JP3273164B2 - 液晶パネルの製造方法及びその製造装置 - Google Patents

液晶パネルの製造方法及びその製造装置

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JP3273164B2
JP3273164B2 JP28944797A JP28944797A JP3273164B2 JP 3273164 B2 JP3273164 B2 JP 3273164B2 JP 28944797 A JP28944797 A JP 28944797A JP 28944797 A JP28944797 A JP 28944797A JP 3273164 B2 JP3273164 B2 JP 3273164B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示装置や光シ
ャッタなどとして利用される液晶パネルの製造方法及び
その製造装置に係り、詳しくは、高分子分散型といわれ
る液晶パネルを製造する際の方法と装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】液晶パネルは、薄型化及び軽量化が可能
であり、かつ、低電圧駆動が可能であるため、腕時計や
電子卓上計算機、あるいは、パーソナルコンピュータや
パーソナルワードプロセッサなどの表示画面用として多
いに利用されている。しかしながら、現在の主流である
TN(ツイスティッドネマティック)型の液晶パネルや
STN(スーパーツイスティッドネマティック)型の液
晶パネルには、表示画面を見る方向によって色彩やコン
トラストが異なるという視覚依存性があるため、視覚依
存性を改善することが可能な液晶パネルとして高分子分
散型といわれるものが提案されている。
【0003】すなわち、高分子分散型の液晶パネルは、
一対の導電膜付きガラス基板間に充填された高分子の樹
脂マトリクス中に水滴状の液晶が分散して保持された構
成、もしくは、樹脂マトリクスが液晶中に粒子状または
ネットワーク状となって存在した構成を有するものであ
り、このような液晶層のモードはPDLC(polymerdis
persed liquid crystal),PNLC(polymer network
liquid crystal),NCAP(nematic curvilinear al
igned phase),PSCT(polymer stabilized chores
teric texture),LCPC(liquid crystal polymer
composite)などと呼ばれている。なお、この方式は、
光の散乱及び透過現象を利用しているため、透過率が高
くて視覚依存性の少ないものとなっている。
【0004】そして、この液晶パネルを製造する際に
は、図4及び図5で要部のみを簡略化して示すように、
予め所望のパターン形状を有する透明導電膜1a,2a
が形成され、かつ、洗浄処理されたうえで絶縁膜1b,
2bが形成された一対のガラス基板1,2を用意したう
え、注入口3aが形成された封止樹脂、つまり、熱硬化
性樹脂や光硬化性樹脂からなる封止樹脂3を一方側のガ
ラス基板1の周縁に沿って塗布し、かつ、他方側のガラ
ス基板2上に基板間隔を確保するためのスペーサ4、例
えば、球形のSiO2粒を散布した後、封止樹脂3を介し
たうえでガラス基板1,2同士を対面接合することが行
われる。
【0005】さらに、加熱処理あるいは光照射処理によ
って封止樹脂3を硬化し、かつ、封止樹脂3を介して一
体化されたガラス基板1,2、いわゆる空パネルを真空
槽内に設置したうえで真空槽内を減圧することによって
ガラス基板1,2からなる空パネルの内部を真空とした
後、高分子及び液晶からなり、貯溜容器内に貯溜された
混合材料に対して封止樹脂3の注入口3aを接触させた
うえで真空槽内を常圧とすることによって空パネルの内
部、つまり、ガラス基板1,2間に混合材料5を注入し
て充填することが実行される。なお、このような手順で
もってガラス基板1,2間に混合材料5を充填する方法
は真空注入法といわれており、従来から周知の方法であ
る。引き続き、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂からなる封
口樹脂6を注入口3aの外側に塗布したうえ、加熱処理
あるいは光照射処理でもって混合材料5を相分離すると
高分子分散液晶7が得られることになり、封口樹脂6を
加熱処理や光照射処理によって硬化させると、図6で要
部のみを簡略化して示すような高分子分散型の液晶パネ
ルが完成したことになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来の
製造方法においては、混合材料5の相分離によって高分
子分散液晶7を得た後、封口樹脂6の硬化によって封止
樹脂3の注入口3aを閉塞することが行われているが、
完成した液晶パネルには、図6で示すように、空気の侵
入によって形成された気泡8が封口樹脂6と高分子分散
液晶7との間に介在したまま残っていることがある。そ
して、封口樹脂6及び高分子分散液晶7間に残った気泡
8が表示画素部分まで侵入していると色ムラなどが発生
して良好な表示品位が得られず、また、気泡8中の酸素
が徐々に高分子分散液晶7へと溶け込む結果として液晶
パネルに対する信頼性の低下を招くことが生じる。
【0007】なお、このような気泡8が残るのは、混合
材料5の相分離に伴って固化する高分子分散液晶7が体
積収縮を起こすことや、封口樹脂6の塗布に先立って注
入口3a付近を布切れなどで拭うことによって清掃した
際に注入口3a内の混合材料5までもが拭い取られる結
果、図5中の仮想線で示すような凹部9が封口樹脂6と
接触すべき混合材料5の表面上に形成されており、この
凹部9内までは封口樹脂6が塗布され得ないことに起因
すると考えられている。
【0008】また、従来の製造方法を採用した際には、
空パネルに対する混合材料5の注入の程度によってはセ
ル厚み、すなわち、ガラス基板1,2間の厚み(液晶相
の厚み)が不均一になるという問題や、混合材料5の相
分離時における体積収縮に伴ってセル厚が不均一になっ
てしまうというような問題も生じることがあった。そこ
で、これらの問題に対処すべく、ガラス基板の周縁部か
