JP3257966B2 - 自吸式遠心ポンプ - Google Patents

自吸式遠心ポンプ

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JP3257966B2
JP3257966B2 JP18467797A JP18467797A JP3257966B2 JP 3257966 B2 JP3257966 B2 JP 3257966B2 JP 18467797 A JP18467797 A JP 18467797A JP 18467797 A JP18467797 A JP 18467797A JP 3257966 B2 JP3257966 B2 JP 3257966B2
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邦一 平林
章浩 藤森
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株式会社荻原製作所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、給湯器の中に組み
込まれて風呂の追い焚き用の循環ポンプ等に使用される
自吸式遠心ポンプに関し、特に、インペラ室に連通する
軸流吸込管路の管壁の周りに略環状の呼び水作用室が画
成された自吸式遠心ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、小型の自吸式遠心ポンプとし
ては、図16に示す如く、モータハウジング31の駆動
マグネット円盤32側の継ぎ合わせ端面に隔壁板33を
挟んでインペラケーシング34を重ね合わせ、更にその
インペラケーシング34の継ぎ合わせ端面に全面座形の
ガスケット(図示せず)及び金属製仕切板35を挟んで
エンドケーシング36を重ね合わせて取付ボルト(図示
せず)等で相互連結した積層型構造となっている。隔壁
板33に植立した固定軸37には従動マグネット円盤3
8を内蔵した遠心型インペラ(羽根車)39が回動自在
に嵌め込まれており、駆動マグネット円盤32と従動マ
グネット円盤38とは隔壁板33を間においてマグネッ
トカップリングを構成しており、モータ駆動によるモー
タシャフト40の回転によって隔壁板33を隔てて遠心
型インペラ39が回転被動する。
【0003】インペラケーシング34は、図17(A)
に示す如く、下部が半円弧状を呈する矩形枠型であり、
複数枚の螺旋羽根39aを持つ背面シュラウド付き遠心
型インペラ(羽根車)39を収容した円盤状空洞部のイ
ンペラ室41と、インペラ室41からその周囲壁41a
の上方接線方向に延びた遠心流排出路42と、その遠心
流排出路42から勢い良く吐き出される気水混合流を上
部の反跳壁43aに激突させて水を下方へ跳ね返し、空
気と水を分離する気水分離室43とを有している。
【0004】図17(B)に示す如く、エンドケーシン
グ36もインペラケーシング34の外形輪郭に合致する
ように下部が半円弧状を呈する矩形箱型であり、上部左
右において吸込口44及び吐出口45の両者を具備する
ことを特長としている。そして、エンドケーシング36
は、インペラ39のボス部39bを押さえ抜け止めする
ためのボス押さえ46を有しており、上部の吸込口44
からの吸込流体(水又は空気)を一旦導入する吸込室4
7と、吸込室47の下部から吸込流体をインペラ室41
に収まる遠心型インペラ39の中央部(羽根輻輳部)へ
案内する誘導路48と、呼び水を貯留し、仕切板35の
呼び水流通孔35aを介してインペラ室41へ呼び水を
供給するための水溜室49と、インペラケーシング34
の気水分離室43で分離された空気や揚水時の吐出水を
仕切板35の上部排出孔35bを介して吐出口45へ吐
き出すための吐出室50とが区画壁で区画されている。
なお、仕切板35にはインペラケーシング34の気水分
離室43で分離された水をエンドケーシング36の下部
の水溜室49へ戻すための還流孔35cが形成されてい
る。
【0005】仕切板35と共にインペラケーシング34
とエンドケーシング36との継ぎ合わせ端面に挟み込ま
れる板状の全面座形ガスケットとしては、インペラケー
シング34及びエンドケーシング36の各室等に合わせ
て、外周厚肉部,内周厚肉部,仕切部,中央孔,呼び水
流通孔,還流孔,上部排出孔,及び押さえ孔等を具備す
る必要があり、複雑な形状・構造を呈している。また、
ステンレス製の仕切板35も必要である。そのため、図
16及び図17に示す上部に吸込口44と吐出口45を
持つ角形状の自吸式遠心ポンプは、部品点数の多さとポ
ンプの組立性の悪さが低コスト化の障害となっていた。
【0006】更に、インペラケーシング34の上部の一
方側隅部には気水分離室43が形成されているが、他方
側の隅部41bは厚肉部だけでデッドスペースとなって
いる。このため、吸込口44と吐出口45を上部に備え
る角形状の自吸式遠心ポンプではコンパクト化が困難で
ある。
【0007】これに対し、別型の自吸式遠心ポンプとし
て、実開昭59−148498号公報に示すいわゆる丸
形状のものが知られている。この丸形状の自吸式遠心ポ
ンプは、図18及び図19に示す如く、モータハウジン
グ2の端面に対し丸形のインペラケーシング1を重ね合
わせ、そのインペラケーシング1の継ぎ合わせ端面に円
形の仕切板7,内周リング状パッキン14及び外周リン
グ状パッキン13を挟んで軸方向吸込口9及び上部吐出
口10を具備するエンドケーシング6を重ね合わせて相
互連結した積層構造となっている。インペラケーシング
1は、遠心型インペラ4を収容する円盤状空洞のインペ
ラ室Kを有し、インペラ室Kの周囲壁4bの上部には螺
旋状の遠心流排出路5が付帯するだけで、気水分離室を
具備しない断面丸形状の簡易構造となっている。また、
エンドケーシング6は、軸方向吸込口9に連通し遠心型
インペラ4の中央部へ吸込流体を直接導入するための軸
流吸込管路6aと、軸流吸込管路6aの管壁6bの周り
に画成された円環状の呼び水作用室Sとを具備するもの
である。
【0008】自吸運転時においては、モーター駆動によ
るモータシャフト3の回転によりインペラ4はAの水位
まで貯留したインペラ室K内の呼び水を呼び水流通孔1
5を介してエンドケーシング6の呼び水作用室Sの下部
(水溜領域)へ掻き出し、そこの呼び水を中央部の再流
入孔16を介してインペラ室K内に還流させる。このと
き、呼び水作用空間Sへ送り込まれた水がその勢いで上
方へ散逸しないようにするため、上部の邪魔板12によ
り押し返される。このような還流が繰り返されるうち
に、吸込口9の上流方向に存在していた空気も呼び水と
共にインペラ室K内で混合させて呼び水流通孔15から
呼び水作用室間Sへ巻き込まれて来るが、その巻き込み
空気(気泡)は直ちに上方へ浮上して邪魔板12の隙間
12aを通り抜け、上方空間から吐出口10へ排気され
る。それと共に、インペラ室Kで攪拌されて生成された
気水混合流は遠心流排出路5から仕切板7の上部排出孔
17を介してエンドケーシング6の呼び水作用室Sの上
部へ送り出され、呼び水作用室Sの上部の内周壁6cに
沿って巡るため、その空気は最上部の吐出口10へ排気
されると共に、水分はそのまま内周壁6cに沿って周回
し呼び水作動室Sの下部(水溜領域)に還流する。この
ようにして軸方向吸込口9の上流側配管に存在していた
空気が次第に減少すると、管路内が負圧化されるので、
吸込口9から水がインペラ室4a内に吸い込まれて、吸
い込み水が遠心流排出路5から仕切板7の上部排出孔1
7を介して呼び水作用室Sの上部へ送り出されるように
なるので、吐出口10から吐き出され、次第に揚水運転
に移行する。
【0009】このような丸形状の自吸式遠心ポンプにお
いては、インペラケーシング1は実質的にインペラ室K
を具備するだけで、またエンドケーシング6の軸流吸込
管路6aが実質的な吸込室として機能しており、エンド
ケーシング6はその軸流吸込管路6aの管壁6bの周り
に水溜領域,気水分離領域として機能する呼び水作用室
Sを具備するだけであるため、吐出大容量化の下でポン
プ容積のコンパクト化を実現している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
丸形状の自吸式遠心ポンプにあっては、次のような問題
点があった。
【0011】 モータハウジング2に対してインペラ
ケーシング1,仕切板7,内周パッキン14,外周パッ
キン13,エンドケーシング6の順に積み重ねた重層構
造であるため、インペラケーシング1とエンドケーシン
グ6との継ぎ合わせ端面(フランジ)に仕切板7,外周
