JP3273103B2 - 直結型連続鋳造圧延設備の制御方法 - Google Patents

直結型連続鋳造圧延設備の制御方法

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JP3273103B2 JP22153594A JP22153594A JP3273103B2 JP 3273103 B2 JP3273103 B2 JP 3273103B2 JP 22153594 A JP22153594 A JP 22153594A JP 22153594 A JP22153594 A JP 22153594A JP 3273103 B2 JP3273103 B2 JP 3273103B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直結型連続鋳造圧延設
備の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】熱延鋼板を製造する場合、一般的には、
連続鋳造機を用いて、200〜250mm程度の厚みで
連続的に鋳造を実施し、鋳造によりできた鋼材を例えば
10m毎に切断してスラブを得る。このスラブを、次の
工程に送り、圧延に必要な温度に加熱した後、複数の粗
圧延機で例えば50mm程度の厚みまで圧延する。更
に、5〜7台の仕上圧延機を用いて、スラブを1〜2m
m程度の厚みまで圧延する。
【0003】しかし上記の製造方法においては、圧延の
工程はスラブ毎に間欠的に実施せざるを得ない。また、
圧延に必要な温度までスラブを加熱するのに、非常に大
きなエネルギ−が消費される。
【0004】そこで、例えば特開昭56−119607
号公報の技術では、双ドラム式の連続鋳造設備を用いる
ことにより、厚みが10mm程度の薄い鋳片を製造する
とともに、連続鋳造設備の出側のライン上に圧延設備を
直結し、鋳造と圧延とを連続的に実施することを提案し
ている。
【0005】双ドラム式の連続鋳造設備に関する従来技
術としては、上記以外に実開昭62−15842号公
報,特開平4−138848号公報,及び実公平5−2
75号公報が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、望ましい圧
延を実施するためには、圧延機を通る鋳片に適当な張力
を与え、張力を一定に制御する必要がある。このため、
一般的な圧延設備においては、個々の圧延機の上流側及
び下流側にル−パをそれぞれ設置し、これらのル−パを
制御して鋳片各部に適当な張力が加わるようにしてい
る。しかしながら、ル−パを設置すると設備の構造が複
雑になるし、それを設置するために広い空間が必要にな
る。
【0007】従って本発明は、鋳造と圧延とを連続的に
実施するとともに、圧延工程のル−パの設置を不要にす
ることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明においては、薄板を鋳造する双ドラム式連続
鋳造設備(11),該双ドラム式連続鋳造設備の出側の
通板経路に対向する位置に設置された圧延設備(1
6),該圧延設備と前記双ドラム式連続鋳造設備との間
の通板経路に対向する位置に設置されたピンチロ−ル
(14),該ピンチロ−ルを圧下する圧下設備(1
5),及び該ピンチロ−ルを回転方向に駆動する回転駆
動設備(M2)を有する直結型連続鋳造圧延設備の制御
方法において:前記圧延設備の圧下状態に応じて、該圧
延設備が開放状態の時には、前記ピンチロ−ルの回転駆
動設備の制御を速度制御モ−ドに定め、前記圧延設備が
圧下状態になると、前記ピンチロ−ルの回転駆動設備の
制御を電流制御モ−ドに定め(21,28)、前記速度
制御モ−ドでは、前記ピンチロ−ルもしくは通板する板
の速度を速度目標値に維持し(40)、前記電流制御モ
−ドでは、前記回転駆動設備の電流を電流目標値に維持
する(41)。
【0009】また、請求項2では、前記ピンチロ−ルの
圧下量を少なくとも2種類の中から選択的に設定し、前
記双ドラム式連続鋳造設備から出た板(10)とその先
端に接続されるダミ−シ−ト(2)との継ぎ目(10
