JP3280291B2 - 乗用型水田作業機 - Google Patents

乗用型水田作業機

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JP3280291B2 JP25957197A JP25957197A JP3280291B2 JP 3280291 B2 JP3280291 B2 JP 3280291B2 JP 25957197 A JP25957197 A JP 25957197A JP 25957197 A JP25957197 A JP 25957197A JP 3280291 B2 JP3280291 B2 JP 3280291B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗用型田植機で代
表される乗用型水田作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】乗用型田植機の多くは、操向可能な前輪
と操向不能な後輪を備えた四輪駆動型の走行車体の前部
に、前輪より前方に位置させてエンジンを搭載し、走行
車体の後部に苗植付装置(水田作業装置)を連結した形
態がとられている。
【0003】一般に乗用型田植機での植付形態は、一行
程の植付走行が終了すると畦際で走行車体を180度方
向転換させ、先に植え付けた苗に沿って次行程の植付走
行を行う、いわゆる往復植えが基本となっており、畦際
ではUターンによって方向転換を行い、速やかに次行程
の植付走行の条合わせを行うことが望まれる。
【0004】前述のような方向転換を行うにあたり、方
向転換に要するスペース、いわゆる枕地は、往復植えが
終了した後に畦に沿っての回り植えを1回で済ませるこ
とができるように、乗用型田植機の機種の植付全幅に相
当する幅だけを空けておくことが望ましい。このような
枕地を形成する為には、十分な小回り旋回が必要であ
り、従来から前輪を大きく操向すると旋回内側となる後
輪のサイドブレーキを利かせることで、所望の旋回半径
を得るようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、水田で前述
のような小回り旋回を行う際に、前輪のスリップ等によ
り推力が不足すると、前輪が旋回方向へ走行車体の前部
を導く作用が不足して、やや大きい目の旋回半径となり
がちであった。特に走行車体の後部の苗植付装置の多条
化や、施肥装置等の付属装置の付設等によって、水田作
業装置の重量が大きくなっている場合、水田作業装置を
持ち上げると、走行車体の重量バランスが後ろ寄りにな
って前輪の接地荷重が小さくなり、前輪による推力不足
が発生し易くなって、小回り旋回において前述のような
不具合が生じ易くなる。
【0006】本発明は乗用型水田作業機において、トラ
クタで利用されている前輪変速装置を導入することによ
り、畦際での小回り旋回を泥押し少なく円滑に行えるよ
うにすることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】[請求項1の構成、作用
及び発明の効果] [構成] 請求項1の特徴は、操向可能な前輪と操向不能な後輪を
備えた四輪駆動型の走行車体の前部に、前輪よりも前方
に位置させてエンジンを搭載し、エンジンの出力を走行
車体の後方の変速部に軸伝達するように構成して、走行
車体の後部に水田作業装置を連結した乗用型水田作業機
において、次のように構成することにある。
【0008】前輪と後輪とを略同速度で回転駆動する標
準駆動状態と、後輪の回転速度よりも前輪の回転速度を
高速にして駆動する前輪増速駆動状態とに切り換え可能
な前輪変速装置を設け、前輪の操向角が設定角度以下に
ある間は前輪変速装置を標準駆動状態に保持し前輪の操
向角が前記設定角度より大きくなると前輪変速装置を前
輪増速駆動状態に自動的に切り換える前輪変速操作機構
