JP3278494B2 - 静止誘導機器巻線の加温方法 - Google Patents

静止誘導機器巻線の加温方法

Info

Publication number
JP3278494B2
JP3278494B2 JP13428693A JP13428693A JP3278494B2 JP 3278494 B2 JP3278494 B2 JP 3278494B2 JP 13428693 A JP13428693 A JP 13428693A JP 13428693 A JP13428693 A JP 13428693A JP 3278494 B2 JP3278494 B2 JP 3278494B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin tube
heat pipe
loop
winding
type thin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP13428693A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06349644A (ja
Inventor
久輝 赤地
哲司 吉川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP13428693A priority Critical patent/JP3278494B2/ja
Publication of JPH06349644A publication Critical patent/JPH06349644A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3278494B2 publication Critical patent/JP3278494B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coils Of Transformers For General Uses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、中空管状の細管コンテ
ナの内部に水等の非不凍液からなる作動液を封入した細
管ヒートパイプで巻線本体を構成して成る静止誘導機器
巻線の加温方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、都市部への電力需要の増大に対応
して、都市部に電力機器を設置することが多くなってき
た。この種の電力機器のうち、ビルや地下街に設置され
る静止誘導機器、とりわけ変圧器のような大型機器に
は、難燃性が要求されており、このため、変圧器に使用
する絶縁媒体としても、従来の可燃性の鉱物油から、不
燃性のガスや難燃性のエポキシ樹脂などに置き換えられ
つつあり、さらにはシリコーンゲルなどの固液中間性状
の材料の適用研究もなされている。
【0003】しかしながら、これらの絶縁媒体を採用し
た場合、従来の油入変圧器のように液体の絶縁兼冷却媒
体が対流循環して機器本体を冷却するものに比べ、いず
れも冷却性が低下するため、巻線の電流密度を下げるな
どの対策が必要になり、機器の大形化、重量増加を招く
傾向にあった。
【0004】一方、都市部では地価が高く、搬入制限の
厳しい所に変圧器を設置するという性格上、変圧器の小
形化及び軽量化が最優先の課題であり、そのために、変
圧器巻線の冷却性改善が強く望まれている。
【0005】このような課題を解決する方法として、従
来からヒートパイプ利用に関する数多くの提案がなされ
ているが、次に述べるような種々の問題があるため、い
ずれも小容量の変圧器などの限られた条件下でしか実用
化できていないのが現状である。
【0006】(1)巻線内を均一に所望の温度に冷却す
るには、多数本のヒートパイプを挿入する必要がある。
一方、機器を大形化させずに多数本のヒートパイプを挿
入するためには、ヒートパイプの細管化が必要である
が、例えば外径3mm程度のヒートパイプでは、放熱部
を含んで500mm程度の長さが作動上の限界であり、
それ以上長くすることが困難であった。
【0007】(2)また、上記したようなヒートパイプ
を用いた場合、1本当たりの熱輸送量は10W程度であ
り、大形の変圧器巻線を冷却するのに十分な熱輸送量を
得ることが甚だ困難であった。
【0008】(3)更に、ヒートパイプを変圧器巻線内
に挿入する場合、ヒートパイプを巻線形状に沿って屈曲
せしめることも必要であるが、この屈曲によって熱輸送
能力が大幅に低下してしまうという欠点があった。
【0009】(4)また、ヒートパイプを変圧器巻線内
に挿入する場合、その挿入箇所によってはトップヒート
姿勢での作動も必要になるが、このトップヒート姿勢に
おいては熱輸送能力が大幅に低下してしまうという欠点
があった。
【0010】ところで、最近、上記のような従来形のヒ
ートパイプの欠点を克服した、新型のヒートパイプとし
てループ型細管ヒートパイプが開発され、それを変圧器
巻線の冷却手段に用いること(特開昭64−84699
号「電磁機器の構造」)が提案されている。
【0011】図34に上記提案に用いられているループ
型細管ヒートパイプの構造を示す。すなわち、内部に作
動液を封入した細管コンテナ2を蛇行状に構成して受熱
部2−H(受熱部群H)と放熱部2−C(放熱部群C)
を交互に有する、ループ状のエンドレス流路を構成した
もので、この細管コンテナ2内を、液体部分4と気体部
分5が分布する作動液が循環方向規制手段3によって所
定の方向に強力に循環しつつ、蒸発と凝縮を繰り返しな
がら熱輸送する構造である。このループ型細管ヒートパ
イプによれば、外径2mm程度に細管化が可能であるば
かりでなく、その長さを制限なく長尺化せしめることが
可能であり、また、トップヒート姿勢で使用してもボト
ムヒート姿勢で使用した場合とほとんど変わらない熱輸
送特性を発揮するものである。そして、このループ型細
管ヒートパイプを変圧器巻線の冷却手段として適用する
場合、次に述べるような構成で提案されている。
【0012】ループ型細管ヒートパイプは、細管コンテ
ナを蛇行させたループで構成され、そのターンの所定部
分の群が受熱部群として変圧器等の機器の所定の温度上
昇部に装着される。その装着状態は、図35に示すよう
に、ループ型細管ヒートパイプの受熱部2−Hを巻線1
内に巻線1と密着するように巻き込む構成、或いは、図
36に示すように、ループ型細管ヒートパイプの受熱部
2−H自身が巻線導体を兼ねて使用され、巻線全体また
は巻線の一部を形成する構成のいずれか、またはそれら
の構成の併用である。尚、6は鉄心であり、ループ型細
管ヒートパイプの各ターンの残余の群は、所定の放熱構
造の放熱部として構成される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構成では、ループ型細管ヒートパイプの作動液として
水等の非不凍液(例えば純水)が使用されているので、
静止誘導機器巻線を輸送するとき等の運転停止時におい
て、周囲の温度が0℃以下に低下すると、細管ヒートパ
イプ内の作動液が凍結して該細管ヒートパイプが破損す
るという問題点があった。このように作動液が凍結する
場合としては、上記輸送時の他に、変電所に設置した状
態でまだ通電していないときや、点検のために通電を停
止しているときなどがある。
【0014】そこで、本発明の目的は、輸送時等の運転
停止時に細管ヒートパイプ内の作動液が凍結することを
防止して、細管ヒートパイプの破損を確実に防止できる
静止誘導機器巻線の加温方法を提供するにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の静止誘導機器巻
線の加温方法は、中空管状の細管コンテナの内部に水等
の非不凍液からなる作動液を封入した細管ヒートパイプ
で巻線本体を構成して成る静止誘導機器巻線に対して、
輸送時等の運転停止時に、前記巻線本体に通電すること
により、前記細管ヒートパイプの温度が前記作動液の凍
結温度以下に低下しないように加温するところに特徴を
有する。この場合、巻線本体に通電する電源は、発電
機、太陽電池、燃料電池、リチウム電池又は蓄電池等か
ら構成することが考えられる。
【0016】また、中空管状の細管コンテナの内部に作
動液を封入した非ループ型細管ヒートパイプで巻線本体
を構成する一方、中空管状の細管コンテナの内部に前記
作動液を封入して所定形状のループに形成したループ型
細管ヒートパイプの所定部分を前記非ループ型細管ヒー
トパイプの所定部分に密接させて受熱部を構成すると共
にこのループ型細管ヒートパイプの残余の所定部分をル
ープ型細管ヒートパイプの放熱部として成る静止誘導機
器巻線に対して、輸送時等の運転停止時に、前記放熱部
を加熱手段によって加熱することにより、前記細管ヒー
トパイプの温度が前記作動液の凍結温度以下に低下しな
いように加温することも好ましい。
【0017】更に、中空管状の細管コンテナの内部に作
動液を封入した非ループ型細管ヒートパイプで巻線本体
を構成する一方、この非ループ型細管ヒートパイプの所
定部分に、冷却媒体を封入した冷却パイプの所定部分を
密接させ、この冷却パイプの残余の所定部分に外部熱交
換器及び循環ポンプを連通して成る静止誘導機器巻線に
対して、輸送時等の運転停止時に、前記外部熱交換器を
加熱手段によって加熱することにより、前記非ループ型
細管ヒートパイプの温度が前記作動液の凍結温度以下に
低下しないように加温することも好ましい。
【0018】この場合、前記放熱部又は前記外部熱交換
器を加熱手段によって加熱することに加えて、前記巻線
本体に通電することにより加温することも考えられる。
更にまた、前記加熱手段は、酸化等の発熱反応により熱
を発生する手段であっても良いし、電気ヒータであって
も良いし、前記静止誘導機器巻線を輸送する輸送車のエ
ンジンから発生する熱を流用する手段であっても良い。
【0019】
【作用】上記手段によれば、輸送時等の運転停止時に、
巻線本体に通電することにより該巻線本体を加温して、
細管ヒートパイプの温度が水等の非不凍液からなる作動
液の凍結温度以下に低下しないように構成したので、輸
送時等の運転停止時において周囲の温度が0℃以下に低
下することがあっても、細管ヒートパイプ内の作動液が
凍結することが防止され、細管ヒートパイプの破損が防
止される。
【0020】また、非ループ型細管ヒートパイプで巻線
本体を構成する一方、中空管状の細管コンテナの内部に
作動液を封入して所定形状のループに形成したループ型
細管ヒートパイプの所定部分を非ループ型細管ヒートパ
イプの所定部分に密接させて受熱部を構成すると共に、
このループ型細管ヒートパイプの残余の所定部分をルー
プ型細管ヒートパイプの放熱部として成る静止誘導機器
巻線に対しては、輸送時等の運転停止時に、ループ型細
管ヒートパイプの放熱部を加熱手段によって加熱するこ
とにより加温する構成とすれば、細管ヒートパイプ内の
作動液が凍結することを防止でき、細管ヒートパイプの
破損を防止できる。
【0021】更に、非ループ型細管ヒートパイプで巻線
本体を構成する一方、この非ループ型細管ヒートパイプ
の所定部分に、冷却媒体を封入した冷却パイプの所定部
分を密接させ、この冷却パイプの残余の所定部分に外部
熱交換器及び循環ポンプを連通して成る静止誘導機器巻
線に対しては、輸送時等の運転停止時に、外部熱交換器
を加熱手段によって加熱するように構成すれば良い。ま
た、加熱手段によって加熱することに加えて、巻線本体
に通電することを併用しても、同様の効果を得ることが
できる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を変圧器に適用した第1の実施
例について図1ないし図4を参照しながら説明する。
尚、変圧器は、通常、低圧巻線と高圧巻線の2巻線から
構成されているが、以下の説明では、代表として1巻線
の例で説明する。
【0023】上記図1は円筒形巻線の全体構成を示す斜
視図、図2は同部分断面図である。これら図1及び図2
に示すように、絶縁筒10の上に、中空管状の電気絶縁
導体として形成された細管コンテナ13を、巻始め部1
3aから巻終り部13bまで、同心円状に巻き付けて巻
線本体を構成する。この例では、巻線本体は、最内側か
ら最外側まで計5層で構成されており、1層巻き上げる
ごとに、その両端部に他の中空管状の細管コンテナ14
を密着させて装着すると共に、その軸方向外側に端部支
持部材11を取り付ける。このような巻線層を順次第5
層まで形成する。各層間は、絶縁あるいは冷却性向上な
どのために、間隔片12の挿入によって所定のギャップ
を設ける場合もある。
【0024】そして、細管コンテナ13の巻始め部13
aまたは巻終り部13bから所定量の作動液を封入して
巻線本体自身を非ループ型細管ヒートパイプ31として
構成すると共に、図示しない口出し導体を接続する。作
動液としては、通常、純水やフッ素性液体などを用いて
いる。この場合、作動液は水等の非不凍液であるから、
周囲温度が0℃以下に低下すると、凍結するものであ
る。
【0025】一方、細管コンテナ14は図示しない所定
の放熱部構造例えば蛇行状に形成され変圧器容器外に配
置された中空管状の細管コンテナとループを形成するよ
うに接続した後、所定量の作動液を封入してループ型細
管ヒートパイプ32として構成する。
【0026】細管コンテナ13、14の断面形状として
は、例えば図3(a)及び図3(b)に示すような形状
であり、銅あるいはアルミニウムのような低電気抵抗か
つ高熱伝導率の丸形あるいは角形の中空導体15あるい
は16上に、高熱伝導率の材料からなる絶縁層17を設
けている。中空管状の細管コンテナ13と14の装着状
態としては、例えば図4(a)乃至図4(c)に示すよ
うに、接合部のくさび部に熱伝導性のグリースまたは樹
脂18を塗布して構成する。
【0027】そして、このような構成の変圧器巻線を輸
送するとき等の運転停止時に、周囲の温度が0℃以下に
低下するおそれがある場合、上記変圧器巻線を加温する
必要がある。このような場合、図1に示すように、外部
電源61の出力端子61a及び61bを細管コンテナ1
3の巻始め部13a及び巻終り部13bに接続して、細
管コンテナ13即ち巻線本体に通電することにより、非
ループ型細管ヒートパイプ31及びループ型細管ヒート
パイプ32の温度が前記作動液の凍結温度以下に低下し
ないように加温する。これにより、細管ヒートパイプ3
1及び32内の作動液の温度が凍結温度以下に低下する
ことがなくなるから、該作動液が凍結して細管ヒートパ
イプ31及び32が破損することを確実に防止できる。
【0028】この場合、外部電源61としては、直流電
源、交流電源(正弦波又はひずみ波)のいずれでも良
く、直流に交流が重畳したものでも良い。また、交流電
源を使用する場合、その周波数は数十Hz程度が好まし
く、印加電圧は数十V程度または100Vが好ましい。
具体的には、例えば1500KVAの容量の変圧器を加
温する際に、負荷率100%の場合でH種絶縁の巻線に
おいて100℃ライズの設計を行なったとする。この場
合、漏れインピーダンス値にも依存するが、15℃程度
の発熱を発生させるには、100VのAC電圧供給時に
20A程度必要となり、変圧器の一巻線当たり2KVA
の電源が必要となる。従って、上記変圧器をトラック等
で輸送する場合、2KVAの発電能力を有する発電機
(エンジン付き小形発電機)をトラックに搭載しておく
必要がある。尚、上記エンジン付き小形発電機のエンジ
ンは、ガソリンや軽油等を燃料とするものである。ま
た、巻線が三相(3回路)である場合には、6KVAの
発電能力を有する発電機を使用する必要がある。尚、こ
の場合、単相の発電機しかない場合には、一定時間例え
ば30分毎にU相、V相、W相に電力を切替供給するよ
うに構成しても良い。
【0029】また、巻線本体の表面の温度は、放射型温
度計や接触型表面温度計により測定する。この場合、温
度計から出力される温度検出信号に基づいて検出温度が
設定温度範囲に保持されるように、巻線を自動的に通断
電制御する構成としても良い。このように構成すれば、
無人で巻線を加温することができ、変電所に設置した変
圧器にまだ通電していないときに、夜間無人であっても
該変圧器の温度を作動液の凍結温度以下に低下すること
を確実に防止できる。
【0030】ところで、従来構成(図35及び図36参
照)のループ型細管ヒートパイプを有効に作動させる条
件として、次の二つの条件がある。
【0031】(イ)所望の熱輸送量に対してループ型細
管ヒートパイプに適切な割合で受熱部と放熱部を分布さ
せる必要があること。
【0032】(ロ)ループ型細管ヒートパイプに循環方
向規制手段(弁体)3が必要であること。
【0033】即ち、図35、図36のいずれの構成にお
いても、一箇所の受熱部2−Hが長くなりすぎると、そ
の部分は正常に作動しなくなり、過熱を起こす。従っ
て、大容量の巻線ほど、巻線途中から引き出すべき放熱
部の箇所が増えることになる。よって、一般的に行われ
ている、巻芯を回転させて導体を連続的に巻回していく
巻線の製造方法を考えた場合、甚だしく製造能率を下げ
るものとなってしまう問題点がある。また、一つのルー
プ内に複数個の弁体3を取り付ける必要があり、弁体3
の取り付けのための作業中断を伴うことになり、このた
め、上記したことと同様に製造能率を下げることにな
る。
【0034】これに対して、「最近のヒートパイプ応用
技術」と題して´91−3−15に実施されたセミナー
において、新たに、「弁体を用いないループ型細管ヒー
トパイプ」、「非ループ型細管ヒートパイプ」が紹介さ
れている。ここで、「弁体を用いないループ型細管ヒー
トパイプ」とは、図37に示すような構造であり、作動
液の軸方向振動とゆるやかな循環流とによって熱を輸送
するものである。このループ型細管ヒートパイプは、循
環方向規制手段(弁体)がないため、基本的には、トッ
プヒート姿勢では作動困難となる。
【0035】また、「非ループ型細管ヒートパイプ」と
は、図38に示すように、細管コンテナ2の内部に作動
液を封入して両端を封じ切ったもので、蛇行状に構成し
て一方のループの群を受熱部群H、他方のループの群を
放熱部群Cとして構成したものである。そして、図39
に示すように、作動液の核沸騰7による蒸発・凝縮によ
り発生する作動液の軸方向振動(矢印8)のみによって
矢印9の方向に熱を輸送するものである。この非ループ
型細管ヒートパイプは、細管コンテナ2内に適量の作動
液を封止しただけの構造であり、ループ形成のための接
続部がないので、適用時の配設作業が容易であるが、熱
輸送能力が劣るものである。
【0036】このように、「弁体を用いないループ型細
管ヒートパイプ」及び「非ループ型細管ヒートパイプ」
は、いずれも特性上は前記弁体付きループ型細管ヒート
パイプに比べて劣るものであり、前述の(イ)に関する
問題点を解決するものではない。
【0037】これに対して、上記した第1の実施例によ
れば、巻線本体を形成するにあたっては、非ループ型細
管ヒートパイプ31を構成する細管コンテナ13を用い
ているために、通常の巻線導体と同様に巻回作業を行う
ことができ、細管コンテナ13にループを形成する必要
もなく、また、放熱部を形成するために巻線本体途中か
ら導体を引き出す必要もなく、さらには弁体を取り付け
る必要もないため、従来の巻線工程と何等変わりのない
製造能率を維持できる。しかも、細管コンテナ13の巻
回間も絶縁層17の存在により絶縁的にも問題はない。
【0038】一方、巻線本体を構成する非ループ型細管
ヒートパイプ31の細管コンテナ13には、放熱部を適
当に分散配置して設ける必要があるが、これら放熱部
は、別個に製作されたループ型細管ヒートパイプ32の
細管コンテナ14が密接して装着されることにより分散
して設けることができる。この密接装着部分は、同時に
ループ型細管ヒートパイプ32の受熱部となる。
【0039】従って、通電により巻線本体で発生した熱
は、まず非ループ型細管ヒートパイプ31の作動、すな
わち細管コンテナ13内に封入された作動液の軸方向振
動により、放熱部(ループ型細管ヒートパイプ32の受
熱部)に向かって輸送される。そして、細管コンテナ1
3と14は、接合部に熱伝導性のグリースまたは樹脂が
塗布されて密着されているので、その部分での熱抵抗が
最小限に抑えられて熱伝導され、更に、ループ型細管ヒ
ートパイプ32の作動、すなわち細管コンテナ14内に
封入された作動液の軸方向振動と循環流によって、巻線
本体外へ輸送され、所定の放熱部を介して外部に放熱さ
れる。
【0040】このように、巻線本体から直接的に集熱
し、その集熱部から外部に放散する冷却系となっている
ため、ガス絶縁や固体絶縁を適用した場合でも優れた冷
却性能が得られる。また、極めて熱抵抗の小さいヒート
パイプを介して直接外部に熱放散でき、しかも巻線本体
自体がヒートパイプで構成されているため、従来の巻線
に比べて内部温度分布を均一化できるので、巻線本体を
小型・軽量に構成することができる。
【0041】尚、上記実施例では、ループ型細管ヒート
パイプ32を構成する細管コンテナ14は、外部放熱部
に接続するためアース電位とするのに対し、巻線本体を
構成する非ループ型細管ヒートパイプ31の細管コンテ
ナ13は巻線導体に応じた電位となるため、両者の密接
装着部の電圧分担が大きくなる。そこで、高電圧機器に
適用する場合には、熱伝導率の優れた絶縁物で、望まし
くは可撓性のある、例えば高気密性の樹脂などで形成し
た丸形あるいは角形中空パイプを一部あるいは全部に用
いるようにする。
【0042】次に、巻線本体を加温する方法として、上
記した通電方法に代わる方法を説明する。例えば、トラ
ックで変圧器を輸送する場合、トラックのエンジンから
発生する熱(排熱)を利用して巻線本体を加温すること
ができる。具体的には、エンジンで暖められた温風を荷
台へ導いて変圧器に当てるように構成すれば良い。この
場合、温風を、巻線のうちのループ型細管ヒートパイプ
32の放熱部に当てて、該放熱部を加熱すると、加えら
れた熱はループ型細管ヒートパイプ32内の作動液によ
りループ型細管ヒートパイプ32の受熱部へ伝えられ、
この受熱部から非ループ型細管ヒートパイプ31へ伝達
される。これにより、変圧器の周囲温度が0℃以下に低
下しても、非ループ型細管ヒートパイプ31及びループ
型細管ヒートパイプ32内の作動液の温度が凍結温度以
下に低下することがなくなり、作動液が凍結することが
なくなる。
【0043】また、上記したように、温風によりループ
型細管ヒートパイプ32の放熱部を加熱する場合、この
加熱の出力が小さい場合には、該加熱に加えて、巻線本
体に通電するように構成しても良い。この場合、巻線本
体に通電する電源用の発電機としては、発電容量(能
力)の小さいものを使用することが可能になる。尚、電
源としては、発電機の代わりに、太陽電池、燃料電池、
リチウム電池又は蓄電池等を使用する構成としても良
い。
【0044】尚、上記構成では、温風の中に排気ガス
(CO、NOx、SOx等の活性ガスが含まれたガス)
が混入することを防ぐ必要がある。これは、変圧器を構
成する金属や絶縁物が劣化することを防止するためであ
る。
【0045】また、ループ型細管ヒートパイプ32の放
熱部を温風により加熱する代わりに、他の加熱手段によ
り加熱しても良い。具体的には、いわゆる使い捨て懐
炉、即ち、ビニル袋内に鉄粉、水分、木粉、活性炭、塩
類を混入させたもので加熱するようにしても良い。この
場合、袋を開封することにより、空気を袋内に入れて上
記混入物を酸化させて、その発熱反応により生成された
熱によりループ型細管ヒートパイプ32の放熱部を加熱
するのである。このとき、袋をループ型細管ヒートパイ
プ32の放熱部に密着させて取付固定しておくことが好
ましい。
【0046】更に、加熱手段としては、上記使い捨て懐
炉に代えて、電気ヒータ例えばスペースヒータを用いる
ように構成しても良く、この場合、外部電源によりスペ
ースヒータを通電駆動するように構成すれば良い。
【0047】尚、上述したように巻線本体を加温する場
合(輸送時等の運転停止時)、変圧器全体を断熱材で覆
って保温することにより、細管ヒートパイプ31、32
内の作動液の温度が低下することを極力防止することが
望ましい。このように保温すれば、巻線本体を加温する
ための熱量を節約することができると共に、作動液の凍
結をより一層確実に防止することができる。
【0048】さて、図5及び図6は本発明の第2の実施
例を示すものであり、第1の実施例と同一部分には同一
符号を付し、異なるところを説明する。この第2の実施
例では、図5及び図6に示すように、巻線本体の各層間
乃至最内周面及び最外周面に、ループ型細管ヒートパイ
プ32を構成する細管コンテナ14を密接装着したもの
である。このような構成によれば、巻線本体を構成する
非ループ型細管ヒートパイプ31の細管コンテナ13の
各ターンに放熱部が存在する構成にできるので、巻線本
体内部の温度分布の一層の均一化が図れる。また、図5
及び図6中では、各層間に挿入するループ型細管ヒート
パイプ32の細管コンテナ14を増やすことによって、
放熱量を任意に設定することができる。尚、上述した以
外の構成は、第1の実施例と同一構成になっている。
【0049】図7及び図8は本発明の第3の実施例を示
すものであり、第1の実施例と同一部分には同一符号を
付し、異なるところを説明する。この第3の実施例おい
ては、図7及び図8に示すように、所定の層数の円板状
巻線ユニットを上下方向に間隔片20を介して積み上げ
た形で構成された巻線において、各層の最外周部にルー
プ型細管ヒートパイプ32を構成する細管コンテナ14
を密接装着したものである。尚、これ以外の構成は、第
1の実施例と同一構成である。
【0050】このような構成によれば、巻線本体形成後
に完全に独立した形で細管コンテナ14を装着できるの
で、組立性に優れ、さらに巻線本体を構成する非ループ
型細管ヒートパイプ31の細管コンテナ13の少ないタ
ーンごとに放熱部が存在する構成にできるので、巻線本
体内部の温度分布の一層の均一化が図れる。また、上記
実施例では、2層に一箇所の割合で細管コンテナ14を
装着しているが、設計条件により任意の割合で装着が可
能である。
【0051】図9及び図10は本発明の第4の実施例を
示すものであり、第3の実施例と同一部分には同一符号
を付し、異なるところを説明する。この第4の実施例で
は、図9及び図10に示すように、円板状巻線ユニット
の層間の所定の箇所に、間隔片20を兼ねてループ型細
管ヒートパイプ32を構成する細管コンテナ14を密接
装着している。これ以外の構成は、第3の実施例の構成
と同一構成である。
【0052】このような構成の第4の実施例によれば、
巻線本体を構成する非ループ型細管ヒートパイプ31の
細管コンテナ13のより少ないターンごとに放熱部が存
在する構成にできるので、巻線本体内部の温度分布のよ
り一層の均一化が図れる。また、各層間への細管コンテ
ナ14の装着箇所などを増やすことによって、放熱量を
任意に設定することができる。
【0053】尚、上記各実施例におけるループ型細管ヒ
ートパイプ32に代えて強制循環冷却方式を採用するこ
ともできる。すなわち、ループ型細管ヒートパイプ32
を構成する細管コンテナ14に代えて内部に純水、フッ
素性液体等の冷却媒体を封入した金属製または絶縁物製
冷却パイプを用い、この冷却パイプの所定部分を非ルー
プ型細管ヒートパイプ31の細管コンテナ13に密接さ
せ、残余の所定部分に変圧器外部に配置された熱交換器
と強制循環ポンプを連通させるもので、冷却パイプ内の
冷却媒体を強制循環させることにより、非ループ型細管
ヒートパイプ31からなる巻線本体の熱を外部にスムー
ズに放熱することができる。この構成の場合、輸送時等
の運転停止時に巻線本体を加温する方法として、加熱手
段により加熱する方法の場合には、冷却パイプの熱交換
器を加熱手段により加熱するように構成することが好ま
しい。
【0054】また、図11ないし図15は本発明の第5
の実施例を示すものであり、第1の実施例と同一部分に
は同一符号を付し、異なるところを説明する。まず、図
11ないし図13に示すように、巻線本体を構成する非
ループ型細管ヒートパイプ31の細管コンテナ41の内
部には、複数である例えば2個の作動液封入路42、4
2がほぼ平行に設けられている。各作動液封入路42、
42内には、純水やフッソ性液体などからなる作動液が
所定量封入されている。そして、細管コンテナ41は、
2個の作動液封入路42、42を有する中空導体16の
外周面上に絶縁層17を設けて構成されている。
【0055】また、ループ型細管ヒートパイプ32の細
管コンテナ14に代えて冷却パイプ43が設けられてい
る。この冷却パイプ43は、所定の外部熱交換器(図示
しない)に接続する必要があり、通常アース電位となる
ため、絶縁性を考慮する必要がある。上記冷却パイプ4
3は、断面形状が図14に示すようなものであり、熱伝
導率が良く且つ可撓性がある材料で構成する必要があ
り、この場合、高気密性の樹脂44で形成された絶縁性
のパイプを一部あるいは全部に用いて構成されている。
【0056】そして、冷却パイプ43には、外部熱交換
器及び冷媒循環ポンプ(図示しない)がループを形成す
るように接続されている。この場合、冷却パイプ43
は、冷媒循環熱交換器系の受熱部として構成されてい
る。上記ループ内即ち冷却パイプ43内に封入する循環
冷媒としては、純水やフッソ性液体などからなる絶縁性
液体が使用されている。このような絶縁性液体を用いれ
ば、万一、冷媒が漏れても巻線の絶縁に何等支障を与え
ることがない。
【0057】また、非ループ型細管ヒートパイプ31の
細管コンテナ41と冷却パイプ43とを密接装着するに
際しては、図15に示すように、両者の接合面に熱伝導
性の良いグリースまたは樹脂18を塗布する構成を採用
することが望ましい。尚、上記した以外の構成は、第1
の実施例の構成と同じ構成となっている。
【0058】上記第5の実施例の構成によれば、第1の
実施例とほぼ同様な効果を得ることができる。特に、第
5の実施例では、細管コンテナ41内に2個の作動液封
入路42が設けられているので、非ループ型細管ヒート
パイプ31の熱輸送能力は、1個の作動液封入路しかな
いものに比べて、ほぼ2倍になる。従って、熱輸送能力
が高くなることから、それだけ巻線内の電流密度を高く
することができる。この結果、同じ定格であれば、より
断面積の小さい導体を用いることができ、それだけ巻線
構成を小形化することができる。
【0059】尚、第5の実施例では、細管コンテナ41
内に2個の作動液封入路42を設けるに際して、図13
に示すように構成したが、これに限られるものではな
く、図16または図17に示すように構成しても良い。
また、細管コンテナ41内に3個以上の作動液封入路4
2を、図18または図19に示すように設けても良い。
この場合には、細管コンテナ41の熱輸送能力は、作動
液封入路42の個数倍だけ大きくなる。
【0060】ここで、1つの作動液封入路42の断面積
の大小は、熱輸送能力にほとんど影響を与えないことか
ら、導体の外径寸法を小さくするには、作動液封入路4
2の1つ当たりの断面積Bを次式の条件に合うように設
定することが好ましい。
【0061】B<A/(n−1) 但し、A:作動液封入路を含む導体の断面積、n:作動
液封入路の個数 また、冷却パイプ43の断面形状としては、図20に示
すような円形状に構成しても良い。この場合、断面円形
状の冷却パイプ43と断面角形の細管コンテナ41とを
密接装着する場合、図21に示すように、冷却パイプ4
3側の接合面をやや変形させて樹脂18を介して密着さ
せるようにする。
【0062】尚、断面円形状の細管コンテナ41同士を
密接装着する場合には、図22に示すように、両者を接
触させると共に、両者の互いに近接する面の間を樹脂1
8で埋めるようにして密着させるものである。
【0063】図23及び図24は本発明の第6の実施例
を示すものであり、第5の実施例と同一部分には同一符
号を付し、異なるところを説明する。図23及び図24
に示すように、2個の作動液封入路42に代わる2個の
作動液封入路45は、交差しない螺旋状に形成されてお
り、各々を「非ループ型細管ヒートパイプ」としてい
る。
【0064】ところで、複数の作動液封入路が互いに平
行に設けられている場合には、作動液封入路とそこから
離れた部位(図23において符号Aで示す部位)との間
に、温度勾配が生ずる。この温度勾配は、細管コンテナ
41の断面積が大きくなるほど、また、作動液封入路の
個数が少なくなるほど、大きくなり、巻線の最高点温度
を押し上げている。
【0065】これに対して、上記第6の実施例では、2
個の作動液封入路45を交差しない螺旋状に形成したの
で、細管コンテナ41内部における作動液封入路45の
位置分布が均一になり、細管コンテナ41内の温度勾配
を小さくすることができる。このため、細管コンテナ4
1即ち非ループ型細管ヒートパイプの集熱量が増え、よ
り一層効率的な熱輸送を行うことができる。尚、上記し
た以外の構成は、第5の実施例と同一構成である。
【0066】図25ないし図27は本発明の第7の実施
例を示すものであり、第5の実施例と同一部分には同一
符号を付し、異なるところを説明する。図25及び図2
6に示すように、細管コンテナ41の内部には、2個の
作動液封入路46が平行に設けられていると共に、細管
コンテナ41の両端部(巻始め部及び巻終り部)の端面
部には、上記2個の作動液封入路46をつないで連通さ
せる溝部47が設けられている。これ以外の構成は、第
5の実施例と同一構成である。
【0067】この場合、図27に示すように、細管コン
テナ41の一方の端部の溝部47を蓋部材48及びろう
付け49により密閉した後、作動液封入路46内に作動
液を注入し、更に、図27に示す構成と同様にして、細
管コンテナ41の他方の端部の溝部47を蓋部材48及
びろう付け49により密閉し、もって、作動液を封入す
る。これにより、2個の作動液封入路46は両端部で連
結され、双方の作動液が交流することが可能になり、1
個のループ状作動液封入路が構成される。この場合、上
記細管コンテナ41は、弁体を用いないループ型細管ヒ
ートパイプ50を構成する。このループ型細管ヒートパ
イプ50によれば、熱は作動液の軸方向振動に加えて緩
やかな循環流によって輸送されることから、熱輸送能力
を更に一層向上させることができる。
【0068】図28ないし図30は本発明の第8の実施
例を示すものであり、第7の実施例と同一部分には同一
符号を付し、異なるところを説明する。図28ないし図
30に示すように、細管コンテナ41の内部には、4個
の作動液封入路51が平行に設けられていると共に、細
管コンテナ41の両端部(巻始め部及び巻終り部)の端
面部には、上記4個の作動液封入路51のうちの各2個
を互いにつないで連通させる2個の溝部52が設けられ
ている。この場合、図29は図28中左側の端面部を示
し、図30は図28中右側の端面部を示している。
【0069】この第8の実施例では、4個の作動液封入
路51のうちの各2個を互いにつないで連通させること
により、2個のループ状作動液封入路を形成する構成と
なっている。この場合、上記2個のループ状作動液封入
路が、それぞれ弁体を用いないループ型細管ヒートパイ
プを構成している。上記第7の実施例によれば、細管コ
ンテナ41内に2個のループ状作動液封入路を形成した
ので、熱輸送能力を更に一段と向上させることが可能と
なる。尚、上記した以外の構成は、第7の実施例と同一
構成である。
【0070】図31ないし図33は本発明の第9の実施
例を示すものであり、第8の実施例と同一部分には同一
符号を付し、異なるところを説明する。図31ないし図
33に示すように、細管コンテナ41の内部には、4個
の作動液封入路51が平行に設けられている。そして、
細管コンテナ41の一方(図31中左側)の端部の端面
部には、図32に示すように、4個の作動液封入路51
のうちの図32中左側の2個及び右側の2個を互いにつ
ないで連通させる2個の溝部53が設けられている。ま
た、細管コンテナ41の他方(図31中右側)の端部の
端面部には、図33に示すように、4個の作動液封入路
51のうちの図33中上側の2個及び下側の2個を互い
につないで連通させる2個の溝部54が設けられてい
る。
【0071】これにより、第9の実施例では、4個の作
動液封入路51が1個のループに連続して連結されるこ
とにより、1個の長いループ状作動液封入路が形成され
る構成となっている。この場合、上記1個の長いループ
状作動液封入路が、弁体を用いないループ型細管ヒート
パイプを構成している。従って、上記第9の実施例にお
いても、第8の実施例とほぼ同様な作用効果を得ること
ができる。尚、上記した以外の構成は、第8の実施例と
同一構成である。
【0072】
【発明の効果】本発明は、以上の説明から明らかなよう
に、輸送時等の運転停止時に、巻線本体に通電すること
により該巻線本体を加温して、細管ヒートパイプの温度
が水等の非不凍液からなる作動液の凍結温度以下に低下
しないように構成したので、輸送時等の運転停止時にお
いて周囲の温度が0℃以下に低下することがあっても、
細管ヒートパイプ内の作動液が凍結することを防止で
き、細管ヒートパイプの破損を確実に防止することがで
きるという優れた効果を奏する。
【0073】この場合、非ループ型細管ヒートパイプで
巻線本体を構成すると共に、該非ループ型細管ヒートパ
イプからの熱をループ型細管ヒートパイプを介して放熱
する構成の場合、ループ型細管ヒートパイプよりの放熱
部を加熱手段によって加熱することにより加温する構成
とすれば、細管ヒートパイプ内の作動液が凍結すること
を防止でき、細管ヒートパイプの破損を防止できる。そ
して、この構成では、巻線作業性を損なうことなく、細
管ヒートパイプの特性を利用して効率的に放熱すること
ができ、また、小形化並びに軽量化を実現することがで
きる。更に、非ループ型細管ヒートパイプからの熱を強
制循環冷却方式の冷却パイプを介して放熱する構成の場
合には、冷却パイプに設けられた外部熱交換器を加熱手
段によって加熱する構成とすれば、細管ヒートパイプ内
の作動液が凍結することを防止できて、細管ヒートパイ
プの破損を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す円筒形巻線の全体
構成の斜視図
【図2】円筒形巻線の部分断面図
【図3】(a)及び(b)は細管コンテナの断面図
【図4】(a)ないし(c)は非ループ型細管ヒートパ
イプの細管コンテナとループ型細管ヒートパイプの細管
コンテナとの密接装着状態を示す断面図
【図5】本発明の第2の実施例を示す図1相当図
【図6】図2相当図
【図7】本発明の第3の実施例を示す図1相当図
【図8】図2相当図
【図9】本発明の第4の実施例を示す図1相当図
【図10】図2相当図
【図11】本発明の第5の実施例を示す図1相当図
【図12】図2相当図
【図13】細管コンテナの断面図
【図14】冷却パイプの断面図
【図15】非ループ型細管ヒートパイプの細管コンテナ
と冷却パイプとの密接装着状態を示す断面図
【図16】異なる細管コンテナの断面図
【図17】異なる細管コンテナの断面図
【図18】異なる細管コンテナの断面図
【図19】異なる細管コンテナの断面図
【図20】異なる冷却パイプの断面図
【図21】非ループ型細管ヒートパイプの細管コンテナ
と異なる冷却パイプとの密接装着状態を示す断面図
【図22】非ループ型細管ヒートパイプの2本の細管コ
ンテナの密接装着状態を示す断面図
【図23】本発明の第6の実施例を示す細管コンテナの
端部の正面図
【図24】細管コンテナの部分側面図
【図25】本発明の第7の実施例を示す細管コンテナの
部分縦断側面図
【図26】細管コンテナの端部の正面図
【図27】溝部を閉塞した細管コンテナの部分縦断側面
【図28】本発明の第8の実施例を示す細管コンテナの
縦断側面図
【図29】細管コンテナの一方の端部の正面図
【図30】細管コンテナの他方の端部の正面図
【図31】本発明の第9の実施例を示す細管コンテナの
縦断側面図
【図32】細管コンテナの一方の端部の正面図
【図33】細管コンテナの他方の端部の正面図
【図34】従来構成を示すもので、弁体付きループ型細
管ヒートパイプの構成を概念的に示す図
【図35】細管ヒートパイプを用いた変圧器巻線の冷却
構造を示す断面図
【図36】細管ヒートパイプを用いた他の変圧器巻線の
冷却構造を示す断面図
【図37】逆止弁のないループ型細管ヒートパイプの構
成を概念的に示す図
【図38】非ループ型細管ヒートパイプの構成を概念的
に示す図
【図39】非ループ型細管ヒートパイプの作動状態を概
念的に示す図
【符号の説明】
10は絶縁筒、13は細管コンテナ、14は細管コンテ
ナ、31は非ループ型細管ヒートパイプ、32はループ
型細管ヒートパイプ、41は細管コンテナ、42は作動
液封入路、43は冷却パイプ、44は樹脂、45、46
は作動液封入路、50はループ型細管ヒートパイプ、5
1は作動液封入路、61は外部電源を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−84699(JP,A) 実開 昭63−23566(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 27/28

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空管状の細管コンテナの内部に水等の
    非不凍液からなる作動液を封入した細管ヒートパイプで
    巻線本体を構成して成る静止誘導機器巻線に対して、 輸送時等の運転停止時に、前記巻線本体に通電すること
    により、前記細管ヒートパイプの温度が前記作動液の凍
    結温度以下に低下しないように加温することを特徴とす
    る静止誘導機器巻線の加温方法。
  2. 【請求項2】 前記巻線本体に通電する電源は、発電
    機、太陽電池、燃料電池、リチウム電池又は蓄電池等か
    ら構成されていることを特徴とする請求項記載の静止
    誘導機器巻線の加温方法。
  3. 【請求項3】 中空管状の細管コンテナの内部に作動液
    を封入した非ループ型細管ヒートパイプで巻線本体を構
    成する一方、中空管状の細管コンテナの内部に前記作動
    液を封入して所定形状のループに形成したループ型細管
    ヒートパイプの所定部分を前記非ループ型細管ヒートパ
    イプの所定部分に密接させて受熱部を構成すると共にこ
    のループ型細管ヒートパイプの残余の所定部分をループ
    型細管ヒートパイプの放熱部として成る静止誘導機器巻
    線に対して、 輸送時等の運転停止時に、前記放熱部を加熱手段によっ
    て加熱することに加えて、前記巻線本体に通電すること
    により、前記細管ヒートパイプの温度が前記作動液の凍
    結温度以下に低下しないように加温することを特徴とす
    る静止誘導機器巻線の加温方法。
  4. 【請求項4】 中空管状の細管コンテナの内部に作動液
    を封入した非ループ型細管ヒートパイプで巻線本体を構
    成する一方、この非ループ型細管ヒートパイプの所定部
    分に、冷却媒体を封入した冷却パイプの所定部分を密接
    させ、この冷却パイプの残余の所定部分に外部熱交換器
    及び循環ポンプを連通して成る静止誘導機器巻線に対し
    て、 輸送時等の運転停止時に、前記外部熱交換器を加熱手段
    によって加熱することに加えて、前記巻線本体に通電す
    ることにより、前記非ループ型細管ヒートパイプの温度
    が前記作動液の凍結温度以下に低下しないように加温す
    ることを特徴とする静止誘導機器巻線の加温方法。
JP13428693A 1993-06-04 1993-06-04 静止誘導機器巻線の加温方法 Expired - Fee Related JP3278494B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13428693A JP3278494B2 (ja) 1993-06-04 1993-06-04 静止誘導機器巻線の加温方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13428693A JP3278494B2 (ja) 1993-06-04 1993-06-04 静止誘導機器巻線の加温方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06349644A JPH06349644A (ja) 1994-12-22
JP3278494B2 true JP3278494B2 (ja) 2002-04-30

Family

ID=15124735

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13428693A Expired - Fee Related JP3278494B2 (ja) 1993-06-04 1993-06-04 静止誘導機器巻線の加温方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3278494B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8995146B2 (en) 2010-02-23 2015-03-31 Semblant Limited Electrical assembly and method
US9055700B2 (en) 2008-08-18 2015-06-09 Semblant Limited Apparatus with a multi-layer coating and method of forming the same
US9648720B2 (en) 2007-02-19 2017-05-09 Semblant Global Limited Method for manufacturing printed circuit boards
US11786930B2 (en) 2016-12-13 2023-10-17 Hzo, Inc. Protective coating

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9648720B2 (en) 2007-02-19 2017-05-09 Semblant Global Limited Method for manufacturing printed circuit boards
US9055700B2 (en) 2008-08-18 2015-06-09 Semblant Limited Apparatus with a multi-layer coating and method of forming the same
US8995146B2 (en) 2010-02-23 2015-03-31 Semblant Limited Electrical assembly and method
US11786930B2 (en) 2016-12-13 2023-10-17 Hzo, Inc. Protective coating

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06349644A (ja) 1994-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5909099A (en) Electric vehicle charging system including refrigerant system
JP4826996B2 (ja) 超電導ケーブル線路
US11611119B2 (en) Battery module, battery device, and battery system having thermal management design
JPS63318493A (ja) ル−プ型細管ヒ−トパイプ
CN100524546C (zh) 超导电缆线路
CN208062216U (zh) 一种电池包
JP4345205B2 (ja) 絶縁性を考慮した燃料電池の冷却
WO2010016771A1 (en) Device for cooling or heating a battery module
CN101588707A (zh) 一种散热装置及应用其的电子设备
JP3278494B2 (ja) 静止誘導機器巻線の加温方法
KR20170003663U (ko) 변압기
CN206040903U (zh) 电动汽车柱形电池组水冷套
JPH10106867A (ja) 電気自動車用充電システム
CN116014985A (zh) 一种基于热管的高铁永磁电机额外热路增强型冷却结构
JPH07307226A (ja) 静止誘導機器巻線の冷却構造
JPH10108376A (ja) 電気自動車用充電システム
JP3142407B2 (ja) 変圧器巻線の冷却構造
CN112582147B (zh) 一种变压器的冷却装置
CN114156249A (zh) 相变冷却的igbt模块
CN216745633U (zh) 一种用于电工设备的绝缘热管
CN212461330U (zh) 一种干式变压器
CN220627552U (zh) 一种变压器
CN220602278U (zh) 一种基于相变材料的电驱余热利用装置
CN107707132A (zh) 逆变器
JP3274241B2 (ja) 静止誘導機器巻線の冷却構造

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080215

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090215

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100215

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100215

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110215

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120215

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120215

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130215

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees