JP4422438B2 - 立軸ポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、立軸ポンプに関し、特に先行待機運転に適する立軸ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から図11に示すように、縦方向に配置された軸の先端に羽根車2を備え、羽根車2に水と共に空気を吸い込ませることにより、吸込水槽1の最低運転水位LWL以下でも運転を継続することを可能にした立軸ポンプ3があった。このポンプ3では、羽根車2入口側の吸込管4に貫通孔5を設け、貫通孔5に、外気に開口6aした空気管6を取付け、最高水位HWLより低い最低運転水位LWL以下で、貫通孔5を経て流入する空気の流入量を水位に応じて変化させて徐々に排水量を低下するようにしていた。貫通孔5は、水位LWLからh≒v/2gだけ低い位置LLWLに明けられている。vはその部分の水の流速、gは重力加速度である。
【0003】
このようにして、例えば大都市の雨水排水用として、吸込水位に関係なく降雨情報等により予めポンプを始動しておき、低水位から水位が上昇するときは空運転から水量を徐々に増やしながら全量運転へ、また高水位から水位が低下するときは全量運転から水量を徐々に減らしながら空運転へと、スムーズに運転を移行できるようにしていた。このようなポンプは、ケーシング下端よりも低い水位LLLWLで始動される(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
実開平3−56895号公報(第1図、第2図、第3図、第5図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような従来のポンプでは、ポンプの吐出し流量が設計点付近のときは問題ないが、設計点より小水量側においては、羽根車2の外周側に吐出側から吸込側への逆流が生じる。そのため、吸込管4内に軸方向の流れの他に軸回りの旋回流が生じ、この旋回流は吸込管4の内面付近に正圧を生じさせる。この正圧が、前記揚水の流速vによる負圧を打ち消してしまい、水槽の水位が高水位から低下して最低運転水位LWL以下になっても、期待通りに貫通孔5を経て空気が流入しなかったり、流入する空気量が少な過ぎたりして、運転の移行がスムーズに行えないという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、羽根車の上流側に配置された吸込管内に確実に空気が流入するようにした、特に先行待機運転に適する立軸ポンプの提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項に係る発明による立軸ポンプ10は、例えば図1に示されるように、縦方向に配置される回転軸21により回転し、水槽1内の水を吸い込む羽根車20と;羽根車20の上流側に配置され、ケーシング壁によって形成された吸込管31であって、前記ケーシング壁の内面を囲む環状の空気室50を有する吸込管31と;空気室50に一端が接続され、他端が水槽1内の最高水位HWLよりも上方に開口する空気管60とを備え;前記ケーシング壁の内面には吸気口51aが形成されており、空気室50は吸気口51aにより吸込管31内と連通しており;羽根車20と吸気口51aとの間の前記ケーシング壁の内面には、羽根車20の回転による水の旋回を防止する平板状の旋回防止板70が吸込管31の半径方向かつ軸線方向に向けて形成されている。
【0008】
このように構成すると、環状の空気室50を備えるので空気を一様に分配することができ、旋回防止板を備えるので、旋回流を防止することができる。
【0009】
また請求項に記載の立軸ポンプでは、吸気口は、環状の空気室50に沿ってスリット状に形成51aされる。吸気口は、このように典型的にはスリット状に形成されているが、孔51b(例えば図2参照)であってもよく、特に環状の空気室に沿って明けられた複数の孔であってもよい。
【0010】
た例えば図4に示すように、請求項に記載の立軸ポンプでは、吸気口52には、吸気口52を跨いで前記ケーシング壁の内面を上流側と下流側とで連結する支柱52c、52dが形成されてい
【0011】
た、例えば図4()〜(e)に示すように、請求項に記載の立軸ポンプでは、支柱52c、52dは、先端を空気室50内に突出させて空気室50から吸込管31内に向けて流れる空気を導く空気案内板を構成する。
【0012】
このように構成すると、支柱が形成されているので、ケーシング壁の補強となる他、支柱は先端を空気室内に突出させて空気室から吸込管内に向けて流れる空気を導く空気案内板を構成しているので、空気が水に吸い込まれやすいように案内することもできる。
【0013】
前記目的を達成するために、請求項に係る発明による立軸ポンプは、例えば図4に示されるように、縦方向に配置される回転軸21により回転し、水槽1内の水を吸い込む羽根車20と;羽根車20の上流側に配置され、ケーシング壁によって形成された吸込管31であって、前記ケーシング壁の内面を囲む環状の空気室50を有する吸込管31と;空気室50に一端が接続され、他端が水槽1内の最高水位HWLよりも上方に開口する空気管60とを備え;前記ケーシング壁の内面には環状の空気室50と吸込管31とを連通するスリット状の吸気口52が形成されており;吸気口52には、先端を空気室50内に突出させて空気室50から吸込管31内に向けて流れる空気を導く空気案内板52c、52dが配置されている。このとき、旋回防止板70は備えなくてもよい。
【0014】
このように構成すると、環状空気室とスリットの空気案内板とを備えるので、空気の流れが一様になる他、案内板の形状により、空気を水中に誘引する効果がある。
【0015】
た例えば図4(d)(e)に示すように、請求項7及び請求項に記載の立軸ポンプでは、空気案内板52c、52dは、回転軸21を中心とする半径方向に対して羽根車20の回転方向に傾斜している。
【0016】
前記目的を達成するために、請求項に係る発明による立軸ポンプは、例えば図5に示されるように、縦方向に配置される回転軸21により回転し、水槽1内の水を吸い込む羽根車20と;羽根車20の上流側に配置され、ケーシング壁によって形成された吸込管31と;前記ケーシング壁の内面には吸気口51bが形成され、吸気口51bに一端が連通され、他端が水槽1内の最高水位HWLよりも上方に開口する空気管60とを備え;吸込管31は、前記ケーシング壁の内面との間に環状の内筒空間81aを形成する内筒81を、羽根車20と吸気口51bとの間に有し、内筒81の上流側は吸気口51bの近傍で前記ケーシング壁の内面に接続され、内筒81は水の流れに沿って流路面積が小さくなる先細ノズルを形成しており、内筒空間81aは下流側で羽根車20に対向して開放され、内筒81の前記ケーシング壁の内面との接続部の近傍には内筒空間81aと流路36とを連通する孔82が形成されている。
【0017】
このように構成すると、吸込管は、前記ケーシング壁の内面との間に環状の内筒空間を形成する内筒を、羽根車と吸気口との間に有し、内筒の上流側は吸気口の近傍で前記内壁に接続され、内筒は水の流れに沿って流路面積が小さくなる先細ノズルを形成しており、内筒空間は下流側で羽根車に対向して開放されているので、羽根車からの逆流は、内筒空間に流入し、内筒の前記ケーシング壁の内面との接続部の近傍には内筒空間と流路とを連通する孔が形成されているので、逆流した流れは該孔から流出する。このようにして、逆流による旋回流が抑制される。
