JP3280407B2 - 透明電極材料の劣化防止方法 - Google Patents

透明電極材料の劣化防止方法

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JP3280407B2
JP3280407B2 JP01179892A JP1179892A JP3280407B2 JP 3280407 B2 JP3280407 B2 JP 3280407B2 JP 01179892 A JP01179892 A JP 01179892A JP 1179892 A JP1179892 A JP 1179892A JP 3280407 B2 JP3280407 B2 JP 3280407B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示デバイス、エレ
クトロルミネセンス表示デバイスなどの表示装置や密着
型イメージセンサなどの光電変換デバイスの製造の際の
レジスト現像工程などにおいて、電気的に接続されたI
TO(酸化インジウムと酸化スズからなる透明電極材
料)などとAl、Al合金などとが同時に現像液などに
露出したばあいに、ITOなどが電気化学反応により劣
化することを防ぐ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は、特開昭63-140088号公報に示さ
れた電極の加工方法であって、電極材料を2種以上併用
する電気素子のフォトエッチングによる電極の加工方法
において、加工に使用する溶液が異なる電極材料からな
る複数の電極に同時に接触しないように、あらかじめ一
方の電極材料からなる電極をパターン加工の対象となる
他の電極材料からなる電極との接触部を除いてレジスト
膜によって被覆したのち、フォト加工を行なうことを特
徴とする電極の加工方法を示す。この特許公報には前記
電極材料としてITOとAlをガラス基板に堆積した例
が示されている。
【0003】図7に示す方法では、まず図7(a)に示す
ITO電極2のパターン上のAl電極を積層する必要の
ない部分で、しかもエッチャントなどの加工液と隔離し
たい部分を、図7(b)のようにレジスト第1層13により
被覆する。そののち、図7(c)に示すようにAl電極
4を蒸着、スパッタなどの方法で堆積し、その上に図7
(d)のようにレジスト第2層14のパターンをフォトリ
ソグラフィによって作製する。このとき、図7(d)中に
見られるようにレジスト第1層13とレジスト第2層14と
の重複部分15を設けると、ITO電極2とエッチャント
などの加工液との隔離を一層確実に行なうことができ
る。この素子をAlエッチャントに浸漬し、図7(e)に
示すように不要なAlを除去し、Al電極4のパターン
を作製する。このとき、エッチャントにはAl電極のみ
が接するため、ITO電極2とAl電極4の間には電池
が形成されない。したがって、電気化学反応によりIT
O電極2が劣化することはない。最後に、レジストの剥
離液によってレジスト第1層13とレジスト第2層14を取
り除くことにより、図7(f)のようにガラス基板1上に
ITO電極2とAl電極4の2種の電極材料による電極
パターンを作製することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記のような従来の方
法では、不要なAlをエッチングする際にレジストやA
lにピンホールのような欠陥が存在するとITOとAl
が同時にエッチャントに露出し、また、図7(e)から(f)
へのレジスト第1層13の完全除去の過程においてITO
とAlが同時に剥離液に露出し、ITOとAlとの間で
電池が形成され、その結果、ITOが劣化する。Alの
溶解反応に伴うピンホールの発生によって下層のITO
が劣化する現象は、シャープ技報、44(1990)、31〜36頁
にも記載されている。表示素子においては、電極パター
ンの高密度化に伴ってパターン寸法精度が要求されるよ
うになってきているため、ITOの劣化を防止する対策
の必要性が高まっている。