を備え、前輪を操向するステアリングリンク機構を、走
行車体の左右中心から横一側方に偏位して配置されたピ
ットマンアームと、ピットマンアームの先端と右及び左
の前輪のナックルアームとを連結するタイロッドとから
構成すると共に、前輪が操向限度まで操向された状態に
おける右及び左の前輪の軸芯延長線の交点が、ホイール
ベースの短い機種では後輪の軸芯延長線よりも後方の近
い位置にあり、ホイールベースの長い機種では交点が後
輪の軸芯延長線よりも前方の近い位置にあるように、ス
テアリングリンク機構を寸法設定し、ホイールベースの
長い機種における交点と後輪の軸芯延長線との誤差距離
が、ホイールベースの短い機種における交点と後輪の軸
芯延長線との誤差距離よりも小さくなるように、ステア
リングリンク機構を寸法設定してある。
【0009】[作用] [I] 請求項1の特徴によれば、前輪を設定角度よりも大きく
操向すると、前輪が後輪よりも高速で駆動されて、多少
のスリップがあっても前輪が走行車体の前部を旋回方向
に効果的に引っ張り、円滑な小回り旋回が行われる。こ
の場合、前輪を操向限度に操向すると、右及び左の前輪
の旋回中心と右及び左の後輪の旋回中心とが近いものと
なり、前輪及び後輪が側方への泥押し少なく転動移動し
て、水田に残る車輪跡が最小限のものとなる。
【0010】[II] 走行車体の左右中心には、前輪よりも前方に搭載された
エンジンと走行車体の後方の変速装置とを連動する伝動
軸が位置することになるが、請求項1の特徴によると、
ステアリングリンク機構のピットマンアームが走行車体
の左右中心から横一側方に偏位して配置されているの
で、前述の伝動軸とピットマンアームの支軸とが干渉す
ることはない。これにより、ステアリングリンク機構は
左右対称とはならなくなるが、右及び左のタイロッドの
長さ寸法や、右及び左のナックルアームの作動角度等を
合理的に設定することで、前輪が操向限度まで操向され
た状態における右及び左の前輪の軸芯延長線の交点が、
後輪の軸芯延長線に近い位置にあるように設定すること
ができ、これにより前項[I]に記載の性能を発揮させ
ることが可能になる。
【0011】[III] 請求項1の特徴によると、同一仕様のステアリングリン
ク機構を、ホイールベースの異なる複数種の機種に兼用
することができる。この場合、各機種ごとに最適な寸法
設定を行った場合の旋回性能に比較して、旋回性能は若
干劣るが、従来よりも旋回性能を向上させることができ
る。
【0012】[IV] 請求項1の特徴によると、ホイールベースの長い機種は
ホイールベースの短い機種よりも小回り旋回し難くなる
が、ホイールベースの長い機種では前輪及び後輪の旋回
中心が互いに近くなる分だけ、1点旋回に近い小回り旋
回が可能となって、ホイールベースの長いことによる不
利が補われる。逆に、ホイールベースの短い機種では前
輪及び後輪の旋回中心が互いに離れる分だけ、1点旋回
からはやや遠のくが、ホイールベースが短いことによる
小回り旋回性能の高さがこれを補う。これにより、請求
項1の特徴によると、ホイールベースの長い機種及び短
い機種ともに、比較的良好な小回り旋回性能を発揮させ
ることができる。
【0013】[発明の効果] 請求項1の特徴によると、前輪変速装置の導入及びステ
アリングリンク機構の合理的な設定により、乗用型水田
作業機の旋回性能を向上させることができ、畦際での小
回り旋回を泥押し少なく円滑良好に行うことができるよ
うになった。請求項1の特徴によると、同一使用のステ
アリングリンク機構の兼用化によってコスト低減を図る
ことができながら、旋回性能の向上も図ることができ
て、実用上の効果が高いものとなった。請求項1の特徴
によると、同一仕様のステアリングリンク機構の兼用化
によってコスト低減を図ることができながら、各機種に
おいて実用上有効な小回り旋回性能を発揮させることが
可能になった。
