定化させる作用があることも認めら
れている。他にビタミンC・ビタミンE・マルトースな
ども、この種の活性安定化剤として用いることができ
る。
【0020】上述した原料〜のうちで、原料の
場合はこれらに含まれているSOD様物質を低分子化し
たものである。原料中のSOD様物質を低分子化すると
きは、遠赤外線・超音波・高周波・低周波など任意のエ
ネルギを利用して原料焙煎する。具体的にいうと、一例
では遠赤外線を原料に照射してこれを焙煎し、他の一例
では超音波エネルギを原料に与えてこれを焙煎し、さら
に他の一例では遠赤外線と超音波との両方を用いて原料
を焙煎する。焙煎のときは、処理温度(焙煎温度)を4
0℃〜100℃望ましくは50℃〜95℃に保持するほ
か、原料を焦がさないようにしながらゆっくりと焙煎す
る。かかる焙煎によると、原料中のSOD様物質(高分
子物質)が重合を断ち切られて低分子化する。低分子後
のSOD様物質は重合のないフリー状態であるから細胞
内に取り込むことができる。原料は焙煎後、粉末状や顆
粒状のように粉砕するが、焙煎前に原料を細かく砕いて
おいてもよい。原料の場合は、また、焙煎前および/
または焙煎中にSOD様物質活性安定化剤を添加する。
この場合の活性安定化剤は上述したうちの一種以上であ
るが、トレハロースを欠かさないことが望ましい。原料
に添加したSOD様物質活性安定化剤は、上記焙煎の際
に、SOD様活性を安定させてSOD様物質の失活を防
ぐから、多くのSOD様物質が活性化状態を保持する。
このSOD様物質活性安定化剤を焙煎後の原料に添加す
ることもある。なお低分子化処理していない上記原料
も、これらを細かく砕いて用いる。
【0021】本発明でいうところの発酵処理物は、一例
として上記原料のみを発酵処理したものであり、他の
一例として上記原料のうちの一つ以上と原料と
の混合物を発酵処理したものである。該発酵処理物は別
の一例として、上記原料のうちのいずれか一つ、
または、いずれか二つ以上を発酵処理したものである。
発酵については、微生物を利用するもの・発酵物質を用
いるもの・発酵物質の前駆体を用いるものなど各種の手
段があるから、これらのうちのいずれか一つ以上の手段
で原料を数10分〜10日前後(通常は3〜36時間程
度)発酵処理すればよい。微生物発酵では、発酵菌のほ
か各種の安全な嫌気性菌や好気性菌を用いる。発酵物質
による発酵では、成熟した「パパイヤやパイナップルの
果汁・イチジクの果皮・ブドウの果皮・若竹の皮」など
を用いるほか、ジアスターゼ・パクレアチンなどの消化
酵素、プロテアーゼ・ペプシン・トリプシンなど微生物
由来の蛋白質加水分解酵素を用いる。また、発酵物質の
前駆体による発酵では、上記の消化酵素や蛋白質加水分
解酵素を生成する前駆物質を用いる。以上のような手段
で発酵処理した原料すなわち発酵処理物では、微生物や
酵素などで重合がさらに切断されるためSOD様物質の
低分子化がより促進する。この発酵処理物にも既述の活
性安定化剤を添加してよい。
【0022】本発明の活性酸素抑制組成物は、上記の発
酵処理物とこれに添加した油剤化物質とを有してなる。
この場合の油剤化物質は油脂系のものである。油脂系の
油剤化物質とは植物油・動物油・調合油(混合油)・加
工油などを含めた上位概念語である。植物油にはゴマ油
・オリーブ油・コーン油・大豆油・菜種油・綿実油・糠
油・パーム油・ヒマワリ油・ヤシ油・落花生油などがあ
る。動物油にはスッポン油(スッポンから採取した油)
・肝油・魚油のほか、漢方などで用いられる油がある。
調合油は、異種の植物油を調合したもの・異種の動物油
を調合したもの・植物油と動物油とを調合したものなど
である。加工油は油を粉末化したものである。より具体
的な油剤化物質を数例をあげると、下記〜のような
ものになる。遠赤外線焙煎および/または超音波焙煎
した後のゴマから採取したペースト状の油。遠赤外線
焙煎および/または超音波焙煎した後のゴマから採取し
た油と生ゴマから採取した油との混合油。スッポン
油。そして一例では油剤化物質のいずれかを発酵
処理物に添加する。他の一例では油剤化物質を発酵
処理物に添加する。さらに他の一例では油剤化物質
を発酵処理物に添加する。油剤化物質の添加量は、発酵
処理前の原料または発酵処理物をAとし、油剤化物質を
Bとした場合、{B÷(A+B)}×100が50〜9
8重量%となるような範囲内で設定するが、これに限定
するものでない。また油剤化物質を添加した後の発酵処
理物を超音波処理するのも望ましい。すでに述べたよう
に細胞膜は油親和性が大である。これに対し本発明の活