【0005】本発明は前記のような問題点を解消するた
めになされたもので、ITOなどとAlやAl合金など
が電気的に接続している構造物において、それらが同時
に電解液に露出してもITOなどの劣化が防止できる方
法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ITOの
劣化機構を調べるために、電解液中における電気化学測
定を行なった。なお、以下に示す電位はAg/AgCl
電極を基準電極として表わした値である。
【0007】図1はpH13.5のテトラメチルアンモニウ
ムハイドロオキサイド溶液中におけるITOのカソード
分極曲線を示す。−1.45V近傍において電流のピークが
見られ、ITOが急激に茶色に変色し、溶解しやすくな
る。
【0008】ところで、たとえば同面積のITOとAl
を電気的に接続し、前記テトラメチルアンモニウムハイ
ドロオキサイド溶液に浸漬したときのITOの電位は−
1.93Vであり、ITOは茶色に変色する。また、IT
O、Alをそれぞれ単独で電解液に浸漬したときの電位
は、それぞれ−0.15V、−1.93V近傍である。よって、
ITOとAlを電気的に接続させることにより、ITO
の電位が前記−1.45Vよりもはるかに低いAlの電位付
近まで引き下げられ、その結果、ITOが劣化する。
【0009】したがって、ITOの劣化を防ぐために
は、ITOの電位をその劣化が急激に進行する電位(前
記の例では−1.45V)よりも高い(貴な)電位に維持し
なければならばならない。
【0010】本発明は以上のような検討を重ねた結果見
出されたものであり、透明電極材料と金属(I)とが電
気的に接続されている構造物における透明電極材料の劣
化防止方法であって、前記構造物に、浸漬される電解液
中の透明電極材料の電位(自然電位)を、その劣化が急
激に進行する電位(劣化電位)よりも高い電位に維持し
うる金属(II)を電気的に接続することを特徴とする透
明電極材料の劣化防止方法(以下、劣化防止方法Aとい
う)、透明電極材料と金属(I)とが電気的に接続され
ている構造物における透明電極材料の劣化防止方法であ
って、電解液に浸漬する際にその構造物に、浸漬される
電解液中の透明電極材料の電位(自然電位)を、その劣
化が急激に進行する電位(劣化電位)よりも高い電位に
維持しうる金属(II)を電気的に接続し、かつ電解液に
ソルビトール、クペロン、チオ尿素、オキシン、エチレ
ングリコール、ヘキサメチレンテトラミンおよびシクロ
ヘキシルアミンのうちの少なくとも1種を添加すること
を特徴とする透明電極材料の劣化防止方法(以下、劣化
防止方法Bという)および透明電極材料と金属(I)と
が電気的に接続されている構造物における透明電極材料
の劣化防止方法であって、電解液に対する透明電極材料
の電位を、電解液中において、その劣化が急激に進行す
る電位よりも高い電位に維持されるように外部から強制
的に規制することを特徴とする透明電極材料の劣化防止
方法(以下、劣化防止方法Cという)に関する。
【0011】
【作用】本発明の劣化防止方法Aでは、透明電極材料や
金属(I)に、電解液中の透明電極材料の電位がその劣
化が急激に進行する電位よりも高い(貴な)電位に維持
されるよう金属(II)を電気的に接続するので、透明
電極材料と金属(I)とが同時に電解液に露出した際の
透明電極材料の劣化が防止される。
【0012】本発明の劣化防止方法Bでは、透明電極材
料や金属(I)に、電解液中の透明電極材料の電位をそ
の劣化が急激に進行する電位よりも高い(貴な)電位に
維持するような金属(II)を電気的に接続し、かつ電解
液に特定の試薬を添加するので、試薬を添加しないばあ
いに比べて電解液に露出する金属(II)の面積が小さく
ても透明電極材料の劣化が防止される。
【0013】また、本発明の劣化防止方法Cでは、透明
電極材料と金属(I)とが電気的に接続されている構造物
を電解液に浸漬したとき、外部からの電圧の印加によっ
て電解液に対する透明電極材料の電位がその劣化が急激
に進行する電位よりも高い(貴な)電位に維持されるの
で透明電極材料の劣化を防止できる。