【0014】[請求項2の構成、作用及び発明の効果] [構成] 請求項2の特徴は、請求項1の「構成」において、交点
と後輪の軸芯延長線との誤差距離が、前輪の右及び左の
操向状態において略同一となるように、ステアリングリ
ンク機構を寸法設定していることにある。
【0015】[作用及び発明の効果] 請求項2の特徴によると、請求項1の場合と同様に前述
の請求項1の「作用」及び「発明の効果」を備えてお
り、この「作用」及び「発明の効果」に加えて以下のよ
うな「作用」及び「発明の効果」を備えている。請求項
2の特徴によると、ステアリングリンク機構が左右非対
称でありながら右及び左の旋回性能が略同等となり、右
及び左の旋回感覚が同等となって、操縦が容易に行え
る。
【0016】[請求項3の構成、作用及び発明の効果] [構成] 請求項2の特徴は、請求項1又は2の「構成」におい
て、後輪のトレッドが前輪のトレッドよりも大きいもの
に設定されていることにある。
【0017】[作用及び発明の効果] 請求項3の特徴によると、請求項1又は2の場合と同様
に前述の請求項1又は2の「作用」及び「発明の効果」
を備えており、この「作用」及び「発明の効果」に加え
て以下のような「作用」及び「発明の効果」を備えてい
る。請求項3の特徴によると、走行車体の後方に横幅の
大きい水田作業装置(例えば乗用型田植機では多条植え
の苗植付装置)を連結した場合でも、走行車体の左右安
定性を高いものに維持しながら、旋回性能を高めて、畦
際で泥押しの少ない小回り旋回が可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1及び図2に、8条植えの乗用
型田植機が示されている。走行車体1の後端にリフトシ
リンダ2により昇降操作自在なリンク機構3を備え、リ
ンク機構3に対して前後向き姿勢の軸芯周りにローリン
グ自在に苗植付装置Aを連結し、走行車体1の前端部に
エンジン4を前後向きに搭載している。エンジン4の動
力を、走行車体1の後方の静油圧式無段変速装置5に軸
伝達した後、動力をミッションケース6を介して後輪7
に伝達し、ミッションケース6から前方に取り出した動
力を、エンジン4の後方に位置する前輪10に、前輪変
速装置9及び前車軸ケース11を介して伝達しており、
ミッションケース6から後方に取り出した動力を苗植付
装置Aに軸伝達するように構成している。図2に示すよ
うに、後輪7と前輪10のトレッドは、4条の植付予定
箇所を跨ぐ寸法に設定されている。
【0019】図3に示すように、エンジン4の後方に主
クラッチケース12を配置し、エンジン4と主クラッチ
ケース12とを、ゴムを利用したカップリング13で連
結しており、主クラッチケース12を前後に配置した軸
受14で支持して、カップリング13をエンジン4と軸
受14とにより浮上状態で支持している。主クラッチケ
ース12の後方に、支持ブラケット15と前輪変速装置
9とを配置しており、支持ブラケット15の支持ボス1
5Aと前輪変速装置9の支持ボス9Aとによって、前後
から挟み込んで前車軸ケース11をローリング自在に支
持している。主クラッチケース12と静油圧式無段変速
装置5とを、主伝動軸16と一対のカップリング17と
で接続して動力伝達可能に構成している。静油圧式無段
変速装置5及びミッションケース6で変速された動力が
後輪7に伝達され、前輪伝動軸18によって前輪変速装
置9に伝達される。
【0020】前輪変速装置9の構造について説明する。
図5に示すように、前輪伝動軸18に連結された入力軸
19と出力軸20とを平行に支持し、入力軸19に第1
ギヤ21と第2ギヤ22とを一体回転可能に取り付けて
いる。出力軸20に第1ギヤ21と咬合する第3ギヤ2
3を遊嵌し、第2ギヤ22と咬合する第4ギヤ24を遊
嵌している。第4ギヤ24と第3ギヤ23との間に、ク
ラッチスリーブ25とクラッチ支持体26とを出力軸2
0と一体回転可能に取り付け、クラッチスリーブ25を
