JP3266200B2 - 窒化珪素基焼結体 - Google Patents

窒化珪素基焼結体

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JP3266200B2 JP00364190A JP364190A JP3266200B2 JP 3266200 B2 JP3266200 B2 JP 3266200B2 JP 00364190 A JP00364190 A JP 00364190A JP 364190 A JP364190 A JP 364190A JP 3266200 B2 JP3266200 B2 JP 3266200B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は,窒化珪素基焼結体に関し,更に詳しくいえ
ば靭性等の本質的特性を低下させることなく耐摩耗性を
向上させた窒化珪素基焼結体に関する。本発明は,切削
工具,耐摩耗部品及び摺動部品等に利用される。
〔従来の技術〕
従来の窒化珪素焼結体としては,耐摩耗性を向上させ
るために,表面に高硬度又は耐摩耗性に優れるセラミッ
ク材料を被覆したものが知られている(特公昭63−1278
号公報)。
また,他の窒化珪素焼結体において,母材の改良とし
て高硬度のα−窒化珪素粒を強靭性のβ−窒化珪素粒中
に分散させたものも知られている(特開昭58−185484号
公報)。
[発明が解決しようとする課題] 上記前者の焼結体においては,被覆セラミック材と窒
化珪素母材との熱膨張又は化学的親和性の相違という問
題により,十分な接着強度が得られにくく,更に費用も
かかり経済性にも問題があり,ほとんど実用化されてい
ない。
上記後者の焼結体は,両相を全体に均一に含むので,
その割合により性能が変化するものであり,その各性能
を十分に発揮できない。即ち一方の性能を十分に高めよ
うとすると,他方の性能を犠牲にせざるをえず,高々そ
の中間性能を示すに過ぎない。
本発明は,上記観点に鑑みてなされたものであり,表
面を改質して耐摩耗性に優れた表面部を形成させて表面
部及び内部の材質特性を十分に発揮させた従来になく優
れた窒化珪素基焼結体を提供することを目的としてい
る。
本発明者は,焼結体の耐摩耗性を改善する手段とし
て,表面の改質を種々検討した結果,以下の知見を見出
して本発明を完成したものである。
本発明の第1の視点によれば,一体に形成された表面
部と内部とから成り,内部は窒化珪素,サイアロンの一
種以上を主体とし,表面部は内部に比べ窒化珪素及びサ
イアロン結晶粒子が30vol%以上少ないことを特徴とす
る窒化珪素基焼結体により,上記課題は解決される。
本発明の第2の視点によれば,一体に形成された表面
部と内部とから成る窒化珪素基焼結体において,粒界相
の一部又は全てを形成する結晶質化合物の,表面部に対
する内部の含有量比が,X線ピーク強度比法にて0.5未満
であることにより,上記課題は解決される。
本発明の第3の視点によれば,粒界相の一部又はすべ
てを形成する結晶質化合物は,表面部において,Si3N4
びサイアロン粒子の含有量に対し最高X線強度比法にて
0.3以上含有されていることにより,第1及び第2の視
点に対し,さらに改良される。
本発明の第4の視点によれば,上記第2の視点におい
て,表面部の前記「粒界相を形成する結晶質化合物」は
メリライトである。
本発明の第5の視点によれば,第3の視点において,
表面部の前記「粒界相を形成する結晶質化合物」はメリ
ライトである。
以下の好適な態様において,本発明の効果が良く発揮
される。第1の視点において,粒界相はガラス相の場
合,又は粒界相の一部又は全てが結晶化される場合,が
ある。Y2O3を含まない(或いは少い)場合,表面部の粒
界相は,第3相を除きガラス相が主となる。結晶化の処
理を施さない場合も,表面部の粒界相にはガラス相が残
る。この粒界相に含まれる結晶相Si3N4−Y2O3基の化合
物(Si3N4−nY2O3−mX)は,メリライト相(「M相」と
も略称する),J相,K相,H相,A相又はこれらの混合相であ
る。これらの相は次の通りのものを言う。
M相(mellilite)Si3Y2O3N4(Si3N4−Y2O3) J相(wohlerite)Si2Y4O7N2(Si2N2O−2Y2O3) K相(wollastonite)SiYO2N(Si3N4−2Y2O3−SiO2) H相(apatite)Si7Y10O N4(Si3N4−5Y2O3−4Si
O2) A相( − )Si3Y10Al2O N4(Si3N4−5Y2O3−Al2O
3) 要約すると次式で表わされる。
Si3N4−nY2O3−mX(n=1〜5,X=SiO2,Al2O3,m=0〜4) 即ち,被削材又は相手材のほとんどは鉄系の合金が多
く,これに対して窒化珪素の主構成元素であるSiは化学
的親和性が高いために,耐摩耗性が劣ることを見出し
た。ここで,窒化珪素の焼結は,従来より窒化珪素の分
解揮発を防ぐ工夫がなされていた。本発明は,逆にこの
分解揮発を利用し,表面部の窒化珪素成分のSi含有量の
内部に対する減少率を所定値以上とした窒化珪素基焼結
体が,靭性等を低下させることなく耐摩耗性を向上させ
るという知見を得たことから出発する。
なお、後述のSi減少率は,下記の式により算出され
る: Si減少率=[(内部Si含有量(重量)− 表面部Si含有量(重量))/ 内部Si含有量(重量)]×100 第1視点の窒化珪素基焼結体は,その表面部のSi3N4
及びサイアロン粒子減少率が内部と比べて30vol%以上
であり,その内部はSi3N4の気化がなくそのままである
ので,表面部の耐摩耗性に優れるという性質と内部の高
靭性等という本質的特性が十分に発揮される。即ち,本
焼結体では,従来のように両性質の中間的特性を示すも
のではない。従って,本焼結体では,その表面改質によ
り,内部の本質的特性を低下させることなく耐摩耗性を
向上させることができる。
また,表面部と内部は一体のため,両者間の接合強度
が高く剥離することもない。
このSi3N4及びサイアロン粒子減少率を30vol%以上と
するのは,30vol%未満ではその効果が十分でなく,それ
以上の場合は靭性等に優れるという内部の特性を低下さ
せることなく耐摩耗性を向上させることができるからで
ある。尚,この減少率は50vol%以上が好ましい。この
場合は耐摩耗性が一層向上するからである。また,表面
部のSi3N4及びサイアロン粒子がほとんどなくなっても
よく,この場合は耐摩耗性がより一層向上するが,面粗
度が低下するので,脆い化合物が生成しない範囲にする
のが好ましい。
本窒化珪素基焼結体は通常,窒化珪素を主体とするも
のであるが,これに限らずサイアロンであってもよい。
この窒化珪素又はサイアロンとしても,α−,β型を問
わず,目的,用途により選択され,更にそれらの混合で
あってもよい。窒化珪素等以外の成分としては,粒界相
構成成分又は粒界相以外の第3成分とすることができ
る。粒界相構成成分は,ガラス相のみであってもよい
し,ガラス相以外に種々の結晶相を含んでもよう。第3
成分としては,例えば耐摩耗性,靭性向上に有効な成分
とすることができる。このものとしては,例えば,周期
律表第IV a,V a,VI a族遷移金属の炭化物,窒化物及び
酸化物,並びにこれら2種以上の固溶体のうちの1種若
しくは2種以上等を用いることができる。これらの第3
成分は粒状でもよいし針状(例えばウイスカー)又は繊
維状であってもよい。一般的に粒状分散粒子は硬度の向
上に,あるいは粒成長抑制効果からくる靭性の向上に効
果がある。又針状あるいは繊維状分散成分は靭性向上に
著しい効果がある。尚,この第3成分化合物は,焼結体
の靭性を低下させないために,30重量%以下が好まし
い。
内部とは,表面部を除いた部分であり,本窒化珪素基
焼結体の主要部となり,本焼結体の本質的特性を示す部
分である。この内部は,Si3N4が分解揮発除去(以下,気
化という)されないので,上記窒化珪素等及び粒界相構
成成分更には上記第3成分がそのままで構成される。
表面部は,Si3N4が気化されてSi含有量が減少した分,S
i3N4,サイアロン以外の成分が残存し,その成分の相対
的含有率が向上した部分である。表面部の厚さは,目
的,用途及び製造方法等により異なるが,通常,数μm
〜0.1mm程度であるが,場合により約1mmにも達する。
尚,本焼結体においては,表面部と内部の境界において
上記組成比が急に変わらない場合即ち連続的に変わる場
合も含まれ,このように少なくとも所定の組成比をもつ
表面部と所定の組成比もつ内部とをもつものであればよ
い。
本焼結体は表面のSi3N4分を気化させた焼肌にて通常
使用されるので,気化に伴う面粗度の悪化には注意をす
る必要がある。従って,この面粗度は12.5S(JIS B
0601)以下にするのが好ましい。特に,面粗度を重視す
る用途の場合は,粒界相形成成分が残留し表面を覆うの
が好ましい。
本発明の諸視点に共通して,次の事が成立つ。
即ち,(1)表面部において,内部よりも粒界相が実
質的に多いこと,及び(2)(粒界相がガラス相である
場合を除き)表面部において内部よりも粒界相の結晶化
度が高いこと,この両者の相乗効果により,耐摩耗性が
極めて向上する。第1〜3の視点に規定される特徴によ
り,耐摩耗性向上に有効な範囲が決められる。
粒界相が結晶質を含む場合,表面粒界相をなす結晶質
化合物のうちメリライトが好ましい。即ち,表面部の粒
界相をSi3N4・Y2O3正方晶化合物(以下,メリライトと
いう)を主として結晶化させかつ内部と比べて多く含有
させると耐摩耗性が極めて向上することを見出した。
更に,被削材又は相手材のほとんどは鉄系の合金が多
く,これに対して窒化珪素の主構成元素であるSiは化学
的親和性が高いために,耐摩耗性が劣り,そのためSi3N
4に比べてSiが少ない分だけその反応が少なくなり,耐
化学的安定性が向上し,ひいては耐摩耗性が向上するこ
とを見出した。ただし,上記メリライト等の粒界相結晶
質Si3N4−Y2O3基化合物が内部にも多く晶出すると,室
温における靭性が低下してしまうので,粒界相結晶質は
表面部に多く内部に少なく存在させることが重要であ
る。
以上の観点より,本発明はなされたものであり,第1
の観点において,Si3N4及びサイアロン結晶粒子が,表面
部において内部よりも30vol%以上少ないとするが,こ
の差が30vol%未満では,十分な表面改質効果(耐摩耗
性増大)が生じない。
第2の視点において,粒界相結晶質化合物が表面部に
おいて,その内部に対する含有量比がX線ピーク強度比
法にて,0.5以上になると,十分な表面改質効果が顕われ
ない。
第3の視点において,粒界相結晶質化合物が,表面部
において,Si3N4及びサイアロン結晶粒子の含有量に比
し,最高X線強度比法にて0.3以上あると,第2の視点
において,耐摩耗性改善のため一層好ましい。
基体となる焼結体は,通常,一般的な常圧焼結法によ
り製造されるが,ガス圧焼結法又は熱間静水圧焼結法
(HIP法)により製造することもできる。焼結雰囲気
は,基本的には窒素を含有した雰囲気で行うことが必要
で,表面部のSi3N4及び/又はサイアロン結晶粒子の減
少の仕方の一例として圧力は窒化珪素が適当量気化する
条件であればよく,減圧から数千気圧まで変化させるこ
とができる。焼結温度は,通常,1550〜1800℃の範囲を
用い,好ましくは1600〜1750℃である。
本焼結体の製造方法は,例えば,次の如くして行うこ
とができる。
まず,窒化珪素粉末,所定の焼結助剤等を所定組成に
配合し,混合,粉砕する。焼結助剤としては,窒化珪素
の常圧焼結(ガス圧焼結,HIP焼結も含む)用の助剤であ
ればよく,好ましくはSi元素を含まないものがよい。こ
のものとして,例えばAl2O,Y2O3,AlN,MgO若しくはCaO,
又はY2O3等の希土類酸化物等がある。この素地は,必要
形状に加圧成形され焼結される。この焼結時において,
表面のSi3N4を気化させる方法としては,例えば,窒素
分圧,Si分圧を下げたり,還元雰囲気を用いたりするこ
とができる。
典型的には,出発原料粉末素地は次の如く調整され
る。
Si3N4 50〜95wt%,好ましくは60〜90wt%より好まし
くは64〜86wt% 焼結助剤 5〜30wt%,好ましくは7〜20wt%より好
ましくは10〜20wt% 第3成分** 30wt%以下,好ましくは25wt%以下 焼結助剤:Al2O3,AlN,Y2O3,MgO,CaO,AlON,YN,希土類酸
化物** 周期律表IV a(Ti,Zr,Hf),V a(V,Nb,Ta)及びVI
a(Cr,Mo,W)族の化合物(酸化物,炭化物,窒化物
等),その針状(ウィスカ)又は繊維状結晶を含む。
出発原料粉末素地(混合物)は,平均粒径5μm以下
が好ましく,より好ましくは2μm以下である。
製造工程は,次のように要約される。
(a)出発原料粉末素地を所定組成とする,混合(通例
同時粉砕を行う)を含む。
(b)所定形状に成形する。
(c)成形体を,焼結体表面でSi減少が生ずるよう,窒
化珪素が表面で気化される条件下にて所定の温度で焼結
する。
焼結は,成形体を焼結するに十分な時間(好ましくは
0.5〜5hr,より好ましくは1〜3hr)行う。所望焼結条件
は,特別な雰囲気により,所定の減圧窒素及び/又はSi
分圧,或いは(特に,これらの減圧分圧に加えて)CO2
及び/又はCO含有雰囲気等により,達成される。一般的
に,焼結条件は,組成及び焼結温度に応じて可変であ
る。即ち,焼結雰囲気は,所定温度に対応して所定組成
について適当であると考えられるN2及び/又はSi分圧よ
りも僅か低い分圧で,設定される(例えば,第5図を参
照して)。このようにして,Si及びNの適当量が表面部
のSi3N4から,粗面を形成しない範囲内にて,分解気化
される。
かく得られる焼結体の表面部は,主として焼結助剤及
び/又はその反応生成物(化合物)であって,Si及び/
又はNを固溶体として含むものから成る(或いはさらに
第3成分を含む)。Si及びNの気化により,表面部には
残る粒界相及び第3成分の比率が,内部に比べて高くな
り,密度及び硬度に変化を生ずる(硬度は増大)。窒化
珪素及び/又はサイアロンの表面部内における量は,30v
ol%以上内部よりも少い(最大100vol%少い)。
第4の視点において,表面部と内部ではそれを構成す
るメリライトの含有量比(X線ピーク強度比)が異なる
ことを特徴とする。この[内部/表面部]比を0.5未満
とするのは,0.5以上ではその効果が十分でなく,それ未
満では靭性等に優れるという内部の特性を低下させるこ
となく耐摩耗性を向上させることができるからである。
更に,第5の視点にて,表面部における,窒化珪素及
びサイアロン含有量に対するメリライト含有量の最高X
線強度比は0.3以上である。この場合,メリライトの含
有量の増大を確保できかつSi含有量を減少させることが
できるので,耐摩耗性改善を確実に確保でき,更にそれ
を一層向上させることができるからである。
本窒化珪素基焼結体は通常,窒化珪素を主体とするも
のであるが,本発明においてメリライト等の粒界相結晶
質化合物を内部よりも表面部により多く含有させるとい
う表面改質のためには,既述の通り,これに限らずサイ
アロン又は両者の混合であってもよい。この窒化珪素又
はサイアロンとしても,α−,β型を問わず,目的,用
途により選択され,更にそれらの混合であってもよい。
本発明において,粒界相に結晶質化合物を含む場合,Y
2O3の組成成分量(配合量)は,通常1〜20重量%であ
り,好ましくは1〜15重量%,より好ましくは1〜10重
量%である。これは,メリライト等の粒界相結晶質化合
物の構成元素である「Y」を供給するにはY2O3が最も好
ましく,これには1重量%以上が必要であり,又,多く
なると粒界相の増加に伴う高温特性の低下が起こるため
である。尚,「Y」は,酸化物以外の窒化物,珪化物等
の他化合物にて添加してもよい。このときの添加量はY2
O3に換算した量が適用される。
また,Y2O3と同時にAl2O3,AlNを配合することもでき,
これらはメリライト等のSi3N4・Y2O3基化合物の結晶化
に重要な役割をもつ。Al2O3は1〜10重量%,AlNは1〜1
0重量%添加することが好ましい。この場合,AlNはAl2O3
より多めに添加すれば,より好ましい結果が得られる。
尚,その他,通常のSi3N4の常圧焼結用助剤,例えば,Mg
O,SiO2,ZrO2及び希土類酸化物等のうち少なくとも1種
を用いることもできる。
窒化珪素の一部を,例えば耐摩耗性,耐欠損性改善に
有効な成分(第3成分)で置換してもよい。このものと
しては,例えば,周期律表第IV a,V a,VI a族遷移金属
の炭化物,窒化物及び酸化物,並びにこれら2種以上の
固溶体のうちの1種若しくは2種以上等を用いることが
できる。尚,この置換化合物は,焼結体の靭性等を低下
させないために,全体の30重量%以下が好ましい。
内部とは,表面部を除いた部分であり,本窒化珪素基
焼結体の主要部となり,本焼結体の本質的特性を示す部
分である。
第2の視点においての表面部は,メリライト等のSi3N
4−Y2O3基化合物の相対的含有率が向上した部分であ
る。表面部の厚さは,目的,用途及び製造方法等により
異なるが,通常,数μm〜0.1mmから1mm以下程度であ
る。Si3N4−Y2O3基結晶質化合物が多量に表面部に晶出
し表面全体を覆う場合,表面を覆っている層はSi3N4
び/又はサイアロン粒子をほとんど含まない状態(但し
第3成分=分散相は含む)であり,100vol%減状態とな
り,この(100vol%減状態の)厚さは焼結体全体の強度
低下を防止するために,5μm以下が好ましい。尚,本焼
結体においては,表面部と内部の境界において上記組成
比が急に変わらない場合即ち連続的に変わる場合も含ま
れ,このように少なくとも所定の組成比をもつ表面部と
所定の組成比をもつ内部とをもつものであればよい。
本焼結体の第4の視点の製造方法は,既述の通りであ
る。なお,表面部における窒化珪素の適当量の気化条件
下で焼結することが好ましいが,必ずしもそれに限定さ
れない。
この焼成雰囲気は,基本的に窒素含有雰囲気下で行わ
れ,この圧力は通常の焼成に用いられる窒素分圧(減圧
から数千気圧)が用いられる。
この焼結時において,上記本発明の表面を形成させる
には,粒界相をメリライト等のSi3N4−Y2O3基化合物と
して結晶化させることが好ましい。そのためには,焼結
時に1400〜1700℃,好ましくは1500〜1650℃で一定時間
保持する,又は冷却速度を遅くする等が行われる。更
に,この所定温度保持は,一度通常焼成(第1の視点参
照)をした後に上記温度に再加熱してもよいし,焼結工
程と連続的に行ってもよい。この結晶時には,表面のみ
ならず内部の粒界相にもメリライト等のSi3N4−Y2O3
化合物が晶出するので,過度の熱処理には注意が必要で
ある。内部より表面部のメリライトの晶出を多くする方
法としては,焼成時の雰囲気制御即ち窒素分圧,酸素分
圧の制御を行ったり,表面より晶出しやすい組成原料で
覆ったりする方法を用いることができる。
なお,表面部におけるM,J,K,H,A相の晶出の状況は,Y2
O3成分の量と焼結時間の調節によって基本的に影響をう
ける。
本発明の場合,表面部において成分の気化により複雑
な組成の変動が生じ,雰囲気の変化によっても,或いは
冷却過程における成分偏析によっても,生成結晶相は影
響を受ける。しかし,局部的には,SiO2−Si3N4−Y2O3
元状態図(第11図),(F.F.Lange他,J.Am.Ceram.Soc.6
0(5−6),p249−252(1977)より),及び林,楊等
の文献(「粉体および粉末冶金」34(1)p26〜31のFi
g.3)に記載の関係が参考となる。
〔実施例〕
以下,実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1.(第1〜3の視点) 表面部のSi含有量を内部より減少させ,或いは更に表
面部において,粒界相結晶質化合物(Si3N4−Y2O3基化
合物)を晶出させて,その効果を調べた。
まず,原料粉末として,平均粒径0.6μmのSi3N4(α
化率90容量%以上)粉末,同0.5μmのAl2O3若しくはMg
O,同1.3μmのAlN粉末,同1.2μmのY2O3粉末,同0.4μ
mのZrO2粉末,同1.2μmのTiN粉末,同1.7μmのHfN粉
末,同2.0μmのWC粉末を,各々表に示す配合組成に配
合し,湿式ボールミルで48時間混合した後,成形助剤を
添加して乾燥した。
この粉末を用いて金型成形し,1650〜1750℃,窒素圧
0.7〜10気圧,一部は炭酸ガスを併用した雰囲気中で焼
成して焼結体を製造した。尚,表面部の厚さは,研削に
よる表面削除及び微小領域X線回折により測定した所,
いずれも約0.01〜0.1mm程度であった。
この焼結体は,SNMN432(JISB4103)の寸法に仕上げ
た。但し,この仕上加工は,上下面のみ研削加工を行い
側面は焼肌のままとし,これをテストピース(チップ)
2とした。その寸法はプレス成形時に調整した。以下に
示す3つの方法による評価(特にテスト1,2は耐摩耗
性,テスト3は強度)を行い,その結果を表1及び第1
図に示した。
テスト1,2,3の各条件は以下の通りである。尚,テス
ト2は小括弧内,テスト3は中括弧内に示した。また,
テスト1における寿命は,以下に述べるように欠損まで
の時間をとっている。この場合,欠損の主因は単純な機
械的強度ではなく,摩耗により切削抵抗が増大した結果
であり,耐摩耗性の目安として使われる。
テスト1 (テスト2) [テスト3] 被削材; インコネル718 (FC20) [FC23] 切削速度(m/分); 250 (600) [150] 切込み(mm); 1 (0.5) [2] 送り(mm/rev); 0.25 (0.2) [0.6] 切削油; 水溶性油 (なし) [なし] 切削時間(秒); 欠損まで (330) [欠損まで] 寿命判定; 秒 (mm) [山数] 被削材(図中の1)形状;第2図に示すように外径30
0mmφ,内径200mmφのドーナツ状(第3図に示すように
外径240mmφの棒状)[第4図に示すように外径240mm
φ,山幅15mmのリング状溝付き棒状]。
尚,図中の3はホルダーを示す。テスト2の寿命判定
は側面側の摩耗によった。
表1のNo.1〜8は第1の視点に関連し,No.9は第2の
視点に,No.10〜13は第3の視点と夫々関連する。No.9
は、No.3の試料を焼成後1500℃×4hrs熱処理して結晶化
させたものである。No.11〜13は,No.10の試料を,焼成
温度,焼成時間,及び焼成雰囲気(焼成位置,例えば匣
鉢上の位置,炉内の位置等)を変化させて作成した。
Si3N4(サイアロンも含む)は使用目的に応じてその
配合組成等は決定される。従って同一条件下でこれらの
例を比較することは困難である。例えば,上記比較例に
おいて,比較的高強度の型(比較例C1),比較例Ni合金
に適した型(比較例C2),比較的鋳物に適した型(比較
例C3)を示しており,これら型を相互に比較することは
ほとんど意味がなく,各型内での比較が意味がある。従
って,表には,同一又は類似の原料配合組成間にて性能
を比較できるように配列し,その結果を述べると以下の
通りである。尚,比較例C1,C3の各々は,各試料No.1とN
o.6の各々を研削加工してその表面から約0.2mm以上削除
し,表面部を完全に除去して内部を表出させたものであ
る(X−線にて確認)。比較例C2は試料No.3の組成で表
面のSiがほとんど減少してない焼肌をもつものである。
なお,試料No.1,No.2は特別の表面結晶化処理を施さ
ず,表面部の粒界相は第3相(HfN)を除いてガラス相
が主体であった。
表面部のSi癌量を減らした各実施例を各比較例と比べ
ると(試料No.1と比較例C1,試料No.3と比較例C2,試料N
o.6〜No.8と比較例C3),いずれも耐摩耗性が向上して
いる。この場合,いずれも強度は若干低下するがほとん
ど変わらず,問題となる程度のものではない。更に,試
料No.6〜No.8及び比較例C3において,Si減少率と耐摩耗
性の関係を第1図に示すと,その減少率が大きくなるに
従って耐摩耗性が向上しており,その効果に優れる。
また,これらにIV a,V a族遷移金属の化合物(HfN,W
C,TiN)を配合したもの(試料No.2,4,6)は配合しない
もの(試料No.1,3,5)と比べると,耐摩耗性は改善され
る。尚,この配合量があまり多いと,比較例C4のように
強度がかなり低下する場合があるので注意する必要があ
る。
以上より,試料No.1〜No.8については,表面部の窒化
珪素及びサイアロン粒子減少率が30vol%以上であるの
で,いずれも強度を維持しつつ耐摩耗性が向上してお
り,表面部及び内部を構成する材料の特性を十分に発揮
できた。
試料No.9〜13は,表面の結晶化処理により表面部に種
々のSi3N4−Y2O3基結晶が認められテスト1での改善が
めざましく,テスト3でも満足な結果を示している。
実施例2.(第4,第5の視点) 結晶質粒界相をメリライト相とし,この効果を調べ
た。試料はメリライト相の出来る組成及び焼成条件を検
討し,作成した。
原料粉末としてSi3N4夫々,実施例1と同じ粉末,Al2O
3粉末若しくはMgO粉末,AlN粉末,Y2O3粉末,ZrO2粉末,TiN
粉末を用い,さらに平均粒径5.1μmのYb2O3粉末を,夫
々,表に示す配合サ組成に配合し,湿式ボールミルで48
時間混合した後,成形助剤を添加して乾燥した。
この粉末を用いて金型成形し,1650〜1750℃の種々の
温度,窒素圧0.7〜10気圧の種々雰囲気中で約2時間以
上焼成して,種々のメリライト含有量をもつ各焼結体を
製造し,その結果を表に示す。尚,試料No.27〜29の表
面部のSi3N4/サイアロン粒子減少率は100vol%である。
試料No.27の表面部の厚さは約3μmである。試料No.28
の同厚さは約15μmであり,その表面部のX線回折結果
を第8図に,その内部のX線回折結果を第9図に示し
た。表面部の厚さは,研削による表面削除及び微小領域
X線回折により測定した。表面部の[メリライト/窒化
珪素]含有量比(R1)は第8図に示すように, R1=1/IS式で, メリライト含有量の[内部/表面部]比(R2)は,第
8図中Iと第9図中のI M2の比, 即ちR2=I/I式で,算出した。
この焼結体は,SNMN432(JISB4103)の寸法に仕上げ
た。但し,この仕上加工は,上下面のみ研削加工を行い
側面は焼肌のままとし,これをテストピース(チップ)
2とした。その寸法はプレス成形時に調整した(以上実
施例1と同様)。以下に示す2つの方法による評価を行
い,その結果を表2及び第5図〜第8図に示した。
テスト4,5の各条件は以下の通りである。尚,テスト
5は括弧内に召した。また,テスト4における寿命は摩
耗量(mm)で,テスト5の寿命は欠損までの山数をとっ
ている。
テスト4 (テスト5) 被削材; FC20 (FC23) 切削速度(m/分); 600 (150) 仕込み(mm); 0.5 (2) 送り(mm/rev); 0.2 (0.6) 切削油; なし なし 切削時間(秒); 330 (欠損まで) 寿命判定; mm (山数) 被削材(図中の1)形状;第3図に示すように外径24
0mmφの棒状(第4図に示すように外径240mmφ,山幅15
mmのリング状溝付き棒状)。
Si3N4及び/又はサイアロンは使用目的に応じてその
配合組成等は決定される。従って同一条件下でこれらの
例を比較することは困難である。即ち目的により組成成
分比が異なる系列を相互に比較することはほとんど意味
がなく,各同系列内での比較が意味がある。従って,表
2には,同一又は類似の原料配合組成間にて性能を比較
できるように配列し,その結果を述べると以下の通りで
ある。尚,比較例C21,C24は0.5mm以上表面を研削して,
表面部を完全に除去して内部を表出させたものであり,
表2中*を付した。
比較例C21と比べて試料No.21,22は,比較例C22〜24と
比べて試料No.27〜30は,いずれも摩耗量が少なく耐摩
耗性が向上しており,また破損までの山数も同様又はそ
れ以上であり耐欠損性も維持されている。試料No.23,24
並びに試料No.25,26も耐摩耗性に優れている。第6図及
び第7図に,試料No.27〜30,比較例C22,C23について摩
耗量等の試験結果を示した。
第6図に示すように,メリライトの[内部/表面部]
比が0.5未満の各試料では,それ以上の比較例と比べて
摩耗量が少ない。更に,試料No.21,22と比較例C21,試料
No.23とNo.24,試料No.25とNo.26の比較でも,その比の
小さい前者の摩耗量が少ない。従って,その比が小さい
即ち表面部のメリライト量が内部よりも,より多いとき
には耐摩耗性に優れることを示している。
また,第7図に示すように,表面部のメリライト量が
多いもの程摩耗量が少なく,耐摩耗性に優れることを示
している。このことは,他の系列である試料No.21,22と
比較例C21,試料No.23とNo.24,試料No.25とNo.26の比較
でも,その比の大きな前者の摩耗量が少ないことからも
証明される。尚,第7図に示すように,R1が大きくな
り、R2に関しては第6図に示したように、内部の粒界相
にメリライト含有量が多くなる(例えば試料No.27,28)
と,切削山数が少なくなり,耐欠損性が低下する。
また,比較例C25の市販サイアロン工具は特に摩耗量
が多く,比較例C26の市販コーティング窒化珪素工具は
著しく欠損しやすい。
以上より,試料No.21〜30については,表面部の[メ
リライト/窒化珪素]比が0.37〜4.5であり,かつメリ
ライトの[内部/表面部]比が0.02〜0.31であるので,
いずれも耐欠損性を維持しつつ耐摩耗性が向上してお
り,表面部及び内部を構成する材料の特性を十分に発揮
できた。Si3N4−サイアロン粒子減少率は,内部より表
面部に粒界相が多いこと(1)を示すが,R2とは必ずし
も相関があるとはいえない。表面部においては,内部よ
り結晶化し易いこと(2)が認められる。従ってR2は,
(1)と(2)の相乗効果により定まると考えられる。
本第4及び第5の視点の窒化珪素基焼結体は,その表
面部のメリライト含有量が内部と比べて多いので,表面
部の耐摩耗性に優れるという性質と内部の高靭性等とい
う本質的特性が十分に発揮される。
本第5視点の窒化珪素基焼結体は,更に表面部のメリ
ライト含有量が窒化珪素に比べて多いので,耐摩耗性が
確実に保証される。
[発明の効果] 本発明の各視点に共通して,表面部が内部と強固に一
体に形成されると共に,内部の有する高靭性と表面部の
有する高い表面耐摩耗性を兼ね備えた窒化珪素基焼結体
が得られる。即ち,本焼結体では,従来のように両性質
の中間的特性を示すものではない。従って,本焼結体で
は,その表面改質により,内部の本質的特性を低下させ
ることなく耐摩耗性を向上させることができる。また,
表面部と内部は一体のため,両者間の接合強度が高く剥
離することもない。その結果,本発明の窒化珪素基焼結
体は,特に鉄系の難切削性の被削材の切削にも適する,
耐摩耗性・耐衝撃性の高い切削工具等の,耐摩耗性・耐
衝撃性材料として極めて有用である。耐熱性・耐熱衝撃
性にも優れることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
第1図は表面部のSi3N4・サイアロン粒子減少率と耐摩
耗性の関係を示すグラフ, 第2図はテスト1に用いた被削材形状等を示す説明断面
図, 第3図はテスト2に用いた被削材形状等を示す説明断面
図, 第4図はテスト3に用い被削材形状等を示す一部断面図
である。 第5図は,Si3N4相と焼結雰囲気の分圧との間の関係を示
す公知の図表である。 第6図はメリライト含有量の[表面部/内部]比(R2
と耐摩耗性の関係を示すグラフ, 第7図は表面部の[メリライト/窒化珪素]含有量比
(R1)と耐摩耗性等の関係を示すグラフ, 第8図は試料28の焼結体の表面部のX線回折結果を示す
グラフ, 第9図は試料28の焼結体の内部のX線回折結果を示すグ
ラフ, 第10図は表面部(a)及び内部(b)の組織の模式図で
ある。 第11図は1600〜1750℃におけるホットプレス試料により
求められた公知のSiO2−Si3N4−Y2O3三元状態図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−89641(JP,A) 特許2719942(JP,B2)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一体に形成された表面部と内部とから成
    り、内部は窒化珪素、サイアロンの一種以上を主体と
    し、 表面部において粒界相の一部又はすべてが結晶化してい
    ること、 表面部は内部にくらべ窒化珪素及びサイアロン結晶粒子
    が30vol%以上少ないこと、 を特徴とする窒化珪素基焼結体。
  2. 【請求項2】表面部において内部よりも粒界相の比率が
    増大していることを特徴とする請求項第1項記載の窒化
    珪素基焼結体。
  3. 【請求項3】一体に形成された表面部と内部とから成
    り、内部は窒化珪素、サイアロンの一種以上を主体と
    し、 表面部において粒界相の一部又はすべてが結晶化してい
    ること、 表面部において内部よりも粒界相の比率が増大している
    こと、 を特徴とする窒化珪素基焼結体。
  4. 【請求項4】粒界相の一部又はすべてを形成する結晶質
    化合物の、表面部に対する内部の含有量比がX線ピーク
    強度比法にて0.5未満であることを特徴とする請求項第
    1項〜第3項記載の窒化珪素基焼結体。
  5. 【請求項5】粒界相の一部又はすべてを形成する結晶質
    化合物は、表面部において窒化珪素及びサイアロン結晶
    粒子の含有量に比し最高X線強度比法にて0.3以上含有
    されていることを特徴とする請求項第1〜4項の一に記
    載の窒化珪素基焼結体。
  6. 【請求項6】表面部において結晶質粒界相はメリライト
    相、J相、K相、H相、A相、又はこれらの混合相であ
    ることを特徴とする請求項第1〜5項の一に記載の窒化
    珪素基焼結体。
  7. 【請求項7】表面部のメリライトの含有量に対する内部
    のメリライトの含有量の比が、X線ピーク強度比法にて
    0.5未満であることを特徴とする請求項第6項記載の窒
    化珪素基焼結体。
  8. 【請求項8】表面部において、窒化珪素及びサイアロン
    の含有量に対するメリライトの含有量の比が、最高X線
    強度比法にて0.3以上である請求項第6又は7項記載の
    窒化珪素基焼結体。
  9. 【請求項9】表面部における結晶質粒界相は実質的にメ
    リライトから成る、請求項第6〜8項の一記載の窒化珪
    素基焼結体。
  10. 【請求項10】表面部において内部よりも粒界相の結晶
    化度が高いことを特徴とする請求項第1〜9項の一に記
    載の窒化珪素基焼結体。
  11. 【請求項11】一体に形成された表面部と内部とから成
    る窒化珪素基焼結体において、表面部のメリライトの含
    有量に対する内部のメリライトの含有量の比が、X線ピ
    ーク強度比法にて0.5未満であることを特徴とする表面
    改質窒化珪素基焼結体。
  12. 【請求項12】一体に形成された表面部と内部とから成
    り、内部は窒化珪素、サイアロンの一種以上を主体と
    し、 表面部において粒界相がガラス相であること、 表面部は内部にくらべ窒化珪素及びサイアロン結晶粒子
    が30vol%以上少ないこと、 を特徴とする窒化珪素基焼結体。
  13. 【請求項13】一体に形成された表面部と内部とから成
    り、内部は窒化珪素、サイアロンの一種以上を主体と
    し、 表面部において粒界相がガラス相であること、 表面部において内部よりも粒界相の比率が増大している
    こと、 を特徴とする窒化珪素基焼結体。
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