a)の位置をトラッキングして、前記継ぎ目の位置が巻
取機に到達するまでの間は、前記ピンチロ−ルの圧下量
を前記継ぎ目で剪断が生じない比較的小さい圧下量に定
め(21)、前記継ぎ目の位置が前記巻取機に到達する
と、前記ピンチロ−ルの圧下量を、前記圧延設備で鋳片
を圧下する時に該鋳片にスリップが生じない比較的大き
い圧下量に定める(24,25)。
【0010】また、請求項3では、少なくとも前記ピン
チロ−ルの圧下量が前記比較的小さい圧下量である時に
は、前記圧延設備を開放状態に設定し(21)、前記ピ
ンチロ−ルの圧下量が前記比較的大きい圧下量になった
後で、前記圧延設備を比較的小さい圧下量で圧下し(2
6,27)、該圧延設備が圧下状態になった後で、前記
ピンチロ−ルの回転駆動設備の制御を、速度制御モ−ド
から電流制御モ−ドに切換える(28)。
【0011】また、請求項4では、前記ピンチロ−ルの
回転駆動設備の制御が、速度制御モ−ドから電流制御モ
−ドに切換わった後で、前記圧延設備の圧下量を、それ
までよりも大きな圧下量に切換える(29,2A)。
【0012】なお上記括弧内に示した記号は、後述する
実施例中の対応する要素の符号を参考までに示したもの
であるが、本発明の各構成要素は実施例中の具体的な要
素のみに限定されるものではない。
【0013】
【作用】薄板を連続的に鋳造する双ドラム式鋳造設備
(11)においては、特に鋳造開始時に鋳片先端をコイ
ラで巻取り開始するまでの鋳片の安定した搬送のため
に、および、鋳片を案内するダミ−シ−トの搬送のため
に、鋳片の通板経路に対向する位置に一般にピンチロ−
ル(14)が設置される。
【0014】本発明のように、双ドラム式鋳造設備の出
側の通板経路に対向する位置に、圧延設備(16)を設
置して、鋳造の工程と圧延の工程とを直結する場合に
は、圧延機が圧下状態になっている時には、圧延機の回
転力があるので、ピンチロ−ルが存在しなくても鋳片を
搬送することができる。そこで本発明においては、ピン
チロ−ルの駆動力によって鋳片等を搬送する必要がある
時(圧延設備が開放状態の時)には、速度制御モ−ドで
ピンチロ−ルを制御し、ピンチロ−ルの駆動力によって
鋳片等を搬送する必要がなくなった時(圧延設備が圧下
状態になった時)には、電流制御モ−ドでピンチロ−ル
を制御する。
【0015】前記電流制御モ−ドでは、前記回転駆動設
備の付勢電流を電流目標値に維持する(41)ので、ピ
ンチロ−ルと鋳片との間のトルクが、電流目標値に対応
付けられる。即ち、圧延を実施する時には、ピンチロ−
ルと圧延機との間の鋳片に加わる張力が、ピンチロ−ル
制御系の電流目標値に対応付けられるので、ピンチロ−
ルの制御によって、鋳片の張力が制御される。従って、
圧延時の鋳片の張力を制御するために、格別にル−パな
どを設置する必要がなくなり、設備の構造が簡純化され
る。
【0016】また、請求項2では、前記双ドラム式鋳造
設備から出た板(10)とその先端に接続されるダミ−
シ−ト(2)との継ぎ目(10a)の位置を監視し、操
業を開始してから前記継ぎ目が巻取機(1C)に到達す
るまでの間は、前記ピンチロ−ルの圧下量をその圧下に
よって前記継ぎ目で剪断が生じない比較的小さい圧下量
(例えば3トン)に定め、前記継ぎ目の位置が前記巻取
機に到達すると、前記ピンチロ−ルの圧下量を、前記圧
延設備で鋳片を圧下する時に該鋳片にスリップが生じな
い比較的大きい圧下量(例えば、ピンチロ−ルと鋳片の
摩擦係数μが0.2の場合には4〜10トン)に定め
る。
【0017】即ち、前記継ぎ目の部分は、他の部分より
も剪断が生じ易いので、この継ぎ目が巻取機に達するま
での間は、継ぎ目での剪断を防止するために、ピンチロ
−ルの圧下量を比較的小さく(例えば3トンに)する必
要がある。また、前記圧延設備で鋳片を圧下する時に
は、回転駆動設備を電流制御モ−ドで制御するので、そ
れによって、前記圧延設備とピンチロ−ルとの間で、鋳
片に比較的大きな張力が生じる。従って、鋳片の張力に
よって鋳片とピンチロ−ルとの間にスリップが生じるの
を防止するためには、ピンチロ−ルの圧下量を比較的大
きく(例えば、ピンチロ−ルと鋳片の摩擦係数μが0.