ら封止用の接着剤を染み込ませることによって封止する
方法(特開平5−72542号公報)も提案されている
が、この方法では高分子分散液晶を得たうえでエポキシ
樹脂によって封止することが行われるので、やはり、図
5で示したように、封口樹脂6が凹部9内まで塗布され
ないことになってしまう。
【0009】さらに、高分子分散液晶となる混合材料を
注入したうえで光硬化性封口剤を注入口に塗布し、可視
光線を照射することによって高分子分散液晶を得ると同
時に注入口を封口する方法(特開平5−203928号
公報)も提案されているが、この方法を採用した場合で
あっても封口樹脂6が凹部9内まで塗布されないことに
変わりはない。さらにまた、一方のガラス基板上に液晶
及び重合材料からなる混合溶液の層を配置しておき、相
分離の過程中において混合溶液の層をガラス基板で押圧
しながら封止する方法(特開平7−181454号公
報)も提案されているが、この方法は偏平な液晶滴の作
製を目的としているに過ぎず、相分離に伴って溢れ出た
混合溶液を拭き取った後、封止剤の上面に接着剤を塗布
したうえで封止剤と基板とを接合する方法であり、真空
注入を実行しない方法であるため、やはり注入時に気泡
が混入しやすく、気泡のない均一な液晶パネルを製作す
ることが困難であることになっていた。
【0010】本発明は、従来の製造方法における不都合
に鑑みて創案されたものであって、封口樹脂と高分子分
散液晶との間に気泡が介在して残ることを容易に防止で
き、良好な表示品位を得るとともに、信頼性の向上を図
ることが可能な液晶パネルの製造方法を提供するもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る液晶パネル
の製造方法では、注入口が形成された封止樹脂を介して
対面接合された一対のパネル基板間に対し、高分子分散
液晶となる高分子及び液晶の混合材料を注入した後、パ
ネル基板を互いの接合方向に沿う外側から押圧すること
が行われる。そして、パネル基板を外側から押圧した際
には、封止樹脂の注入口から少量の混合材料が外側へと
溢れ出ることになり、注入口から溢れ出た混合材料の表
面上に対しては封口樹脂を直接的に塗布しうることとな
る。
【0012】そこで、塗布された封口樹脂は混合材料と
密着していることになり、封口樹脂は高分子分散液晶の
体積収縮に伴って注入口内へと引き込まれるため、硬化
した封口樹脂と高分子分散液晶との間に気泡が介在する
ことは起こらない。なお、封口時及び相分離時のパネル
基板に対して押圧力を加えておけば、セル厚を一定に保
つことも可能となる。従って、本発明に係る製造方法を
採用した際には、表示品位が良好であるとともに、信頼
性の向上した高分子分散型の液晶パネルが得られる。
【0013】本発明に係る液晶パネルの製造装置は液晶
パネルの製造時に使用されるものであり、注入口が形成
された封止樹脂を介して対面接合され、かつ、高分子分
散液晶となる高分子及び液晶の混合材料が注入された一
対のパネル基板を互いの接合方向に沿う外側から押圧す
る押圧手段と、混合材料が注入されたパネル基板の温度
を設定する温度設定手段と、注入口の外側に封口樹脂を
塗布する封口樹脂塗布手段と、混合材料が注入されたパ
ネル基板に対して光を照射する光照射手段とを備えてい
る。そして、本発明に係る製造装置を使用した際には、
上記製造方法を極めて容易に実行し得ることとなる結
果、表示品位が良好であり、かつ、信頼性の向上した高
分子分散型の液晶パネルを得ることが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に係る液晶パネ
ルの製造方法は、注入口が形成された封止樹脂を介して
対面接合された一対のパネル基板を用意し、高分子分散
液晶となる高分子及び液晶の混合材料をパネル基板間に
注入し、パネル基板を互いの接合方向に沿う外側から押
した状態で、注入口の外側に封口樹脂を塗布したうえ
封口樹脂を硬化させた後に、混合材料の相分離によっ
て高分子分散液晶を得ることを特徴としている。そし
て、この製造方法によれば、混合材料が充填されたパネ
ル基板を外側から押圧する工程では封止樹脂の注入口か
ら少量の混合材料が溢れ出ることになり、この溢れ出た
混合材料に対して封口樹脂が直接的に塗布されることと
なる。さらに、混合材料を相分離する工程では、硬化し
た封口樹脂が高分子分散液晶の体積収縮に伴って注入口
内へと引き込まれることになる。
【0015】本発明の請求項2に係る液晶パネルの製造
方法は、注入口が形成された封止樹脂を介して対面接合
された一対のパネル基板を用意し、高分子分散液晶とな
る高分子及び液晶の混合材料をパネル基板間に注入し
パネル基板を互いの接合方向に沿う外側から押圧した状
態で注入口の外側に封口樹脂を塗布した後、パネル基板
に加わる押圧力を低減したうえで封口樹脂を硬化させた
、混合材料の相分離によって高分子分散液晶を得るこ
を特徴とする方法である。この製造方法によれば、混
合材料が充填されたパネル基板を外側から押圧する工程
では封止樹脂の注入口から混合材料が溢れ出ることにな
り、パネル基板に加わる押圧力を低減する工程では封口
樹脂とともに混合樹脂が注入口内へと引き込まれる。ま
た、混合材料を相分離する工程では、硬化した封口樹脂
が高分子分散液晶の体積収縮に伴って注入口内へとさら
に引き込まれることになる。
【0016】本発明の請求項3に係る液晶パネルの製造
方法は、注入口が形成された封止樹脂を介して対面接合
された一対のパネル基板を用意し、高分子分散液晶とな
る高分子及び液晶の混合材料をパネル基板間に注入し
パネル基板を互いの接合方向に沿う外側から押圧した状
態で注入口の外側に封口樹脂を塗布した後、パネル基板
に加わる押圧力を維持したままで混合材料の相分離によ
って高分子分散液晶を得た後、注入口の外側に塗布した
封口樹脂を硬化させることを特徴とする方法である。そ
して、この製造方法によれば、混合材料が充填されたパ
ネル基板を外側から押圧する工程では封止樹脂の注入口
から混合材料が溢れ出ることになり、混合材料を相分離
する工程では高分子分散液晶の体積収縮に伴って封口樹
脂が注入口内へと引き込まれることになる。
【0017】本発明の請求項4に係る液晶パネルの製造