【0014】
【実施例】まず、本発明の透明電極材料の劣化防止方法
Aについて説明する。
【0015】劣化防止方法Aに用いられる透明電極材料
としては、たとえばITOがあげられ、金属(I)として
は、たとえばAlやAl−Si、Al−Cu、Al−N
b、Al−Au、Al−Ag、Al−Pd、Al−R
u、Al−Si−Cu、Al−Cu−Mn、Al−Mn
−Si、Al−Pd−SiなどのAl合金があげられ
る。
【0016】また、金属(II)としては、透明電極材料や
金属(I)の種類、浸漬される電解液の種類(とくにp
H)、電解液に露出する透明電極材料と金属(I)と金属
(II)の面積の比などに応じて、電解液中の透明電極材料
の電位を、その劣化が急激に進行する電位よりも高い電
位に維持しうる金属が選択される。たとえば、透明電極
材料としてITO、金属(I)としてAlまたはAl合金
を用い、それらがpH13.5の電解液(たとえばテトラメ
チルアンモニウムハイドロオキサイド)に浸漬され、電
解液に露出するITOとAlまたはAl合金と金属(II)
の面積が等しいばあい、金属(II)としては、下記の理由
により Co、Fe、Ir、Ni、Pd、Pt、Re、
Rh、WおよびMoのうちの少なくとも一種が使用され
る。
【0017】表1は同面積のAlと前記金属(II)とを電
気的に接続し、同時に電解液に露出したときの金属(II)
の電位を示す。また、表2はAlのかわりにAl合金の
一例として同面積のAl−Si−Cuと前記金属(II)と
を電気的に接続し、同時に電解液に露出したときの金属
(II)の電位を示す。表1または表2に示すようにいずれ
の金属の電位も−1.45Vよりも高い。ところで、ITO
単独の電位は前記のとおり−0.15V近傍にあるので、I
TO、AlまたはAl−Si−Cu、前記金属(II)を同
時に接続したばあい、ITOの電位は−1.45V以下には
ならない。したがって、ITOの劣化を防止することが
できる。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】 透明電極材料と金属(I)と金属(II)の電解液に露出する
面積の比については、表1、2に示すとおり、金属(I)
と金属(II)を同面積としたばあいの金属(II)の電位は透
明電極材料が急激に劣化する電位よりも高いので、金属
(II)の面積を少なくとも金属(I)のそれ以上とすること
によって前記劣化を防止できる。たとえば構造物の浸漬
される電解液のpHが13.5、透明電極材料がITO、金
属(I)がAl、電解液に露出するITOとAlの面積が
等しく、金属(II)としてMoを用いるばあい、電解液に
露出するMoの面積(S(Mo))とAlの面積(S
(Al))の比:(S(Mo))/(S(Al))が1
以上になるようにMoを用いることにより、ITOの電
位をその劣化が急激に進行する電位よりも高くすること
ができ、ITOの劣化を防止しうる。なお、透明電極材
料の電位を透明電極材料が急激に劣化する電位よりも高
くしうる限り、電解液に露出する金属(II)の面積を金属
(I)の面積よりも小さくしてもよい。
【0020】つぎに、本発明の透明電極材料の劣化防止
方法Bについて説明する。
【0021】劣化防止方法Bに用いられる透明電極材料
および金属(I)としては、劣化防止方法Aで用いられる
材料と同様のものがあげられる。
【0022】金属(II)および電解液に添加する試薬とし
ては透明電極材料や金属(I)および浸漬する電解液の種
類、電解液に露出する透明電極材料と金属(I)と金属(I
I)の面積比に応じて電解液中の透明電極材料の電位をそ
の劣化が急激に進行する電位よりも高い(貴な)電位に
維持しうる金属および試薬が選択される。たとえば、透
明電極材料としてITO、金属(I)としてAlまたはA
l合金を用い、それらをpH13.5の電解液(たとえばテ
トラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)に浸漬す
るばあい、電解液に露出するITOとAlまたはAl合
金と金属(II)の面積比を2:2:1とする金属(II)とし
