JP3267114B2 - 液晶配向剤および液晶表示素子 - Google Patents

液晶配向剤および液晶表示素子

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JP3267114B2
JP3267114B2 JP23096195A JP23096195A JP3267114B2 JP 3267114 B2 JP3267114 B2 JP 3267114B2 JP 23096195 A JP23096195 A JP 23096195A JP 23096195 A JP23096195 A JP 23096195A JP 3267114 B2 JP3267114 B2 JP 3267114B2
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dianhydride
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polyamic acid
polyimide
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宮本  剛
慶友 保田
安生 松木
晃男 平春
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリイミドを含有
する液晶配向剤および液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶表示素子としては、透明導電
膜が設けられている基板の当該表面にポリイミドなどか
らなる液晶配向膜を形成して液晶表示素子用基板とし、
その2枚を対向配置してその間隙内に正の誘電異方性を
有するネマチック型液晶の層を形成してサンドイッチ構
造のセルとし、当該液晶分子の長軸が一方の基板から他
方の基板に向かって連続的に90度捻れるようにした、
いわゆるTN(Twisted Nematic)型
晶セルを有するTN型液晶表示素子が知られている。ま
た、最近においては、TN型液晶表示素子に比してコン
トラストが高くて、その視角依存性の少ないSTN(S
uper Twisted Nematic)型液晶表
示素子が開発されている。このSTN型液晶表示素子
は、ネマチック型液晶に光学活性物質であるカイラル剤
をブレンドしたものを液晶として用い、当該液晶分子の
長軸が基板間で180度以上にわたって連続的に捻れる
状態となることにより生じる複屈折効果を利用するもの
である。これらTN型液晶表示素子およびSTN型液晶
表示素子における液晶の配向は、通常、ラビング処理が
施された液晶配向膜により発現されるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
液晶表示素子にあっては、電圧を印加したときに発生す
るイオン性電荷が液晶配向膜に吸着されるため、電圧の
印加を解除した後の表示画面に残像を生じ、電圧印加時
と解除時との液晶表示素子の明暗の差が小さくなるため
に十分なコントラストが得られないという問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたも
のである。
【0004】本発明の目的は、良好な配向特性を発現す
ることができるとともに、液晶表示素子において電圧の
印加を解除してから残像が消去されるまでの時間(以
下、「残像消去時間」という。)の短い液晶配向膜を形
成することができる液晶配向剤および液晶表示素子を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶配向剤は、
下記一般式(1)で表される化合物を含有するテトラカ
ルボン酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルメタ
とを反応させて得られる下記一般式(2)で表される
繰り返し単位を有するポリイミド、並びに、γ−ブチロ
ラクトンよりなる溶剤を含有することを特徴とする。
【0006】
【化3】
【0007】
【化4】
【0008】また、本発明の液晶表示素子は、上記の液
晶配向剤から得られる液晶配向膜を有することを特徴と
する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。 <テトラカルボン酸二無水物>本発明で用いられるポリイミドは、上記一般式(1)で
表される化合物(以下、「特定テトラカルボン酸二無水
物」という。)を含有するテトラカルボン酸二無水物を
使用して特定のジアミン化合物と反応させてポリアミッ
ク酸を得、このポリアミック酸を脱水閉環(イミド化反
応)させることにより、合成される。
【0010】特定テトラカルボン酸二無水物を表す一般
式(1)において、R1 、R2 、R3 およびR4 は、そ
れぞれ、水素原子または炭素数1〜6の炭化水素基を示
し、これらの少なくとも1つは炭化水素基とされる。R
1 〜R4 の全てが水素原子である場合には、これをテト
ラカルボン酸二無水物として用いて得られるポリイミド
を用いて調製される液晶配向剤によっては、残像消去時
間の短い液晶配向膜を形成することができない。
【0011】ここで、R1 〜R4 で示される炭化水素基
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基などの脂肪族炭化水素基;
シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基などの脂環式炭化水素基;フェニル基などの芳香族基
を挙げることができる。
【0012】特定テトラカルボン酸二無水物の具体例と
しては、1−メチル−1,2,3,4−シクロブタンテ
トラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,
3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,
3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカ
ルボン酸二無水物、1,4−ジメチル−1,2,3,4
−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3
−トリメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカ
ルボン酸二無水物、1−エチル−1,2,3,4−シク
ロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジエチル
−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無
水物、1,3−ジエチル−1,2,3,4−シクロブタ
ンテトラカルボン酸二無水物、1,4−ジエチル−1,
2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、
1,2,3−トリエチル−1,2,3,4−シクロブタ
ンテトラカルボン酸二無水物、1−プロピル−1,2,
3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,
2−ジプロピル−1,2,3,4−シクロブタンテトラ
カルボン酸二無水物、1,3−ジプロピル−1,2,
3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,
4−ジプロピル−1,2,3,4−シクロブタンテトラ
カルボン酸二無水物、1,2,3−トリプロピル−1,
2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、
1−ブチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカル
ボン酸二無水物、1,2−ジブチル−1,2,3,4−
シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジブ
チル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸
二無水物、1,4−ジブチル−1,2,3,4−シクロ
ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3−トリブ
チル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸
二無水物、1−フェニル−1,2,3,4−シクロブタ
ンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジフェニル−
1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水
物、1,3−ジフェニル−1,2,3,4−シクロブタ
ンテトラカルボン酸二無水物、1,4−ジフェニル−
1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,3−トリフェニル−1,2,3,4−シク
ロブタンテトラカルボン酸二無水物などを挙げることが
でき、これらは単独でまたは2種以上組み合わせて用い
ることができる。
【0013】なお、ポリアミック酸の合成反応に供され
るテトラカルボン酸二無水物として、特定テトラカルボ
ン酸二無水物以外の化合物を、本発明による効果が損な
われない範囲において併用することも可能である。ここ
で、ジアミン化合物との反応に供されるテトラカルボン
酸二無水物に占める特定テトラカルボン酸二無水物の割
合は0.1〜100モル%とされ、好ましくは10〜1
00モル%とされる。
【0014】併用することのできるテトラカルボン酸二
無水物としては、例えばブタンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二
無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボ
ン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペン
チル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボ
ルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒ
ドロフランテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−
ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シク
ロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ
[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−
テトラカルボン酸二無水物などの脂肪族テトラカルボン
酸二無水物;ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,
4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸
二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテ
ルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジ
メチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、
3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカル
ボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボ
ン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシ
フェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’
−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニル
スルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,
3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタ
ル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフ
ィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリ
フェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス
(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニ
ルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水
物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェ
ニルメタン二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘ
キサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−
3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,
3−ジオンなどの芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙
げることができ、これらは単独でまたは2種以上組み合
わされて用いることができる。
【0015】これらのうち、1,2,3,4−シクロブ
タンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シク
ロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−ト
リカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3
a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ
−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2
−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオ
キソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘ
キセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ
[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−
テトラカルボン酸二無水物などが好ましく、特に好まし
くは、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸
二無水物および2,3,5−トリカルボキシシクロペン
チル酢酸二無水物である。
【0016】<ジアミン化合物>ポリアミック酸の合成反応に供されるジアミン化合物と
しては、4,4’−ジアミノジフェニルメタンが単独
で、または他のジアミン化合物と組合せて用いられる。
【0017】ここに、他のジアミン化合物としては、p
−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,
4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ
ジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニル
スルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビ
フェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,
4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノ
ナフタレン、3,3−ジメチル−4,4’−ジアミノビ
フェニル、5ーアミノー1ー(4’ーアミノフェニル)
ー1,3,3ートリメチルインダン、6ーアミノー1ー
(4’ーアミノフェニル)ー1,3,3ートリメチルイ
ンダン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,
3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベ
ンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビ
ス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)
ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベン
ゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒド
ロアントラセン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9
−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−
メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,
5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニ
ル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,
5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−
4,4’−ジアミノビフェニル、1,4.4’−(p−
フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’
−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、
2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロ
メチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパ
ン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオ
ロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ
−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフル
オロビフェニルなどの芳香族ジアミン;ジアミノテトラ
フェニルチオフェンなどのヘテロ原子を有する芳香族ジ
アミン;1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プ
ロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチ
レンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレ
ンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジ
アミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、
1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミ
ン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、
ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレン
ジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7 ]−ウンデ
シレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シ
クロヘキシルアミン)などの脂肪族ジアミンおよび脂環
式ジアミン;下記化学式(1)〜(3)で表される化合
物を挙げることができ、これらは単独でまたは2種以上
組み合わされて用いることができる。
【0018】
【化5】
【0019】<ポリアミック酸>特定テトラカルボン酸二無水物を含有するテトラカルボ
ン酸二無水物と、4,4’−ジアミノジフェニルメタン
とを開環重付加させることにより、ポリアミック酸が合
成される。
【0020】ポリアミック酸の合成反応に供されるテト
ラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の使用割合は、
ジアミン化合物に含まれるアミノ基1当量に対して、テ
トラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量
となる割合が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.