【0018】
また請求項に記載のように、請求項に記載の立軸ポンプでは、また例えば図6に示されるように、吸込管31は前記ケーシング壁の内面を囲み空気管60の一端が接続された環状の空気室50を有し、吸気口51aは空気室50と吸込管31とを連通させるように空気室50に沿ってスリット状に形成してもよい。
【0019】
前記目的を達成するために、請求項に係る発明による立軸ポンプは、例えば図7に示されるように、縦方向に配置される回転軸21により回転し、水槽1内の水を吸い込む羽根車20と;羽根車20の上流側に配置され、ケーシング壁によって形成された吸込管31であって、前記ケーシング壁の内面を囲む環状の空気室50を有する吸込管31と;空気室50に一端が接続され、他端が水槽1内の最高水位HWLよりも上方に開口する空気管60とを備え;前記ケーシング壁の内面には環状の空気室50と吸込管31とを連通するスリット状の吸気口51aが形成されており;吸込管31は、羽根車20と吸気口51aとの間に、前記ケーシング壁の内面との間に環状の内筒空間84を形成する内筒83を有し、内筒空間84には内筒83と前記ケーシング壁の内面とを連結する支持板84aが配置され、内筒空間84は上流側で吸気口51a近傍で流路36に開放され、下流側で羽根車20に対向して開放されている。
【0020】
支持板84aは内筒83を支持すると共に水の流れを案内する水案内板として機能するようにしてもよい。
【0021】
このように構成すると、ケーシング壁の内面との間に環状の内筒空間を形成する内筒を有するので、羽根車からの逆流は内筒空間を流れる。また内筒空間には内筒と前記ケーシング壁の内面とを連結する支持板が配置されているので、内筒をケーシング壁により支持されるようにできる。また、支持板は水の流れを案内する水案内板として機能するように構成することもでき、そのときは水の流れを整流することができる。
【0022】
また請求項に示すように、(例えば図7参照)吸気口51aには、吸気口51aを跨いで前記ケーシング壁の内面を上流側と下流側とで連結する支柱52bを形成してもよい。
【0023】
前記目的を達成するために、請求項に係る発明による立軸ポンプは、例えば図8に示されるように、縦方向に配置される回転軸21により回転し、水槽1内の水を吸い込む羽根車20と;羽根車20の上流側に配置され、ケーシング壁によって形成された吸込管31であって、前記ケーシング壁の内面を囲む環状の空気室50を有する吸込管31と;空気室50に一端が接続され、他端が水槽1内の最高水位HWLよりも上方に開口する空気管60とを備え;前記ケーシング壁の内面には環状の空気室50と吸込管31とを連通するスリット状の吸気口51aが吸込管31の全周にわたって形成されており;吸気口51aと羽根車20の間には、ケーシングトリートメント85が形成され;前記ケーシングトリートメント85は、前記吸込管のケーシング壁と該吸込管のケーシング壁の外側に配置された外ケーシング31eとを含んで構成され、前記吸込管のケーシング壁と外ケーシング31eとの間の空間31fは、一方が羽根車20の入口翼端部分に開口し、他方が吸気口51aの近傍に開口した戻り流路であって、入口翼端部分の開口から流入した水を吸気口51aの近傍の開口から吸込管31の中央部の本流に戻す、軸方向に長さを有する戻り流路を構成している。
【0024】
また請求項10に記載のように請求項に記載の立軸ポンプでは、(例えば図8(b)参照)吸気口51aには、吸気口51aを跨いで前記吸込管のケーシング壁を上流側と下流側とで連結する支柱52bを形成してもよい。
【0025】
前記目的を達成するために、請求項に係る発明による立軸ポンプは、例えば図9に示されるように、縦方向に配置される回転軸21により回転し、水槽1内の水を吸い込む羽根車20と;羽根車20の上流側に配置され、ケーシング壁によって形成された吸込管31とを備え;吸込管31は、前記ケーシング壁の内面との間に環状の内筒空間92を形成する内筒91を有し;一端から吸込管31内に空気を導入する空気管60であって、他端が水槽1内の最高水位HWLよりも上方に開口する空気管60をさらに備え;内筒空間92は下流側が羽根車20に対向して開放されており;空気管60による吸込管31への空気導入口は内筒91内に開口してい
【0026】
典型的には、内筒空間92には内筒91と前記ケーシング壁の内面とを連結する支持部材92aが配置されている。空気管60は、支持部材92aの内部を貫通するようにしてもよいし、支持部材92aとは別に内筒空間92を貫通させてもよい。
【0027】
また請求項に記載のように、吸込管31はベルマウス状に形成されており、内筒93の上流側は、前記ベルマウスに沿うように延長されていてもよい(例えば図9(b)参照)。
【0028】
また、立軸ポンプは、例えば図10に示されるように、縦方向に配置される回転軸により回転し、水槽内の水を吸い込む羽根車20(例えば図1参照)と;羽根車20の上流側に配置され、ケーシング壁によって形成された吸込管31であって、前記ケーシング壁の内面を囲む環状の空気室50を有する吸込管31と;空気室50に一端が接続され、他端が前記水槽内の最高水位HWLよりも上方に開口する空気管60とを備え;前記ケーシング壁の内面には前記環状の空気室50と吸込管31とを連通するスリット状の吸気口51aが形成されており;空気室50内には空気管60から空気室50に流入する空気を導く空気案内板71が配置されていてもよい
【0029】
このように構成すると、空気室内には空気管から空気室に流入する空気を導く空気案内板が配置されているので、空気室内の空気を吸込管に導き、空気を水中に誘引する効果がある。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一符号あるいは類似符号を付し、重複した説明は省略する。
【0031】
図1の断面図を参照して、本発明の第1の実施の形態である立軸ポンプを説明する。(a)に示す本立軸ポンプ10は、先行待機運転用のポンプである。
【0032】
先行待機運転、特に全速先行待機運転とは雨水がポンプ吸水槽に流入する前にあらかじめポンプを始動し、水位(Level)Lの上昇にしたがって排水を始め、水位が低下してもポンプを停止させずに全速で運転することである。排水を始めても、立軸ポンプ10は直ちに要項点の水量を吐出するわけではない。要項点水量を吐出せずに運転を可能とするため、水と一緒に空気を吸い込ませる。
【0033】
図を参照して立軸ポンプ10の構造を説明する。立軸ポンプ10は、鉛直方向に上から配列された揚水管ケーシング(ケーシング本体)33、ライナケーシング32、吸込管(吸込ベル)31を備える。それぞれは水平方向のフランジで締結されている。これらが広い意味のケーシングを構成している。
【0034】
該ケーシングの中心に縦方向(鉛直方向)に回転軸21が配設され、回転軸21の下方先端にオープン型の羽根車20が取りつけられている(クローズ型であってもよい)。羽根車20の外周(オープン羽根の先端)と僅かな隙間をもってライナケーシング32が羽根車20を収納している。立軸ポンプ10は斜流ポンプである。斜流ポンプは吐出ヘッドが比較的大きい場合に用いられる。また羽根車20の吐出側、ケーシング本体33の内側にはガイドベーン35が配設されている。