方法は、注入口が形成された封止樹脂を介して対面接合
された一対のパネル基板を用意し、高分子分散液晶とな
る高分子及び液晶の混合材料をパネル基板間に注入し
パネル基板を互いの接合方向に沿う外側から押圧した状
で注入口の外側に封口樹脂を塗布した後、パネル基板
に加わる押圧力を低減したうえで混合材料の相分離によ
って高分子分散液晶を得た後、注入口の外側に塗布した
封口樹脂を硬化させることを特徴とする方法である。そ
して、この製造方法によれば、混合材料が充填されたパ
ネル基板を外側から押圧する工程では封止樹脂の注入口
から混合材料が溢れ出ることになり、パネル基板に加わ
る押圧力を低減する工程では溢れ出た混合材料が封口樹
脂とともに注入口内へと引き込まれることになる。ま
た、混合材料を相分離する工程では高分子分散液晶の体
積収縮に伴って封口樹脂が注入口内へとさらに引き込ま
れることになる。
【0018】
【0019】
【0020】本発明の請求項5に係る液晶パネルの製造
方法は、注入口が形成された封止樹脂を介して対面接合
された一対のパネル基板を用意し、高分子分散液晶とな
る高分子及び液晶の混合材料をパネル基板間に注入し
パネル基板を互いの接合方向に沿う外側から押圧した状
で注入口の外側に封口樹脂を塗布した後、パネル基板
に加わる押圧力を維持したままで混合材料の相分離によ
って高分子分散液晶を得ると同時に、封口樹脂を硬化さ
せることを特徴としている。この製造方法によれば、混
合材料が充填されたパネル基板を外側から押圧する工程
では封止樹脂の注入口から混合材料が溢れ出ることにな
り、混合材料を相分離する工程では硬化しつつある封口
樹脂が高分子分散液晶の体積収縮に伴って注入口内へと
引き込まれることになる。
【0021】本発明の請求項6に係る液晶パネルの製造
方法は、注入口が形成された封止樹脂を介して対面接合
された一対のパネル基板を用意し、高分子分散液晶とな
る高分子及び液晶の混合材料をパネル基板間に注入し
パネル基板を互いの接合方向に沿う外側から押圧した状
で注入口の外側に封口樹脂を塗布した後、パネル基板
に加わる押圧力を低減したうえで混合材料の相分離によ
って高分子分散液晶を得ると同時に、封口樹脂を硬化さ
せることを特徴としている。この製造方法によれば、混
合材料が充填されたパネル基板を外側から押圧する工程
では封止樹脂の注入口から混合材料が溢れ出ることにな
り、パネル基板に加わる押圧力を低減する工程では溢れ
出た混合材料が封口樹脂とともに注入口内へと引き込ま
れることになる。また、混合材料を相分離する工程で
は、封口樹脂が硬化しながら高分子分散液晶の体積収縮
に伴って注入口内へとさらに引き込まれることになる。
【0022】
【0023】本発明の請求項に係る液晶パネルの製造
装置は液晶パネルの製造時に使用されるものであり、注
入口が形成された封止樹脂を介して対面接合され、か
つ、高分子分散液晶となる高分子及び液晶の混合材料が
注入された一対のパネル基板を互いの接合方向に沿う外
側から押圧する押圧手段と、混合材料が注入されたパネ
ル基板の温度を設定する温度設定手段と、注入口の外側
に封口樹脂を塗布する封口樹脂塗布手段と、混合材料が
注入されたパネル基板に対して光を照射する光照射手段
とを備えている。本発明に係る製造装置によれば、上記
製造方法のいずれをも極めて容易に実行し得ることとな
る。
【0024】以下、本発明に係る実施の形態を図面に基
づいて説明する。
【0025】(実施の形態1)図1は本実施の形態に係
る製造方法を採用したうえでの製造途中状態にある液晶
パネルの要部構造を簡略化して示す側断面図、図2は本
実施の形態に係る製造方法を採用して完成した液晶パネ
ルの要部構造を簡略化して示す側断面図、図3は液晶パ
ネルの製造時に使用される製造装置の要部構造を模式化
して示す説明図であり、この液晶パネルは高分子分散型
として周知の構成、つまり、パネル基板である一対の導
電膜付きガラス基板間に充填された高分子の樹脂マトリ
クス中に水滴状の液晶が分散して保持された構成を有す
るものとなっている。なお、この際における液晶パネル
の全体構成は従来の形態と基本的に異ならないので、図
1ないし図3のそれぞれにおいて図5及び図6と同一の
部品、部分には同一符号を付し、以下、従来の形態と同
一の図4を参照しながら液晶パネルの製造方法を説明す
る。
【0026】液晶パネルを製造するに際しては、図1及
び図4で示すように、パネル基板となる一対の透明なガ
ラス基板1,2を用意し、かつ、ガラス基板1,2それ
ぞれの表面上に所望のパターン形状を有する透明導電膜
(ITO導電膜)1a,2aを形成したうえでの洗浄処
理を実行した後、絶縁膜1b,2bとなる配向膜AL5
417(日本合成ゴム製)を透明導電膜1a,2a上に
印刷し、80℃の温度下で1分間加熱したうえ、220
℃の温度下で30分間加熱することによって絶縁膜1
b,2bを焼き付ける。そして、注入口3aが形成され
た封止樹脂、例えば、熱硬化性樹脂である三井東圧製の
ストラクトボンドからなる封止樹脂3を、図4で示すよ
うに、一方側のガラス基板1の周縁に沿って形成する。
なお、この封止樹脂3中には、ガラス基板1,2間の間
隔を確保する必要上、直径9μmのガラスファイバー
(日本電気硝子製)が1.5wt%含まれている。
【0027】ところで、封止樹脂3が熱硬化性樹脂に限
定されることはなく、ロックタイト352A(日本ロッ
クタイト製)やワールドロック752(協立化学産業
(株)製)、XNR5612(長瀬産業(株)製)、フ
ォトレック(積水化学(株)製)などの光硬化性樹脂で
あってもよいことは勿論である。そして、封止樹脂3を
形成した後、85℃の温度下で10分間加熱することに
よって封止樹脂3を仮硬化したうえ、封止樹脂3でもっ
て囲まれた導通部分上に導電ペーストであるエブリオー
ム800PL(日本黒鉛工業(株)製)を塗布する。さ
らに、引き続き、他方側のガラス基板2上に基板間隔を
確保するためのスペーサ4、例えば、球形の樹脂粒であ
る直径9μmのエポスタ−GP−HC90((株)日本
触媒製)を約100個/mm2となるように散布した
後、封止樹脂3を介したうえでガラス基板1,2同士を
対面接合することが行われる。
【0028】また、高分子分散液晶となる高分子及び液
晶の混合材料、例えば、ポリエステルアクリレート1.
