JP3264392B2 - 複合樹脂粉末及びそれを含有する化粧料 - Google Patents

複合樹脂粉末及びそれを含有する化粧料

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JP3264392B2 JP14208393A JP14208393A JP3264392B2 JP 3264392 B2 JP3264392 B2 JP 3264392B2 JP 14208393 A JP14208393 A JP 14208393A JP 14208393 A JP14208393 A JP 14208393A JP 3264392 B2 JP3264392 B2 JP 3264392B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、使用感が良好で、優れ
た紫外線防止効果を有する複合樹脂粉末及びそれを含有
する化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、粉体表面を改質することにより、発色性、ぬれ性、
流動性、分散性、感触など、新しい特性を有する粉体材
料が開発されている。特に、紫外線散乱効果を有する酸
化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄などの無機粉末を、ポリエ
チレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、フ
ッ素樹脂、シリコーン樹脂などの樹脂表面にボールミ
ル、オングミル、スクリーンミル、ハイブリダイザー等
により被着固定化した複合粉末が、日焼け止め化粧料に
配合されている。
【0003】しかしながら、一般に、樹脂粉末表面には
酸化亜鉛などの無機粉末は被着し難いため、処理時間を
長くして樹脂粉末に対する酸化亜鉛などの無機粉末の被
着力を向上させようとする場合には、樹脂粉末の耐熱性
及び機械的強度が低いことから、処理に伴う過大な熱や
機械的な負荷により、樹脂が分解してモノマーになった
り、樹脂粉末粒子が変形したりすることがある。発生し
たモノマーは異臭の原因になったり、また変形した樹脂
粉末粒子は、分散性や感触が悪くなるという問題があっ
た。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】従って、樹脂粉末表面
に無機粉末が強固に被着し、使用感、紫外線防止効果に
優れた複合樹脂粉末が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意研究を行った結果、あらかじめ表面処理
された樹脂粉末を、酸化亜鉛等で被覆すれば、これらが
樹脂粉末表面に強固に被着し、使用感、紫外線防止効果
に優れた複合樹脂粉体が得られることを見出し、本発明
を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、樹脂粉末の表面を、
パーフルオロアルキル基を有する界面活性剤で処理し、
さらに酸化亜鉛、酸化チタン又は酸化鉄で被覆してなる
ことを特徴とする複合樹脂粉末を提供するものである。
【0007】本発明で用いる樹脂粉末としては、例えば
ナイロン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、
シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂等の
樹脂粉末が挙げられる。これらの樹脂粉末は球状で、そ
の平均粒子径が0.1〜50μmのものが好ましく、特
に0.2〜20μmのものが好ましい。なお、この樹脂
粉末の粒子形状は球状のみならず、棒状、板状、不定形
等であってもよい。
【0008】これらの樹脂粉末の具体例としては、ナイ
ロン樹脂としては、例えばナイロン微粒子SP−500
(東レ社製);ポリエチレン樹脂としては、例えばフロ
ービーズCL2080LL(住友精化社製);ポリスチ
レン樹脂としては、例えばファインパール3000SP
(日本光研社製);シリコーン樹脂としては、例えばト
スパール103、105、108、120、130、1
45A、240、3120などのポリメチルシルセスキ
オキサン粉末(以上、東芝シリコーン社製)、トレフィ
ルE−500、E−501、E−600、E−601、
E−602、E−603、E−900、E−925、E
−930などのメチルポリシロキサン粉末(以上、東レ
・ダウコーニング社製)などを挙げることができる。
【0009】樹脂粉末の表面処理としては、シリコーン
処理、アミノ酸処理、金属石鹸処理、レシチン処理、ジ
アルキルリン酸処理、シリカアルミナ処理、ワックス処
理、フッ素処理等が挙げられる。これらのうち、本発明
の表面処理としてはフッ素処理が使用され、特にパーフ
ルオロアルキル基を有する界面活性剤で処理される。か
かるパーフルオロアルキル基を有する界面活性剤として
は、極性基を有するものであればいずれでもよく、例え
ばポリフルオロアルキルリン酸(米国特許第36327
44号明細書)、パーフルオロアルキルリン酸エステル
ジエタノールアミン塩(特開昭62−250074号公
報)、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロアル
コール、パーフルオロエポキシ化合物、スルホアミド型
フルオロリン酸、パーフルオロ硫酸塩、パーフルオロカ
ルボン酸塩等が挙げられる。
【0010】本発明で用いる酸化亜鉛、酸化チタン又は
酸化鉄(以下、三種を総称する場合は「酸化亜鉛等」と
いう)としては、従来より化粧品、医薬部外品、外用医
薬品などに用いられている公知の無機粉体で、これらの
粒子径や形状などは、特に制限されるものではない。酸
化亜鉛等としてはそれらの中でも、微粒子酸化亜鉛(特
公昭62−228006号公報)、薄片状酸化亜鉛(特
公平1−175921号公報)微粒子酸化チタン(特公
平1−13511号公報)などが紫外線防止効果が優れ
ているので好ましく、市販品としては、微粒子酸化亜鉛
としては、例えば微細亜鉛華(境化学工業社製);微粒
子酸化チタンとしては、例えばタイペーク(石原産業社
製)等を使用することができる。また、これらの酸化亜
鉛等は、例えばシリコーン処理、アミノ酸処理、金属石
鹸処理、レシチン処理、ジアルキルリン酸処理、シリカ
アルミナ処理、ワックス処理、フッ素処理等の表面処理
したものを用いることもできる。更に、これらの酸化亜
鉛等は二種以上を適宜組み合わせて用いることもでき
る。
【0011】本発明の複合樹脂粉末は、樹脂粉末の表面
を上記した表面処理し、次に処理後の母粒子となる樹脂
粉末表面を酸化亜鉛等で被覆処理することにより、得る
ことができる。
【0012】樹脂粉末の表面を処理する方法は特に制限
されるものではなく、例えばヘンシェルミキサー、スー
パーミキサー、振動式ボールミル、回転式ボールミル、
オングミル、ポットミル、乳鉢、アトライター、ハイブ
リダイザーなどを用いて処理することができる。なお、
表面処理をパーフルオロアルキル基を有する界面活性剤
を用いて行う場合は、界面活性剤をそのまま又は適当な
溶剤(例えば、エタノール、水、イソプロピルアルコー
ル、クロロホルム、フロンR113、ヘキサフルオロメ
タキシレン等)に溶解させて噴霧又は滴下により添加
し、均一に分散させた後、室温又は加熱乾燥することに
より行うのが好ましい。また、前記界面活性剤の中で
も、炭素数が8以上のパーフルオロアルキル基を有する
界面活性剤は流動性が著しく低いため、それらを用いる
場合には、フロンR113、ヘキサフルオロメタキシレ
ンなどのフッ素系溶剤に溶解させて用いるのが好まし
い。
【0013】この表面処理において使用する表面処理剤
の量は、樹脂粉末重量に対して0.01〜30重量%、
特に0.5〜15重量%であるのが好ましい。また、こ
のようにして表面処理した樹脂粉末の平均粒子径は、
0.1〜50μm、特に0.2〜20μmであるのが好
ましい。
【0014】次に、表面処理した樹脂粉末を酸化亜鉛等
で被覆処理する方法としては、上記の表面処理と同様の
方法を適用することができる。
【0015】この処理において使用する酸化亜鉛等の量
は、表面処理した樹脂粉末重量に対して2〜500重量
%、特に10〜100重量%であるのが好ましい。この
ようにして得られる本発明の複合樹脂粉末の平均粒子径
は、0.1〜50μm、特に0.2〜20μmであるの
が好ましい。
【0016】本発明の化粧料は、前記のようにして得ら
れる複合樹脂粉末を配合して製造することができる。
【0017】本発明の化粧料における複合樹脂粉末の含
有量は、化粧料の種類に応じて適宜決定できるが、紫外
線防止効果を十分に発揮させる点や製造コストの点など
から、全組成中に0.1〜50重量%、特に1〜25重
量%であるのが好ましい。
【0018】また、本発明の化粧料には、前記の複合樹
脂粉末以外に、通常の化粧料、医薬部外品、外用医薬品
等に用いられる成分を、本発明の効果を損わない範囲で
適宜配合することができる。かかる成分としては、例え
ばマイカ、タルク、セリサイト、カオリンなどの体質顔
料;パールなどの無機顔料;赤色202号、226号、
黄色4号アルミニウムレーキなどの有機顔料;酸化亜
鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化鉄などの無機
粉末;シリコーン処理、金属石鹸処理、N−アシルグル
タミン酸処理、フッ素処理等をした各種の有機又は無機
粉末;固体状又は液体状パラフィン、クリスタルオイ
ル、セレシン、オゾケライト、モンタンロウなどの炭化
水素類;オリーブ、ジロウ、カルナウバロウ、ラノリ
ン、ゲイロウなどの植物油、動物性油脂又はロウ;ステ
アリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、グリセリンモノ
ステアリン酸エステル、グリセリンジステアリン酸エス
テル、グリセリンモノオレイン酸エステル、イソプロピ
ルミリスチン酸エステル、イソプロピルステアリン酸エ
ステル、ブチルステアリン酸エステルなどの脂肪酸及び
そのエステル類;デキストリン脂肪酸エステル;メチル
ポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オク
タメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペ
ンタンシロキサンなどのシリコーン油;エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、セチルアルコール、ステ
アリルアルコール、パルミチルアルコール、ヘキシルド
デシルアルコールなどのアルコール類;保湿剤としての
グリコール、グリセリン又はソルビトールなどの多価ア
ルコール類;界面活性剤;増粘剤;防腐剤;酸化防止剤
などを挙げることができる。
【0019】さらに、本発明の化粧料には、公知の紫外
線吸収剤を組合わせて配合することもできる。かかる紫
外線吸収剤としては、例えばp−メチルベンジリデン、
D,L−ショウノウ又はそのスルホン酸ナトリウム塩、
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸ナト
リウム塩、3,4−ジメチルフェニルグルオキシル酸ナ
トリウム塩、4−フェニルベンゾフェノン、4−フェニ
ルベンゾフェノン−2’−カルボン酸イソオクチルエス
テル、p−メトキシ桂皮酸エステル、2−フェニル−5
−メチルベンズオキサゾール、p−ジメチルアミノ安息
香酸エステル、4−t−ブチル−4’−メトキシジベン
ゾイルメタン、ベンゾイルピナコロン誘導体、ベンゾイ
ルケトン誘導体などを挙げることができる。
【0020】本発明の化粧料は、通常の方法に従って製
造することができ、乳液状、クリーム状、油状、油性固
形状など所望の剤型にすることができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0022】実施例1 丸底フラスコ(又はニーダー)に平均粒子径が4.5μ
mのシリコーン樹脂粉末(トスパール145A、東芝シ
リコーン社製)20gを入れた。次に、(C817CH2
CH2)P(O)OHの1gをイソプロピルアルコール
200gに50℃で加熱溶解させておいたものを加え、
60℃で4時間混合した。その後、40〜50℃でイソ
プロピルアルコールを減圧下で留去し、乾燥して母粒子
を得た。この母粒子20gと粒子径0.27μmのシリ
コーン樹脂被覆微粒子酸化亜鉛(微細亜鉛華、堺化学社
製)10gを十分に混合したのちハイブリダイザーに仕
込み、周速50m/sで3分間処理し、本発明の複合樹
脂粉末を得た。このようにして得られた複合樹脂粉末
は、シリコーン樹脂粉末の表面が完全に微粒子酸化亜鉛
で被覆されたものであることを電子顕微鏡で確認した。
【0023】比較例1 表面処理していないシリコーン樹脂(トスパール145
A)を用いたほかは実施例1と同様にして複合樹脂粉末
を製造した。
【0024】実施例1及び比較例1で得られた複合樹脂
粉末を電子顕微鏡で観察し、その被着状態を以下の基準
で示した。 (評価基準) ◎:母粒子上に子粒子が密に被着 ○:母粒子上に子粒子が密に被着しているが、やや母粒
子表面がみられ、未被着の子粒子が存在する。 △:未被着の子粒子が存在する。 ×:被着していない。
【0025】
【表1】
【0026】実施例2 実施例1と同様にして母粒子を得た。次に、この母粒子
20gと粒子径30〜70nmのシリコーン樹脂被覆微
粒子酸化チタン(MT600ks、帝国化工社製)10
gを十分に混合したのち、ハイブリダイザーに仕込み、
周速50m/sで3分間処理し、本発明の複合樹脂粉末
を得た。このようにして得られた複合樹脂粉末は、シリ
コーン樹脂粉末の表面が完全に微粒子酸化チタンで被覆
されたものであることを電子顕微鏡で確認した。
【0027】実施例3 平均粒子径が5μmのナイロン樹脂粉末(SP−50
0、東レ社製)を用いたほかは実施例1と同様にして母
粒子を得た。次に、この母粒子20gと粒子径0.27
μmのシリコーン樹脂被覆微粒子酸化亜鉛(微細亜鉛
華)10gを十分に混合したのち、ハイブリダイザーに
仕込み、周速50m/sで3分間処理し、本発明の複合
樹脂粉末を得た。このようにして得られた複合樹脂粉末
は、ナイロン樹脂粉末の表面が完全に微粒子酸化亜鉛で
被覆されたものであることを電子顕微鏡で確認した。
【0028】実施例4 丸底フラスコに水−アセトン混合溶媒200ml及び平
均粒子径4.5μmのシリコーン樹脂粉末(トスパール
145A)20gを入れ、分散させた。次に、パーフル
オロアルキルリン酸エステルジエタノールアミン塩(A
G530、旭硝子社製)の30%水溶液25gを加え、
60℃で4時間混合した。その後、塩酸を加えて中和し
たのち、濾過して数回水洗し、それを乾燥して母粒子を
得た。次に、この母粒子20gを用い、実施例2と同様
にして処理し、本発明の複合樹脂粉末を得た。このよう
にして得られた複合樹脂粉末は、シリコーン樹脂粉末の
表面が完全に微粒子酸化チタンで被覆されたものである
ことを電子顕微鏡で確認した。
【0029】実施例5 実施例4と同様にして母粒子を得た。次に、この母粒子
を用い、実施例1と同様に処理し、本発明の複合樹脂粉
末を得た。このようにして得られた複合樹脂粉末は、シ
リコーン樹脂粉末の表面が完全に微粒子酸化亜鉛で被覆
されたものであることを電子顕微鏡で確認した。
【0030】実施例6 実施例1と同様にして母粒子を得た。次に、粒子径0.
27μmの微粒子酸化亜鉛10gを用いた以外は実施例
1と同様にして処理し、本発明の複合樹脂粉末を得た。
このようにして得られた複合樹脂粉末は、シリコーン樹
脂粉末の表面が完全に微粒子酸化亜鉛で被覆されたもの
であることを電子顕微鏡で確認した。
【0031】実施例7 実施例1と同様にして母粒子を得た。次に、粒子径30
〜70nmの微粒子酸化チタンを用いた以外は実施例1
と同様に処理し、本発明の複合樹脂粉末を得た。このよ
うにして得られた複合樹脂粉末は、シリコーン樹脂粉末
の表面が完全に微粒子酸化チタンで被覆されたものであ
ることを電子顕微鏡で確認した。
【0032】実施例8 実施例1と同様にして母粒子を得た。次に、この母粒子
20gと粒子径0.27μmのシリコーン樹脂被覆微粒
子酸化亜鉛(微細亜鉛華)10gを十分に混合した。そ
の後、これを回転ボールミルに仕込み、8時間処理し、
本発明の複合樹脂粉末を得た。このようにして得られた
複合樹脂粉末は、シリコーン樹脂粉末の表面が完全に微
粒子酸化亜鉛で被覆されたものであることを電子顕微鏡
で確認した。
【0033】実施例9 実施例1と同様にして母粒子を得た。次に、この母粒子
20gと粒子径30〜70nmのシリコーン被覆微粒子
酸化チタン(MT600ks)10gを十分に混合し
た。その後、これを回転ボールミルに仕込み、8時間処
理し、本発明の複合樹脂粉末を得た。このようにして得
られた複合樹脂粉末は、シリコーン樹脂粉末の表面が完
全に微粒子酸化チタンで被覆されたものであることを電
子顕微鏡で確認した。
【0034】実施例10 平均粒子径5μmのナイロン樹脂粉末(SP−500)
を用いたほかは実施例4と同様にして母粒子を得た。次
に、この母粒子20gと粒子径30〜70nmのシリコ
ーン被覆微粒子酸化チタン(MT600ks)10gを
十分に混合した。その後、これを回転ボールミルに仕込
み、8時間処理し、本発明の複合樹脂粉末を得た。この
ようにして得られた複合樹脂粉末は、ナイロン樹脂粉末
の表面が完全に微粒子酸化チタンで被覆されたものであ
ることを電子顕微鏡で確認した。
【0035】実施例11 実施例10と同様にして母粒子を得た。次に、この母粒
子20gと粒子径0.27μmのシリコーン被覆微粒子
酸化亜鉛(微細亜鉛華)10gを十分に混合し、回転ボ
ールミルに仕込み、それぞれ8時間、10時間又は12
時間の処理をして、本発明の複合樹脂粉末を得た。この
ようにして得られた複合樹脂粉末は、いずれの処理時間
のものもナイロン樹脂粉末の表面が完全に微粒子酸化亜
鉛で被覆されていることを電子顕微鏡で確認した。
【0036】比較例2 表面処理していないナイロン樹脂(SP−500)を用
いたほかは実施例11と同様にして、8時間、10時間
又は12時間処理して、複合樹脂粉末を得た。
【0037】実施例11及び比較例2で得られた各処理
時間の複合樹脂粉末を電子顕微鏡で観察し、酸化亜鉛の
被着状態及び変形について評価した。なお、被着状態の
評価基準は前記と同様である。結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】実施例12 丸底フラスコに平均粒子径が4.5μmのシリコーン樹
脂粉末(トスパール145A)20gを入れた。次に、
(C817CH2CH2)P(O)OHの1gをイソプロ
パノール200mlに50℃で加熱溶解させておいたも
のを加え、60℃で4時間混合した。その後、40〜5
0℃でイソプロパノールを減圧下で留去し、乾燥して母
粒子を得た。次に、この母粒子20gと、粒子径0.2
7μmの前記方法に準じて(C817CH2CH2)P
(O)OHで処理した微粒子酸化亜鉛10gを十分に混
合したのちハイブリダイザーに仕込み、周速50m/s
で3分間処理し、本発明の複合樹脂粉末を得た。このよ
うにして得られた複合樹脂粉末は、シリコーン樹脂粉末
の表面が完全に微粒子酸化亜鉛で被覆されたものである
ことを電子顕微鏡で確認した。
【0040】実施例13 丸底フラスコに平均粒子径が10μmのシリコーン樹脂
粉末(トレフィルE−500、東レ・ダウコーニング社
製)20gを入れた。次に、(C817CH2CH2)P
(O)OHの1gをイソプロパノール200mlに50
℃で加熱溶解させておいたものを加え、60℃で4時間
混合した。その後、40〜50℃でイソプロパノールを
減圧下で留去し、乾燥して母粒子を得た。次に、この母
粒子200gと粒子径0.27μmのシリコーン被覆微
粒子酸化亜鉛(微細亜鉛華)100gを十分に混合した
のち回転ボールミルに仕込み、8時間処理し、本発明の
複合樹脂粉末を得た。このようにして得られた複合樹脂
粉末は、シリコーン樹脂粉末の表面が完全に微粒子酸化
亜鉛で被覆されたものであることを電子顕微鏡で確認し
た。
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】実施例14 実施例1で得た複合樹脂粉末を用い、常法により下記の
組成の乳液を製造した。得られた乳液は、使用感に優
れ、紫外線防止能にも優れていた。
【0049】
【表4】 (成分) (重量%) 実施例1で得た複合樹脂粉末 20 シリコーン処理タルク 5 p−メトキシ桂皮酸オクチル 5 α−モノステアリルグリセリルエーテル 1.5 ポリオキシエチレン(E.0.20)ソルビタン モノオレイン酸エステル 1 ミツロウ 2 ラノリン 2 スクワラン 10 流動パラフィン 10 防腐剤 適量 香料 適量 精製水 バランス
【0050】実施例15 実施例2で得た複合樹脂粉末を用い、常法により下記の
組成の乳液を製造した。得られた乳液は、使用感に優
れ、紫外線防止能にも優れていた。
【0051】
【表5】 (成分) (重量%) 実施例2で得た複合樹脂粉末 20 シリコーン処理タルク 5 p−メトキシ桂皮酸オクチル 5 α−モノステアリルグリセリルエーテル 1.5 ポリオキシエチレン(E.O.20) ソルビタンモノオレイン酸エステル 1 ミツロウ 2 ラノリン 2 スクワラン 10 流動パラフィン 10 防腐剤 適量 香料 微量 精製水 バランス
【0052】実施例16 実施例1で得た複合樹脂粉末を用い、常法により下記の
組成のクリームを製造した。得られたクリームは、使用
感に優れ、紫外線防止能にも優れていた。
【0053】
【表6】 (成分) (重量%) 実施例1で得た複合樹脂粉末 20 シリコーン処理タルク 1 p−メトキシ桂皮酸オクチル 5 α−モノステアリルグリセリルエーテル 2 ポリオキシエチレン(E.0.20)ソルビタン モノオレイン酸エステル 2 ミツロウ 5 ラノリン 8 スクワラン 35 ミリスチルオクチルドデシル 1 硫酸マグネシウム 0.5 グリセリン 5 防腐剤 適量 香料 適量 精製水 バランス
【0054】実施例17 実施例2で得た複合樹脂粉末を用い、常法により下記の
組成のクリームを製造した。得られたクリームは、使用
感に優れ、紫外線防止能にも優れていた。
【0055】
【表7】 (成分) (重量%) 実施例2で得た複合樹脂粉末 15 シリコーン処理チタン 1 脂肪酸グリセリン 3.5 親油性モノステアリン酸グリセリンエステル 2 ポリオキシエチレン(E.0.20)ソルビタン モノオレイン酸エステル 2 ミツロウ 5.5 セタノール 4.5 ラノリン 7 スクワラン 33 プロピレングリコール 4.5 防腐剤 適量 酸化防止剤 適量 香料 適量 精製水 バランス
【0056】実施例18 実施例3で得られた複合樹脂粉末を用い、常法により下
記の組成の液体ファンデーションを製造した。得られた
液体ファンデーションは、使用感に優れ、紫外線防止能
にも優れていた。
【0057】
【表8】 (成分) (重量%) 実施例3で得た複合樹脂粉末 10 シリコーン処理微粒子酸化亜鉛 10 α−ジメチルアミノ安息香酸オクチル 5 ジメチルシロキサン・メチル(ポリアルキレン) シロキサン共重合体 0.5 メチルポリシロキサン 10 デカメチルシクロペンタンシロキサン 10 防腐剤 適量 香料 適量 エタノール/水=20/80(w/w%) バランス
【0058】実施例19 実施例4で得られた複合樹脂粉末を用い、常法により下
記の組成のパウダーファンデーションを製造した。得ら
れたパウダーファンデーションは、使用感に優れ、紫外
線防止能にも優れていた。
【0059】
【表9】 (成分) (重量%) 実施例4で得た複合樹脂粉末 15 シリコーン処理微粒子酸化チタン 10 タルク 20 ベンガラ 0.8 黄酸化鉄 2.5 黒酸化鉄 0.1 流動パラフィン 8 防腐剤 適量 香料 適量 マイカ 残量
【0060】
【0061】
【0062】実施例20 実施例12で得た複合樹脂粉末を用い、常法により下記
組成の乳液を得た。得られた乳液は、使用感に優れ、紫
外線防止能にも優れていた。
【0063】
【表11】 (成分) (重量%) 実施例12で得た複合樹脂粉末 20 シリコーン処理タルク 5 p−メトキシ桂皮酸オクチル 5 α−モノステアリルグリセリルエーテル 1.5 ポリオキシエチレン(E.O.20)ソルビタン モノオレイン酸エステル 1 ミツロウ 2 ラノリン 2 スクワラン 10 流動パラフィン 10 防腐剤 適量 香料 微量 精製水 バランス
【0064】
【0065】
【0066】実施例21 実施例12で得られた複合樹脂粉末を用い、常法により
下記組成のクリームを得た。得られたクリームは、使用
感に優れ、紫外線防止能にも優れていた。
【0067】
【表13】 (成分) (重量%) 実施例12で得た複合樹脂粉末 15 シリコーン処理酸化チタン 1 脂肪酸グリセリン 3.5 親油性モノステアリン酸グリセリン 2 ポリオキシエチレン(E.O.20)ソルビタン モノオレイン酸エステル 2 ミツロウ 5.5 セタノール 4.5 ラノリン 7 スクワラン 33 プロピレングリコール 4.5 防腐剤 適量 酸化防止剤 適量 香料 微量 精製水 バランス
【0068】実施例22 実施例2で得られた複合樹脂粉末を用い、常法により下
記組成の液体ファンデーションを得た。得られた液体フ
ァンデーションは、使用感に優れ、紫外線防止能にも優
れていた。
【0069】
【表14】 (成分) (重量%) 実施例2で得た複合樹脂粉末 10 シリコーン処理微粒子酸化亜鉛 10 α−ジメチルアミノ安息香酸オクチル 5 ジメチルシロキサン・メチル(ポリアルキレン) シロキサン共重合体 0.5 メチルポリシロキサン 10 デカメチルシクロペンタンシロキサン 10 防腐剤 適量 香料 微量 エチルアルコール/水=20/80(W/W%) バランス
【0070】実施例23 実施例13で得られた複合樹脂粉末を用い、常法により
下記組成の液体ファンデーションを得た。得られた液体
ファンデーションは、使用感に優れ、紫外線防止能にも
優れていた。
【0071】
【表15】 (成分) (重量%) 実施例13で得た複合樹脂粉末 15 シリコーン処理微粒子酸化チタン 10 タルク 20 ベンガラ 0.8 黄酸化鉄 2.5 黒酸化鉄 0.1 流動パラフィン 8 防腐剤 適量 香料 適量 マイカ 残量
【0072】
【発明の効果】本発明の複合樹脂粉末は、樹脂粉末と酸
化亜鉛等が表面処理剤による処理を経て被着されてい
る。よって、樹脂粉末と酸化亜鉛等との被着が容易であ
るので、製品としての複合樹脂粉末自体の変形等がな
い。更に、樹脂粉末と酸化亜鉛等との被着力も非常に大
きいので、長期間紫外線防止効果を十分に発揮できる。
また、本発明の化粧料は、このような優れた複合樹脂粉
末を含有しているため、非常に使用感がよく、その紫外
線防止効果も優れている。本発明の化粧料は、日焼け止
め化粧料、UVケア化粧料、更には顔料と併用すること
によりUVケアファンデーションなどとして好適であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−190625(JP,A) 特開 平3−181411(JP,A) 特開 平3−200721(JP,A) 特開 平5−25019(JP,A) 特開 昭59−128322(JP,A) 特開 昭57−122931(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/44

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂粉末の表面を、パーフルオロアルキ
    ル基を有する界面活性剤で処理し、さらに酸化亜鉛、酸
    化チタン又は酸化鉄で被覆してなることを特徴とする複
    合樹脂粉末。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の複合樹脂粉末を含有する
    ことを特徴とする化粧料。
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