JP3278638B2 - 高温超伝導ジョセフソン接合およびその製造方法 - Google Patents

高温超伝導ジョセフソン接合およびその製造方法

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建国 文
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    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸化物高温超伝導体
を用いた、特性のばらつきが小さいジョセフソン接合お
よびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】YBaCuO系酸化物高温超伝導体は約90K
という高い超伝導臨界温度(Tc)を有している。その
ため、77Kの沸点をもつ安価な液体窒素を冷媒として使
用することや、60K程度の低温が手軽に達成できる小型
で簡便な冷凍機を冷却手段として使用することが可能で
ある。またその低温の維持のための設備も簡単なもので
すむという長所をもっている。このため、Nbなど従来か
ら用いられてきた低いTcを持つ物質を用いて実現した、
高速・低消費電力の超伝導電子素子および回路を、高温
超伝導体を用いて実現することができれば、産業上大き
な貢献となる。
【0003】現在、電子素子への応用をめざした研究開
発ではYBaCuO系が主な研究対象となっている。良好な超
伝導特性を示すYBaCuO系高温超伝導薄膜は、600〜800℃
の高基板温度、100mTorr台の高酸素分圧の条件で気相成
長させたものである。このなかでも特に特性の良い薄膜
では、結晶構造のc軸が基板表面に垂直なc軸配向薄膜で
ある。これに対し、成長条件によってはaまたはb軸配向
薄膜も成長させることが可能であるが、c軸配向薄膜に
比べてTcや超伝導臨界電流密度(Jc)などの超伝導特性は
劣っている。
【0004】成長に用いる基板にはYBaCuOとの格子定数
や熱膨張率の整合性、固相反応をおこさないことなどを
考慮し、一般的にはSrTiO3、MgO、LaAlO3、NdGaO3など
が用いられている。また、たとえば「1991年、ジャーナ
ル・オブ・クリスタル・グロース、第109巻、447〜456
頁(Journal of Crystal Growth,Vol. 109, pp.
447-456, 1991)」に示されるような、低誘電率でYBaC
uOと格子整合性も良く、比較的大きな基板も作製可能な
LaSrAlTaOも使用可能である。
【0005】YBaCuO系は他の高温超伝導体と同様に異方
性が強いという特徴を持つ。その超伝導コヒーレンス長
はc軸方向に比べa軸、b軸方向のほうが長い。またc軸方
向のコヒーレンス長は約0.3nmと極めて短い。そこで高
温超伝導体を用いた超伝導回路中の配線部やジョセフソ
ン接合においてはa軸、b軸方向に電流を流すことが望ま
しい。このため良質なc軸配向薄膜をもちいて高温超伝
導電子回路を作製する場合は、従来のNbを用いた超伝導
回路と異なり、層厚方向すなわち高温超伝導体結晶のc
軸方向に電流を流す必要のある積層型ジョセフソン接合
では、高品質のジョセフソン接合の製造が困難である。
それよりも、たとえば「1991年3月、アイ・イー・イー
・イー・トランザクションズ・オン・マグネティック
ス、第27巻、第2号、3062〜3065頁(IEEETRANSACTIONS
ON MAGNETICS, VOL.27, NO.2, MARCH, pp.3062-3
065, 1991)」に示されるように、超伝導薄膜のエッジ
部分を利用するエッジ型ジョセフソン接合がより適して
いる。そのため高温超伝導回路の研究開発は、主にエッ
ジ型ジョセフソン接合を用いて行われている。
【0006】高温超伝導ジョセフソン接合では、低いTc
を有するNb系ジョセフソン接合で用いられているAl2O3
バリアのような極めて薄いバリアを作製する技術が確立
していない。そこでPrBaCuO系のようにYBaCuOと構造が
似ており、YBaCuO上にヘテロエピタキシャル成長しやす
い非超伝導体酸化物や、CoをドープしたYBaCuO系のよう
にYBaCuOよりも低いTcを有する酸化物を、下部超伝導層
上に堆積させてバリアとしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ここで問題となるのが
高温超伝導ジョセフソン接合における、超伝導臨界電流
値(Ic)などの接合特性のばらつきである。薄膜成長によ
るバリア製造方法では、バリアを十分均一に成長させる
ことが困難で、バリア層による下部超伝導層の被覆率が
低く、そのため各接合ごとの特性に大きな差が生じると
いう問題があった。
【0008】そこで、たとえば「1997年10月、アプライ
ド・フィジックス・レターズ、第71巻、第17号、2526〜
2528頁(APPLIED PHYSICS LETTERS, VOL.71, NO.1
7, OCTOBER, pp.2526-2528, 1997)」に示されるよ
うに、薄膜成長技術を用いず、界面制御技術で作製した
バリアを有する高温超伝導ジョセフソン接合の研究もな
されている。この方法は、下部超伝導層を所定形状にエ
ッチングした後、真空中でのアニールと加速したイオン
の照射とを組み合わせて行うというものである。これに
より下部超伝導層表面部分は、結晶構造が変化してバリ
ア層としての機能が付与される。しかし、この方法で製
造した高温超伝導ジョセフソン接合でも10接合で1sigma
=+-8%のIcのばらつきがあった。
【0009】また、高温超伝導ジョセフソン接合におけ
る超伝導材料として、高温領域でも使用可能な銅酸化物
系の材料が好適に用いられるが、この場合、バリア層の
形成が特に困難であった。銅酸化物系材料はコヒーレン
ス長が1〜2nm程度と短いため、ジョセフソン接合の
バリア層もこれと同等の厚みにすることが必要となる。
バリア層の層厚が上記コヒーレンス長よりも厚くなると
ジョセフソン電流が流れにくくなり、ジョセフソン接合
の品質が低下し、その機能が発揮されなくなることもあ
る。しかしながら従来の方法では、このような薄い層厚
のバリア層を形成することは事実上、きわめて困難であ
った。
【0010】上記と関連して、特開平3−94486号
公報にはジョセフソン接合素子及びその製造方法が記載
されている。この引例では、スパッタリング装置内で、
高温酸化物超伝導体LnBaCu7-8と、この超
伝導体と同一の元素により構成される絶縁体LnBa
CuOとが連続的に形成された後、酸素雰囲気中で所
定の温度でアニール処理されてジョセフソン素子が製造
される。
【0011】また、特開平4−317381号公報には
障壁型電子素子の製造方法が開示されている。この引例
によれば、基板上にYBaCuO酸化物超伝導体薄膜が
形成される。この形成は、CVD法、スパッタ法、また
は蒸着法により行われる。次に、酸化物超伝導体薄膜に
Feイオンが注入され、加熱処理により注入されたイオ
ンが薄膜内部方向に拡散され、障壁層を形成する。次に
イオン注入により物理的ダメージを受けた障壁層の表面
が除去され、その後、この障壁層状に酸化物超伝導体薄
膜の対向電極としてYBaCuO酸化物超伝導体薄膜が
形成される。
【0012】特開平10−173246号公報には高温
SSNS及びSNSジョセフソン接合及びその製造方法
が開示されている。この引例では、基体上の第1の高T
cの超伝導(HTS)層と、個の第1のHTS層上の誘
電体層とを備えている。第1のHTS層及び誘電体層は
傾斜エッジを画成する。傾斜エッジの上には3層SNS
構造体が配置され、4層SSNS接合が形成されてい
