JP3268026B2 - トルク感応型可変クラッチ付インパクト式回転工具 - Google Patents

トルク感応型可変クラッチ付インパクト式回転工具

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JP3268026B2
JP3268026B2 JP25050292A JP25050292A JP3268026B2 JP 3268026 B2 JP3268026 B2 JP 3268026B2 JP 25050292 A JP25050292 A JP 25050292A JP 25050292 A JP25050292 A JP 25050292A JP 3268026 B2 JP3268026 B2 JP 3268026B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばインパクトレン
チ等、主軸によって回転されるハンマをアンビルの回転
方向に間欠的に衝突させ、その衝撃エネルギによってア
ンビルひいてはねじ類を回転させるインパクト式回転工
具に関する。なおここでいうねじ類とは螺合して締付け
るものを総称するものであり、狭義のねじのみならずボ
ルトやナット類をも含むものである。
【0002】
【従来の技術】ねじ類を強固に締付けるために、あるい
は強固に締付けられたねじ類をゆるめるために、インパ
クト式回転工具が開発されている。このインパクト式回
転工具は、通常、工具の駆動用モータ(電動モータに限
られず、エアモータ等であってもよい)の出力軸で主軸
を回転させ、その主軸でハンマを回転させる。ハンマは
主軸に対して所定範囲内で軸方向ならびに回転方向に移
動可能となっており、かつアンビルの回転方向にアンビ
ルに衝突可能となっている。このためにハンマがアンビ
ルの回転方向に衝突してアンビルを回転させたあとさら
に主軸が回転すると、ハンマが軸方向に移動してアンビ
ルを乗り越え、改めてハンマが主軸によって回転された
状態で再度アンビルに衝突するという動きが繰返され
る。これによってアンビルにアンビルの回転方向に間欠
的に衝撃エネルギが加えられ、アンビルはそのたび毎に
回転されてゆく。アンビルにはドライバビットやソケッ
トビットが取付けられており、アンビルの回転とともに
ねじ類が回転されてゆく。
【0003】この方式のインパクト式回転工具による
と、衝撃エネルギによってねじ類の締付や締付解除が行
なわれるため、連続的にねじ類を回転させる場合に比し
て、大きな締付力に締上げたり、強固に締付けられてい
るねじ類を緩めたりすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このインパクト式回転
工具の場合、インパクト回数とねじ類の締付力が密接に
関係することから、インパクト回数をカウントしたり、
あるいはインパクトの開始後の時間を管理すること等に
よって締付力の管理が行なわれる。しかしながらインパ
クトの回数や時間で締付力を管理する方式では、締付力
の管理精度が必ずしも充分でない。またインパクト回数
のカウント手段や計時手段が必要となり、工具構造を単
純化し難い。
【0005】また小ねじ類をインパクト式回転工具で締
付けると、インパクトの開始前に過大に締付けられた
り、あるいはねじ切られてしまうという問題も残してい
る。そこで本発明では、大きなねじ類を強固に締付ける
こともできるし、また小ねじ類を適正に締付けることも
でき、さらに締付力の管理精度も高くなる新たなインパ
クト式回転工具を提案するものである。
【0006】
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、ハ
ンマとアンビル間にインパクトが生じ始める前にクラッ
チが切断する状態と、インパクトが生じ始めるまではク
ラッチが切断しない状態との間で調整可能な工具を創り
出した。また請求項に係わる発明では、クラッチを切
断不能状態に切換可能な工具を創り出した。
【0008】
【0009】
【作用】請求項1の発明によると、インパクトが開始す
る以前にクラッチが切断される状態が実現され、この状
態ではトルク管理機構付ノンインパクト式回転工具とな
る。一方インパクト開始後にクラッチが切断される状態
も実現され、この状態ではインパクトの回数とともに締
付力が増大し、所定の締付力に達したときにクラッチが
切断されるというトルク管理機構付インパクト式回転工
具となる。すなわち1台の工具でノンインパクトとイン