8wt%及び2−エチルヘキシルアクリレート18wt
%からなる高分子樹脂と、液晶であるE−7(BDH社
製)80wt%とに対し、光硬化開始剤であるダロキュ
アー1173(メルク社製)0.2wt%及び重合開始
剤であるイルガキュア184(チバガイギー社製)を加
えてなる混合材料を用意しておいたうえ、加熱処理ある
いは光照射処理して封止樹脂3を硬化させることによっ
て一対のガラス基板1,2からなる空パネルを構成した
後、従来の形態で説明した真空注入法を採用することに
より、封止樹脂3を介して一体化された空パネルの内
部、つまり、ガラス基板1,2間に混合材料5を注入し
て充填することを実行する。その結果、製造途中の半製
品であるところの液晶パネル、すなわち、混合材料5が
注入されただけに過ぎないガラス基板(パネル基板)
1,2からなる液晶パネル半製品10が構成されたこと
になる。
【0029】つぎに、図3で模式化して示すような構成
とされた液晶パネルの製造装置11を利用したうえ、混
合材料5が充填された液晶パネル半製品10を構成して
いるガラス基板1,2を互いの接合方向に沿う外側から
内側へと向かって押圧することを実行する。すなわち、
この際における製造装置11は、上側位置に配設されて
袋形状を有するシリコンラバー12内にN2ガスを導入
して風船のように膨張させたうえ、下側に位置するパネ
ル載置台13上に載置された液晶パネル半製品10を膨
張したシリコンラバー12でもって押圧する構成とされ
たものであり、液晶パネル半製品10が具備したガラス
基板1,2のそれぞれは0.8Kg/cm2の圧力でも
って1分間だけ押圧される。なお、図3中の符号14は
光源、15はフレームであり、このフレーム15はシリ
コンラバー12及びパネル載置台13を位置決め支持す
るものである。
【0030】ところで、図3においては、シリコンラバ
ー12による液晶パネル半製品10の押圧動作が基板中
央部分から基板外側部分へと拡がるようにしながら実行
されることになっているが、このような必然性があるわ
けではなく、例えば、注入口3aが設けられていない一
端側から注入口3aが設けられている他端側へと向かう
ようにしながら液晶パネル半製品10をシリコンラバー
12でもって押圧してもよいことは勿論である。また、
ここでは、液晶パネル半製品10が具備するガラス基板
1,2を押圧する際の圧力が0.8Kg/cm2である
としているが、0.8Kg/cm2の圧力が必要なわけ
ではなく、少なくとも0.1Kg/cm2であれば実用
上差し支えないことも確認されている。
【0031】そして、製造装置11を使用することによ
って液晶パネル半製品10を押圧した際、つまり、混合
材料5が充填された液晶パネル半製品10を構成するガ
ラス基板1,2を外側から押圧した際には、ガラス基板
1,2同士を対面接合して硬化させられた封止樹脂3の
注入口3aから少量の混合材料5が溢れ出ることにな
る。なお、混合材料5の溢れ出しが生じているか否か
は、光センサなどを利用したうえで検知される。また、
この際においては、ガラス基板1,2を外側から押圧し
ているのであるから、封止樹脂3を介して接合され、か
つ、スペーサ4が介装されたガラス基板1,2同士の離
間間隔、いわゆるパネルギャップは均一化されることに
なる。
【0032】引き続き、封止樹脂3に形成された注入口
3aの外側にロックタイト352A(日本ロックタイト
製)などのような光硬化性樹脂である封口樹脂6を塗布
すると、この封口樹脂6は封止樹脂3の注入口3aから
溢れ出ている混合材料5の表面上に密着した状態で塗布
されていることになる。その後、製造装置11のシリコ
ンラバー12からガラス基板1,2に加えられている押
圧力を0.6Kg/cm2に低減し、1分間にわたって
放置することを行う。すると、封口樹脂6は、注入口3
aから溢れ出ていた混合材料5とともに注入口3a内へ
と引き込まれることになり、封止樹脂3の注入口3a内
へと侵入することになる。
【0033】ところで、本実施の形態では、注入口3a
の外側に封口樹脂6が塗布されたガラス基板1,2に加
わっている押圧力を0.6Kg/cm2に低減したうえ
で1分間だけ放置しているが、この際における押圧力及
び放置時間は封口樹脂6が注入口3a内へと侵入するの
に要する減圧状態及び時間によって決定されることにな
り、混合材料5とともに注入口3a内へと侵入した封口
樹脂6は気泡8を発生させることなく混合材料5と密着
して注入口3aを完全に閉塞するという役割を果たすこ
とになる。また、この実施の形態においては、ガラス基
板1,2に加える押圧力を低減しているが、必ずしも押
圧力の低減によって注入口3a内へと封口樹脂6を侵入
させる必要はないのであり、ガラス基板1,2に加わる
押圧力を0.8Kg/cm2に維持したまま、封止樹脂
3の注入口3aから溢れ出ている混合材料5の表面上に
密着した状態で封口樹脂6を塗布しておいてもよい。
【0034】さらに、製造装置11から液晶パネル半製
品10を取り外すことによってガラス基板1,2に加え
る押圧力を解除し、かつ、この液晶パネル半製品10に
おける封止樹脂3の注入口3aを除く表示領域の全範囲
にわたって遮光膜を被せたうえ、封口樹脂6に対して4
0mW/cm2の光を3分間にわたって照射することに
よって封口樹脂6を硬化させる。その後、引き続き、液
晶パネル半製品10から遮光膜を取り外したうえで液晶