る。
【0013】また、6th International Superconducti
ve Electronics Conference (1997)のBrian D. Huntら
による"High-Resistance SNS Edge Junctions"には、C
oドープYBaCuOを通常金属層として使用するSN
Sエッジ接合の抵抗に影響する因子の研究結果が述べら
れている。
【0014】従って、本発明は、層厚、組成が均一なバ
リア層を再現性良く形成し、ばらつきの少ない優れた特
性の高温超伝導ジョセフソン接合を提供することを目的
とする。特に、超伝導材料として銅酸化物系材料を用い
た場合におけるバリア層を良好に形成し、より高温で使
用可能なジョセフソン接合を提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の観点を達
成するために、ジョセフソン接合の製造方法は、基板上
に第1超伝導層を形成するステップと、前記第1超伝導
層上に絶縁膜を形成するステップと、傾斜部を有するよ
うに前記絶縁膜をエッチングするステップと、前記エッ
チングされた絶縁膜をマスクとして、傾斜部を有するよ
うに前記第1超伝導層をエッチングするステップと、前
記第1超伝導層の前記傾斜部の表面上にバリア層を形成
するステップと、前記バリア層と前記絶縁層の前記傾斜
部の上に第2超伝導層を形成するステップとを具備す
る。
【0016】また、本発明の第2の観点を達成するため
に、ジョセフソン接合の製造方法は、基板上に第1超伝
導層を形成するステップと、前記第1超伝導層上に絶縁
膜を形成するステップと、傾斜部を有するように前記絶
縁膜と前記第1超伝導層をエッチングするステップと、
前記第1超伝導層の前記傾斜部の表面上にバリア層を形
成するステップと、前記バリア層と前記絶縁層の前記傾
斜部の上に第2超伝導層を形成するステップとを具備す
る。
【0017】上記のおいて、前記第1超伝導層と前記第
2の超伝導層は銅酸化物系超伝導層であることが好まし
い。特に、前記銅酸化物系超伝導層はYBaCuO超伝
導層であることが好ましい。
【0018】本発明では、前記第1超伝導層の前記傾斜
部の形成後、大気に触れることなく、同一試料室内で前
記第2の超伝導層が形成される。
【0019】また、前記バリア層は、2nm以下の膜厚
を有する。前記バリア層は、ペロブスカイト構造を有し
ていることが好ましく、前記バリア層を構成する物質
は、0.41nmから0.43nmの格子定数を有して
いることが好ましい。さらに、前記バリア層の組成がY
1-xBa1CuxOy(xの値の範囲は0以上1以下)であり、
好ましくは、xの範囲が0.5以下であり、さらに好ま
しくは、xの値が0である。
【0020】前記絶縁膜は、La、Sr、Al、Taの
群から選択される少なくとも1つの元素を含む膜である
ことが好ましく、前記バリア層は、前記絶縁層または前
記基板から供給されるLa、Sr、Al、Ca及びTa
からなる群から選択された少なくとも1つの元素を含む
層であることが好ましい。
【0021】前記第1超伝導層と前記絶縁層は、パルス
レーザ蒸着法により形成され、前記第1超伝導層は、第
1の基板温度で形成され、前記絶縁層は、前記第1の基
板温度より低い基板温度で形成されることが好ましい。
【0022】前記第1超伝導層をエッチングするステッ
プは、不活性ガスイオンを照射しながら前記第1超伝導
層をエッチングするステップを含み、前記第1超伝導層
をエッチングするステップは、前記基板が回転させられ
ながら不活性ガスイオンが照射され、前記第1超伝導層
をエッチングするステップを含むことが好ましい。
【0023】また、前記第1超伝導層と前記絶縁層をエ
ッチングするステップは、不活性ガスイオンを照射しな
がら前記第1超伝導層と前記絶縁層をエッチングするス
テップを含み、前記第1超伝導層と前記絶縁層をエッチ
ングするステップは、前記基板が回転させられながら不
活性ガスイオンが照射され、前記第1超伝導層と前記絶
縁層をエッチングするステップを含むことが好ましい。
【0024】本発明では、好ましくは、前記第1超伝導
層をエッチングするステップは、前記第1超伝導層をエ
ッチングしながら、前記絶縁層がエッチングされて、前
記絶縁層を構成する元素の少なくとも1つが前記第1超
伝導層の前記第2傾斜部の表面に付着するステップを含
み、前記バリア層を形成するステップは、前記エッチン
グされた絶縁膜と第1超伝導層の前記傾斜部の表面をイ
オンエッチングするステップを含み、前記第1超伝導層
と前記絶縁層の前記傾斜部の表面をイオンエッチングす
るステップは、前記絶縁層がエッチングされて、前記絶
縁層を構成する元素の少なくとも1つが前記第1超伝導
層の前記傾斜部の表面に付着するステップを含む。
【0025】ここで、前記付着された元素を含む前記傾
斜部の表面層はアモルファス層を形成していてもよく、
本発明は、酸素雰囲気中で前記基板を加熱して前記付着
された元素を含む前記傾斜部の表面層を結晶化するステ
ップをさらに具備する。
【0026】前記結晶化するステップは、前記第2超伝
導層を形成するステップの一部であることが好ましい。
【0027】さらに、イオン照射損傷により、前記第1
超伝導層の前記傾斜部の表面の構造、組成を変化させる
工程を含み、前記第1超伝導層の前記傾斜部の表面を酸
素中加熱処理により、結晶化させる工程を含むことが好
ましい。
【0028】さらに他の観点を達成するために、本発明
のジョセフソン接合素子の製造方法は、基板上に第1超
伝導層を形成するステップと、前記第1超伝導層上に層
間絶縁膜を形成するステップと、前記層間絶縁層の上に
第2超伝導層を形成するステップと、前記第2超伝導層
と前記層間絶縁膜をエッチングして2つ以上の電極を形
成するステップと、前記2つ以上の電極間に絶縁層を形
成するステップとを具備する。
【0029】ここで、前記第1超伝導層と前記第2の超
伝導層は銅酸化物系超伝導層であり、前記銅酸化物系超
伝導層はYBaCuO超伝導層であることが好ましい。
【0030】また、好ましくは、前記バリア層は、10
nm以下の膜厚を有する。
【0031】ジョセフソン接合素子の製造方法は、前記
第1超伝導層の表面に損傷を与えるように前記層間絶縁
膜を形成する前に、前記第1超伝導層の表面にイオン照
射を行うステップをさらに具備してもよい。ここで、前
記イオン照射を行うステップは、室温から700℃のう
ちの前記基板温度で行われることが好ましい。
【0032】本発明のさらに他の観点を達成するため
に、ジョセフソン接合は、基板上に形成され、傾斜部を
有する第1超伝導層と、前記第1超伝導層上に形成さ
れ、前記第1超伝導層の前記傾斜部に続く傾斜部を有す
る絶縁膜と、前記第1超伝導層の前記傾斜部の上に形成
されたバリア層と、前記バリア層は10nm以下の膜厚
を有し、前記バリア層と前記絶縁膜の前記傾斜部の上に
形成された第2超伝導層とを具備する。
【0033】ここで、前記第1超伝導層と前記第2の超
伝導層は銅酸化物系超伝導層であり、前記銅酸化物系超
伝導層はYBaCuO超伝導層であることが好ましい。
【0034】また、前記バリア層は、ペロブスカイト構
造を有し、前記バリア層を構成する物質は、0.41n
mから0.43nmの格子定数を有することが好まし
い。
【0035】前記バリア層の組成がY1-xBa1CuxOy(xの
値の範囲は0以上1以下)であり、好ましくは、xの範
囲が0.5以下であり、特に好ましくは、xの値が0で
ある。
【0036】前記絶縁膜は、La、Sr、Al、Taの
群から選択される少なくとも1つの元素を含む膜である
ことが好ましい。
【0037】さらに他の観点を達成するために、ジョセ
