JP3265040B2 - カラー画像形成装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子写真記録方式を用
いてカラー画像を形成するカラープリンタや複写機など
のカラー画像形成装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、電子写真記録方式を用いてカラー
画像を形成するカラープリンタ、複写機等においては、
記録支持体に転写されたカラーのトナー像をヒートロー
ラ式の定着器によって定着するようにしている。この場
合、形成されるカラー画像の表面は粗面で、かつ、光沢
がないので、記録支持体としてＯＨＰ（オーバー・ヘッ
ド・プロジェクタ）用の透明なフィルムを使用し、ＯＨ
Ｐによって投影すると、反射光で見ることができる鮮や
かなカラー画像を見ることができない。この原因は、カ
ラー画像の表面が粗面であると、入射光が散乱して透過
光の成分が少なくなるからである。

【０００３】そこで、トナー像の表面を平滑にしてＯＨ
Ｐ用のフィルムにカラー画像を形成した場合の透過光の
成分を多くして色再現性を向上させることができる定着
方法が提供されている。例えば、ベルト定着法の場合、
加熱体を内包した平滑なベルトを記録支持体上のトナー
像に対向するように設け、記録支持体の反対側に加圧ロ
ーラを設けて加熱体及び加圧ローラによって加熱・加圧
部を形成し、該加熱・加圧部においてトナーを圧接しな
がら加熱して溶融するようになっている。前記加熱・加
圧部から排出された記録支持体上のトナー像は、ベルト
と密着した状態で冷却され、溶融状態から固体状態にな
った時点でベルトから分離される。

【０００４】こうすることにより、トナー像の表面をベ
ルトの表面に対応させて平滑にし、光沢を出すことがで
きる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のカラー画像形成装置においては、ＯＨＰ用のフィル
ムに光沢のあるカラー画像を形成することができ、プロ
ジェクタによって鮮やかなカラー画像を投影することが
できるが、反対に、記録支持体として記録紙を使用した
場合も同様に光沢のあるカラー画像が形成されてしま
う。

【０００６】このように、記録紙に光沢のないカラー画
像を形成したり、ＯＨＰ用のフィルムに光沢のあるカラ
ー画像を形成したりすることができず、記録支持体の種
類によって光沢の有無を選択することができない。ま
た、記録紙のみを使用する場合においても、好みに応じ
て光沢の有無を選択することができない。

【０００７】本発明は、前記従来のカラー画像形成装置
の問題点を解決して、記録支持体が記録紙である場合に
光沢のないカラー画像を形成することができ、また、記
録支持体がＯＨＰ用のフィルムである場合に光沢のある
カラー画像を形成することができるとともに色再現性を
向上させることができ、しかも、光沢の有無を選択する
ことができるカラー画像形成装置を提供することを目的
とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】そのために、本発明のカ
ラー画像形成装置においては、画像形成担持体、及び該
画像形成担持体にトナー像を形成する画像形成手段から
成る複数の画像形成ユニットと、平滑な表面を有し、前
記各画像形成担持体に沿って配設され、かつ、一方向に
走行させられるベルトと、該ベルトを挟んで各画像形成
担持体と対向させて配設された転写手段と、前記ベルト
の走行方向における画像形成ユニットの下流側にベルト
を挟んで配設された加熱・加圧手段と、前記ベルトの走
行方向における前記画像形成ユニットの上流側に配設さ
れ、記録支持体を挿入するための第１の挿入手段と、前
記ベルトの走行方向における画像形成ユニットと加熱・
加圧手段との間に配設され、記録支持体を挿入するため
の第２の挿入手段と、前記第１の挿入手段から挿入され
た記録支持体にカラー画像を形成する第１の記録モード
と、前記第２の挿入手段から挿入された記録支持体にカ
ラー画像を形成する第２の記録モードとを切り換える手
段とを有する。

【０００９】そして、前記第１の記録モードにおいて
は、前記第１の挿入手段から挿入され、ベルトによって
搬送される記録支持体の前記ベルトと接しない側の面
に、前記ベルトに沿って配設された各画像形成担持体に
担持されたトナー像が転写され、記録支持体に転写され
たトナー像が前記加熱・加圧手段によって定着され、ト
ナー像の表面がトナーの粒子の凹凸によって粗くされ
る。

【００１０】また、前記第２の記録モードにおいては、
前記ベルトに各画像形成担持体に担持されたトナー像が
転写され、前記ベルトに転写されたトナー像が、前記第
２の挿入手段から挿入された記録支持体の前記ベルトと
接する側の面に前記加熱・加圧手段によって転写と同時
に定着され、トナー像の表面が前記ベルトの表面になら
って極めて平滑にされる。

【００１１】

【作用】本発明によれば、前記のようにカラー画像形成
装置においては、画像形成担持体、及び該画像形成担持
体にトナー像を形成する画像形成手段から成る複数の画
像形成ユニットと、平滑な表面を有し、前記各画像形成
担持体に沿って配設され、かつ、一方向に走行させられ
るベルトと、該ベルトを挟んで各画像形成担持体と対向
させて配設された転写手段と、前記ベルトの走行方向に
おける画像形成ユニットの下流側にベルトを挟んで配設
された加熱・加圧手段と、前記ベルトの走行方向におけ
る前記画像形成ユニットの上流側に配設され、記録支持
体を挿入するための第１の挿入手段と、前記ベルトの走
行方向における画像形成ユニットと加熱・加圧手段との
間に配設され、記録支持体を挿入するための第２の挿入
手段と、前記第１の挿入手段から挿入された記録支持体
にカラー画像を形成する第１の記録モードと、前記第２
の挿入手段から挿入された記録支持体にカラー画像を形
成する第２の記録モードとを切り換える手段とを有す
る。

【００１２】そして、前記第１の記録モードにおいて
は、前記第１の挿入手段から挿入され、ベルトによって
搬送される記録支持体の前記ベルトと接しない側の面
に、前記ベルトに沿って配設された各画像形成担持体に
担持されたトナー像が転写され、記録支持体に転写され
たトナー像が前記加熱・加圧手段によって定着され、ト
ナー像の表面がトナーの粒子の凹凸によって粗くされ
る。

【００１３】また、前記第２の記録モードにおいては、
前記ベルトに各画像形成担持体に担持されたトナー像が
転写され、前記ベルトに転写されたトナー像が、前記第
２の挿入手段から挿入された記録支持体の前記ベルトと
接する側の面に前記加熱・加圧手段によって転写と同時
に定着され、トナー像の表面が前記ベルトの表面になら
って極めて平滑にされる。

【００１４】この場合、前記第１の記録モードにおい
て、前記第１の挿入手段から挿入された記録支持体は、
ベルトによって搬送され、各画像形成担持体の前記ベル
トと接しない側の面に、前記ベルトに沿って配設された
各画像形成担持体に担持されたトナー像が転写され、記
録支持体に転写されたトナー像が前記加熱・加圧手段に
よって定着される。このとき、トナー像の表面がトナー
の粒子の凹凸によって粗くされる。

【００１５】また、前記第２の記録モードにおいて、前
記ベルトに各画像形成担持体に担持されたトナー像が転
写される。そして、前記ベルトに転写されたトナー像
は、前記第２の挿入手段から挿入された記録支持体の前
記ベルトと接する側の面に前記加熱・加圧手段によって
転写と同時に定着される。このとき、トナー像の表面が
前記ベルトの表面にならって極めて平滑にされる。

【００１６】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら詳細に説明する。図１は本発明の実施例を示すカ
ラー画像形成装置の概略図である。図において、８はエ
ンドレスベルトであり、記録紙などの記録支持体を搬送
する機能及び中間転写体としての機能を有する。該エン
ドレスベルト８は、後述するように加熱されて１６０
〔℃〕前後に達するので耐熱性が必要であり、基材とし
てポリエステル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポ
リエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン等
のフィルムを使用することができる。また、帯電を防止
するために基材中にカーボンを分散させた。前記エンド
レスベルト８の抵抗値は１０⁷ 〜１０⁹ 〔Ω〕とするの
が好ましく、厚さを１００〔ｍｍ〕以下とし、かつ、引
張強度と取扱性を考慮して５〔ｍｍ〕以上とするのが好
ましい。本実施例においては、ポリイミドの基材に離型
性が良好なＰＦＡ、ＦＥＰ等のフッ素樹脂を被覆したも
のを使用した。

【００１７】そして、前記エンドレスベルト８の周囲に
は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のト
ナー像を形成するための画像形成ユニット１０Ｙ，１０
Ｍ，１０Ｃ，１０Ｋがそれぞれ設けられる。各画像形成
ユニット１０Ｙ，１０Ｍ，１０Ｃ，１０Ｋは、画像形成
担持体としての感光体ドラム１１、該感光体ドラム１１
の周囲に順に設けられた帯電装置１２、露光装置１３及
び現像装置１４をそれぞれ有している。そして、各現像
装置１４のトナー収容槽内にはそれぞれイエロー、マゼ
ンタ、シアン、ブラックの各色のトナー１５が収容さ
れ、トナー担持体１４ａが回転自在に設けられる。

【００１８】前記感光体ドラム１１は導電性支持体の上
に光導電層を形成したものであり、セレン感光体、有機
系感光体、酸化亜鉛感光体、アモルファスシリコン感光
体等のいずれも使用することができる。そして、帯電装
置１２が感光体ドラム１１に対向して設けられ、感光体
ドラム１１の表面を一様にかつ均一に帯電する。本実施
例においては、図に示すような接触型の帯電ブレードが
使用され、該帯電ブレードは例えば金属製の板金に導電
性のゴムを被覆して形成される。このほかに、導電性の
帯電ローラや非接触型のコロナ放電器なども使用するこ
とができる。

【００１９】また、露光装置１３は画像信号を光に変換
して感光体ドラム１１に照射する。該露光装置１３とし
てはレーザ、ＬＥＤアレイ等の光源と作像光学系を組み
合わせたものが使用される。本実施例においては、光源
としてＬＥＤアレイを使用し、作像光学系としてロッド
アレイレンズを使用した。さらに、現像装置１４は、ト
ナー担持体１４ａの表面にトナー１５を吸着して矢印方
向に搬送し、感光体ドラム１１上に形成された静電潜像
を現像する。該現像装置１４としては二成分磁気ブラシ
現像器、一成分磁気ブラシ現像器、一成分非磁性現像器
等のいずれも使用することができる。

【００２０】前記エンドレスベルト８を挟み、各感光体
ドラム１１に対向して転写手段としての転写装置１６
Ｙ，１６Ｍ，１６Ｃ，１６Ｋがそれぞれ設けられる。該
転写装置１６Ｙ，１６Ｍ，１６Ｃ，１６Ｋはトナー１５
を静電的にエンドレスベルト８に転移させるものであ
り、非接触型のコロナ放電器や、接触型の導電性ローラ
又は導電性ブレードを使用することができる。本実施例
においては導電性ローラを使用した。

【００２１】前記エンドレスベルト８の走行方向におけ
る画像形成ユニット１０Ｙ，１０Ｍ，１０Ｃ，１０Ｋの
下流側には加熱・加圧手段１７が設けられる。該加熱・
加圧手段１７はエンドレスベルト８を挟んで対向して設
けられた一対のローラ１８，１９から成る。一方のロー
ラ１８は少なくとも加熱手段を備え、該ローラ１８に他
方のローラ１９が一定の加圧力で圧接される。前記加熱
手段は、金属製の中空部材にハロゲンランプを内蔵した
もので形成される。また、ガラス、セラミックス等の基
材の表面にＮｉ−Ｐなどから成る発熱抵抗体層を形成
し、更にその上にＴａ₂ Ｏ₅ 、フッ素樹脂等の保護層を
形成したものも使用することができる。一対のローラ１
８，１９のうち少なくとも一方は金属パイプにシリコー
ンゴムなどのゴムを被覆した弾性体で形成される。本実
施例においては、両ローラ１８，１９に加熱手段を備
え、ローラ１９の表面にシリコーンゴムを被覆した。

【００２２】また、前記エンドレスベルト８の走行方向
における前記加熱・加圧手段１７の下流側にはエンドレ
スベルト８を走行させるための駆動ローラ２０が設けら
れ、該駆動ローラ２０に対して急な角度で屈曲するよう
にエンドレスベルト８が掛けられている。したがって、
エンドレスベルト８と駆動ローラ２０の間の摩擦を大き
くすることができ、記録支持体９は腰の強さによってエ
ンドレスベルト８から容易に分離される。そして、加熱
・加圧手段１７と駆動ローラ２０の間には、エンドレス
ベルト８に沿ってガイドプレート２１が設けられる。

【００２３】また、エンドレスベルト８は、エンドレス
ベルト８に一定の張力を与えるための引張ローラ２２、
エンドレスベルト８の横方向への斜行を矯正するスキュ
ー矯正ローラ２３及びガイドローラ２４に掛けられる。
前記エンドレスベルト８の走行方向における画像形成ユ
ニット１０Ｙ，１０Ｍ，１０Ｃ，１０Ｋの上流側には、
記録支持体９を挿入するための第１の挿入手段２５が設
けられる。該第１の挿入手段２５は記録支持体９を積層
して収納する記録支持体カセット２８、収納された記録
支持体９を順にエンドレスベルト８の上に給紙するため
の給紙ローラ２９、及び記録支持体９を案内する一対の
給紙ガイド３０から成る。

【００２４】また、エンドレスベルト８の走行方向にお
ける画像形成ユニット１０Ｙ，１０Ｍ，１０Ｃ，１０Ｋ
と加熱・加圧手段１７の間には記録支持体９を挿入する
ための第２の挿入手段３２が設けられる。この場合、該
第２の挿入手段３２においては手差しで記録支持体９が
給紙されるため、記録支持体９を案内する一対の手差し
ガイド３３、記録支持体９を送紙するための一対の送紙
ローラ３４、及び記録支持体９を加熱・加圧手段１７ま
で案内する一対の給紙ガイド３５から成る。

【００２５】次に、本発明のカラー画像形成装置の動作
について説明する。まず、前記エンドレスベルト８を走
行させるための駆動ローラ２０及び各感光体ドラム１１
が、図示しない駆動手段によって矢印方向に一定の周速
度で回転させられる。そして、第２の挿入手段３２に記
録支持体９が手差しで挿入されない場合は、第１の挿入
手段２５が選択されて記録支持体カセット２８に収納さ
れた記録支持体９が給紙される。

【００２６】すなわち、第１の挿入手段２５が選択され
ると第１の記録モードで、第２の挿入手段３２が選択さ
れると第２の記録モードで記録が行われるようになって
いる。そして、第１の記録モードにおいては、記録を開
始するスタート信号に基づいて第１の挿入手段２５の給
紙ローラ２９が記録支持体カセット２８に収納された記
録支持体９を給紙し、給紙ガイド３０によって案内して
エンドレスベルト８の上に給紙する。前記記録支持体９
はエンドレスベルト８に静電的に吸着され、エンドレス
ベルト８と同速度で搬送される。

【００２７】一方、画像形成ユニット１０Ｙ，１０Ｍ，
１０Ｃ，１０Ｋにおいては、初めに感光体ドラム１１の
表面が帯電装置１２によって一様にかつ均一に帯電され
る。次に、露光装置１３によって感光体ドラム１１が画
像信号に対応して露光され、静電潜像が形成される。こ
こでは、画像に対応する箇所に光が照射され、帯電した
電荷が消去される画像部と、帯電した電荷がそのまま残
される非画像部が形成される。

【００２８】続いて、感光体ドラム１１に接触し又は近
接して設けられた現像装置１４によって、前記静電潜像
は可視像化される。本実施例では反転現像が行われ、感
光体ドラム１１の導電性支持体とトナー担持体１４ａの
間にバイアス電位が印加される。したがって、トナー担
持体１４ａの上の帯電したトナー１５は静電気力によっ
て感光体ドラム１１に付着し、現像されてトナー像が形
成される。

【００２９】次に、感光体ドラム１１上に形成されたト
ナー像は、感光体ドラム１１と対向する各転写装置１６
Ｙ，１６Ｍ，１６Ｃ，１６Ｋによってエンドレスベルト
８の上の記録支持体９に静電的に転写される。そのた
め、各転写装置１６Ｙ，１６Ｍ，１６Ｃ，１６Ｋには、
トナー１５の帯電極性とは逆の極性の転写電位が図示し
ない転写電位形成手段によって形成される。

【００３０】以上のように、各画像形成ユニット１０
Ｙ，１０Ｍ，１０Ｃ，１０Ｋにおいて、同様に画像信号
に基づいて各色のトナー１５が各感光体ドラム１１に付
着し、現像されて各色のトナー像が形成され、記録支持
体９に転写され、エンドレスベルト８によって搬送され
て加熱・加圧手段１７に移動する。次に、第１の記録モ
ードにおける加熱・加圧手段１７について図２を併用し
て説明する。

【００３１】図２は本発明の第１の記録モードにおける
加熱・加圧手段の詳細図である。ここで、記録支持体９
上のトナー１５はトナー１５と接する側のローラ１８に
よって加熱され溶融させられ、記録支持体９に定着され
る。ここで、定着されたトナー像の表面はトナー１５の
粒子の凸凹に沿って粗くなるため、光沢のないカラー画
像が形成される。

【００３２】次に、第２の記録モードにおける加熱・加
圧手段１７について図３を併用して説明する。図３は本
発明の第２の記録モードにおける加熱・加圧手段の詳細
図である。この場合、記録支持体９としてＯＨＰ用のフ
ィルムを使用するため、第２の挿入手段３２が選択さ
れ、第１の挿入手段２５（図１）から記録支持体９が挿
入されることがないように制御される。該第２の記録モ
ードにおいて、感光体ドラム１１上に形成されたトナー
像はエンドレスベルト８に静電的に転写され、エンドレ
スベルト８上にカラーのトナー像が形成される。その
後、カラーのトナー像は加熱・加圧手段１７まで搬送さ
れる。

【００３３】前記記録支持体９は第２の挿入手段３２か
ら手差しで挿入され、送紙ローラ３４によって送紙され
る。そして、記録支持体９はエンドレスベルト８の走行
方向における加熱・加圧手段１７の手前でエンドレスベ
ルト８上のトナー像と重ねられ、加熱・加圧手段１７の
両ローラ１８，１９によって挟持され、加熱され加圧さ
れる。その結果、エンドレスベルト８上のトナー１５に
両ローラ１８，１９の熱が伝達され、トナー１５は加熱
され溶融させられる。

【００３４】その後、前記記録支持体９は、エンドレス
ベルト８の走行方向における加熱・加圧手段１７の下流
側にエンドレスベルト８と重ねられた状態で搬送され
る。そして、記録支持体９は駆動ローラ２０によってエ
ンドレスベルト８が急な角度で屈曲させられる箇所まで
搬送され、その箇所で記録支持体９は腰の強さによって
エンドレスベルト８から分離される。

【００３５】この時点で、溶融させられていたトナー１
５は冷却され、固体状態になる。したがって、トナー１
５は凝集力が大きく一体となり、エンドレスベルト８上
のトナー像はトナー１５との間の接着力が強い記録支持
体９に転写され、同時に定着される。この場合、記録支
持体９に転写されたトナー像のトナー１５の表面はエン
ドレスベルト８の表面にならって極めて平滑になり、光
沢のあるカラー画像が形成される。その後、記録支持体
９はカラー画像形成装置の外の図示しないスタッカに排
出される。

【００３６】前記エンドレスベルト８はその表面にフッ
素樹脂が被覆されていて離型性が良好であり、また、ト
ナー１５は固体状態となって凝集力が大きく一体となる
ため、転写後のエンドレスベルト８にトナー１５はほと
んど残留することがない。したがって、次の画像形成に
おいて、記録支持体９に残像が発生することは全くな
い。

【００３７】また、第１の挿入手段２５から挿入された
記録支持体９に感光体ドラム１１からトナー像を転写す
る場合と、第２の挿入手段３２から挿入された記録支持
体９に感光体ドラム１１からエンドレスベルト８を介し
てトナー像を転写する場合とでは、トナー像の向きが左
右反対になる。しかし、第２の挿入手段３２から挿入さ
れた記録支持体９がＯＨＰ用のフィルムである場合は、
図示しないプロジェクタの搭載ガラスに乗せる面を選択
することによってトナー像の向きを左右同じにすること
ができる。

【００３８】次に、本発明の第２の実施例について説明
する。本発明の第２の実施例においては、第１の挿入手
段２５（図１）から挿入される記録支持体９と第２の挿
入手段３２から挿入される記録支持体９のいずれにも記
録紙が使用される。この場合、第１の記録モードにおい
ては、第１の挿入手段２５から挿入された記録支持体９
に光沢のないカラー画像が形成され、第２の記録モード
においては、第２の挿入手段３２から挿入された記録支
持体９に光沢のあるカラー画像が形成され、光沢の有無
を好みに応じて選択することが可能になる。

【００３９】ところで、第１の挿入手段２５から記録支
持体９を挿入した場合と、第２の挿入手段３２から記録
支持体９を挿入した場合とでは、カラー画像の向きが左
右反対になる。したがって、図示しない左右反転手段が
設けられ、露光装置１３に供給される画像信号が処理さ
れ、第１の記録モードと第２の記録モードで画像の左右
が変換される。

【００４０】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させるこ
とが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するも
のではない。

【００４１】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、カラー画像形成装置においては、画像形成担持
体、及び該画像形成担持体にトナー像を形成する画像形
成手段から成る複数の画像形成ユニットと、平滑な表面
を有し、前記各画像形成担持体に沿って配設され、か
つ、一方向に走行させられるベルトと、該ベルトを挟ん
で各画像形成担持体と対向させて配設された転写手段
と、前記ベルトの走行方向における画像形成ユニットの
下流側にベルトを挟んで配設された加熱・加圧手段と、
前記ベルトの走行方向における前記画像形成ユニットの
上流側に配設され、記録支持体を挿入するための第１の
挿入手段と、前記ベルトの走行方向における画像形成ユ
ニットと加熱・加圧手段との間に配設され、記録支持体
を挿入するための第２の挿入手段と、前記第１の挿入手
段から挿入された記録支持体にカラー画像を形成する第
１の記録モードと、前記第２の挿入手段から挿入された
記録支持体にカラー画像を形成する第２の記録モードと
を切り換える手段とを有する。

【００４２】そして、前記第１の記録モードにおいて
は、前記第１の挿入手段から挿入され、ベルトによって
搬送される記録支持体の前記ベルトと接しない側の面
に、前記ベルトに沿って配設された各画像形成担持体に
担持されたトナー像が転写され、記録支持体に転写され
たトナー像が前記加熱・加圧手段によって定着され、ト
ナー像の表面がトナーの粒子の凹凸によって粗くされ
る。

【００４３】また、前記第２の記録モードにおいては、
前記ベルトに各画像形成担持体に担持されたトナー像が
転写され、前記ベルトに転写されたトナー像が、前記第
２の挿入手段から挿入された記録支持体の前記ベルトと
接する側の面に前記加熱・加圧手段によって転写と同時
に定着され、トナー像の表面が前記ベルトの表面になら
って極めて平滑にされる。

【００４４】

【００４５】この場合、第１の記録モードにおいて、ト
ナー像の表面がトナーの粒子の凹凸によって粗くされ、
記録紙に光沢のないカラー画像を形成し、第２の記録モ
ードにおいて、トナー像の表面が前記ベルトの表面にな
らって極めて平滑にされ、ＯＨＰ用のフィルムに光沢の
あるカラー画像を形成することができる。したがって、
色再現性を向上させることができ、しかも、光沢の有無
を選択することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示すカラー画像形成装置の概
略図である。

【図２】本発明の第１の記録モードにおける加熱・加圧
手段の詳細図である。

【図３】本発明の第２の記録モードにおける加熱・加圧
手段の詳細図である。

【符号の説明】

８ エンドレスベルト ９ 記録支持体 １０Ｙ，１０Ｍ，１０Ｃ，１０Ｋ 画像形成ユニット １１ 感光体ドラム １６Ｙ，１６Ｍ，１６Ｃ，１６Ｋ 転写装置 １７ 加熱・加圧手段 ２５ 第１の挿入手段 ３２ 第２の挿入手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G03G 15/01 - 15/01 117 G03G 15/16

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 （ａ）画像形成担持体、及び該画像形成
   担持体にトナー像を形成する画像形成手段から成る複数
   の画像形成ユニットと、 （ｂ）平滑な表面を有し、前記各画像形成担持体に沿っ
   て配設され、かつ、一方向に走行させられるベルトと、 （ｃ）該ベルトを挟んで各画像形成担持体と対向させて
   配設された転写手段と、 （ｄ）前記ベルトの走行方向における画像形成ユニット
   の下流側にベルトを挟んで配設された加熱・加圧手段
   と、 （ｅ）前記ベルトの走行方向における前記画像形成ユニ
   ットの上流側に配設され、記録支持体を挿入するための
   第１の挿入手段と、 （ｆ）前記ベルトの走行方向における画像形成ユニット
   と加熱・加圧手段との間に配設され、記録支持体を挿入
   するための第２の挿入手段と、 （ｇ）前記第１の挿入手段から挿入された記録支持体に
   カラー画像を形成する第１の記録モードと、前記第２の
   挿入手段から挿入された記録支持体にカラー画像を形成
   する第２の記録モードとを切り換える手段とを有すると
   ともに、 （ｈ）前記第１の記録モードにおいては、前記第１の挿
   入手段から挿入され、ベルトによって搬送される記録支
   持体の前記ベルトと接しない側の面に、前記ベルトに沿
   って配設された各画像形成担持体に担持されたトナー像
   が転写され、記録支持体に転写されたトナー像が前記加
   熱・加圧手段によって定着され、トナー像の表面がトナ
   ーの粒子の凹凸によって粗くされ、 （ｉ）前記第２の記録モードにおいては、前記ベルトに
   各画像形成担持体に担持されたトナー像が転写され、前
   記ベルトに転写されたトナー像が、前記第２の挿入手段
   から挿入された記録支持体の前記ベルトと接する側の面
   に前記加熱・加圧手段によって転写と同時に定着され、
   トナー像の表面が前記ベルトの表面にならって極めて平
   滑にされることを特徴とするカラー画像形成装置。