出力軸20の軸芯方向にスライド移動可能に取り付けて
いる。第4ギヤ24とクラッチ支持体26とに亘って摩
擦多板27を設け、クラッチスリーブ25で摩擦多板2
7を押圧して、クラッチ入り状態を現出するようにして
いる。
【0021】以上の構造により、図5に示すように、ク
ラッチスリーブ25を第3ギヤ23側に移動操作する
と、クラッチスリーブ25の側面に形成された外歯式ギ
ヤ部と第3ギヤ23の側面に形成された内歯式ギヤ部と
が咬合して、第1ギヤ21の動力が第3ギャ23からク
ラッチスリーブ25に伝達され、クラッチスリーブ25
から出力軸20に伝達される。この状態が、前輪10及
び後輪7を略同速度で駆動する標準駆動状態である。次
にクラッチスリーブ25を反対側に移動操作してクラッ
チ支持体26に近接させると、クラッチスリーブ25が
摩擦多板27を押圧してクラッチ支持体26と第4ギヤ
24とが一体化し、第4ギヤ24の動力がクラッチ支持
体26から出力軸20に伝達される。この状態が、前輪
10を後輪7より高速で駆動する前輪増速駆動状態であ
り、前輪増速駆動状態が標準駆動状態よりも1.6〜
2.0倍程度速い速度に設定されている。
【0022】図7に示すように、出力軸20の軸芯が、
走行車体1の左右中心を結ぶ前後軸芯Xと一致した状態
で設けられており、入力軸19の軸芯Yが右上にやや偏
芯して設けられている。
【0023】前輪変速装置9の前輪増速操作機構と操向
構造との連係について説明する。図3,4,6に示すよ
うに、ステアリングハンドル28(図1及び図2参照)
に連動連結されて支点軸29Aの軸芯Z周りに右及び左
に揺動操作されるピットマンアーム29の前端と、右及
び左の前輪10を揺動操作するナックルアーム30a,
30bとを、タイロッド31a,31bで連結して、前
輪10の操向用のステアリングリンク機構Sを構成して
いる。
【0024】図3,4,6に示すように、ピットマンア
ーム29にカム溝32Aを備えたカム板32を固定し、
カム板32の近傍に前輪変速操作系に属する駆動アーム
33を揺動自在に軸支している。駆動アーム33に係合
ピン33Aを立設し、係合ピン33Aをカム溝32Aに
挿入して、ステアリングハンドル28を右及び左のいず
れの方向に操作しても、所定操作角度(例えば38°)
になると、駆動アーム33が揺動操作されるように構成
している。
【0025】図5及び図7に示すように、前輪変速装置
9の内部にクラッチスリーブ25をスライド操作するク
ラッチヨーク34を設けており、クラッチヨーク34に
係合してクラッチヨーク34をスライド操作する回転ス
プール35を、前輪変速装置9に枢支している。回転ス
プール35は自身の軸芯周りで回転可能で、先端面に偏
芯した係合ピン35Aを突設しており、係合ピン35A
をクラッチヨーク34の係合凹部に係合させている。回
転スプール35を自身の軸芯周りで回転させると、係合
ピン35Aが回転スプール35の軸芯周りを一定半径で
回転し、標準駆動状態へ復帰付勢されたクラッチヨーク
34をスライド操作する。図4及び図7に示すように、
回転スプール35における前輪変速装置9から突出した
外端に、被動アーム36を一体的に固定しており、被動
アーム36と駆動アーム33とを連結ロッド37で連結
している。これにより、前述のようにステアリングハン
ドル28の操作によって、回転スプール35を回転操作
し、前輪変速装置9を前輪増速駆動状態及び標準駆動状
態に切り換えるように構成している。
【0026】前輪変速装置9の前輪増速駆動状態への切
り換わりを阻止する牽制手段について説明する。図3,
4,7に示すように、回転スプール35に係合して回転
スプール35の軸芯方向に回転スプール35を正逆にス
ライド操作する揺動駆動アーム38を軸支し、揺動駆動
アーム38を軸支する揺動軸39に揺動駆動アーム38
と一体で揺動する連動アーム40を設けており、連動ア