パネル半製品10の表示領域に対して50mW/cm2
の光を5分間にわたって照射し、高分子及び液晶からな
る混合材料5を相分離させることによって高分子分散液
晶7を得ると、混合材料5の表面上に密着した状態で硬
化していた封口樹脂6は高分子分散液晶7の体積収縮に
伴って注入口3a内へと引き込まれることになり、図2
で示すような構成とされた高分子分散型の液晶パネルが
完成したことになる。
【0035】ところで、この際には、製造装置11から
液晶パネル半製品10を取り外したうえで封口樹脂6を
硬化させることを行っているが、製造装置11に取り付
けられた液晶パネル半製品10のガラス基板1,2に対
して0.6Kg/cm2または0.8Kg/cm2の押圧
力を加えたままの状態下で封口樹脂6を硬化させてもよ
く、この場合には、製造装置11が具備している光源1
4を利用して封口樹脂6を硬化させ、かつ、高分子分散
液晶7を得ることが行われる。ただし、この場合には、
製造装置11自体が光を透過するガラスなどの素材を用
いて作製されたものであることが必要となる。さらに、
この際における封口樹脂6が光硬化性樹脂に限られるこ
とはなく、ストラクトボンド(三井東圧製)などのよう
な熱硬化性樹脂や常温硬化性樹脂であってもよく、封口
樹脂6が熱硬化性樹脂である場合には加熱処理によって
封口樹脂6を硬化させることが行われる。なお、ここで
は、封口時のガラス基板1,2に圧力を加えることを行
っているが、混合材料5の相分離時におけるガラス基板
1,2に対して圧力を加えたままとしておいてもよい。
【0036】一方、以上説明した手順とは異なる従来の
形態と同様の手順、すなわち、高分子及び液晶からなる
混合材料5をガラス基板1,2間に注入して充填し、か
つ、封止樹脂3の注入口3aの外側に封口樹脂6を塗布
した後、この封口樹脂6を硬化させる手順に従って液晶
パネルを構成することを行った。そして、本実施の形態
に係る製造方法によって製造された液晶パネルと比較し
てみたところ、従来の形態に係る液晶パネルでは気泡が
発生しており、表示品位が低下することになっているの
に対し、本実施の形態に係る液晶パネルでは気泡が発生
せずにパネルギャップも均一化しており、表示品位が良
好であるとともに、信頼性が向上していることが確認さ
れた。
【0037】(実施の形態2)実施の形態1に係る製造
方法では、混合材料5が充填されたガラス基板1,2を
接合方向に沿う外側から押圧し、かつ、注入口3aの外
側に封口樹脂6を塗布した後、ガラス基板1,2に加わ
る押圧力を解除もしくは低減、または、押圧力を維持し
たまま封口樹脂6を硬化させたうえで混合材料5を相分
離して高分子分散液晶7を得ることによって液晶パネル
を構成しているが、以下のような手順からなる製造方法
のそれぞれを採用することも可能である。
【0038】まず、実施の形態2に係る第1の製造方法
にあっては、実施の形態1と同様、高分子分散液晶7と
なる高分子及び液晶の混合材料5が封止樹脂3の注入口
3aから注入して充填されたガラス基板1,2を互いの
接合方向に沿う外側から押圧し、かつ、注入口3aの外
側に封口樹脂6を塗布することを行う。そして、液晶パ
ネル半製品10を製造装置11から取り外してガラス基
板1,2に加える押圧力を解除したうえ、液晶パネル半
製品10の表示領域に対して50mW/cm2の光を5
分間にわたって照射し、高分子及び液晶からなる混合材
料5を相分離させることによって高分子分散液晶7を得
た後、ガラス基板1,2同士を対面接合した封止樹脂3
の注入口3aの外側に塗布されている封口樹脂6に対し
て40mW/cm2の光を3分間照射することによって
封口樹脂6を硬化させることによって液晶パネルを構成
する。
【0039】すなわち、この製造方法では、ガラス基板
1,2を外側から押圧する工程で封止樹脂3の注入口3
aから溢れ出た混合材料5の表面上に対して封口樹脂6
が密着した状態で塗布されており、混合材料5を相分離
する工程では高分子分散液晶7の体積収縮に伴って封口
樹脂6が注入口3a内へと引き込まれて侵入することに
なる。そのため、上記第1の製造方法によっても、気泡
が発生しておらずにパネルギャップが均一化しており、
しかも、良好な表示品位と向上した信頼性とを有する実
施の形態1と同様の液晶パネルが構成されたことにな
る。
【0040】なお、この際、ガラス基板1,2に加わる
押圧力を低減もしくは維持したまま混合材料5を相分離
してもよく、ガラス基板1,2に加わる押圧力を低減す
る工程では溢れ出た混合材料5が塗布された封口樹脂6
とともに注入口3a内へと引き込まれることになり、混
合材料5を相分離する工程では高分子分散液晶7の体積
収縮に伴って封口樹脂6が注入口3a内へとさらに引き
込まれることに伴って注入口3aが完全に閉塞されるこ
とになる。
【0041】さらに、実施の形態2に係る第2の製造方
法においては、注入口3aが形成された封止樹脂3を介
して対面接合された一対のガラス基板1,2を用意し、
高分子分散液晶7となる高分子及び液晶の混合材料5を
封止樹脂3の注入口3aからガラス基板1,2間に注入
して充填することを実行したうえ、製造装置11を用い
ることによって液晶パネル半製品10が具備したガラス
基板1,2を互いの接合方向に沿う外側から押圧するこ
とを行う。そして、製造装置11から液晶パネル半製品
10を取り外したうえ、液晶パネル半製品10の表示領