先行待機運転用のポンプとしては、不図示の軸流ポンプが用いられることもある。軸流ポンプは、吐出ヘッドに対して流量が比較的大きい場合に適する。
【0035】
ケーシング本体33は、回転軸21と平行に垂直方向の缶胴部分と、上方で水平方向に曲がった曲管部とそれに連なる水平管部分とを含んで構成され、曲管部分を、回転軸21が貫通している。該貫通部には軸受22cと不図示のシールが配設されている。回転軸は、羽根車20近傍に配設された軸受22aと前記軸受22c、さらに両軸受の中間に配設された軸受22bで3点支持されている。また、不図示のスラスト軸受が回転軸21にかかる鉛直方向の荷重(即ち羽根車20、回転軸21を含む回転体の重量と羽根車20にかかる流体力)を支持している。
【0036】
ケーシング本体33には、据え付け用のフランジが取り付けられており、該フランジで据え付け台であるコンクリート製の床2に据え付けられている。ケーシング本体33の前記水平管部分にはフランジが取りつけられており、該フランジにより、吐出配管34と接続されている。吐出配管34は雨水を河川や海等に導いて排出するための配管である。
【0037】
羽根車20の先端よりも下方に位置する、ケーシングの外側には、ケーシングを回転軸20(又は同軸の延長)の軸線回りに囲む円環状の空洞である空気室50が形成されている。本実施の形態では、空気室50は吸込管31の上部、鉛直方向の円筒状部分に形成されている。ケーシングライナ32のすぐ下方、羽根車20の先端よりもすぐ下方に位置する。また空気室50は、吸込管31を形成するケーシング壁の内面を囲み、該内面よりも外側に形成されている。
【0038】
ケーシングの吸込側部分(本実施の形態では吸込管31)には、具体的には吸込管31を形成するケーシング壁の内面には、空気室50と吸込管31の内側とを連通する吸気口としての吸気スリット51aが形成されている。スリット51aの位置は、羽根車20の先端(吸込端)よりも下方である。スリットの代わりに、後述の図2の例のように、多数の吸込孔51bであってもよい(この例では空気室50は不要である)。
【0039】
空気室50は空気室壁50aで囲まれた空間である。本実施の形態では、空気室壁50aは、吸込管31の本体部分と一体の鋳造構造を有している。空気室壁50aには、外側に空気管60の一端が接続されている。空気管60は図示のように1本であってもよいが、複数例えば4本であってもよい。
【0040】
空気室50を設けると、空気管60から吸入される空気が、吸込管31の全周に均一に分配されるので都合がよい。特に円環状の空気室50を円周方向に流れる空気の流れ抵抗が無視できる程度に、空気室50の断面積を十分にとることができるときは、空気管60は1本でよい。
【0041】
一方、空気管60を複数本設ける場合は、空気室50の断面積を比較的小さくすることができる。例えば4本とするとよい。
【0042】
空気室50とスリット51a、空気管60の接続部との関係を、同部分の拡大図を参照して説明する。スリット51aの上側端部は空気管接続部の上端よりも低い位置に形成されている。したがって、後述のように空気を吸い込む水位はスリット51aの上側端部を基準にして定まる。
【0043】
空気管60の他端(上端)61は、水槽1内の最高水位HWLよりも上方に開放されている。最高水位HWLは、水槽1において最も水位が上昇し得る水位、即ち水槽1の許容水位と呼んでもよい。したがって、空気管60の他端61が水中に没することはない。
【0044】
羽根車20は、後述の最低水位LWLよりも下方に配置されている。羽根車20の本体部分全体、又は少なくともその一部、特にそこまで水位があれば羽根車20が水を吸い上げる先端部が最低水位LWLよりも下方に配置されている。
【0045】
羽根車20とスリット51aとの間のケーシング(ここでは吸込管31)の内面には、平板状の旋回防止板70が半径方向に、また軸線方向(鉛直方向)に向けて形成されている。旋回防止板70は、吸込管31が鋳物製のときは一体構造とするとよい。旋回防止板70は複数枚設ける。例えば4枚とする。旋回防止板70の下端とスリット51aとは、ある程度の間隔を空ける。但し、近接していてもよい。
【0046】
次にポンプ10の高さ方向の構造と水位の関係を説明する。水位HWLは前述のように、水槽1の許容水位である。水位Lがこれ以上に上昇することはない。その下方に最低水位LWLがある。これは、ポンプ固有の値であり、水位がこれ以下になると何らかの問題が起こりポンプの運転が継続できなくなる水位である。典型的には、それ以下では吸込管31の下端から渦状に空気を吸い込み、振動や騒音が発生し運転が継続できなくなる水位Lcと一致する。これはポンプ固有の値であり、空気管60がない場合に、最低水位LWLを下回ると運転の継続が困難になる。本実施の形態では、空気管60により、低水位での運転を可能にしている。しかし水位LWLは渦状の空気吸込以外の条件で定まる場合もある。
【0047】
設計上の最低水位Ldは、水位LWLと少なくとも等しく、通常はそれよりも高くなるようにする。設計上の最低水位Ldは、吸込管31の下端から吸込管の内径に対して所定の係数を乗じて簡易的に求めている。係数は例えば、1.1とする。設計値はある程度の余裕を有しており、実機で空気管60を閉じて水位を低下させて行った場合、設計的に定めた最低水位Ldを多少下回っても運転は可能である。
【0048】
設計上の最低水位Ld乃至は最低水位LWLの下方には、羽根車20の吸込開始水位SLWLがある。この水位は、羽根車20の先端部分の水位に相当する。低い水位から水位が上昇して、羽根車20が水に接すると、気水攪拌が開始され間もなく水が吐出されるからである。
【0049】
吸込開始水位SLWLの下方には、スリット51aの高さに相当する吸気口水位A1がある。これはスリット51aの上側端部に相当する。水位Lが低下して、水位LWLに到ると、水位Lよりも負圧分hだけ低い空気管60中の水位がこの水位A1になり、空気管60を通して吸込管31に空気が吸い込まれ始める。
【0050】
なお本実施の形態では、スリット51aの上側端部が、空気管60の空気室壁50aの接続部の上端の高さよりも低く形成されているので、スリット51aの上端部の高さが吸気口水位A1となっている。逆に、スリット51aの上側端部が、空気管60の空気室壁50aの接続部の上端の高さよりも高い場合は、空気管60の空気室壁50aの接続部の上端の高さが吸気口水位A1となる。
吸気口水位A1の下方には、吸込管31の先端の水位A2がある。
【0051】
さらに図1を参照して、立軸ポンプ10の作用を説明する。先ず水位がA2よりも低い状態で立軸ポンプ10を始動する。例えば川の上流で大雨が降ったとの降雨情報が入った場合等、ある時間の後に水位が急に上昇することが予測される。そのような場合に、水位がA2よりも下の状態で、先行待機運転用の立軸ポンプ10が始動される。先行待機運転の開始である。
【0052】
雨水の流入により水槽内の水位Lが上昇し、吸込ベルの下端水位A2を越える。水位が水位A1を越えても、まだ水は吸い上げられない。羽根車20は空転している。