ては、Co、Fe、Ir、Ni、Pd、Pt、Re、R
h、WおよびMoが使用され、また試薬としてはソルビ
トール、クペロン、チオ尿素、オキシン、エチレングリ
コール、ヘキサメチレンテトラミン、シクロヘキシルア
ミンなどが使用される。
【0023】表3は面積比2:1のAlと前記金属(II)
とを電気的に接続し、同時に試薬を添加した電解液中に
おける金属(II)の電位を示す。また表4はAlのかわり
にAl合金の一例としてAl−Si−Cuを用い、面積
比2:1のAl−Si−Cuと前記金属(II)とを電気的
に接続し、同時に試薬を添加した電解液中における金属
(II)の電位を示す。なお、前記電位測定の際には100ml
のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド中に3
gのソルビトールを添加した電解液を用いた。表3また
は表4に示すようにいずれの金属の電位も−1.45Vより
も高い。ところで、ITO単独の電位は−0.15V近傍を
示すので、試薬を添加した電解液中においてITO、A
lまたはAl−Si−Cu、金属(II)を同時に接続した
ばあい、ITOの電位は−1.45V以下にならない。した
がって、ITOの劣化を防止することができる。
【0024】前記試薬の添加量は、ITOが急激に劣化
する電位よりも高くかつpHをできるだけ低下させない
程度の量が好ましい。
【0025】したがって好ましい添加量は試薬の種類や
他の条件によって異なるが、たとえば前記条件のばあ
い、pH13.5のテトラメチルアンモニウムハイドロオキ
サイド溶液では試薬を添加することによりpHが13.0程
度以上となる量が実用的である。
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】 透明電極材料と金属(I)と金属(II)の電解液に露出する
面積比については表3、4に示すとおり、金属(I)と金
属(II)の面積比を2:1としたばあいの金属(II)の電位
は、透明電極材料が急激に劣化する電位よりも高い
(貴)。またITO単独の電位は−0.15V近傍にある。
したがって、ITOの金属(I)や金属(II)に対する面積
比がいかなるものであっても、金属(II)の電位は透明電
極材料が急激に劣化する電位よりも高い(貴である)の
で、金属(II)の面積を金属(I)の少なくとも1/2以上
とすることによって前記劣化を防止できる。たとえば構
造物を浸漬する電解液のpHが13.5、透明電極材料がI
TO、金属(I)としてAl、電解液に露出するITOと
Alの面積が等しく、金属(II)としてMoを用いるばあ
い、電解液に露出するMoの面積(S(Mo))とAl
の面積(S(Al))の比:(S(Mo))/(S(A
l))が1/2以上になるようにMoを用いることによ
り、ITOの電位をその劣化が急激に進行する電位より
も高く(貴に)することができ、ITOの劣化を防止し
うる。なお、透明電極材料の電位を透明電極材料が急激
に劣化する電位よりも高くしうる限り、電解液に露出す
る金属(II)の面積を金属(I)の面積の1/2よりも小さ
くしてもよい。
【0028】つぎに、透明電極材料と金属とが電気的に
接続されている構造物において、電解液に対する透明電
極材料の電位を外部から強制的に規制する劣化防止方法
Cについて説明する。
【0029】劣化防止方法Cに用いられる透明電極材料
および金属(I)は、劣化防止方法Aで用いられる材料と
同様のものがあげられる。そして、透明電極材料の電位
をその劣化が急激に進行する電位よりも高い電位に維持
されるように外部から強制的に規制することにより、劣
化防止方法Aと同様の効果がえられる。
【0030】[実施例1]劣化防止方法Aの第1の例を
図2を用いて説明する。図2は、表示素子の製造工程の
一例を示す断面図である。図2(a)において1はガラス
基板、2はITO、3は金属(II)で、たとえばNiであ
り、4はAlである。まず2〜4の材料を蒸着法やスパ
ッタ法などによってガラス基板1上に順次堆積させたの