パクトが切換え可能となる。また請求項の発明による
と、クラッチが常時接続された状態にでき、従来のイン
パクト式回転工具と同一機能の工具に切換えることが可
能となる。
【0010】
【発明の効果】請求項1の発明によると、機械的構成に
よって締付力管理機能付インパクト式回転工具が得られ
る。すなわちインパクト回数をカウントするための電気
スイッチやその電気スイッチを活用する電気回路等を不
必要とできる。このため工具の製造コストを低減でき
る。また、トルク管理機能付ノンインパクト工具とトル
ク管理機能付インパクトと工具を1台の工具で実現する
こと可能となり、工具の汎用性が大幅に向上する。す
なわち1台の工具で大ねじ類をインパクトして強固に締
付けたり、あるいは小ねじ類をノンインパクトで適正に
締付けたりできる。さらにまた請求項の発明による
と、従来のインパクト式回転工具と全く同等に用いるこ
とも可能となる。
【0011】
【実施例】次の本発明を具現化した第1の実施例を図を
参照して具体的に説明する。図1は本発明をコードレス
電動工具72に利用した第1実施例を示すものであり、
全体は電池70を収容するハンドルハウジング71と上
部ハウジング73が一体成形されたハウジング中に収容
されている。上部ハウジング73の後部には工具駆動用
の電動モータ74が収容されている。電動モータ74の
出力軸75には第1ギヤ76が固定されている。第1ギ
ヤ76には第2ギヤ47が噛合っている。第1ギヤ76
と第2ギヤ47によって減速機構が構成されている。第
2ギヤ47は中間シャフト44のまわりに回転可能とな
っている。
【0012】中間シャフト44はベアリング45とベア
リング102で回転可能に支承されており、図示左側端
部の外周にギヤ歯44b、その右側に拡径部44c(図
2〜4参照)、その右側に延長部44aが形成されてい
る。拡径部44cには直径方向に貫通孔50が形成され
ている。この貫通孔50の断面は軸方向に長孔となって
いる。また延長部44aの図示右側端面からは軸心に沿
って貫通孔50に達する貫通孔44dが形成されてい
る。前記第2ギヤ47は延長部44aのまわりに回転可
能となっている。
【0013】第2ギヤ47の図2〜図4の左端面には直
径方向に2箇所有底の凹部49,49が形成されてい
る。ここにスチールボール48,48が嵌まりこむ。中
間シャフト44の拡径部44cには、中央に貫通孔が形
成された皿状のディスク51が軸方向に移動可能となっ
ている。ディスク51には直径方向に2箇所の切欠5
3,53が形成され、ここにピン52の両端が固定され
ている。ピン52は貫通孔50を貫通して取付けられて
いる。ディスク51が中間シャフト44の軸方向に動く
と、ピン52が貫通孔50中で軸方向に動く。図3と図
5に示すように、ピン52がスチールボール48の側方
に位置した状態ではピン52が長孔状の貫通孔50の図
3の右側に位置している。一方図4と図6に示すように
ピン52がスチールボール48,48を乗り越えるとき
にはピン52が図4の左方に移動してピン52が長孔状
の貫通孔50の左側に移動する。図3,図5に示すよう
に、ピン52がスチールボール48の側方に位置してい
る状態で第2ギヤ47が回転すると、ピン52も回転す
る。この結果中間シャフト44も回転する。一方図4,
図6に示すように、スチールボール48がピン52を左
方に押し出すと、ピン52は回転しない。すなわち第2
ギヤ47が回転してもピン52や中間シャフト44は回
転しない状態となる。このように、スチールボール48
とピン52を主体として、第2ギヤ47と中間シャフト
44をトルク伝達可能状態としたり、トルク伝達不能状
態とするクラッチAが構成されている。
【0014】図1に良く示されているように、上部ハウ
ジング73の略中央部下側には、トルク調整ノブ82が
シャフト83のまわりに回転可能となっている。シャフ
ト83の上端には偏心カム84が固定されている。偏心
カム84の近傍にスライダ85が配置されており、スラ
イダ85は図1の左右方向にスライド可能となってい
る。図2〜4に良く示されているように、スライダ85
の垂直片85aには中心に貫通孔が設けられた円板54
が固定されている。円板54にはベアリング54bによ
ってばね受け54cが周方向に回転可能となっている。
ばね受け54cと皿状のディスク51との間にはばね4
3が圧縮状態で取付けられている。ばね43の内側には
それよりも短くて強いばね42が取付けられている。