パッキン13,内周パッキン14を挟み込んで同時にビ
ス8で螺子止めする必要があり、水密箇所と組み付け箇
所が仕切板7の境に集中しているので、いずれかでシー
ル不具合箇所が生じ易く、組み付けに入念の注意を要す
る。
【0012】 ビス8を取外し、エンドケーシング
6,仕切板7,外周パッキン13,内周パッキン14を
外すと、インペラ室Kを一部露出させることができる
が、モータシャフト3に固定された遠心インペラ4がモ
ータハウジング2に固定されたインペラケーシング1の
インペラ室4aに収まったままであるから、インペラケ
ーシング自体1又はインペラ4を取り外さない限り、イ
ンペラ室K内の入念な清掃はできない。
【0013】そこで、上記問題点に鑑み、本発明の課題
は、インペラ室に連通する軸流吸込管路の管壁の周りに
略環状の呼び水作用室が画成された自吸式遠心ポンプに
おいて、シール不具合を生じ難い組付性と共にインペラ
室の清掃の容易化を実現することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の講じた手段は、インペラケーシングをエン
ドケーシングとフランジを以て継ぎ合わせるのではな
く、エンドケーシングにインペラケーシングを入れ子式
に嵌合する構造を基本としている。即ち、本発明は、モ
ータハウジングと、インペラ室を具備するインペラケー
シングと、そのインペラ室に連通する軸流吸込管路の管
壁とその周りの胴壁との間に画成された略環状の呼び水
作用室及びこの呼び水作用室の上部位置で上記胴壁に開
口した吐出口を具備するエンドケーシングとを備えた自
吸式遠心ポンプにおいて、上記インペラケーシングは、
上記エンドケーシング側の前記軸流吸込管路の開口端部
に第1の環状シール部材を挟んで継ぎ合う管継手部を持
ち、上記インペラ室と上記呼び水作用室とを仕切る仕切
部と、上記仕切部の周囲を取り囲み、上記胴壁内に嵌合
する囲繞壁との一体成形体であり、上記インペラケーシ
ングを挿入嵌合した上記エンドケーシングの上記胴壁の
開口端部が上記モータハウジングの継ぎ合わせ面に第2
の環状シール部材を挟んで継ぎ合い相互連結して成るこ
とを特徴とする。
【0015】エンドケーシング内へ入れ子式に落とし込
み嵌合することにより、軸流吸込路とインペラ室とが管
継手部を介して連通する。従って、シール不具合が生じ
難く、組立性の向上により低コスト化に寄与する。ま
た、取付ボルト等によりモータハウジングとエンドケー
シングとを相互連結する際、第2の環状シール部材の圧
潰変形と同時に、第1の環状シール部材の圧潰変形が進
行し、両者の軸方向の圧潰変形量の和が取付ボルト等の
締め付け変位量に相当している。このため、両者のシー
ル性の加減を適正化し易い。更に、取付ボルト等を外す
だけで、各部品の簡単な抜き出し操作により分解状態に
することができる。このため、エンドケーシング,イン
ペラケーシングは勿論のこと、インペラやモータハウジ
ングの端面さえも完全露出するので、清掃が簡単とな
り、メインテナンスの容易化に資する。
【0016】エンドケーシング側の前記軸流吸込管路の
開口端部とインペラケーシング側の管継手部とが印籠継
手を構成して成る場合、継ぎ合わせの確実化を実現でき
る。
【0017】また、インペラ室に収まるインペラのボス
部を押さえて抜け止めするボス押さえが仕切部から管継
手部の軸流孔中へ突出して成る構成では、そのボス押さ
えがエンドケーシングではなくインペラケーシング自身
に一体的に形成されているため、インペラの軸方向の位
置決めバラツキを抑制できる。
【0018】そして、エンドケーシングの胴壁とインペ
ラケーシングの囲繞壁とには誤挿入防止用係合部が設け
られて成る場合、組付時に、インペラケーシングをエン
ドケーシングの胴壁内に落とし込んで嵌合させるとき、
誤挿入防止用係合部を相互に合わせない限り、インペラ
ケーシング自体の落とし込み嵌合を全うできない。落と
し込む際、インペラケーシングと呼び水作用室との回り
方向の配置関係を訳なく自動的に適正化でき、組付性の
向上に資する。
【0019】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を添付図
面に基づいて説明する。
【0020】図1は本発明の実施形態に係る自吸式遠心
ポンプを示す分解斜視図、図2は同自吸式遠心ポンプの
分解状態を縦断して示す分解縦断面図、図3は同自吸式
遠心ポンプを示す縦断側面図、図4(A)は図3中のA
−A線に沿って切断した状態を示す切断矢視図、図4
(B)は図3中のB−B線に沿って切断した状態を示す
切断矢視図、図5は同自吸式遠心ポンプにおけるエンド
ケーシングを示す正面図、図6(A)は図5中のA−
A′に沿って切断した状態を示す切断矢視図、図6
(B)は図5中のB−B′に沿って切断した状態を示す
切断矢視図、図6(C)は図5中のC−C′に沿って切
断した状態を示す切断矢視図、図6(D)は図5中のD
−D′に沿って切断した状態を示す切断矢視図、図6
(E)は図5中のE−E′に沿って切断した状態を示す
切断矢視図、図7(A)は同エンドケーシングの上部側
面と下部縦断面を示す一部縦断側面図、図7(B)は同
エンドケーシングの背面図、図10(A)は同自吸式遠
心ポンプにおけるインペラケーシングを示す正面図、図
10(B)はその背面図、図11(A)は図10(A)
中のC−D−E−O−F線に沿って切断した状態を示す
切断矢視図、図11(B)は図10(A)中のI−I′
線に沿って切断した状態を示す切断矢視図、図11
(C)は図10(A)中のH−H′線に沿って切断した
状態を示す切断矢視図、図12(A)は同インペラケー
シングの一部を破断して示す斜視図、図12(B)は同
インペラケーシングを別の角度から見た斜視図である。
【0021】本例の丸形状の自吸式遠心ポンプ(自吸式
渦巻きポンプ)60は、モータ等を内蔵するモータハウ
ジング61と、このモータケーシング61の隔壁板62
に植立した固定軸63に回動自在に嵌め込んだ遠心型イ
ンペラ70と、インペラ室Kを具備するインペラケーシ
ング80と、そのインペラ室Kに連通しインペラ70に
臨む軸流吸込管路91の管壁92の周りに画成された略
円環状の呼び水作用室S及びこの呼び水作用室Sの上部
に開口した吐出口93を具備するエンドケーシング90
とを備えている。本例のポンプケーシングはインペラケ
ーシング80とエンドケーシング90とから成る。
【0022】モータハウジング61のモータシャフト6
4の先端には駆動マグネット円盤65が固着されてい
る。隔壁板62に植立した固定軸63の基部にセラミッ
クスワッシャ65aを嵌めた後、遠心型インペラ70を
嵌め込んで、その固定軸63のD形先端部63aにはセ
ラミックスワッシャ65bが嵌合している。
【0023】遠心型インペラ70は、従動マグネット円
盤71を内蔵した厚みのある樹脂製の円盤状背面シュラ
ウド72を有しており、図4(B)に示す如く、この背
面シュラウド72上にはボス部72aから外周縁72b
へ延びる8枚の突条の主渦巻き羽根(主ブレード)B0
が一体的に形成されている。またこの背面シュラウド7
2上には、相隣接する主ブレードB0 ,B0 の挾間でボ
ス部72aより内周側不連続部を空けて外周縁72bへ
延びる突条の補助渦巻き羽根(補助ブレード)B1 ,B
2 が主ブレードB0 に沿わせて回転方向に向かって前側
近傍又は後側近傍に形成されている。相隣接する補助ブ
レードB1 ,B2 同士では回転方向に向かって前側の方
が後側の方に比してブレード長が短くなっている。各ブ
レードB0 ,B1 ,B2 の外周端は外周側切欠き(欠損
部)Eによりブレード高さが低く形成されている。ま
た、補助ブレードB2 の内周端も内周側切欠き(欠損
部)Fによりブレード高さが低く形成されているため、
結果的にブレード長の中央部分が中高部となっている。
そして、遠心型インペラ70は、背面シュラウド72の
背面側にその径よりもはみ出した背面圧力切り鍔部74
を一体的に有している。
【0024】更に、インサート成形によりボス部72a
にはカーボン製のブッシュ(軸受メタル)73が嵌入さ
れている。
【0025】エンドケーシング90は略カップ状(有底
筒状)の樹脂製一体形成品で、図7に示す如く、端板部
94中央から内方に起立した管壁92の基部に開口した
吸込口91aと、端板部94周囲から屈曲し、管壁92
の起立高さよりも長い囲み壁を形成する胴壁95とを有
している。管壁92の開口端部は小径の第1のOリング
66を収める外周段付き端部92aとなっている。また
胴壁95の開口端部はモータハウジング61の隔壁板6
2に大径の第2のOリング67を挟んで継ぎ合う内周段