2の場合には4〜10トンに)する必要がある。
【0018】また、請求項3では、ピンチロ−ルの圧下
量が前記比較的小さい圧下量(3トン)の時には、圧延
設備を開放状態に設定し、ピンチロ−ルの圧下量が前記
比較的大きい圧下量(4〜10トン)になった後で、圧
延設備を比較的小さい圧下量で圧下し、該圧延設備が圧
下状態になった後で、ピンチロ−ルの回転駆動設備の制
御を、速度制御モ−ドから電流制御モ−ドに切換える。
ダミ−シ−トをラインに装着する時、及び継ぎ目が通過
する時には、圧延機の圧下を開放状態にするのが望まし
い。また、ピンチロ−ルの張力制御を開始する時には、
ピンチロ−ルで鋳片を強く押さえ、該鋳片のスリップを
防止するのが望ましい。
【0019】また、請求項4では、ピンチロ−ルの回転
駆動設備の制御が、速度制御モ−ドから電流制御モ−ド
に切換わった後で、圧延設備の圧下量を、それまでより
も大きな圧下量に切換える。これによって、鋳片に充分
に大きな張力がかかった状態で圧延を開始できる。
【0020】
【実施例】一実施例の直結型連続鋳造圧延設備と、それ
らの制御系主要部の構成を図1に示す。図1を参照する
と、この設備の主要部は、双ドラム式連続鋳造設備1
1,ドラム下ル−パ12,ガイドロ−ラ13,ピンチロ
−ル14,圧延機(3Hiミル)16,出側ル−パ1
9,デフレクタロ−ル1A,鋳片検出器(HMD:HotM
etal Detector)1B及びコイラ(巻取機)1Cで構成
されている。ピンチロ−ル14には圧下装置15が備わ
っており、圧延機16には圧下装置17及びギャップ検
出器18が備わっている。
【0021】双ドラム式連続鋳造設備11の基本的な構
造を図2に示す。図2を参照して説明する。1対の冷却
ドラム11a,11bが互いに近接させて平行に配置し
てあり、冷却ドラム11a,11bの両端部は、サイド
堰11c,11dによって塞がれている。冷却ドラム1
1a,11b及びサイド堰11c,11dによって形成
された湯溜り部1には、図示しないタンディッシュ及び
ノズルを介して、上方から溶融金属が供給される。冷却
ドラム11a,11bには所定の冷却装置が内蔵されて
おり、冷却ドラム11a,11bは互いに対向する面が
下向きに同期して移動するように、回転駆動される。湯
溜り部1の溶融金属は、冷却ドラム11a,11bの表
面に沿う部分が冷却され凝固して凝固殻を形成する。こ
の凝固殻は、冷却ドラム11a,11bによって圧着さ
れながら下向きに送り出され、金属薄帯である鋳片10
を連続的に形成する。この実施例では、鋳片10の厚み
は約5mmに定めてある。なお図示しない構成要素とし
て、両ドラムの回転駆動装置,ドラムの押付け装置,サ
イド堰押付け装置,溶湯供給装置(タンディッシュ),
溶湯供給ノズル,冷却水供給配管等がある。
【0022】再び図1を参照する。双ドラム式連続鋳造
設備11によって鋳造された鋳片(帯板)10は、ドラ
ム下ル−パ12,ガイドロ−ラ13,ピンチロ−ル1
4,圧延機16,出側ル−パ19,デフレクタロ−ル1
A及び鋳片検出器1Bを通ってコイラ1Cに巻取られ
る。ドラム下ル−パ12は、ドラム直下において、ドラ
ムとピンチロ−ルとの速度差によって生じる帯板のたる
みを調整するル−パである。ピンチロ−ル14は、圧延
を開始するまでの帯板10及びダミ−シ−トの搬送と、
圧延時の張力制御のために利用される。圧延機16は、
厚みが3〜5mmの帯板10を2〜4mm程度の厚みに
圧延する。出側ル−パ19は、圧延機16とコイラ1C
の速度差によって生じる帯板10のたるみを調整し張力
を一定に保つ装置である。
【0023】双ドラム式連続鋳造設備11の冷却ドラム
11a,11bは、電気モ−タM1によって回転駆動さ