【0015】図1は偏心カム84の図示右方への半径が
最小の状態を示しており、この状態ではばね受け54c
は最も左方に位置し、ばね43の圧縮力が最も弱い。こ
のため第2ギヤ47と中間シャフト44間に弱いトルク
が作用するだけでスチールボール48がピン52を左方
に押し出し、第2ギヤ47から中間シャフト44にトル
ク伝達不能状態となる。トルク調整ノブ82を回転さ
せ、偏心カム84の図示右方への半径を大きくしてゆく
と、ばね受け54cは右進しばね43の押付け荷重が増
大する。これに呼応してスチールボール48でピン52
が押し出されてトルク伝達不能となるトルクが増大す
る。トルク調整ノブ82がさらに回されてばね受け54
cが短くて強いばね42を圧縮するようになると、ピン
52を右方に付勢しておく力がさらに強くなり、スチー
ルボール48とピン52で構成されているクラッチAが
切断されるトルクは急激に増大する。そして偏心カム8
4の図示右方向への半径が最大となるように調整される
と、ばね受け54cは最も右側に位置する。このように
なるとばね受け54cと第2ギヤ47間にスチールボー
ル48がピン52を左方に押し出すだけのスペースがな
くなり、ピン52がスチールボール48を乗り越えるこ
とができなくなる。すなわちピン52とスチールボール
48で構成されるクラッチAが切断不能状態となる。
【0016】このようにトルク調整ノブ82と偏心カム
84等によってスチールボール48とピン52間が遊転
を始めるトルク値が調整可能となっており、さらにクラ
ッチAの切断を禁止する状態も実現可能となっている。
なおプッシュロッド81がばね80に付勢されてトルク
調整ノブ82の側方から当接していることによってトル
ク調整ノブ82が不用意に回転しないようになってい
る。
【0017】さてこの実施例では、ピン52がスチール
ボール48で左方に押し出されたときに、電動モータ7
4をオフにする機構が付加されている。次にこれを説明
する。なお図1中21は、工具を回転させるために操作
者が操作するトリガであり、操作者はねじ締め中これを
押し続ける。そして前記の機構により、 (1) トリガ21を押し続けていてもクラッチAが切断さ
れると電動モータ74をオフとし、 (2) 一旦トリガ21をオフとして再度オンとすると、
モータ74に通電が開始されるようになっている。こ
の詳細が図2〜4に示されている。
【0018】図2〜4において、図中10はマイクロス
イッチであり、側方にあるボタン17が押しこまれてい
る限り電動モータ74に通電する。ボタン17は飛出す
側に付勢されている。図中11はマイクロスイッチ10
のホルダであり、マイクロスイッチ10を上部ハウジン
グ73に固定するとともに、後記のセンサピン16を案
内するガイド孔15と、トリガ21の上端21aを案内
する溝20が形成されている。マイクロスイッチ10は
ねじ12でホルダ11に固定されている。
【0019】マイクロスイッチ10には第1弾性片13
が基部13aで固定されている。第1弾性片13は略コ
字状となっており、中間片13bにセンサピン16が取
付けられている。センサピン16は中間シャフト44の
貫通孔44d中に挿入されている。センサピン16には
つば65が設けられており、つば65とホルダ11の一
片11aとの間に圧縮ばね66が挿入されている。これ
によりセンサピン16はピン52に当接するように付勢
されている。第1弾性片13はまわりこんで片13cを
形成しており、片13cはボタン17に対応位置する。
【0020】ホルダ11の支持ピン19に第2弾性片1
8が揺動可能に取付けられている。図2の状態はトリガ
21が操作されていない状態を示し、この状態ではトリ
ガの上端21aは図示の左端位置にあり、ボタン17は
飛出ており、第2弾性片18の先端18eが第1弾性片
13の先端13dを外側から押している。図3はトリガ
21を操作した場合を示しており、トリガ21の上端2
1aが第2弾性片18を押し、第2弾性片18が第1弾
性片13を押し、第1弾性片13がボタン17を押し込
む。これによって電動モータ74への通電が開始され
る。
【0021】図4はスチールボール48がピン52を左
方に押し出したときを示しており、センサピン16が左
方に移動し、第1弾性片13の中間片13bが左方に引
張られ、これにより第1弾性片13の先端13dが第2
弾性片18の先端18eから離れている。このためボタ
ン17が飛出して電動モータ74への通電が停止されて