付き端部95aとなっている。
【0026】他方、インペラケーシング80は略盃状の
樹脂製一体成形品で、インペラ室Kと呼び水作用室Sと
を仕切るための円形の仕切板部82と、この仕切板部8
2の周囲を取り囲み、エンドケーシング90の胴壁95
内に嵌合する囲繞壁83とから大略構成されている。仕
切板部82の裏面と囲繞壁83との角部には等間隔に隅
肉リブRが形成されている。この囲繞壁83は、内側に
インペラ室Kを実質的に画成する小径の周囲壁83a
と、その周囲壁83aの開口縁側に渦巻き状鍔部83b
で連結した大径の嵌め合わせ円周縁83cとから成る。
渦巻き状鍔部83bと嵌め合わせ円周縁83cで囲まれ
た広口空間Mには遠心型インペラ70の背面圧力切り鍔
部74が収まるようになっている。仕切板部82の裏面
側には、管壁92の外周段付き端部92aにOリング6
6を挟んで継ぎ合う内周段付きテーパ端部84aを持つ
ソケット部(管継手部)84が一体的に形成されてい
る。管壁92の外周段付き端部92aとソケット部84
の内周段付きテーパ端部84aとは印籠継手を構成して
いる。
【0027】予めOリング66を外周段付き端部92a
の外周段面に嵌めておき、仕切板部82の周囲一部が受
け止め段95bで当たり止めされるまでインペラケーシ
ング80をエンドケーシング90の胴壁95内に嵌め合
わせて落とし込み、外周段付き端部92aとソケット部
84の内周段付きテーパ端部84aとを継ぎ合わせる。
その際、段付き端部92aと内周段付きテーパ端部84
aとは印籠継手であるため、嵌め合わせが確実であり、
水密性が高い。なお、上記の印籠継手構造の雌雄とは逆
に、管壁95の管端が受口を持つソケット部(雌構造)
とし、ソケット部84の開口端が管端(雄構造)として
も良い。また、エンドケーシング90側の管壁95を無
くし、その代わりにインペラケーシング80側の管壁を
長く形成しても良い。
【0028】特に本例では、ソケット部84の端部がテ
ーパ端部84aとなっているため、嵌め初めに狂いがな
く、スムーズに嵌合できる。この嵌合後、エンドケーシ
ング90の内周段付き端部95aをモータハウジング6
1の隔壁板62にOリング67を挟んで継ぎ合わせ、取
付ボルト68で相互連結することにより、本例のポンプ
60の組立が完了する。
【0029】このように、本例のポンプでは、インペラ
ケーシング80を、エンドケーシング90とフランジを
以て継ぎ合わせるのではなく、エンドケーシング90内
へ入れ子式に落とし込み嵌合することにより軸流吸込路
91とインペラ室Kとの水密連通を達成することができ
る。従って、シール不具合が生じ難く、組立性の向上に
より低コスト化に寄与する。
【0030】取付ボルト68を締め付けてモータハウジ
ング61とエンドケーシング90とを相互連結する際、
第2のOリング67の圧潰変形と同時に、第1のOリン
グ66の圧潰変形が進行し、両者の軸方向の圧潰変形量
の和が取付ボルト68を締め付け変位量に相当してい
る。このため、両者のシール性の加減を適正化し易い。
【0031】エンドケーシング90の内周段付き端部9
5aに収まるOリング67(断面の厚いOリングでは)
は圧潰変形によりインペラケーシング80の囲繞壁83
(嵌め合わせ円周縁83c)の外周面にも密着するた
め、その外周面と胴壁95の内周面とが多少の隙間嵌め
状態でも水密状態になる。インペラケーシング80がエ
ンドケーシング90の胴壁95内に嵌合し、またOリン
グ67が外周側パッキンを兼用しているため、外周側パ
ッキン自体が不要となっている。またインペラケーシン
グ80自身は仕切板部82を有しているため、従前のよ
うな金属製の仕切板も不要である。そのため、従前に比
して、部品点数の削減を図ることができ、低コスト化に
寄与する。
【0032】更に、取付ボルト68を外すだけで、各部
品の簡単な抜き出し操作により図2に示す分解状態にす
ることができる。このため、エンドケーシング90、イ
ンペラケーシング80内は勿論のこと、インペラ70や
モータケーシング61の隔壁板62さえも完全露出する
ので、清掃が簡単となり、メインテナンスの容易化に資
する。
【0033】図10に示す如く、インペラケーシング8
0の仕切板部82には軸流孔82bが形成されており、
この軸流孔82bの中心部には、インペラ室K内の遠心
型インペラ70のボス部のブッシュ73に重ねたセラミ
ックスワッシャ65bを押さえてインペラ70を抜け止
めするカップ状のボス押さえ82cが占領しており、ボ
ス押さえ82cは仕切板部82から延びた三方連結部8
2dにて支持されている。このカップ状のボス押さえ8
2cの中心部にはエア抜き孔82eが形成されている。
【0034】このようなインペラ室Kに収まる遠心型イ
ンペラ70を軸方向の所定位置に位置決めするためのボ
ス押さえ82cは、図16に示す従前のポンプではエン
ドケーシング36のボス押さえ46に相当するものであ
るが、本例においてもボス押さえ82bの機能をエンド
ケーシング90の管壁92に担わせた場合、管壁92自
体が小径化し、軸流吸込路91自身の流積が減少してし
まう。また、ボス押さえ82bと同様な構造を管壁92
で支持するように設けることも考えられるが、そのよう
な構造はエンドケーシング36の成形品では実現できな
い。むしろ、本例のように、ボス押さえ82bをインペ
ラケーシング80に一体成形した構造によれば、上記の
ような不都合を解消できることは勿論、遠心型インペラ
70の軸方向の位置決めがインペラケーシング80自身
で決めるから、位置決め精度のバラツキを抑制できる。
【0035】インペラケーシング80は、図10(B)
に示す如く、周囲壁83aの外周面の母線方向に延びて
嵌め合わせ円周縁83cに連絡する誤挿入防止用の差し
込み突起85を有している。これに対し、エンドケーシ
ング90は胴壁95の内周面の母線方向に延びた近接平
行2条の誤挿入防止用の案内レール96,96を有して
いる。インペラケーシング80をエンドケーシング90
の胴壁95内に落とし込んで嵌合させる場合、差し込み
突起85を案内レール96,96間の溝に滑り込ませな
い限り、インペラケーシング80自体の落とし込み嵌合
を全うできないようになっている。このように、インペ
ラケーシング80の落とし込み完了によりエンドケーシ
ング90のインペラケーシング80に対する回り方向の
位置決めも自動的に完了するため、後述するように、イ
ンペラケーシング80の遠心流排出孔86の呼び水作用
室Sに対する配置関係を訳なく適正化でき、組付性の向
上に資する。なお、インペラケーシング80とエンドケ
ーシング90とに誤挿入防止の合わせマーカーを付して
おいても良い。
【0036】この差し込み突起85の外面は、嵌め合わ
せ円周縁83cの外周面に揃っているため、エンドケー
シング90は胴壁95内にピッタリと嵌合し、インペラ
室Kの変形を抑制する補強リブとしても機能している。
この突起85とは別に、独立のリブ87が周囲壁83の
外周面に形成されている。更に、後述するように遠心流
排出路89の厚肉部分や射流変向部88の厚肉部分もリ
ブ機能を発揮している。
【0037】本例では、インペラケーシング80のイン
ペラ室Kに収まる遠心型インペラ70は真円形である
が、インペラ室Kの周りを仕切る周囲壁83aは偏角に
対する動径の変化が比較的少ない螺旋形に象られてい
る。遠心型インペラ70からの半径流又は螺旋流の遠心
流をインペラ室Kから外部へ排出する遠心流排出孔86
は、周囲壁83aが略1周回した位置に形成されてい
る。インペラ室Kから周囲壁83aに沿って遠心流排出
孔86へ連絡する遠心流排出路89においては、仕切板
部82に遠心流排出孔86側へ溝幅漸拡の案内溝89a
が形成されている。また、遠心流排出路89の排出孔8
6の直前部分とインペラ室Kとを仕切る起立壁89bは
排出孔86側へ漸高に形成された三角壁である。
【0038】仕切板部82のうち案内溝89aよりもイ
ンペラ回転方向の上流側で周囲壁83a寄りには5つの
呼び水流通孔H1 〜H5 が略縦列している。案内溝89
aから一番上流側の第1の呼び水流通孔H1 は小径孔
(口径1.5mm )、それよりも案内溝89a寄りに位置す
る第2の呼び水流通孔H2 は中径孔(口径2.0mm )、更
に案内溝89a寄りの第3の呼び水流通孔H3 も中径孔
(口径2.0mm )、更にまた案内溝89a寄りの第4の呼
び水流通孔H4 も亜中径孔(口径1.7mm )、そして案内
溝89aに一番近い第5の水流通孔H5 は大径孔(口径
3.0mm )となっている。
【0039】そして、これら呼び水流通孔H1 〜H5
遠心型インペラ70とは図13に示す位置関係になって