れる。また、ピンチロ−ル14,圧延機16及びコイラ
1Cは、それぞれ電気モ−タM2,M3及びM4によっ
て回転駆動される。電気モ−タM1,M2,M3及びM
4の駆動軸には、それぞれの回転量に応じたパルスを発
生するパルス発生器P1,P2,P3及びP4が連結さ
れている。電気モ−タM1,M3及びM4は、それぞれ
速度制御装置(ASR:Automatic Speed Regulator)
31,50及び55によって制御され、電気モ−タM2
は、速度制御装置40又は電流制御装置(ACR:Auto
matic Current Regulator)41によって制御される。
【0024】速度制御装置31は、ドラム速度基準演算
回路32が出力するドラム速度基準と、パルス発生器P
1が出力する信号から求められる電気モ−タM1の回転
速度とが一致するように、電気モ−タM1に供給する電
流を制御する。ドラム速度基準演算回路32では、速度
基準34とドラム速度補正値35とを加算器33で加算
した結果を入力し、その入力に基づいてドラム速度基準
を生成する。
【0025】速度制御装置40は、加算器37が出力す
る速度目標値と、パルス発生器P2が出力する信号から
求められる電気モ−タM2の回転速度とが一致するよう
に、電気モ−タM2に供給する電流を制御する。速度制
御装置40に印加される速度目標値は、前記ドラム速度
基準に、PR(ピンチロ−ル)速度微調量と、速度補正
値換算器39の出力とを加算した結果である。速度補正
値換算器39の入力には、ル−パ位置制御回路38の出
力が印加される。ル−パ位置制御回路38は、ル−パ1
2から得られるル−プ量とその目標値とを比較して、ル
−パ位置の補正値を生成する。速度補正値換算39では
位置補正値を速度補正値に換算する。
【0026】電流制御装置41は、それに入力される電
流目標値と、電気モ−タM2に流れる電流とを比較し
て、両者が一致するように電気モ−タM2に供給する電
流を制御する。電流値換算44では、予め定めた張力指
令値43を電流値に換算し、電流制御装置41に印加す
る電流目標値を生成する。
【0027】実際には、スイッチ42の状態に応じて、
電気モ−タM2の制御内容は切換わる。即ちスイッチ4
2が第1の状態の時には、速度制御装置40によって電
気モ−タM2が制御され、スイッチ42が第2の状態の
時には、電流制御装置41によって電気モ−タM2が制
御される。スイッチ42の切換えは、ミル圧下力指令4
9に応じて自動的に実施される。これについては後で詳
細に説明する。
【0028】速度制御装置50は、掛算器47が出力す
る速度目標値と、パルス発生器P3が出力する信号から
求められる電気モ−タM3の回転速度とが一致するよう
に、電気モ−タM3に供給する電流を制御する。速度制
御装置50の速度目標値は、ライン基準速度(加算器3
7の出力)を掛算器45及び47で補正して得られる。
掛算器45は、演算部46で計算した結果をライン基準
速度に掛け、掛算器45は、演算部48で計算した結果
をライン基準速度に掛ける。
【0029】演算部46及び48の計算について説明す
る。前記ライン基準速度は圧延機16よりも上流側の速
度であるが、鋳片10は圧延機16で圧延され薄くなる
ので、圧延機16の速度基準は、圧下率に応じて変更し
なければならない。ここでは、速度基準の補正に必要な
デ−タとして、次に示すものを用いる。
【0030】 (1)鋳造板厚(入側板厚):H1[mm] (2)ミル出側板厚 :H2[mm] (3)鋳片塑性係数 :Q[Ton/mm] (4)ミル定数 :M[Ton/mm] (5)先進率係数 :F (6)ロ−ル間ギャップ :S[mm] この場合の圧延状態は、図6,図7及び次に示す関係式
で表わされる。