ち、必要なAlの部分をマスクで覆い、乾式エッチング
により不要なAlを除去する(図2(b))。そののち、
マスクを取り去り、レジスト5を塗布する(図2
(c))。レジストをフォトマスクを用いて露光したの
ち、たとえばpH13.5の電解液を用いた2分間の現像工
程を経て(図2(d))、不要なAlを乾式エッチング
し、Al配線などを作製する(図2(e))。
【0031】前記フォトリソグラフィーの工程の中で、
たとえば電解液に露出するAlとNiが同面積になるよ
うに作製しておくと、レジスト現像時にAlやNi内に
ITOまで通じる欠陥(たとえばピンホール)が存在し
ても、その部分のITOは劣化しない。
【0032】また、Al配線などを作製したのち、必要
に応じて図2(e)の点線で示すようにガラス基板を切断
してもよい。
【0033】この例では、配線材料としてAlを用いて
いるが、AlのかわりにAl合金(Al−Si、Al−
Cu、Al−Si−Cuなど)を用いても、NiはIT
Oの劣化防止に有効である。また、NiはAlがITO
へ拡散するのを防ぐ役目も果たす。したがって、Niは
ITOの劣化防止とAlのITOへの拡散防止という2
つの役割を持つ層として有効である。
【0034】Ni以外の金属(II)を用いても同様の役目
を果たす。さらに、図では示していないが、ITO上に
Ni、Wを順次積層するなど、金属(II)を多層化しても
よい。
【0035】[実施例2]劣化防止方法Aの第2の例を
図3を用いて説明する。図3は表示素子の製造工程の一
例を示す断面図である。図3(a) において1はガラス基
板、2はITO、6は金属(III)(この例ではCr)、
4はAlである。まず2、6、4の材料を蒸着法やスパ
ッタ法などによってガラス基板1上に順次堆積させたの
ち、必要なAlの部分をマスクで覆い、乾式エッチング
により不要なAlおよびその下のCrを除去する(図3
(b))。そののち、金属(II)としてたとえばNi3を蒸着
法やスパッタ法などによって堆積させ(図3(c))、マ
スクを取り去り、レジスト5を塗布する(図3(d))。
レジスト5をフォトマスクを用いて露光したのち、たと
えばpH13.5の電解液を用いた2分間の現像工程を経て
(図3(e))、不要なAlを乾式エッチングし、Al配
線などを作製する(図3(f))。なお、この例で使用さ
れている金属(III)は、AlがITOへ拡散するのを防
止するために形成されたものである。
【0036】前記のフォトリソグラフィーの工程の中
で、レジスト現像時に実施例1で述べたのと同様、Al
やCr内にITOまで通じる欠陥(たとえばピンホー
ル)が存在しても、たとえば電解液に露出するAlとN
iが同面積になるように作製しておくと欠陥部のITO
は劣化しない。
【0037】なお、実施例2においてNiを用いないば
あい、ITOの劣化防止効果はNiを用いるばあいに比
べてきわめて小さい。しかしながら、図3に示すように
Crのような金属(III)を使用したばあい、AlのIT
Oへの拡散防止には効果がある。したがって、Crのよ
うな金属(III)を用いていてもCrとNiが電気的に接
続されている限り、ITOの劣化防止に有効である。
【0038】この例では、配線材料としてAlを用いて
いるが、Alの代わりにAl合金(Al−Si、Al−
Cu、Al−Si−Cuなど)を用いても、NiはIT
Oの劣化防止に有効である。
【0039】[実施例3]劣化防止方法Aの第3の例を
図4を用いて説明する。図4は表示素子の製造工程の一
例を示す断面図である。図4(a)において1はガラス基
板、2はITO、6は金属(III)(この例ではCr)、
4はAlである。まず2、6、4の材料を蒸着法やスパ
ッタ法などによってガラス基板1上に順次堆積させたの
ち、必要なAlの部分をマスクで覆い、乾式エッチング
により不要なAlを除去する(図4(b))。そののち、
マスクを取り去り、レジスト5を塗布する(図4
(c))。レジスト5をフォトマスクを用いて露光したの
ち、Crが表面に露出している部分を金属(II)で、たと
えばNiで電気的に接続する(この例ではNi製クリッ
