JP3265102B2 - 布の漂白方法及びその装置 - Google Patents

布の漂白方法及びその装置

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JP3265102B2
JP3265102B2 JP00314594A JP314594A JP3265102B2 JP 3265102 B2 JP3265102 B2 JP 3265102B2 JP 00314594 A JP00314594 A JP 00314594A JP 314594 A JP314594 A JP 314594A JP 3265102 B2 JP3265102 B2 JP 3265102B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、染色工場における布の
漂白方法及び漂白装置係わり、特に塩素系漂白剤を用い
ないで布を漂白する布の漂白方法及び漂白装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、紡績機,繊機により作られる反
物においては、界面活性剤や縦糸に使用したのり等が繊
維に付着している。さらに、繊維内部には未処理の着色
成分であるリグニンが残存しているため、布全体が薄茶
色を有する。したがって、この布を任意の色に美しく染
色するためには、染色処理の前に布地を漂白する必要が
ある。この漂白を行う前には、のり抜き,精練の工程を
実施する。
【0003】したがって、染色工場においては、布の漂
白,染色工程において、漂白剤として酸化剤,塩素系の
次亜塩素酸ソーダ,染料等の化学薬品を高濃度でかつ多
量に使用する。さらに、各々洗浄工程を必要とするの
で、この化学薬品の使用量が多く、それに伴い多量の排
水が発生する。
【0004】このような染色工場におけるれる染色工程
は例えば図4に示すように構成されている。リールから
供給される原布1はのり抜き工程2でもって、原布1に
着しているのりが除去されて、次の精練工程3で精練さ
れる。精練された布は塩素系酸化剤溶液槽4Aで酸化剤
を吸収・膨潤し、反応槽4Bで漂白反応が行われる。そ
して、漂白された布は次の洗浄水10が収容された洗浄
槽9へ導かれる。この洗浄槽9においては、漂白の結果
生成された有機酸,有機ハロゲン化合物及び余分に吸収
した未反応の塩素系酸化剤が布から洗い落される。汚れ
た洗浄水10は洗浄排水11として別途水処理設備へ移
送されて処理・放流される。
【0005】なお、この洗浄排水11は有害副精生成物
や未反応の塩素系酸化剤を含んでいるので生物処理は不
可能である。洗浄された布は絞りおよび乾燥工程12.
染色工程13.後処理工程14及び仕上げ工程15を経
て製品布16としてリールに巻取られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図4に
示す染色工程に組込まれた漂白装置においてもまだ解消
すべき次のような課題があった、すなわち、近年、工場
の環境に対する規制が厳しくなり、節水型漂白・染色方
法へ移行,排水水質等に配慮する必要が生じてきた。特
に、漂白工程で塩素系の薬剤を高濃度かつ多量に用いる
場合、のり抜き・精練工程のちに残存する界面活性剤,
のり等の有機物及び布自体と反応して生じる有機ハロゲ
ン化合物が、発癌性,変異原性等が排水の放流水域で水
環境問題となる。
【0007】また、これら化合物は微生物分解を受け
ず、環境及び生体内に蓄積濃縮されるため、地域環境全
体から規制される状況にある。染色工場の規模が大きく
なると、これらの環境に対する影響を排除するための施
設が膨大なものになり、かつその施設に対する費用も大
幅に上昇する。
【0008】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、オゾンを用いることによって、有機ハロゲ
ン化合物を生成する塩素系酸化剤を用いずに、布を効率
的に漂白でき、周囲環境へ放流する排水に有機ハロゲン
化合物が含まれることを未然に防止でき、排水の水処理
工程を簡素化でき、設備全体を簡素化でき、かつ設備の
維持管理費を大幅に低減できる布の漂白方法及び漂白装
置を提供すること目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解消するため
に、本発明の布の漂白方法においては、植物繊維の布に
有機酸でpH3以下に調整された水溶液を含浸すること
によって、布を水分率30%以上60%以下に吸湿・膨
潤させ、この吸湿・膨潤させた布にオゾン含有ガスを接
触させて漂白し、この漂白の結果生じた酸を洗浄するよ
うにしている。
【0010】また、別の発明における布の漂白方法にお
いては、布を吸湿・膨潤させ、この吸湿・膨潤させた布
にオゾン含有ガスを接触させて漂白し、この漂白された
後の布を紫外線照射し、この紫外線照射された布から漂
白の結果生じた酸を洗浄するようにしている。
【0011】また、別の発明は、上述した発明の布の漂
白方法において、布に有機酸でpH3以下に調整された
水溶液を含浸することによって、布を吸湿・膨潤させる
ようにしている。
【0012】また、別の発明における布の漂白装置は、
植物繊維の布に有機酸でpH3以下に調整された水溶液
を含浸することによって、布を水分率30%以上60%
以下に吸湿・膨潤させる膨潤槽と、オゾン含有ガスを発
生するオゾン発生装置と、膨潤槽にて吸湿・膨潤された
布にオゾン発生装置にて発生されたオゾン含有ガスを接
触させて漂白するオゾン漂白槽と、このオゾン漂白槽に
おける漂白の結果生じた酸を布から洗浄する洗浄槽とを
備えている。
【0013】さらに別の発明における布の漂白装置は、
布を有機酸でpH3以下に調整された水溶液を含浸する
ことによって、布を吸湿・膨潤させる膨潤槽と、オゾン
含有ガスを発生するオゾン発生装置と、膨潤槽にて吸湿
・膨潤された布にオゾン発生装置にて発生されたオゾン
含有ガスを接触させて漂白するオゾン漂白槽と、このオ
ゾン漂白槽でオゾン含有ガスを接触させた後の布を紫外
線照射する紫外線照射装置と、この紫外線照射装置で紫
外線照射された布から漂白の結果生じた酸を洗浄する洗
浄槽とを備えている。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【作用】このように構成された布の漂白方法及び漂白装
置によれば、オゾン含有ガスに含まれるオゾンは、吸湿
・膨潤された布の繊維の内部へ拡散して、繊維に残存す
る着色成分のリグニンと反応して漂白が完了する。この
結果、反応副成物として微生物により分解しやすいアル
デヒド,ケント,カルボン酸等が生成される。
【0018】一般に、オゾンは酸化力が強く、オゾン自
身の自己分解によっても消滅するが、周囲温度上昇、紫
外線照射によって、オゾン自身の自己分解が加速され
る。また、溶液中のオゾンは気体オゾンより自己分解速
度が速く、かつこの分解速度は溶液のpHに左右され
る。すなわち、pH3以下では比較的安定しているが、
中性,又はアルカリ性域では自己分解が急速に進む。
【0019】また、オゾン含有ガスは、安全な飲料水の
浄化プロセスとして広く利用され初めており、名大気中
の酸素または酸素ボンベ等から取込んで簡単に任意濃度
のものを生成できる。
【0020】発明者は、このようなオゾンの既知特性を
考慮して種々の実験を行った結果、繊維内部のリグニン
を酸化する場合、オゾンを繊維内部まで有効に拡散到達
させることが重要であり、拡散後、繊維内部で酸化反応
が促進する最適条件を与えれば、布が有効に漂白される
ことが実証された。
【0021】したがって、この発明においては、前もっ
て布を水分率30%以上60%以下に吸湿・膨潤させる
ようにしている。よって、従来の漂白手法のように塩素
系酸化剤を使用する事なく、布を効率よく漂白できるの
で、有害物質が排水に含まれず、かつ洗浄排水量も少な
くなる。その結果、排水の水処理が簡素化され、かつ微
生物を用いて分解処理させることも可能となる。
【0022】また、請求項2,請求項6〜8において
は、上述した条件に加えて、有機酸でpH3以下の水溶
液で布を吸湿・膨潤させることによって、より一層漂白
効果を向上させている。
【0023】さらに、オゾン含有ガスに接触させた後の
布の温度を上昇させたり、オゾン含有ガスに接触させた
後の布を紫外線照射することによって、オゾンの自己分
解が促進され、より短時間で所望の漂白効果が得られる
ことが実証されている。
【0024】
【実施例】以下本発明の実施例を説明する。実施例の説
明の前に、発明者が行った実験を説明する。のり抜き工
程及び精練工程を経た後の綿布を実験対象布とし、この
実験対象布に対して、次亜塩素酸ソーダを用いた標準漂
白処理と、オゾン含有ガスを用いたオゾン漂白処理とを
実行して、漂白後の各実験対象布の白度を比較した。
【0025】なお、漂白槽として、幅0.2m.高さ
0.1m,長さ0,5mのアクリル製密閉箱を準備し、
この漂白槽内に、水分率を調整した各実験対象布を浸し
た。オゾン漂白処理においては、実験対象布の水分率は
オゾンの自己分解を抑制する目的と、漂白後の洗浄排水
処理が標準的な生物処理法で行えることを考慮し、pH
3の酢酸水溶液で調整した。また、空気を原料ガスとす
るオゾン発生装置で得たオゾン含有ガスを、布の水分率
を一定とするため純水中に曝気温度を調整後に、試料布
の表裏均一にオゾン含有ガスが接触するように、連続的
に流量0.83リットル/分で漂白槽内に供給した。
【0026】また、白度は、同一実験対象布について、
分光光度計における波長466nmの光の反射率を布表面
の3か所で測定して、平均値を求めた。以下に実験条件
と実験結果を示す。
【0027】 標準手法(従来方法)の実験条件 オゾン漂白手法の実験条件 漂白槽 0.2 x 0,1 x 0,5 m3 漂白槽 同左 有効塩素 3g/l (pH11.5) 原料ガス 空気 浸透剤 0.1 〜0,2 % オゾン濃度 20 g/Nm3 処理条件 20℃ 4hr 処理条件 20℃ 60min pH3 水分率 30,60.90%
【0028】
【表1】
【0029】この実験結果で得られた通常の塩素系漂白
剤を用いた標準手法の白度とオゾン漂白処手法における
各白度とを比較すると、オゾン漂白処手法で得られた各
白度は標準手法に比較して遜色がないことが実施され
た。特に、水分率30%及び水分率60%において、漂
白効果が優れている。
【0030】また、同等の白度を得るために所用する時
間はオゾン漂白手法が標準手法に比較して格段に短縮さ
れる。なお、水分率90%において、若干白度が落ちる
のは、繊維間の自由水がオゾンの自己分解に対して安定
なpH3であっても、自由水中におけるオゾンの自己分
解が無視できないためであると考えらる。
【0031】このような実験結果における各条件を考慮
した漂白装置が組込まれた染色工程を図1に示す。な
お、図4に示す従来の漂白装置が組込まれた染色工程と
同一部分には同一符合が付してある。したがって、重複
する部分の詳細説明は省略されている。
【0032】リールから供給される原布1は、のり抜き
工程2でもって付着しているのりが除去されて、次の精
練工程3で精練される。精練された布1は膨脹槽4内へ
導かれる。膨脹槽4内にはpH3に調整された酢酸水溶
液が収容されている。なおpH3以下の酢酸水溶液であ
ってもよい。
【0033】布1はこの膨脹槽4内において、pH3に
調整された酢酸水溶液で吸湿・膨潤されて、次のロール
絞りエアジェット吹き付け5によって水分率が30〜6
0%に調節される。
【0034】水分率が30〜60%に調整された布は次
のオゾン漂白槽6へ導かれる。オゾン漂白槽6には、オ
ゾン発生装置7が接続されている。オゾン発生装置7は
大気中又は別途準備された酸素ボンベから酸素を取込ん
でオゾンを生成してオゾン含有ガスをオゾン漂白槽6へ
供給し、オゾン漂白槽6内にオゾン含有ガスを効果的に
拡散させる。なお、オゾン含有ガスに含まれるオゾンの
ガス濃度はオゾン発生装置7において電気的に簡単に制
御可能である。オゾン漂白槽6へ導かれた布は、前述し
た原理により、オゾン含有ガスにて漂白される。
【0035】なお、オゾン漂白槽6内の未反応オゾンは
排オゾン分解装置8で分解処理されて大気中に放出され
る。オゾン漂白槽6内で漂白された布は次の洗浄槽9内
へ導かれる。洗浄槽9内には洗浄水10が収容されてい
る。オゾン漂白槽6内における漂白の結果生成されるグ
リオキシル酸,シュウ酸等の有機酸及び余剰に吸収した
酢酸は、この洗浄槽9内に収容された洗浄水10で布か
ら洗い落とされる。
【0036】所定長さの布に対する洗浄を実施した後の
汚れた洗浄水10は、洗浄排水11として別途水処理設
備へ移送されて処理・放流される。なお、この洗浄排水
11は有害副生成物や未反応の塩素系酸化剤を含んでい
ないので、一般的な生物処理が可能である。
【0037】洗浄された布は絞りおよび乾燥工程12.
染色工程13.後処理工程14及び仕上げ工程15を経
て製品布16としてリールに巻取られる。このように構
成された染色前処理工程における漂白装置においては、
オゾン漂白手法を採用している。前述したように洗浄排
水11は有害副生成物や未反応の塩素系酸化剤を含んで
いないので、一般的な生物処理が可能である。すなわ
ち、洗浄排水11に対する処理設備が簡素化され、設備
費を大幅に低減できる。さらに、水環境に与える影響を
最小限に抑制できる。
【0038】さらに、オゾン漂白手法を採用することに
よって、洗浄排水11量そのものを低減できる。また、
塩素系漂白剤を用いた標準手法に比較して、漂白処理時
間を短縮できるので、原布1から同一のライン速度でも
って製品布16を得る場合には、漂白槽に布を浸す時間
が短くなるので、漂白槽の大きさを標準手法に比較し
て、漂白槽の布の搬送方向長さを短くできる。したがっ
て、染色前処理工程全体を小型化できる。
【0039】また、オゾン発生装置7は、大気中の酸素
又は酸素ボンベを用いて、又は水の電気分解を用いて任
意ガス濃度のオゾン含有ガスを簡単にかつ低価格で作成
できる。よって、染色工程のランニングコストをさらに
低減できる。
【0040】なお、繊維内へのオゾンの拡散は濃度依存
性があり、オゾン濃度が高いほど効果的に漂白できると
考えられるが、発生効率を勘案しながらオゾン濃度を自
由に制御できる点においても、このオゾン漂白手法は、
従来の塩素系漂白剤を用いた標準手法に比較して有利で
ある。
【0041】次に、オゾン漂白時の温度の影響について
行った実験結果を説明する。前述した水分率を変化させ
た場合の実験対象布及び漂白槽を用いて、下記の実験条
件でオゾン漂白実験を実施した。そして、表2に示す白
度の実験結果を得た。
【0042】オゾン漂白手法の実験条件 原料ガス 空気 オゾン濃度 20 g/Nm3 処理条件 30min pH3,水分率60% 温度 20,50.80℃
【0043】
【表2】
【0044】オゾン含有ガスとの接触時間を30分と
し、接触後、実験対象布を速やかに取出して、上述した
温度条件に制御された耐蝕性を有する金属板にこの実験
対象布を挟んで3分間放置した後に、前述した手法で白
度を規定した。
【0045】実験結果に示すように、温度を20℃に設
定した場合に比較して、温度を60℃及び80℃に設定
した場合の方がより漂白効果が優れていることが理解で
きる。これは、加温により繊維内部に拡散したオゾンの
自己分解が促進され、短時間で良好な漂白効果が得られ
たものと考えられる。
【0046】なお、加温度は50℃と80℃とを比較す
ると、漂白効率はほぼ同一レベルであるが、設備全体の
運転費用を考慮する50℃の加温度で十分であることが
理解できる。
【0047】このような実験結果における加温度の条件
を考慮した漂白装置が組込まれた染色工程を図2に示
す。なお、図1に示す実施例の漂白装置が組込まれた染
色工程と同一部分には同一符合が付してある。したがっ
て、重複する部分の詳細説明は省略されている。
【0048】この実施例工程においては、オゾン漂白槽
6と洗浄槽9との間に加温装置としての例えば内部にヒ
ータが収納された加温ローラ6Aが介挿されている。こ
の加温ローラ6Aは50℃近傍でかつ50℃を越えない
一定の温度に制御されている。
【0049】このように構成された染色工程において
は、オゾン漂白槽6でオゾ含有ガスが接触された布は加
温ローラ6Aでもってほぼ50℃に加温される。その結
果、布の繊維内部まで拡散したオゾンは急速な加温によ
る自己分解で、酸化力の強い酸素ラジカル.水酸基ラジ
カルとなり、着色物質のリグニンを酸化・脱色する。
【0050】なお、実施例装置としては、加温装置とし
て、加温ローラ6Aを採用したが、マイクロ波,赤外線
等を用いた加温装置であってもよい。このように構成さ
れた染色工程における漂白装置においては、加温装置と
しての加温ローラ6Aを用いているので、図1に示す先
の実施例の漂白装置に比較して、より短時間で所望の漂
白効率を得ることができる。
【0051】次に、オゾン漂白時の紫外線照射の影響に
ついて行った実験結果を説明する。前述した水分率を変
化された場合の実験対象布及び漂白槽を用いて、下記の
実験条件でオゾン漂白実験を実施した。そして、表3に
示す白度の実験結果を得た。
【0052】オゾン漂白手法の実験条件 原料ガス 空気 オゾン濃度 20 g/Nm3 処理条件 20℃,30min ,pH3,水分率60% 紫外線照射時間 10min ,20min
【0053】
【表3】
【0054】具体的には、漂白槽に収納した実験対象布
に対して30分間オゾン含有ガスを接触させ、その後、
オゾン含有ガスの供給を停止し、漂白槽の上部に取付け
た15Wの殺菌用低圧水銀ランプ2本を、実験対象布の
上方2cm位置から実験対象布に対して、10分間及び2
0分間照射した。そして、前述した手法で各白度を測定
した。
【0055】紫外線照射では波長260 nmにオゾンの大き
な吸収線が存在し、ガス中,液中,繊維中でもオゾンの
自己分解が促進され、加温の場合と同様に、酸化力の強
い酸素ラジカル,水酸基ラジカルとなる。そのために、
繊維内部に拡散したオゾンは紫外線照射により自己分解
が促進され、短時間で良好な漂白効果が得られた。
【0056】このような実験結果における紫外線照射の
条件を考慮した漂白装置が組込まれた染色工程を図3に
示す。なお、図1に示す実施例の漂白装置が組込まれた
染色工程と同一部分には同一符合が付してある。したが
って、重複する部分の詳細説明は省略されている。
【0057】この実施例工程においては、オゾン漂白槽
6と洗浄槽9との間に複数の紫外線ランプが組込まれた
紫外線照射装置6Bが介挿されている。布の各点がこの
紫外線照射装置6B内を通過するに要する時間は例えば
10分になるように、紫外線照射装置6Bの搬送方向の
長さ及びランプ数が設定されている。
【0058】このように構成された染色工程において
は、オゾン漂白槽6でオゾ含有ガスが接触された布は、
紫外線照射装置6Bでもって10分間隔紫外線照射を受
ける。その結果、布の繊維内部まで拡散したオゾンは紫
外線による自己分解で、酸化力の強い酸素ラジカル.水
酸基ラジカルとなり、着色物質のリグニンを酸化・脱色
する。
【0059】このように構成された染色工程における漂
白装置においては、紫外線照射装置6Aを用いているの
で、図1及び図2に示す先の実施例の漂白装置に比較し
て、より一層短時間で所望の漂白効率を得ることができ
る。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の布の漂白
方法及び漂白装置においては、布を吸湿・膨潤させて漂
白に最適な状態に移行させた上で、該当布をオゾンを用
いて漂白している。そして、従来の漂白手法で必要であ
った有機ハルゲン化合物を生成する塩素系酸化剤を用い
ていない。
【0061】したがって、布を効率的にかつ短時間で漂
白でき、環境に放出する排水に有機ハロゲン化合物が含
まれることを未然に防止でき、排水の水処理工程を例え
ば微生物を用いることによって簡素化でき、設備全体を
簡素化でき、かつ設備の維持管理費を大幅に低減でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係わる漂白方法を採用し
た漂白装置が組込まれた染色工程を示す模式図
【図2】 本発明の他の実施例に係わる漂白方法を採用
した漂白装置が組込まれた染色工程を示す模式図
【図3】 本発明のさらに別の実施例に係わる漂白方法
を採用した漂白装置が組込まれた染色工程を示す模式図
【図4】 従来の漂白装置が組込まれた染色工程を示す
模式図
【符号の説明】
1…原布、2…のり抜き工程、3…精練工程、4…膨脹
槽、5…ロール絞り・エアジェト吹き付け、6…オゾン
漂白槽、6A…加温ローラ、6B…紫外線照射装置、7
…オゾン発生装置、8…排オゾン分解装置、9…洗浄
槽、10…洗浄水、11…洗浄排水、12…絞りおよび
乾燥工程、13…染色工程、14…後処理工程、15…
仕上工程、16…製品布。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−126997(JP,A) 特開 平7−11565(JP,A) 特開 平3−19961(JP,A) 特開 平9−31840(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06L 1/00 - 3/16 D06B 1/00 - 23/30 C11D 1/00 - 19/00 D06M 10/00 - 11/84

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物繊維の布に有機酸でpH3以下に調
    整された水溶液を含浸することによって、前記布を水分
    率30%以上60%以下に吸湿・膨潤させ、この吸湿・
    膨潤させた布にオゾン含有ガスを接触させて漂白し、こ
    の漂白の結果生じた酸を洗浄することを特徴とする布の
    漂白方法。
  2. 【請求項2】 布を吸湿・膨潤させ、この吸湿・膨潤さ
    せた布にオゾン含有ガスを接触させて漂白し、この漂白
    された後の布を紫外線照射し、この紫外線照射された布
    から前記漂白の結果生じた酸を洗浄することを特徴とす
    る布の漂白方法。
  3. 【請求項3】 前記布に有機酸でpH3以下に調整され
    た水溶液を含浸することによって、前記布を吸湿・膨潤
    させることを特徴とする請求項2記載の布の漂白方法。
  4. 【請求項4】 植物繊維の布に有機酸でpH3以下に調
    整された水溶液を含浸することによって、前記布を水分
    率30%以上60%以下に吸湿・膨潤させる膨潤槽と、
    オゾン含有ガスを発生するオゾン発生装置と、前記膨潤
    槽にて吸湿・膨潤された布に前記オゾン発生装置にて発
    生されたオゾン含有ガスを接触させて漂白するオゾン漂
    白槽と、このオゾン漂白槽における漂白の結果生じた酸
    を布から洗浄する洗浄槽とを備えたことを特徴とする布
    の漂白装置。
  5. 【請求項5】 布を有機酸でpH3以下に調整された水
    溶液を含浸することによって、前記布を吸湿・膨潤させ
    る膨潤槽と、オゾン含有ガスを発生するオゾン発生装置
    と、前記膨潤槽にて吸湿・膨潤された布に前記オゾン発
    生装置にて発生されたオゾン含有ガスを接触させて漂白
    するオゾン漂白槽と、このオゾン漂白槽でオゾン含有ガ
    スを接触させた後の布を紫外線照射する紫外線照射装置
    と、この紫外線照射装置で紫外線照射された布から前記
    漂白の結果生じた酸を洗浄する洗浄槽とを備えたことを
    特徴とする布の漂白装置。
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