【0031】 P=(H2 −S)M=(H1 −H2 )Q ・・・(1) MH2 −MS=QH1 −QH2 ・・・(2) (M+Q)H2 =MS+QH1 ・・・(3) H2 =MS/(M+Q)+QH1/(M+Q) ・・(4) H2/H1 =MS/(M+Q)H1 +Q/(M+Q)・・(5) H1/H2 =(M+Q)/(MS/H1 +Q) ・・・・(6) ここで、H1/H2が圧延機でのストリップ(帯板)伸び
率を表わすので、圧延機出側の板速度V2と入側板速度
V1との関係は次式で表わされる。
【0032】 V2=V1×H1/H2=V1・(M+Q)/(MS/H1+Q)・・(7) 圧延機における先進率αは、先進率係数Fを用いて次式
で表わされる。
【0033】 α=(H1−H2)F/H1 ・・・(8) 圧延機のロ−ル速度VRは、先進率αを用いて次式で表
わされる。
【0034】 VR=V2(1/(1+α)) ・・・(9) 再び図1を参照すると、演算部46は圧延機16でのス
トリップ伸び率を計算し、演算部48は圧延機16での
先進率に対応する補正値を計算する。なお、演算部46
に入力されるロ−ル間ギャップSは、ギャップ量検出器
18が出力する信号である。
【0035】速度制御装置55は、加算器54が出力す
る速度目標値と、パルス発生器P4が出力する信号から
求められる電気モ−タM4の回転速度とが一致するよう
に、電気モ−タM4に供給する電流を制御する。速度制
御装置55の速度目標値は、掛算器45の出力に得られ
る圧延機出側の板速度V2を加算器53及び54で補正
した結果である。加算器53は、板速度V2にコイラ速
度微調量を加算し、加算器54は、速度補正値換算51
が出力する速度補正値を加算する。速度補正値換算51
の入力には、ル−パ位置制御回路52の出力が印加され
る。ル−パ位置制御回路52は、出側ル−パ19から得
られるル−プ量とその目標値とを比較して、ル−パ位置
の補正値を生成する。速度補正値換算51では位置補正
値を速度補正値に換算する。
【0036】この実施例においては、図1に示す各種設
備の全体の制御を、図示しないシ−ケンサを用いて実施
している。即ち、速度基準34,ドラム速度補正値3
5,張力指令値43,圧下装置15に印加するPR圧下
力切換信号,圧下装置17に印加するミル圧下力指令4
9,スイッチ42の状態,各種係数H1,Q,M,F等
々が、必要に応じてシ−ケンサから与えられる。操業を
開始してから定常状態への立上げが完了するまでの、シ
−ケンサによって実施される制御の内容を図2に示し、
各部の状態変化を図3のタイムチャ−トに示す。
【0037】図2に示す各処理ステップについて説明す
る。ステップ21では、まず、ミル圧下力指令49とし
て0を出力し、圧下装置17による圧延機16の圧下を
開放状態にする。また、PR圧下力切換信号を所定レベ
ルに定め、圧下装置15によるピンチロ−ル14の圧下
を低圧下状態(例えば3トンの圧下量)にする。更に、
電気モ−タM2をASR40が制御するように、スイッ
チ42の状態を定める。また、張力指令値43として0
を印加する。この状態では、鋳造は開始されていないの
で、ライン上には鋳片は存在しない。そこで、ライン上
の双ドラム式連続鋳造設備11の出口からコイラ1Cま
での間に、ダミ−シ−ト2を装着(図5の時刻T0の状
態を参照)する。なおダミ−シ−ト2を装着する際に
は、必要に応じてピンチロ−ル14を正転又は逆転駆動
する。
【0038】ダミ−シ−ト2の装着などの準備が完了
し、例えば準備完了を示すスイッチが作業者の操作によ
ってオンすると、ステップ22から23に進み、双ドラ
ム式連続鋳造設備11の動作、即ち鋳造を開始する。鋳
造を開始すると、ダミ−シ−ト2の後端に連なる形で、
形成された鋳片10が双ドラム式連続鋳造設備11から
下方に引き出される。鋳造を開始した直後には、操業状
態が安定していないので、ダミ−シ−ト2と鋳片10と
の継ぎ目10aの部分には、こぶ状のふくらみが形成さ
れる。
【0039】連続的に鋳造が実施され、ライン上の各種
回転駆動要素は、それぞれ所定の速度基準(目標値)に
従って駆動されるので、時間の経過に伴なって、ダミ−
シ−ト2の先端から順次にコイラ1Cで巻取られ、鋳片
10はダミ−シ−ト2に引かれてライン上を下流に移動
する。即ち、図5に示す時刻T1,T2,T3のように
状態が変化する。なお、継ぎ目10aの部分にはこぶ状
のふくらみが存在するが、この時には圧延機16の圧下
は開放状態であるし、ピンチロ−ル14の圧下は軽圧下
であるので、継ぎ目10aがピンチロ−ル14及び圧延
機16を通過する際に特に問題は生じない。
【0040】ステップ24では、コイラ1Cによって鋳
片10の巻取りが開始されるまで待機する。つまり、図
5に時刻T3として示すように、鋳片10の先端である
継ぎ目10aがコイラ1Cに巻取られるまで待つ。この
例では、鋳片10の有無を検出する鋳片検出器1Bが、
鋳片10の先端を検出してからその位置のトラッキング
を開始し、鋳片10の先端がコイラ1Cに巻取られた位
置(図5の時刻T3の状態)に達すると、次のステップ
25に進む。
【0041】ステップ25では、圧下装置15に印加す
るPR圧下力切換信号のレベルを切換え、ピンチロ−ル
14の圧下を低圧下から高圧下(例えば、4〜10トン
の圧下量)に切換える。続くステップ26では、それ自
身が発生するミル圧下力指令49が零から軽圧下(この
例では、50トン:圧延時の圧下量に比べて充分に小さ
い)に切換わるまで待つ。実際には、鋳片10の先端が
コイラ1Cに巻取られてから所定時間を経過すると、ミ
ル圧下力指令49が零から軽圧下に切換わり、次にステ
ップ27に進む。ステップ27では、所定の圧下量(5
0トン)になるまで、圧下装置17の制御を継続する。
圧下が完了すると次のステップ28に進む。
【0042】ステップ28では、スイッチ42を切換
え、ピンチロ−ル14を回転駆動する電気モ−タM2の
制御モ−ドを電流制御モ−ド(ACR)に切換える。つ
まり、これ以降、電流制御装置41の制御出力によっ
て、電気モ−タM2を制御する。この時、圧延機16が
圧下状態(軽圧下)であるし、ピンチロ−ル14が高圧
下状態であるので、ピンチロ−ル14から鋳片10に加
わる制動トルクによって、ピンチロ−ル14と圧延機1
6との間の鋳片10の張力が定まる。ピンチロ−ル14
から鋳片10に加わる制動トルクは、電気モ−タM2に
流れる電流に対応するので、電流制御装置41は鋳片1
0の張力が目標値(張力指令値43)になるように電気
モ−タM2を制御することになる。またここで、張力指
令値43を予め定めた設定値に変更する。つまり、張力
制御を開始する。
【0043】次のステップ29では、ミル圧下指令が現
われるのを待つ。実際には、コイラ1Cで鋳片10の巻
取りを開始してから所定時間が経過すると、ミル圧下力
指令49が、軽圧下から予め定めた設定値(圧延時の
値)に切換わり、その時にステップ2Aに進む。ステッ
プ2Aでは、圧下量が設定値になるまで、圧下装置17
の制御を継続する。圧下力が設定値になると、この処理
を終了し定常の操業状態に移行する。図5に示す時刻T
3の状態では、圧延機16が軽圧下であるので、鋳片1
0の厚みは圧延機16の入側と出側とで同一であるが、
時刻T4になると、圧延機16の圧下量が圧延時の設定
値に増大するので、鋳片10は圧延機16で圧延され、
その出側では入側より厚みが小さくなる。