ーム40がミッションケース6に枢支された天秤式の変
速アーム41(図1参照)に、連結ロッド42を介して
連係されている。図1に示すように、ミッションケース
6に枢支された変速アーム41により、ミッションケー
ス6に設けた副変速装置6Aの変速操作を行い、変速ア
ーム41に連結ロッド43を介して副変速レバー44を
連係しており、副変速レバー44を運転席45の左側方
に位置させて変速操作可能に構成している。
【0027】図4に示すように、副変速レバー44を操
作すると、変速アーム41が揺動して変速操作される。
この場合、変速アーム41が移動用の走行速度である高
速位置に操作されると、揺動駆動アーム38が揺動して
回転スプール35を外向きに引き出し、回転スプール3
5の係合ピン35Aがクラッチヨーク34から離脱し
て、前輪変速装置9の前輪増速駆動状態への切り換わり
が阻止される。
【0028】図4に示すように、前輪変速装置9の前方
側に位置する前車軸ケース11は、左右方向に軸芯を設
定した筒状の一体物によって構成されており、前車軸ケ
ース11の内部に前輪デフ機構Bを設けている。図5に
示すように、前輪デフ機構Bは、筒状の一体物に2つの
軸受47によって前車軸ケース11の軸芯周りに回転可
能に枢支されたデフケース46、デフケース46に収納
された2つのサイドギヤ48A、2つのデフピニオンギ
ヤ48B、デフピニオンシャフト49、デフケース46
の一端に固定されたデフギヤ50から構成されている。
前輪デフ機構Bは、出力軸20の一端に形成されたベベ
ルギヤ20Aとデフギヤ50との咬合により、前輪10
への動力を取り込むように構成されている。
【0029】図5及び図7に示すように、前輪変速装置
9において前述のように、出力軸20の軸芯が、走行車
体1の左右中心を結ぶ前後軸芯Xと一致した状態に設け
られており、入力軸19の軸芯Yは右上にやや偏芯して
設けられている。前輪デフ機構Bにおいて、デフピニオ
ンシャフト49の軸芯位置を、走行車体1の左右中心を
結ぶ前後軸芯Xと平行に、入力軸19の軸芯位置とは前
後軸芯Xを挟んで反対側に位置させている。これによ
り、前輪デフ機構Bと前輪変速装置9とが前後軸芯Xを
挟んで互いに反対側に位置して、重量バランスを図るよ
うにしている。
【0030】図4及び図5に示すように、デフケース4
6の横側方に、デフロックケース51を左前車軸52に
スライド操作可能で一体回転可能に外嵌しており、デフ
ロックケース51におけるデフケース46に相対向する
側面に、嵌合離脱自在な爪式係合部51Aを設けてい
る。デフロックケース51の爪式係合部51Aの反対側
の端部に環状溝式係合部51Bを設けて、前車軸ケース
11の前輪ケース53への接続部となるフランジ部11
Aの近くまで延出しており、デフケース46とデフロッ
クケース51の爪式係合部51Aとで、前輪デフロック
機構Rが構成されている。
【0031】図3,4,5に示すように、前車軸ケース
11のフランジ部11Aの近傍に、支持ボス11Bを前
車軸ケース11の筒壁を貫通する状態で立設し、支持ボ
ス11Bに回転軸54を挿入している。回転軸54の前
車軸ケース11に入り込んだ内端にL字型のクラッチヨ
ーク55を固定しており、クラッチヨーク55をデフロ
ックケース51の環状溝式係合部51Bに係合させてい
る。回転軸54の支持ボス11Bから突出する外端部
が、中継支点56を介して左足で操作するデフロックペ
ダル(図示せず)に連係されている。
【0032】図示しないが、右及び左の後輪7もデフロ
ック付きのデフ機構を介して駆動されており、サイドブ
レーキによって右及び左の後輪7を独立に制動できるよ
う構成している。サイドブレーキは、右足で操作可能に
運転部に並列設置した右及び左のサイドブレーキペダル
の踏み込みにより制動側に操作される。
【0033】以上のように前輪10を増速駆動可能に構
成した乗用型田植機において、本発明ではステアリング