いる。第1〜第4のH1 〜H4 はブレードB0 〜B2
回動域よりやや外側に位置しており、背面シュラウド7
2と周囲壁83aとの隙間にあり、第5の呼び水流通孔
5 だけが約半分その回動域に重なって対向している。
更に、各ブレードの前面側と背面側とが軸心Oに対して
張る角度と、ブレードの背面側とその隣接後側のブレー
ドの前面側とが軸心Oに対して張る角度とは略等しくな
っているが、その角をθ(総ブレード数24のブレード
角15°では約7.5 °)とすれば、第5の水流通孔H5
第4の呼び水流通孔H4 とが軸心Oに対して張る角度は
略θ、第4の呼び水流通孔H4 と第3の呼び水流通孔H
3 とが軸心Oに対して張る角度も略θ、第3の呼び水流
通孔H3 と第2の呼び水流通孔H2 とが軸心Oに対して
張る角度は略2θで、第2の呼び水流通孔H2 と第1の
呼び水流通孔H1 とが軸心Oに対して張る角度は略3θ
となっている。
【0040】周囲壁83aの外周面上の遠心流排出孔8
6の近傍部分には射流変向部(反跳壁)88が設けられ
ている。射流変向部88の外周面は嵌め合わせ円周縁8
3cの外周面に揃っている。射流変向部88は、遠心流
排出孔86に臨む側に、図12(B)に示す如く、遠心
流排出孔86から勢い良く排出された遠心射流(円周
流)を軸方向の射流へ変向するための約45°の斜向面
88aを有している。
【0041】エンドケーシング90の胴壁95と管壁9
2との間の略円環状の呼び水作用室Sは流体が周回還流
可能に連通している。図4及び図5に示す如く、吐出口
93の呼び水作用室Sに開口した位置は、軸心(中心)
よりも上方で呼び水作用室Sの最上部P(×印)に対し
インペラ回転方向の下流側に偏在している。最上部Pは
時計目盛りで12時の位置に相当するが、吐出口93は
略11時の位置にある。これに対し、遠心流排出孔86
の位置は軸心よりも上方で呼び水作用室Sの最上部Pに
対しインペラ回転方向の上流側に偏在している。時計目
盛りで略2時の位置に遠心流排出孔86がある。また、
射流変向部88も呼び水作用室Sの最上部Pに対しイン
ペラ回転方向の上流側に偏在している。時計目盛りで略
1時の位置に射流変向部88がある。
【0042】図4,図5及び図6(D),(E)に示す
如く、エンドケーシング90の胴壁95内で吐出口93
のインペラ回転方向の下流側近傍域において胴壁95に
沿う円周流等の流れを吐出口93へ跳ね返す整流板97
aが端板部94及び胴壁95に連結している。整流板9
7aと管壁92との間は還流間口97bとなっており、
これは自吸時の分離水を呼び水作用室Sの下部の水溜領
域へ還流させるものである。
【0043】また、図4,図5及び図6(A),(B)
に示す如く、呼び水作用室Sのうち下部側の水溜領域と
上部側の気水分離領域とに区画する区画板98aが遠心
流排出孔86の近傍で管壁92,胴壁95及び端板部9
4に連結している。その区画壁98aのうち胴壁95側
にはエア抜き用切欠き98bが形成されている。
【0044】更に、インペラケーシング80の射流変向
部88の斜向面88aから軸方向に向かう射流がエンド
ケーシング90の端板部94の底面(図4の二点鎖線円
形部分、図5の破線円形部分)に激突する際に生じるイ
ンペラ回転方向の上流側への戻り反跳流を抑制する逆流
抑制板100が端板部94から起立している。その起立
高さは、図6(C)に示す如く、整流板97aや仕切板
98aよりも低くしてある。この仕切板98aの上を斜
向面88aから端板部94の底面へ衝突する射流が直接
遮断されないようにしながら、激突後の戻り反跳流だけ
を逆流させないためである。
【0045】本例では、管壁92の最下部に対しインペ
ラ回転方向の上流側の近傍箇所から下方に延びて連結し
た潜りゲート板101aが水作用室Sの下部の水溜領域
に沈み込んでいる。泡除けの潜りゲート板101aの下
端と胴壁95との間にゲート開き(潜りオリフィス)1
01bが開口している。この潜りゲート板101aから
インペラ回転方向の下流側には、インペラケーシング8
0の仕切板部82の外周側に穿孔した5つの呼び水流通
孔H1 〜H5 が縦列している。第1の呼び水流通孔H1
は略最下部に位置し、ゲート開き101bから離れてい
る。
【0046】本例の自吸式遠心ポンプ60は吐出口93
を鉛直上方に合わせて据え置くものであるが、エンドケ
ーシング90の吸込口91aにはエルボ管継手110が
接続できるようになっている。このエルボ管継手110
は、図8に示す如く、L字状の屈曲管112とその一方
管端部112aに張り出た略菱形状の鍔板114との樹
脂製一体形成品であり、鍔板114の対向位置にはボル
ト通し孔114a,114aが形成されている。その一
方管端部112aには外周段付き端部となっている。ま
た鍔板114の他の対角線上でボルト通し孔114a,
114aの中間位置には位置決め係合突起116が形成
されている。一方、エンドケーシング90の吸込口91
aの周りの継ぎ合わせ端は内周段付き端部となってお
り、その周りの鍔板合わせ面には90°間隔で都合4箇
所にボルト孔91U,91R,91D,91Lが穿孔さ
れている。
【0047】吸込口91aの内周段付き端部にOリング
115を挟んでエルボ管継手110の一方管端部112
aを継ぎ合わすものであるが、エルボ管継手110の吸
込口117を下方に合わせたい時は、位置決め係合突起
116を真上位置のボルト孔91Uに嵌め、ボルト通し
孔114a,114aに取付ボルト118,118を通
すと、自ずと左右のボルト孔91R,91Lに合うた
め、そのまま図9(A)に示す如く螺着できる。なお、
エルボ管継手110の吸込口117が下方に向く場合
も、この吸込口117に接続する上流側配管では少なく
ともエンドケーシング90を上方に横切る鉛直部分を設
け、呼び水作用室S内の水位が軸心よりも上部側(整流
板97aと区画板98aの位置程度)に保持する。な
お、自吸運転の直前において、端板部94の下部に開け
た呼び水注入孔(図示せず)から呼び水作用室Sに対し
外部から多量の呼び水を注入するようにすれば、非運転
時に保持すべき呼び水量の多少は問題とならない。
【0048】また、エルボ管継手110の吸込口117
を左方に合わせたい時は、位置決め係合突起116を右
位置のボルト孔91Rに嵌め、ボルト通し孔114a,
114aに取付ボルト118,118を通すと、自ずと
上下のボルト孔91U,91Dに合うため、そのまま図
9(B)に示す如く螺着できる。同様に、エルボ管継手
110の吸込口117を上方又は右方に合わせることが
できる。吸込口117の向きを未使用のボルト孔と位置
決め係合突起116との嵌合により設定できるため、ポ
ンプ据え置き作業の容易化に資する。
【0049】なお、本例のエンドケーシング90の下部
には水抜き管120が連結されている。水抜き管120
のキャップ(図示せず)を外すことで、呼び水作用室S
内の呼び水を排水でき、寒冷下の凍結等を未然に防止で
きる。
【0050】図7(A)に示すエンドケーシング90の
吸込口91aの口径は軸流吸込路91の管径に対して縮
径となっており、内周鍔部91bが形成されている。こ
の内周鍔部91bの下部は堰体191aを形成してい
る。自吸運転時の初期にはエルボ管継手110及び上流
側配管に残る水を吸引して吐出口93より排出した後、
空気層の吸引では適量の呼び水が呼び水作用室S内に残
っているが、その呼び水は軸流吸込路91にも押し出さ
れて来る。この堰体191aがあると、軸流吸込路91
側に押し出された呼び水が軸流吸込路91へ流れ落ち
ず、呼び水が無くならないので、自吸性能が向上する。
【0051】図14は別のエンドケーシング190の構
造を示す。このエンドケーシング190は、上記のよう
なエルボ管継手110を外付けせずに、内部の軸流吸込
路91を形成する管壁92に対し端板部94外に添わせ
た上昇吸込管191を一体的に直結したものである。こ
のエンドケーシング190を用いた場合、上記のエンド
ケーシング90の場合と異なり、吸込管191の向きを
変えることはできない。
【0052】図15は更に別のエンドケーシング290
の構造を示す。このエンドケーシング290も、エンド
ケーシング190と同様に、内部の軸流吸込路91を形
成する管壁92に対し端板部94外に添わせた上昇吸込
管191を一体的に直結したものである。そして、この
エンドケーシング290においては、軸流吸込路91の
吸込口91aの下部には堰体191aが一体的に形成さ
れている。
【0053】次に、本例の自吸式遠心ポンプ60の動作
を以下に説明する。前述したように、自吸運転前におい
ては、呼び水作用室S内の水位が軸心よりも上部側(整
流板97aと区画板98aの位置位)に保持されてい
る。ここで、自吸運転時において、モーター駆動による
モータシャフト64の回転により遠心型インペラ70が
インペラ室K内で回転するため、図4に示す如く、イン
ペラ室Kで呼び水と空気が攪拌されて生成された気水混
合流が遠心流として遠心流排出路89に沿って排出孔8
6からインペラケーシング80外へ勢い良く吐き出され
る。この勢い良く吐き出された気水混合射流は、略矢印
aの如く、渦巻き状鍔部83bや胴壁95の内周面に沿
って射流変向部88の斜向面88aに衝突するため、そ
こで略矢印bの如く跳ね返り、軸方向で端板部94へ向
かう軸流成分が付与される。このため、略矢印bの如く
変向した射流は、図4(A)では2点鎖線円形部分、図
5では破線円形部分の近辺に再衝突する。その再衝突に
よりそれら円形部分近辺でインペラケーシング70側に
若干の軸流成分をもって略矢印cの方向に跳ね返る。
【0054】その跳ね返った水流は胴壁95の内周面に
沿って回り下方に落下し還流間口97bを通り、呼び水
作用室Sの下部水溜領域に還流すると共に、気水混合水
の分離された空気は吐出口93へ排気される。還流した
水は呼び水流通孔H1 〜H5 を介してインペラ室Kへ再
流入する。
【0055】このように、インペラ室Kでの呼び水と空
気の気水混合作用、呼び水作用室S上部での気水分離作
用、及び呼び水作用室S上部での分離空気の吐出と呼び
水作用室S下部への分離水の還流が繰り返されると、上
流側配管の負圧化により吸込水がインペラ室Kへ引き込
まれて来るため、インペラ70の回転により吸込水が遠
心流排出路89に沿って呼び水作用室Sへ吐き出される
ので、水位Hが上昇して呼び水作用室Sは満水化し、吐
出口93から吸込水が送り出され、次第に揚水運転に移
行する。
【0056】本例の丸形状の自吸式遠心ポンプ60で
は、吐出口93が呼び水作用室Sの最上部Pよりもイン
ペラ回転方向の下流側の位置に開口し、吐出口93と遠
心流排出孔86とは近接していないため、揚水運転時に
おいては、遠心流排出孔86から勢い良く掻き出された
水中の遠心射流(主に矢印a,bの流れ)が直に吐出口
93を横切らず、吐出口93に流入する水と遠心流排出
孔86から出た水中の遠心射流とが互いに干渉しないよ
うになっている。このため、揚水性能は従前の丸形状の
自吸式遠心ポンプに比し、揚水性能が向上する。
【0057】呼び水作用室Sの最上部Pの領域は、その
真上に吐出口93が開口していないため、図4に破線で
示す様に、多少のエア溜まりとして残る余裕がある。こ
のため、揚水運転時にインペラ室Kに空気が巻き込まれ
た場合、排出孔86から多少の空気(気泡)が吐き出さ
れても、呼び水作用室S内の水中に気泡として飛散せ
ず、むしろ最上部Pのエア溜まりに気泡が急速に纏まる
傾向を示すため、そのエア溜まりを介して上部空気層が
吐出口93にパイプライン的に連通し、揚水運転時のエ
ア抜きがスムーズとなる。このため、揚水運転時の多少
の空気巻き込みの際、自吸運転への一時的ダウン(脱
調)が起こり難く、揚水運転の円滑化に寄与する。
【0058】自吸運転時には呼び水の水溜部が必要であ
るが、揚水運転時のエア巻き込みの際には呼び水作用室
Sの最上部Pに多少のエア溜まりを残るようにすること
が重要である。揚水時の空気巻き込みの際、遠心流排出
孔86からの吐き出し気泡を即収集して排気する作用を
果たす。
【0059】ところで、今、仮に吐出口93が最上部P
の位置にあると、上記の様なエア溜まりは形成されな
い。しかし、それでも最上部Pの吐出口93と遠心流排
出孔86とは、図19で示す従前の吐出口10と排出孔
17との位置関係(12時の位置と略1時の位置)に比
べて、距離が離れた位置関係(12時の位置と略2時の
位置)となっているため、流速の低下により吐出口10
での水中遠心射流と吐出水の流入との干渉が起こり難
く、揚水性能はさほど遜色がない。しかし、自吸運転時
の遠心流排出孔86から出た気水混合射流は胴壁95に
沿って幕状に回るため、最上部Pの吐出口93では気水
分離した水が吐出口93に巻き込まれ易く、この吐出口
93を塞ぐ形になり、そのため自吸性能は悪い。結局、
最上部Pに吐出口93を設けた場合、図19で示す従来
例の如く、排出孔86を吐出口93に近接させて設ける
と、自吸性能は良いが、揚水性能が悪くなり、また吐出
口93から離して排出孔86を設けると、揚水性能は良
いが、自吸性能が悪くなり易い。
【0060】しかし、吐出口93を軸心より上方で最上
部Pよりインペラ回転方向の下流側の位置(時計目盛り
で略9時〜略11時の位置)に設けると、最上部Pの領
域にエア溜まりが形成されているため、上述したように
揚水性能も良好である。また、自吸運転時に排出口86
からの気水混合射流がそのまま胴壁95の壁面を巡って
も、その円周流は吐出口93の位置では下方に向かう速
度成分を持っているため、気水分離された空気が吐出口
93へ排気されてもその吐出口93内に気水分離された
水が巻き込まれ難いので、自吸性能も良好である。本実
施形態では、排出孔86の位置は時計目盛りの略2時の
位置になっているが、略12時の位置に設けても構わな
い。ここで、排出孔86の位置を2時から12時の位置
に変えて吐出口93に近づけると、自吸性能と揚水性能
の両者が徐々に悪くなる。ただ、吐出口93が略10時
の位置や略9時の位置にある場合、吐出口93と排出孔
86とが離れているので、両者の性能は遜色がない。例
えば、吐出口93が略9時の位置にある場合、排出孔8
6を略11時の位置にすることもできる。
【0061】逆に、吐出口93を軸心より上方で最上部
Pよりインペラ回転方向の上流側の位置(例えば略1時
の位置)に設けると、最上部Pの領域にエア溜まりが形
成されるが、揚水時にはこのエア溜まりは何等の作用を
発揮せず、むしろ騒音の原因となる。また自吸時には排
出孔86から出た気水混合射流は上方速度成分を持って
おり、吐出口93から出る排気と共に吐出孔93へ誘い
込まれるため、吐出口93を水が塞ぐ形となり、自吸性
能は悪い。
【0062】従って、本例の様に、吐出口93は最上部
Pよりインペラ回転方向の下流側の位置に設けることが
望ましい。更に、排出孔86は最上部Pよりインペラ回
転方向の上流側の位置に設けることが望ましい。自吸性
能と揚水性能の両者を改善できる。
【0063】本例では、吐出口93を略11時の位置
に、排出孔86を略2時の位置に設けると、前述した様
に、吐出口93と排出孔86とが離れているため、排出
口86からの水中遠心射流と吐出口93への流入水との
干渉が軽減し、揚水性能が改善される。しかし、排出孔
86から出る水中遠心射流は円周流として周回すると、
吐出口93では下方に向いた流速があるため、勢いが弱
まっていても吐出口93への流入水が妨げられる。そこ
で、本例では、射流変向部88の斜向面88aに対し遠
心流排出孔86から出た遠心射流(矢印a)が衝突する
ようにしてあるため、その変向射流(矢印b)は軸流成
分が付与されて端板部94の2点鎖線円形領域に向かい
そこにぶつかる。また、その2点鎖線円形領域で反射
し、インペラケーシング80の仕切板部82側への軸流
成分が付与された射流(矢印c)が生じる。従って、排
出孔86から出た水中遠心射流はそのまま円周射流とな
るのではなく、軸流成分が付与されて端板部94と仕切
板部82との間を往復しながら胴壁95の内周面に沿っ
て巡るようになるため、吐出口93では下方に向く流速
が低減している。このため、排出口孔86から出る水中
遠心射流が吐出口93への流入水の邪魔にならず、揚水
性能の向上に資する。また、自吸運転時には、呼び水作
用室Sの最上部P近辺において気水混合射流の斜向面8
8aと端板部94との反射衝突が起こるので、微小気泡
混合水の気水分離作用が促進され、自吸性能も向上す
る。
【0064】本例では、この射流変向部88がインペラ
ケーシング80に一体的に形成されている。部品点数の
削減と組み付け容易化を実現できる。勿論、インペラケ
ーシング80よりも先に胴壁95内に嵌合させる別部品
で構成しても良いし、エンドケーシング90側に一体的
に設けても良い。ただ、樹脂製成形品のエンドケーシン
グ90側に斜向面88aを一体的に設けるには、金型の
複雑化を招く。
【0065】射流変向部88の斜向面88aから変向し
た射流が端板部94に衝突すると、図6(C)に示す如
く、端板部94で反射するが、その反射域では周囲に飛
び散る拡射が生じるため、インペラ回転方向の上流側へ
の戻り流(矢印d)も発生する。この戻り流は自吸運転
時にはさほど問題にならないが、揚水運転時には流動摩
擦損が大きくなり、揚水性能を落とす原因となる。この
ため、本例では、この戻り流(矢印d)を抑制するた
め、射流が端板部94に衝突する領域のインペラ回転方
向上流側の直前に逆流抑制板100を端板部94に起立
してある。戻り流(矢印d)がその逆流抑制板100で
押し返されるため、インペラ回転方向上流側への逆流が
抑制される。このため、射流が端板部94に衝突するこ
とに伴う流動摩擦損を解消でき、揚水性能の向上に資す
る。なお、この逆流抑制板100はエンドケーシング9
0側に一体的に形成されているため、部品点数の削減と
組み付け容易化を実現できる。
【0066】排出孔86から出た水中遠心射流は、管壁
92と胴壁95との間に画成された円環状の呼び水作用
室Sでは、減速されながらも軸流成分を持って周回する
慣性流(定常流)となっている。この慣性流のため、吐
出口93近辺ではそれに向いた上昇流を生成し難い。そ
こで、本例では整流板97aが設けられているため、こ
の整流板97aが胴壁95に沿う慣性流を吐出口93へ
向け跳ね返すので、吐出効率を改善でき、揚水性能の向
上に資する。この整流板97aもエンドケーシング90
側に一体的に形成されているため、部品点数の削減と組
み付け容易化を実現できる。
【0067】自吸運転時においては、この整流板97a
の内周側の還流間口97bを介して上部で気水分離され
た水が下部の水溜部へ回り落ちて還流するが、この整流
板97a自体が呼び水作用室Sのうち下部側の水溜領域
と上部側の気水分離領域とに区画する区画壁を兼用して
いる。還流間口97bを介して落下還流する呼び水に巻
き込まれた気泡が呼び水作用室Sを循環しないようにす
るため、水溜部の潜りゲート板101aはその巻き込み
気泡を遮る。そのゲート開き101aを通過する気泡を
除き、潜りゲート板101aに当たる気泡はその浮力に
より上方の気水分離領域へ押し戻される。このゲート開
き101aを気泡の一部が通り抜けるが、潜りゲート板
101aが呼び水作用室Sの最下部(6時の位置)に設
けられている場合、ゲート開きの位置が最下部になるた
め、ゲート開きと呼び水流通孔H1 〜H5 とが近接し過
ぎ、そのゲート開きを通り抜けた気泡が呼び水流通孔H
1〜H5 を介してインペラ室Kへ流入し易くなり、呼び
水供給量が低減するので、自吸性能を損なうおそれがあ
る。しかし、本例では、潜りゲート板101aが最下部
よりやや上部位置(略7時位置)に設けられているた
め、ゲート開き101aと呼び水流通孔H1 〜H5 とが
離れているので、呼び水流通孔H1 〜H5 に気泡が入り
込み難くなる。そのため、インペラ室Kへの給水を円滑
化でき、自吸性能の向上に資する。
【0068】更に、遠心流排出孔86の付近で整流板9
7aと略同レベルの位置には、水溜領域と気水分離領域
とに区画する区画壁98bが形成されており、その外周
側はエア抜き用切欠き98bとなっている。自吸運転時
には、区画壁98bが邪魔板として呼び水作用室Sの下
部からのインペラ回転方向の水流を押し返し、呼び水が
上方へ散逸しないようになっているが、水溜領域中に巻
き込まれた気泡は呼び水作用室Sの水溜領域でインペラ
回転方向に流れる円周流により胴壁95内に沿って外周
側のエア抜き用切欠き98bを介して上部の気水分離領
域へ輸送される。特に、エア抜き用切欠き98bには排
出孔86を略合わせてあるため、排出孔86からの遠心
射流が呼び水作用室S内の流体をエア抜き用切欠き98
bから上方へ引き込むように作用するため、その円周流
の勢いが強められるので、呼び水作用室Sの脱泡が迅速
化し、自吸性能が向上する。また、揚水運転時には区画
壁98bの下部に溜まる気泡をエア抜き用切欠き98b
を介して上方へ逃がすことができるので、揚水性能も向
上する。
【0069】他方、インペラケーシング80において、
遠心流排出路89の仕切板部82には、排出孔86側へ
断面積が漸増となる案内溝89aが形成されている。こ
の案内溝89aの形成部分は円形のインペラ室Kと渦巻
き状の周囲壁83aとに挟まれた扇状領域にあるが、起
立壁89bの直前の案内溝89aでインペラ室Kからイ
ンペラ70のブレードB0 〜B2 間の半径流(遠心流)
の押し出しを受容している。その案内溝89aの範囲で
は2枚から3枚のブレードが同時に通過するものの、排
出孔86側へ溝幅が漸拡する案内溝89aが形成されて
いるため、揚水運転時の流動抵抗を低減させてある。図
19(B)に示す従来のポンプの如く、この案内溝89
aの部分に円弧状の排出孔を形成しても良い。かかる場
合、揚水運転時の流動抵抗は低減するものの、その円弧
状の排出孔のレベルは軸心よりも下方側となり、呼び水
作用室S側では水溜領域ではなく、気水分離領域に位置
しているため、自吸運転時には、気水分離領域からその
円弧状の排出孔を介してインペラ室Kに空気が供給され
るので、自吸性能が発揮できない。従って、図19
(B)に示す従来のポンプでは、円弧状の排出孔17の
下部開口縁が略2時の位置に留めてある。これに対し、
本例では排出孔86が仕切板部82のインペラ回転面
(横断面)上に形成されているのではなく、インペラ回
転面上の案内溝89aに対し直交する面(縦断面)上に
形成されているため、排出孔86の全開口が略2時の位
置にある。2時の位置に限らず、3時の位置まで下げる
ことができる。
【0070】また、排出孔86の直前には周囲壁83a
に連絡する起立壁89bが形成されており、その起立壁
89bは排出孔86側に漸高した三角壁となっている。
排出孔86をブレードB0 〜B2 が横切る際、そのブレ
ードの前後では正圧から負圧に変化するため、排出孔8
6の直前に起立壁がない場合、ブレード間の狭間が周囲
壁83aに完全に隠れるとき、そのブレード間の挟間に
排出路89の水が瞬間的に引き込まれるので、遠心射流
に脈動が生じ易い。これを解消するために、起立壁89
bが形成されており、排出孔86をブレードが横切って
も一度排出路89へ送りされた水がインペラ室K側に引
き戻されず、そのまま滑らかに排出されるようになって
いる。特に、起立壁89bが三角壁となっているので、
ブレードが起立壁89bを通過する際の圧力ギャップが
低減し、騒音を抑制できる。更に、遠心型インペラ70
のブレードB0 ,B1 ,B2 の外周端は外周側切欠きE
によりブレード高さが低く形成されている。このため、
ブレードの外周端が呼び水流通孔H1 〜H5 近傍や起立
壁89bの起立基部を通過する際、圧力ギャップを緩和
できるため、騒音を抑制できる。
【0071】主ブレードB0 の前側の半径流は主ブレー
ドB0 の回転方向前側に設けた補助ブレードB2 の背面
の流路壁による流動抵抗により流速が遅くなるため、主
ブレードB0 の前後の圧力ギャップが補助ブレードB2
がない場合に比して低減されるので、呼び水流通孔H1
〜H5 や遠心流排出路86を主ブレードB0 の過ぎる際
に生じる騒音が抑制される。また、主ブレードB0 の後
側の半径流は主ブレードB0 の回転方向後側に設けた補
助ブレードB1 との間に画された狭い案内半径流路を流
れるため、主ブレードB0 の後側の置き去り流体が堰き
止められるので離反し難く、減圧化が抑制される。この
ため、主ブレードB0 の前後の圧力ギャップが補助ブレ
ードB1 がない場合に比して低減されるので、呼び水流
通孔H1〜H5 や遠心流排出路86を主ブレードB0
過ぎる際に生じる騒音が抑制される。特に、主ブレード
0 の後側に、短い補助ブレードB1 を設けると、後側
の長い補助ブレードB2 や主ブレードB0 の前面内周側
で後押しされた流体が内周側不連続部を介して前送りさ
れて短い補助ブレードB1 の前側半径路に繰り込まれる
ため、主ブレードB0 の直後圧力が高まり、圧力ギャッ
プが低減する。
【0072】ところで、ブレードB0 〜B2 が流通孔H
1 〜H5 を過る際、それらの後側面が流通孔H1 〜H5
に重なるときに呼び水作用室Sの下部側からインペラ室
Sへ呼び水が流入するものであるが、インペラ70が自
吸運転時に多量の呼び水を遠心流排出路89へ効率的に
掻き出すには、遠心流排出路89よりインペラ回転方向
の直前上流側の部分に大径孔の第5の流通孔H5 を設け
ることが望ましい。しかし、揚水運転時には、この大径
孔の第5の流通孔H5 をブレードB0 〜B2 が通過する
際、ブレードの前面側が第5の流通孔H5 に位置すると
きは、インペラ室Kから第5の流通孔H5 を介して呼び
水作用室Sの方への加圧が生じ、その直後、そのブレー
ドの後面側が第5の流通孔H5 に位置すると、インペラ
室側が負圧になるため、呼び水作用室S側から大径孔の
第5の流通孔H5 を介してインペラ室K側へ瞬間的な突
発流が発生し、その突発流がブレードの外周端をかすめ
るので、騒音が発生する。特に、本例では、内周側不連
続部が無い主ブレードB0が主たる水流通孔の第5の流
通孔H5 を通過する際の騒音が問題となる。
【0073】このような騒音は、前述したように、ブレ
ードB0 〜B2 の前後の圧力ギャップで発生するもので
あるから、外周側切欠きEにより圧力ギャップや突発流
の横切りを緩和できるものの、外周側切欠きEの大きさ
の按配では遠心流排出路86でのブレード自体の掻き出
し作用を損ねてしまう。本例では、この第5の流通孔H
5 に対して略θだけインペラ回転方向上流側の位置に中
径孔の第4の流通孔H4 を設けてある。即ち、ブレード
0 〜B2 の前側が第5の水流通孔H5 に位置する際、
同時にその後側が第4の流通孔H4 に位置するようにな
るため、そのブレードの外周端の前側と後側が第5の流
通孔H5 ,呼び水作用室S,第4の流通孔H4 を介して
連通するので、ブレード前後の圧力ギャップが緩和す
る。従って、騒音が抑制される。
【0074】しかも、第5の流通孔H5 の約半分をイン
ペラ回動域から外側へはみ出させてあり、また第4の流
通孔H4 もインペラ回動域から外側へはみ出させてある
から、両孔間の距離が短縮化されており、流動抵抗の低
減により圧力ギャップの緩和に寄与している。なお、第
5の流通孔H5 は丸孔でなく、長孔等でも良い。
【0075】この第4の流通孔H4 の孔径を小径にする
と、流動抵抗が大きくなり、圧力ギャップの緩和の効果
は薄い。第4の流通孔H4 の孔径を大径にすると、圧力
ギャップの緩和効果は大きいが、今度はこの第4の水流
通孔H4 をブレードが通過する際に騒音が大きくなって
しまう。そこで、両者を勘案し、本例では第4の流通孔
4 は略中径孔としてあり、騒音の低減を図っている。
【0076】しかし、この中径孔の第4の流通孔H4
特に主ブレードB0 が通過する際、圧力ギャップにより
騒音が生じ易いので、この第4の流通孔H4 に対して略
θだけインペラ回転方向上流側の位置に中径孔の第3の
流通孔H3 を設けてある。即ち、ブレードB0 〜B2
前側が第4の流通孔H4 に位置する際、同時にその後側
が第3の流通孔H3 に位置するようになるため、そのブ
レードの外周端の前側と後側が第4の流通孔H4 ,呼び
水作用室S,第3の流通孔H3 を介して連通するので、
ブレード前後の圧力ギャップが緩和する。従って、騒音
が抑制される。
【0077】また同様に、この中径孔の第3の流通孔H
3 を特に主ブレードB0 が通過する際、圧力ギャップに
より騒音が生じ易いので、この第3の流通孔H3 に対し
略θだけインペラ回転方向上流側の位置にも中径孔の第
2の流通孔H2 を設けることが考えられるが、圧力ギャ
ップの低減のために流通孔を繰り返し上流側へ設ける手
法では、際限がなく騒音低減に効果的ではない。
【0078】ここで、再吟味するに、主ブレードB0
第4の流通孔H4 を通過する直前位置では、その主ブレ
ードB0 の隣接前方の補助ブレードB2 は既に第5の呼
び流通孔H5 を過ぎた位置にあるから、主ブレードB0
と補助ブレードB2 との間に共に第4の流通孔H4 と第
5の流通孔H5 とが位置するので、主ブレードB0 が第
4の流通孔H4 を通過する際、そのブレード間の圧力を
抜くために、第3の流通孔H3 を設けることは有意義で
ある。ところが、主ブレードB0 が第3の流通孔H3
通過する直前位置では、その主ブレードB0 の隣接前方
の補助ブレードB2 は第5の呼び流通孔H5 の直前位置
にあるから、主ブレードB0 と補助ブレードB2 との間
の圧力は第5の呼び流通孔H5 を介してその補助ブレー
ドB2 の前側抜かれるので、主ブレードB0 が第3の流
通孔H3 を通過する際の騒音は比較的目立たない。従っ
て、この第3の流通孔H3 に対し略θだけインペラ回転
方向上流側の位置において中径孔の第2の流通孔H2
敢えて設ける必要性は見当たらない。
【0079】ただ、主ブレードB0 の前側の圧力をその
隣接前方の補助ブレードB2 の前側に逃がすものである
から、充分な減圧効果が得られない恐れがある。そこ
で、本例では、第3の流通孔H3 に対し略2θだけイン
ペラ回転方向上流側の位置において中径孔の第2の流通
孔H2 を設けてあり、主ブレードB0 の前側の圧力をそ
の隣接前後の一番短い補助ブレードB1 の前側に逃がす
ようにしている。補助ブレードB1 の前側の圧力は補助
ブレードB2 の前側の圧力よりも低いので、減圧効果が
あり、第3の流通孔H3 についての騒音低減に役立つ。
更に、第2の流通孔H2 に対し略3θだけインペラ回転
方向上流側の位置において小径孔の第1の流通孔H1
設けてあるので、補助ブレードB1 の前側の圧力は補助
ブレードB2 の後側に逃がすようにしている。補助ブレ
ードB2 の後側の圧力は補助ブレードB1 の前側の圧力
よりも低いので、減圧効果があり、第3の流通孔H3
ついての騒音低減に役立つ。
【0080】しかし、今度は主ブレードB0 が中径孔の
第2の流通孔H2 を通過する際の騒音が懸念されるが、
主ブレードB0 が第2の流通孔H2 を通過する直前位置
では、隣接前方の補助ブレードB2 は第3の流通孔H3
の直前位置にあると共に、更に隣接前方の補助ブレード
1 は第4の流通孔H4 の直後位置にあり、しかも、主
ブレードB0 の隣接後方の補助ブレードB1 は第1の流
通孔H1 の直後位置にあるため、主ブレードB0 の前側
圧力は緩和されているので、主ブレードB0 が第2の流
通孔H2 を通過する際は騒音は目立たない。また、主ブ
レードB0 が第1の流通孔H1 を通過する際は、この第
1の流通孔H1 が小径孔であるため、騒音は目立たな
い。
【0081】なお、呼び水流通孔H1 〜H5 はインペラ
ケーシンング80の仕切板部82に穿孔した断面一様の
貫通孔でも良いが、貫通孔が断面一様であると、流動抵
抗が大きいので、自吸運転時には、呼び水作用室Sから
インペラ室Kへの給水性能が低い。呼び水流通孔H1
5 の断面積を広くすると、上記で吟味したように、揚
水時の騒音が顕著となる。そこで、本例では、呼び水流
通孔H1 〜H5 は呼び水作用室S側を広口とするテーパ
孔としてある。仕切板部82の肉厚(3mm)の全寸に亘
るテーパ孔でも良いし、インペラ室K側(例えば1mm
宛)を断面一様の孔とし、呼び水作用室S側(例えば2
mm宛)をテーパ孔としても良い。自吸運転時の呼び水の
給水性能の向上と共に、揚水時の騒音を低減できる。な
お、孔断面が呼び水作用室S側に漸拡したテーパ孔に限
らず、孔断面が呼び水作用室S側に急拡した段付き孔で
も良い。
【0082】インペラ70において背面圧力切り鍔部7
4がない場合、自吸運転時や揚水運転時において、遠心
型インペラ70がインペラ室K内で回転すると、周囲壁
83aと背面シュラウド72の外周面との隙間を介して
ブレード間の挟間からの半径流が背面シュラウド72の
背面側へ回り込み、脈流による遠心型インペラ70を軸
方向に振動させる。本例の様に、厚みのある背面シュラ
ウド72に背面圧力切り鍔部74を設けた構造では、背
面圧力切り鍔部74の周辺では高圧の旋回流が形成され
ることになるため、ブレード間の挟間からの半径流が背
面シュラウド72の背面側へ軸流として回り込み難くな
る。このため遠心型インペラ70の背面側は定常旋回流
であることから、遠心型インペラ70の軸方向の振動を
抑制できる。
【0083】なお、上記実施例では、円環状の呼び水作
用室Sとなっているが、略環状であれば構わない。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、インペ
ラケーシングをエンドケーシングとフランジを以て継ぎ
合わせるのではなく、エンドケーシングにインペラケー
シングを入れ子式に嵌合する構造を特徴としている。従
って、次のような効果を奏する。
【0085】 エンドケーシング内へ入れ子式に落と
し込み嵌合することにより、軸流吸込路とインペラ室と
が管継手部で連通するため、シール不具合が生じ難く、
組立性の向上により低コスト化に寄与する。また、取付
ボルト等によりモータハウジングとエンドケーシングと
を相互連結する際、第2の環状シール部材の圧潰変形と
同時に、第1の環状シール部材の圧潰変形が進行し、両
者の軸方向の圧潰変形量の和が取付ボルト等の締め付け
変位量に相当している。このため、両者のシール性の加
減を適正化し易い。更に、取付ボルト等を外すだけで、
各部品の簡単な抜き出し操作により分解状態にすること
ができる。このため、エンドケーシング、インペラケー
シングは勿論のこと、インペラやモータケーシングの端