域に対して50mW/cm2の光を5分間にわたって照
射し、高分子及び液晶からなる混合材料5を相分離させ
ることによって高分子分散液晶7を得た後、封止樹脂3
に形成された注入口3aの外側に対して封口樹脂6を塗
布したうえ、40mW/cm2の光を3分間だけ照射し
て封口樹脂6を硬化させることによって液晶パネルを完
成させる。
【0042】ところで、この第2の製造方法では、第1
の製造方法と異なり、高分子分散液晶7を得たうえで注
入口3aの外側に封口樹脂6を塗布し、この封口樹脂6
を硬化させているが、このような手順を採用した場合で
あっても、封口樹脂6と高分子分散液晶7との間に気泡
が発生しておらず、良好な表示品位を有し、かつ、信頼
性の向上した液晶パネルを構成しうることが確認されて
いる。そして、この製造方法によれば、混合材料5が充
填されたガラス基板1,2を外側から押圧した際には封
止樹脂3の注入口3aから混合材料5が溢れ出ることに
なり、注入口3aから溢れ出て相分離された高分子分散
液晶7の表面上には封口樹脂6が密着状態として塗布さ
れたうえで硬化させられていることになる。
【0043】なお、この製造方法においては、ガラス基
板1,2が押圧された液晶パネル半製品10を製造装置
11から取り外すことによってガラス基板1,2に加え
る押圧力を解除するとしているが、製造装置11でもっ
て押圧されたままの状態にある液晶パネル半製品10の
表示領域に対する光照射を実行して混合材料5を相分離
してもよいことは勿論である。ただし、この際には、製
造装置11自体が光を透過しうるガラスなどの素材から
作製されたものであることが必要となる。
【0044】(実施の形態3)実施の形態1及び2に係
る製造方法のそれぞれでは、封止樹脂3に形成された注
入口3aの外側に封口樹脂6を塗布し、かつ、この封口
樹脂6を硬化させる工程と、混合材料5を相分離して高
分子分散液晶7を得る工程とが各別に実行されることと
なっているが、以下のような手順からなる製造方法を採
用したうえで液晶パネルを構成することも可能である。
【0045】本実施の形態に係る液晶パネルの製造方法
では、高分子分散液晶7となる高分子及び液晶の混合材
料5が封止樹脂3の注入口3aから注入して充填された
液晶パネル半製品10が具備したガラス基板1,2を互
いの接合方向に沿う外側から内側に向かって押圧し、注
入口3aの外側に対して封口樹脂6を塗布することを行
った後、液晶パネル半製品10の全面に対して50mW
/cm2の光を5分間にわたって照射し、高分子及び液
晶からなる混合材料5を相分離させることによって高分
子分散液晶7を得ると同時に、注入口3aの外側に塗布
された封口樹脂6を硬化させることによって液晶パネル
を完成させることが行われる。
【0046】そして、この製造方法では、混合材料5が
充填されたガラス基板1,2を押圧する工程で封止樹脂
3の注入口3aから混合材料5が溢れ出ることになり、
溢れ出た混合材料5の表面上に塗布された封口樹脂6は
混合材料5を相分離に伴って硬化しつつ高分子分散液晶
7の体積収縮に伴って注入口3a内へと引き込まれるこ
とになる。そのため、この実施の形態3に係る製造方法
を採用した場合にも、気泡が発生しておらずにパネルギ
ャップが均一化しており、しかも、良好な表示品位と向
上した信頼性とを備えた液晶パネルが構成されたことに
なる。
【0047】さらに、上記の製造方法においては、混合
材料5が充填されたガラス基板1,2を押圧したうえで
注入口3aの外側に封口樹脂を塗布した状態のまま、混
合材料5の相分離と封口樹脂6の硬化とを同時的に実行
しているが、このような手順に限定されることはなく、
混合材料5が充填されたガラス基板1,2に加わる押圧
力を低減もしくは解除したうえで混合材料5の相分離と
封口樹脂6の硬化とを同時的に実行することも可能であ
る。すなわち、この製造方法では、混合材料5が充填さ
れたガラス基板1,2を外側から押圧する工程で封止樹
脂3の注入口3aから混合材料5が溢れ出ることにな
り、ガラス基板1,2に加わる押圧力を低減もしくは解
除する工程では溢れ出た混合材料5が封口樹脂6ととも
に注入口3a内へと引き込まれることになる。
【0048】なお、混合材料5を相分離する工程では、
注入口3aから溢れ出た混合材料5の表面上に塗布され
た封口樹脂6が硬化しながら高分子分散液晶7の体積収
縮に伴って注入口3a内へとさらに引き込まれる。従っ
て、このような製造方法を採用して完成した液晶パネル
も、気泡が発生せずにパネルギャップが均一化してお
り、表示品位が良好で信頼性が向上したものとなる。
【0049】ところで、本発明の製造方法に係る実施の
形態が上記の内容のみに限定されることはなく、以下の
ような各種の変更が行われていても差し支えないことは
勿論である。
【0050】高分子分散液晶7となる混合材料5中の
高分子材料が光硬化性樹脂であるポリエステルアクリレ
ート及び2−エチルヘキシルアクリレートには限定され
ず、2−ヒドロキシエチルアクリレートやトリメチロー
ルプロパントリアクリレートなどであってもよいばかり
か、光硬化性樹脂には限られず、熱硬化性樹脂や熱可塑
性樹脂などを用いることも可能である。
【0051】混合材料5中の液晶材料がE−7には限
定されず、E−8(BDH社製)、ZLI4792もし
くはTL202(ともにメルク社製)などであってもよ
く、また、重合開始剤もイルガキュア184には限られ