【0053】
水位Lがさらに上昇して、水位SLWLまで到達したところで、羽根車20は気水攪拌を開始する。そして水を吸い込み始める。このときは、空気管60を通し、空気室50を介して、スリット51aから、吸込管31内に、水と一緒に空気も吸い込むのでポンプは要項点の全水量吐出の運転ではない。即ち、立軸ポンプ10は気水混合運転をしている。さらに水位Lが上昇すると徐々に吸込空気量は減少し、代わりに水量が増加する。やがて水位Lが水位LWLまで上昇すると空気の吸込量がゼロになり、(そのときのQHカーブ(後述)上のH次第であるが)要項点の全水量を吐出するに至る。即ち、定常運転に入る。
【0054】
さらに水位が、水位LWLと水位HWLの間の水位まで上昇して、ポンプ10は定常運転を継続する。その後、ポンプ10の排水により今度は水位Lが低くなってゆくと、水位LWLで(空気管60中の水位が吸気口水位A1に到るので)空気管60を通して空気を吸い込み始める。即ち、再び気水混合運転が開始される。水位Lが低下するにつれて吸込空気量が増えて、代わりに水量が減ってゆく。さらに水位Lが下がり、水位A1付近になると水の吸込が終わり、羽根車20は空気中で運転される空運転状態になる。即ち、ポンプ10は全く水を吸い込まないエアロック状態となる。
【0055】
エアロック水位は、通常は吸気口の高さである水位A1と一致または近傍となるように設計はするが、必ずしも一致するとは限らない。水位がA1を通過してさらに下がったところで、または吸込ベルの下端水位A2に至ると水量はゼロになる場合もある。本実施の形態では、エアロック水位は水位A1とほぼ一致するものとし、この水位で水量がゼロになるものとする。
【0056】
このようにして、羽根車20は空気中での空転状態を続けることになる。降雨が続くときは、そのまま運転を続け、再び水位Lが上昇してきて、前記のように水位SLWLに到達したところでポンプ10は水を吸い込み始める。このようにして、先行待機運転用ポンプ10は、水槽1の水位にかかわらず、空運転と要項点全水量の運転との間で運転を継続することができる。空運転と要項点全水量運転との間の移り変わりは、ポンプが空気も一緒に吸い込むのでなめらかに行われる。
【0057】
前述のように、水位Lが十分に低下して吸込管31の下端の水位A2より低くなっても、ポンプ10は先行待機運転を継続する。吐出水量がゼロになってから10分程度の間は、羽根車20よりも上方のケーシング(特に吐出ケーシング33)中には水が留まっているが、あまり長時間その状態が続くと水の温度が上昇してポンプの損傷につながるので、ケーシング中の水は不図示のドレン孔から抜かれる。その後の先行待機運転では、羽根車20は空気中で空転運転がされる。
【0058】
前述のように雨水の流入により水槽内の水位Lが上昇して、水位がA1を越えても、まだ水は吸い上げられないが、水位低下直後で羽根車20の上方に水が溜まっている間に再び水位が上昇したときは吸気口の高さである水位A1で水の吸い上げが始まる。
【0059】
以上のような先行待機運転ポンプは、機場には通常複数台設置されている。そのような機場の運転において、水位の増加に伴って1台のポンプでは排水量が不足する場合には、次々に他のポンプを起動して複数台の運転に入る。
【0060】
ここで図2の部分断面図を参照して、各水位と吸込管31の下端から渦状に空気を吸い込んでしまう水位Lcとの関係を明かにする。本図では、吸気口がスリット51aではなく、吸込孔51bである場合を示す。原理は、スリット51aであっても吸込孔51bであっても同様である。
【0061】
一般に、立軸ポンプを設計するときは、先ず設計仕様によりエアロック水位が指定される。即ち高い水位から水位が低下してきて、最後に排水が止まる水位である。通常は、エアロック水位は吸気口の水位A1に一致するものとして設計する。即ち、設計上この位置に吸気口としてのスリット51aや吸込孔51bを設ける。試運転でエアロック水位を確認する。実際のエアロック水位は、吸気口位置よりも高いことはなく、それよりも低い位置になるか、又はほぼ同等の高さになる。
【0062】
また一般には設計仕様で、低水位から水位が上がってきたときに排水を開始する位置、即ち羽根車先端位置SLWLも指定される。
水位A1が決まると、全量吐出水量となる設計上の水位Ldは、水位Ld=A1+hで計算される。ここで、h=hl+(v/2g)である。簡易計算では、h=(v/2g)×1.1で計算される。
【0063】
ここでvは、(要項点全水量)/(吸込管31の吸込部面積)で求められる水の吸込流速である。(v/2g)はベルヌーイの定理から計算される水の流れにより生じる負圧である。速度水頭といってもよい。またhlは吸込管31の下端A2から吸気口51bまでの流れロスである。上記の簡易計算では、hl=(v/2g)×0.1として、吸込管31の下端A2から吸気口51bまでの流れロスを経験的に係数を使って求めている。もちろん、吸込管31の下端A2からの損失水頭を厳密に計算又は実測して求めてもよい。
【0064】
水位Ldは上記のようにして計算される水位であり、水位Lが上昇傾向のときは、ここで吸込孔51bからの空気の吸込がなくなりポンプは全量吐出となり、水位Lが下降傾向のときは、ここで全量吐出が終わり吸込孔51bからの空気の吸込が始まるという水位である。
【0065】
水位Ldは設計上、吸込管31の下端から渦状に空気を吸い込んでしまうという水位に対して余裕を持たせる。したがって、この水位では吸込管31の下端から空気を吸い込むことがない。即ち、水位Ldは水位LWL、通常は水位Lcと同じか、又はそれよりも高い位置にある。
【0066】
水位Lcは上記のように水位Ldを求めるにあたって、チェック項目となる。即ち、設計過程で求めた水位Ldが水位Lcよりも低くなってしまった場合は、水位Ldが水位Lcと同等かそれよりも高くなるように設計を修正する。例えば吸込管31を長くして、水位Lcを下げる。水位Ldは、例えば、水位A2から1.1×吸込管内径として計算する。
このようにすれば、Ldが水位Lcよりも低くはならないことが経験上分かっている。
【0067】
本実施の形態の立軸ポンプ10では、羽根車20は水位LWL、さらには水位Lcよりも下方に配置されている。
【0068】
さらに図2を参照して、旋回防止板70の作用を説明する。
水位Ldは、水位A1+hで計算され、h=hl+(v/2g)であるとしたが、実際は吸込孔51aの近傍には正圧hpが発生する。これは吸込管31の内部に発生する旋回流によるものとされている。すなわち、旋回流により生じる遠心力で正圧が発生するものと考えられる。旋回流は後述のように、ポンプ吐出量が要項点流量よりも小さい場合に発生する。
【0069】
正圧hpを考慮すると、hは以下の通りとなる。
h=hl+(v/2g)−hp
【0070】
正圧hpが発生する場合は、水位Lが水位Ldまで低下しても、空気管60から空気を吸い込まない。したがって、期待通りに気水混合運転がなされず、下手をすると吸込管31の下端から渦状に空気を吸い込み、振動等を起こしてしまうことがある。
【0071】
本実施の形態によれば、旋回防止板70が吸込管31内の旋回流を防止してくれるので、hpがほぼゼロまたは十分に小さくなり、水位LがLdになったとき空気の吸込が可能となる。または、水位LがLdよりもあまり下回らないところで空気を吸い込むことができる。
【0072】
図3のQ−Hカーブを参照して、立軸ポンプ10の特性を説明する。本図は、全速先行待機運転ポンプの性能を、縦軸に全揚程H(%)を、横軸に排出量Q(%)をそれぞれとって示した線図である。空気を吸い込まない定常運転の場合の他、空気流入量の変化によるポンプ性能の変化を併せて示してある。
【0073】
同図で、曲線イは流量−揚程(Q−H)曲線、曲線ロは計画揚程(直線ハ)時の抵抗曲線、曲線ニは最高実揚程(直線ホ)時の抵抗曲線をそれぞれ表わしている。曲線ニの状態は、吐出圧力の変動が大きい用途の場合であり、吐出圧力が高い場合である。
また曲線イを原点方向に移動した形の二点鎖線で示す曲線は、空気を吸い込む気水混合運転のQ−H曲線である。各Q−H曲線と抵抗曲線との交点が各状態における運転点である。
【0074】
雨水排水用の先行待機運転ポンプでは、排水すべき川や海への排水高さは一般にあまり変化しない。しかしながら、少なくとも水槽1内の水位はA1からHWLまで変化する。図1には、A1とHWLとの高低差はあまり大きくない場合が示されているが、実際には吐出ケーシング33はもっと長く作ることが可能であり、例えば10mを越えることもある。そのような先行待機運転ポンプでは、水位LdとHWLとの間に要項点Aを設定しても、水位がLdになると抵抗曲線が曲線ニのようになる。即ち、上記実例の先行待機運転ポンプでは、計画揚程と最高実揚程とには10mの揚程差が存在するので、必然的に点Bで示されるような流量が小さい運転状態が発生する。
【0075】
図中の点Aは、計画実揚程で空気流入がない場合の運転点(要項点)を示しており、このときは吸込管31中の揚水は、軸線方向に一様に羽根車20に向って流れている。また図中の点Bは、最高実揚程で空気流入がない場合の運転点を示しており、最高効率点に対しかなり小水量側の運転点となる。このときは、羽根車20の外周側に逆流が生じており、そのため吸込管31中の揚水には、吸込管31の内壁付近に羽根車20の回転方向につれまわるような旋回成分が生じている。
【0076】
前述の旋回防止板70はそのような旋回流を防止するので、正圧hpを小さくする効果がある。
【0077】
図1に戻って、空気室50の拡大図(b)を参照して、その構造と作用を説明する。
拡大図(b)において、スリット51aの上端は、空気管60の空気室壁50aへの開口よりも、haだけ低く形成されている。したがって、水位Lが最低水位Ld近くになって、空気管60中の水位が空気管60の空気室壁50aへの開口まで低下してもまだ吸込管31への空気の吸込は起こらない。水位Lがさらに低下して、空気管60中の水位がさらにhaだけ低下し、スリット51aの上端に到ったところで空気の吸込が始まる。
【0078】
このような構造であるので、空気室50のスリット51aよりも上方の空間が十分にあれば、空気管60が1本であっても、吸込管31の全周に渡って空気が均一に行き渡る。特に、haを大き目にとれば、このような効果が期待できる。空気管60を複数にして、円環状の空気室50の周方向に等間隔に配置すれば、空気室50を小さくすることができる。
【0079】
また図1(c)に示すように、スリット51aの上端を正面図で見て直線ではなく、波型とする、周期的切り欠きを設ける等、周期的な上下変化を有する形状とすれば、高い部分から空気が小さい泡状に吸込管31に全周に渡って一様に流れ込むので、羽根車20への空気吸込を一様にすることができる。
【0080】
図4を参照して、本発明の第2の実施の形態を説明する。(a)は、空気室50周辺のみを抽出して示す部分断面図である。(b)(c)(d)(e)は、吸込管をスリット52の位置で断面して見たX−X矢視である。
【0081】
本実施の形態では、第1の実施の形態のスリット51aと同様な、吸気口としてのスリット52が、吸込管31に環状に形成されている。スリット52は、空気室に沿って細い間隙であるスリット状に形成されており、空気室50と吸込管31の内部とを連通させている。
【0082】
また、スリット52には、該スリット52を跨いで吸込管31の内壁即ちケーシング壁の内面を上流側と下流側とで連結する支柱52aが形成されている。
【0083】
(b)に示すように第1の変形例では、支柱52aはスリット52に等配されている。支柱52aはスリットを等間隔で塞ぐようにケーシング壁(内壁)を残す形で形成することができる。支柱52aとして残された壁と、連通口としてのスリットとの割合は、スリットの開口の総計が支柱52aの総計よりも大きくしてもよいが、断続的に開口している形の断続スリット1個の開口部円周方向長さを、スリット形成部分における吸込管31の内径Daの0.1倍以下にするのが好ましい。
【0084】
また(c)に示すように、支柱は空気室50から吸込管31内に向けて流れる空気を導く空気案内板52bを構成するようにしてもよい。このように構成すると、空気の流れを半径方向に向けられるので、吸込管31内の旋回流を低減する効果がある。
【0085】
さらに(d)に示すように、空気案内板52cを半径方向に対して水の旋回方向に傾斜させるとよい。このように構成すると、吸い込まれる空気を水の旋回に誘引させる効果があり、旋回流があるにもかかわらず空気を吸い込みやすくする。
【0086】
さらに(e)に示すように、空気案内板52dを半径方向に対して水の旋回方向に傾斜させた上で、空気案内板52dの先端をケーシング(本実施の形態では吸込管31)の内面よりも突出させてもよい。このように構成すると、吸い込まれる空気を水の旋回に誘引させる効果のほかに、旋回流を弱める効果を奏する。前記突出量は、吸込管31の中心方向に向かって吸込管31の内径の0.1倍程度またはそれ以下の長さとするのが好ましい。
【0087】
支柱又は案内板は、空気を案内する他、吸込管31のスリットよりも下方の部分の重量を支持する効果も有する。
【0088】
図4では、第2の実施の形態は、支柱付きスリットに加えて旋回防止板70も備えるものとして、説明したが、支柱付きスリットの空気誘引効果に鑑みて旋回防止板70を省略してもよい。特に(d)(e)で説明した変形例の場合は旋回防止板70の省略が可能となる。
【0089】
第2の実施の形態では、スリット52の軸方向の幅は、吸込管31の直径の0.005〜0.05倍とするのが好ましい。また、支柱52aの幅は吸込管の直径の0.005〜0.05倍の厚さを有する。その数は、周囲に16箇所以下とするのが好ましい。
【0090】
第1、第2の実施の形態では、逆流防止板70は軸方向に直線形状を有するが、その半径方向の高さが、逆流防止板70の取付位置における吸込管31の内径の0.1倍以下とするのが好ましい。また、逆流防止板70の軸方向の長さがその位置における吸込管内径の0.3倍以下とするのが好ましい。
【0091】
図5を参照して、第3の実施の形態を説明する。本実施の形態では、吸込管31は、そのケーシング壁の内面との間に環状の内筒空間81aを形成する内筒81を、羽根車20と吸気口としての空気孔51bとの間に有している。内筒81は、その上流側即ち鉛直方向下方が、空気孔51bの近傍で前記ケーシング壁の内面に接続され、内筒81は水の流れに沿って流路面積が小さくなる先細ノズルを形成している。内筒空間81aは下流側で羽根車20に対向して開放されている。内筒81の、吸込管31のケーシング壁の内面との接続部の近傍には、内筒空間81aと流路36とを連通する孔82が形成されている。
【0092】
このように構成すると、小流量域で羽根車20の外周側を逆流してくる流れは、ノズルを形成する内筒81と吸込管31の内壁との間に流入し、孔82を通して吸込管31に流れ込むまでに旋回流は消滅するか、弱まる。したがって、空気孔51b部分に正圧hpが生じないか、生じても小さい値となる。
【0093】
図6を参照して、第3の実施の形態の変形例を説明する。図5の場合の空気孔51bの代わりにスリット51aが形成されている。即ち、吸込管31はそのケーシング壁の内面を囲み空気管60の一端が接続された環状(本実施の形態では円環状)の空気室50を有し、空気室50と吸込管31とを連通させるように空気室50に沿って、吸気口がスリット状に形成されている。スリット51aの幅は、0.005〜0.05Daとするとよい。
【0094】
このように構成すると、内筒81の孔82を通して吸込管31に流れ込む、旋回流のない流れに、スリット51aから一様に空気が流入する。
【0095】
第3の実施の形態では、ノズルを形成する内筒81と吸込管31のケーシング壁の内面との間には、板状のステー(不図示)を設けてもよい。そのような構成では、板状のステーは、内筒81の補強となる他、内筒空間81aを逆流する流れを整流することができる。そのようなステーは、0.01〜0.1Daの厚さとするとよい。
【0096】
第3の実施の形態では、先細ノズルの最狭部の直径は、0.7〜0.9Daとするとよい。また、スリット51a又は孔82の下端から、先細ノズルの最狭部までの軸方向長さは、0.1〜0.3Daとするとよい。
【0097】
図7を参照して、第4の実施の形態を説明する。本図には、吸込管31と空気管60の部分を抽出して示してある。
【0098】
(a)に示すように、吸込管31のケーシング壁の内面には環状の空気室50と吸込管31とを連通する吸気口としてのスリット51aが形成されており、吸込管31内の圧力の低下に応じて空気管60とスリット51aを通して吸込管31内に空気を吸い込むように構成されている。
【0099】
また吸込管31は、羽根車20とスリット51aとの間に内筒83を有する。内筒83は、吸込管31のケーシング壁の内面との間に環状の内筒空間84を形成している。内筒空間84には内筒83と吸込管31の内面とを連結する支持板84aが配置されている。内筒空間84は上流側でスリット51a近傍で流路36に開放され、下流側で羽根車20に対向して開放されている。ここで上流、下流とは、流路36の本流の流れについて言うものとする。内筒空間84の流れは、逆流することがあるので、厳密に言えば、そのときは上流、下流の関係は反対になるが、便宜上本流の場合で定義している。
【0100】
支持板84aは内筒83を支持すると共に水の流れを案内する水案内板としても機能する。
【0101】
このように構成すると、羽根車20の外周側からの逆流は、内筒空間84に流入し、流路36の中心側を流れる本流と逆流は内筒83で分離される。したがって、吸込管31内の旋回流が防止される。また支持板84aの案内により旋回流を抑えることも可能である。
【0102】
(b)を参照して、第4の実施の形態の変形例を説明する。この例では、スリット51aには、これを跨いで吸込管31の内壁を上流側と下流側とで連結する支柱84bが形成されている。内筒83aも同様にスリット51aを覆うように形成されている。即ち、(a)の場合の内筒と支持板が鉛直方向下方に延長され、スリット51aを跨いだ形となる。
【0103】
このように構成すると、内筒83aがスリット51aを覆っており、支持板84bも同様にスリット51aを覆っているので、スリット51aの部分に旋回流が生じない。
【0104】
この例では、さらに内筒83aを上流側(鉛直方向下方)に延長して、ベルマウス状に広げて、吸込管31の内面に接続する形状にしてもよい。このときは、内筒83aの吸込管31の内面への接続部近傍に孔を明ける。このように構成することにより、旋回流をさらに効果的に防止することができる。
【0105】
図8の部分断面図を参照して、第4実施の形態の立軸ポンプを説明する。この立軸ポンプは、いわゆるトリートメントを利用したものである。トリートメントとは、ケーシングトリートメントとも称されるものであり、ポンプが部分流領域で運転される場合は、羽根車20の入口外周から吸込管31側へ逆流が遡ってくるが、その逆流を阻止するために、羽根車20の入口翼端部分のケーシングに逆流を通過させるために付設される軸方向に長さをもつ戻り流路のことである。
【0106】
(a)の部分断面図に示す第5の実施の形態では、吸込管31のうち羽根車20の入口直前の部分を外周部を外側に向かって拡大して、トリートメントを形成する。吸込管31のうち羽根車20の入口直前の部分は、軸線方向に平行なケーシング壁を有している。吸込管のケーシング壁と同じ直径位置には、拡大する前の吸込管ケーシング壁をそのまま内筒31aとして残しておく。吸込管31の拡大する外周部31eは、空気室50の外周部と同じ直径まで拡大する。拡大した外周部31eは、空気室50の外周部と一体で円筒状のケーシングを形成する。拡大した外周部31eと残った内筒31aの間には、円環状の空間31fが形成される。なお空気室50は、第1の実施の形態と同様に形成されている。空間31fと空気室50との間は、空気室上壁50bで隔てられている。
【0107】
内筒31aは空気室50に接続され、その結果内筒31aと空気室50の内壁とは連続したケーシング壁を形成することになる。内筒31aの空気室50接続部には、円環状の空間31fと吸込管31の内側とを連通する孔31bが明けられている。孔31bは複数個明けられ、周方向に均等に配置されている。
【0108】
このような構造において、羽根車20の入口先端から吸込側に流れ出る逆流が発生した場合、その旋回成分により逆流は外方へ流れる。したがって、その逆流は、空間31fに流入し、孔31bから吸込管31の中央部の本流に合流する。このようにして、スリット51aにおける旋回流が抑えられるので、正圧を小さくすることができる。
【0109】
(b)の部分断面図を参照して、第5の実施の形態の変形例を説明する。この例では、(a)の場合の複数の孔31bを、周方向に明けられたスリット31dに置き換えている。また内筒31aに対応する内筒31cをケーシング外周部31eと接続して支持するための複数(2枚以上16枚以下が好ましい)のステー85bが設けられている。ステー85bは平板状であり、軸線方向に直線状に形成されている。そのため、空間31fを流れる逆流を整流する整流板の機能も有している。
【0110】
このような構造において、羽根車20の入口先端から吸込側に流れ出る逆流が発生した場合、(a)の例と同様に逆流が空間31fを流れる間に、逆流が持つ旋回成分は消滅あるいは減少する。
【0111】
スリット51aには、これを跨いで内筒31cと吸込管31のケーシング壁を連結する支柱52bを形成してもよい。即ち、図4で説明したような支柱(ラジアル方向支柱、傾斜支柱、内側に突出した支柱)を設けてもよい。
【0112】
図9の部分断面図を参照して、第6の実施の形態を説明する。この実施の形態は、吸込管31の構造以外は他の実施の形態と同様であるので図示を省略してある。図示のように、羽根車20に向けて水を流す流路36を構成する吸込管31に、一端から吸込管31内に空気を導入する空気管60を備える。他の実施の形態と同様に、空気管60の他端は水槽1の最高水位HWLよりも上方に開口している。
【0113】
吸込管31は、そのケーシング壁の内面との間に環状の内筒空間92を形成する内筒91を有し、内筒空間92は下流側(鉛直方向上方)が羽根車20に対向して開放されている。空気管60による吸込管31への空気導入口62は内筒91内に開口し、内筒91内の開口部の圧力の低下に応じて空気管60と空気導入口62を通して吸込管31内に空気を吸い込むように構成されている。
【0114】
ここで、内筒空間92には内筒91と吸込管31のケーシング壁の内面とを連結する支持部材としてのステー92aが配置されている。空気管60は、ステー92aの内部を貫通するようにしてもよいし、ステー92aとは別に内筒空間92を貫通させてもよい。
【0115】
また(b)に示すように、吸込管31はベルマウス状に形成されて、内筒91の上流側が、前記ベルマウスに沿うように吸込管31の下端まで延長されるように構成してもよい。図中、延長部を符号93で示す。このように構成すると、逆流発生時には、逆流はその旋回成分をなくした上で吸込管31の外部に流れ出る。
【0116】
このように、羽根車20からの逆流は、内筒空間92を流れるので、空気導入口62付近に正圧が発生しないか、小さい正圧に抑えることができる。
【0117】
図10の部分断面図を参照して、第6の実施の形態を説明する。(a)は、空気室50周辺のみを抽出して示す部分側面断面図である。(b)は、吸込管をスリット51aの位置で断面して見たX1−X1矢視(部分平面断面図)である。同様に部分側面断面図(c)、(e)、(g)と、それぞれに対応する部分平面断面図(d)、(f)、(h)を参照して、第6の実施の形態の変形例を説明する。
【0118】
本実施の形態では、第1の実施の形態のスリットと同様な、吸気口としてのスリット51aが、吸込管31に環状に形成されている。スリット51aは、空気室50に沿って細い間隙であるスリット状に形成されており、空気室50と吸込管31の内部とを連通させている。そして、吸込管31内の圧力の低下に応じて空気管60と吸気口51aを通して吸込管31内に空気を吸い込むように構成されている。
【0119】
(a)に示すように、空気室50内には空気管60から空気室50に流入する空気を導く空気案内板71が環状の空気室50の外側の壁の内側に配置されている。(b)に示すように、空気案内板71は複数設けられている。本実施の形態では、8枚が環状空気室の周方向に等配されている。空気管60は複数、本実施の形態では4本が、空気案内板71の中間をねらって等配されている。
【0120】
空気案内板71は、(a)に示すようにほぼ矩形をしており、空気管60の空気室50への取り付け位置を挟んで下方から上方に渡って形成されている。(b)に示されるように、空気案内板71は空気室50内で放射状に形成されている。また(a)(b)に示されるように、空気案内板71の水平方向の先端は、空気室50の内側の壁(吸込管31のケーシング壁、言い換えれば吸込管31の外壁)とはある程度の間隙を有して配置されている。
【0121】
(c)(d)を参照して、第6の実施の形態の変形例を説明する。空気案内板71は、(c)に示すように、環状の空気室50の上部に形成されている。本実施の形態では、空気室の上半を塞ぐように((a)参照)放射状に((b)参照)形成されている。また、空気管60の空気室50への取り付け位置の中央から上方に渡って形成されている。
【0122】
(e)(f)を参照して、第6の実施の形態の別の変形例を説明する。空気案内板71は、(e)に示すように、環状の空気室50の外側の壁の内側に配置されている。また、図示のように空気室の下壁から上壁まで下方から上方に渡って形成されている。(e)(f)に示されるように、空気案内板71の先端は、空気室50の内側の壁(吸込管31の外壁)とはある程度の間隙を有して配置されている。
【0123】
(g)(h)を参照して、第6の実施の形態のさらに別の変形例を説明する。この例では、(e)(f)の場合に比べて、空気案内板71の先端が、空気室50の内側の壁に突き当たっている点が異なる。したがって、空気案内板71により、空気室50の外側の壁と内側の壁とが接続された形となっている。したがって、空気室50は複数の空気案内板71により、複数のセグメント(小部屋)に分割されている。このときは、空気管60は、各セグメント毎に設けるとよい。
【0124】
本実施の形態によれば、空気案内板71が、空気室50内の空気を吸込管31に導くので、空気を水中に誘引しやすい。
【0125】
先行待機運転ポンプの気水混合運転では、QHカーブ上でポンプ運転点は小水量側に寄って行く。軸流又は斜流ポンプの場合、運転点が小水量側へ寄ると、全揚程及び軸動力が高くなる傾向がある。特に吸込管(吸込ベル)内面にエアロック用リブを取り付けると更に軸動力は高くなりがちである。このため出力の大きな原動機を必要とし、省エネ、コスト低減という観点からは不利と言える。
【0126】
本実施の形態によれば、旋回防止板を吸込管のケーシング壁の内面に設けなくてもよいので、気水混合運転時のポンプ軸動力上昇を抑制し、少ないエネルギーでの運転が可能となる。但し、旋回防止の要請が大きいときは、旋回防止板と併せて空気案内板を設けてもよいことは言うまでもない。
【0127】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、環状の空気室を備えるので空気を一様に分配することができ、旋回防止板を備えるので、旋回流を防止することのできる立軸ポンプを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である立軸ポンプの正面断面図である。
【図2】各水位と吸込管の下端から渦状に空気を吸い込んでしまう水位Lcとの関係を説明する部分断面図である。
【図3】立軸ポンプの特性を説明するQ−Hカーブ(性能曲線)図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を説明する部分正面断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態である立軸ポンプの正面断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態の変形例を説明する部分断面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態を説明する部分断面図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態を説明する部分断面図である。
【図9】本発明の第6の実施の形態を説明する部分断面図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態を説明する部分断面図である。
【図11】従来の立軸ポンプの正面断面図である。
【符号の説明】
10 立軸ポンプ
20 羽根車
21 回転軸
30 ケーシング
31 吸込管
31a、31c 吸込管内筒
31b 孔
31d スリット
31e 外周部
36 流路
50 空気室
50a 空気室壁
51a スリット
51b 吸気孔
52 スリット
52a 支柱
60 空気管
61 開放端
62 空気導入孔
70 旋回防止板
71 空気案内板
81 ノズル
82 ノズル孔
83 内筒
84 内筒空間
84a、84b 内筒ステー
85 トリートメント
85a トリートメントケーシング
85b トリートメントステー
91、93 内筒
91a 内筒ステー
92 内筒空間
h 負圧水頭
HWL 最高水位
Ld 設計水位
LWL 最低水位
Lc 渦状に空気を吸い込む水位
SWL 羽根車の吸込開始水位
A1 吸気口水位
A2 吸込管下端水位

Claims (10)

  1. 縦方向に配置される回転軸により回転し、水槽内の水を吸い込む羽根車と;
    前記羽根車の上流側に配置され、ケーシング壁によって形成された吸込管と;
    前記ケーシング壁の内面には吸気口が形成され、該吸気口に一端が連通され、他端が前記水槽内の最高水位よりも上方に開口する空気管とを備え;
    前記吸込管は、前記ケーシング壁の内面との間に環状の内筒空間を形成する内筒を、前記羽根車と前記吸気口との間に有し、該内筒の上流側は前記吸気口の近傍で前記ケーシング壁の内面に接続され、該内筒は前記水の流れに沿って流路面積が小さくなる先細ノズルを形成しており、前記内筒空間は下流側で前記羽根車に対向して開放され、前記内筒の前記ケーシング壁の内面との接続部の近傍には前記内筒空間と前記流路とを連通する孔が形成されている;
    立軸ポンプ。
  2. 前記吸込管は前記ケーシング壁の内面を囲み前記空気管の一端が接続された環状の空気室を有し、前記吸気口は前記空気室と前記吸込管とを連通させるように前記空気室に沿ってスリット状に形成されている、請求項に記載の立軸ポンプ。
  3. 縦方向に配置される回転軸により回転し、水槽内の水を吸い込む羽根車と;
    前記羽根車の上流側に配置され、ケーシング壁によって形成された吸込管であって、前記ケーシング壁の内面を囲む環状の空気室を有する吸込管と;
    前記空気室に一端が接続され、他端が前記水槽内の最高水位よりも上方に開口する空気管とを備え;
    前記ケーシング壁の内面には前記環状の空気室と前記吸込管とを連通するスリット状の吸気口が形成されており;
    前記吸込管は、前記羽根車と前記吸気口との間に、前記ケーシング壁の内面との間に環状の内筒空間を形成する内筒を有し、前記内筒空間には前記内筒と前記ケーシング壁の内面とを連結する支持板が配置され、前記内筒空間は上流側で前記吸気口近傍で前記吸込管内に開放され、下流側で前記羽根車に対向して開放されている;
    立軸ポンプ。
  4. 前記吸気口には、該吸気口を跨いで前記ケーシング壁の内面を上流側と下流側とで連結する支柱が形成されている、請求項又は請求項に記載の立軸ポンプ。
  5. 縦方向に配置される回転軸により回転し、水槽内の水を吸い込む羽根車と;
    前記羽根車の上流側に配置され、ケーシング壁によって形成された吸込管とを備え;
    前記吸込管は、前記ケーシング壁の内面との間に環状の内筒空間を形成する内筒を有
    一端から前記吸込管内に空気を導入する空気管であって、他端が前記水槽内の最高水位よりも上方に開口する空気管をさらに備え;
    前記内筒空間は下流側が前記羽根車に対向して開放されており;
    前記空気管による前記吸込管への空気導入口は前記内筒内に開口している;
    立軸ポンプ。
  6. 前記吸込管はベルマウス状に形成されており、前記内筒の上流側は、前記ベルマウスに沿うように延長された、請求項に記載の立軸ポンプ。
  7. 縦方向に配置される回転軸により回転し、水槽内の水を吸い込む羽根車と;
    前記羽根車の上流側に配置され、ケーシング壁によって形成された吸込管であって、前記ケーシング壁の内面を囲む環状の空気室を有する吸込管と;
    前記空気室に一端が接続され、他端が前記水槽内の最高水位よりも上方に開口する空気管とを備え;
    前記ケーシング壁の内面には吸気口が形成されており、前記空気室は前記吸気口により前記吸込管内と連通しており;
    前記羽根車と前記吸気口との間の前記ケーシング壁の内面には、前記羽根車の回転による水の旋回を防止する平板状の旋回防止板が前記吸込管の半径方向かつ軸線方向に向けて形成されており
    前記吸気口は、前記環状の空気室に沿ってスリット状に形成され
    前記吸気口には、該吸気口を跨いで前記ケーシング壁の内面を上流側と下流側とで連結する支柱が形成されており;
    前記支柱は、先端を前記空気室内に突出させて前記空気室から前記吸込管内に向けて流れる空気を導く空気案内板を構成しており;
    前記空気案内板は、前記回転軸を中心とする半径方向に対して前記羽根車の回転方向に傾斜している
    立軸ポンプ。
  8. 縦方向に配置される回転軸により回転し、水槽内の水を吸い込む羽根車と;
    前記羽根車の上流側に配置され、ケーシング壁によって形成された吸込管であって、前記ケーシング壁の内面を囲む環状の空気室を有する吸込管と;
    前記空気室に一端が接続され、他端が前記水槽内の最高水位よりも上方に開口する空気管とを備え;
    前記ケーシング壁の内面には前記環状の空気室と前記吸込管とを連通するスリット状の吸気口が形成されており;
    前記吸気口には、先端を前記空気室内に突出させて前記空気室から前記吸込管内に向けて流れる空気を導く空気案内板が配置されており
    前記空気案内板は、前記回転軸を中心とする半径方向に対して前記羽根車の回転方向に傾斜している
    立軸ポンプ。
  9. 縦方向に配置される回転軸により回転し、水槽内の水を吸い込む羽根車と;
    前記羽根車の上流側に配置され、ケーシング壁によって形成された吸込管であって、前記ケーシング壁の内面を囲む環状の空気室を有する吸込管と;
    前記空気室に一端が接続され、他端が前記水槽内の最高水位よりも上方に開口する空気管とを備え;
    前記ケーシング壁の内面には前記環状の空気室と前記吸込管とを連通するスリット状の吸気口が吸込管の全周にわたって形成されており;
    前記吸気口と前記羽根車の間には、ケーシングトリートメントが形成され;
    前記ケーシングトリートメントは、前記吸込管のケーシング壁と該吸込管のケーシング壁の外側に配置された外ケーシングとを含んで構成され、前記吸込管のケーシング壁と外ケーシングとの間の空間は、一方が前記羽根車の入口翼端部分に開口し、他方が前記吸気口の近傍に開口した戻り流路であって、前記入口翼端部分の開口から流入した水を前記吸気口の近傍の開口から前記吸込管の中央部の本流に戻す、軸方向に長さを有する戻り流路を構成している;
    立軸ポンプ。
  10. 前記吸気口には、該吸気口を跨いで前記吸込管のケーシング壁を上流側と下流側とで連結する支柱が形成されている、請求項に記載の立軸ポンプ。
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