【0044】上述のようにこの実施例では、ピンチロ−
ル14の電気モ−タM2は、鋳片10の先端がコイラ1
Cで巻取られるまでの間は、速度制御モ−ドで駆動され
るので、この時に鋳片10及びダミ−シ−ト2を安定し
た状態で搬送することができる。また、鋳片10の先端
がコイラ1Cで巻取られた後は、ピンチロ−ル14の電
気モ−タM2は、電流制御モ−ドで駆動されるので、こ
の時には圧延機入側の鋳片10の張力を目標値に維持す
ることができる。なお従来の設備の場合、圧延機16の
入側に張力制御用のル−パを設置せざるを得ない。
【0045】なお上記実施例では、鋳片の先端がコイラ
1Cに巻取られた時に、ピンチロ−ルの圧下力の変更を
実施しているが、このタイミング(位置)は必要に応じ
て変更しうる。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、圧延を実施する時に
は、ピンチロ−ルと圧延機との間の鋳片に加わる張力
が、ピンチロ−ル制御系の電流目標値に対応付けられる
ので、ピンチロ−ルの制御によって、鋳片の張力が制御
される。従って、圧延時の鋳片の張力を制御するため
に、格別にル−パなどを設置する必要がなくなり、設備
の構造が簡純化される。
【0047】ダミ−シ−トと鋳片との継ぎ目の部分に
は、こぶ状のふくらみがあるし、ダミ−シ−トと鋳片と
は厚みが大きく異なるので、ピンチロ−ルでダミ−シ−
トを強く押さえていると、継ぎ目が各種ロ−ルを通過す
る時に鋳片の張力に急激な変動が生じ、コイラの巻取り
等に不具合が生じ易い。しかし請求項2では、継ぎ目の
巻取りが開始されるまではピンチロ−ルの圧下量を小さ
くするので、搬送上の不具合の発生を防止しうる。
【0048】また、請求項3では、ダミ−シ−トをライ
ンに装着する時、及び継ぎ目が通過する時には、圧延機
の圧下を開放状態にすることができ、また、ピンチロ−
ルの張力制御を開始する時には、ピンチロ−ルで鋳片を
強く押さえ、該鋳片の他の部分を圧延機の圧下により充
分に押さえることができる。
【0049】また、請求項4では、ピンチロ−ルの回転
駆動設備の制御が、速度制御モ−ドから電流制御モ−ド
に切換わった後で、圧延設備の圧下量を、それまでより
も大きな圧下量に切換えるので、鋳片に充分に大きな張
力がかかった状態で圧延を開始できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の連続鋳造圧延設備及びその制御系を
示すブロック図である。
【図2】 シ−ケンサによって実行される操業開始時の
制御の内容を示すフロ−チャ−トである。
【図3】 図1の設備の状態変化の例を示すタイムチャ
−トである。
【図4】 実施例の双ドラム式連続鋳造設備11の基本
的な構造を示す斜視図である。
【図5】 図1の設備の操業開始時の状態遷移を示す正
面図である。
【図6】 圧延機における板厚と圧下力の関係を示すグ
ラフである。
【図7】 圧延機の圧延状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1:湯溜り部 2:ダミ−シ−ト 10:鋳片 11:双ドラム式連
続鋳造設備 11a,11b:冷却ドラム 11c,11d:サ
イド堰 12:ドラム下ル−パ 13:ガイドロ−ラ 14:ピンチロ−ル 15,17:圧下装
置 16:圧延機(3Hiミル) 18:ギャップ検出
器 19:出側ル−パ 1A:デフレクタロ