ず、イルガキュア651(チバガイギー社製)などであ
ってよい。
【0052】本実施の形態では、ガラス基板1,2の
表面上に透明導電膜1a,2a及び絶縁膜1b,2bが
形成されているとしたが、絶縁膜1b,2bが形成され
ていなくても差し支えなく、また、ガラス基板1,2の
うちの一方を能動素子が設けられたアクティブマトリク
ス基板とすることも可能である。
【0053】スペーサ4が樹脂粒に限定されることは
なく、SiO2からなるものやガラスファイバーなどであ
ってもよく、表面上に糊の付着しているスペーサ(固着
スペーサ)を用いることもできる。
【0054】本実施の形態においては、混合材料5を
一対のガラス基板1,2間へと注入するに際して真空注
入法を採用しているが、この方法に限られることはな
く、例えば、毛細管現象を利用した注入法(空パネルに
2つ以上の孔を形成しておき、一方の孔から空パネルの
内部へ混合材料を注入する方法)や、空パネルに2つの
孔を開けておいたうえで混合材料を加圧しながら一方の
孔から空パネル内へと注入する方法、あるいはまた、こ
の際に他方の孔から空パネル内を吸引する方法、さらに
は、一方のガラス基板上に予め混合材料を滴下しておい
たうえで他方のガラス基板を貼り合わせる方法などを採
用することが考えられる。
【0055】(実施の形態4)つぎに、図3を参照しな
がら、高分子分散型の液晶パネルを製造する際に使用さ
れる製造装置11の構成を実施の形態4として説明す
る。すなわち、本実施の形態に係る液晶パネルの製造装
置11は、実施の形態1ないし3で説明した製造方法を
採用して液晶パネルを製造する際に使用されるものであ
り、図3で示しているように、注入口3aが形成された
封止樹脂3を介して対面接合され、かつ、高分子分散液
晶7となる高分子及び液晶の混合材料5が注入された一
対のガラス基板1,2を互いの接合方向に沿う外側から
押圧する押圧手段、つまり、パネル載置台13上に載置
された液晶パネル半製品10を押圧するシリコンラバー
12と、このシリコンラバー12内にN2ガスを供給す
るコンプレッサ16とからなる押圧手段を備えて構成さ
れたものとなっている。なお、押圧手段がシリコンラバ
ー12を具備したものに限定されることはなく、対面接
合された一対のガラス基板1,2を外側から内側に向か
って押圧しうる構成とされたものでありさえすればこと
は勿論である。
【0056】そして、この際におけるパネル載置台13
は冷却器あるいは加熱器として機能することによって液
晶パネル半製品10の温度調整を行うものであり、この
パネル載置台13に対しては光照射時における液晶パネ
ル半製品10を最適温度、例えば、18℃程度として維
持するための温度設定手段17と温度測定手段(図示省
略)とが設けられている。また、この製造装置11は、
液晶パネル半製品10を構成する封止樹脂3に形成され
た注入口3aの外側に対して封口樹脂6を塗布するため
の封口樹脂塗布手段18と、液晶パネル半製品10に対
して光を照射する光源14の動作を調整する光照射手段
19とを具備しており、これらの押圧手段及び温度設定
手段17、封口樹脂塗布手段18、光照射手段19は制
御手段20であるマイクロ・コンピュータを利用したう
えで統括的に連携制御されることになっている。なお、
製造装置11が実行する具体的な動作は、実施の形態1
ないし3のそれぞれで説明した通りであるから、ここで
の詳しい説明は省略する。
【0057】さらに、本実施の形態に係る液晶パネルの
製造装置11にあっては、以下のような構成を採用する
ことも可能である。すなわち、光源14からの照射光に
は800nm以上の波長成分(赤外光)が含まれてお
り、このような波長成分によっては液晶パネル半製品1
0が加熱されることになるので、パネル載置台13と光
源14との間にIRカットフィルタ21、例えば、シグ
マ光機(株)製のHAF−50S−30Hを配置してお
くことによって赤外光成分を除去することとし、温度設
定手段17でもって温度制御される液晶パネル半製品1
0の光照射時における温度が変化しないようにすること
が好ましい。また、光源14からの照射光に含まれる3
50nm以下の波長成分(紫外光)によっては高分子分
散液晶7が悪影響を受けるので、このような波長成分が
透過しないよう、パネル載置台13と光源14との間
に、例えば、UV−35(東芝(株)製)などのような
UVカットフィルタ22を予め配置しておくことも望ま
しいことである。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る液晶
パネルの製造方法によれば、完成した液晶パネルにおけ
る封口樹脂と高分子分散液晶との間に気泡が介在したま
まで残っていることが起こらなくなり、良好な表示品位
を得るとともに、信頼性の向上を図ることができるとい
う優れた効果が得られる。そして、封口時及び相分離時
のパネル基板に押圧力を加えておけば、セル厚を一定に
保つことが可能になるという効果も得られることにな
る。また、本発明に係る液晶パネルの製造装置によれ
ば、上記製造方法を極めて容易に実行し得ることとな
り、品質の向上した液晶パネルを得ることができるとい
う効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る製造方法を採用したうえで
の製造途中にある液晶パネルの要部構造を簡略化して示
す側断面図である。