性酸素抑制組成物は、発酵処理物を上記のごとく油剤化
したものであるから、細胞膜を難なく通過して細胞内に
到達することができる。この場合において、油剤化物質
を用いたものは、活性酸素抑制効果・精力回復効果・
精力増強効果などが焙煎抽出ゴマ油にあるということで
望ましい。油剤化物質を用いたものも精力回復効果や
精力増進効果があるので望ましい。また、油剤化物質の
割合が大きくなるほど油剤化が十分となるので、そのよ
うにすることは望ましい。その場合に油剤化物質を用
いれば十分な油剤化も容易に行える。
【0023】本発明の活性酸素抑制組成物については、
これにビタミンCおよび/またはビタミンCの誘導体を
含有した物質を添加することもある。ビタミンCとその
誘導体は強力な還元性物質であり、それ自体に活性酸素
抑制作用が認められるから、これらを含有した活性酸素
抑制組成物の場合は、その相乗効果を獲得する。ビタミ
ンCとその誘導体は、また、麹などの自壊作用を抑制
し、該活性酸素抑制組成物を安定化させるから、遊離生
成した既述の低分子物質による活性酸素抑制作用も強化
する。ビタミンCの誘導体には、ビタミンCナトリウム
など塩やビタミンCパルミテートなどのエステルがあ
る。ビタミンCまたはその誘導体を含有するものとして
は、大麦・大根の若葉や根・レモン・椰子の実・緑茶・
ほうれん草などを例としてあげることができる。また、
これらを加工して必要な成分を抽出したものも利用する
ことができる。
【0024】本発明の活性酸素抑制組成物を含有成分と
する外用薬は、当該活性酸素抑制組成物をラノリン・ワ
セリン・蜜蝋などの基剤に配合したものであったり、グ
リセリン・ラウリル硫酸ナトリウム・ステアリルアルコ
ールなどの基剤に配合したものであったりする。この外
用薬が上記活性酸素抑制組成物以外の薬効成分も含有し
ていることがある。本発明の外用薬は皮膚の異常や炎症
によく効き、とくに皮膚のアレルギー性疾患や自己免疫
疾患などに対して優れた治療効果や改善効果を発揮す
る。
【0025】本発明の活性酸素抑制組成物を含有成分と
する他の一つはアルコール系飲料である。本発明の活性
酸素抑制組成物をアルコール系飲料に含有させるための
手段は多々ある。最も簡単な方法は適量のそれを単に
アルコール系飲料に添加することである。一方、ビール
・ワイン・日本酒などの醸造酒ではその醸造工程中に発
酵処理がある。したがって一例では、酒類原料の一部ま
たは全部を既述の手段で低分子化してから酒類原料を発
酵処理にかける。他の一例では、酒類原料に活性酸素抑
制組成物の原料を加え、これらを醸造工程で発酵処理す
る。このようにする場合は、醸造酒の製造と共に本発明
の活性酸素抑制組成物をアルコール系飲料に含有させる
ことができる。この活性酸素抑制組成物を含有したアル
コール系飲料は、これを含まないアルコール系飲料と比
べた場合、自明のとおり、健康その他の面で望ましい飲
料になる。
【0026】以上に述べた活性酸素抑制組成物を製造す
るための方法は、以下に述べるような原料作製ステップ
と発酵ステップと油剤化ステップと活性安定化ステップ
とを備えている。
【0027】原料作製ステップでは、低分子化されたS
OD様物質が含まれているものを原料の一部または全体
として該低分子SOD様物質が失活していないものをつ
くる。具体的には段落番号[0018]〜[0020
の欄で述べた原料である。また、これらのうち
で焙煎処理を要するものは、既述の遠赤外線・超音波・
高周波・低周波などいずれか一つ以上のエネルギで焙煎
されている。とくにいえば遠赤外線焙煎や超音波焙煎で
ある。
【0028】発酵ステップでは原料を発酵処理して発酵
処理物をつくる。具体的には段落番号[0021]の欄
で述べたように、原料のみを発酵処理したものや、原
料のうちの一つ以上と原料との混合物を発酵処
理したものや、原料のうちのいずれか一つ、また
は、いずれか二つ以上を発酵処理したものなどをつく
る。かかる発酵に際して、微生物利用する手段・発酵物
質を用いる手段・発酵物質の前駆体を用いる手段などを
任意に採用することも、段落番号[0021]の欄で述
べたとおりである。
【0029】油剤化ステップでは、油剤化物質を発酵処
理物に添加してこれを油剤化処理する。具体的には段落
番号[0025]で述べた油剤化物質を用い、一
つめの例では油剤化物質のいずれかを発酵処理物
に添加し、二つめの例では油剤化物質を発酵処理物
に添加し、三つめの例では油剤化物質を発酵処理物
に添加する。そしてこの場合に、既述の範囲内で油剤化