−ル 1B:鋳片検出器 1C:コイラ 31,40,50,55:速度制御装置 41:電流制御装置 33,36,37,53,54:加算器 42:スイッチ 45,47:掛算器 M1,M2,M3,M4:電気モ−タ P1,P2,P3,P4:パルス発生器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−319045(JP,A) 特開 昭56−144804(JP,A) 特開 昭56−126016(JP,A) 特開 昭49−134557(JP,A) 特開 昭58−47514(JP,A) 特開 昭56−119607(JP,A) 特開 平4−138848(JP,A) 特開 昭63−80921(JP,A) 実開 昭60−103516(JP,U) 実開 昭62−15842(JP,U) 実開 昭62−164265(JP,U) 実公 平5−275(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/12 B21C 47/02 B22D 11/06 330 B22D 11/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄板を鋳造する双ドラム式連続鋳造設
    備,該双ドラム式連続鋳造設備の出側の通板経路に対向
    する位置に設置された圧延設備,該圧延設備と前記双ド
    ラム式連続鋳造設備との間の通板経路に対向する位置に
    設置されたピンチロ−ル,該ピンチロ−ルを圧下する圧
    下設備,及び該ピンチロ−ルを回転方向に駆動する回転
    駆動設備を有する直結型連続鋳造圧延設備の制御方法に
    おいて:前記圧延設備の圧下状態に応じて、該圧延設備
    が開放状態の時には、前記ピンチロ−ルの回転駆動設備
    の制御を速度制御モ−ドに定め、前記圧延設備が圧下状
    態になると、前記ピンチロ−ルの回転駆動設備の制御を
    電流制御モ−ドに定め、前記速度制御モ−ドでは、前記
    ピンチロ−ルもしくは通板する板の速度を速度目標値に
    維持し、前記電流制御モ−ドでは、前記回転駆動設備の
    電流を電流目標値に維持する、直結型連続鋳造圧延設備
    の制御方法。
  2. 【請求項2】 前記ピンチロ−ルの圧下量を少なくとも
    2種類の中から選択的に設定し、前記双ドラム式連続鋳
    造設備から出た板とその先端に接続されるダミ−シ−ト
    との継ぎ目の位置をトラッキングして、前記継ぎ目の位
    置が巻取機に到達するまでの間は、前記ピンチロ−ルの
    圧下量を前記継ぎ目で剪断が生じない比較的小さい圧下
    量に定め、前記継ぎ目の位置が前記巻取機に到達する
    と、前記ピンチロ−ルの圧下量を、前記圧延設備で鋳片
    を圧下する時に該鋳片にスリップが生じない比較的大き
    い圧下量に定める、前記請求項1記載の直結型連続鋳造
    圧延設備の制御方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも前記ピンチロ−ルの圧下量が
    前記比較的小さい圧下量である時には、前記圧延設備を
    開放状態に設定し、前記ピンチロ−ルの圧下量が前記比
    較的大きい圧下量になった後で、前記圧延設備を比較的
    小さい圧下量で圧下し、該圧延設備が圧下状態になった
    後で、前記ピンチロ−ルの回転駆動設備の制御を、速度
    制御モ−ドから電流制御モ−ドに切換える、前記請求項
    2記載の直結型連続鋳造圧延設備の制御方法。
  4. 【請求項4】 前記ピンチロ−ルの回転駆動設備の制御
    が、速度制御モ−ドから電流制御モ−ドに切換わった後
    で、前記圧延設備の圧下量を、それまでよりも大きな圧
    下量に切換える、前記請求項3記載の直結型連続鋳造圧
    延設備の制御方法。
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