フソン接合素子は、基板上に形成された第1超伝導層
と、前記第1超伝導層上に離れて形成された2つ以上の
層間絶縁膜と、前記層間絶縁膜は2nm以下の膜厚を有
し、前記2つ以上の層間絶縁層の上にそれぞれ形成され
た2つ以上の第2超伝導層とを具備する。
【0038】ここで、前記第1超伝導層と前記第2の超
伝導層は銅酸化物系超伝導層であり、前記銅酸化物系超
伝導層はYBaCuO超伝導層である。
【0039】
【発明の実施の形態】本発明におけるバリア層とは上下
の超伝導層の間に配置される層であって、抵抗値の温度
依存性が半導体的特性または絶縁体的特性を有する。バ
リア層の室温(25℃)における比抵抗は1mΩcm以
上である。バリア層は、その機能を発揮するためには1
0nm以下の層厚を有することが好ましい。層厚の下限
は特になく、バリア層の構成材料にもよるが通常、1原
子層程度の厚みがあれば足りる。なお、超伝導層に銅酸
化物系材料を用いた場合は、バリア層の厚みを約2nm
以下とすることが好ましい。
【0040】本発明において、「拡散」とは、たとえ
ば、所定の運動エネルギーの与えられた非超伝導体物質
またはそのイオンが、物理的に第一の層に侵入するこ
と、およびこれらが第一の層中に熱拡散することのいず
れをも含む。また本発明において、「改質」とは、たと
えば、所定の運動エネルギーを有する非超伝導物質また
はそのイオンにより、物質の表面近傍のみの構造および
化学組成を物理的に変化させることを意味する。
【0041】本発明における第一の超伝導材料および前
記第二の超伝導材料は、銅酸化物系の材料であることが
好ましい。銅酸化物系の材料を超伝導材料として用いる
と、高温領域でも使用可能になるという利点がある。前
述のように、銅酸化物系材料を用いた場合、コヒーレン
ス長が短いことに起因して、バリア層の形成が特に困難
になるという特有の課題があった。これに対し本発明
は、大別して、下部に配置される超伝導層の表面に非
超伝導物質を付着し、拡散することによってバリア層を
形成するという手段、あるいは、バリア層を構成する
非超伝導物質として、特定の元素を含む物質を選択する
という手段、下部に配置される超伝導層の表面層を、
イオン照射により改質するという手段、により上記課題
を解決している。なお、上記銅酸化物系の材料として
は、たとえばYBaCuOが好ましい。YBaCuOは、特にLa,Sr,
Al,Ta,Ca等の非超伝導物質が拡散しやすいため、YBaCuO
中に均一な層厚、組成のバリア層を形成することができ
る。
【0042】本発明においてバリア層を構成する物質
は、ペロブスカイト構造を有することが好ましい。この
ようにすることによってエピタキシャル成長がより容易
となる。特にYBaCuO上へのエピタキシャル成長が良好と
なる。これにより、バリア層の組成、層厚の均一性が向
上する。
【0043】また、本発明のジョセフソン接合におい
て、第一の層がエッジ部を有し、該エッジ部に前記バリ
ア層を備えた構成とすることもできる。このような構成
の例を、図2(g)に示す。
【0044】本発明において、イオンエッチングにより
下部超伝導層エッジを作製する際、エッチングのマスク
材、層間絶縁層や基板等にLa、Sr、Al、Ta、Caのいずれ
かまたは全部の物質を用いた構成とすることができる。
また本発明において、イオンエッチングにより下部超伝
導層エッジ表面を清浄化する際、層間絶縁層や基板等と
して試料表面に上記のいずれかの物質が露出させる構成
とすることもできる。このような構成としたとき、イオ
ンによりエッチングされた物質の試料表面への再付着や
表面拡散などの現象により、下部超伝導層にLa、Sr、A
l、Ta、Caのいずれかまたは全部の物質が供給される。
なおこれらの元素は試料外の蒸着源から供給してもさし
つかえない。たとえば下部超伝導層YBaCuOを用いた場
合、上述の元素はイオン照射により表面のY、Ba、Cu、O
と混合される。この混合物質層が試料加熱により結晶化
する。このようにして、下部超伝導層エッジ上に均一な
バリアが形成され、高い均一性をもつ高温超伝導エッジ
型ジョセフソン接合を製造することができる。
【0045】また下部超伝導層上にバリア層の材料とし
て、La、Sr、Al、Ta、Caのいずれかまたは全部の物質を
含む層を薄く堆積し、その上に上部超伝導層を堆積する
こともできる。このようにすることによって、下部超伝
導層上に均一なバリアが形成され、高い均一性をもつ高
温超伝導積層型ジョセフソン接合を製造することができ
る。なお、バリア層物質の堆積の前後に、試料表面に加
速されたイオンを照射することにより、下部超伝導層表
面と上記のいずれかの物質とを有効に混合することが可
能であり、より均一なバリア層を形成できる。
【0046】以下、本発明の好ましい実施形態の一例に
ついて図1を参照して説明する。基板1上に下部超伝導
層2、バリア層3および上部超伝導層4が設けられ、バ
リア層は下部超伝導層と上部超伝導層とにはさまれてい
る。バリア層は、La、Sr、Ca、AlおよびTaか
らなる群から選ばれる一または二以上の元素を含む物質
からなる層、および、上記元素の少なくとも一つが下部
超伝導層中に拡散して形成された層からなる。このよう
な構成とすることで、層厚、組成の均一なバリア層を再
現性良く形成することができる。そのため、バリア層が
極めて薄い場合にも上下の超伝導層が短絡することがな
い。このような構造を用いてジョセフソン接合を製造す
れば、特性が良くそろったジョセフソン接合を多数製造
することができる。
【0047】(第1実施形態)図2は本発明による高温
超伝導エッジ型ジョセフソン接合の製造工程を示したも
のである。以下、図2を用いて本発明の第1実施形態の
説明を行う。
【0048】はじめに2層積層薄膜成長工程を説明す
る。まず、下部YBa2Cu3Ox超伝導層2とLaSrAlTaO絶縁層5
の2層薄膜を作製した(図2(a))。薄膜はいずれもパル
スレーザ蒸着法で成長させた。レーザはKrFのエキシマ
レーザで、レーザ波長は248nm、レーザ出力900mJ、レー
ザ繰り返し周波数は7Hzとした。薄膜成長法としては、
電子線や通電加熱を熱源とする各種蒸着法、スパッタ法
など他の方法を用いてもさしつかえない。
【0049】基板1にはLaSrAlTaO(100)単結晶基板を用
いた。基板の組成は(La0.30Sr0.70)(Al0.65Ta0.35)O3
あった。基板の大きさは15×15mmの正方形で厚さは0.5m
mであった。基板1上にまず下部YBa2Cu3Ox超伝導体層2を
約300nmの厚さで成長させた。ターゲットはYBa2Cu3Ox
組成の焼結ターゲットを用いた。成長中の基板温度は約
700℃、雰囲気は酸素で酸素分圧は約200mTorrとした。
成長した薄膜はc軸配向薄膜となっており、YBa2Cu3Ox
外の相はほとんど存在せず、表面は平坦であった。また
超伝導臨界温度Tcは約85から89Kであった。
【0050】下部YBa2Cu3Ox超伝導体層2成長後に連続し
て同一製膜装置中で、LaSrAlTaO層間絶縁層5を約600nm
成長させた。この際、ターゲットにはLaSrAlTaOの単結
晶を用いた。この単結晶ターゲットの組成は(La0.30Sr
0.70)(Al0.65Ta0.35)O3であった。この組成は、(La
0.30±0.20Sr0.70±0.20)(Al
.65±0.20Ta0.35±0.20)O3±1
範囲内であれば別の組成でもさしつかえない。基板温度
はYBa2Cu3Ox成長時より10から20℃低くし、酸素分圧は1
00mTorrとした。積層薄膜の成長後、500Torrの酸素雰囲
気中で約1時間かけて試料を冷却し、試料をとりだし
た。
【0051】なおここに示した薄膜成長条件、層厚など