2当量となる割合である。
【0021】ポリアミック酸の合成反応は、有機溶媒中
において、通常0〜150℃、好ましくは0〜100℃
の温度条件下で行われる。ここで、有機溶媒としては、
合成されるポリアミック酸を溶解できるものであれば特
に制限はなく、例えばN−メチル−2−ピロリドン、
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクト
ン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミ
ドなどの非プロトン系極性溶媒;m−クレゾール、キシ
レノール、フェノール、ハロゲン化フェノールなどのフ
ェノール系溶媒を例示することができる。また、有機溶
媒の使用量(a)は、通常、テトラカルボン酸二無水物
およびジアミン化合物の総量(b)が、反応溶液の全量
(a+b)に対して0.1〜30重量%になるような量
であることが好ましい。
【0022】なお、前記有機溶媒には、ポリアミック酸
の貧溶媒であるアルコール類、ケトン類、エステル類、
エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類など
を、生成するポリアミック酸が析出しない範囲で併用す
ることができる。斯かる貧溶媒の具体例としては、例え
ばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピル
アルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエ
チル、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエ
ーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレン
グリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコー
ル−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−
ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテ
ル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジ
エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリ
コールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、1,2−ジ
クロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエ
タン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ンなどを挙げることができる。
【0023】以上のようにして、ポリアミック酸を溶解
してなる反応溶液が得られる。そして、この反応溶液を
大量の貧溶媒中に注いで析出物を得、この析出物を減圧
下乾燥することによりポリアミック酸を得ることができ
る。また、このポリアミック酸を再び有機溶媒に溶解さ
せ、次いで貧溶媒で析出させる工程を1回または数回行
うことにより、ポリアミック酸を精製することができ
る。
【0024】以上のようにして得られるポリアミック酸
は、その対数粘度(ηln)の値が通常0.05〜10
dl/g、好ましくは0.05〜5dl/gである。本
発明における対数粘度(ηln)の値は、N−メチル−
2−ピロリドンを溶媒として用い、濃度が0.5g/1
00ミリリットルである溶液について30℃で粘度の測
定を行い、下記数式によって求められるものである。
【0025】
【数1】
【0026】<ポリイミド> 本発明のポリイミドは、上記のポリアミック酸を加熱す
ることにより、または、ポリアミック酸を有機溶媒に溶
解し、この溶液中に脱水剤およびイミド化触媒を添加し
必要に応じて加熱することにより、脱水閉環(イミド化
反応)させて合成される。
【0027】上記のイミド化反応において、ポリアミッ
ク酸を加熱する方法における反応温度は、通常60〜2
50℃とされ、好ましくは100〜170℃とされる。
反応温度が60℃未満ではイミド化反応が十分に進行せ
ず、反応温度が250℃を超えると得られるポリイミド
の分子量が低下することがある。
【0028】一方、上記のイミド化反応において、ポリ
アミック酸の溶液中に脱水剤およびイミド化触媒を添加
する方法における脱水剤としては、例えば無水酢酸、無
水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物
を用いることができる。脱水剤の使用量は、ポリアミッ
ク酸の繰り返し単位1モルに対して1.6〜20モルと
するのが好ましい。また、イミド化触媒としては、例え
ばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミンな
どの第3級アミンを用いることができるが、これらに限
定されるものではない。また、イミド化触媒の使用量
は、使用する脱水剤1モルに対して0.5〜10モルと
するのが好ましい。なお、脱水閉環の反応に用いられる
有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられる
ものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。そ
して、脱水閉環の反応温度は、通常0〜180℃、好ま
しくは60〜150℃とされる。また、このようにして
得られる反応溶液に対し、ポリアミック酸の精製方法と
同様の操作を行うことにより、ポリイミドを精製するこ
とができる。
【0029】上記の反応によって得られるポリイミド
は、その対数粘度(ηln)の値が通常0.05〜10
dl/g、好ましくは0.05〜5dl/gである。
【0030】<液晶配向剤> 本発明の液晶配向剤は、上記のポリイミドが有機溶媒中
に溶解含有されて構成される。この液晶配向剤を構成す
る有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成反応に用い
られるものとして例示した溶媒のうち、γ−ブチロラク
トンが用いられる。
【0031】本発明の液晶配向剤におけるポリイミド
濃度は、粘性、揮発性などを考慮して選択されるが、好
ましくは1〜10重量%の範囲とされる。すなわち、本
発明の液晶配向剤は、基板表面に塗布され、液晶配向膜
となる塗膜が形成されるが、濃度が1重量%未満である
場合には、この塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配
向膜を得ることができず、濃度が10重量%を超える場
合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜を
得ることができず、また、液晶配向剤の粘性が増大して
塗布特性が劣るものとなる。
【0032】本発明の液晶配向剤に用いられるポリイミ
は、分子量が調節された末端修飾型のものであっても
よい。この末端修飾型のポリイミドを用いることによ
り、本発明の効果が損われることなく液晶配向剤の塗布
特性などを改善することができる。このような末端修飾
型のものは、ポリアミック酸を合成する際に、酸−無水
物やモノアミン化合物を反応系に添加することにより合
成することができる。
【0033】ここで、酸−無水物としては、例えば無水
マレイン酸、無水フタル酸、無水ナジック酸などを挙げ
ることができ、また、モノアミン化合物としては、例え
ばアニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミ
ン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘ
プチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミ
ン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ド
デシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシ
ルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシル
アミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルア
ミン、n−エイコシルアミンなどを挙げることができ
る。
【0034】本発明の液晶配向剤には、ポリイミドの基
板表面に対する接着性を向上させる観点から、官能性シ
ラン含有化合物が含有されていてもよい。斯かる官能性
シラン含有化合物としては、例えば3−アミノプロピル
トリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシ
シラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−
アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノ
エチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N
−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジ
メトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシ
ラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−
エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピル
トリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピル
トリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロ
ピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリ
ル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシ
シリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキ
シシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリ
エトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N
−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシ
シラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)
−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどを挙げる
ことができる。
【0035】<液晶表示素子> 本発明の液晶配向剤を用いて得られる液晶表示素子は、
例えば次の方法によって製造することができる。
【0036】(1)パターニングされた透明導電膜が設
けられている基板の一面に、本発明の液晶配向剤を例え
ばロールコーター法、スピンナー法、印刷法などの方法
によって塗布し、次いで、塗布面を加熱することにより
塗膜を形成する。ここに、基板としては、例えばフロー
トガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエー
テルスルホン、ポリカーボネートなどのプラスチックか
らなる透明基板を用いることができる。基板の一面に
けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO2 )か
らなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化イン
ジウム−酸化スズ(In23 −SnO2)からなるI
TO膜などを用いることができ、これらの透明導電膜の
パターニングには、フォト・エッチング法や予めマスク
を用いる方法などが用いられる。液晶配向剤の塗布に際
しては、基板表面および透明導電膜と塗膜との接着性を
さらに良好にするために、基板の該表面に、官能性シラ
ン含有化合物、官能性チタン含有化合物などを予め塗布
することもできる。また、加熱温度は80〜250℃と
され、好ましくは120〜200℃とされる。形成され
塗膜の膜厚は、通常0.001〜1μmであり、好ま
しくは0.005〜0.5μmである。
【0037】(2)形成された塗膜面を、例えばナイロ
ン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻き付
けたロールで一定方向に擦るラビング処理を行う。これ
により、液晶分子の配向能が塗膜に付与されて液晶配向
膜となる。
【0038】また、本発明の液晶配向剤により形成され
た液晶配向膜に、例えば特開平6−222366号公報
や特開平6−281937号公報に示されているよう
な、紫外線を部分的に照射することによってプレチルト
角を変化させるような処理、あるいは特開平5−107
544号公報に示されているような、ラビング処理を施
した液晶配向膜表面にレジスト膜を部分的に形成し、先
のラビング処理と異なる方向にラビング処理を行った後
にレジスト膜を除去して、液晶配向膜の配向能を変化さ
せるような処理を行うことによって、液晶表示素子の視
界特性を改善することが可能である。
【0039】(3)上記のようにして液晶配向膜が形成
された基板を2枚作製し、それぞれの液晶配向膜におけ
るラビング方向が直交または逆平行となるように、2枚
の基板を、間隙(セルギャップ)を介して対向配置し、
2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基
板表面およびシール剤により区画されたセルギャップ内
に液晶を注入充填し、注入孔を封止して液晶セルを構成
する。そして、液晶セルの外表面、すなわち、液晶セル
を構成するそれぞれの基板の他面側に、偏光板を、その
偏光方向が当該基板の一面に形成された液晶配向膜のラ
ビング方向と一致または直交するように貼り合わせるこ
とにより、液晶表示素子が得られる。
【0040】ここに、シール剤としては、例えば硬化剤
およびスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有す
るエポキシ樹脂などを用いることができる。液晶として
は、ネマティック型液晶およびスメクティック型液晶を
挙げることができ、その中でもネマティック型液晶が好
ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、
ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エ
ステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロ
ヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液
晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用
いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレ
スチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステ
リルカーボネートなどのコレステリック型液晶や商品名
「C−15」「CB−15」(メルク社製)として販売
されているようなカイラル剤などを添加して使用するこ
ともできる。さらに、p−デシロキシベンジリデン−p
−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電
性液晶も使用することができる。また、液晶セルの外表
面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコ
ールを延伸配向させながら、ヨウ素を吸収させたH膜と
称される偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板
またはH膜そのものからなる偏光板を挙げることができ
る。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるも
のではない。なお、以下の実施例および比較例におい
て、液晶表示素子における残像消去時間および液晶の配
向性についての評価方法は、以下のとおりである。
【0042】〔残像消去時間〕 液晶表示素子に10Vの直流電圧を1時間印加した後、
当該電圧の印加を解除し、表示画面を目視により観察し
て、電圧の印加を解除してから画面上の残像が消去され
るまでの時間を測定した。
【0043】〔液晶の配向性〕 液晶表示素子に電圧をオン・オフ(印加・解除)したと
きの異常ドメインの有無を偏光顕微鏡で観察し、異常ド
メインのない場合を「良好」と判定した。
【0044】(合成例1) 1,3−ジメチルシクロブタン−1,2,3,4−テト
ラカルボン酸二無水物12.18g(特定テトラカルボ
ン酸二無水物,54.30ミリモル)と1,3,3a,
4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−
2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−
c]−フラン−1,3−ジオン16.30g(54.3
0ミリモル)と4,4’−ジアミノジフェニルメタン2
1.52g(108.58ミリモル)とを、N−メチル
−2−ピロリドン450gに溶解させ、60℃で6時間
反応させた。次いで、反応溶液を大過剰のメチルアルコ
ールに注いで反応生成物を沈澱させた。その後、メチル
アルコールで洗浄し、減圧下40℃で15時間乾燥させ
ることにより、対数粘度が1.00dl/gであるポリ
アミック酸〔これを「ポリアミック酸(a)」とす
る。〕36.62gを得た。
【0045】(合成例2) 合成例1で得られたポリアミック酸(a)25.00g
をN−メチル−2−ピロリドン450gに溶解し、この
溶液にピリジン8.59gと、無水酢酸11.08gと
を添加し、115℃で4時間加熱することにより脱水閉
環反応させた。次いで、反応生成液を合成例1と同様に
して沈澱および乾燥させ、対数粘度が1.00dl/g
であるポリイミド〔これを「ポリイミド(a)」とす
る。〕14.47gを得た。
【0046】(合成例3) 1,3−ジメチルシクロブタン−1,2,3,4−テト
ラカルボン酸二無水物12.40g(特定テトラカルボ
ン酸二無水物,55.38ミリモル)と1,3,3a,
4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−
2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−
c]−フラン−1,3−ジオン16.60g(55.3
8ミリモル)とp−フェニレンジアミン5.38g(5
9.76ミリモル)と4,4’−ジアミノジフェニルメ
タン9.86g(59.76ミリモル)と上記化学式
(1)で表されるジアミン化合物5.76g(11.0
6ミリモル)とを、N−メチル−2−ピロリドン450
gに溶解させて60℃で6時間反応させたこと以外は合
成例1と同様にして、対数粘度が1.10dl/gであ
ポリアミック酸〔これを「ポリアミック酸(b)」
する。〕38.84gを得た。次いで、ポリアミック酸
(a)に代えてポリアミック酸(b)を使用したこと以
外は合成例2と同様にして、対数粘度が1.10dl/
gであるポリイミド〔これを「ポリイミド(b)」とす
る。〕17.95gを得た。
【0047】(比較合成例1) ピロメリット酸二無水物26.20g(120.06ミ
リモル)と4,4’−ジアミノジフェニルメタン23.
80g(120.06ミリモル)とを、N−メチル−2
−ピロリドン450gに溶解させ、60℃で6時間反応
させたこと以外は合成例1と同様にして、対数粘度が
1.10dl/gである比較用のポリアミック酸〔これ
を「ポリアミック酸(x)」とする。〕36.06gを
得た。
【0048】(比較合成例2) 1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水
物24.86g(126.76ミリモル)と4,4’−
ジアミノジフェニルメタン25.14g(126.76
リモル)とを、N−メチル−2−ピロリドン450gに
溶解させ、60℃で6時間反応させたこと以外は合成例
1と同様にして、対数粘度が1.20dl/gである比
較用のポリアミック酸〔これを「ポリアミック酸
(y)」とする。〕45.38gを得た。次いで、ポリ
アミック酸(a)に代えてポリアミック酸(y)を使用
したこと以外は合成例2と同様にして、対数粘度が1.
20dl/gである比較用のポリイミド〔これを「ポリ
イミド(x)」とする。〕18.05gを得た。
【0049】(比較合成例3) 1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水
物32.22g(164.28ミリモル)とp−フェニ
レンジアミン17.78g(162.28ミリモル)と
を、N−メチル−2−ピロリドン450gに溶解させ、
60℃で6時間反応させたこと以外は合成例1と同様に
して、対数粘度が1.26dl/gである比較用のポリ
アミック酸〔これを「ポリアミック酸(z)」とす
る。〕42.56gを得た。
【0050】〔実施例1〕 (1)液晶配向剤の調製: 合成例2で得られたポリイミド(a)をγ−ブチロラク
トンに溶解させて固形分濃度4重量%の溶液とし、この
溶液を孔径1μmのフィルターで濾過して本発明の液晶
配向剤を調製した。
【0051】(2)液晶表示素子の作製: 厚さ1mmのガラス基板の一面に設けられたITO
膜からなる透明導電膜上に、上記のようにして調製され
た本発明の液晶配向剤をスピンナーを用いて塗布し、1
80℃で1時間乾燥することにより乾燥膜厚800Åの
塗膜を形成した。
【0052】 形成された塗膜面を、ナイロン製の布
を巻き付けたロールを有するラビングマシーンを用いて
ラビング処理を行うことにより、液晶配向膜を作製し
た。ここに、ラビング処理条件は、ロールの回転数50
0rpm、ステージの移動速度1cm/秒とした。
【0053】 上記のようにして液晶配向膜が形成さ
れた基板を2枚作製し、それぞれの基板の外縁部に、直
径17μmの酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹
脂系接着剤をスクリーン印刷法により塗布した後、それ
ぞれの液晶配向膜におけるラビング方向が逆平行となる
ように2枚の基板を間隙を介して対向配置し、外縁部同
士を当接させて圧着して接着剤を硬化させた。
【0054】 基板の表面および外縁部の接着剤によ
り区画されたセルギャップ内に、ネマティック型液晶
「MLC−2001」(メルク社製)を注入充填し、次
いで、注入孔をエポキシ系接着剤で封止して液晶セルを
構成した。その後、液晶セルの外表面に、偏光方向が当
該基板の一面に形成された液晶配向膜のラビング方向と
一致するように偏光板を貼り合わせることにより、液晶
表示素子を作製した。
【0055】 上記のようにして作製された液晶表示
素子は、電圧を印加および解除したときにおいて異常ド
メインは認められず、液晶の配向性は良好であった。ま
た、液晶表示素子の残像消去時間は0.35秒間ときわ
めて短いものであった。
【0056】〔実施例2〕 ポリイミド(a)に代えて、合成例3で得られたポリイ
ミド(b)を使用したこと以外は実施例1と同様にし
て、液晶配向剤を調製し液晶表示素子を作製した。作製
された液晶表示素子は、電圧を印加および解除したとき
において異常ドメインは認められず、液晶の配向性は良
好であった。また、液晶表示素子の残像消去時間は0.