リンク機構Sを以下のように構成している。図4に示す
ように、ステアリングリンク機構Sにおいて、ピットマ
ンアーム29の支点軸29Aが、エンジン4と静油圧式
無段変速装置5とを連動連結する軸伝動系との干渉を避
ける為に紙面右側方に偏位して配置されており、ステア
リングリンク機構Sが左右非対称になっている。右及び
左のナックルアーム30a,30bの長さは同一である
が、直進時における基準角度θ1,θ2が互いに異なり
(θ1>θ2)、左のタイロッド31aが右のタイロッ
ド31bよりも長くなっている。
【0034】前述のように、ステアリングリンク機構S
は、旋回内側の前輪10を最大約60°〜65°まで操
向できるように設定されている。図8に示すように、前
輪10が前述の操向限度まで操向された状態では、右及
び左の前輪10の軸芯延長線L1,L2の交点Pが、後
輪7の軸芯延長線L3上、又は可及的に後輪7の軸芯延
長線L3の近くに位置するように、各支点間の寸法が設
定されている。右及び左の前輪10の軸芯延長線L1,
L2の交点Pが後輪7の軸芯延長線L3から外れていて
も、右及び左の前輪10の軸芯延長線L1,L2の交点
Pと後輪7の軸芯延長線L3との誤差距離dが、前輪1
0の右及び左の操向状態に対して略同一になるように、
ステアリングリンク機構Sの寸法設定が行われている。
【0035】植付作業を行う場合、一行程の植付走行が
終了して畦際近くに至ると、苗植付装置Aを上昇させた
状態で、ステアリングハンドル28を操向限度まで操作
し、走行車体1を180度方向転換させて、先に植え付
けた苗に対して条合わせを行う。操向限度まで操向され
た前輪10は前述のように前輪変速装置9によって増速
駆動されるので、増速駆動された前輪10は走行車体1
の前部を旋回方向に引っ張るようにして、走行車体1の
旋回が行われる。前輪10が操向限度まで操向された状
態において、右及び左の前輪10の軸芯延長線L1,L
2の交点Pが、後輪7の軸芯延長線L3上に位置してい
るので、前輪10及び後輪7は略同一点を中心とする円
弧軌跡に沿って転がり移動し、前輪10及び後輪7の側
面での泥押しの少ない小回り旋回が行われる。
【0036】ステアリングリンク機構Sは、ホイールベ
ースW1,W2の異なる複数機種に兼用となっている。
図9に示すように、ホイールベースW1の短い機種で
は、右及び左の前輪10の軸芯延長線L1,L2の交点
Pが、後輪7の軸芯延長線L3よりも後方に位置してい
る。図10に示すように、同一仕様のステアリングリン
ク機構SをホイールベースW2の長い機種に装備した場
合には、右及び左の前輪10の軸芯延長線L1,L2の
交点Pが、後輪7の軸芯延長線L3よりも前方に位置す
るように、ステアリングリンク機構Sを寸法設定してい
る。ホイールベースW1の短い機種での右及び左の前輪
10の軸芯延長線L1,L2の交点Pと後輪7の軸芯延
長線L3との誤差距離d1よりも、ホイールベースW2
の長い機種での右及び左の前輪10の軸芯延長線L1,
L2の交点Pと後輪7の軸芯延長線L3との誤差距離d
2が小さくなるように、ステアリングリンク機構Sを寸
法設定して、ホイールベースW2の長い機種での旋回性
能を補うようにしている。
【0037】図11に示すように、10条植え又は12
条植えの多条植えの機種では前輪10が4条跨ぎのトレ
ッドであるのに対して、後輪7のトレッドを6条跨ぎに
設定しており、この場合でも右及び左の前輪10の軸芯
延長線L1,L2の交点Pが後輪7の軸芯延長線L3に
近く位置することで、泥押しの少ない円滑な小回り旋回
を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用型田植機の全体側面図
【図2】乗用型田植機の全体平面図
【図3】走行伝動系を示す側面図
【図4】前車軸ケース及び前輪変速装置の配置、前輪変
速装置及び操向操作系の連係を示す平面図