プ7で挟んでいる)。つぎにたとえばpH13.5の電解液
を用いて2分間の現像を行ない(図4(d))、不要なA
lを乾式エッチングし、Al配線などを作製する(図4
(e))。
【0040】前記のフォトリソグラフィーの工程の中
で、レジスト現像時に実施例1で述べたのと同様、Al
やCr内にITOまで通じる欠陥(たとえばピンホー
ル)が存在しても、たとえば電解液に露出するAlとN
iが同面積になるように作製しておくと欠陥部のITO
は劣化しない。
【0041】なお、実施例2で述べたとおり、Ni製ク
リップを用いないばあいITOの劣化防止効果は小さい
が、AlのITOへの拡散防止には効果があるCrのよ
うな金属(III)を用いていても、この構造物が電解液に
浸漬される間(たとえば現像工程)、CrとNiが電気
的に接続されている限り、ITOの劣化防止に有効であ
る。
【0042】この例では、配線材料としてAlを用いて
いるが、Alの代わりにAl合金(Al−Si、Al−
Cu、Al−Si−Cuなど)を用いても、NiはIT
Oの劣化防止に有効である。
【0043】[実施例4]劣化防止方法Aの第4の例を
図5を用いて説明する。図5は表示素子の製造工程の一
例を示す断面図である。図5(a)において1はガラス基
板、2はITO、6は金属(III)(この例ではCr)、
3は金属(II)で、たとえばNiであり、4はAlであ
る。まず2、6、3、4の材料を蒸着法やスパッタ法な
どによってガラス基板1上に順次堆積させたのち、必要
なAlの部分をマスクで覆い、乾式エッチングにより不
要なAlを除去する(図5(b))。そののち、マスクを
取り去り、レジストを塗布する(図5(c))。レジスト
をフォトマスクを用いて露光したのち、たとえばpH1
3.5の電解液を用いた2分間の現像工程を経て(図5
(d))、不要なAlを乾式エッチングし、Al配線など
を作製する(図4(e))。
【0044】前記のフォトリソグラフィーの工程の中
で、レジスト現像時にAlやNi、Cr内にITOまで
通じる欠陥(たとえばピンホール)が存在しても、たと
えば電解液に露出するAlとNiが同面積になるように
作製しておくと、欠陥部のITOは劣化しない。
【0045】この例では配線材料としてAlを用いてい
るが、Alの代わりにAl合金(Al−Si、Al−C
u、Al−Si−Cuなど)を用いても、NiはITO
の劣化防止に有効である。また、図では示していない
が、ITO上にNi、Wを順次積層するなど、金属(II)
を多層化してもよい。
【0046】[実施例5]劣化防止方法Bの第1の例を
図2を用いて説明する。実施例1と同様の図2(a)〜(c)
工程ののち、レジストをフォトマスクを用いて露光し、
たとえばpH13.5のテトラメチルアンモニウムハイドロ
オキサイド溶液100ml当たり3gのソルビトールを添加
した電解液を用いて2分間の現像を行ない(図2
(d))、不要なAlを乾式エッチングし、Al配線など
を作製する(図2(e))。
【0047】前記のフォトリソグラフィーの工程の中
で、たとえば電解液に露出するAlとNiの面積比を
2:1になるように作製しておくと、レジスト現像時に
AlやNi内にITOまだ通じる欠陥部(たとえばピン
ホール)が存在しても、その部分のITOは劣化しな
い。また、前記工程においてソルビトールを添加するこ
とにより、添加しないばあいに比べて電解液に露出する
金属(II)の面積が小さくても透明電極材料の劣化が防止
される。
【0048】[実施例6]劣化防止方法Bの第2の例を
図3を用いて説明する。実施例2と同様の図3(a)〜(d)
工程ののち、レジスト5をフォトマスクを用いて露光
し、たとえばpH13.5のテトラメチルアンモニウムハイ
ドロオキサイド100ml当たり3gのソルビトールを添加
した電解液を用いて2分間の現像工程を経て(図3
(e))、不要なAlを乾式エッチングし、Al配線など
を作製する(図3(f))。
【0049】前記のフォトリソグラフィーの工程の中
で、レジスト現象時に実施例5で述べたのと同様、Al
やCr内にITOまで通じる欠陥(たとえばピンホー
