JP3262682B2 - 空燃比センサ特性解析装置 - Google Patents

空燃比センサ特性解析装置

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英昭 高橋
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空燃比センサの特性解
析を行う空燃比センサ特性解析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車などの内燃機関では、排気中の有
害成分排出量を大幅に低減する為、三元触媒を用いた排
気浄化システムが広く用いられている。三元触媒は、排
気中に比較的高濃度に含まれる三つの主要有害成分、即
ち、窒素酸化物 (NOx) 、一酸化炭素 (CO) 及び炭
化水素 (HC) を、共に高い浄化率で浄化する機能を基
本的に有している。しかしながら、図22に示すよう
に、三元触媒の浄化率は、排気の空燃比(空気過剰率
λ)に強く依存する性質を有する。即ち、排気の空燃比
が燃料リッチ (以下、単にリッチと略称する) の場合に
は、一酸化炭素 (CO) 及び炭化水素 (HC) の浄化率
が低くなり、逆に燃料リーン (以下、単にリーンと略称
する) の場合には、窒素酸化物 (NOx) の浄化率が極
端に低くなる性質を有する。その結果として、三元触媒
に於いて、三つの主要有害成分の浄化率が共に高いのは
理論空燃比近傍の極く狭い (1 %以内の) 範囲に限定さ
れている。それ故、三元触媒の本来持てる機能 (三有害
成分に対する高い浄化率) を有効に引き出す為には、排
気の空燃比 (の時間平均値) を理論空燃比に精密に制御
しなければならない。
【0003】空燃比制御を空燃比センサを用いることな
くオープンループ制御で行なう方式の場合には、空燃比
の精度は、空気流量計量部 (エアフローメーター等) 及
び燃料流量計量部 (燃料噴射弁等) の精度に主に依存す
る事になる。この方式で、高精度な空燃比制御を行なう
為には、両流量計量部に対して極めて高い計量精度、即
ち、極めて高い加工精度が求められる。しかしながら、
今日の工業技術水準に於いて、両流量計量部の加工精度
を最高度に高めたとしても、上記の如き精密な(1 %以
内の) 空燃比制御の要求を満たすことは容易ではない。
【0004】そこで、通常は排気の理論空燃比センサ
(O2センサとも呼ばれる) を用いて、理論空燃比からの
偏位を精密に測定し、クローズドループ (負帰還) 制御
方式により、精密に理論空燃比制御をすることが行なわ
れている。このようなクローズドループ制御方式の場合
には、上述のオープンループ制御方式の場合とは異な
り、その空燃比制御精度は、主に空燃比センサの空燃比
検出精度のみに支配され、上記の両流量計量部の精度は
二次的な影響しか及ぼさない。即ち、クローズドループ
制御方式の場合には、空燃比センサの空燃比検出特性に
バラツキが有れば、空燃比制御の誤差にそのまま直結す
る。従って、理論空燃比センサの空燃比検出精度は、こ
の三元触媒式排気浄化システムの死命を制すると言って
も過言ではない程の重要事項である。それ故、理論空燃
比センサの製造時等には、空燃比検出精度の全数検査を
行なうことが不可欠である。
【0005】理論空燃比 (O2) センサの空燃比検出精
度の検査を行なう為の装置としては、「O2センサ評価
装置 (日本特許登録番号1417297、同1417298) 」等が知
られている。これらの評価装置では、空燃比検出精度に
換算して1 %程度の精度で理論空燃比 (O2) センサの
特性を評価できる。その外に、関連特許として次の表1
に示されたものがある。
【0006】
【表1】
【0007】この三元触媒式排気浄化システム用の理論
空燃比 (O2) センサとして、ジルコニア酸素濃淡電池
式及びチタニア抵抗式の物が広く使用されている。
【0008】ジルコニア酸素濃淡電池式理論空燃比 (O
2) センサの場合には、起電力出力式なので、基準電圧
とセンサの起電力とを比較することにより、リッチ・リ
ーンの判定を行う。基準電圧としては、理論空燃比での
起電力に対応する一定電圧 (通常0.45 V) が用いられて
いる。ジルコニア酸素濃淡電池式理論空燃比 (O2)セン
サの場合には、起電力の温度依存性が小さいという優れ
た性質を有しており、基準電圧を温度によって調節する
必要がない為に、非常に使いやすいので、最も広く使用
されている。
【0009】一方、チタニア抵抗式理論空燃比 (O2)
センサの場合には、抵抗出力式なので、基準抵抗とセン
サの抵抗とを比較することにより、リッチ・リーンの判
定を行う。基準抵抗としては、理論空燃比での抵抗に対
応する一定抵抗が用いられるが、センサ抵抗の温度依存
性が大きいので、使用する温度範囲が広い場合には基準
抵抗を温度によって調節する必要がある。それ故、空燃
比制御システムによっては、基準抵抗を自動的に調節す
る方式の場合もある。
【0010】ジルコニア酸素濃淡電池式理論空燃比 (O
2) センサにしろ、チタニア抵抗式理論空燃比 (O2) セ
ンサにしろ、これらの理論空燃比 (O2) センサは、約4
00℃以上の温度で作動可能であり、製造時に適切に選別
を行なうことにより、1 %程度の誤差で理論空燃比を検
出できる優れた特性を有する。この為、三元触媒式排気
浄化システムに於いて充分にその機能を発揮し、地球環
境の汚染軽減に大きく寄与している。
【0011】しかし、近年に於いて自動車使用台数の増
加や車体重量の増加に伴って、大気中の有害成分の低下
傾向が飽和しつつあり、一層の有害成分排出量の低減が
大きな社会的課題になってきた。その社会的課題に応え
るべく、エンジン自体や触媒の改善だけでなく、理論空
燃比 (O2) センサにもこれ迄以上に厳しい要求がされ
るようになってきた。即ち、理論空燃比 (O2) センサ
に対して従来品より更に一桁高い空燃比検出精度 (0.1
%) が求められるようになってきた。そのような従来品
を遙かに超える高品位な理論空燃比 (O2) センサを供
給する為には、設計上の改善を始めとして、製造工程に
も従来より一層の改善が必要になることは当然である。
しかしながら、設計や製造工程の改善のみで課題が十分
克服される訳ではない。設計や製造工程をいくら改善し
たとしても、その理論空燃比 (O2) センサの空燃比検
出精度の的確な測定手段を用意できなければ、品質の確
認が出来ない。品質の確認が出来なければ、設計や製造
工程改善の効果を認識できないので、改善しようとして
も実効を挙げられないことは自明である。
【0012】即ち、空燃比検出精度の的確な測定手段こ
そ、高品位な理論空燃比 (O2) センサの開発や供給の
キーポイントである。これ迄より一桁高品位な理論空燃
比 (O2) センサを検査する為には、これ迄より一桁高
い精度を有する検査装置 (特性解析装置) を用いること
は不可欠である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、従来の空
燃比 (O2) センサ特性解析装置では、1 %程度の精度
で理論空燃比 (O2) センサの検査をすることが可能で
あった。しかし、それより一桁高い精度を有する空燃比
(O2) センサ特性解析装置は、これ迄発明されたこと
はない。
【0014】本発明の目的は、上述の如き従来の空燃比
センサ特性解析装置の課題を克服し、それよりも桁違い
に高い精度の空燃比センサ特性解析装置を提供すること
にある。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】従来技術についての検討 従来の空燃比 (O2) センサ特性解析装置には、被測定
空燃比 (O2) センサの空燃比検出精度を測定するに当
たり、検査装置の精度向上を阻む種々の問題点が有っ
た。空燃比 (O2) センサ特性解析装置では、通常、燃
焼排気やモデルガスによりエンジン実機と類似の空燃比
制御が行なわれる。そして、その制御結果が空燃比 (O
2) センサの特性値として測定される。
【0016】従って、空燃比 (O2) センサ特性解析装
置に於ける精度を考える場合には、上記の2つの過程で
の精度が関係している。
【0017】第1の問題は、空燃比 (O2) センサ特性解
析装置に於いて、エンジン実機と類似の空燃比制御を行
なっているつもりであっても、懸け離れた制御状態 (制
御値) になりやすく、その近似の程度を上げるのが難し
いことである。
【0018】第2の問題は、空燃比制御結果を測定する
ときの精度が不充分なものになり易いことである。
【0019】本発明は、これらの問題点を深く考察する
ことにより、問題点を洗い出し、有効な対策を立てて画
期的な精度の向上を得る事ができたものである。
【0020】我々は、エンジン実機を用いて、空燃比制
御状態の精密で詳細な検討を行ない、以下の結果を得
た。
【0021】(a)内燃機関に於いて、他の条件を固定
して理論空燃比 (O2) センサの交換を行なった場合、
モード走行時の (三元触媒で浄化後の) 有害成分の排出
量の大小関係は、モード走行時の制御空燃比波形の理論
空燃比からの偏差の大小関係と高い相関を示した。
【0022】(b)モード走行時の (三元触媒で浄化後
の) 有害成分の排出量と結び付けられる理論空燃比 (O
2) センサの特性値を、なるべく簡易に評価すべく、さ
らに詳細に検討したところ、有害成分の排出量は、モー
ド走行時の制御空燃比波形全体を必ずしも把握しなくて
も、特定の定常エンジン条件 (回転数、吸気圧) での制
御空燃比 (の時間平均値) とも比較的高い相関を示し
た。
【0023】(c)モード走行時の (三元触媒で浄化後
の) 有害成分の排出量と制御空燃比 (の時間平均値) と
が高い相関を示す特定の定常エンジン条件 (回転数、吸
気圧)は、車種・エンジン機種・変速機の種類・理論空
燃比 (O2) センサの種類及び排気試験モードに依存し
た。
【0024】(d)モード走行時の (三元触媒で浄化後
の) 有害成分の排出量と制御空燃比 (の時間平均値) と
が高い相関を示す特定の定常エンジン条件 (回転数、吸
気圧)下に於いて、制御空燃比 (の時間平均値) の例え
僅か0.1 %の変化であったとしても、有害成分の排出量
に対して強く影響する為、看過できない。
【0025】(e)他の条件が固定されていたとして
も、理論空燃比 (O2) センサに対する排気の流速が変
化すると、強い影響を受けて制御空燃比 (の時間平均
値) の値が変化すると共に、センサ個体間の制御空燃比
の序列さえもが変化した。
【0026】(f)他の条件が固定されていたとして
も、理論空燃比 (O2) センサの温度が変化すると、強
い影響を受けて制御空燃比 (の時間平均値) の値が変化
すると共に、制御空燃比 (の時間平均値) のセンサ個体
間の序列さえもが変化した。
【0027】(g)他の条件が固定されていたとして
も、空燃比制御周期が変化すると、強い影響を受けて制
御空燃比 (の時間平均値) の値が変化すると共に、制御
空燃比 (の時間平均値) のセンサ個体間の序列さえもが
変化した。
【0028】(h)他の条件が固定されていたとして
も、空燃比制御定数 (ディレータイム、スキップ、ラン
プレート) が変化すると、強い影響を受けて制御空燃比
(の時間平均値) の値が変化すると共に、制御空燃比
(の時間平均値) のセンサ個体間の序列さえもが変化し
た。
【0029】(i)他の条件が固定されていたとして
も、排気の組成が変化すると、強い影響を受けて制御空
燃比 (の時間平均値) の値が変化すると共に、制御空燃
比 (の時間平均値) のセンサ個体間の序列さえもが変化
した。以上に示した我々の研究成果を踏まえて、従来装
置を振り返ってみると、従来装置の問題点が鮮明に浮か
び上がってくる。
【0030】(1)従来は、モード走行時の (三元触媒で
浄化後の) 有害成分の排出量と相関の高いエンジン条件
が、車種・エンジン機種・変速機の種類・理論空燃比
(O2)センサの種類及び排気試験モードに依存するとい
うことが分かっていなかった為に、特性評価に最適な特
定のエンジン条件に合わせるという配慮が従来装置では
為されていなかった。
【0031】(2)従来は、空燃比の0.1 %の変化を正確
に測定できる空燃比測定手段がなかった為に、1 %程度
の変化しか有効に測定できなかった。
【0032】(3)従来は、制御空燃比に対して排気流速
が強い影響を与える事が分かっていなかった為に、特性
評価に最適な特定のエンジン条件での排気流速と一致さ
せるという配慮が従来装置では為されていなかった。
【0033】(4)従来は、制御空燃比に対してセンサ温
度が強い影響を与える事が分かっていなかった為に、特
性評価に最適な特定のエンジン条件でのセンサ温度と一
致させるという配慮が従来装置では為されていなかっ
た。
【0034】(5)従来は、制御空燃比に対して空燃比制
御周期が強い影響を与える事が分かっていなかった為
に、特性評価に最適な特定のエンジン条件での空燃比制
御周期と一致させるという配慮が従来装置では為されて
いなかった。
【0035】(6)従来は、制御空燃比に対して空燃比制
御定数 (ディレータイム、スキップ、ランプレート) が
強い影響を与える事が分かっていなかった為に、特性評
価に最適な特定のエンジン条件での空燃比制御定数 (デ
ィレータイム、スキップ、ランプレート) と一致させる
という配慮が従来装置では為されていなかった。
【0036】(7)従来は、制御空燃比に対して排気組成
が強い影響を与える事が分かっていなかった為に、特性
評価に最適な特定のエンジン条件での排気組成と一致さ
せるという配慮が従来装置では為されていなかった。
【0037】(8)従来は、制御空燃比に対して排気組成
が強い影響を与える事が分かっていなかった為に、特性
評価に最適な特定のエンジン条件での排気組成と一致さ
せるという配慮が従来装置では為されていなかった。
【0038】図17には、従来の理論空燃比(O2)セ
ンサ特性解析装置で測定された特性値と、エンジン実機
の高回転数、高吸気圧条件下で測定された制御空気過剰
率と対応するある特性値の対応関係を示す。同図より明
らかなように、必ずしも十分な対応関係が得られていな
い。本発明の構成および作用 本発明の空燃比センサ特性解析装置は、被測定空燃比セ
ンサを装着したセンサ取付部と、前記センサ取付部にエ
ンジンの排気ガスの成分又はその一部の成分にほぼ対応
したガスを供給するガス調整部と、前記センサ取付部に
装着された被測定空燃比センサの出力と、エンジンの理
論空燃比に於ける標準空燃比センサの出力とを比較して
偏差を求めて、その偏差の時間的経過から補正すべきガ
ス組成・流量を求めて前記ガス調整部を制御する制御部
と、制御された空燃比の時間的平均値を測定する空燃比
測定部と、と含み、前記空燃比測定部は、前記ガス調整
部の供給ガスの空燃比を検出する測定用空燃比センサ
と、前記測定用空燃比センサの出力を基にして、前記供
給ガスの空燃比を理論空燃比とするために補充すべきガ
スの流量を求める第1の演算部と、その演算結果に基づ
き、補充すべきガスの流量を制御する補充ガス制御部
と、前記補充ガスの供給量等に基づき、前記供給ガスの
空燃比を演算する第2の演算部と、を含み、前記第2の
演算部の演算する空燃比に基づき、前記被測定空燃比セ
ンサの特性解析を行うことを特徴とする。
【0039】ここにおいて、前記空燃比測定部は、前記
センサ取付部からの排出ガスから一定流量のガスを分流
する一定流量供給部と、分流されたガスと、前記補充ガ
ス制御部により制御された補充ガスとを反応させ、前記
測定用空燃比センサへ向け供給するガス反応部と、を含
むよう形成することが好ましい。
【0040】本発明によれば、前記センサ取付部に被測
定空燃比センサを装着する。そして、ガス調整部からセ
ンサ取付部にエンジンの排気ガスの成分又はその一部の
成分にほぼ対応したガスを供給する。
【0041】このとき、制御部では、前記センサ取付部
に装着された被測定空燃比センサの出力と、エンジンの
理論空気過剰率 (空燃比) に於ける標準空燃比センサの
出力とを比較して偏差を求めて、その偏差の時間的経過
から補正すべきガス組成・流量を求めて前記ガス調整部
に指令する。
【0042】このように、被測定空燃比センサからの出
力 (起電力又は抵抗) 信号に基づいて、補正すべきガス
組成・流量を求めて、理論空気過剰率 (空燃比) に近づ
くように制御することにより、その時間的平均値はほぼ
理論空気過剰率 (理論空燃比) になる。
【0043】しかし、被測定空燃比 (O2) センサの個
体を取り替えることにより、理論空気過剰率 (空燃比)
から1%程度の僅かな偏差 (O2 センサの個体間差) を
生ずる。我々の研究によれば、この被測定理論空燃比
(O2) センサにより制御された空気過剰率の値 (理論空
気過剰率 (空燃比) から1%程度の僅かな偏差) が、排
気エミッションに直接的に影響する。従って、被測定理
論空燃比 (O2) センサにより制御された空気過剰率の
値が、O2 センサとして最も重要な特性値である。
【0044】本発明は、O2 センサとして最も重要な特
性値であるところの被測定空燃比 (O2) センサにより
制御された空気過剰率の値 (理論空気過剰率 (空燃比)
から1%程度の僅かな偏差) を、空燃比測定部を用い直
接的に正確に測定することを特徴とする。
【0045】すなわち、本発明において、前記空燃比計
測部は、測定用空燃比センサと、第1の演算部と、補充
ガス制御部と、第2の演算部とを含んで構成される。
【0046】そして、測定用空燃比センサを用い、前記
ガス調整部の供給ガスの空燃比を検出し、その検出信号
を第1の演算部へ向け出力する。
【0047】第1の演算部では、測定用空燃比センサの
出力を基にして、前記供給ガスの空燃比が理論空燃比か
らどちらへズレているかを検出し、前記供給ガスの空燃
比を理論空燃比とするために補充すべきガスの流量を演
算する。
【0048】そして、補充ガス制御部は、その演算結果
に基づき、前記供給ガスに、補充すべき流量の補充ガス
を供給する。
【0049】このとき、補充ガスの補充を良好に行うた
めに、前記空燃比計測部は、一定流量供給部と、ガス反
応部とを含むように構成することが好ましい。
【0050】すなわち、一定流量供給部は、前記センサ
取付部からの排出ガスから一定流量のガスを分流する。
【0051】そして、前記補充ガス制御部は、この分流
されたガスに、前記補充すべき流量の補充ガスを供給
し、ガス反応部へ向け供給する。
【0052】ガス反応部では、前述した分流ガスを、前
記補充ガスと反応させ、前記測定用空燃比センサに向け
供給する。
【0053】このとき、前記第2の演算部は、前記補充
ガスの供給量等に基づき、供給ガスの空燃比を演算する
ことができる。
【0054】すなわち、一般にサンプリングした供給ガ
スの空燃比が理論空燃比から外れているとすると、燃料
または空気の何れかが不足しているとみなすことができ
る。それ故、何れのガスが不足しているか、またどれだ
けの割合で不足しているかを知ることができれば、不足
分を補充することによって理論空燃比のガスにすること
が可能である。そして、補充したガスの種類と供給量と
から、供給ガスの空燃比を演算することができる。
【0055】本発明の空燃比測定部はこのような手法を
用い、被測定用空燃比センサによって制御されたガスの
空気過剰率の値(空燃比)を、0.1%の精度で求める
ことができ、従って、本発明の装置を用いることによ
り、前記被測定空燃比センサの特性解析を高い精度で行
うことが可能となる。
【0056】ここにおいて、前記制御部は、前記センサ
取付部に装着された被測定理論空燃比 (O2) センサの
出力とエンジンの理論空気過剰率 (空燃比) における標
準理論空燃比 (O2) センサの出力とを比較して偏差を
求めてその偏差の時間的経過に基づいた空気過剰率 (空
燃比) 制御を行なってその空気過剰率 (空燃比) に対応
したガス組成・流量を求めて前記ガス調整部に指令する
空気過剰率 (空燃比) 制御部と、各部の温度を制御する
温度制御部と、各部の制御並びに計測を行なう計測制御
部と、を含むよう形成することが好ましい。
【0057】このように、制御部を機能毎に分化させた
ことにより、高速で高精度な制御ができる。
【0058】また、本発明の装置は、制御された空気過
剰率 (空燃比) の変化波形を測定する空燃比波形測定部
(高速空燃比計) を含み、制御された空気過剰率 (空燃
比)の時間的変化波形を測定することが好ましい。
【0059】すなわち、この被測定理論空燃比 (O2)
センサにより制御された空気過剰率の値 (理論空気過剰
率 (空燃比) から1%程度の僅かな偏差) が、排気エミ
ッションに直接的に影響する事からO2 センサとして最
も重要な特性値であることは先に述べた。我々の研究に
よれば、排気エミッションに直接的に影響するその次に
重要な特性が、制御された空気過剰率 (空燃比) の時間
的変化波形である。この時間的変化波形を測定する事に
より、O2 センサとして2番目に重要な特性値を把握す
ることができ、解析を深めることができる。
【0060】また、本発明では、ガス調整部で用いられ
るガス成分が、窒素(N2)、水蒸気(H2O)、一酸化炭素
(CO)、水素(H2)、炭化水素(HC)、酸素(O2)、一酸
化窒素(NO)を含むよう形成することが好ましい。
【0061】すなわち、これらのガス成分は、O2セン
サの出力 (起電力又は抵抗) 特性に大きな影響を与え
る。
【0062】我々の研究によれば、排気中に含まれる多
成分の内で、O2センサの出力(起電力又は抵抗)特性に
大きな影響を与えるのは窒素(N2)、水蒸気(H2O)、一
酸化炭素(CO)、水素(H2)、炭化水素(HC)、酸素(O
2)、一酸化窒素(NO)である。
【0063】また、我々の研究によれば、一酸化炭素
(CO) 、水素 (H2) 、炭化水素 (HC) の3成分は、
O2センサの電極近傍で酸化反応を起こして起電力を発
生するという、O2センサにとって最も重要な働きをす
る。
【0064】さらに、我々の研究によれば、酸素(O2)
及び一酸化窒素(NO)は、O2センサの電極近傍で一酸
化炭素(CO)、水素(H2)、炭化水素(HC)の3成分と共
に、酸化反応を起こして起電力を発生するという、O2
センサにとって最も重要な働きをする。
【0065】さらに、我々の研究によれば、水蒸気 (H
2O) は、空燃比センサの電極近傍における水素 (H2)
の酸化反応を抑制する作用が有る。従って、本装置上で
も水蒸気 (H2O) を用いる事により、エンジンの排気
管上に装着された状態での、水蒸気 (H2O) による水
素 (H2) の酸化反応の抑制作用を、本装置上でも再現
させることができる。このことにより、水素 (H2) の
酸化反応作用の劣化したO2センサの特性をも本装置上
で適正に測定する事ができる。
【0066】従って、ガス調整部で用いられるガス成分
を上記の構成とすることにより、実体と同様な排気ガス
の成分またはその一部の成分にほぼ対応したガスを供給
することができる。
【0067】また、本発明においては、ガス調整部で用
いられるガス成分の炭化水素 (HC) が、エチレン (C
2H4) 、トルエン (C7H8) 、プロピレン (C3H6) の
何れか一つ若しくは複数の組み合わせとすることが好ま
しい。
【0068】すなわち、排気中に含まれる炭化水素 (H
C) の内でこれらのガス成分がO2センサの出力 (起電
力又は抵抗) 特性に大きな影響を与える。
【0069】我々はエンジン実機の排気中に含まれる炭
化水素 (HC) を詳細に分析し、20以上に及ぶ成分と濃
度を特定した。それらの多数成分について、O2センサ
の出力 (起電力又は抵抗) 特性への影響の順位付けを行
なったところ、エンジン条件にかかわらずエチレン (C
2H4) 、トルエン (C7H8) 、プロピレン (C3H6)の
順であることを突き止めた。従って、これらの何れか一
つ若しくは複数を組み合わせて用いる事により、エンジ
ンの排気管上に装着された状態での、炭化水素(HC)
によるO2センサの出力 (起電力又は抵抗) 特性への影
響を本装置上でも再現させることができる。このことに
より、炭化水素 (HC) に対するO2センサの出力 (起
電力又は抵抗) 特性を適正に測定することができる。
【0070】また、本発明において、ガス調整部で用い
られるガス成分に二酸化炭素 (CO2) を付加すること
が好ましい。
【0071】我々の研究によれば、二酸化炭素 (CO2)
は、空燃比センサの電極近傍における一酸化炭素 (C
O) の酸化反応を抑制する作用が有る。従って、本装置
上でも二酸化炭素 (CO2) を用いる事により、エンジ
ンの排気管上に装着された状態での、二酸化炭素 (CO
2) による一酸化炭素 (CO) の酸化反応の抑制作用
を、本装置上でも再現させることができる。このことに
より、一酸化炭素 (CO) の酸化反応作用の劣化したO
2センサの特性をも適正に測定する事ができる。
【0072】また、本発明によれば、前記計測制御部
は、測定モード・条件設定部と、O2センサ出力処理部
と、O2センサ特性表示・出力部と、空燃比測定部 (精
密空気過剰率計) との通信部と、空気過剰率 (空燃比)
制御部との通信部と、温度制御部との通信部とを含むよ
う形成することが好ましい。
【0073】すなわち、前記測定モード・条件設定部で
は、本装置の具備する3つの測定モード (動的λ特性、
過渡応答性及び静的λ特性) の内から測定するモードを
選択する。更に夫々に応じた特性測定条件を設定する。
また、被測定O2センサのタイプの選択を行なう。
【0074】O2センサ出力処理部では、微弱な被測定
O2センサの出力 (起電力又は抵抗)信号を、測定に適す
るように前処理する。
【0075】被測定O2センサが酸素濃淡電池式の場合
には、出力信号は0 〜 1V程度の起電力である。起電力
を測定する場合に、被測定O2センサの内部抵抗による
電圧降下が影響する。比較的低い温度での特性測定の場
合には、被測定O2センサの内部抵抗が高い事が多いの
で、内部抵抗による電圧降下の影響が現れやすい。そこ
で、入力バイアス電流の小さいバッファを用いて、内部
抵抗に基づく電圧降下の影響を軽減させる。
【0076】被測定O2センサが酸化物半導体 (チタニ
ア等) 式の場合には、出力信号は1KΩ 〜 1000KΩ程度
の抵抗である。空気過剰率による抵抗の変化幅が約3桁
と極めて大きいので、的確に測定する為には工夫が必要
である。1つの方法は固定抵抗と直列接続して両端に一
定電圧を印加し、分圧電圧を計測するものであり、簡便
に行なえることが特徴である。他の方法は、対数抵抗計
測器で測定する方法であり、広範囲に変化する抵抗を精
密に測定できるのが特徴である。
【0077】O2センサ特性表示・出力部では、被測定
O2センサの測定された特性をCRTディスプレイ上に表示
させたり、プロッタ等の出力機器を用いて作図させた
り、フロッピーディスクにデータファイルを出力させた
りする。
【0078】空燃比測定部 (精密空気過剰率計) との通
信部では、空燃比測定部 (精密空気過剰率計) に対し
て、測定条件や測定開始を指令すると共に、測定値 (空
気過剰率時間的平均値) の受信も行なう。
【0079】空気過剰率 (空燃比) 制御部との通信部で
は、空気過剰率 (空燃比) 制御部に対して、空気過剰率
制御条件を指令する。
【0080】温度制御部との通信部では、温度制御部に
対して、各部温度の設定値を指令すると共に、現在温度
の受信も行なう。
【0081】このように、計測制御部を機能毎に分化さ
せたことにより、高速で高精度な制御ができる。
【0082】また、前記計測制御部は、空燃比波形測定
部 (高速空燃比計) からの信号取り込み手段を有するこ
とが好ましい。
【0083】このように、信号取り込み手段により、空
燃比波形測定部 (高速空燃比計) からの出力信号 (空燃
比波形) を取り込むことにより、被測定O2センサの測
定された特性と同期を取って空燃比波形データを記録す
ることが可能になる。
【0084】また、前記測定モード・条件設定部は、測
定モードとして「空燃比制御 (動的λ特性) モード」、
「静的λ特性 (センサ出力対空燃比 (空気過剰率) ) 測
定モード」、「過渡応答性測定モード」の何れか若しく
はそれらの組み合わせが選択できるように形成すること
が好ましい。
【0085】このようにすることにより、3つの特性の
内からメニュー選択によって、自在に切換えて特性測定
が行なえるので、能率が向上する。
【0086】また、前記測定モード・条件設定部を、該
理論空燃比 (O2) センサの対象とする車種、年式、エ
ンジン機種、変速機の機種及び排気規制の種類を入力す
ることにより、最適なエンジン条件 (回転数及び吸気
圧)、排気流速、排気温度、排気組成、空燃比制御周
期、センサ温度が選択されるように形成し、常に適切な
条件下での測定が出来るようすることが好ましい。
【0087】このようにすることにより、測定モード・
条件設定部で、該理論空燃比 (O2)センサの対象とする
車種、年式、エンジン機種、変速機の機種及び排気規制
の種類を入力することにより、最適なエンジン条件 (回
転数及び吸気圧) や、排気流速、排気温度、排気組成、
空燃比制御周期、センサ温度が自動的にメニュー上に第
1候補として現れ、条件探しに時間が掛からなくなると
共に、誤操作や勘違いが起こり難く、適切な測定が行な
える。
【0088】また、前記測定モード・条件設定部は、該
理論空燃比 (O2) センサの対象とする車種、年式、エ
ンジン機種、変速機の機種及び排気規制の種類を入力す
ることにより、最適なエンジン条件 (回転数及び吸気圧
(又はトルク・エンジン出力等) ) や、排気流速、排気
温度、排気組成、空燃比制御周期、センサ温度が自動的
に選択されるものの、一部若しくは全部異なった条件下
での特性測定や解析をする必要がある場合には、設定し
た任意の条件下での測定が出来るように形成することが
好ましい。
【0089】これにより、メニュー上に第1候補として
現れたものを、必要に応じて変更でき、例えば、エンジ
ン排気管上での実態的条件下での特性測定の他に、必要
に応じて任意の条件で特性測定し、被測定O2センサの
特性解析をより深いものにすることができる。
【0090】また、前記温度制御部は、統合温度制御部
と、各部温度表示部と、温度調節器制御部と、センサ加
熱電源部と、計測制御部との通信 (高速送受信) 部とを
含むよう形成することが好ましい。
【0091】ここにおいて、前記統合温度制御部は、各
部を統合的に制御する。
【0092】各部温度表示部では、各部の温度を表示さ
せる。
【0093】温度調節器制御部では、温度調節器に設定
温度を与えたり、制御結果を受信したりする。
【0094】センサ加熱電源部では、被測定O2センサ
加熱電源に設定電圧を与えたり、電流値を受信したりす
る。
【0095】計測制御部との通信部では、計測制御部か
ら設定温度を受信したり、制御結果を送信したりする。
【0096】このように、温度制御部を機能毎に分化さ
せたことにより、高速で高精度な制御ができる。
【0097】また、空気過剰率 (空燃比) 制御部は、空
気過剰率 (空燃比) ・流量制御部と、各部波形表示部
と、制御波形発生部と、計測制御部との通信 (高速送受
信) 部を含むよう形成することが好ましい。
【0098】空気過剰率 (空燃比) ・流量制御部では、
被測定O2センサの出力 (起電力又は抵抗) 信号と制御
定数に基づいて、空気過剰率 (空燃比) の演算を行な
う。そして、空気過剰率 (空燃比) に対する各成分の濃
度を予め入力してある表から求める。そして、各成分の
濃度と全体ガス流量から各成分の流量を演算する。
【0099】各部波形表示部では、空気過剰率 (空燃
比) の波形、各成分の濃度の波形、被測定O2センサの
出力 (起電力又は抵抗) 波形をCRTディスプレイ等に表
示させる。
【0100】被測定O2センサの出力 (起電力又は抵抗)
信号と制御定数に基づくフィードバック制御を行なわ
ずに、固定的な空気過剰率 (空燃比) 波形での特性測定
を行なう場合もある。このような場合には、制御波形発
生部で固定的な空気過剰率 (空燃比) 波形を発生させて
用いる。
【0101】計測制御部との通信 (高速送受信) 部で
は、計測制御部から測定する特性の種類や制御定数等を
受信する。そして、空気過剰率 (空燃比) の値を計測制
御部へ送信する。
【0102】このように、空気過剰率 (空燃比) 制御部
を機能毎に分化させたことにより、高速で高精度な制御
ができる。
【0103】また、前記空燃比・流量制御部が、リッチ
・リーン判定部と、ディレータイム付加部と、スキップ
付加部と、ランプレート付加部と、システム遅れ補正部
と、ガス成分濃度算出部と、ガス成分流量算出部とを含
むよう形成することが好ましい。
【0104】リッチ・リーン判定部では、被測定O2セ
ンサの出力 (起電力又は抵抗) 信号と、基準値とを比較
してリッチ・リーンの判定を行なう。
【0105】ディレータイム付加部では、リッチ・リー
ンの判定が行なわれた信号に予め定められているディレ
ータイムを付加する。
【0106】スキップ付加部では、ディレータイムの付
加が行なわれた信号に基づいて、空気過剰率 (空燃比)
の現在値に予め定められているスキップを加えて補正す
る。ランプレート付加部では、スキップの付加が行なわ
れた空気過剰率 (空燃比)の信号に予め定められている
ランプレート分の補正をする。
【0107】エンジン実機に於いては、燃料供給系の時
間遅れや、インテークマニホールドへの液状燃料の付着
・流動による時間遅れ及びシリンダ内での滞留による時
間遅れ等を総合した時間遅れが有る。そのエンジン実機
に於ける時間遅れと同等の時間遅れを本装置でも再現さ
せる為、本装置ではシステム遅れ補正部を設けている。
【0108】ガス成分濃度算出部では、空気過剰率 (空
燃比) に対する各成分の濃度を予め入力してある表から
求める。
【0109】ガス成分流量算出部では、各成分の濃度と
全体ガス流量から各成分の流量を演算する。
【0110】このように本装置に於いては、エンジン実
機で用いられている空気過剰率 (空燃比) の補正方法を
用いる事により、エンジン実機と同等の空気過剰率 (空
燃比) 制御結果が得られる。
【0111】さらに、本装置に於いては、エンジン実機
で用いられているリッチ・リーン判定条件、ディレータ
イム・スキップ・ランプレートを用いる事により、エン
ジン実機と同等の空気過剰率 (空燃比) 制御結果が得ら
れる。
【0112】さらに、本装置に於いては、エンジン実機
で用いられているガソリンの燃焼を行なわずにモデルガ
スにて試験用のガスを調整しているので、エンジン実機
の様な不安定さが無く、非常に安定した特性測定ができ
る。この為、再現性も非常に良好である。
【0113】また、システム遅れ補正部は、高次の遅れ
演算部として形成することが好ましい。
【0114】このように、システム遅れ補正部を、高次
の遅れ演算部とすることで、エンジン実機に於ける燃料
供給系の時間遅れや、インテークマニホールドへの液状
燃料の付着・流動による時間遅れ及びシリンダ内での滞
留による時間遅れ等を総合した時間遅れに適合させやす
く、エンジン実機に対する本装値の忠実度を高めること
ができる。
【0115】また、前記システム遅れ補正部は、燃料蒸
発率とガス流時定数及び液流時定数の演算部から成るよ
うに形成してもよい。
【0116】これにより、エンジン実機に於ける燃料蒸
発率やガス流時定数及び液流時定数による時間遅れ等を
総合した時間遅れに適合させやすくなる。すなわち、エ
ンジン実機に於ける各部の時間遅れの原因を連想しやす
いパラメータを用いることにより適合させやすいことか
ら、エンジン実機に対する本装値の忠実度を高めること
ができる。
【0117】また、前記ガス調整部は、ガス流量制御部
と、液体流量制御部と、霧化部と、加熱部と、混合部と
を含むよう形成することが好ましい。
【0118】ガス流量制御部では、常温低圧でガス状成
分(窒素(N2)、一酸化炭素(CO)、水素(H2)、エチレ
ン(C2H4)、プロピレン(C3H6)、酸素(O2)、一酸化
窒素(NO))の流量制御を行なう。
【0119】液体流量制御部では、常温低圧で液状成分
(水蒸気 (H2O) 、トルエン (C7H8) ) の流量制御
を行なう。
【0120】霧化部では、液体流量制御部から送られた
成分の霧化を行なう。
【0121】加熱部では、ガス成分および霧化された液
状成分の加熱を行なう。
【0122】混合部では、ガス成分および霧化された液
状成分の混合を行なう。
【0123】このように、常温低圧でガス状成分成分は
ガス流量制御部、常温低圧で液状成分は液体流量制御部
で成分毎に個別に制御することにより、任意の組成を精
密に計量・調整することができる。
【0124】さらに、常温低圧で液状成分は液体流量制
御部で計量後に霧化させることにより、計量精度が良
く、しかも流量の脈動が小さい。
【0125】さらに、計量して合流されたガス成分およ
び霧化された液状成分の混合を行なうことにより、合流
されたガスの偏在が無くなり、均質化されることにより
測定された特性に時間的変動が小さくなり再現性が高め
られる。
【0126】また、前記ガス流量制御部としては、超高
速ガス流量制御器を用いることが好ましい。
【0127】我々の研究によれば、LA#4モードでのNO
x排出量と、エンジン実機の高回転数 (3000 rpm) 、高
吸気圧 (-100 mmHg) 条件下の空気過剰率時間平均値が
高い相関を示す事が明らかになった。このようなエンジ
ン条件下では、基本周波数 2.5 Hz 程度の高速な空燃比
制御が行なわれている。本装置ではこの高速な空燃比制
御下に於けるガス組成の変化波形を忠実に再現すること
が必要である。エンジン実機では、ランプ・スキップを
用いた非正弦波形の空燃比制御が行なわれている。この
非正弦波形には、高調波成分が多く含まれている。この
高調波成分迄含めて再現する為には、平坦周波数 25 Hz
程度の高速なガス流量制御器が必要である。 そこ
で、我々は基本周波数 2.5 Hz 程度で高調波成分が多く
含まれているガス流量波形を忠実に再現できるガス流量
制御器を用いた。
【0128】これにより、O2センサの起電力波形もエ
ンジン実機上の波形に近い波形が再現できるようになっ
た。
【0129】また、液体流量制御部は、送液ポンプとし
て形成することが好ましい。
【0130】すなわち、常温で液状の成分を高温のガス
中に一定割合で均一に混合させることは極めて難しい問
題である。その理由は、液状からガス状への相変化が必
要な事と、相変化量が脈動しやすい事、相変化に伴って
著しく膨張する事と、管内等の半閉鎖的空間では負荷側
が圧量上昇を起こしやすい事、この負荷側の圧力上昇に
よって送液量が減少しやすいことである。これらの結果
として送液量は脈動しやすく、一定割合で均一に混合さ
せることは極めて難しい。
【0131】そこで、負荷側の圧力上昇によって送液量
が減少し難い送液ポンプを用いる事により、送液量の脈
動を最小限に抑制するのが有効である。
【0132】従って、液体流量制御部として、送液ポン
プを用いることにより、送液量の脈動を最小限に抑制す
ることができる。その結果、常温で液状の成分を高温の
ガス中に一定割合で混合させることことができる。
【0133】また、液体流量制御部は、流量制御機能を
有する送液ポンプとして形成してもよい。
【0134】常温で液状の成分の濃度を変化させる為に
は、蒸発量を変化させる方法も考えられるが、装置の形
態が非常に大きくなりやすい事と、熱的な慣性が大きく
なりやすく、蒸発量を素早く変化させる事は難しい。一
方、液体流量を変化させる方法では慣性が小さいので素
早く変化させる事が可能であり、実現も簡便である。そ
こで、流量制御機能を有する送液ポンプを用いて、液体
流量を変化させることにより、供給量を素早く変化させ
る事ができる。
【0135】また、液体流量制御部は、流量指令信号通
信機能及び流量制御機能を有する送液ポンプとして形成
することもできる。
【0136】常温で液状の成分の濃度を変化させる液体
流量制御部を、流量指令信号通信機能及び流量制御機能
を有する送液ポンプから構成することにより、コントロ
ーラ(パソコン等) から自動制御することが可能にな
る。これにより、手動制御での問題点、すなわち、操作
する迄に時間が掛かるので、高速な制御は望めず、ま
た、人為的な誤りを起こす可能性があるという問題点が
解消される。
【0137】また、前記霧化部として、超音波霧化器を
用いることが好ましい。
【0138】すなわち、上述の如く、常温で液状の成分
を高温のガス中に一定割合で均一に混合させることは極
めて難しい問題である。これには、液状の成分を気化さ
せてから他のガス成分と混合させる方法と、液状の成分
を他のガス成分と混合させてから気化させる方法とが有
る。
【0139】前者の方法には、前述の如く装置の形態が
非常に大きくなりやすい事と、熱的な慣性が大きくなり
やすい事と、素早く応答させることが難しいなどの難点
が有る。
【0140】一方、後者の方法では、それらの難点は無
いのだが、液状成分の気化量の時間的変動 (脈動) を最
小限に抑制しなければならないという課題が有る。
【0141】液状成分の気化量の時間的変動 (脈動) を
最小限に抑制する為には、ヒータと液状成分の接触面積
の時間的変動 (脈動) を最小限に抑制する必要が有る。
【0142】我々の研究によれば、ヒータと液状成分の
接触面積の時間的変動 (脈動) を最小限に抑制する為に
は、液状成分を微粒化してガスと混合させ、ヒータと接
触した瞬間に蒸発させるようにするのが有効である事が
分かった。
【0143】また、我々の研究にれば、液状成分を微粒
化するには、ベンチュリ管方式を用いるよりも、超音波
霧化器を用いるのが有効である事が分かった。
【0144】従って、超音波霧化器を用いて、液状成分
を微粒化する事により、小さな粒径の微粒子にすること
ができる。その結果、ヒータと液状成分の接触面積の時
間的変動 (脈動) を最小限に抑制することができ、液状
成分の気化量の時間的変動 (脈動) を最小限に抑制する
ことができる。
【0145】また、前記霧化部は、超音波霧化器と流量
制御されたキャリヤガスの供給部とを含むよう形成する
こともできる。
【0146】すなわち、霧化部 (超音波霧化器) は、耐
熱性の高いものでは無いので、加熱部 (ヒータ) からの
熱によって損傷が起きないように、加熱部 (ヒータ) か
ら少し離して設置する必要がある。
【0147】それ故、霧化部 (超音波霧化器) で微粒化
された成分は、加熱部 (ヒータ) 迄輸送する必要が有
る。この輸送の途上に於いて、液状成分が微粒化された
ものが管壁に付着すると液状に還元し、微粒化の効果が
失われる。
【0148】そこで、液状微粒子の管壁への付着防止を
しなければならないという課題が生ずる。
【0149】その為には、キャリヤガスによって液状微
粒子を輸送するのが有効である事が我々の研究によって
分かった。
【0150】従って、霧化部を前述した構成とし、キャ
リヤガスによって液状微粒子を輸送する事によって、液
状微粒子の管壁への付着が防止できる。これにより、管
壁への付着により液状に還元するのを防止でき、その結
果、液状成分の気化量の時間的変動 (脈動) を最小限に
抑制することができた。
【0151】また、霧化部に供給されるキャリヤガスと
して、N2を用いることが好ましい。すなわち、微粒化
された液状成分の管壁への付着を防止する為のキャリヤ
ガスとして、空気を用いれば簡便なのだが、酸素が加わ
ることによりガス組成が大きな影響を受ける。これに対
し、キャリヤガスとして、窒素 (N2) を用いれば酸素
が加わらないので、稀釈されるだけであり、ガス組成が
大きな影響を受けない。
【0152】また、霧化部に供給されるキャリヤガスと
して、ガス流量制御部で既に計量されたN2の一部を分
流したものを用いることが好ましい。
【0153】すなわち、霧化部に供給されるキャリヤガ
スがN2であったとしても、新たにN2ガスが加われば、
稀釈されて他のガス成分が薄くなるという影響が生ず
る。そこで、ガス流量制御部で既に計量されたN2の一
部を分流されたものを霧化部に供給されるキャリヤガス
として用いる。これにより、新たにN2ガスが加えられ
ることにならないので、稀釈されて他のガス成分が薄く
なるという影響が生じることがなく、高精度な濃度制御
ひいては精密な特性測定が可能になる。
【0154】また、前記加熱部は、直列接続された2つ
の加熱部を含むよう形成することができる。
【0155】すなわち、上述の如く、常温で液状の成分
を高温のガス中に一定割合で均一に混合させることは極
めて難しい問題である。特に、混合させる濃度が高い場
合には、一層困難になる。
【0156】水蒸気 (H2O) は排気中に約15 %もの高
濃度で含まれている。水蒸気 (H2O) には、上述の如
く、O2センサの電極近傍に於ける水素 (H2) の反応を
抑制する作用が有る。従って、エンジン実機上に於ける
O2センサの特性を、本装置上で再現させる為には、エ
ンジン実機上と同等の高濃度の水蒸気 (H2O) を再現
させる必要が有る。
【0157】このような高濃度の水蒸気 (H2O) を発
生させる為の水の微粒子を、加熱部の前方で他のガスに
加えれば、ヒータが冷却されて、ヒータの表面で液状に
還元してしまい、微粒化の効果が大きく減殺される。
【0158】かといって、このような高濃度の水蒸気
(H2O) を発生させる為の水の微粒子を、加熱部の後方
で他のガスに加えれば、ヒータの表面で液状に還元する
という問題は解消されるものの別の問題が発生する。即
ち、水が水蒸気 (H2O) に相変化する際に多量の気化
潜熱を吸収する。この気化潜熱の為にガス全体が冷却さ
れて、所要の温度が得られなくなる。
【0159】更に、気化潜熱の為にガス全体が冷却され
る分を補償する為に、ヒータの温度を高くするとヒータ
の許容限界温度に近づいて、ヒータの寿命面で悪影響が
現れる。
【0160】対策として、加熱部を直列接続された2つ
の加熱部に分けた構成とし、その中間に水の微粒子を合
流させることが有効である事が、我々の研究によって分
かった。
【0161】そして、前段の加熱部により、半分加熱さ
れた所に水の微粒子を合流させるので、加熱部が冷却さ
れて、加熱部の表面で液状に還元してしまい、微粒化の
効果が大きく減殺される事が無い。
【0162】また、気化潜熱の為に冷却されたガス全体
を後段の加熱部で加熱するので、所定温度のガスが得ら
れる。
【0163】さらに、後段の加熱部は、気化潜熱の為に
冷却された分を補えば良いので、電力量が小さくて済
み、加熱部の表面温度を目的のガス温よりも高くする程
度が軽微であるので、無理が掛からず、長寿命である。
【0164】また、前述したように、直列接続された2
つの加熱部を接続する主管の中間から、水平若しくは水
平より上向き30°以内の角度にて第1の枝管を出すこと
が好ましい。
【0165】すなわち、直列接続された2つの加熱部を
接続する主管の中間部は、前段の加熱部ヒータにより加
熱されたガスが流れており、昇温された暁には高温に達
している。前述の如く、熱障害の問題が起こる恐れが有
る事から、このような高温部には超音波霧化器を設置す
ることはできない。
【0166】そこで、この主管の中間部から水平若しく
は水平より上向き30°以内の角度にて第1の枝管を出
し、この第1の枝管に超音波霧化器を設置することによ
り、熱障害の問題を解決するのが有効である事が我々の
研究により分かった。
【0167】すなわち、主管の中間部に対し、第1の枝
管の方が熱障害が少なく、超音波霧化器を設置するのに
適する。特に、水平若しくは水平より上向き30°以内の
角度にて第1の枝管が出してあることにより、第1の枝管
に設置された超音波霧化器から供給される水の微粒子が
一部管壁に付着して液状に還元したとしても、枝管の勾
配と重力の作用によって主管に到達できる。従って、ガ
ス組成の誤差が生ずるのを防止できる。
【0168】また、前記第1の枝管は、その中に上下を
分ける隔壁が設けられており、この隔壁は主管の中迄延
長されており、主管の断面積の20 % 〜 100 % を遮っ
ており、第1の加熱部で加熱されて主管の中を流れるガ
スの一部又は全部が、第1の枝管の隔壁の下側に誘導さ
れ、第1の枝管の端部にて隔壁の非設置部を通って隔壁
の上側に誘導され、主管に戻る構造となっており、第1
の枝管の上面に開口部が設けられている構成とすること
ができる。
【0169】すなわち、第1の枝管の中に上下を分ける
隔壁が設けられており、この隔壁は主管の中迄延長され
ており、主管の断面積の20 % 〜 100 % を遮ってい
る。枝管の端部 (主管との接続部ではない) 側では、隔
壁の非設置部が設けてあり、隔壁の上下が連通してい
る。第1の枝管の上面に開口部が設けられている。
【0170】そして、第1の加熱部で加熱されて主管の
中を流れるガスが隔壁部に到達する。隔壁が主管を覆っ
ている割合に応じて、ガスの一部又は全部が第1の枝管
の隔壁の下側に誘導される。第1の枝管の端部にて隔壁
の非設置部を通って隔壁の上側に誘導され、主管に戻
る。第1の枝管の上面に設けられている開口部から、超
音波霧化器により水の微粒子が供給される。
【0171】このような構成とすることにより、次のよ
うな作用、効果が得られる。すなわち、水の微粒子をガ
ス中へ混入する場合に於いて、均一に混入する必要が有
るが、これにも困難が付きまとう。即ち、ガスの流れる
管内に於いて、微粒子を混入する為の開口部側の濃度が
高くなりやすいという問題が有る。
【0172】本装置では、第1の枝管の上面に設けられ
ている開口部から、超音波霧化器により水の微粒子が供
給されることにより、重力の作用により水の微粒子がガ
ス中へ均一に混入される。
【0173】これにより、ガス中での水の微粒子の偏在
が解消されて、精密な特性測定が可能になる。
【0174】また、上記の第1の枝管の上面に設けられ
た開口部から上向き若しくは30°以内の傾きを有し、端
部に開口部を有する第2の枝管が設けられている構成と
することができる。
【0175】すなわち、上記の第1の枝管の上面に設け
られた開口部から上向き若しくは30°以内の傾きを有
し、端部に開口部を有する第2の枝管が設けられてい
る。
【0176】第1の枝管内は高温のガスが流れるのに対
し、第1の枝管の上面に設けられた開口部から枝分かれ
した第2の枝管には高温のガスが流れないので、加熱さ
れない。 このように、第1の枝管と異なり第2の枝管は
加熱されないので、超音波霧化器を第2の枝管に設置す
ることにより、超音波霧化器の熱障害がより軽微にな
る。 また、第2の枝管を、上記の第1の枝管の上面に
設けられた開口部から上向き若しくは30°以内の傾きに
した。そして、その端部に設置された超音波霧化器から
供給された水の微粒子を、第2の枝管を通じて第1の枝管
の開口部からガス中へ供給した。この場合に、重力の作
用により水の微粒子の管内輸送が促進される。従って、
水の微粒子の管壁への付着が軽減される。
【0177】また、上記の第2の枝管の内側に壁面に添
って流下するガスの流れ、即ちガスカーテンを設けても
よい。
【0178】このように、上記の第2の枝管の内側に壁
面に添って流下するガスの流れ即ちガスカーテンを設け
ることにより、超音波霧化器によって霧化され広げられ
た水の微粒子が管壁へ付着しにくくなり、管壁上で液状
に還元される微粒子の量が軽減できる。
【0179】また、水を霧化してキャリヤガスと混合さ
れたガスを、上記の直列接続された2つの加熱部の中間
に供給する構成とすることもできる。
【0180】また、水を霧化してキャリヤガスと混合さ
れたガスを、上記の第1の枝管の上面に設けた開口部か
ら前記隔壁の上面に供給する構成とすることもできる。
【0181】また、水を霧化してキャリヤガスと混合さ
れたガスを、上記の第2の枝管の端部に設けた開口部か
ら前記隔壁の上面に供給する構成とすることもできる。
【0182】また、流量制御された一酸化炭素(CO)、
水素(H2)、エチレン(C2H4)、プロピレン(C3H6)、
酸素(O2)、一酸化窒素(NO)及びトルエン(C7H8)を
霧化してキャリヤガスと混合させたガス配管を、夫々独
立に上記の直列接続された2つの加熱部の後部の主管に
接続した構成とすることもできる。
【0183】また、流量制御された可燃性ガス(一酸化
炭素(CO)、水素(H2)、エチレン(C2H4)、プロピレ
ン(C3H6))を集合させた配管、同じく支燃性ガス(酸素
(O2)、一酸化窒素(NO))を集合させた配管、トルエン
(C7H8)を霧化してキャリヤガスと混合させたガス配管
を、夫々独立に上記の直列接続された2つの加熱部の後
部の主管に接続した構成とすることもできる。
【0184】また、上記の主管への各ガスの接続部の主
管に絶対圧力測定手段を設け、流量制御器内で流量計測
している部分の圧力依存性による流量計測誤差の補正を
行なう構成とすることもできる。
【0185】また、上記の主管への各ガスの接続部の主
管に絶対圧力測定手段を設け、その圧力が予め設定され
た一定値になるように、流路の末尾に設けられた絞り弁
の開度を自動的に調節する手段を設ける構成とすること
もできる。
【0186】また、上記の主管への各ガスの接続部の後
部に静止型管内混合器を設け、ガスの混合を促進させる
構成とすることもできる。
【0187】また、センサ取付部の形状として、先端封
じの円筒形状容器と、その両側面に設けられたガス導入
・導出管からなり、容器を加熱する為に円筒形状容器に
カートリッジヒータが埋め込まれている構成とすること
もできる。
【0188】また、センサ取付部の形状として、被測定
理論空燃比 (O2) センサの保護カバー外径の2倍の内径
を有する先端封じの円筒形状容器と、その両側面に設け
られたガス導入・導出管からなり、そのガス導入・導出
管の形状が矩形を成し、その矩形の内側幅員が被測定理
論空燃比 (O2) センサの保護カバー外径と同等の寸法
であり、その矩形の内側高さが被測定理論空燃比 (O2)
センサの保護カバー上に設けられたガス導入用小孔の
開けられている幅と同等の寸法であり、ガス導入・導出
管の取り付けられている位置が被測定理論空燃比 (O2)
センサの保護カバー上に設けられたガス導入用小孔の
開けられている位置と正対 (正面に対向) する位置であ
る構成とすることもできる。
【0189】また、センサ取付部の形状として、被測定
理論空燃比 (O2) センサの保護カバー外径の2倍以上の
内径を有する先端封じの円筒形状容器と、その両側面に
設けられたガス導入・導出管と、上記の先端封じの円筒
形状容器に内接するように挿入せしめられた中子とから
なり、中子には両側面に矩形状のガス導入・導出口が開
けられ、そのガス導入・導出管の形状が矩形状若しくは
円筒形状を成し、その矩形状若しくは円筒形状の内寸法
が上記の中子の両側面に設けられた矩形状のガス導入・
導出口の寸法より大きくしてあり、ガス導入・導出管の
取り付けられている位置及び中子の両側面に設けられた
矩形状のガス導入・導出口の位置が被測定理論空燃比
(O2) センサの保護カバー外径に開けられたガス導入用
小孔の開けられている位置と正対 (正面に対向) する位
置である構成とすることもできる。
【0190】また、中子の両側面に設けられた矩形状の
ガス導入・導出口の内側幅員が被測定理論空燃比 (O2)
センサの保護カバー外径と同等の寸法であり、その矩
形の内側高さが被測定理論空燃比 (O2) センサの保護
カバー外径に開けられたガス導入用小孔の開けられてい
る幅と同等の寸法であり、中子の内側寸法と被測定理論
空燃比 (O2) センサの保護カバー外径の間隙は上記ガ
ス導入・導出口の内側幅員の半分である構成とすること
もできる。
【0191】また、中子の両側面に設けられた矩形状の
ガス導入・導出口の内側幅員が被測定理論空燃比 (O2)
センサの保護カバー外径の2/3± 10 % の寸法であ
り、その矩形の内側高さが被測定理論空燃比 (O2) セ
ンサの保護カバー外径に開けられたガス導入用小孔の開
けられている幅と同等の寸法であり、中子の内側寸法と
被測定理論空燃比 (O2) センサの保護カバー外径の間
隙は上記ガス導入・導出口の内側幅員の半分である構成
とすることもできる。
【0192】また、中子の両側面に設けられた矩形状の
ガス導入・導出口の内側幅員が被測定理論空燃比 (O2)
センサの保護カバー外径の1/2± 10 % の寸法であ
り、その矩形の内側高さが被測定理論空燃比 (O2) セ
ンサの保護カバー外径に開けられたガス導入用小孔の開
けられている幅と同等の寸法であり、中子の内側寸法と
被測定理論空燃比 (O2) センサの保護カバー外径の間
隙は上記ガス導入・導出口の内側幅員の半分である構成
とすることもできる。
【0193】また、空燃比波形測定部の空燃比検出用セ
ンサの取付部の形状は、被測定理論空燃比 (O2) セン
サの取付部の形状と同等とすることが好ましい。
【0194】また、本発明において、前記センサ取付部
は、第1の被測定空燃比センサを装着し、前記ガス調整
部からガスが供給される第1のセンサ取付部と、前記第
1のセンサ取付部の下流に設けられた3元触媒部と、前
記三元触媒部の下流に設けられ、第2の被測定空燃比セ
ンサを装着した第2のセンサの取付部と、を含み、前記
制御部は、前記第1および第2の被測定空燃比センサの
出力に基づき、前記ガス調整部を制御するよう成形する
ことができる。
【0195】すなわち、実際のエンジンでの空燃比制御
は、例えば図1に示すよう、エンジンから供給される排
気ガスを直接空燃比センサを用いて検出し、この検出出
力に基づき行うものと、図10に示すよう、三元触媒の
上流側及び下流側双方に空燃比センサを設け、これら各
センサの検出出力に基づき行うものとある。
【0196】従って、後者のタイプのエンジンを想定し
た空燃比センサの特性解析を行う場合には、上述したよ
うにセンサ取付部及び制御部を構成すればよい。
【0197】ここにおいて、前記三元触媒取付部には、
加熱部を設け、被測定空燃比 (O2)センサの温度と同等
に加熱できるように形成することが好ましい。
【0198】また、三元触媒取付部は、径の細い、長さ
の短いモノリシック触媒を並列に並べた構造を有し、使
用する触媒の個数によって空間速度を容易に調節可能に
なっていると共に、触媒を使用しない部分にはガスの流
れを阻止する手段を有する構成としてもよい。
【0199】また、前記三元触媒取付部が、径の細い、
長さの短いモノリシック触媒を多段に積層できる構造を
有し、積層する段数によって空間速度を容易に調節可能
になっている構成としてもよい。
【0200】また、前記触媒の後方の理論空燃比 (O2)
センサの取付部が触媒前方の理論空燃比 (O2) センサ
の取付部と同等の形状寸法を有する構成としてもよい。
【0201】また、前記触媒の後方の理論空燃比 (O2)
センサの出力 (起電力又は抵抗)を処理した信号によ
り、触媒前方理論空燃比 (O2) センサの制御定数を操
作して、空燃比制御の平均値や制御波形を修正させる構
成としてもよい。
【0202】また、前記触媒の後方の理論空燃比 (O2)
センサの出力 (起電力又は抵抗)処理部が、触媒前方理
論空燃比 (O2) センサの出力 (起電力又は抵抗) 処理
部とは独立の、触媒後方用リッチ・リーン判定部と、触
媒後方用ディレータイム付加部と、触媒後方用スキップ
付加部と、触媒後方用ランプレート付加部とを含む構成
としてもよい。
【0203】また、前記触媒の後方の理論空燃比 (O2)
センサの出力 (起電力又は抵抗)を処理した信号によ
り、操作される触媒前方理論空燃比 (O2) センサの制
御定数がスキップである構成としてもよい。
【0204】また、前記被測定理論空燃比 (O2) セン
サを装着したセンサ取付部が並行して2系統設けてあ
り、夫々の後方に分流制御部が設けられ、分流量指令信
号に基づいて系統毎の分流量が自動制御される構成とし
てもよい。
【0205】また、分流制御部がガス温調節部と、開度
調節弁部と、ガス流量測定部とを含む構成としてもよ
い。
【0206】また、ガス温調節部が、熱交換器と、冷却
水量調節弁と、冷却水量調節弁を駆動する温度調節器と
を含む構成としてもよい。
【0207】また、開度調節弁部が、絞り弁と、絞り弁
を駆動する調節器とを含む構成としてもよい。
【0208】また、ガス流量測定部が、層流素子と、差
圧センサと、差圧アンプ若しくは表示計とを含む構成と
してもよい。
【0209】また、被測定理論空燃比 (O2) センサ取
付容器の絶対圧力を測定するセンサが設けられ、排気口
の圧力 (大気圧) 変化に拘らずその絶対圧力が分流指令
値と共に自動制御される構成としてもよい。
【0210】また、被測定理論空燃比 (O2) センサを
装着したセンサ取付部、三元触媒取付部、触媒後方理論
空燃比 (O2) センサ取付部が直列になったものが並行
して2系統設けてあり、夫々の後方に分流制御部が設け
られ、分流量指令信号に基づいて系統毎の分流量が自動
制御される構成としてもよい。
【0211】また、被測定理論空燃比 (O2) センサ取
付容器の絶対圧力を測定するセンサが設けられ、排気口
の圧力 (大気圧) 変化に拘らずその絶対圧力が分流指令
値と共に自動制御される構成としてもよい。
【0212】また、空燃比測定部 (精密空気過剰率計)
が、自動測定機能を有する構成としてもよい。
【0213】また、空燃比測定部 (精密空気過剰率計)
が、自己診断機能を有する構成としてもよい。
【0214】また、空燃比測定部 (精密空気過剰率計)
が、自動検定機能を有する構成としてもよい。
【0215】また、空燃比測定部 (精密空気過剰率計)
が、制御部との通信機能を有する構成としてもよい。
【0216】また、空燃比波形測定部 (高速空燃比計)
が、限界電流式空燃比センサを用いて空燃比を測定する
構成としてもよい。
【0217】
【実施例】次に本発明の好適な実施例を詳細に説明す
る。
【0218】第1実施例 図1には、本実施例のO2センサ特性解析装置が示され
ている。
【0219】実施例のO2センサ特性解析装置は、制御
部100、ガス調整部200、センサ取付部300、空
燃比測定部としての空気過剰率時間的平均値計測部40
0とを含んで構成される。
【0220】センサ取付部300に装着された被測定理
論空燃比 (O2) センサ10の出力(起電力又は抵抗) 信
号は、制御部100に導かれて信号処理が行なわれる。
【0221】制御部100は、その被測定理論空燃比
(O2) センサ10の出力 (起電力又は抵抗) 信号に基づ
き、空燃比が理論空燃比となるよう、すなわち空気過剰
率がλ=1となるようガス調整部200を制御する。
【0222】ガス調整部200は、制御部100の制御
に従い、センサ取付部300に所定流速・所定ガス組成
・所定温度のモデルガスを送る為に、各ガス成分の流量
を制御し、加熱を行なう。
【0223】図21には、O2センサ10の出力特性が示
されている。同図において、SはO2センサ10の標準
出力波形である。理論空燃比(空気過剰率λ=1)の付
近で、この出力は急激に変化することがわかる。
【0224】しかし、前記O2センサ10の出力特性
は、その測定環境などのバラツキにより、同中A又はB
が示すように基準位置から左右へシフトする場合があ
る。例えば、図中Aに示す方向へ、O2センサ10の出
力がシフトした場合には、排気ガスがリッチの方へずれ
ているため、ガス調整部200から供給される排気ガス
は酸素を余分に含むことになる。
【0225】前記、空気過剰率時間平均値計測部400
は、この空気過剰率の時間的平均値を測定することによ
り、O2センサ10の理論空燃比を表すλ=1からのず
れ量Δλ’を測定することができる。同様に、O2セン
サ10の出力が、図中Bに示すリーン側へずれた場合で
も、この理論空燃比λ=1からのずれ量Δλ”を空気過
剰率の時間的平均値として求めることができる。
【0226】図20は、前記空気過剰率時間的平均値計
測部400の具体的な構成が示されている。
【0227】実施例の空気過剰率時間的平均値計測部4
00の基本的な構成は、次の通りである。すなわち、セ
ンサ取付部300から排出されるガスの空燃比が理論空
燃比から外れているとすると、燃料または酸素の何れか
が不足していると見なすことができる。それ故、何れか
のガスが不足しているか、どれだけの割合で不足してい
るかを知ることができれば、不足分を補充することによ
って理論空燃比のガスにすることが可能である。そし
て、補充したガスの種類と混入率から、被測定ガスの
(ガス調整部200から供給されるガス)の空燃比を演
算して、求めることができる。
【0228】このため、実施例の計測部400は、セン
サ取付部300から排出されるガスから一定流量のガス
を分流する一定流量供給部410と、前記補充ガスを供
給する補充ガス制御部412と、分流ガスと補充ガスと
を攪拌混合して反応させる反応器414と、混合ガスの
空燃比が理論空燃比からどちらへズレているかを検出す
るためのO2センサ416と、前記O2センサの出力を基
にして、一定流量供給部410から分流して供給される
ガスの空燃比を理論空燃比とするために補充すべきガス
の流量を求め、前記補充ガス制御部412に向け制御信
号として出力する第1の演算部418と、演算された補
充ガスの供給量などに基づき、前記ガス調整部200か
ら供給されるガスの空燃比を演算する第2の演算部42
0と、演算された空燃比を表示する表示部422とを含
んで構成される。
【0229】すなわち、前記一定流量供給部410は、
センサ取付部300から排出されるガスから一定流量を
吸気して反応器414以降へ被測定ガスとして供給す
る。
【0230】反応器414は、被測定ガスと補充ガスを
よく混合させると共に、反応を促進させて化学平衡に近
い状態にするものである。
【0231】実施例では、補充ガス制御部412から、
H2またはO2の何れか一方が選択的に補充ガスとして
供給され、これが被測定ガスと反応器414内で反応す
る。そして、前記O2センサ416は、前記被測定ガス
に補充ガスを加えた混合ガスがリッチまたはリーンのど
ちらへズレているかを検出し、その検出信号を第1の演
算部418へ向け出力する。
【0232】第1の演算部418では、O2センサ41
6の出力から、混合ガスかリーンかリッチかを判定し、
補充すべきガスの種類、流量を決定する。
【0233】すなわち、O2センサ416の出力が、そ
の基準値より大きいか小さいかによって、混合ガスがリ
ッチかリーンかを判定する。その判定結果により、補充
ガス制御部412を制御し、リッチであると判定した場
合には酸素(又は空気)を徐々に増量して理論空燃比に
なるまで増量する。リーンと判定された場合には、H2
を徐々に増量して理論空燃比となるまで増量する。この
ようにして、酸素又は水素の増量によって、O2センサ
416の検出ガスが理論空燃比に近い状態になったと
き、第2の演算部420は、その空燃比を演算して表示
部422へ表示する。
【0234】このようにして、本実施例の計測部400
によれば、図1に示すO2センサ10の理論空燃比を表
すλ=1からズレ量を、正確に測定することができる。
【0235】また、本実施例のシステムにおいて、前記
ガス調整部200は、後述するようにエンジン高負荷条
件と同等の排気温度、流速、組成及び高速λ変化波形を
再現できる。しかも、前記ガス調整部200は、エンジ
ン吸気計でのλ変化を模擬するため、燃料蒸発率やガ
ス、流速時定数相当のパラメータを導入し、最適条件を
見つけ、実機に近い起電力波形がO2センサ10から出
力されるように形成できる。
【0236】以上の構成とすることにより、O2センサ
10を、実際のエンジンの排気系へ取り付けた場合と同
様な測定環境を再現し、その測定環境において、O2セ
ンサ10の特性解析を0.1%の精度で正確に行うこと
が可能となる。
【0237】また、後述するように、本実施例の装置を
用いることにより、図19に示すよう実際のエンジンと高
い相関係数(r2<0.75)を持つ空気過剰率制御周
期を得ることができた。従って、この面からも、本実施
例の装置を用いることにより、極めて高い精度で02セ
ンサ10の特性解析を行うことが可能となる。
【0238】また、実施例の装置は、さらに空燃比波形
計測部500を含むよう形成することが好ましい。空燃
比波形計測部500は、排気管中に挿入される空燃比検
知部510と、計器の部分が別体として構成され、電線
で接続されているものが多い。この空燃比検知部510
は、センサ取付部300の下流に取り付けられている例
を図示してあるが、上流に設置しても何ら差し支えな
い。空燃比波形計測部(高速空燃比計)500を付加する
ことにより、被測定理論空燃比 (O2) センサ10の出
力 (起電力又は抵抗) 信号処理結果に基づいて制御され
たガスの、空気過剰率の時間的平均値のみでなく、その
変化波形を実測することが可能になり、エンジン実機の
場合の変化波形と定量的に詳しく比較することが可能に
なり、本O2センサ特性解析装置のエンジン実機に対す
る忠実度を高めるのに有効である。計測された空気過剰
率の変化波形は、制御部100に伝えられて記録や作表
・作図等のデータ処理が行なわれる。なお、空気過剰率
とは、空燃比を理論空燃比で除したものである。
【0239】第2実施例 図10には、第2実施例のO2センサ特性解析装置が示さ
れている。
【0240】前記図1に示す第1実施例のO2センサ特
性解析装置は、一つのO2センサ10の検出出力に基づ
き空燃比制御を行うエンジンシステムを想定したもので
あるのに対して、図10に示す第2実施例のO2センサ
特性解析装置は、三元触媒の上流及び下流側に2個のO
2センサを設け、これら各O2センサの検出出力に基づ
き、空燃比制御を行うエンジンモデルを想定したもので
ある。
【0241】すなわち、実施例のO2センサ特性解析装
置は、制御部100、ガス調整部200、2組のセンサ
取付部300、800、三元触媒600、空気過剰率時
間的平均値計測部400、空燃比波形計測部500を含
んで構成される。
【0242】そして、前記2組のセンサ取付部300、
800には、第1及び第2の比測定空燃比(O2)セン
サ10、12がそれぞれ取り付けられる。
【0243】そして、制御部100は、前記第1のO2
センサ10及び第2のO2センサ12の検出出力に基づ
き、実際のエンジンと同様な手法を用い、ガス調整部2
00の空燃比制御を行うように形成されている。
【0244】これにより、第2のセンサ取付部800か
らは、このようなモデルのエンジンから出力される排気
ガスと同様の成分をもったガスが空気過剰率時間的平均
値計測部400にむけ供給されることになり、この結
果、この計測部400は前記第1実施例と同様にして排
気ガスの空燃比を求めることができる。
【0245】なお、本実施例においては、制御部100
を用いた選択動作により、図1及び図10に示す2つの
O2センサ特性解析装置を操作者が任意に選択し、使用
できるように構成されている。以下に、前記第1、第2
実施例のO2センサ特性解析装置の各部材の構成につい
て詳細に説明する。 具体的な構成 (A)O2センサ特性解析装置の構成 前記制御部100は、計測制御部110、温度制御部1
20、空燃比制御部130を含む。
【0246】計測制御部110は、空燃比制御部13
0、温度制御部120及び空気過剰率時間的平均値計測
部400など、O2センサ特性解析装置全体に指令を出
すと共に、被測定理論空燃比 (O2) センサ10の出力
(起電力又は抵抗) 波形の計測や、空気過剰率時間的平
均値計測部400や空燃比波形計測部500での測定結
果の記録・作表・作図などを担当する。
【0247】温度制御部120は、計測制御部110か
らの指令に基づいて、ガス調整部200、センサ取付部
300、各部配管等を始めとして、O2センサ特性解析
装置全体の温度の制御と共に、温度制御の状態について
計測制御部110への報告を担当する。
【0248】空燃比制御部130は、計測制御部110
からの指令に基づいて、センサ取付部300に装着され
た被測定理論空燃比 (O2) センサの出力 (起電力又は
抵抗)を処理し、制御すべき空燃比を演算すると共に、
その空燃比に対応したガス組成並びにガス流量を演算
し、ガス調整部200へ指令を出して制御すると共に、
空燃比制御の状態について計測制御部110への報告を
担当する。
【0249】(A-1)計測制御部110 計測制御部110の構成を図2に示す。計測制御部11
0は、測定モード・条件設定部112、O2センサ出力
処理部114、O2センサ特性表示・出力部116を含
む。
【0250】また、計測制御部110は、空気過剰率時
間的平均値計測部400、温度制御部120、空燃比制
御部130との間で信号の送受信をする通信部118を
含む。
【0251】測定モード・条件設定部112は、測定モ
ード設定部112−1と測定条件設定部112−2とを
含む。これらの設定部112−1、112−2は、図示
しないCRTディスプレイ上に設定用のメニューを表示
し、オペレータにメニューを選択させるように形成され
ている。
【0252】測定モード設定部112−1では、測定す
べき値が動特性であるかあるいは静特性であるかを指定
する。動特性には、F/B空燃比制御と過渡応答性が有る
ので、動特性を指定した場合には更にその内の何れかを
指定する。F/B空燃比制御とは、被測定理論空燃比 (O
2) センサ10の出力 (起電力又は抵抗) 信号を用いて
フィードバック制御したときの空燃比制御状態 (空気過
剰率時間的平均値や出力 (起電力又は抵抗) 波形等) を
測定するものである。過渡応答性とは、矩形波その他の
既知波形の空燃比変化を与えた場合の出力 (起電力又は
抵抗) の過渡応答性を測定するものである。静特性と
は、ここでは被測定理論空燃比 (O2) センサの出力
(起電力又は抵抗) と空燃比との関係である。
【0253】測定条件設定部112−2では、該理論空
燃比 (O2) センサの対象とする (搭載される) 車種、
年式、エンジン機種、変速機の機種及び排気規制の種類
を指定する。そうすると、予め入力されているデータに
基づいて、使用される理論空燃比 (O2) センサ10の
種類や型式と共に、該指定条件での排気エミッション値
と相関係数の高い最適なエンジン条件 (回転数及び吸気
圧) や、排気流速、排気温度、排気組成、空燃比制御周
期、センサ温度が自動的に選択されるように構成されて
いる。但し、エンジン条件を指定する場合に、回転数と
吸気圧の組み合わせが好適であるが、吸気圧でなくトル
クやエンジン出力を指定するようにしてもよい。
【0254】通常は、上記の機種指定等に基づいて自動
的に選択されたエンジン条件及び排気諸条件で理論空燃
比 (O2) センサ10の特性を測定するのが最適である
が、敢えてそれ以外の条件下での特性測定が必要な場合
には、それらを指定するよう構成することも可能であ
る。
【0255】測定モード・条件設定部112は、その出
力信号が、O2センサ特性表示・出力部116へ供給さ
れると共に、温度制御部120及び空燃比制御部130
へ供給され、また、両制御部120、130からの信号
を受信するよう形成されている。
【0256】O2センサ出力処理部114は、理論空燃
比 (O2) センサ10の出力変換部114−1と、同出
力 (起電力又は抵抗) 波形の記録部114−2と、同出
力 (起電力又は抵抗) 波形の演算部114−3とを含
む。
【0257】理論空燃比 (O2) センサ10の出力変換
部114−1では、前記のように指定された理論空燃比
(O2) センサの種類や型式によって変換内容が適切に
切換えられるように構成されている。即ち、理論空燃比
(O2) センサ10の種類が酸素濃淡電池式の場合に
は、その内部抵抗が高い場合であってもそれの影響を受
けずに起電力を忠実に測定する為に、入力インピーダン
スの非常に高いバッファアンプが用いられる。一方、理
論空燃比 (O2) センサの種類が抵抗式の場合には、抵
抗を電圧に変換する為の回路が用いられる。抵抗を電圧
に変換する為の回路としては、自動車で用いられている
のと同様な分圧式抵抗電圧変換回路や、抵抗対数変換回
路が好適である。ここで、分圧式抵抗電圧変換回路と
は、図3に示すよう、理論空燃比 (O2) センサと直列
に抵抗を接続し、その両端に電圧を印加して分圧点の電
圧を測定する回路である。ここで、Vsは印加電圧、Rsは
理論空燃比 (O2) センサの抵抗、Rfは固定抵抗を表
す。Rfの両端の電圧を出力電圧として用いる。 一方、
抵抗対数変換回路としては、日本特許登録番号1898791
に示されたものが好適である。
【0258】理論空燃比 (O2) センサ10の出力変換
部114−1の信号は、空燃比制御部130へ供給され
る。更に、出力 (起電力又は抵抗) 波形記録部114−
2及び出力 (起電力又は抵抗) 波形演算部114−3の
出力信号は、O2センサ特性表示・出力部116へ供給
される。
【0259】O2センサ特性表示・出力部116では、
O2センサ特性としての空気過剰率時間的平均値や出力
(起電力又は抵抗) 波形等が、モニター上に表示される
と共に、プリンターやプロッター等の作表又は作図機器
によって作表又は作図が行なわれ、さらに、フロッピー
ディスクや光磁気ディスク等の大量データ記録装置によ
って記録される。
【0260】なお、空気過剰率時間的平均値計測部40
0、温度制御部120及び空燃比制御部130と夫々通
信する通信部118を介しては、本計測制御部110か
ら各部への測定や制御の目標値や作動条件等の指令が行
なわれると共に、各部の計測・制御結果等が報告されて
くる。更に、実施例の装置が空燃比波形計測部500を
含む場合には、同部からの測定結果を受け取る為の信号
取り込み部も含まれる。
【0261】(A-2) 温度制御部 図4には、前記温度制御部120の構成が示されてい
る。
【0262】実施例の温度制御部120は、統合温度制
御部122、各部温度等表示部124、センサ加熱電源
部126−1、126−2、温度調節器制御部128及
び通信部129を含む。
【0263】統合温度制御部122は、計測制御部11
0からの指令に基づいて排気温度、センサ温度、排気流
速、各部温度等を統合的に制御する。
【0264】各部温度等表示部124は、排気温度、セ
ンサ温度、排気流速、各部温度等をモニター上に表示す
る。
【0265】センサ加熱電源部126−1、126−2
は、電圧の設定可能な直流電源であり、試験対象とする
エンジン条件下でのセンサ内蔵ヒータに対する通電の必
要性に応じてエンジン実機で印加されているのと同等の
電圧を印加する。
【0266】温度調節器制御部128は、温度調節器群
に対して温度設定値を指令すると共に、現在温度の報告
を受ける。
【0267】通信部129は、計測制御部110との間
で指令を受け取ったり、指令に対する遂行状態を報告し
たりする。
【0268】また、ヒータの劣化は避け難いものであ
り、その断線の予測もし難い。万一ヒータの断線が起こ
った場合、実施例の温度制御部120は、温度調節器等
からのヒータ断線警報信号を、通信部129によって自
動的に受けとって、通信手段を用いて計測制御部110
に自動的に報告する。
【0269】ヒータの断線が起こっていない通常の場合
には、上記のメニューで特定された排気温度を目標値と
し、且つ、指定された昇降温レートを超えないように設
定された昇降温パターンに従って、ガス加熱用若しくは
配管等保温用ヒータの温度調節器に、通信部129を用
いて (温度設定) 指令を自動的に送って温度を設定す
る。
【0270】図5には、理論空燃比 (O2) センサ10の
昇降温パターンの一例が示されている。
【0271】実施例の温度制御部120は、予め設定さ
れた一定時間毎に、通信部129を用いて温度調節器か
ら各部の温度を読み出し、設定温度と実際の温度の偏差
を計算して、異常が無いかチェックする。
【0272】温度制御用の温度調節器や熱電対の何等か
の異常により、各部が過熱されて危険な事態や無用な劣
化が生ずるのを防止する為、ヒータ毎に温度制御用とは
別に保安用の温度調節器と熱電対を設け、予め設定した
安全許容温度を保安用の温度調節器上で超えた場合に
は、温度制御用温度調節器の制御状態や表示の如何に拘
らず、加熱を中止 (ヒータ回路を遮断) すると共に、警
報を発してオペレータに異常 (過昇温) を知らせる。
【0273】(A-3)空燃比制御部 図6には、空燃比制御部130の構成が示されている。
【0274】実施例の空燃比制御部130は、空燃比・
流量制御部132、制御波形発生部134、各部波形表
示部136及び通信部138を含む。
【0275】空燃比・流量制御部132は、更にリッチ
・リーン判定部132−1、ディレータイム付加部13
2−2、スキップ制御部132−3、ランプレート制御
部132−4、システム遅れ補正部132−5、ガス成
分濃度演算部132−6及びガス成分流量演算部132
−7を含む。
【0276】制御波形発生部134は、特定の空燃比波
形で制御したときの被測定O2センサの過渡応答性を測
定する場合に、その空燃比波形を発生させるよう構成さ
れている。
【0277】各部波形表示部136は、O2センサ出力
(起電力又は抵抗) 波形、空燃比制御信号波形、ガス組
成波形及び制御周期等を表示させるよう構成されてい
る。
【0278】通信部138は、計測制御部からの空燃比
制御モードやガス組成等の指令を受け取ると共に、指令
に対する遂行状況や制御波形等を計測制御部110に報
告させるよう構成されている。
【0279】図7に示すようシステム遅れ補正演算部1
32−5は、燃料蒸発率演算部180、ガス状燃料遅れ
演算部182、液状燃料遅れ演算部184、両燃料加算
部186及び(実態的)空燃比演算部188を含み、演
算部182に入力される空気過剰率波形Aが実際のエン
ジンでの空気過剰率波形Bとなるよう形成されている。
【0280】なお、そのガス状燃料遅れ演算部及び液状
燃料遅れ演算部は、一次遅れ演算部若しくは高次の遅れ
演算部から成る。 (B)ガス調整部 ガス調整部200の構成を図9に示す。実施例のガス調
整部200は、ガス若しくは液状成分の供給部210
と、ガス流量制御部240、液体流量制御部250、霧
化部260、加熱部270と、混合部280を含む。
【0281】(B-1)ガス若しくは液状成分の供給部 本発明者は、エンジンの排気中の含まれるガス組成の
内、O2センサ10の出力(起電力)への影響が大きい
のは以下の7成分であることを見出した。窒素(N
2)、水蒸気(H2O)、一酸化炭素(CO)、水素(H
2)、炭化水素(HC)、酸素(O2)、一酸化窒素(N
O)。そこで、本実施例の供給部210は、その7成分
を供給するよう構成されている。
【0282】また、本発明者は、排気中に含まれる炭化
水素(HC)は、比較的高濃度の成分だけ取り上げても
20以上もの成分から成っていることを見出し、その成
分と濃度を定量的に把握した。それらの内で、O2セン
サの出力(起電力)への影響が大きいのは以下の3成分
即ち、エチレン(C2H4)、トルエン(C7H8)、プロ
ピレン(C3H6)であることを酸素消費量の考察により
見出した。そこで、本実施例の供給部210は、その3
成分の何れか一つ若しくは複数の組み合わせをさらに供
給するように構成されている。
【0283】また、二酸化炭素(CO2)は、O2センサ
の電極近傍に於ける一酸化炭素(CO)の酸化反応を抑
制して、起電力を低くする作用が有ることから、上記の
7成分に追加して8成分にした方がよりエンジン実機に
近い起電力波形を得ることができ、好ましい。
【0284】(B-2)ガス流量制御部 エンジンの空燃比波形を忠実に再現させる為には、各ガ
ス成分の濃度(流量)波形も忠実に再現させることが必
要である。各ガス成分の濃度(流量)波形には、数十HZ
にも及ぶ高周波成分が含まれており、その高周波成分を
ふくめて再現させることが必要である。そのような濃度
(流量)の高周波成分を再現させる為には、超高速ガス
流量制御器が必要になる。そこで、実施例では特願平4
−287851の制御手段を、ガス流量制御部250と
して使用している。
【0285】(B-3)液体流量制御部 液体流量制御部240として、送液ポンプを用いた。な
お、前記液体流量制御部240としては、流量制御機能
を有する送液ポンプを用いることが好ましく、流量指令
信号通信機能及び流量制御機能を有する送液ポンプを用
いることがさらに好ましい。
【0286】(B-4)霧化部 液状成分を、他のガス成分となるべく均一に混合させる
為、霧化部260として、超音波霧化器262を用い
た。
【0287】また、キャリヤガスを用いて霧化された成
分を輸送する為に、前記霧化部260は、超音波霧化器
262と流量制御されたキャリヤガスの供給部264と
の組合せとして構成するとなお良い。
【0288】キャリヤガスも霧化された成分と共にO2
センサ取付部300へ輸送される。従って、キャリヤガ
スが酸化性若しくは還元性を有するとO2センサの特性
に影響を与えるので、好ましく無い。そこで、実施例で
は、霧化部260に供給されるキャリヤガスとして、中
性を有するN2を用いた。
【0289】更に、キャリヤガスが、例え中性を有する
N2であったとしても、独立の系統から供給された場合
には、そのキャリヤガス流量が変化すれば全体流量が変
化することになり、濃度に影響を与えることは避け難
い。この対策として、霧化部260に供給されるキャリ
ヤガスが、ガス流量制御部250で既に計量されたN2
の一部を分流されたものにすれば、流量が少々変動した
としても濃度に影響を与えることが無いので好ましい。
【0290】(B-5)加熱部 霧化された水をガス中に加えて、その壁面状で霧が再凝
固するのを避ける為、実施例の加熱部270は、直列接
続された2つの加熱部270−1、270−2に分かれ
ており、その中間に霧化された水を加えるように構成さ
れている。
【0291】また、霧化された水をガス中に加えて、そ
の壁面状で霧が再凝固するのを避ける為、直列接続され
た2つの加熱部270−1、270−2を接続する主管
の中間から、水平若しくは水平より上向き30°以内の
角度にて第1の枝管272が出してあり、その枝管部2
72で霧化された水を加えるようにしている。
【0292】更に、霧化された水をガス中に加えて、そ
の壁面状で霧が再凝固するのを避ける為、第1の枝管2
72の中に上下を分ける隔壁が設けられている。この隔
壁は主管の中迄延長されており、主管の断面積の20%
から100%を遮っており、第1の加熱部270−1で
加熱されて主管の中を流れるガスの一部又は全部が、第
1の枝管272の隔壁の下側に誘導され、第1の枝管2
72の端部にて隔壁の非設置部を通って隔壁の上側に誘
導され、主管に戻る構造となっており、第1の枝管27
2の上面に開口部が設けられており、その枝管部で霧化
された水を加えるようになっている。
【0293】また、第1の枝管272を流れる高温のガ
スにより超音波霧化器260が加熱されて障害を起こす
のを避ける為、上記の第1の枝管272の上面に設けら
れた開口部から上向き若しくは30°以内の傾きを有
し、端部に開口部を有する第2の枝管274を設け、そ
の上部に超音波霧化器を設置するとなお良い。
【0294】また、超音波霧化器260により霧化され
た水が、上記の第2の枝管274の内側に付着して再凝
固するのを防止する為、第2の枝管274の内側壁面に
沿って流下するガスの流れ即ちガスカーテンを設けると
なお良い。
【0295】(B-6)混合配管 流量制御された一酸化炭素(CO)、水素(H2)、エ
チレン(C2H4)、プロピレン(C3H6)、酸素(O
2)、一酸化窒素(NO)及びトルエン(C7H8)を霧
化してキャリヤガスと混合させたガスの反応を抑制する
為と、制御された流量波形のなまりを抑制する為、流量
制御された各ガスの配管を、それぞれ独立に上記の直列
接続された2つの加熱部270−1、270−2の後部
の主管に接続した。
【0296】可燃性ガスと支燃性ガスの挙損によるガス
の反応を抑制する為、流量制御された可燃性ガス(一酸
化炭素(CO)、水素(H2)、エチレン(C2H4)、
プロピレン(C3H6))を集合させた配管、同じく支燃
性ガス(酸素O2)、一酸化窒素(NO))を集合させ
た配管、トルエン(C7H8)を霧化してキャリヤガスと
混合させたガス配管を、それぞれ独立に上記の直列接続
された2つの加熱部の後部の主管に接続するのも良い方
法である。
【0297】(B-7)圧力誤差補正手段 実施例のガス流量制御部250では流量計測手段として
層流流量計が使用されている(特願平4−287851
号参照)。層流流量計は体積流量計なので、測定される
流量は体積流量であって質量流量ではない。質量流量が
必要な場合には、体積流量にガスの密度を乗ずることに
より質量流量に変換される。一定の温度の下では、ガス
の密度は絶対圧力に比例する。温度と絶対圧力が一定の
場合には、体積流量と質量流量は比例するので、体積流
量の測定により質量流量に対応する出力が得られるので
簡便である。この場合、絶対圧力の変化は、質量流量を
測定しようとする目的に対して誤差要因となる。そこ
で、上記の主管への各ガスの接続部の主管に絶対圧力測
定手段を設け、流量制御器内で流量計測している部分の
圧力依存性による流量計測誤差の補正を行った。
【0298】また、上記への各ガスの接続部の主管に絶
対圧力測定手段を設け、その圧力が予め設定された一定
値になるように、流路の末尾に設けられた絞り弁の開度
を自動的に調整する手段を設けると圧力依存性による流
量計測誤差の補正が不要になるのでなお良い。
【0299】(B-8)混合部 主管への各ガスの配管を接続しただけでは、主管内でガ
ス均一混合にしにくいので、O2センサ10の特性を安
定的に測定することができない。その対策として、接続
部の後部に、混合部280として静止型管内混合器を設
けて、ガスの混合を促進させた。 (C)センサ取付部 センサ取付部回りの構成は、図1に示す前記第1の実施
例と、図10に示す第2の実施例とで、異なっているの
で後述する。
【0300】さらに、空気過剰率時間的平均値計測部4
00、空燃比波形計測部500の構成も、後述する。
【0301】次に、既にした図1、図10に示す各シス
テムの具体的な構成を、その作用とともに、より詳細に
説明する。
【0302】計測制御部110 (イ)モード走行時の (三元触媒で浄化後の) 有害成分
の排出量と相関の高いエンジン条件が、車種・エンジン
機種・変速機の種類・理論空燃比 (O2) センサの種類
及び排気試験モードに依存するということから、実施例
の計測制御部110は、有害成分の排出量と相関の高い
特定のエンジン条件での排気諸条件・空燃比制御諸条件
と同等の条件下で特性測定を行なうことが可能な機能を
有する。
【0303】その条件を入力するため、実施例の測定モ
ード・条件設定部112は、ディスプレイに特性測定メ
ニューを表示し、被試験理論空燃比 (O2) センサが測
定対象とする車種、エンジン機種、変速機の種類、理論
空燃比 (O2) センサの種類及び排気試験モードを操作
者が選択するよう構成されている。
【0304】これらの選択により、該車種等に於ける有
害成分の排出量と相関の高いエンジン条件が自動的に指
定される。
【0305】(ロ)上記の車種等の指定により、有害成
分の排出量と相関の高いエンジン条件が自動的に指定さ
れると、予めエンジン実機を用いて測定しておいた排気
流速、排気温度、理論空燃比 (O2) センサ温度、同セ
ンサ加熱用ヒータ電圧、空燃比制御周期、空燃比制御定
数 (ディレータイム、スキップ、ランプレート) 及び空
燃比と排気組成の関係が、データファイルから自動的に
呼び出されて、試験に用いるべき諸条件が自動的に特定
されるが、特別な値を用いて試験する必要が有る場合に
は操作者が指定する。
【0306】空燃比制御システムには、主に次の2つの
種類が有り、車種・エンジン機種等によって使い分けが
行なわれている。
【0307】1). 第1の空燃比制御システム(図1) 2). 第2の空燃比制御システム(図10) (ハ)特性測定項目は、原則として下記の3項目である
が、特に割愛すべき項目がある場合には操作者が指定す
る。
【0308】a. 空燃比制御特性 b. 起電力 (抵抗) −空燃比 (またはガス濃度) の静特
性 c. 起電力 (抵抗) の過渡応答特性 (ニ)昇降温のレートを高くし過ぎると、理論空燃比
(O2) センサ10の各部の温度差が大きくなり、過大な
熱歪みが誘発されて、破損や劣化の原因ともなり有害で
ある。従って、通常は昇降温レートの許容値を少し下回
る昇降温レートが自動的に設定されるが、昇降温レート
を特に低い値にする必要が有る場合には操作者が指定す
る。空燃比制御部130 (イ)通信手段を用いた計測制御部110からの指令に
より、用いられる空燃比制御システム(図1のシステム
か図10のシステムの1方)と特性測定項目に応じたモ
ードで空燃比の制御を行なう。
【0309】計測制御部110の項で述べたように、空
燃比制御システムには、主に2つの種類が有り、車種・
エンジン機種等によって使用されるものが決められてい
る。
【0310】1).図1に示す空燃比制御システム 2).図10に示す空燃比制御システム 計測制御部110の項で述べたように、特性測定項目は
下記の3項目である。 a. 空燃比制御特性 b. 起電力 (抵抗) −空燃比 (またはガス濃度) の静特
性 c. 起電力 (抵抗) の過渡応答特性 (ロ)図1に示す空燃比制御システムの場合 a. 空燃比制御特性の測定を行う場合 空燃比制御部130は、センサ取付部300で (酸素濃
淡電池式の場合にはバッファアンプ、抵抗式の場合には
分圧回路若しくは (対数式) 抵抗変換器等を用いて) 、
空燃比制御に適する信号の態様に前処理された被測定理
論空燃比 (O2)センサ10の出力信号 (起電力又は抵
抗) と、理論空燃比判定用基準値 (電圧又は抵抗) とを
比較して、理論空燃比からの偏差の方向を判定する。
【0311】酸素濃淡電池式の場合には、基準値よりも
起電力の方が大きい場合に燃料リッチ、n型酸化物半導
体抵抗式 (チタニア、五酸化ニオブ等) の場合には、基
準値よりも抵抗値の方が大きい場合に燃料リーンであ
る。
【0312】そして、空燃比制御部130は、理論空燃
比からの偏差が修正されるように、空燃比制御定数 (デ
ィレータイム、スキップ、ランプレート) に従ってガス
調整部200の空燃比制御を行なう。
【0313】a-1.ここで、ディレータイムとは、上記
の理論空燃比 (O2) センサ10の出力により判定され
た偏差の方向が反転したタイミングに対し、予め設定し
た時間だけ遅らせた信号を作り、それを元にして適切に
制御する為のものである。両方向へ向かうディレータイ
ムは、通常下記の記号で表される。
【0314】DT(RL):理論空燃比からの偏差の方向
がリッチからリーンに反転したときに付加するディレー
タイム DT(LR):理論空燃比からの偏差の方向がその逆の方
向に反転したときに付加するディレータイム このディレータイムを付加する目的は、理論空燃比 (O
2) センサ10が基本的に有する、空燃比の変化方向に
よる過渡応答時間のアンバランスを補正する為である。
【0315】理論空燃比 (O2) センサ10の過渡応答
時間は、通常下記の記号で表される。τ(RL):空燃比
がリッチからリーン方向に変化した時の過渡応答時間 τ(LR):その逆の方向に変化した時の過渡応答時間 理論空燃比 (O2) センサ10では通常、下記の関係が
有る。
【0316】
【数1】
【0317】若し、理論空燃比 (O2) センサ10の過
渡応答時間のアンバランスを補正しなかったとすると、
制御空燃比 (の時間平均値) が理論空燃比から少しリー
ン側へ偏位する。この偏位量は排気中に含まれる未燃成
分濃度などの諸条件にも依存するが、概ね1 〜 5 %
(空気過剰率に換算して表示すると、1.01 〜 1.05) 程
度である。ここで、空気過剰率は空燃比と理論空燃比の
比である。
【0318】この理論空燃比からの僅か1 〜 5 % のリ
ーン側へ偏位は、大したことはないように感じられるか
もしれないが、上述の如く、NOxの浄化率が大きく低
下するなど、三元触媒システムにとっては極めて大きな
影響が現れることから看過できない。
【0319】そこで、理論空燃比 (O2) センサ10の
過渡応答時間のアンバランス分を、空燃比制御器130
に設けたディレータイムによって補正することにより、
見掛け上の過渡応答時間のアンバランス分を無くす (低
減する) ことが行なわれている。その為には、それぞれ
の空燃比変化方向に於ける過渡応答時間とディレータイ
ムとの和を同等にすればよい。この関係は次式にて表さ
れる。
【0320】
【数2】
【0321】この応答時間の補正により、理論空燃比か
らのリーン側への偏位が概ね打ち消されて、ほぼ理論空
燃比で制御されるようになる。これにより、NOxに対
しても高い浄化率が得られるようになり、実用上頗る大
きな寄与が有る。
【0322】a-2.次にスキップとは、上述の理論空燃
比 (O2) センサ10の出力により判定された偏差の方
向が反転したタイミングに対し、予め設定したディレー
タイムにより遅らせた信号を作り、その遅らされた信号
が反転した時点で、一定幅の空燃比補正を行なうもので
ある。このスキップは、空燃比制御の平均値を理論空燃
比に維持しつつも、常に一定の空燃比振幅を得ると共に
その制御周期を短縮する作用が有る。このスキップを付
加する目的は、三元触媒の浄化率を可能な限り高める
(有害成分排出量を低減する) ことにある。三元触媒と
して一般的に用いられている白金 (Pt) −ロジューム
(Rh) 系の触媒では、理論空燃比一定に保った場合のN
Ox浄化率よりも、時間平均値を理論空燃比に保ちなが
らもそれを中心にして一定の振幅で交互にリッチとリー
ンを繰り返させた場合の方が高い浄化率が得られる事が
分かっている。このような現象を積極的に利用する為、
スキップが付加されている。両方向へ向かうスキップ
を、下記の記号で表すことにする。
【0323】S(RL):理論空燃比からの偏差の方向が
リッチからリーンに反転したときに付加するスキップ S(LR):理論空燃比からの偏差の方向がその逆の方向
に反転したときに付加するスキップ 基本空燃比制御システムに於いては、両方向へ向かうス
キップS(RL)とS(LR)は、正負のみが異なり同じ絶
対値に選ばれることが多い。
【0324】
【数3】
【0325】a-3.次にランプレートであるが、前項で
述べた遅らされた信号が反転した時点で、時間当たり一
定の割合で空燃比補正を行なうものである。通常のPID
(比例・積分・微分) 制御等では、目標値と制御結果と
の偏差に比例した大きさで補正が行なわれるのが常であ
る。一方、理論空燃比 (O2) センサ10の場合には、
図21で示すように、理論空燃比での出力 (起電力・抵
抗) の急変特性の為に、偏差の方向のみが有効な情報と
して得られ、偏差の大きさは有効な情報として得られな
い。この為、偏差に比例した大きさで補正を行なうこと
は不可能な為、時間当たり一定の割合で空燃比補正が行
なわれるのである。両方向へ向かうランプレートを、下
記の記号で表すことにする。
【0326】RR(RL):理論空燃比からの偏差の方向
がリッチからリーンに反転したときに付加するランプレ
ート RR(LR):理論空燃比からの偏差の方向がその逆の方
向に反転したときに付加するランプレート 基本空燃比制御システムに於いては、両方向へ向かうラ
ンプレートRR(RL)とRR(LR)は、正負のみが異な
り同じ絶対値に選ばれることが多い。
【0327】
【数4】
【0328】以上詳述した空燃比制御は、エンジン実機
に於いて行なわれている制御であり、空燃比センサ特性
解析装置に於いても踏襲する。
【0329】実施例の空燃比制御部130が、これらの
3つの空燃比制御定数 (ディレータイム、スキップ、ラ
ンプレート) によって行なう空燃比制御は図11のように
なる。b. 起電力 (抵抗) −空燃比 (またはガス濃度)
の静特性の場合 静特性の場合には、予め指定された空燃比 (またはガス
濃度) の下限値、上限値、刻み幅、保持時間、空燃比変
化方向、空燃比変化パターン等に従って、空燃比制御部
130は、空燃比を変化させる。
【0330】c. 起電力 (抵抗) の過渡応答特性の場合 過渡応答特性の場合、予め指定された空燃比 (またはガ
ス濃度) の下限値、上限値、下限側及び上限側での保持
時間、空燃比変化波形等に従って、空燃比制御部130
は、空燃比を変化させる。 (ハ)図10に示す空燃比制御システムの場合 図10に示す第2の空燃比制御システムの場合には、三
元触媒600の上流側及び下流側に夫々一つづつの理論
空燃比 (O2) センサ10、12が取り付けられ、夫々
の出力 (起電力又は抵抗) 信号を併用して高度な空燃比
制御が行なわれる。その構成を図4に示す。
【0331】この第2の空燃比制御システムによる空燃
比制御の目的は、三元触媒600の上流側に設置した理
論空燃比 (O2) センサ10により、前記第1の空燃比
制御システムの場合と同様の高速な空燃比制御 (短い制
御周期 ) を維持しつつ、その上流側に設置した理論空
燃比 (O2) センサ10の理論空燃比検出特性のバラツ
キによる制御空燃比 (の時間平均値) のバラツキを、三
元触媒600の下流側に設置したもう一本の理論空燃比
(O2)センサ12によって検出し、補正することによっ
て軽減することである。この制御空燃比 (の時間平均
値) のバラツキの補正により、有害成分排出量のバラツ
キが低減される。
【0332】a. 空燃比制御特性の場合 先ず、三元触媒600の上流側に設置された理論空燃比
(O2) センサ10によって、第1の空燃比制御システ
ムの場合と同様に、3つの空燃比制御定数 (ディレータ
イム、スキップ、ランプレート) によって、空燃比制御
が行なわれる。
【0333】次に、三元触媒600の下流側に設置され
た理論空燃比 (O2) センサ12によって、第1の空燃
比制御システムの場合と同様に、3つの制御定数 (下流
側ディレータイム、下流側スキップ、下流側ランプレー
ト) によって、スキップ補正信号が作られる。これらの
下流側の3つの制御定数は、上流側の3つの制御定数と類
似の名称を有するものの、それらとは独立に適切な数値
が設定される。このスキップ補正信号は、上流側の空燃
比制御定数の一つであるところのスキップの値の調節に
使用される。
【0334】前述の如く、図1に示す第1の制御システ
ムの場合には、両方向へ向かうスキップ S(RL)と S
(LR)は、正負のみが異なり同じ絶対値に選ばれること
が多い。しかし、図10に示すこの第2の空燃比制御シ
ステムの場合には、両方向へ向かうスキップS(RL)
(LR)の和を一定に保ちながら、夫々の大きさを変化
(自動制御) させることにより、制御空燃比 (の時間平
均値) を調節することが可能になる。
【0335】その一例を図5に示す。本例では、触媒下
流側の理論空燃比 (O2) センサ12の出力 (起電力ま
たは抵抗) が、リッチ寄りであった為、スキップ S(R
L)をスキップ S(LR)の60 %の大きさに操作した場
合の空燃比制御波形が示されている。このように制御す
ると、触媒上流側の理論空燃比 (O2) センサ10の出
力 (起電力または抵抗) 起電力が基準電圧より小さい時
間の割合が長くなることにより、制御空燃比 (の時間平
均値) がリーン寄りに補正される。このような自動制御
動作により、触媒下流側の理論空燃比 (O2) センサ1
2の出力 (起電力または抵抗) の理論空燃比からの偏差
を補正することが可能になる。 b. 起電力 (抵抗) −空燃比 (またはガス濃度) の静特
性の場合 静特性の場合には、予め指定された空燃比 (またはガス
濃度) の下限値、上限値、刻み幅、保持時間、空燃比変
化方向、空燃比変化パターン等に従って、空燃比を変化
させる。
【0336】この点については、第1の空燃比制御シス
テムの場合と同様である。
【0337】c. 起電力 (抵抗) の過渡応答特性の場合 過渡応答特性の場合には、予め指定された空燃比 (また
はガス濃度) の下限値、上限値、下限側及び上限側での
保持時間、空燃比変化波形等に従って、空燃比を変化さ
せる。
【0338】この点についても、第1の空燃比制御シス
テムの場合と同様である。
【0339】ガス調整部200 ガス調整部200は、さらに流量制御部240、250
と、加熱及び混合部270、280に分かれている。
【0340】(イ)流量制御部240、250では、空
燃比制御部130からのガス成分毎の流量の指令値に基
づいて、ガス流量の制御を行なう。常温 (20 ℃) で液
状の成分 (水蒸気 (H2O) 及びトルエン (C7H8) )
については、液体流量を制御し、霧化器によって霧化し
て混合する。
【0341】(ロ)加熱及び混合部270、280で
は、流量制御したガスの内で窒素 (N2)のみを所定温度
にヒータで加熱し、その後で上記の水を霧化したものを
混合する。すると水の蒸発潜熱や水蒸気の熱容量により
混合後のガス温が低下するので、次段のヒータにより所
定温度まで再加熱する。
【0342】(ハ)その後で可燃成分 (水素 (H2) 、
一酸化炭素 (CO) および炭化水素 (HC) ) と、支燃
成分 (酸素 (O2) 及び窒素酸化物 (NOx) ) を混合す
る。
【0343】可燃成分や支燃成分を混合後に加熱するの
でなく、窒素や水蒸気を加熱後にそれらの成分を混合す
る一つの理由は、可燃成分や支燃成分を混合後にヒータ
で加熱すると、ヒータ表面若しくはその近傍の局所的な
高温部で両成分の燃焼反応が促進されて、未燃成分の濃
度低下が起こることを防止する為である。加熱後に混合
すれば可燃成分と支燃成分の共存したガスがヒータに触
れない為、ヒータ近傍の局所的な高温部で両成分の燃焼
反応が促進されることがなくなる。さらに、水蒸気の共
存は水素の燃焼反応を抑制する効果がある。
【0344】窒素や水蒸気を加熱後に可燃成分や支燃成
分をを混合するもう一つの理由は、ヒータが中性ガス
(窒素 (N2) 及び水蒸気 (H2O) ) 雰囲気中で作動す
ることにより、ヒータ表面の金属が酸化還元を繰り返さ
せられることが無い為、ヒータ表面の酸化膜の成長が促
進されることが無く、ヒータの劣化抑制に寄与が有る為
である。
【0345】しかしながら、このような配慮にも拘ら
ず、本装置のように300 l/minもの大流量のガスを 760
℃ もの高温まで加熱する厳しい作動条件の下では、ヒ
ータの劣化は徐々に進行し、それを完全に防止する事は
本質的に困難である。このように、長期の高温使用に伴
うヒータの劣化は避け難いものであり、その断線時期の
予測も難しい。温度制御部120の項で既に述べたよう
に、万一ヒータの断線が起こった場合には、速やかな対
策を可能ならしめる為、温度調節器からのヒータ断線警
報信号を、通信手段によって自動的に受けとって、通信
手段を用いて計測制御部110に自動的に報告する。
【0346】センサ取付部回りの構成 センサ取付部回りの構成は、図1に示す第1の空燃比制
御システムの場合と、図10に示す第2の空燃比制御シ
ステムの場合とで、異なっているので両構成の場合に分
けて説明する。
【0347】(イ)第1の空燃比制御システムの場合 図1の場合には、一つの被測定理論空燃比 (O2) センサ
10による空燃比検出と、その信号を用いての空燃比制
御をさせるための構成になっている。ガス調整部200
で調整されたガスが、被測定理論空燃比 (O2) センサ
10の取り付けられたセンサ取付部300、高速空燃比
計500のセンサ510の取り付けられた取付容器を経
由して空気過剰率時間的平均値計測部400に至る。空
燃比波形計測部500のセンサ510は、通常、ワイド
レンジ型の空燃比センサ (限界電流式の酸素センサ) が
用いられ、被測定理論空燃比 (O2) センサ10と同等
の外形を有する。従って、空燃比波形計測部500のセ
ンサ510の取付には、被測定理論空燃比 (O2) セン
サ10の取付容器と同等の取付容器を用いるのが適当で
ある。
【0348】(ロ)第2のセンサ空燃比制御システムの
場合 図10の構成の場合には、三元触媒600の前後に設けら
れた2つの理論空燃比(O2) センサ10、12による空
燃比検出と、それらの信号を用いての空燃比制御をさせ
るための構成になっている。その為、図1の構成の場合
と比較して、空燃比波形計測部500のセンサ510
と、空気過剰率時間的平均値計測部400の間に、三元
触媒600と、もう一つのセンサ取付部800が設けら
れている点が異なっている。
【0349】三元触媒600の前方に設置される空燃比
(O2) センサ10として、理論空燃比 (O2) センサを
用いる空燃比制御システムが一般的であるが、ワイドレ
ンジ型の空燃比 (O2) センサを用いる方式のものもあ
り、本装置はその何れにも対応可能である。
【0350】また、触媒600の前後の双方に被測定理
論空燃比 (O2) センサを設置して特性測定する方法
と、何れか一方に既知特性の空燃比 (O2) センサを設
置して、他方に被測定理論空燃比 (O2) センサを設置
して特性測定する方法とがあり、本装置はその何れにも
対応可能である。
【0351】(ハ)センサ容器 次に、センサ取付部300の容器の形態について説明す
る。センサ取付容器310には、被測定理論空燃比 (O
2) センサ10を取り付け、設定温度に加熱して出力
(起電力又は抵抗) が測定される。センサ取付容器31
0の温度並びにガス温度を特性測定用の設定温度に維持
させる為、センサ取付部300にもヒータが取り付けら
れている(図省略) 。
【0352】センサ取付容器310へ取り付けられた被
測定理論空燃比 (O2) センサ10に対して、供給され
るガスの吹き付け方向並びに流速・流線が、エンジン実
機の排気管上に取り付けられた場合のそれと同等になる
ようにする必要があることと、試験用のガス流量を可能
な限り低減して経済性を向上させる必要とを両立させる
べく、本発明では、センサ取付容器の形状・寸法に工夫
を凝らしてある。
【0353】図13、図14に従来装置のセンサ取付容器の
断面形状の一例を示す。同図中、仮想線 (2点鎖線) の
上方には、被測定理論空燃比 (O2) センサ10を、セ
ンサ取付容器310に固定するための手段すなわち、フ
ランジ若しくはネジ等の固定機構が設けられているのが
常であるが、本発明の主題から離れるので図示を割愛す
る。図13の例に於いては、センサ取付容器310は、先
の閉じられた円筒状であり、容器本体312と、容器に
内接するように挿入せしめられた中子314から構成さ
れている。なお、図14は中子314を取りはずした状態
が示されている。
【0354】また、被測定理論空燃比 (O2) センサ1
0は、酸素濃淡電池として作用せしめる先端封じの管状
のセラミック体の外側を、多数の小孔が規則的に開けら
れた先の閉じた円筒状の2重の保護カバー316によ
り、機械的な保護が為されているものの例が示されてい
る。外側のカバーと内側のカバーとでは、小孔位置が高
さ方向にも円周方向にもずらしてあることにより、高流
速の排気が直接的にセラミック体の表面に吹き付けられ
て、セラミック体の電極等の劣化が促進されるのを防止
すると共に、可能な限り高速な過渡応答性を得る為に、
保護カバー内外のガスの置換が速やかに行なわれるよう
に配慮されている。
【0355】容器本体310には、円筒形の両側方に内
径の小さいガス導入・導出管 (右上がりハッチング部)
が取り付けられ、このガス導入・導出管によりガスが供
給され、排出される。ガス導入・導出管の小孔位置に対
応して、中子にも同じ内径の小孔が設けられている。こ
のように、内径の小さいガス導入・導出管が用いられて
いる理由は、少ないガス流量で高いガス流速を得て、被
測定理論空燃比 (O2)センサの外表面に高流速のガスを
吹き付ける為である。
【0356】さらに、中子314を設けている理由は、
これを用いないとガス導入管の出口端部での高流速のガ
スの流線が容器内で円錐状に広がって、ガス流速が低下
し、被測定理論空燃比 (O2) センサの外表面に高流速
のガスを吹き付けられなくなり、エンジン実機に於ける
高流速から懸け離れたものになることにより、測定され
る特性値の有用性が低下する為である (図14参照) 。
【0357】然るに中子314を用いた場合には、ガス
の流線が容器内で円錐状に広がるのが防止されることか
ら、被測定理論空燃比 (O2) センサの外表面に高流速
のままでガスを吹き付けることが可能になり、局部的で
はあるがエンジン実機に於ける高流速に近づけることが
出来るという利点を有する。但し、このような中子31
4を用いる方法の場合には、中子314の開口部の位置
とそれに対面する保護カバー上の小孔の位置の相対関係
による影響が大きくなる恐れが有る。即ち、対面する両
開口部が正面に向かい合っている場合には、中子314
の開口部での高流速のガスが遮られることなく保護カバ
ー内に高流速で進入する (図13参照)。逆に、中子31
4の開口部の正面が保護カバー上の小孔と小孔の中間部
分になっている場合には、中子の開口部での高流速のガ
スが保護カバーに衝突して流線がネジ曲げられて (図15
参照) 、その周辺の小孔から流速が低下させられた状態
で進入することになる。
【0358】このような中子314の開口部の位置とそ
れに対面する保護カバー上の小孔の位置の相対関係は、
被測定理論空燃比 (O2) センサ10の保護カバー31
6の小孔の位置の設計に強く依存するばかりでなく、同
一の被測定理論空燃比 (O2)センサ10であったとして
も、その取付状態にさえ依存するところが大きい。例え
ば、フランジ固定式の被測定理論空燃比 (O2) センサ
の場合に於いて、円周上の小孔の数が奇数になっている
場合には、センサ取付の向きが180°変化した (フラン
ジの向きを変えた場合など) だけで、保護カバー上の小
孔が中子の開口部の位置と向き合うか否かが変わってし
まう。さらに、センサ取付の向きが180°変化しない場
合であったとしても、加工誤差によって取付不可能にな
るような致命的な事態を未然に回避する為、フランジの
取り付け用の穴寸法が、取り付けボルトの径よりも1 mm
程度大きく設計されている場合が多いので、両寸法の
差の分だけ取付位置に不確定性が生ずる。これによって
も、保護カバー上の小孔と中子の開口部の位置との相対
関係が少なからぬ影響を受ける。
【0359】また、ねじ込み固定式の被測定理論空燃比
(O2) センサの場合にも、ねじ込み時の締め付け力に
よって、最終停止位置 (角度) が大きく変化し、上記と
同様の障害を生ずる。
【0360】従来装置のセンサ取付容器310には、こ
のような問題が有った為、本装置では、図16に示すよう
以下のような改良を行なっている。
【0361】1)被測定理論空燃比 (O2) センサ10
の小孔の全てに、エンジン実機の排気流速と同等の流速
でガスが当たるように、ガス導入・導出管の断面を矩形
とし、その横幅を、被測定理論空燃比 (O2) センサの
外側保護カバーの直径と同等の寸法にした。
【0362】2)被測定理論空燃比 (O2) センサの小
孔の全てに、エンジン実機の排気流速と同等の流速でガ
スが当たるように、ガス導入・導出管の断面を矩形と
し、その高さを、被測定理論空燃比 (O2) センサの外
側保護カバーの小孔の設けられている全幅と同等にし
た。
【0363】上記のイ)及びロ)のようにすることによ
り、被測定理論空燃比 (O2) センサ10の外側保護カ
バーの上流側投影面の全ての小孔に当たるガスの流速
を、ガス導入・導出管内のガスの流速と同等にすること
が出来る。さらに、ガス導入・導出管内のガスの流速を
エンジン実機の場合と同等にすることにより、被測定理
論空燃比 (O2) センサの外側保護カバーの上流側投影
面の全ての小孔に当たるガスの流速を、エンジン実機の
場合と同等にすることができる。
【0364】3)被測定理論空燃比 (O2) センサ10
の小孔の全てに、エンジン実機の排気流速と同等の流速
でガスが当たるように、センサ取付容器310の直径と
被測定理論空燃比 (O2) センサ10の外側保護カバー
の直径との差を、上記のガス導入・導出管の断面の矩形
の横幅と同等にした。こうすることにより、被測定理論
空燃比 (O2) センサ10の外側保護カバーの周囲を流
れるガスの流速を、ガス導入・導出管内のガスの流速と
同等にすることが出来る。その結果として、被測定理論
空燃比 (O2) センサ10の外側保護カバーの周囲を流
れるガスの流速および流線をエンジン実機の場合と同等
にすることができる。
【0365】上記の1)〜3)のようにすることによ
り、前述の従来装置のセンサ取付容器に有った諸問題が
解決された。空気過剰率時間的平均値計測部400 空気過剰率時間的平均値計測部は、被測定理論空燃比
(O2)センサ10の出力信号に基づいて、空燃比制御を
行なったときの制御空燃比 (の時間平均値) を、空気過
剰率 (空燃比/理論空燃比) として精密に測定する為の
ものである。前述の如く、本装置に於いては 0.1 % の
高精度で測定する必要があり、一般的な自動車用の空燃
比計では精度が 2 % 程度しか得られないことから測定
することは困難である。
【0366】懸かる用途に適するものとしては、超精密
空燃比計 (日本特許登録番号1531810)がある。本発明で
は、超精密空燃比計の機能に加えて、計測制御部からの
測定指令を通信手段によって自動的に受けとって、計器
自身の精度検査や制御空燃比(の時間平均値) 測定を自
動的に行ない、その結果を通信手段によって計測制御部
に自動的に報告する機能を加えてある。空燃比波形計測部500 空燃比波形計測部500は、被測定理論空燃比 (O2)
センサの出力信号に基づいて、空燃比制御を行なったと
きの高速度で変化する被測定ガスの空燃比制御波形を、
追従性良く測定する為のものである。本装置に於いては
3 Hz 程度の高速度で被測定ガスの空燃比が変化するこ
とから、それに充分に追従する速度で測定する必要があ
る。
【0367】排気をサンプリング・除湿して測定する一
般的な自動車用の空燃比計 (若しくは排気分析計) で
は、サンプリング系による遅れ時間が長いことも一因と
なり、高速な過渡応答性が得られないことから、被測定
ガスの空燃比制御波形を忠実に測定することは困難であ
る。
【0368】懸かる用途に適する空燃比波形計測部50
0として、前述の如く、ワイドレンジ型の空燃比センサ
(限界電流式の酸素センサ) を被測定ガスの流れる通路
(エンジン実機の場合であれば排気管) に挿入設置し
て、排気をサンプリングすることなしにセンサの出力
(電流、起電力又は抵抗) から直接的に空燃比を測定す
るタイプがある。本発明では、空燃比制御波形を計測制
御部110で自動的に取り込む機能を加えてある。実施例のシステムに効果の検証 エンジン実機の高回転数、高吸気圧条件下で測定された
制御空気過剰率時間的平均値が、排気エミッション値と
良く対応することを既に把握している。図18に、本装置
で測定された制御空気過剰率時間的平均値と、エンジン
実機の高回転数、高吸気圧条件下で測定された制御空気
過剰率時間的平均値との対応関係を示す。同図より明ら
かなように、両特性の間には良好な対応関係が認められ
る。即ち、相関係数の2乗(r2)で表して0.59と
高い値が得られた。
【0369】同様に図19に、本装置で測定された空気過
剰率制御周期と、エンジン実機の高回転数、高吸気圧条
件下で測定された空気過剰率制御周期との対応関係を示
す。同図より明らかのように、両特性の間には上述の制
御空気過剰率時間的平均値の場合にも増して良好な対応
関係が認められる。即ち、相関係数の2乗(r2)で表
して0.77と極めて高い値が得られた。
【0370】同様に図23(a)〜(d)、図24(e)
〜(h)には、8本のO2センサについて、本装置で測
定された起電力波形(上段の細い実線)と、エンジン実
機の高回転数、高吸気圧条件下で測定された起電力波形
(上段の太い実線)との対応関係を示す。同図より明ら
かなように、エンジン実機で測定された起電力波形には
細かい脈動が不規則に現れており、1周期毎の繰り返し
安定性も低い。一方、本装置で測定された起電力波形に
は、細かい脈動が無く1周期毎の繰り返し安定性も高
い。しかし、エンジン実機で測定された起電力波形の各
周期の平均値的な波形と、本装置で測定された起電力波
形を比較すれば、両起電力波形の間には良好な対応関係
が認められる。なお、下段の部分については先に図8の
ところで説明してある。
【0371】以上、詳述してきたように、本装置を用い
ることにより、エンジン実機上の諸特性と対応の高い特
性を、エンジン実機を使用することなく容易に測定でき
る。また、上述の如くエンジン実機特有の起電力波形の
細かい脈動や周期毎の変動に煩わされることも無い。こ
れにより、 イ)繰り返し安定性の高い精密な特性測定が可能になっ
た。
【0372】ロ)排気エミッション値と相関の高い有用
な特性値が容易に測定できるようになった。
【0373】ハ)エンジン実機を使用する必要が無いの
で、特性測定時の安定性が高まった。 ニ)エンジン実機を使用する必要が無いので、特性測定
時の越すとが低くなった。
【0374】このように、本装置は工業生産上の寄与が
大きい。
【0375】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
空燃比センサの特性を極めて高い精度で測定することが
できる空燃比センサ特性解析装置を得ることができると
いう効果がある。
【0376】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空燃比センサ特性解析装置の好適な第
1実施例のブロック図である。
【図2】本実施例で用いる計測制御部の具体的な構成を
示すブロック図である。
【図3】分圧式抵抗電圧変換回路の説明図である。
【図4】本実施例の温度制御部のブロック図である。
【図5】理論空燃比センサの昇降温パターンの一例を示
す説明図である。
【図6】本実施例の空燃比制御部のブロック図ある。
【図7】本実施例のシステム遅れ補正演算部のブロック
図である。
【図8】本実施例のシステム遅れ補正後の空気過剰率波
形の説明図である。
【図9】本実施例のガス調整部のブロック図である。
【図10】本発明の空燃比センサ特性解析装置の他の実
施例のブロック図である。
【図11】典型的な空燃比制御の様子を示す説明図であ
る。
【図12】前記図10に示す装置を用いて空燃比制御を
行った場合の様子を示す説明図である。
【図13】従来のセンサ取付容器の断面概略説明図であ
る。
【図14】従来のセンサ取付容器の断面概略説明図であ
る。
【図15】従来のセンサ取付容器の断面概略説明図であ
る。
【図16】本実施例のセンサ取付容器の断面概略説明図
である。
【図17】従来の検査装置のデータの説明図である。
【図18】本実施例の装置及びエンジン実機を用いて測
定された空気過剰率時間平均値の対応関係の説明図であ
る。
【図19】本実施例の装置及びエンジン実機を用いて測
定された制御周期の対応関係を示す説明図である。
【図20】計測部のより具体的な構成を示す説明図であ
る。
【図21】O2センサの特性曲線を示す説明図である。
【図22】空燃比と浄化率との対応関係の説明図であ
る。
【図23】O2センサの測定データの説明図である。
【図24】O2センサの測定データの説明図である。
【符号の説明】
10 O2センサ 12 O2センサ 100 制御部 110 計測制御部 120 温度制御部 130 空燃比制御部 200 ガス調整部 300 センサ取付部 400 空気過剰率時間的平均値計測部 500 空燃比波形計測部 600 三元触媒 800 センサ取付部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片山 直貴 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 山田 靖 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 高橋 英昭 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 福田 邦雄 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 加藤 憲徳 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−119450(JP,A) 特開 昭60−95341(JP,A) 特開 昭54−56891(JP,A) 特開 平4−283656(JP,A) 特開 平3−167466(JP,A) 特開 平3−63559(JP,A) 特開 平3−35155(JP,A) 特開 昭58−62552(JP,A) 特開 昭54−70890(JP,A) 特開 昭54−68295(JP,A) 特開 昭53−78887(JP,A) 特開 昭53−78886(JP,A) 特開 昭57−208443(JP,A) 特開 昭57−124248(JP,A) 実開 平3−60062(JP,U) 実開 昭53−35090(JP,U) 実開 昭52−157890(JP,U) 実開 昭51−89489(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/26 391 G01N 27/26 371 G01N 27/26 381 G01N 27/409

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定空燃比センサを装着したセンサ取
    付部と、 前記センサ取付部にエンジンの排気ガスの成分又はその
    一部の成分にほぼ対応したガスを供給するガス調整部
    と、 前記センサ取付部に装着された被測定空燃比センサの出
    力と、エンジンの理論空燃比に於ける標準空燃比センサ
    の出力とを比較して偏差を求めて、その偏差の時間的経
    過から補正すべきガス組成・流量を求めて前記ガス調整
    部を制御する制御部と、 制御された空燃比の時間的平均値を測定する空燃比測定
    部と、 と含み、 前記空燃比測定部は、 前記ガス調整部の供給ガスの空燃比を検出する測定用空
    燃比センサと、 前記測定用空燃比センサの出力を基にして、前記供給ガ
    スの空燃比を理論空燃比とするために補充すべきガスの
    流量を求める第1の演算部と、 その演算結果に基づき、補充すべきガスの流量を制御す
    る補充ガス制御部と、 前記補充ガスの供給量基づき、前記供給ガスの空燃比
    を演算する第2の演算部と、 を含み、前記第2の演算部の演算する空燃比に基づき、
    前記被測定空燃比センサの特性解析を行うことを特徴と
    する空燃比センサ特性解析装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記空燃比測定部は、 前記センサ取付部からの排出ガスから一定流量のガスを
    分流する一定流量供給部と、 分流されたガスと、前記補充ガス制御部により補充され
    た補充ガスとを反応させ、前記測定用空燃比センサへ向
    け供給するガス反応部と、 を含むことを特徴とする空燃比センサ特性解析装置。
  3. 【請求項3】 請求項1,2のいずれかにおいて、 前記ガス調整部は、 窒素(N2)、水蒸気(H2O)、一酸化炭素(CO)、水素
    (H2)、炭化水素(HC)、酸素(O2)、一酸化窒素(NO)
    のガス成分を含むガスを供給するよう形成されたことを
    特徴とする空燃比センサ特性解析装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 前記ガス調整部は、 ガス成分の炭化水素(HC)が、エチレン(C2H4)、トル
    エン(C7H8)、プロピレン(C3H6)の何れか一つ若しく
    は複数の組み合わせとして供給されることを特徴とする
    空燃比センサ特性解析装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにおいて、 前記センサ取付部は、 第1の被測定空燃比センサを装着し、前記ガス調整部か
    らガスが供給される第1のセンサ取付部と、 前記第1のセンサ取付部の下流に設けられた3元触媒部
    と、 前記三元触媒部の下流に設けられ、第2の被測定空燃比
    センサを装着した第2のセンサの取付部と、 を含み、 前記制御部は、 前記第1および第2の被測定空燃比センサの出力に基づ
    き、前記ガス調整部を制御するよう形成されたことを特
    徴とする空燃比センサ特性解析装置。
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