物質の添加量を設定する。ここで、油剤化物質を添加し
た後の発酵処理物を超音波処理することもある。
【0030】活性安定化ステップにおいては、原料作製
ステップ・発酵ステップ・油剤化ステップのうちの一つ
以上のステップであって、そのステップ前後にわたる任
意時点で一回以上、SOD様物質の活性安定化剤を添加
する。換言すると、原料作製前・原料作製中・原料作製
後・発酵前・発酵中・発酵後・油剤化前・油剤化中・油
剤化後のうちの一時点で一回以上、または、これらのう
ちの複数時点で複数回、活性安定化剤を添加するという
ものである。したがって前述した原料を用いるとき
は、これで活性安定化ステップを終えていることにな
る。活性安定化ステップは、また、実施自由度が上記の
とおりであるから、活性安定化剤を随時添加することが
できる。この活性安定化ステップで用いられる活性安定
化剤は段落番号[0022]の欄に詳記されている。
【0031】
【実施例】出発原料である米胚芽・大豆・小麦・鳩麦・
ビール酵母・トレハロース(それぞれ1重量部)を90
℃前後に保持した陶製の遠赤外線放射容器内に入れ、こ
れをゆるやかに掻き混ぜながら約2時間半余りをかけて
焙煎し、原料中のSOD様物質を低分子化した。ついで
遠赤外線焙煎後の原料に種麹を全量の約3.5%添加し
た後、これを38℃前後の状態に75時間程度保持して
発酵させた。この発酵処理物をはじめは木槌で細かく砕
き、つぎに擂鉢で粉末化した。一方で、ゴマ1重量部に
トレハロース0.5重量部を加え、これを上記と同じく
遠赤外線焙煎した後、擂鉢で擂り潰し、圧搾して、粘稠
性の高いトレハロース入りゴマ油をつくった。また、ト
レハロース入りゴマ油3重量部に市販のゴマ油5重量部
を加え、これらを均質に混ぜ合わせて調合油とした。さ
らに、この調合油に上記の粉末23重量部を添加して均
一に攪拌し、これに超音波エネルギを与えて10〜20
分間ほど処理した後、28℃で約1週間熟成させた。最
後は、熟成後のものに適量のビタミンEを加えてからこ
れをゼラチンカプセルに封入して油性製剤とした。
【0032】
【比較例】上述した実施例と比較するための例として、
活性安定化剤(トレハロース・ビタミンE)は添加ぜ
す、他は実施例と同様にしてカプセル入り油性製剤をつ
くった。
【0033】
【評価】実施例の油性製剤について、閉塞性脳血管障害
をもつ成人の外来患者5人に日量を4gとして6箇月間
投与したところ、再発率=1/51というように著効で
あった。実施例の油性製剤には、また、約85%もの精
力増強作用が認められた。比較例の油性製剤について、
閉塞性脳血管障害をもつ成人の外来患者48人に日量を
3gとして6箇月間投与したところ、再発率=5/48
という結果にとどまり、実施例ほど顕著な治療効果は示
さなかった。治療効果にこのような差異が生じた理由と
してつぎのことが考えられる。実施例の油性製剤では、
活性安定化剤による失活防止効果のため有意に作用する
活性化低分子SOD様物質の量が相対的に多く、また、
超音波処理による十分な油剤化効果のため細胞膜浸透性
が高められたといえる。これに対する比較例の油性製剤
では、活性化低分子SOD様物質の量が相対的に少ない
ほか、油剤化も高レベルに達してないといえる。
【0034】
【発明の効果】本発明に係る活性酸素抑制組成物は、低
分子SOD様物質だけでなくこれの活性安定化剤をも含
むから、製造過程や長期保存においてSOD様物質が失
活しがたい。とくに原料・発酵処理物・油剤化物質のす
べてにSOD様物質の活性化安定剤が添加されているも
のは、より失活しがたい活性酸素抑制組成物となる。し
たがって本発明のものは、医薬品・健康食品・健康飲料
などをつくる上で有用かつ有益な活性酸素抑制組成物と
なる。本発明に係る活性酸素抑制組成物は、また、油剤
化もされているから細胞膜に対する浸透性がよく、細胞
内にまで十分に到達する。ちなみに発酵処理前の原料ま
たは発酵処理物をA、油剤化物質をBとした場合、{B
÷(A+B)}×100が50〜98重量%となるよう
に油剤化物質が添加されたものは、その添加量未満のも
のよりも油剤化物質の添加量が多いことになる。この
剤化に際して超音波処理されているものは細胞膜に対す
る浸透性が良好であり、細胞内に到達する低分子SOD
様物質がより多くなるので、上記の有用性や有益性がさ
らに高い活性酸素抑制組成物ということになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/30 A23L 1/36 A61K 35/78