【図2】本実施の形態に係る製造方法を採用して完成し
た液晶パネルの要部構造を簡略化して示す側断面図であ
る。
【図3】本実施の形態に係る液晶パネルの製造時に使用
される製造装置の要部構成を模式化して示す説明図であ
る。
【図4】本実施の形態及び従来の形態に係る液晶パネル
を構成するガラス基板を分離して示す外観斜視図であ
る。
【図5】従来の形態に係る製造方法を採用したうえでの
製造途中にある液晶パネルの要部構造を簡略化して示す
側断面図である。
【図6】従来の形態に係る製造方法を採用して完成した
液晶パネルの要部構造を簡略化して示す側断面図であ
る。
【符号の説明】
1 パネル基板 2 パネル基板 3 封止樹脂 3a 注入口 5 混合材料 7 高分子分散液晶 11 製造装置 12 シリコンラバー(押圧手段) 16 コンプレッサ(押圧手段) 17 温度設定手段 18 封口樹脂塗布手段 19 光照射手段
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1341 G02F 1/13

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 注入口が形成された封止樹脂を介して対
    面接合された一対のパネル基板を用意し、高分子分散液
    晶となる高分子及び液晶の混合材料をパネル基板間に
    入し、パネル基板を互いの接合方向に沿う外側から押圧
    した状態で、注入口の外側に封口樹脂を塗布したうえで
    封口樹脂を硬化させた後に、混合材料の相分離によって
    高分子分散液晶を得ることを特徴とする液晶パネルの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 注入口が形成された封止樹脂を介して対
    面接合された一対のパネル基板を用意し、高分子分散液
    晶となる高分子及び液晶の混合材料をパネル基板間に
    入し、パネル基板を互いの接合方向に沿う外側から押圧
    した状態で注入口の外側に封口樹脂を塗布した後、パネ
    ル基板に加わる押圧力を低減したうえで封口樹脂を硬化
    させた後、混合材料の相分離によって高分子分散液晶を
    得ることを特徴とする液晶パネルの製造方法。
  3. 【請求項3】 注入口が形成された封止樹脂を介して対
    面接合された一対のパネル基板を用意し、高分子分散液
    晶となる高分子及び液晶の混合材料をパネル基板間に
    入し、パネル基板を互いの接合方向に沿う外側から押圧
    した状態で注入口の外側に封口樹脂を塗布した後、パネ
    ル基板に加わる押圧力を維持したままで混合材料の相分
    離によって高分子分散液晶を得た後、注入口の外側に塗
    布した封口樹脂を硬化させることを特徴とする液晶パネ
    ルの製造方法。
  4. 【請求項4】 注入口が形成された封止樹脂を介して対
    面接合された一対のパネル基板を用意し、高分子分散液
    晶となる高分子及び液晶の混合材料をパネル基板間に
    入し、パネル基板を互いの接合方向に沿う外側から押圧
    した状態で注入口の外側に封口樹脂を塗布した後、パネ
    ル基板に加わる押圧力を低減したうえで混合材料の相分
    離によって高分子分散液晶を得た後、注入口の外側に塗
    布した封口樹脂を硬化させることを特徴とする液晶パネ
    ルの製造方法。
  5. 【請求項5】 注入口が形成された封止樹脂を介して対
    面接合された一対のパネル基板を用意し、高分子分散液
    晶となる高分子及び液晶の混合材料をパネル基板間に
    入し、パネル基板を互いの接合方向に沿う外側から押圧
    した状態で注入口の外側に封口樹脂を塗布した後、パネ
    ル基板に加わる押圧力を維持したままで混合材料の相分
    離によって高分子分散液晶を得ると同時に、封口樹脂を
    硬化させ ることを特徴とする液晶パネルの製造方法。
  6. 【請求項6】 注入口が形成された封止樹脂を介して対
    面接合された一対のパネル基板を用意し、高分子分散液
    晶となる高分子及び液晶の混合材料をパネル基板間に
    入し、パネル基板を互いの接合方向に沿う外側から押圧
    した状態で注入口の外側に封口樹脂を塗布した後、パネ
    ル基板に加わる押圧力を低減したうえで混合材料の相分
    離によって高分子分散液晶を得ると同時に、封口樹脂を
    硬化させることを特徴とする液晶パネルの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれかに記
    載した液晶パネルの製造時に使用される製造装置であっ
    て、 注入口が形成された封止樹脂を介して対面接合され、か
    つ、高分子分散液晶となる高分子及び液晶の混合材料が
    注入された一対のパネル基板を互いの接合方向に沿う外
    側から押圧する押圧手段と、混合材料が注入されたパネ
    ル基板の温度を設定する温度設定手段と、注入口の外側
    に封口樹脂を塗布する封口樹脂塗布手段と、混合材料が
    注入されたパネル基板に対して光を照射する光照射手段
    とを備えていることを特徴とする液晶パネルの製造装
    置。
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