ル)が存在しても、たとえば電解液に露出するAlとN
iの面積比を2:1になるように作製しておくと欠陥部
のITOは劣化しない。また、前記工程でソルビトール
を添加することにより、添加しないばあいに比べて電解
液に露出する金属(II)の面積が小さくても透明電極材料
の劣化が防止される。
【0050】[実施例7]劣化防止方法Bの第3の例を
図4を用いて説明する。実施例3と同様の図4(a)〜(c)
の工程ののち、レジスト5をフォトマスクを用いて露光
し、Crが表面に露出している部分を金属(II)で、たと
えばNiで電気的に接続する(この例ではNi製クリッ
プ7で挟んでいる)。つぎにたとえばpH13.5のテトラ
メチルアンモニウムハイドロオキサイド溶液100ml当た
り3gのソルビトールを添加した電解液を用いて2分間
の現像を行ない(図4(d))、不要なAlを乾式エッチ
ングし、Al配線などを作製する(図4(e))。
【0051】前記のフォトリソグラフィーの工程の中
で、レジスト現象時に実施例5で述べたのと同様、Al
やCr内にITOまで通じる欠陥(たとえばピンホー
ル)が存在しても、たとえば電解液に露出するAlとN
iの面積比を2:1になるように作製しておくと欠陥部
のITOは劣化しない。また、前記工程でソルビトール
を添加することにより、添加しないばあいに比べて電解
液に露出する金属(II)の面積が小さくても透明電極材料
の劣化が防止される。
【0052】[実施例8]劣化防止方法Bの第4の例を
図5を用いて説明する。実施例4と同様の図5(a)〜(c)
工程ののち、レジスト5をフォトマスクを用いて露光
し、たとえばpH13.5のテトラメチルアンモニウムハイ
ドロオキサイド溶液100ml当たり3gのソルビトールを
添加した電解液を用いて2分間の現像を行ない(図5
(d))、不要なAlを乾式エッチングし、Al配線など
を作製する(図5(e))。
【0053】前記のフォトリソグラフィーの工程の中
で、レジスト現象時にAlやNi、Cr内にITOまで
通じる欠陥(たとえばピンホール)が存在しても、たと
えば電解液に露出するAlとNiの面積比を2:1にな
るように作製しておくと欠陥部のITOは劣化しない。
また、前記工程でソルビトールを添加することにより、
添加しないばあいに比べて電解液に露出する金属(II)の
面積が小さくても透明電極材料の劣化が防止される。
【0054】[実施例9]劣化防止方法Cの一例を図6
を用いて説明する。図6は劣化防止方法Cを用いた表示
素子の製造工程の一例を示す断面図である。図6(a)に
おいて、1はガラス基板、2はITO、6はCr、4は
Alである。まず2、6、4の材料を蒸着法やスパッタ
法などによってガラス基板1上に順次堆積させたのち、
必要なAlの部分をマスクで覆い、乾式エッチングによ
り不要なAlを除去する(図6(b))。そののち、マス
クを取り去り、レジスト5を塗布する(図6(c))。レ
ジストをフォトマスクを用いて露光したのち、たとえば
pH13.5の電解液を用いた2分間の現像工程において、
図6(d)に示すように、表示素子を金属製クリップ8な
どで電気的に接続し、現像液9に浸漬し、基準電極10に
対する表示素子の電位を電位規制装置11を用いてIT
Oの劣化が急激に進行する電位よりも高い(貴な)電位
に維持する。このとき、対極12は表示素子と基準電極の
間の電位を規制するために、表示素子からの電子のやり
取りを行なう電極として使用する。なお、基準電極とし
てAg/AgCl電極を用い、対極としてPtなどを用
いる。上記の現像工程ののち、不要なAlを乾式エッチ
ングし、Al配線などを作製する(図6(e))。
【0055】この例では配線材料としてAlを用いてい
るが、Alの代わりにAl合金(Al−Si、Al−C
u、Al−Si−Cuなど)を用いても、前記ITOの
劣化防止方法には有効である。
【0056】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、透明電極
材料と金属(I)とが電気的に接続されている構造物に
おいて、電解液または特定の試薬を添加した電解液に浸