は十分なジョセフソン接合が得られる範囲であれば、他
の条件でもさしつかえない。またターゲットは焼結体で
もさしつかえないが、単結晶の方がより好ましい。焼結
体は単結晶に比べて密度が低いため、パルスレーザ蒸着
法特有の微粒子が薄膜上に、より高い密度で生じること
があるからである。
【0052】次にエッチングによるエッジ構造の製造工
程を説明する。エッチングはLaSrAlTaO層間絶縁層自身
を用いたエッチングマスクを製造するための第1のエッ
チング工程と、このマスクを用いて超伝導エッジを製造
する第2のエッチング工程に分かれている。
【0053】まず第1のエッチング工程から説明する。
LaSrAlTaO/YBa2Cu3Ox二層薄膜上にフォトレジストを1.2
μm塗布した。ここで通常のフォトリソグラフィー法に
より、フォトレジストをパターンニングした。この際、
パターン中でエッジ接合となる部分は基板の結晶構造の
[100]あるいは[010]方向に平行になるようにした。パタ
ーンニング後は160℃で20分間フォトレジストのリフロ
ー処理を行い、フォトレジスト6の端部は丸く、ゆるや
かな傾斜を持つようにした。(図2(b))。ここでイオン
ミリング法により層間絶縁層層5をエッチングし、超伝
導層エッジを形成するためのLaSrAlTaOマスクを作製し
た。この工程においては、基板の回転を行いながら、基
板表面から約30度の角度でArイオン7を照射した(図2
(c))。この角度は、最終的に形成される超伝導層エッ
ジの傾斜角度が大きくなりすぎて、配向性の異なる結晶
粒がエッジの斜面上に成長しない限り、30度以外の角度
でもさしつかえない。またイオンの加速電圧は400V、イ
オン電流は50mAであった。
【0054】エッチング終了後、アセトンに続いてイソ
プロパノールにより試料を超音波洗浄し、フォトレジス
ト層を溶解して除去した。最後に400WのRFで活性化され
た酸素プラズマ中で約30分間試料をクリーニングした
(図2(d))。
【0055】次に第2のエッチング工程を説明する。La
SrAlTaOからなる層間絶縁層5をマスクとして用い下部YB
a2Cu3Ox超伝導層2をエッチングし、超伝導層エッジを作
製する工程である。この工程においては、基板の回転を
行いながら、基板表面から約45度の角度でArイオン8を
照射した(図2(e))。このエッチング工程においては、
イオンの入射角度はエッジの角度に大きな影響を与えな
いので、およそ20〜60度の範囲であれば差し支えない。
またイオンの加速電圧は200V、イオン電流は15mAであっ
た。超伝導エッジ表面の酸素脱離を防ぐため、2.45GH
z、120Wのマイクロ波で活性化した酸素を試料に吹き付
けながらエッチングを行った。
【0056】この第2のエッチング工程で、層間絶縁層
5がエッチングされることにより、La、Sr、Al、Taが脱
離し、これらが下部超伝導層2の表面に付着する。表面
に付着したLa、Sr等はその後の下部超伝導層4の形成工
程等で熱拡散し、La、Sr、Al、Taの少なくともいずれか
を含むバリア層3が形成されるのである。
【0057】エッチング終了後、エッジ表面のエッチン
グダメージを低減させるため、基板回転を行いながら低
加速イオンによるクリーニングを行った。この際のイオ
ンの加速電圧は50V、イオン電流は10mA、クリーニング
時間は10分間とした。このクリーニング工程において
も、上記活性化酸素吹き付けを行った。なおこのクリー
ニング工程はばらつきの小さい高温超伝導ジョセフソン
接合を製造するための不可欠の工程ではない。
【0058】以上の2つのエッチング工程で、基板の[1
00]あるいは[010]方向に平行な4つの方向に、等価な超
伝導エッジが形成された。完成したエッジの角度は約25
度であった。
【0059】第2のエッチング工程ではLaSrAlTaO層間
絶縁層自身をマスクに用いているので、マスク除去工程
は不要である。そのため、エッチング室でのエッチング
工程終了後、試料を製膜室へと搬送し製膜工程へと移る
ことができる。エッチング室と製膜室は搬送用通路で接
続されているので、超伝導層エッジ表面を大気にさらす
ことなく搬送することができ、エッジ表面の汚染を防ぐ
ことができる。
【0060】ふたたび基板温度を約700℃にした後、こ
の構造の上に上部YBa2Cu3Ox超伝導層4を約400nm成長さ
せた。この層の成長条件は下部超伝導薄膜2を成長させ
たときと同じであった。
【0061】以上の工程で、少なくともLa、Sr、Al、Ta
の4つの元素を含む物質から構成されたバリア層3が上
下の超伝導層が接する部分に形成された(図2(f))。こ
れよりも厚いバリア層を望む場合には、少なくともLa、
Sr、Al、Taの4つの元素を含む物質を試料上に堆積させ
ることによってバリア層をさらに厚くすることが可能で
ある。この付加的なバリア層は下部超伝導層成長時と同
じ条件で成長させてよい。この場合、基板温度は室温か
ら700℃の範囲のいずれでもさしつかえない。
【0062】上部YBa2Cu3Ox超伝導層の成長後、500Torr
の酸素雰囲気中で約1時間かけて試料を冷却し、試料を
とりだした。この上部超伝導体層8を通常のリソグラフ
ィー法とイオンミリング法によって加工し、バリア層9
を介して上下の超伝導層が接続したエッジ型ジョセフソ
ン接合を作製した(図2(g))。最後に、金の蒸着および
リフトオフ法によりコンタクトパッド部分を作製した。
【0063】このようにして作製したエッジ型ジョセフ
ソン接合の特性を評価したところ、いずれも良好なジョ
セフソン特性を示した。マイクロ波照射によりシャピロ
ステップが理論通りの電圧に現れ、磁場による臨界電流
の周期的な変化も観察された。電流-電圧特性はほぼオ
ーバーダンプ型の特性であったが、約40K付近までの低
温ではヒステリシスを有していた。臨界電流−常伝導抵
抗(IcRn)積は4.2Kで約2から2.5mV、60Kで約0.1mVであっ
た。各接合間の特性のばらつきも小さく、臨界電流密度
のばらつきが12接合で1sigma=+-6%、100接合で1sigma=+
-8%であった。これは上記の製造工程により、高い均一
性を持つバリアを有する高温超伝導エッジ型ジョセフソ
ン接合が作製されたためである。
【0064】高分解能電子顕微鏡によるジョセフソン接
合の断面観察結果、およびエネルギー分散型X線分析法
による組成分析結果から、以下のことが明らかとなっ
た。上下超伝導電極が接する界面に約2 nmの厚さでバリ
ア層が形成されていることを確認した。バリア層を構成
する物質の構造は立方晶のペロヴスカイト構造と推測さ
れる。その格子定数は0.41 nmから0.43 nmの範囲にあ
る。
【0065】また、その組成は下部超伝導層の組成であ
るYBa2Cu3Ox組成から、Yが増加し、かつCuが減少する側
へずれている。10分析点での分析値の平均値は、Y:Ba:C
u=30:43:27であった(YBa2Cu3Ox組成であれば、Y:Ba:Cu
=17:33:50)。
【0066】バリアが極めて薄いため、この分析結果に
は上下超伝導電極(YBa2Cu3Oxで構成されている)の情
報が含まれており、これをバリアの組成そのものと解釈
してはいけないと推測される。
【0067】バリア物質がペロヴスカイト構造をもつと
すると、その組成はABO3と表される。イオン半径の比較
的大きなイオンがAサイトを、小さいイオンがBサイトを
占める。今回の分析結果と各イオンのイオン半径(Y3+:
0.89Å, Ba2+: 1.34Å, Cu2 +: 0.72Å)から考えて、
バリア層物質はY1-xBa1CuxOyであると推測される。
【0068】形成直後のエッジ表面について、同様の観
察、分析をおこなった。形成直後とはエッジ形成後、エ
ッジ表面にTEM試料作製のためのダミー層としてAu層を
室温で蒸着した状態であり、エッジ表面は高温のアニー
ル処理を受けていないという意味である。
【0069】エッジ表面にバリア層とほぼ同じ1から2 n
mの範囲にある厚さのアモルファス層が観察された。ま
た、このアモルファス層の組成は前述のバリア層の組成
とほぼ同じであり、アモルファスの段階で組成ずれが起
こっていることが明らかとなった。
【0070】なお、アモルファス層の組成分析において
Cuがほとんど検出されない例があった。この試料ではア
モルファス層の片側はAuであるため、分析結果における
YBa2Cu3Ox電極の影響はより小さい。この結果から、ア
モルファス層中ではCuはYBa2Cu3Oxに比べて減少してい
るだけではなく、ほとんどなくなっている可能性もあ
る。これは最終的に形成されるバリア層にもいえること
である。
【0071】以上の結果から、バリア層形成機構を以下
のように推測した。
【0072】イオンエッチングによりエッジを作製する
と、エッジを完成させた段階でエッジ表面はイオン照射
により損傷を受け、アモルファス層で覆われている。こ
のアモルファス層の組成は、選択スパッタリングによっ
てYBa2Cu3Ox組成からYが増加しかつCuが減少する側へず
れている。この中でもCuはほぼ完全になくなっている可
能性がある。このアモルファスが上部超伝導層成長のた
めの基板温度上昇により加熱され、結晶化してバリアと
BR>なると推測される。
【0073】最後にエッジ表面上のアモルファス層でCu
が減少している効果について考えてみる。YBa2Cu3Ox薄
膜成長の際、薄膜組成のCu組成が3付近かそれ以上にな
ると、薄膜中に大きなBaCuOx析出物が生成し、薄膜の平
坦性が悪化することが知られている。この点から見る
と、均一な厚さを持つバリア層の形成にとっては、この
析出物の生成が抑制されるため、アモルファス層中のCu
は少ないほうが好ましいといえる。
【0074】LaSrAlTaO基板のかわりにSrTiOやMgO基板
を用いた場合には、同じようにジョセフソン接合が形成
されたが、Icの値およびそのばらつきともにより大きか
った。LaSrAlTaO基板を用いた場合でもSrTiO、MgO、SrA
lTaOを層間絶縁層に用いた場合には、接合のIcが極めて
大きくなりジョセフソン接合は形成されなかった。これ
らの場合にジョセフソン接合を形成しようとすると、上
部超伝導層の成長温度を通常より下げる必要がある。そ
のため、上部超伝導層の超伝導特性が劣化する。このよ
うに、イオンエッチング時のマスク材をかねる層間絶縁
層にLa、Sr、Al、Taを含む物質を用いることが、特性の
ばらつきの小さいジョセフソン接合を製造する上で重要
である。基板にもLa、Sr、Al、Taを含む物質を用いれ
ば、さらに好ましい。
【0075】なお、(La0.30Sr0.70)(Al0.65Ta0.35)O3
ーゲットのかわりに(La0.20Ca0.80)(Al0.60Ta0.40)O3
ーゲットを用いることによって、LaSrAlTaO層間絶縁層
のかわりにLaCaAlTaO層間絶縁層を成長させることによ
っても、同様に特性のばらつきの小さい高温超伝導ジョ
セフソン接合を製造することができる。
【0076】(第2実施形態)図3は本発明による高温
超伝導エッジ型ジョセフソン接合の製造工程を示したも
のである。以下、図3を用いて本発明の第2実施形態の
説明を行う。本実施形態では、層間絶縁膜と下部超伝導
層とが一括してエッチングされている。
【0077】はじめに2層積層薄膜成長工程を説明す
る。まず下部YBa2Cu3Ox超伝導層2とLaSrAlTaO絶縁層5の
2層薄膜を作製した(図3(a))。薄膜はいずれもパルス
レーザ蒸着法で成長させた。レーザはKrFのエキシマレ
ーザで、レーザ波長は248nm、レーザ出力900mJ、レーザ
繰り返し周波数は7Hzとした。薄膜成長法としては、電
子線や通電加熱を熱源とする各種蒸着法、スパッタ法な
ど他の方法を用いてもさしつかえない。
【0078】基板1にはLaSrAlTaO(100)単結晶基板を用
いた。基板の組成は(La0.30Sr0.70)(Al0.65Ta0.35)O3
あった。基板の大きさは15×15mmの正方形で厚さは0.5m
mであった。基板1上にまず下部YBa2Cu3Ox超伝導体層2を
約300nmの厚さで成長させた。ターゲットはYBa2Cu3Oxの
組成の焼結ターゲットを用いた。成長中の基板温度は約
700℃、雰囲気は酸素で酸素分圧は約200mTorrとした。
成長した薄膜はc軸配向薄膜となっており、YBa2Cu3Ox
外の相はほとんど存在せず、表面は平坦であった。また
超伝導臨界温度Tcは約85から89Kであった。
【0079】下部YBa2Cu3Ox超伝導体層2成長後に連続し
て同一製膜装置中で、LaSrAlTaO層間絶縁層5を約300nm
成長させた。この際、ターゲットにはLaSrAlTaOの単結
晶を用いた。この単結晶ターゲットの組成は(La0.30Sr
0.70)(Al0.65Ta0.35)O3であった。この組成は、(La
0.30±0.20Sr0.70±0.20)(Al
.65±0.20Ta0.35±0.20)O3±1
範囲内であれば別の組成でもさしつかえない。基板温度
はYBa2Cu3Ox成長時より10から20℃低くし、酸素分圧は1
00mTorrとした。積層薄膜の成長後、500Torrの酸素雰囲
気中で約1時間かけて試料を冷却し、試料をとりだし
た。
【0080】なおここに示した薄膜成長条件、層厚など
は十分なジョセフソン接合が得られる範囲であれば、他
の条件でもさしつかえない。
【0081】次にエッチングによるエッジ構造の製造工
程を説明する。まずLaSrAlTaO/YBa2Cu3Ox二層薄膜上に
フォトレジストを1.2μm塗布した。ここで通常のフォ
トリソグラフィー法により、フォトレジストをパターン
ニングした。この際、パターン中でエッジ接合となる部
分は基板の結晶構造の[100]あるいは[010]方向に平行に
なるようにした。
【0082】パターンニング後は160℃で20分間フォト
レジストのリフロー処理を行い、フォトレジスト6の端
部は丸く、ゆるやかな傾斜を持つようにした(図3
(b))。ここでイオンミリング法により層間絶縁層層5お
よび下部YBa2Cu3Ox超伝導層2をエッチングし、超伝導層
エッジを形成した。この工程においては、基板の回転を
行いながら、基板表面から約30度の角度でArイオン7を
照射した(図3(c))。この角度は、最終的に形成される
超伝導層エッジの傾斜角度が大きくなりすぎて、配向性
の異なる結晶粒がエッジの斜面上に成長しない限り、30
度以外の角度でもさしつかえない。またイオンの加速電
圧は400V、イオン電流は50mAであった。
【0083】この工程で、層間絶縁層5がエッチングさ
れることにより、La、Sr、Al、Taが脱離し、これらが下
部超伝導層2の表面に付着する。表面に付着したLa、Sr
等はその後の下部超伝導層4の形成工程等で熱拡散し、
La、Sr、Al、Taの少なくともいずれかを含むバリア層3
が形成されるのである。
【0084】エッチング終了後、アセトンに続いてイソ
プロパノールにより試料を超音波洗浄し、フォトレジス
ト層を溶解して除去した。最後に400WのRFで活性化され
た酸素プラズマ中で約30分間試料をクリーニングした
(図3(d))。
【0085】大気中で行われるフォトレジスト除去の工
程により、超伝導エッジ表面には大気および有機溶剤に
さらされることによって汚染層が形成される。この汚染
層の除去はイオンエッチングで行った。
【0086】この工程では基板の回転を行いながら、基
板表面から約45度の角度でArイオン8を照射した(図3
(e))。このクリーニング工程においては、イオンの入
射角度はエッジの角度を大きく変化させることはないの
で、およそ20から60度の範囲であれば差し支えない。ま
たイオンの加速電圧は200V、イオン電流は15mAであっ
た。超伝導エッジ表面の酸素脱離を防ぐため、2.45GH
z、120Wのマイクロ波で活性化した酸素を試料に吹き付
けながらエッチングを行った。この工程でおよそ30nmの
厚さだけ試料表面を除去した。
【0087】エッチング終了後、エッジ表面のエッチン
グダメージを低減させるため、基板回転を行いながら低
加速イオンによるクリーニングを行った。この際のイオ
ンの加速電圧は50V、イオン電流は10mA、クリーニング
時間は10分間とした。このクリーニング工程において
も、上記活性化酸素吹き付けを行った。なおこのクリー
ニング工程はばらつきの小さい高温超伝導ジョセフソン
接合を製造するための不可欠の工程ではない。
【0088】以上の工程で、基板の[100]あるいは[010]
方向に平行な4つの方向に、等価なエッジが形成され
た。完成したエッジの角度は約25度であった。汚染層除
去のためのエッチング工程終了後、試料を製膜室へと搬
送し製膜工程へと移ることができる。エッチング室と製
膜室は搬送用通路で接続されているので、超伝導層エッ
ジ表面を大気にさらすことなく搬送することができ、エ
ッジ表面の汚染を防ぐことができる。
【0089】ふたたび基板温度を約700℃にした後、こ
の構造の上に上部YBa2Cu3Ox超伝導層4を約400nm成長さ
せた。この層の成長条件は下部超伝導薄膜2を成長させ
たときと同じであった。以上の工程により、少なくとも
La、Sr、Al、Taの4つの元素を含む物質から構成された
バリア層3が上下の超伝導層が接する部分に形成された
(図3(f))。
【0090】上部YBa2Cu3Ox超伝導層の成長後、500Torr
の酸素雰囲気中で約1時間かけて試料を冷却し、試料を
とりだした。この上部超伝導体層8を通常のリソグラフ
ィー法とイオンミリング法によって加工し、バリア層9
を介して上下の超伝導層が接続したエッジ型ジョセフソ
ン接合を作製した(図3(g))。最後に、金の蒸着および
リフトオフ法によりコンタクトパッド部分を作製した。
【0091】このようにして作製したエッジ型ジョセフ
ソン接合の特性を評価したところ、いずれも良好なジョ
セフソン特性を示した。マイクロ波照射によりシャピロ
ステップが理論通りの電圧に現れ、磁場による臨界電流
の周期的な変化も観察された。電流-電圧特性はほぼオ
ーバーダンプ型の特性であったが、約40K付近までの低
温ではヒステリシスを有していた。臨界電流−常伝導抵
抗(IcRn)積は4.2Kで約2から2.5mV、60Kで約0.1mVであっ
た。各接合間の特性のばらつきも小さく、臨界電流密度
のばらつきが12接合で1sigma=+-6%であった。これは上
記の製造工程により、高い均一性を持つバリアを有する
高温超伝導エッジ型ジョセフソン接合が作製されたため
である。
【0092】LaSrAlTaO基板のかわりにSrTiOやMgO基板
を用いた場合には、同じようにジョセフソン接合が形成
されたが、Icの値およびそのばらつきともにより大きか
った。LaSrAlTaO基板を用いた場合でもSrTiO、MgO、SrA
lTaOを層間絶縁層に用いた場合には、Icが極めて大きく
なりジョセフソン接合は形成されなかった。これらの場
合にジョセフソン接合を形成しようとすると、上部超伝
導層の成長温度を通常より下げる必要がある。そのた
め、上部超伝導層の超伝導特性が劣化する。このよう
に、層間絶縁層にLa、Sr、Al、Taを含む物質を用いるこ
とが、特性のばらつきの小さいジョセフソン接合を製造
する上で重要である。基板にもLa、Sr、Al、Taを含む物
質を用いれば、さらに好ましい。
【0093】なお、(La0.30Sr0.70)(Al0.65Ta0.35)O3
ーゲットのかわりに(La0.20Ca0.80)(Al0.60Ta0.40)O3
ーゲットを用いることによって、LaSrAlTaO層間絶縁層
のかわりにLaCaAlTaO層間絶縁層を成長させることによ
っても、同様に特性のばらつきの小さい高温超伝導ジョ
セフソン接合を製造することができる。
【0094】(第3の実施形態)図4は本発明による高
温超伝導積層型ジョセフソン接合の製造工程を示したも
のである。以下、図4を用いて本発明の第3実施形態の
説明を行う。
【0095】はじめに積層薄膜成長工程を説明する。こ
の積層薄膜は、下部YBa2Cu3Ox超伝導層2とLa、Sr、Al、
Taを含むバリア層3と上部YBa2Cu3Ox超伝導層4の3層から
構成されている。薄膜はいずれもパルスレーザ蒸着法で
成長させた。レーザはKrFのエキシマレーザで、レーザ
波長は248nm、レーザ出力900mJ、レーザ繰り返し周波数
は7Hzとした。超伝導層成長用のターゲットにはYBa2Cu3
Oxの組成の焼結ターゲットを用いた。またバリア層用の
ターゲットにはLaSrAlTaOの単結晶を用いた。この単結
晶ターゲットの組成は(La0.30Sr0.70)(Al0.65Ta0.35)O3
であった。この組成は、(La0.30±0.20Sr
0.70±0.20)(Al0.65 ±0.20Ta
0.35±0.20)O3±1の範囲内であれば別の組
成でもさしつかえない。
【0096】基板1にはLaSrAlTaO(100)単結晶基板を用
いた。基板の組成は(La0.30Sr0.70)(Al0.65Ta0.35)O3
あった。基板にはSrTiO3、MgO、NdGaO3、LaAlO3など他
の単結晶基板を用いてもさしつかえない。また基板表面
は、(100)からわずかな角度だけ傾斜した微傾斜基板や
(110)など、(100)以外の面でもさしつかえない。基板の
大きさは15×15mmの正方形で厚さは0.5mmであった。基
板1上にまず下部YBa2Cu3O x超伝導体層2を約300nmの厚さ
で成長させた。
【0097】成長中の基板温度は約700℃、雰囲気は酸
素で酸素分圧は約200mTorrとした。このような条件で成
長させた薄膜はc軸配向薄膜となっており、YBa2Cu3Ox
外の相はほとんど存在せず表面は平坦であった。また超
伝導臨界温度Tcは約85から89Kであった。続いてLa、S
r、Al、Taを含むバリア層3を同じ条件で1から10nmの厚
さで堆積させ、最後に上部YBa2Cu3Ox超伝導層4を同じ条
件で約300nmの厚さで成長させ、積層薄膜を成長させた
(図4(a))。成長後、約500Torrの酸素雰囲気中で約100
℃まで冷却した。
【0098】なおここに示した薄膜成長条件、層厚、タ
ーゲットの種類は、十分なジョセフソン接合が得られる
範囲であれば、他の条件でもさしつかえない。またバリ
ア層3を堆積させる前に、アルゴンや酸素などのイオン
照射により下部YBa2Cu3Ox超伝導体層2の表面に損傷を与
えておいてもさしつかえない。この際のイオンの加速電
圧は50から1000Vの範囲がよい。その中でも特に50から2
00Vの範囲がジョセフソン接合の高いIcを得るうえでも
っとも好ましい。
【0099】イオン照射角度は基板から0から90度の範
囲のいずれでも良い。そのなかでも、下部YBa2Cu3Ox
伝導体層2の表面の損傷領域を浅くしたい場合は、なる
べく小さい角度を選ぶことが好ましい。イオン照射時の
基板温度は室温から700℃の範囲いずれの温度でもさし
つかえない。もし室温付近の低い温度でイオン照射を行
う際は、下部超伝導層成長後500Torr付近の高い酸素分
圧のもとで試料を冷却する必要がある。その後のバリア
層成長のための試料加熱の際も、200mTorr以上の高い酸
素分圧を保つことが望ましい。
【0100】次に積層型ジョセフソン接合構造の製造工
程を説明する。まず3層積層薄膜上に塗布した約1.2μm
のフォトレジスト9を通常のフォトリソグラフィー法に
よってパターンニングし、これをマスクとしてイオンエ
ッチング法により下部超伝導配線のパターンを決定した
(図4(b))。ここで、エッチングのマスクに用いたレジ
ストを除去した。次に3層積層薄膜上に塗布した別のフ
ォトレジストをフォトリソグラフィー法でパターンニン
グし、これをマスクとしてイオンエッチング法により積
層型ジョセフソン接合の形状を決定した(図4(c))。こ
のようにして、2以上のジョセフソン接合、この例では
2つのジョセフソン接合が形成される。この際、バリア
層のエッチングが終了してから約50nmの深さだけ下部超
伝導層をオーバーエッチングした。エッチング終了後、
マスクに用いたレジストを残したまま、試料上に層間絶
縁層10としてSrTiO3を約400nmの厚さだけ堆積させた
(図4(d))。
【0101】層間絶縁層はパルスレーザ蒸着法で、基板
加熱は意図的には行わず室温付近で成長させた。レーザ
はKrFのエキシマレーザで、レーザ波長は248nm、レーザ
出力900mJ、レーザ繰り返し周波数は7Hzとした。ターゲ
ットにはSrTiO3の組成の単結晶ターゲットを用いた。層
間絶縁層としては、MgO、LaAlO3、NdGaO3、Y2O3など他
の絶縁体の薄膜を用いてもさしつかえない。層間絶縁層
堆積後、接合形状決定に用いたレジストを溶剤で除去
し、接合上の層間絶縁層をリフトオフの原理で取り除い
た(図4(e))。
【0102】最後に上部常伝導配線およびコンタクトパ
ッドを金で作製した。まず金薄膜11を約400nmの厚さで
蒸着させた(図4(f))。これを通常のフォトリソグラフ
ィーでパターンニングしたフォトレジストをマスクとし
て、イオンエッチング法でパターンニングし、上部超伝
導層に接する常伝導配線とコンタクトパッド20、および
下部超伝導層へのコンタクトパッド21を作製した(図4
(g))。以上のように、積層型ジョセフソン接合を完成
させた。
【0103】このようにして作製した積層型ジョセフソ
ン接合の特性を評価したところ、堆積させたバリア層の
厚さが2nm以下であったときに良好なジョセフソン特性
を示した。マイクロ波照射によりシャピロステップが理
論通りの電圧に現れ、磁場による臨界電流の周期的な変
化も観察された。電流-電圧特性はほぼオーバーダンプ
型の特性であったが、約40K付近までの低温ではヒステ
リシスを有していた。臨界電流−常伝導抵抗(IcRn)積は
4.2Kで約1から2mV、60Kで約0.1mVであった。各接合間の
特性のばらつきも小さく、臨界電流密度のばらつきが12
接合で1sigam=+-5%であった。これは上記の工程によ
り、高い均一性を持つバリアを有する高温超伝導積層型
ジョセフソン接合が作製されたためである。尚、第1実
施形態における解析結果は、第2実施形態及び第3実施
形態に適用される。
【0104】
【発明の効果】本発明によれば、YBaCuO下部超伝導層と
YBaCuO上部超伝導層との間に、均一性の高いバリア層を
形成することが可能となる。そのため、特性の高い均一
性を示す高温超伝導ジョセフソン接合が実現できるの
で、高温超伝導体を用いた電子素子および回路への応用
上効果が大きい。
【0105】また本発明によれば、高温超伝導ジョセフ
ソン接合の作製において、バリア層を堆積する工程を必
ずしも必要としないので、工程の簡略化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の特徴部分に関する説明図であ
る。
【図2】本発明による、高温超伝導エッジ型ジョセフソ
ン接合の製造工程の説明図である。
【図3】本発明による、高温超伝導エッジ型ジョセフソ
ン接合の製造工程の説明図である。
【図4】本発明による、高温超伝導積層型ジョセフソン
接合の製造工程の説明図である。
【符号の説明】
1 基板 2 下部超伝導層 3 バリア層 4 上部超伝導層 5 層間絶縁層 6 フォトレジスト 7 イオンビーム 8 イオンビーム 9 フォトレジスト 10 層間絶縁層 11 常伝導配線層 12 フォトレジスト 20 上部超伝導層に接する常伝導配線とコンタクトパ
ッド 21 下部超伝導層へのコンタクトパッド
フロントページの続き (72)発明者 文 建国 東京都江東区東雲一丁目14番3号 財団 法人国際超電導産業技術研究センター 超電導工学研究所内 (72)発明者 腰塚 直己 東京都江東区東雲一丁目14番3号 財団 法人国際超電導産業技術研究センター 超電導工学研究所内 (72)発明者 田中 昭二 東京都江東区東雲一丁目14番3号 財団 法人国際超電導産業技術研究センター 超電導工学研究所内 審査官 小川 将之 (56)参考文献 特開 平7−302935(JP,A) 特開 平7−309700(JP,A) 特開 平9−232641(JP,A) 特開 平8−279630(JP,A) 特開 平5−327049(JP,A) 特開 平8−148729(JP,A) 特開 平8−153903(JP,A) T.Satoh,M.Hidaka and S.Tahara,Study of in−situ Prepar ed High−Temperatur e Superconducting Edge−Type Josephso n Junctions,IEEE T ransactions on App lied Superconducti vity,vol.7 no.2,3001 −3004 B.H.Moeckly & K.C har,Properties of interface−engineer ed high Tc Josephs on junctions,Appli ed Physics Letter s,vol.71,no.17,pp.2526 −2528 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 39/22 - 39/24 H01L 39/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に第1超伝導層を形成するステップ
    と、 前記第1超伝導層上に絶縁膜を形成するステップと、 傾斜部を有するように前記絶縁膜をエッチングするステ
    ップと、 前記エッチングされた絶縁膜をマスクとして、傾斜部を
    有するように前記第1超伝導層をエッチングするステッ
    プと、 前記第1超伝導層の前記傾斜部の表面上にバリア層を形
    成するステップと、前記バリア層を構成する物質は、
    0.41nmから0.43nmの格子定数を有し、 前記バリア層と前記絶縁層の前記傾斜部の上に第2超伝
    導層を形成するステップとを具備するジョセフソン接合
    の製造方法。
  2. 【請求項2】基板上に第1超伝導層を形成するステップ
    と、 前記第1超伝導層上に絶縁膜を形成するステップと、 傾斜部を有するように前記絶縁膜と前記第1超伝導層を
    エッチングするステップと、 前記第1超伝導層の前記傾斜部の表面上にバリア層を形
    成するステップと、前記バリア層を構成する物質は、
    0.41nmから0.43nmの格子定数を有し、 前記バリア層と前記絶縁層の前記傾斜部の上に第2超伝
    導層を形成するステップとを具備するジョセフソン接合
    の製造方法。
  3. 【請求項3】基板上に第1超伝導層を形成するステップ
    と、 前記第1超伝導層上に絶縁膜を形成するステップと、 傾斜部を有するように前記絶縁膜をエッチングするステ
    ップと、 前記エッチングされた絶縁膜をマスクとして、傾斜部を
    有するように前記第1超伝導層をエッチングするステッ
    プと、 前記第1超伝導層の前記傾斜部の表面上にバリア層を形
    成するステップと、前記バリア層の組成がY1-xBa1CuxOy
    (xの値の範囲は0以上1未満)であり、 前記バリア層と前記絶縁層の前記傾斜部の上に第2超伝
    導層を形成するステップとを具備するジョセフソン接合
    の製造方法。
  4. 【請求項4】基板上に第1超伝導層を形成するステップ
    と、 前記第1超伝導層上に絶縁膜を形成するステップと、 傾斜部を有するように前記絶縁膜と前記第1超伝導層を
    エッチングするステップと、 前記第1超伝導層の前記傾斜部の表面上にバリア層を形
    成するステップと、前記バリア層の組成がY1-xBa1CuxOy
    (xの値の範囲は0以上1未満)であり、 前記バリア層と前記絶縁層の前記傾斜部の上に第2超伝
    導層を形成するステップとを具備するジョセフソン接合
    の製造方法。
  5. 【請求項5】基板上に第1超伝導層を形成するステップ
    と、 前記第1超伝導層上に絶縁膜を形成するステップと、 傾斜部を有するように前記絶縁膜をエッチングするステ
    ップと、 前記エッチングされた絶縁膜をマスクとして、傾斜部を
    有するように前記第1超伝導層をエッチングするステッ
    プと、 前記第1超伝導層の前記傾斜部の表面上にバリア層を形
    成するステップと、前記バリア層は、前記絶縁層または
    前記基板から供給されるLa、Sr、Al、Ca及びT
    aからなる群から選択された少なくとも1つの元素を含
    み、 前記バリア層と前記絶縁層の前記傾斜部の上に第2超伝
    導層を形成するステップとを具備するジョセフソン接合
    の製造方法。
  6. 【請求項6】基板上に第1超伝導層を形成するステップ
    と、 前記第1超伝導層上に絶縁膜を形成するステップと、 傾斜部を有するように前記絶縁膜と前記第1超伝導層を
    エッチングするステップと、 前記第1超伝導層の前記傾斜部の表面上にバリア層を形
    成するステップと、前記バリア層は、前記絶縁層または
    前記基板から供給されるLa、Sr、Al、Ca及びT
    aからなる群から選択された少なくとも1つの元素を含
    み、 前記バリア層と前記絶縁層の前記傾斜部の上に第2超伝
    導層を形成するステップとを具備するジョセフソン接合
    の製造方法。
  7. 【請求項7】基板上に第1超伝導層を形成するステップ
    と、 前記第1超伝導層上に絶縁膜を形成するステップと、 傾斜部を有するように前記絶縁膜をエッチングするステ
    ップと、 前記エッチングされた絶縁膜をマスクとして、傾斜部を
    有するように前記第1超伝導層をエッチングするステッ
    プと、 前記第1超伝導層の前記傾斜部の表面を酸素中加熱処理
    により、非超伝導体結晶化させるステップと、 前記第1超伝導層の前記傾斜部の表面上にバリア層を形
    成するステップと、 前記バリア層と前記絶縁層の前記傾斜部の上に第2超伝
    導層を形成するステップとを具備するジョセフソン接合
    の製造方法。
  8. 【請求項8】基板上に第1超伝導層を形成するステップ
    と、 前記第1超伝導層上に絶縁膜を形成するステップと、 傾斜部を有するように前記絶縁膜と前記第1超伝導層を
    エッチングするステップと、 前記第1超伝導層の前記傾斜部の表面を酸素中加熱処理
    により、非超伝導体結晶化させるステップと、 前記第1超伝導層の前記傾斜部の表面上にバリア層を形
    成するステップと、 前記バリア層と前記絶縁層の前記傾斜部の上に第2超伝
    導層を形成するステップとを具備するジョセフソン接合
    の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項1乃至8のいずれかにおいて、 前記絶縁膜は、La、Sr、Al、Ca、Taの群から
    選択される少なくとも1つの元素を含む膜であるジョセ
    フソン接合の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項3又は4において、 xの範囲が0.5以下であるジョセフソン接合の製造方
    法。
  11. 【請求項11】請求項10において、 xの値が0であるジョセフソン接合の製造方法。
  12. 【請求項12】基板上に第1超伝導層を形成するステッ
    プと、 前記第1超伝導層の表面にバリア層を形成する前に、
    記第1超伝導層を削ることなく、前記第1超伝導層の表
    面に損傷を与えるように、イオン照射を行うステップ
    と、 前記第1超伝導層の前記表面全体上に前記バリア層を形
    成するステップと、 前記バリア層の上に第2超伝導層を形成するステップ
    と、 前記第2超伝導層と前記バリアをエッチングして2つ以
    上の電極を形成するステップと、 前記2つ以上の電極間に絶縁層を形成するステップとを
    具備するジョセフソン接合素子の製造方法。
  13. 【請求項13】請求項12において、 前記イオン照射を行うステップは、室温から700℃の
    うちの前記基板の温度で行われるジョセフソン接合素子
    の製造方法。
  14. 【請求項14】基板上に形成され、傾斜部を有する第1
    超伝導層と、 前記第1超伝導層上に形成され、前記第1超伝導層の前
    記傾斜部に続く傾斜部を有する絶縁膜と、 前記第1超伝導層の前記傾斜部の上に形成されたバリア
    層と、前記バリア層を構成する物質は、0.41nmか
    ら0.43nmの格子定数を有し、 前記バリア層と前記絶縁膜の前記傾斜部の上に形成され
    た第2超伝導層とを具備するジョセフソン接合。
  15. 【請求項15】基板上に形成され、傾斜部を有する第1
    超伝導層と、 前記第1超伝導層上に形成され、前記第1超伝導層の前
    記傾斜部に続く傾斜部を有する絶縁膜と、 前記第1超伝導層の前記傾斜部の上に形成されたバリア
    層と、前記バリア層の組成がY1-xBa1CuxOy(xの値の範
    囲は0以上1未満)であり、 前記バリア層と前記絶縁膜の前記傾斜部の上に形成され
    た第2超伝導層とを具備するジョセフソン接合。
  16. 【請求項16】請求項15において、 xの範囲が0.5以下であるジョセフソン接合。
  17. 【請求項17】請求項16において、 xの値が0であるジョセフソン接合。
  18. 【請求項18】請求項14乃至17のいずれかにおい
    て、 前記バリア層は2nm以下の膜厚を有するジョセフソン
    接合。
  19. 【請求項19】請求項14乃至18のいずれかにおい
    て、 前記第1超伝導層と前記第2の超伝導層は銅酸化物系超
    伝導層であるジョセフソン接合。
  20. 【請求項20】請求項19において、 前記銅酸化物系超伝導層はYBaCuO超伝導層である
    ジョセフソン接合。
  21. 【請求項21】請求項14乃至20のいずれかにおい
    て、 前記バリア層は、ペロブスカイト構造を有するジョセフ
    ソン接合。
  22. 【請求項22】第1超伝導層の表面層を改質層に改質
    し、前記第1超伝導層上に形成された絶縁層を構成する
    材料を前記改質層に拡散させて、前記第1超伝導層の表
    面層にバリア層を形成し、前記バリア層上に第2超伝導
    層を形成してジョセフソン接合を製造する方法。
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