JP3270780B2 - ゼリー状食品の製造法 - Google Patents

ゼリー状食品の製造法

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利明 大平
千晶 大瀬戸
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゼリー状食品の製造
法、詳しくは魚肉すり身を主原材料とし、これにトラン
スグルタミナーゼを作用させる新規なゼリー状食品の製
造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ゼリー状食品は寒天に代表される
ように、多糖類を原料とするものが中心である。食生活
の向上と共に食品の嗜好性の向上が要求され、かつ、食
感は硬いものから柔らかいソフトなものまで、風味は濃
厚なものからマイルドなものまで要求される。また、素
材も加工素材から天然素材まで製造適性や嗜好性に対応
して、幅広く選択できる食品群の提供が業界の課題でも
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、蛋白素材を
ベースとした、ヘルシーなゼリー状食品の開発にあたっ
て、適切な蛋白素材の選定と今までにないソフトな歯ざ
わり(食感)の発現を課題とする。
【0004】
【課題を解決するため手段】本発明者は、前記課題を達
成すべく鋭意研究を行った結果、ヘルシーな魚肉すり身
を蛋白原料にして、このすり身の高加水物にトランスグ
ルタミナーゼを作用させることによって、ソフトでのど
ごしの良いマイルドな風味を有するゼリー状食品を製造
出来ることを見いだし、この知見に基いて本発明の完成
に至った。
【0005】すなわち、本発明は、魚肉すり身100重
量部、食塩2〜10重量部、及び水または/及び牛乳2
00〜800重量部からなる組成物に、トランスグルタ
ミナーゼを魚肉蛋白1g当り0.5〜10ユニット添加
混合して酵素反応を行った後、トランスグルタミナーゼ
を加熱失活させ、そして冷却することを特徴とするゼリ
ー状食品の製造法に関する。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】まず、トランスグルタミナーゼを作用させ
るべき組成物の原材料について述べる。
【0008】蛋白原料として使用される魚肉すり身に
は、周知のように、品質の格付けされた種々のすり身が
市販されているが、鮮度の違いにより洋上すり身と陸上
すり身に大別される。本発明においてはこれらいずれの
すり身を用いても差し支えなく、すり身の等級に左右さ
れることはないが、洋上すり身を用いた場合には、すり
身に対する加水比率が高く、しかも色調に優れたゼリー
状食品を得ることができる。
【0009】食塩は魚肉すり身の蛋白質の溶出及び調味
の目的で使用する。このような使用目的から、その使用
量は魚肉すり身100重量部当り2〜10重量部の範
囲、好ましくは7重量%前後である。この範囲より少い
と使用した効果が奏されず、多いと逆に効果が低下する
と同時に塩味が強くなりすぎる。
【0010】水及び牛乳の両者は、各々単独に使用され
または併用される。これらはゼリー状食品を得るととも
に食感の調整の目的で使用する。このような使用目的か
ら、その使用量は、総量で魚肉すり身100重量部当り
200〜800重量部である。この範囲より少ないとゼ
リー様のソフトな食感が得られず、多いとゼリー状にま
とまらずにペースト状となってしまう。
【0011】次に、このような原材料に作用させるべき
トランスグルタミナーゼについて述べる。
【0012】トランスグルタミナーゼには、カルシウム
非依存性のものとカルシウム依存性のものとがある。前
者の例としては、微生物由来のもの(例えば、特開平1
−27471参照)をあげることができる。後者の例と
しては、モルモット肝臓由来のもの(特開平1−503
82参照)、魚由来のもの(例えば、関信夫ら「昭和6
3年度日本水産学会秋季大会講演要旨集」219頁参
照)をあげることができる。この他、遺伝子組替えによ
り製造されるもの等あげられるが、いずれのトランスグ
ルタミナーゼも用いることかでき、起源及び製造等に限
定されることはない。しかし、好ましくは微生物由来の
ものである。
【0013】なお、トランスグルタミナーゼの活性測定
法について付言すると、本発明でいうトランスグルタミ
ナーゼの活性単位は次のようにして測定され、かつ、定
義される。即ち、ベンジルオキシカルボニル−L−グル
タミニルグリシンとヒドロキシアミンを基質として反応
を行い、生成したヒドロキサム酸をトリクロル酢酸存在
下で鉄錯体を形成させた後、525nmの吸光度を測定
し、ヒドロキサム酸の量を検量線により求め、活性を算
出する(前掲特開平1−27471参照)。
【0014】トランスグルタミナーゼの添加量は、魚肉
すり身の蛋白1gあたり0.5〜10ユニットの範囲で
ある。この添加量が0.5ユニット以下ではトランスグ
ルタミナーゼの機能が弱く、ゼリー状食品としての歯ご
たえに欠け、一方、10ユニット以上ではなめらかさが
なくなり、かつ、若干ではあるが離水を伴い、商品価値
が低下する。
【0015】さて、前述の原材料よりなる組成物にトラ
ンスグルタミナーゼを添加混合して酵素反応を行なうに
は、具体的に例えば次のようにして行うことができる。
まず、魚肉すり身に対して食塩を添加し、サイレントカ
ッター、ステファンカッター、らい潰機等の撹拌機に
て、例えば数分間混練する。混練後水または/及び牛乳
を加えてさらに混練する。このように、魚肉すり身に食
塩及び水または/及び牛乳を順次添加混練するのは、徐
々に蛋白質の網目構造を形成させることによって緻密で
均一な食感を得る等の理由より好ましい。