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発酵処理前のSOD様物質を含む原料が
    米・小麦・大麦・大豆・鳩麦・笹・胚芽・糠・茶の葉・
    クロレラ・乳酸菌・ビール酵母から選択されたものであ
    ってSOD様物質の一部または全部が失活しないように
    原料焙煎で低分子化されていること、および、原料が発
    酵処理でさらに低分子化されていること、および、原料
    の発酵処理物が油脂系の油剤化物質で油剤化処理されて
    いること、および、トレハロース・ビタミンC・ビタミ
    ンE・マルトースのうちの一種以上であってトレハロー
    スを欠かさないものがSOD様物質の活性化安定剤とし
    原料・発酵処理物・油剤化物質のうちの一つ以上に添
    加されていることを特徴とする活性酸素抑制組成物。
  2. 【請求項2】原料・発酵処理物・油剤化物質のすべてに
    SOD様物質の活性化安定剤が添加されている請求項1
    記載の活性酸素抑制組成物。
  3. 【請求項3】発酵処理前の原料または発酵処理物をAと
    し、油剤化物質をBとした場合、{B÷(A+B)}×
    100が50〜98重量%となるように油剤化物質が添
    加されている請求項1または2記載の活性酸素抑制組成
    物。
  4. 【請求項4】油剤化物質を添加された発酵処理物が超音
    波処理を受けている請求項1〜いずれかに記載の活性
    酸素抑制組成物。
JP2898399A 1999-02-05 1999-02-05 活性酸素抑制組成物 Expired - Fee Related JP3282032B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2898399A JP3282032B2 (ja) 1999-02-05 1999-02-05 活性酸素抑制組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2898399A JP3282032B2 (ja) 1999-02-05 1999-02-05 活性酸素抑制組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000224970A JP2000224970A (ja) 2000-08-15
JP3282032B2 true JP3282032B2 (ja) 2002-05-13