漬したときに金属(II)を電気的に接続させるか、また
は電解液に浸漬したときに構造物に外部から電圧を印加
することによって、透明電極材料の電位を透明電極材料
が急激に劣化する電位よりも高い(貴な)電位に維持す
ることができ、透明電極材料の劣化を防止することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ITOのカソード分極曲線を示すグラフであ
る。
【図2】本発明の劣化防止方法AまたはBを用いた表示
素子の製造工程の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の劣化防止方法AまたはBを用いた表示
素子の製造工程の一例を示す断面図である。
【図4】本発明の劣化防止方法AまたはBを用いた表示
素子の製造工程の一例を示す断面図である。
【図5】本発明の劣化防止方法AまたはBを用いた表示
素子の製造工程の一例を示す断面図である。
【図6】本発明の劣化防止方法Cを用いた表示素子の製
造工程の一例を示す断面図である。
【図7】従来の表示素子の製造工程を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
2 ITO 3 Ni 4 Al 7 Ni製クリップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23F 1/00 H01B 5/14 C23F 13/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明電極材料と金属(I)とが電気的に
    接続されている構造物における透明電極材料の劣化防止
    方法であって、前記構造物に、浸漬される電解液中の透
    明電極材料の電位(自然電位)を、その劣化が急激に進
    行する電位(劣化電位)よりも高い電位に維持しうる
    属(II)を電気的に接続することを特徴とする透明電極
    材料の劣化防止方法。
  2. 【請求項2】 前記透明電極材料としてITO、金属
    (I)としてAlまたはAl合金、金属(II)としてC
    o、Fe、Ir、Ni、Pd、Pt、Re、Rh、Wお
    よびMoのうちの少なくとも1種を用いることを特徴と
    する請求項1記載の透明電極材料の劣化防止方法。
  3. 【請求項3】 透明電極材料と金属(I)とが電気的に
    接続されている構造物における透明電極材料の劣化防止
    方法であって、電解液に浸漬する際にその構造物に、浸
    漬される電解液中の透明電極材料の電位(自然電位)
    を、その劣化が急激に進行する電位(劣化電位)よりも
    高い電位に維持しうる金属(II)を電気的に接続し、か
    つ電解液に、ソルビトール、クペロン、チオ尿素、オキ
    シン、エチレングリコール、ヘキサメチレンテトラミン
    およびシクロヘキシルアミンのうちの少なくとも1種
    添加することを特徴とする透明電極材料の劣化防止方
    法。
  4. 【請求項4】 前記透明電極材料としてITO、金属
    (I)としてAlまたはAl合金、金属(II)としてC
    o、Fe、Ir、Ni、Pd、Pt、Re、Rh、Wお
    よびMoのうちの少なくとも1種を用いることを特徴と
    する請求項記載の透明電極材料の劣化防止方法。
  5. 【請求項5】 透明電極材料と金属(I)とが電気的に
    接続されている構造物における透明電極材料の劣化防止
    方法であって、電解液に対する透明電極材料の電位を
    電解液中において、その劣化が急激に進行する電位より
    も高い電位に維持されるように外部から強制的に規制す
    ることを特徴とする透明電極材料の劣化防止方法。
  6. 【請求項6】 前記透明電極材料としてITO、金属
    (I)としてAlまたはAl合金を用いることを特徴と
    する請求項記載の透明電極材料の劣化防止方法。
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