【0016】また、この水または/及び牛乳は、トラン
スグルタミナーゼの添加前と後の2回に分けて加えるの
が、前半は食塩によるゼリー状化が、そして後半はトラ
ンスグルタミナーゼによるゼリー状化が達成可能である
との理由より好ましく、最終的にはすり身の2〜8倍重
量加えられる。すなわち、まず、例えば半量の水または
/及び牛乳を食塩添加後のすり身に対して加え、これを
混練後、トランスグルタミナーゼ及び必要に応じてまた
は所望により調味料や澱粉その他を加えて混練する。つ
いで、水または/及び牛乳の残りの半量を添加し、例え
ば約2分間混練する。
【0017】このようにして得られた高加水すり身生地
をゼリー型容器、ケーシングチューブ等の適当な容器に
充填後、トランスグルタミナーゼの酵素作用を生起させ
るために坐りを行う。この坐りは、通常は5℃にて一夜
または40℃にて1時間程度とするが、採用した温度に
よって時間は選択されるものであり、要するに酵素作用
を生起させ、その効果が奏される程度の温度及び時間の
範囲から選択される。
【0018】坐り後、トランスグルタミナーゼを失活さ
せる。この失活は加熱によることができ、その加熱条件
は高加水すり身生地の重量などによって異なるが、例え
ば生地重量が100〜200g程度ならば、80〜90
℃に40分程度保持することで十分である。
【0019】トランスグルタミナーゼの加熱失活後、例
えば約10℃の冷蔵庫内にて、冷却することによって高
加水すり身生地は固化し、目的のゼリー状食品が得られ
る。冷却は、このように強制冷却によることもできる
が、放冷によってもよい。
【0020】因みに、魚肉すり身は種々の用途に使用さ
れているが、例えば主たる用途である水産練製品を製造
する場合、魚肉すり身100重量部当りの加水量はたか
だか20〜80重量部に過ぎず、本発明におけるように
200〜800重量部という大量の加水を行なう魚すり
身の使用は今までその例をみない。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。もちろん、本発明は本実施例に限定されるもので
はない。
【0022】実施例1 洋上冷凍すけとうすり身を解凍後、サイレントカッター
により空ずりした。これに下記第1表に示す配合例に従
って、食塩を加え2分間混合した。混合後、配合例の水
または/及び牛乳のそれぞれの半量を加え1分間混合し
た。ついで、微生物由来のトランスグルタミナーゼ(比
活性1000ユニット/gトランスグルタミナーゼ)、
調味料(味の素(株)製「ねり味マイルド」、及び澱粉
を加えてから1分間混合した。混合後、水または/及び
牛乳の残りの半量を加え2分間混合した。得られた高加
水すり身生地をゼリー型容器(約100ml容)に充填
してから、坐り処理を40℃で1時間保持して行なっ
た。坐り後、85℃で40分間加熱した。このものを約
10℃の冷蔵庫内にて一夜冷却して、ゼリー状食品を得
た。
【0023】
【表1】
【0024】第1表の配合例に従って製造された各々の
ゼリー状食品の保形成及び離水を官能的に評価した。結
果を下記第2表に示す。
【0025】
【表2】
【0026】第2表より、本発明によれば、離水もおこ
さず、保形性にすぐれ、かつ、なめらかなゼリー状食品
を製造できることが理解される。
【0027】
【発明の効果】魚肉すり身に対し通常の加水よりはるか
に高い加水を行い、この高加水すり身生地にトランスグ
ルタミナーゼを作用させることによって、魚肉すり身か
ら高加水でもゼリー状を呈し、かつ、非常になめらかで
ソフトなのどごしをもつ優れた食感の食品を容易に製造
できる。このゼリー状食品は、これまでにはなかったな
めらかな歯ごたえを有するのみならず、ヘルシーで、か
つ蛋白が供給出来る栄養に優れた食品である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 添田 孝彦 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1番1号 味の素株式会社食品総合研究所内 (72)発明者 中村 吉孝 長崎県長崎市岩川町1の4 株式会社ま るなか本舗内 (56)参考文献 特開 平1−309661(JP,A) 特開 昭59−151866(JP,A) 特開 平4−158765(JP,A) 特開 平2−186961(JP,A) 特開 平2−227057(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23J 3/00 - 3/04 A23C 9/152 A23L 1/325

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 魚肉すり身100重量部と、食塩2〜1
    0重量部と、水又は牛乳100〜400重量部とからな
    る組成物に、魚肉蛋白1g当たり0.5〜10ユニット
    のトランスグルタミナーゼを添加混合して反応させ、更
    に水又は牛乳100〜400重量部を加えて混練した
    後、トランスグルタミナーゼを加熱失活させ、そして冷
    却することを特徴とするゼリー状食品の製造方法。
JP01763293A 1993-02-04 1993-02-04 ゼリー状食品の製造法 Expired - Lifetime JP3270780B2 (ja)

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JP5241431B2 (ja) * 2008-11-06 2013-07-17 株式会社紀文食品 絹がんもおよびその製造方法

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