Family

ID=12263664

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2898399A Expired - Fee Related JP3282032B2 (ja) 1999-02-05 1999-02-05 活性酸素抑制組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3282032B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002065206A (ja) * 2000-09-01 2002-03-05 Toyo Shinyaku:Kk 免疫賦活食品
CN103451061A (zh) * 2013-08-29 2013-12-18 成都磊淼商贸有限公司 酿造果酒添加歧化酶(sod)工艺程序
CN106085683A (zh) * 2015-03-23 2016-11-09 孙燕霞 一种具有保健功效的sod葡萄酒

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000224970A (ja) 2000-08-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR900006885B1 (ko) 활성산소 억제 조성물 및 이의 제조방법
US8257761B2 (en) Polyphenol-containing products
CN105053360A (zh) 一种功能性复合酵素茶及其制备方法和使用方法
CN104649816A (zh) 一种茶树菇专用培养基
CN109662222A (zh) 具有细胞修复和提升细胞活力的植物饮料及其制备方法
JP2000159682A (ja) 生薬の抗腫瘍活性強化方法、抗腫瘍活性強化生薬含有組成物、生薬処理の抗腫瘍有効性評価方法、および生薬の抗腫瘍有効性評価方法
KR20220013451A (ko) 유산균 발효숙성 노니 및 코코넛 슈가를 포함하는 유산균 발효 노니 식초 및 유산균 발효숙성 노니의 제조방법
JP2955126B2 (ja) 医薬用油性製剤、食品用油性製剤およびそれらの製造方法
KR20140046865A (ko) 쇠비름 및 미강을 함유하는 발효 조성물 및 그의 제조방법
KR101292017B1 (ko) 두피질환용 한방 샴푸 조성물 및 이를 이용한 한방 샴푸의 제조방법
JP3282032B2 (ja) 活性酸素抑制組成物
JPH02154662A (ja) 活性酸素抑制組成物
JP2010100663A (ja) タマネギ発酵物を含有する酵素阻害剤
JP2005097222A (ja) タマネギ発酵物
JP2001288116A (ja) 活性酸素抑制組成物とその製造方法
JP3386155B2 (ja) 化粧クリーム、しみ・そばかすの予防あるいは治療用クリーム、小皺の予防あるいは治療用クリーム、及び日焼けの予防あるいは治療用クリーム
JP2001199892A (ja) アミグダリン含有物の抗腫瘍活性強化方法、抗腫瘍活性強化アミグダリン含有物を含む組成物、アミグダリン含有物処理の抗腫瘍有効性評価方法、およびアミグダリン含有物の抗腫瘍有効性評価方法
CN107822115A (zh) 一种姜黄红梨复合酵素及其制备方法
KR102550148B1 (ko) 천연발효 효소복합액을 이용한 녹각 또는 녹용 발효물과 이를 이용한 전립선 개선 또는 성기능 개선용 조성물
KR20050023546A (ko) 상황버섯의 유효성분이 함유된 술의 제조방법 및 그 술
KR101921296B1 (ko) 메디아를 이용한 생약 발효액의 제조방법과 생약 발효용 메디아
KR101834060B1 (ko) 화장료 조성물, 화장료 조성물 제조방법 및 화장료 조성물을 이용한 화장품 제조방법
KR20230173538A (ko) 홍화 꽃 발효추출물을 포함하는 주름개선 및 탄력 증가용 제제
KR20220104903A (ko) 생약을 이용한 누룩 제조 방법
KR20020020614A (ko) 곡주(穀酒-醱酵酒.)의 산패(酸敗) 지연 양조법

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020108

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090301

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100301

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110301

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120301

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130301

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130301

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140301

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees