JP3270780B2 - ゼリー状食品の製造法 - Google Patents
ゼリー状食品の製造法Info
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Description
法、詳しくは魚肉すり身を主原材料とし、これにトラン
スグルタミナーゼを作用させる新規なゼリー状食品の製
造法に関するものである。
ように、多糖類を原料とするものが中心である。食生活
の向上と共に食品の嗜好性の向上が要求され、かつ、食
感は硬いものから柔らかいソフトなものまで、風味は濃
厚なものからマイルドなものまで要求される。また、素
材も加工素材から天然素材まで製造適性や嗜好性に対応
して、幅広く選択できる食品群の提供が業界の課題でも
ある。
ベースとした、ヘルシーなゼリー状食品の開発にあたっ
て、適切な蛋白素材の選定と今までにないソフトな歯ざ
わり(食感)の発現を課題とする。
成すべく鋭意研究を行った結果、ヘルシーな魚肉すり身
を蛋白原料にして、このすり身の高加水物にトランスグ
ルタミナーゼを作用させることによって、ソフトでのど
ごしの良いマイルドな風味を有するゼリー状食品を製造
出来ることを見いだし、この知見に基いて本発明の完成
に至った。
量部、食塩2〜10重量部、及び水または/及び牛乳2
00〜800重量部からなる組成物に、トランスグルタ
ミナーゼを魚肉蛋白1g当り0.5〜10ユニット添加
混合して酵素反応を行った後、トランスグルタミナーゼ
を加熱失活させ、そして冷却することを特徴とするゼリ
ー状食品の製造法に関する。
るべき組成物の原材料について述べる。
は、周知のように、品質の格付けされた種々のすり身が
市販されているが、鮮度の違いにより洋上すり身と陸上
すり身に大別される。本発明においてはこれらいずれの
すり身を用いても差し支えなく、すり身の等級に左右さ
れることはないが、洋上すり身を用いた場合には、すり
身に対する加水比率が高く、しかも色調に優れたゼリー
状食品を得ることができる。
の目的で使用する。このような使用目的から、その使用
量は魚肉すり身100重量部当り2〜10重量部の範
囲、好ましくは7重量%前後である。この範囲より少い
と使用した効果が奏されず、多いと逆に効果が低下する
と同時に塩味が強くなりすぎる。
または併用される。これらはゼリー状食品を得るととも
に食感の調整の目的で使用する。このような使用目的か
ら、その使用量は、総量で魚肉すり身100重量部当り
200〜800重量部である。この範囲より少ないとゼ
リー様のソフトな食感が得られず、多いとゼリー状にま
とまらずにペースト状となってしまう。
トランスグルタミナーゼについて述べる。
非依存性のものとカルシウム依存性のものとがある。前
者の例としては、微生物由来のもの(例えば、特開平1
−27471参照)をあげることができる。後者の例と
しては、モルモット肝臓由来のもの(特開平1−503
82参照)、魚由来のもの(例えば、関信夫ら「昭和6
3年度日本水産学会秋季大会講演要旨集」219頁参
照)をあげることができる。この他、遺伝子組替えによ
り製造されるもの等あげられるが、いずれのトランスグ
ルタミナーゼも用いることかでき、起源及び製造等に限
定されることはない。しかし、好ましくは微生物由来の
ものである。
法について付言すると、本発明でいうトランスグルタミ
ナーゼの活性単位は次のようにして測定され、かつ、定
義される。即ち、ベンジルオキシカルボニル−L−グル
タミニルグリシンとヒドロキシアミンを基質として反応
を行い、生成したヒドロキサム酸をトリクロル酢酸存在
下で鉄錯体を形成させた後、525nmの吸光度を測定
し、ヒドロキサム酸の量を検量線により求め、活性を算
出する(前掲特開平1−27471参照)。
すり身の蛋白1gあたり0.5〜10ユニットの範囲で
ある。この添加量が0.5ユニット以下ではトランスグ
ルタミナーゼの機能が弱く、ゼリー状食品としての歯ご
たえに欠け、一方、10ユニット以上ではなめらかさが
なくなり、かつ、若干ではあるが離水を伴い、商品価値
が低下する。
ンスグルタミナーゼを添加混合して酵素反応を行なうに
は、具体的に例えば次のようにして行うことができる。
まず、魚肉すり身に対して食塩を添加し、サイレントカ
ッター、ステファンカッター、らい潰機等の撹拌機に
て、例えば数分間混練する。混練後水または/及び牛乳
を加えてさらに混練する。このように、魚肉すり身に食
塩及び水または/及び牛乳を順次添加混練するのは、徐
々に蛋白質の網目構造を形成させることによって緻密で
均一な食感を得る等の理由より好ましい。
スグルタミナーゼの添加前と後の2回に分けて加えるの
が、前半は食塩によるゼリー状化が、そして後半はトラ
ンスグルタミナーゼによるゼリー状化が達成可能である
との理由より好ましく、最終的にはすり身の2〜8倍重
量加えられる。すなわち、まず、例えば半量の水または
/及び牛乳を食塩添加後のすり身に対して加え、これを
混練後、トランスグルタミナーゼ及び必要に応じてまた
は所望により調味料や澱粉その他を加えて混練する。つ
いで、水または/及び牛乳の残りの半量を添加し、例え
ば約2分間混練する。
をゼリー型容器、ケーシングチューブ等の適当な容器に
充填後、トランスグルタミナーゼの酵素作用を生起させ
るために坐りを行う。この坐りは、通常は5℃にて一夜
または40℃にて1時間程度とするが、採用した温度に
よって時間は選択されるものであり、要するに酵素作用
を生起させ、その効果が奏される程度の温度及び時間の
範囲から選択される。
せる。この失活は加熱によることができ、その加熱条件
は高加水すり身生地の重量などによって異なるが、例え
ば生地重量が100〜200g程度ならば、80〜90
℃に40分程度保持することで十分である。
えば約10℃の冷蔵庫内にて、冷却することによって高
加水すり身生地は固化し、目的のゼリー状食品が得られ
る。冷却は、このように強制冷却によることもできる
が、放冷によってもよい。
れているが、例えば主たる用途である水産練製品を製造
する場合、魚肉すり身100重量部当りの加水量はたか
だか20〜80重量部に過ぎず、本発明におけるように
200〜800重量部という大量の加水を行なう魚すり
身の使用は今までその例をみない。
する。もちろん、本発明は本実施例に限定されるもので
はない。
により空ずりした。これに下記第1表に示す配合例に従
って、食塩を加え2分間混合した。混合後、配合例の水
または/及び牛乳のそれぞれの半量を加え1分間混合し
た。ついで、微生物由来のトランスグルタミナーゼ(比
活性1000ユニット/gトランスグルタミナーゼ)、
調味料(味の素(株)製「ねり味マイルド」、及び澱粉
を加えてから1分間混合した。混合後、水または/及び
牛乳の残りの半量を加え2分間混合した。得られた高加
水すり身生地をゼリー型容器(約100ml容)に充填
してから、坐り処理を40℃で1時間保持して行なっ
た。坐り後、85℃で40分間加熱した。このものを約
10℃の冷蔵庫内にて一夜冷却して、ゼリー状食品を得
た。
ゼリー状食品の保形成及び離水を官能的に評価した。結
果を下記第2表に示す。
さず、保形性にすぐれ、かつ、なめらかなゼリー状食品
を製造できることが理解される。
に高い加水を行い、この高加水すり身生地にトランスグ
ルタミナーゼを作用させることによって、魚肉すり身か
ら高加水でもゼリー状を呈し、かつ、非常になめらかで
ソフトなのどごしをもつ優れた食感の食品を容易に製造
できる。このゼリー状食品は、これまでにはなかったな
めらかな歯ごたえを有するのみならず、ヘルシーで、か
つ蛋白が供給出来る栄養に優れた食品である。
Claims (1)
- 【請求項1】 魚肉すり身100重量部と、食塩2〜1
0重量部と、水又は牛乳100〜400重量部とからな
る組成物に、魚肉蛋白1g当たり0.5〜10ユニット
のトランスグルタミナーゼを添加混合して反応させ、更
に水又は牛乳100〜400重量部を加えて混練した
後、トランスグルタミナーゼを加熱失活させ、そして冷
却することを特徴とするゼリー状食品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01763293A JP3270780B2 (ja) | 1993-02-04 | 1993-02-04 | ゼリー状食品の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01763293A JP3270780B2 (ja) | 1993-02-04 | 1993-02-04 | ゼリー状食品の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06225704A JPH06225704A (ja) | 1994-08-16 |
JP3270780B2 true JP3270780B2 (ja) | 2002-04-02 |
Family
ID=11949245
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01763293A Expired - Lifetime JP3270780B2 (ja) | 1993-02-04 | 1993-02-04 | ゼリー状食品の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3270780B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006075771A1 (ja) | 2005-01-13 | 2006-07-20 | Ajinomoto Co., Inc. | 食肉加工品又は水産練り製品及びその製造方法 |
JP5241431B2 (ja) * | 2008-11-06 | 2013-07-17 | 株式会社紀文食品 | 絹がんもおよびその製造方法 |
-
1993
- 1993-02-04 JP JP01763293A patent/JP3270780B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06225704A (ja) | 1994-08-16 |
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