面さえも完全露出するので、清掃が簡単となり、メイン
テナンスの容易化に資する。
【0086】 エンドケーシング側の軸流吸込路の開
口端部とインペラケーシング側の管継手部とが印籠継手
を構成して成る場合、継ぎ合わせの確実化を実現でき
る。
【0087】 インペラ室に収まるインペラのボス部
を押さえて抜け止めするボス押さえが仕切部から管継手
部の軸流孔中へ突出して成る構成では、そのボス押さえ
がエンドケーシングではなくインペラケーシング自身に
一体的に形成されているため、インペラの軸方向の位置
決め精度のバラツキを抑制できる。
【0088】 エンドケーシングの胴壁とインペラケ
ーシングの囲繞壁とには誤挿入防止用係合部が設けられ
て成る場合、組付時に、インペラケーシングをエンドケ
ーシングの胴壁内に落とし込んで嵌合させる場合、誤挿
入防止用係合部を相互に合わせない限り、インペラケー
シング自体の落とし込み嵌合を全うできない。換言する
と、落とし込む際、インペラケーシングと呼び水作用室
との回り方向の配置関係を訳なく自動的に適正化でき、
組付性の向上に資する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る自吸式遠心ポンプの分
解状態を示す分解斜視図である。
【図2】同自吸式遠心ポンプの分解状態を縦断して示す
分解縦断面図である。
【図3】同自吸式遠心ポンプを示す縦断側面図である。
【図4】(A)は図3中のA−A線に沿って切断した状
態を示す切断矢視図、(B)は図3中のB−B線に沿っ
て切断した状態を示す切断矢視図である。
【図5】同自吸式遠心ポンプにおけるエンドケーシング
を示す正面図である。
【図6】(A)は図5中のA−A′に沿って切断した状
態を示す切断矢視図、(B)は図5中のB−B′に沿っ
て切断した状態を示す切断矢視図、(C)は図5中のC
−C′に沿って切断した状態を示す切断矢視図、(D)
は図5中のD−D′に沿って切断した状態を示す切断矢
視図、(E)は図5中のE−E′に沿って切断した状態
を示す切断矢視図である。
【図7】(A)は同エンドケーシングの上部側面と下部
縦断面を示す一部縦断側面図、(B)は同エンドケーシ
ングの背面図である。
【図8】(A)は同エンドケーシングの吸込口に接続す
るエルボ管継手を示す背面図、(B)はその右側面図、
(C)はその正面図である。
【図9】(A)は同エルボ管継手の接続態様を示す背面
図、(B)は別の接続態様を示す背面図である。
【図10】(A)は同自吸式遠心ポンプにおけるインペ
ラケーシングを示す正面図、(B)はその背面図であ
る。
【図11】(A)は図10(A)中のC−D−E−O−
F線に沿って切断した状態を示す切断矢視図、(B)は
図10(A)中のI−I′線に沿って切断した状態を示
す切断矢視図、(C)は図10(A)中のH−H′線に
沿って切断した状態を示す切断矢視図である。
【図12】(A)は同インペラケーシングの一部を破断
して示す斜視図、(B)は同インペラケーシングを別の
角度から見た斜視図である。
【図13】同自吸式遠心ポンプにおけるインペラのブレ
ートと呼び水流通孔との位置関係を示す平面図である。
【図14】(A)は同自吸式遠心ポンプにおける別のエ
ンドケーシングを示す縦断側面図、(B)は(A)中の
A−A線に沿って切断した状態を示す切断矢視図であ
る。
【図15】(A)は同自吸式遠心ポンプにおける更に別
のエンドケーシングを示す縦断側面図、(B)は(A)
中のA−A線に沿って切断した状態を示す切断矢視図で
ある。
【図16】従来の角形状の自吸式遠心ポンプを示す縦断
側面図である。
【図17】(A)は図16中のA−A線に沿って切断し
た状態を示す切断矢視図、(B)は図16中のB−B線
に沿って切断した状態を示す切断矢視図である。
【図18】従来の丸形状の自吸式遠心ポンプを示す縦断
側面図である。
【図19】(A)は図16中のA−A線に沿って切断し
た状態を示す切断矢視図、(B)は図18中のB−B線
に沿って切断した状態を示す切断矢視図である。
【符号の説明】
60…自吸式遠心ポンプ 61…モータハウジング 62…隔壁板 63…固定軸 63a…D形先端部 64…モータシャフト 65…駆動マグネット円盤 65a,65b…セラミックスワッシャ 68…取付ボルト 70…遠心型インペラ 71…従動マグネット円盤 72…円盤状背面シュラウド 72a…ボス部 72b…外周縁 B0 …主渦巻き羽根(主ブレード) B1 ,B2 …補助渦巻き羽根(補助ブレード) E…外周側切欠き F…内周側切欠き 73…ブッシュ(軸受メタル) 80…インペラケーシング 82…仕切板部 82b…軸流孔 82c…ボス押さえ 82d…三方連結部 82e…エア抜き孔 83…囲繞壁 H1 〜H5 …呼び水流通孔 R…隅肉リブ M…広口空間 K…インペラ室 83a…周囲壁 83b…渦巻き状鍔部 83c…嵌め合わせ円周縁 84…ソケット部 84a…内周段付きテーパ端部 85…差し込み突起 86…遠心流排出孔 87…リブ 88…射流変向部 88a…斜向面 89…遠心流排出路 89a…案内溝 89b…起立壁 90…エンドケーシング 91…軸流吸込路 91a…吸込口 91b…内周鍔部 91U,91R,91D,91L…ボルト通し孔 92…管壁 92a…外周段付き端部 93…吐出口 94…端板部 95…胴壁 95a…内周段付き端部 95b…受け止め段 97a…整流板 97b…還流間口 98a…区画板 98b…エア抜き用切欠き S…呼び水作用室 100…逆流抑制板 101a…潜りゲート板 101b…ゲート開き 110…エルボ管継手 112…屈曲管 112a…管端部 114…鍔板 114a…ボルト通し孔 116…位置決め係合突起 117…吸込口 118…取付ボルト 191…上昇吸込管 191a…堰体 120…水抜き管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−36097(JP,A) 特開 平1−187394(JP,A) 特開 平1−240798(JP,A) 実開 昭55−156295(JP,U) 実開 昭59−114429(JP,U) 実開 昭61−144296(JP,U) 実開 昭63−105795(JP,U) 実開 昭56−107995(JP,U) 実公 昭36−25214(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04D 9/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータハウジングと、インペラ室を具備
    するインペラケーシングと、そのインペラ室に連通する
    軸流吸込管路の管壁とその周りの胴壁との間に画成され
    た略環状の呼び水作用室及びこの呼び水作用室の上部位
    置で前記胴壁に開口した吐出口を具備するエンドケーシ
    ングとを備えた自吸式遠心ポンプにおいて、 前記インペラケーシングは、前記エンドケーシング側の
    前記軸流吸込管路の開口端部に第1の環状シール部材を
    挟んで継ぎ合う管継手部を持ち、前記インペラ室と前記
    呼び水作用室とを仕切る仕切部と、前記仕切部の周囲を
    取り囲み、前記エンドケーシングの前記胴壁内に嵌合す
    る囲繞壁との一体成形体であり、前記インペラケーシン
    グを挿入嵌合した前記エンドケーシングの前記胴壁の開
    口端部が前記モータハウジングの継ぎ合わせ面に第2の
    環状シール部材を挟んで継ぎ合い相互連結して成ること
    を特徴とする自吸式遠心ポンプ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記軸流吸込管路の
    前記開口端部と前記管継手部とが印籠継手を構成して成
    ることを特徴とする自吸式遠心ポンプ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2において、前記イ
    ンペラ室に収まるインペラのボス部を押さえて抜け止め
    するボス押さえが前記仕切部から前記管継手部の軸流孔
    中へ突出して成ることを特徴とする自吸式遠心ポンプ。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に
    おいて、前記エンドケーシングの前記胴壁と前記インペ
    ラケーシングの前記囲繞壁とには誤挿入防止用係合部が
    設けられて成ることを特徴とする自吸式遠心ポンプ。
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