33秒間ときわめて短いものであった。
【0057】〔比較例1〕 ポリイミド(a)に代えて、比較合成例1で得られたポ
リアミック酸(x)を使用したこと以外は実施例1と同
様にして、液晶配向剤を調製し液晶表示素子を作製し
た。作製された液晶表示素子は、電圧を印加および解除
したときにおいて異常ドメインは認められず、液晶の配
向性は良好であったが、液晶表示素子の残像消去時間は
16秒間であり、残像が消去されるまでに長い時間を要
した。
【0058】〔比較例2〕 ポリイミド(a)に代えて、比較合成例2で得られたポ
リアミック酸(y)を使用したこと以外は実施例1と同
様にして、液晶配向剤を調製し液晶表示素子を作製し
た。作製された液晶表示素子は、電圧を印加および解除
したときにおいて異常ドメインは認められず、液晶の配
向性は良好であったが、液晶表示素子の残像消去時間は
12秒間であり、残像が消去されるまでに長い時間を要
した。
【0059】〔比較例3〕 ポリイミド(a)に代えて、比較合成例2で得られたポ
リイミド(x)を使用したこと以外は実施例1と同様に
して、液晶配向剤を調製し液晶表示素子を作製した。作
製された液晶表示素子は、電圧を印加および解除したと
きにおいて異常ドメインは認められず、液晶の配向性は
良好であったが、液晶表示素子の残像消去時間は12秒
間であり、残像が消去されるまでに長い時間を要した。
【0060】〔比較例4〕 ポリイミド(a)に代えて、比較合成例3で得られたポ
リアミック酸(z)を使用したこと以外は実施例1と同
様にして、液晶配向剤を調製し液晶表示素子を作製し
た。作製された液晶表示素子は、電圧を印加および解除
したときにおいて異常ドメインは認められず、液晶の配
向性は良好であったが、液晶表示素子の残像消去時間は
10秒間であり、残像が消去されるまでに長い時間を要
した。
【0061】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、良好な
配向特性を有するとともに、液晶表示素子における残像
消去時間の短い液晶配向膜を形成することができる液晶
配向剤を提供することができる。
【0062】請求項2に記載の発明によれば、残像消去
時間の短い液晶表示素子を提供することができる。
【0063】本発明の液晶配向剤により形成される液晶
配向膜は、TN型液晶表示素子およびSTN型液晶表示
素子のみならずSH(Super Homeotrop
ic)型液晶表示素子など種々の液晶表示素子を構成す
るために好適に使用することができる。また、当該液晶
配向膜を備えた液晶表示素子は、液晶の配向性および信
頼性にも優れ、種々の装置に有効に使用することがで
き、例えば卓上計算機、腕時計、置時計、計数表示板、
ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、液晶テレ
ビなどの表示装置として好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平春 晃男 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−341292(JP,A) 特開 平4−106127(JP,A) 特開 平3−153786(JP,A) 特開 平7−287237(JP,A) 米国特許4431791(US,A) 米国特許4413115(US,A) 米国特許4410658(US,A) 米国特許4384071(US,A) 米国特許4366304(US,A) 米国特許4358579(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1337 525 C08L 79/00 - 79/08 C08G 73/00 - 73/26 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される化合物を含
    有するテトラカルボン酸二無水物と4,4’−ジアミノ
    ジフェニルメタンとを反応させて得られる下記一般式
    (2)で表される繰り返し単位を有するポリイミド、並
    びに、γ−ブチロラクトンよりなる溶剤を含有する液晶
    配向剤。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の液晶配向剤から得られ
    る液晶配向膜を有することを特徴とする液晶表示素子。
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