JP3260112B2 - 室内設置型空気調和機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は室内設置型の空気調
和機に関する。

【０００２】

【従来の技術とその問題点】室内設置型の空気調和機に
は、図６に示すように、片側の上部吸込口Ｉａから吸入
した空気が一次室Ａを通り、下部の連通部IIａから隣の
二次室Ｂに入ってＵターンし、冷却や加温あるいは加湿
されて上昇し、上部の吹出口Ｉｂから送り出される構造
のものがある。

【０００３】このような空気調和機は、一つのケーシン
グ内に、連通部IIａを下部に有する縦仕切板IIを設け
て、一次室と二次室に区分してあり、一次室と二次室の
左右の位置関係が決まっている。

【０００４】しかし、使用する空調室によっては一次室
と二次室の位置関係が左右逆になっている方が好ましい
場合があるが、このような場合には従来のものでは縦仕
切板の位置を変えて一次室と二次室の関係を左右逆にし
たケーシングとし、また中のフィルタや送風機、冷却・
加温コイル等の機器の位置換えをした全く別の空気調和
機とせねばならず、いわば規格品に対する特注品とな
る。

【０００５】したがってメーカー側としては規格品のも
ののほかに特注用のものをも用意しておく必要があり、
保管用スペースが必要となり、また在庫管理が複雑とな
るというデメリットがある。

【０００６】

【本発明の目的】本発明は、吸入側一次室用のケーシン
グと吹出側二次室用のケーシングとが予め別々に構成さ
れてユニット化されていて、ユーザの要望により一次室
側と二次室側とが左右逆になるものを工場や設置現場で
容易に組立てることができ、メーカーとしては保管スペ
ースの有効利用を期せるとともに在庫管理も複雑になら
ず、また、現場で組み立てる場合には一次室、二次室用
のケーシングを別々に輸送できて、荷役作業が容易にし
て輸送コストの低減をも期せる室内設置型空気調和機を
提供できるようにした。

【０００７】

【本発明の手段】上記目的を達成するために、本発明に
係る室内設置型の空気調和機は、直方体状の骨格体に前
面板、背面板、上板、底板を設け、左右の側面部は無側
板で開放され、上板に吸込口を設けた一次室用のケーシ
ングと、前面板、背面板、上板、底板、左右の側板より
なり、上板には吹出口を設け、かつ左右の側板の下部に
は連通用の開口部を形成した二次室用ケーシングとを備
え、前記一次室用のケーシングが二次室用ケーシングに
おける左右の側面部のうちのいずれか一方へ着脱自在に
連結され、一次室用ケーシングにおける二次室用ケーシ
ングとの連結側と反対の側面部と、二次室用ケーシング
における一次室用ケーシングとの連結側と反対の側面部
とに、各ケーシングの部材とは別の側面パネルがそれぞ
れ着脱自在に取り付けられて前記一次室用ケーシングと
二次室用ケーシングの左右の位置関係を入れ替えること
ができるようにしてあり、また、一次室用ケーシング内
にはエアフィルタを、二次室用ケーシング内には送風
機、冷却コイル、加温コイル、加湿器を設けたものとし
てある。

【０００８】

【実施例】以下本発明を添付図面の図１〜５に示す実施
例に基づいて説明する。図において符号１は一次室用の
ケーシングで、直方体状に組んだ骨格体２の前面部と背
面部にそれぞれ前面板３ａ、背面板３ｂをねじ止め等に
より取り付けたものとしてあり、左右の側面部は側板の
ない開放されたものとしてある。

【０００９】しかし、左右側面部は開放されてはいる
が、別に一枚の側面パネル４ａを用意してあり、この側
面パネルは、一次室用ケーシングを後述の二次室用ケー
シングの左右どちら側へ連結するかによって一次室用ケ
ーシングの側面部の左右いずれかにねじ等の止め具にて
取り付け、その側面部を塞ぐようにしてある。また、一
次室用ケーシングは上板５、底板６を備えるが、上板５
には空気の吸込口７を設けてあり、かつ中にはエアフィ
ルタ８を設けてある。

【００１０】９は二次室用ケーシングで、前面板１０
ａ、背面板１０ｂ、左右の側面板１１ａ、１１ｂおよび
上板１２、底板１３とよりなる直方体のものとしてあ
り、上板１２には吹出口１４を設けてある。

【００１１】しかして左右側板１１ａ、１１ｂは下部に
連通用の開口部１５ａ、１５ｂがそれぞれ形成されてお
り、また、別に一枚の側面パネル４ｂを備えており、こ
の側面パネル４ｂは二次室用ケーシングにおける一次室
用ケーシングを連結した反対側の側面にねじ等の止め具
により取り付けるようにしてある。

【００１２】また、二次室用ケーシング内には下部に送
風機１６、その上方に冷却コイル１７、加温コイル１
８、加湿器１９等の機器を順に配してあり、冷却コイル
には冷媒が、加温コイルには温水が、加湿器には水が供
給される。

【００１３】なお、図中の符号２０は送風機の架台、２
１は横仕切板、２２は送風機の吐出口嵌入口、２３は冷
却コイル、加温コイル、加湿器のセットを取り付ける架
台枠、２４は樋状のドレンパン、２５はドレンパイプを
示し、一次室用、二次室用の各前面板には点検、補修時
用の図示を省略した開閉扉を設けてある。

【００１４】

【作用】本発明の室内設置型空気調和機は以上の構成よ
りなり、次ぎのようにして使用する。例えば図１、４の
ように、一次室用ケーシング１を二次室用ケーシングの
右側にねじ等の止め具により側面パネル４ａを取り付け
て塞ぐ。また、二次室用ケーシング９の左側面部にはね
じ等の止め具により側面パネル４ｂを取り付けて、開口
部１５ａをも含む左側面部全面を塞ぐ。

【００１５】このように組んだ空気調和機においては右
側の吸込口７から吸入された空気は一次室用ケーシング
１内に入り、エアフィルタ８を通り、下部の連通用開口
部１５ｂから二次室用ケーシング９内に導入され、送風
機１６により上方へ送られて冷却コイル１７、または加
温コイル１８によって冷却または加温され、また必要に
応じては加湿器１９によって加湿されて、空調された空
気として吹出口１４から空調室内に送り出される。

【００１６】空調室内の設置箇所により一次室用ケーシ
ングが二次室用ケーシングの左側にある方が好ましく、
また、そうでなければならないことがある。このような
場合は図５のように一次室用ケーシング１を二次室用ケ
ーシング９の左側へ止め具によって連結し、一次室用ケ
ーシングの左側面部は側面パネル４ａを止め具により取
り付けて塞ぎ、また二次室用ケーシング９の右側面部は
側面パネル４ｂを止め具によって取り付けて塞ぐ。

【００１７】このように組立てることにより、空気は左
側の一次室用ケーシング内に吸込口７から吸い込まれ、
右側の二次室ケーシング内を通って吹出口１４から送り
出される。

【００１８】

【効果】このように、本発明によれば空気の吸込口と吹
出口の左右の位置が逆になる空気調和機にそれぞれ組立
てることができるが、その際、ユニット化されている一
次室用ケーシングをユニットかされている二次室用ケー
シングの左側か右側へ連結して、各ケーシングの外側と
なる側面部を側面パネルでそれぞれ塞ぐだけでよい。

【００１９】しかも両ケーシングは、ドレンパイプの出
口を左右に変えるだけで中の機器の配置を変更する必要
はなく、そっくりそのまま使用でき、左右使い勝手で、
特注品を用意する必要がなく、工場や現場で左右使い勝
手のものに容易に組み立てることができるという利点が
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る室内設置型空気調和機の実施例を
破断して示す正面図。

【図２】同上の縦断側面図。

【図３】二次室用ケーシングの分解斜視図。

【図４】一次室用ケーシングを二次室用ケーシングの右
側に連結する場合の具体例を示す内部省略斜視図。

【図５】一次室用ケーシングを二次室用ケーシングの左
側に連結する場合の具体例を示す内部省略斜視図。

【図６】従来の室内設置型空気調和機の一例を示す一部
破断正面図。

【符号の説明】

１ 一次室用ケーシング ２ 骨格体 ３ａ 前面板 ３ｂ 背面板 ４ａ、４ｂ 側面パネル ５ 上板 ６ 底板 ７ 吸込口 ８ エアフィルタ ９ 二次室用ケーシング １０ａ 前面板 １０ｂ 背面板 １１ａ 左側面板 １１ｂ 右側面板 １２ 上板 １３ 底板 １４ 吹出口 １５ａ、１５ｂ 連通用開口部 １６ 送風機 １７ 冷却コイル １８ 加温コイル １９ 加湿器

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石野 裕嗣 神奈川県川崎市幸区下平間144 プラザ 鹿島田306 (72)発明者 川崎 茂 東京都墨田区京島１−47−10 ＴＧ墨田 ビル706 (72)発明者 中村 誠 神奈川県川崎市宮前区小台２−14−２ 鷺沼ヒルズ505 (72)発明者 宮本 徹郎 千葉県市川市平田１−10−７ ラ・ヴィ 市川301 (56)参考文献 特開 平８−296866（ＪＰ，Ａ) 実開 昭56−58017（ＪＰ，Ｕ) 実開 平４−43728（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F24F 1/00

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】直方体状の骨格体に前面板、背面板、上
   板、底板を設け、左右の側面部は無側板で開放され、上
   板に吸込口を設けた一次室用のケーシングと、前面板、
   背面板、上板、底板、左右の側板よりなり、上板には吹
   出口を設け、かつ左右の側板の下部には連通用の開口部
   を形成した二次室用ケーシングとを備え、前記一次室用
   のケーシングが二次室用ケーシングにおける左右の側面
   部のうちのいずれか一方へ着脱自在に連結され、一次室
   用ケーシングにおける二次室用ケーシングとの連結側と
   反対の側面部と、二次室用ケーシングにおける一次室用
   ケーシングとの連結側と反対の側面部とに、各ケーシン
   グの部材とは別の側面パネルがそれぞれ着脱自在に取り
   付けられ、前記一次室用ケーシングと二次室用ケーシン
   グの左右の位置関係を入れ替えることができるようにし
   た室内設置型空気調和機。
2. 【請求項２】直方体状の骨格体に前面板、背面板、上
   板、底板を設け、左右の側面部は無側板で開放され、上
   板に吸込口を設けた一次室用のケーシングと、前面板、
   背面板、上板、底板、左右の側板よりなり、上板には吹
   出口を設け、かつ左右の側板の下部には連通用の開口部
   を形成した二次室用ケーシングとを備え、前記一次室用
   のケーシングが二次室用ケーシングにおける左右の側面
   部のうちのいずれか一方へ着脱自在に連結され、一次室
   用ケーシングにおける二次室用ケーシングとの連結側と
   反対の側面部と、二次室用ケーシングにおける一次室用
   ケーシングとの連結側と反対の側面部とに、各ケーシン
   グの部材とは別の側面パネルがそれぞれ着脱自在に取り
   付けられ、一次室用ケーシング内にはエアフィルタを、
   二次室用ケーシング内には送風機、冷却コイル、加温コ
   イル、加湿器を設け、前記一次室用ケーシングと二次室
   用ケーシングの左右の位置関係を入れ替えることができ
   るようにした室内設置型空気調和機。