いる。なおこのときトリガ21の上端21aが図示右方
に位置していることからも理解されるように、トリガ2
1を操作していても電動モータ74の通電は停止され
る。この状態となったあとトリガ21を戻すと、図2の
状態に復帰し、トリガ21の操作によって再通電可能と
なる。このようにして本実施例では、トリガ21を操作
していてもクラッチAが切れるのと同時に電動モータ7
4への通電が切れるようになっている。
【0022】第2ギヤ47が高速で回転していると、セ
ンサピン16は移動し難くなり、クラッチAが切れても
ボタン17が飛出さないといったことが起り易い。しか
しながらこの実施例では第1ギヤ76と第2ギヤ47間
で充分に減速されるためにかかる不都合は生じない。
【0023】次に図1に戻り中間シャフト44よりも先
端側の構造について説明する。中間シャフト44のギヤ
歯44bに第3ギヤ87が噛合っている。第3ギヤ87
の図示左方の端面に3本のシャフト89,89,89が
固定されており、各シャフトにそれぞれ遊星ギヤ90,
90,90が取付けられている。遊星ギヤ90,90,
90は主軸91の太陽ギヤ歯91aと噛合っている。主
軸91はベアリング86とベアリング920とによって
回転可能に支承されている。第3ギヤ87はベアリング
88によって主軸91のまわりに回転可能となってい
る。遊星ギヤ90と内歯ギヤ103と太陽ギヤ91aに
よって増速機構Bが構成されており、主軸91は中間シ
ャフト44よりも高速で回転する。
【0024】主軸91には斜めに溝91bが形成されて
いる。また主軸91のまわりにハンマ93が遊嵌されて
いる。ハンマ93には溝91bに対応する位置に軸方向
に溝93bが形成されている。両溝91b,93b間に
スチールボール92が介装されている。この構成を備え
ていることにより、ハンマ93は主軸91に対し斜めの
溝91bの軸方向の長さ分だけ軸方向に変位できる。ま
た溝91bの回転方向の長さ分だけ回転方向にも変位で
きる。主軸91にはスプリング受け104が嵌挿され、
スプリング受け104とハンマ93間には圧縮ばね10
1が挿入されている。これによりハンマ93は溝91b
の軸方向の長さのうち左側に付勢されている。
【0025】ハンマ93の前方にはアンビル94が軸受
け100によって上部ハウジング73に回転可能となっ
ている。アンビル94の図示右側端面には直径方向に突
条94aが形成されている。一方ハンマ93の図示左側
端面にも突条93aが形成されている。突条94aと9
3aは相互に側面で当接し合う関係におかれている。ハ
ンマ93とアンビル94間に大きなトルクが作用する
と、斜めの溝91bにガイドされて、ハンマ93がばね
101の付勢力に抗して後方にスライドするようになっ
ている。
【0026】このために、ねじ類が締付けられ、アンビ
ル94を回転させる際の抵抗が大きくなると、ハンマ9
3が溝91bとスチールボール92によって図示右方に
移動し、突条93aが突条94aを乗り越えるようにな
る。そして突条93aが突条94aを乗り越えてしまう
と、ハンマ93はばね101によって再度左方に押し出
される。このとき溝91bと93bとスチールボール9
2とによってハンマ93は主軸91によって高速で回転
される。そのために突条94aに突条93aが再度衝突
する。すなわちアンビル94がハンマ93によってアン
ビル94の回転方向に間欠的にインパクトされるように
なる。このため大きな衝撃エネルギがアンビル94に間
欠的に印加されるようになる。
【0027】アンビル94にはスライドカバー96がス
ライド可能となっている。このスライドカバー96はば
ね97によって図示右方に付勢されている。なお98は
ばね97の押え用リングである。スライドカバー96の
内側にはスチールボール95が抜け落ちないように収容
されている。図1はアンビル94にドライバビット99
が取付けられた状態を示しており、スチールボール95
がドライバビット99の溝99aに嵌りこむためにドラ
イバビット99は抜け落ちない。ビットを交換する際に
はスライドカバー96を図示左方に移動させる。すると
スチールボール95が外周方向に移動可能となりドライ
バビット99を抜取ることができる。ナット・ソケット
類を締付けるときには、ドライバビット99に代えてソ
ケットビットを用いる。すなわちビットはねじ類に合せ
て交換できるようになっている。
【0028】さて本実施例では、トルク調整ノブ82に
よってスチールボール48がピン52を最も弱いトルク
で押出す状態に調整されていると、突条93aが突条9
4aを乗り越えるよりも先にスチールボール48がピン
52を押出すようになっている。すなわちインパクトを
開始するよりも先に、主軸91にトルクが伝わらなくな
ってしまう。このためこのときはノンインパクト式のト
ルク調整機構付締付工具と同等の工具となる。
【0029】一方トルク調整ノブ82によって相当に大
きなトルクが作用しないとスチールボール48がピン5
2を押出さない状態とすると、アンビル94を回転させ
るに抗する力が増大してインパクトが開始してもなおス
チールボール48がピン52を押し出さないように調整
できる。
【0030】次にこの工具の好ましい用い方を説明す
る。まず最初にこの工具を用いて小ねじ類を締付けると
きには、トルク調整ノブ82によって弱いトルクでクラ
ッチAが切れる状態とする。するとこのときはインパク
トが開始する前、すなわち小ねじ類が連続的に締付けら
れてゆき適正な締付力となったところでクラッチAが切
れる。このとき電動モータ74も停止する。このため小
ねじ類は適正な締付力に締付けられる。なおこのときド
ライバビット99は増速機構Bによって高速で回転する
ため、高速で締付けられる。
【0031】次にインパクトしすぎると過大に締付けら
れるような中程度の締付トルクのねじ類を締付ける場合
について説明する。このときトルク調整ブ82によっ
てインパクトが開始する状態ではなおクラッチAが切れ
ない状態とする。このようにするとねじ類が締付けられ
てゆきアンビル94の回転に抗する抵抗が強くなると、
ハンマ93がアンビル94をインパクトし始める。イン
パクトが繰返されてねじ類が締付けられてゆき、アンビ
ル94の回転に抗する抵抗が強くなると、そこでクラッ
チAが切断される。このようにして、中程度の締付トル
クのねじ類が適正に締付けられる。なおこのようなねじ
類は、ノンインパクト式工具で締付可能である場合もあ
る。しかしこの工具によるとより高速で回転するインパ
クト式で締付けられることからねじ類は高速で締付けら
れる。なおインパクト式の場合は、ノンインパクトの場
合に比してより高速で、その分低トルク状態で回転させ
ても、衝撃エネルギを利用するためにノンインパクト式
よりも大きなトルクを得ることができる。
【0032】最後に、強固な締付力が必要な場合、例え
ば高張力ボルトを締付ける場合を説明する。このときは
トルク調整ノブ82によって円板54を最大に右進させ
クラッチAを切断不能状態とする。するとこのときは従
前と同等のインパクト式回転工具となり、ねじ類を充分
に強固に締付けることができる。
【0033】次に図8を参照して第2実施例について説
明する。なお第1実施例と同等の部材には同じ番号を付
することによって重複説明を省略する。電動モータ74
の出力軸75には太陽歯車200、遊星歯車201、内
歯歯車202、ピン203、大径ギヤ204aと小径歯
車204bが一体となっている歯車204で構成される
遊星式減速機構が取付けられている。大径ギヤ204a
には第2小径ギヤ207が噛合っており、小径ギヤ20
4bには第2大径ギヤ211が噛合っている。第2大径
ギヤ211と第2小径ギヤ207は中間シャフト205
のまわりに回転可能であり、軸方向にスライド可能とな
っており、かつスペーサ208によって所定間隔におか
れている。第2大径ギヤ211はばね212によって右
方に、第2小径ギヤ207はばね206によって左方に
付勢されている。第2大径ギヤ211と第2小径ギヤ2
07の内側の端面にはそれぞれ複数の凹部211aと凹
部207aが形成されている。中間シャフト205には
直径方向にピン210が固定されている。スペーサ20
8にはスライダ209が係合しており、スライダ209
上部ハウジング73外で操作可能な高←→低切換スイ
ッチで図示左右方向にスライドする。図示の状態は
“低”に切換えられ、第2大径ギヤ211,第2小径ギ
207が右進し、第2大径ギヤ211の端面凹部21
1aにピン210が係合した状態を示している。切換ス
イッチを“高”に切換えると第2大径ギヤ211,第2
小径ギヤ207が左進し、第2小径ギヤ207の端面凹
部207aにピン210が係合する。これにより“高”
に切換えたときに比して“低”に切換えられたときには
中間シャフト205は低速で回転する。
【0034】中間シャフト205の左端部の歯車205
aにはギヤ220が噛合っている。ギヤ220は主軸9
1に遊嵌している。ギヤ220の左端面とクラッチディ
スク221の右端面にはテーパ面で噛合うドクが設けら
れている。クラッチディスク221はピン221aで主
軸91に回り止めされている。クラッチディスク221
はばね222でギヤ220の側に付勢されている。
【0035】上部ハウジング73の前半部はカバー兼ア
ジャスタ230となっており、カバー兼アジャスタ23
0は主軸91の軸心を中心として回転可能となってい
る。アジャスタ230の端面には直径方向2箇所に一定
範囲内で周方向にのびる溝230aが形成されており、
その深さは周方向に段階的に異なっている。この1対の
溝230aにスライダ227の一対の脚227aが嵌ま
りこんでいる。スライダ227は上部ハウジング73に
回りどめされている。スライダ227の右側には中央孔
を有する円板226が固定されている。円板226には
ベアリング224を介して円板223が回転可能となっ
ている。円板223とクラッチディスク221の間には
ばね222が圧縮されている。
【0036】図示の状態はスライダ227に溝230a
の最も深い底面が対応位置した状態を示しており、この
ときは円板223が最も左進し、ギヤ220とクラッチ
ディスク221は最も弱いトルクでトルク伝達不能状態
となる。アジャスタ230を回転させてゆくと溝230
aの深さが減り、円板223は右進し、トルク伝達不能
状態となるときのトルク値は増大する。溝230aの深
さが減り円板223が最も右進すると、ギヤ220とク
ラッチディスク221のドクが分離不能となり、クラッ
チDが切断されなくなる。この第2実施例の構造による
と、アジャスタ230を回転させることによってトルク
感応型クラッチDが切断される際のトルクが調整される
ことになる。このため操作者は容易にトルクを調整する
ことができる。以上2つの実施例を説明したが、本発明
はこれ以外にも種々の適用方法があり得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の全体断面図
【図2】要部拡大図(駆動前)
【図3】要部拡大図(駆動中)
【図4】要部拡大図(過大トルクとなったとき)
【図5】図3に対応する図
【図6】図4に対応する図
【図7】図2のVII −VII 線図
【図8】 第2実施例の全体断面図
【符号の説明】
A:クラッチ 42,43:ばね 44:中間シャフト 47:第2ギヤ 48:スチールボール 49:凹部 51:ディスク 52:ピン 82:トルク調整ノブ 84:偏心カム 91:主軸 93:ハンマ 94:アンビル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B25D 15/02 B25B 23/157

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主軸によって回転されるハンマをアンビ
    ルの回転方向に間欠衝突させることによって該アンビル
    を回転させるインパクト式回転工具であるとともに、
    記ハンマ前記主軸に所定範囲内で軸方向と回転方向に
    相対移動可能となっており、前記ハンマと前記主軸間に
    所定値以上のトルクが作用すると前記ハンマが軸方向に
    移動して該アンビルを乗り越える型式であるインパクト
    式回転工具において、 該主軸と該工具の駆動用モータの出力軸との間に設定値
    以上のトルクが作用すると前記両軸間をトルク伝達不能
    状態とするトルク感応型クラッチを付加するとともに、 前記トルク感応型クラッチがトルク伝達不能状態となる
    前記設定値を可変とする調整機構を付加し、かつ該調整
    機構は、その設定値を、前記ハンマの該アンビルを乗り
    越えるときのトルク値を中心としてそれよりも小さい
    にすることで該工具をノンインパクト式の工具とし、
    大きい値にすることで該工具をインパクト式の工具に切
    換え調整できることを特徴とするトルク感応型可変クラ
    ッチ付インパクト式回転工具。
  2. 【請求項2】 請求項1のトルク感応型可変クラッチ付
    インパクト式回転工具において、前記調整機構によっ
    て、前記トルク感応型クラッチがトルク伝達不能状態と
    なることを禁止する状態に調整可能となっていることを
    特徴とするトルク感応型可変クラッチ付インパクト式回
    転工具。
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