【図5】前輪変速装置、前輪デフ機構及び前車軸ケース
の付近の横断平面図
【図6】前車軸ケースを前方側で支持する支持ブラケッ
トの付近の縦断背面図
【図7】前輪変速装置の付近の縦断背面図
【図8】前輪が操向限度まで操向された状態での概略平
面図
【図9】ホイールベースが短い機種において、前輪が操
向限度まで操向された状態での概略平面図
【図10】ホイールベースが長い機種において、前輪が
操向限度まで操向された状態での概略平面図
【図11】後輪のトレッドが前輪のトレッドよりも大き
い機種において、前輪が操向限度まで操向された状態で
の概略平面図
【符号の説明】
1 走行車体 4 エンジン 7 後輪 9 前輪変速装置 10 前輪 29 ピットマンアーム 30a,30b ナックルアーム 31a,31b タイロッド A 水田作業装置 P 交点 S ステアリングリンク機構 L1,L2 前輪の軸芯延長線 L3 後輪の軸芯延長線 d1,d2 誤差距離 W1,W2 ホイールベース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−226615(JP,A) 特開 昭54−8331(JP,A) 特開 平3−7621(JP,A) 実開 平2−39923(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 7/00 - 7/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操向可能な前輪と操向不能な後輪を備え
    た四輪駆動型の走行車体の前部に前輪より前方に位
    置させてエンジンを搭載し、エンジンの出力を走行車体
    後方の変速部に軸伝達するように構成して、走行車体
    後部に水田作業装置を連結した乗用型水田作業機にお
    いて、 前記前輪と後輪とを略同速度で回転駆動する標準駆動状
    態と、後輪の回転速度よりも前輪の回転速度を高速にし
    て駆動する前輪増速駆動状態とに切換え可能な前輪変
    速装置を設け、 前記前輪の操向角が設定角度以下にある間は前記前輪変
    速装置を標準駆動状態に保持し、前記前輪の操向角が前
    記設定角度より大きくなると前記前輪変速装置を前輪
    増速駆動状態に自動的に切り換える前輪変速操作機構を
    備え、 前記前輪を操向するステアリングリンク機構を、走行車
    の左右中心から横一側方に偏位して配置されたピット
    マンアームと、ピットマンアーム先端と右及び左の
    輪のナックルアームとを連結するタイロッドとから構成
    すると共に、 前記前輪が操向限度まで操向された状態における右及び
    左の前輪の軸芯延長線の交点が、ホイールベースの短い
    機種では前記後輪の軸芯延長線よりも後方の近い位置に
    あり、ホイールベースの長い機種では前記交点が前記後
    輪の軸芯延長線よりも前方の近い位置にあるように、前
    記ステアリングリンク機構を寸法設定し、 ホイールベースの長い機種における前記交点と前記後輪
    の軸芯延長線との誤差距離が、ホイールベースの短い機
    種における前記交点と前記後輪の軸芯延長線との誤差距
    離よりも小さくなるように、前記ステアリングリンク機
    構を寸法設定してある 乗用型水田作業機。
  2. 【請求項2】 前記交点と前記後輪の軸芯延長線との誤
    差距離が、前記前輪の右及び左の操向状態において略同
    一となるように、前記ステアリングリンク機構を寸法設
    定してある請求項1記載の乗用型水田作業機。
  3. 【請求項3】 前記後輪のトレッドが前記前輪のトレッ
    ドよりも大きいもの に設定されている請求項1又は2に
    記載の乗用型水田作業機。
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