JP3259663B2 - 熱加硫型シリコーンゴムコンパウンドの製造方法 - Google Patents
熱加硫型シリコーンゴムコンパウンドの製造方法Info
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Description
つ、原料成分の分散混合状態が良好な熱加硫型シリコー
ンゴムコンパウンドの製造方法に関するものである。
型シリコーンゴムは、耐候性、耐久性、耐熱性、生理活
性、着色性などに優れているため、建築材料、電気電子
材料、事務機部品、自動車部品、医療器具等幅広い分野
で使用されている。
は、ニーダーミキサーのように槽内に2つの混合翼を備
えた大型の混合機、インターナルミキサー、バンバリー
ミキサーのように槽内に2つのローターを有し、上方か
ら加圧することで原料を圧縮しながら混練りすることが
できる混練機、二軸回転押し出し機のように連続的な混
練が可能な混練押し出し機などを用いて原料を均一に混
合する方法が知られている。
ニーダーミキサーが使用される。ニーダーミキサーの最
大容量は、数千リットルにまで及ぶことから、一度に大
量の製品を製造することが可能であるが、原料の均一化
に時間がかかり、容易に良好な分散状態が得られないと
いう問題がある。
例示されるバンバリーミキサーのような密閉式混合機を
用いれば短時間で良好な均一状態が得られるが、機器容
量がせいぜい数百リットルと小さい。米国特許第430
0841号公報には、高速回転ミキサーにより原料を均
一に粉体化した後、ロールを用いて混練する方法が例示
されているが、加熱処理を要する場合不向きである。一
方、混練押し出し機を用いた連続製造方法が特開昭64
−56736号公報に例示されているが、工程時間が短
時間であるため、効率的な連続製造が可能となるが、品
質の安定化が困難である。
加硫型シリコーンゴムコンパウンドを短時間で効率的に
生産することは困難であった。
になされたもので、効率よく、かつ原料成分の分散混合
状態が良好な熱加硫型シリコーンゴムコンパウンドの製
造方法を提供することを目的とする。
発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討した結
果、オルガノポリシロキサン生ゴム、補強性シリカ充填
剤、加工助剤で構成される基本成分を回分式の密閉式混
合機に供給し、50〜120℃の条件下で混合した後、
得られた混合物をニーダーミキサーに供給し、150〜
250℃の条件下で混合・加熱処理することより熱加硫
型シリコーンゴムコンパウンドを製造した場合、生産性
に優れ、かつ、分散状態が良好な熱加硫型シリコーンゴ
ムコンパウンドが得られることを見出し、本発明をなす
に至った。
し、50〜120℃の温度条件下で混合する第1工程、
及び、第1工程で得られた混合物をニーダーミキサーに
供給し、150〜200℃の温度条件下で加熱処理する
第2工程を含むことを特徴とする熱加硫型シリコーンゴ
ムコンパウンドの製造方法を提供する。
(A)成分のオルガノポリシロキサン生ゴムとしては、
下記一般式(1) R2(R1 2SiO)nSiR1 2R2 (1) で表される線状の高粘度オルガノポリシロキサンを用い
ることができる。
好ましくは1〜6の置換又は非置換一価炭化水素基であ
り、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、
ドデシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテ
ニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のア
リール基、ベンジル基、β−フェニルエチル基等のアラ
ルキル基などの炭化水素基、並びにこれら炭化水素基中
の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子、シアノ基等
で置換された3,3,3−トリフルオロプロピル基、シ
アノエチル基等の置換炭化水素基などである。R2基
は、メチル基、ビニル基、水酸基よりなる群から選ばれ
る。nは1000以上、好ましくは3000〜2000
0の数である。
ば、全R1、R2基の50モル%以上がメチル基であり、
0.025〜0.5モル%、特に0.05〜0.3モル
%のビニル基を含有することが好ましい。
は、例えばヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降性シリ
カ等が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を
組み合わせて使用してもよい。また、それらのシリカ充
填剤はその表面を、例えば鎖状オルガノポリシロキサ
ン、環状オルガノポリシロキサン、ヘキサメチルジシラ
ザン、反応性シランによって処理されたものでもよい
が、表面処理により補強性充填剤が高価なものとなるか
ら、特別の特性付与以外の目的では使用しないことが望
ましい。特に得られたシリコーンゴムの透明性、補強性
において比表面積が100〜400m2/gであるヒュ
ームドシリカが望ましい。また、得られたシリコーンゴ
ムのコスト、弾性などの物性では比表面積が50〜80
0m2/gの補強性沈降性シリカが特に望ましい。
合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100重
量部に対して5〜100重量部の割合であり、より好ま
しくは10〜50重量部である。配合量が多すぎる場合
又は少なすぎる場合には、得られるシリコーンゴム組成
物の特性が低下し、またそのシリコーンゴム組成物を硬
化して得られる硬化物が十分な引張強度、引裂強度など
の機械的強度を有さなくなる。
強性シリカ充填剤の分散性を向上させると共に、シリコ
ーンゴムに種々の特性を付与するために使用されるもの
であり、下記一般式(2) R4O−(R3 2SiO)m−R4 (2) で表されるものを使用し得る。
より好ましくはメチル基、ビニル基、フェニル基、3,
3,3−トリフルオロプロピル基からなる群より選択さ
れる。R4基はメチル基、エチル基、水素原子よりなる
群から選択され、mは100以下の整数であり、特に2
〜50が好ましい。
成分のオルガノポリシロキサン100重量部に対して
0.1〜30重量部であり、1種を単独で又は2種以上
を組み合わせて使用してもよい。
には、更に、必要に応じて粉砕石英や珪藻土、炭酸カル
シウム、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、カーボンブラ
ック、酸化バリウム、酸化マグネシウム、水酸化セリウ
ム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、アスベスト、ガラス
ウール、微粉マイカ、溶融シリカ粉末等の充填剤、顔
料、金属酸化物の脂肪酸塩といった耐熱向上剤、白金化
合物のような難燃性付与剤、オルガノハイドロジェンポ
リシロキサンのような加硫物着色防止剤などを添加する
ことも任意である。
混合機に供給され、混合・均一化される。かかる回分式
の密閉式混合機は、冷却又は加熱機能を備えていてもよ
く、混合時の内温は室温〜150℃、好ましくは50〜
120℃程度に維持されることが望ましい。回分式の密
閉式混合機による混合には、ニーダーミキサーと比較し
て短時間でしかも良好な分散状態が得られるという利点
がある。
れた槽内に2つのローターを有し、上方から加圧しなが
ら混練りする混合機であり、バンバリミキサー、インタ
ーナルミキサー、インテンシブミキサー、インターミッ
クスミキサー等が例示される。
などの搬送機を用いて加熱しながら第2工程のニーダー
ミキサーに供給される。ニーダーミキサーには、スチー
ム又は熱媒による加熱機能が備えられていることが望ま
しく、供給された混合物は、窒素ガス又は二酸化炭素ガ
ス通気下又は減圧下のニーダーミキサー中で150〜2
50℃、好ましくは200℃までの範囲で加熱処理され
る。温度が低すぎる場合には加熱処理に長時間を要し、
また高すぎる場合にはシリコーンゴムコンパウンドの劣
化を引き起こす可能性があり、好ましくない。
パウンドの製造方法は、原料の混合・均一化から加熱処
理までの一連の工程をニーダーミキサー中で行うが、本
発明ではニーダーミキサーでは比較的不得手な混合・均
一化を、第1工程において短時間での均一化が可能な回
分式の密閉式混合機で行い、第2工程のニーダーミキサ
ーでは加熱処理のみを行うことから、工程毎の機器分担
がなされ、生産性が向上する。
ミキサーを転倒させて排出するのが一般的であるが、底
部に押し出しスクリューなどの排出機能を備えたニーダ
ーミキサーを第2工程の加熱処理機として用いれば、連
続的に所望のシリコーンゴムコンパウンドを得ることが
でき、大幅な生産性向上が達成される。
し機などの機器により第2工程のニーダーミキサーに連
続的に定量供給し、ニーダーミキサー内で所定の加熱処
理を施した後、連続的に排出することができる。
合機を用いて混合・均一化するため、原料成分の分散状
態が良好となり、得られたシリコーンゴムコンパウンド
の作業性や硬化時の特性が向上するといった利点もあ
る。
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
末端が封鎖された0.15モル%のメチルビニルシロキ
シ単位と99.85モル%のジメチルシロキシ単位から
なる平均重合度約8000のオルガノポリシロキサン生
ゴム50kg、比表面積約200m2/gの湿式シリカ
(日本シリカ(株)製、ニプシルLP)20.5kg、
両末端がシラノール基である平均鎖長3〜4の線状ジメ
チルシロキサン2kg、ビニルトリメトキシシラン0.
05kgを容量75Lのバンバリーミキサーに供給し、
フローティングウエイトによる加圧下で約5分間混練
し、混合・均一化した。均一化した混合物の温度は10
5℃であった。この混合物を予熱された容量200Lの
ニーダーミキサーに供給し、窒素を5Nm3/hrの割
合で通気しながら170〜190℃の温度で1時間加熱
処理し、シリコーンゴムコンパウンドを得た(昇温時間
1時間)。
して有機過酸化物2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−
ブチルパーオキシ)ヘキサン0.5重量部をロールで均
一に混合させ、165℃,10分間のプレス加硫を行
い、次いで200℃,4時間の後加硫を施して厚さ2m
mのシリコーンゴムシート得た。
って物理試験を行った。
ーによる混練を3回繰り返し、約210kgの混合物を
得た。このうち約70kgを、底部にスクリュー排出機
能を備えた容量200Lのニーダーミキサーに供給し
た。容量200Lのニーダーミキサーに供給された混合
物は、窒素5Nm3/hr通気下昇温され、170〜1
90℃の温度で加熱処理された。170〜180℃の温
度で1時間経過した時点からバンバリーミキサーによる
混合物の残りを直径75mmの1軸スクリュー型押し出
し機で加熱しながらニーダーミキサーに70kg/hr
の供給速度で2時間連続的に定量供給した。同時にニー
ダーミキサーへの供給量と同等の速度で加熱処理された
混合物をニーダーミキサー底部より連続的に排出させ、
シリコーンゴムコンパウンドを得た。
平均滞留時間はおよそ1時間である。得られたコンパウ
ンドについて実施例1と同様の方法で物理試験を行っ
た。
供給量及びニーダーミキサーからの排出量を約35kg
/hrとし、ニーダーミキサー内の平均滞留時間をおよ
そ2時間とした以外は実施例2に従ってシリコーンゴム
コンパウンドを得た。得られたコンパウンドについて実
施例1と同様の方法で物理試験を行った。
ーミキサーに供給し、窒素5Nm3/hr通気下50〜
100℃の温度で約1.5時間混練し、混合・均一化し
た。その後、昇温し、170〜190℃の温度で1時間
加熱処理し、シリコーンゴムコンパウンドを得た。この
一連の工程時間にはおよそ4時間を要した。得られたコ
ンパウンドについて実施例1と同様の方法で物理試験を
行った。
ーミキサーに供給し、窒素5Nm3/hr通気下50〜
100℃の温度で約0.5時間混練し、混合・均一化し
た。その後、昇温し、170〜190℃の温度で0.5
時間加熱処理し、シリコーンゴムコンパウンドを得た。
この一連の工程時間にはおよそ2時間を要した。得られ
たコンパウンドについて実施例1と同様の方法で物理試
験を行った。
表1に示す。
た場合、同等の硬化特性を有するシリコーンゴムコンパ
ウンドを短時間で大量に製造することが可能となること
が確認された。なお、従来のニーダー法で実施例1と同
等の生産性が得られた比較例2は、硬度が高く、プレス
加硫後と後加硫後の硬度差が大きく、プレス加硫のみで
は特性が不安定なものとなっている。
末端が封鎖された0.15モル%のメチルビニルシロキ
シ単位と99.85モル%のジメチルシロキシ単位から
なる平均重合度約8000のオルガノポリシロキサン生
ゴム50kg、比表面積約200m2/gの湿式シリカ
(日本シリカ(株)製、ニプシルLP)21.5kg、
両末端がシラノール基である平均鎖長3〜4の線状ジメ
チルシロキサン0.5kg、トリメチルシロキシ基で末
端が封鎖され、平均重合度約40のメチルハイドロジェ
ンポリシロキサン1.8kgを容量75Lのバンバリー
ミキサーに供給し、フローティングウエイトによる加圧
下で約5分間混練し、混合・均一化した。均一化した混
合物の温度は90℃であった。この混合物を予熱された
容量200Lのニーダーミキサーに供給し、窒素を5N
m3/hrの割合で通気しながら170〜180℃の温
度で1.5時間加熱処理した(昇温時間1時間)。加熱
処理後、冷却しながらステアリン酸カルシウム100g
及び平均鎖長3〜4の線状ジメチルシロキサン0.25
kgを添加・混合し、シリコーンゴムコンパウンドを得
た(冷却0.5時間)。
ーによる混合・均一化をニーダーミキサーで行わせ、加
熱処理条件を170〜190℃、2時間にしたこと以外
は実施例4の方法に従いシリコーンゴムコンパウンドを
得た。この一連の工程時間には4.5時間を要した。
と同様の方法によりシリコーンゴムシートを作成し、試
験を行った。更に、実施例4と比較例3で得られたシリ
コーンゴムコンパウンドを用いて伸長疲労特性を調べ
た。結果を表2に示す。伸長疲労特性 ゴムシートの100%伸長引張圧縮を毎分30回の速度
で繰り返し、ゴムシート破断までのサイクル回数を示し
た。
大きな値を示すことは、実施例4により得られたシリコ
ーンゴムコンパウンド中の原料分散状態が良好であるこ
とを示すものである。また、比較例3と比較した場合、
同等以上の硬化特性を有するシリコーンゴムコンパウン
ドを短時間で大量に製造することが可能となることが確
認された。
優れたシリコーンゴムコンパウンドを効率よく短時間で
大量に製造することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 (A)オルガノポリシロキサン生ゴム
100重量部 (B)補強性シリカ充填剤 5〜100重量部 (C)加工助剤 0.1〜30重量部 から構成される基本成分を回分式の密閉式混合機に供給
し、50〜120℃の温度条件下で混合する第1工程、
及び、第1工程で得られた混合物をニーダーミキサーに
供給し、150〜200℃の温度条件下で加熱処理する
第2工程を含むことを特徴とする熱加硫型シリコーンゴ
ムコンパウンドの製造方法。 - 【請求項2】 前記第2工程のニーダーミキサー内の滞
留時間が3時間以内である請求項1記載の熱加硫型シリ
コーンゴムコンパウンドの製造方法。
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