JP3257808B2 - 固体レーザ材料及び固体レーザ装置 - Google Patents

固体レーザ材料及び固体レーザ装置

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JP3257808B2 JP29782691A JP29782691A JP3257808B2 JP 3257808 B2 JP3257808 B2 JP 3257808B2 JP 29782691 A JP29782691 A JP 29782691A JP 29782691 A JP29782691 A JP 29782691A JP 3257808 B2 JP3257808 B2 JP 3257808B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザーダイオードを
励起源とする固体レーザ材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】YAGレーザのような固体レーザは、希
ガスアークランプを使って励起するのが一般的である
が、装置が大がかりになり、効率が悪くランプ寿命が短
いことが欠点として指摘されている。このような状況か
ら、近年、レーザーダイオードを励起源とするレーザー
ダイオード励起YAGレーザが開発され、各方面で注目
を集めている。
【0003】上記レーザーダイオード励起YAGレーザ
は、ロッド状のNd:YAG結晶の端面から励起光を照
射し、これを励起するもので、レーザーダイオードの波
長を808nm付近にあるNd:YAG結晶の強い吸収
帯に合わせて励起すると、効率が飛躍的に向上するとい
う特徴を有する。さらには、レーザーダイオードを高出
力化するとレーザーパワーが一層強力なものとなるとい
う特徴も有する。
【0004】例えば、典型的なクリプトン励起の場合、
クリプトンランプを発光させるには2kW程度の電力が
必要で、これによって得られるYAGレーザ出力は8W
程度である。したがって、電気−光変換効率は約0.4
%である。また、クリプトン励起の場合には、水冷する
必要があり、ランプ寿命は数百時間である。
【0005】これに対して、レーザーダイオード励起の
場合、レーザーダイオードを発光させるには1W程度の
電力が必要で、このときのYAGレーザ出力は60mW
程度である。したがって、電気−光変換効率は6%に達
することになる。レーザーダイオードの場合、空冷で十
分であり、寿命も数千時間である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、通常、N
d:YAG等の固体レーザ材料は、ほぼ一様な発振金属
イオンを1つのロッドまたはスラブ中に含み、それ自身
は光学的には厚板のような働きしか持ち合わせていな
い。しかしながら、上述のレーザーダイオード励起YA
Gレーザの場合のように、固体レーザ材料ロッドに励起
光等の熱源が与えられると、温度分布が生じ、これが屈
折率分布となって全体がレンズのような働きをする。
【0007】これがいわゆる熱レンズ効果であり、従来
は外部に補正用レンズを配置して共振器の安定を保つよ
うにしている。ところが、補正レンズを配置すると、補
正レンズ自身が共振器内損失を増加させてしまうため、
レーザの出力が減少する等の不都合が生じ、また十分な
補正が困難な場合が多々ある。
【0008】そこで本発明は、かかる従来の実情に鑑み
て提案されたもので、外部レンズを用いることなく熱レ
ンズ効果を解消することができ、共振器内の損失を抑制
することが可能な固体レーザ材料を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の固体レーザ材料は、端面への励起光の照
射によりレーザ光を出力するロッド状の固体レーザ材料
において、上記材料の径方向の温度分布により生じる屈
折率分布を相殺するような屈折率分布を径方向に持たせ
て構成されたことを特徴とするものである。また、本発
明の固体レーザ装置は、端面への励起光の照射によりレ
ーザ光を出力するロッド状の固体レーザ材料において、
当該材料の径方向の温度分布により生じる屈折率分布を
相殺するような屈折率分布を径方向に持たせて構成され
た固体レーザ材料と、前記固体レーザ材料の端面に励起
光を照射する励起源とを備えることを特徴とするもので
ある。
【0010】
【作用】固体レーザ材料ロッドに励起光等の熱源が与え
られると、熱レンズ効果によって屈折率分布が生じ、あ
たかもレンズのように働く。本発明においては、固体レ
ーザ材料自身がロッドの径方向に屈折率分布を有するの
で、前記熱レンズ効果による屈折率分布が相殺され、外
部レンズによる補正が不要となる。
【0011】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】先ず、本発明の固体レーザ材料が適用され
るレーザーダイオード励起YAGレーザの構成例につい
て説明する。レーザーダイオード励起YAGレーザは、
図1に示すように、Nd:YAG結晶からなるレーザー
ロッド1と、このレーザロッド1を励起するための励起
源であるレーザーダイオード2とを主な構成要素とする
ものである。そして、本例では、チタノリン酸カリウム
(KTP)等の非線形光学結晶3がYAGレーザの共振
器に組み込まれており、赤外(1064nm)で発振す
るNd:YAGレーザの波長をその半分の532nmに
変換するような構成とされている。
【0013】上記レーザーダイオード励起YAGレーザ
では、レーザーダイオード2で発生するレーザ光が、ポ
ンピング光(励起光)としてコリメータレンズ4及び集
光レンズ5を介してレーザーロッド1の端面に照射さ
れ、このレーザーロッド1を励起する。一方、レーザー
ロッド1の出力側には、1/4波長板6や出力ミラー7
が光軸上に配置されている。ここで、YAG結晶(レー
ザーロッド1)の端面は1064nmの赤外光に対して
高反射率ミラーとなっており、また出力ミラー7も赤外
光に対して高反射率を示すことから、これら2つのミラ
ーの間で赤外光に対するレーザー共振器が構成されるこ
とになる。
【0014】また、このレーザー共振器には、非線形光
学結晶3が組み込まれていることから、第2高調波(S
HG)を発生することができる。すなわち、非線形光学
結晶3として用いられるKTO結晶は、x,y,z軸方
向で異なる屈折率を持っている。そして、o軸をKTP
結晶のz軸にとり、e軸をKTP結晶のxy面内でx軸
から23〜25°付近の所定角度にとるように方位を設
定すると、第2高調波のグリーン光が発生する。したが
って、出力ミラー7を第2高調波のグリーン光をよく透
過するように設計しておけば、アルゴンイオンレーザ級
のグリーンレーザ光が得られる。
【0015】以上がレーザーダイオード励起YAGレー
ザの概略構成であるが、このレーザーダイオード励起Y
AGレーザにおいては、レーサーロッド1がレーザーダ
イオード2からのポンピング光によって加熱され、いわ
ゆる熱レンズ効果によってロッド中心で屈折率の大きい
2次曲線的屈折率分布となる。
【0016】例えば、図2は、上記レーザーロッド(N
d:YAG)1の直径を3mm、長さを5mmとし、そ
の吸収係数、熱伝導係数及び屈折率温度係数をそれぞれ
0.6mm-1、0.013W/mm・deg 、7.3×1
-6deg -1とし、且つ励起条件として開口数0.2(た
だし、空気中)で収束する一様強度分布を有するポンピ
ング光(励起光)がレーザーロッド1の端面付近で約7
00μmの直径を有し、レーザーロッド1内で発生する
総発熱量を3.5Wとしたときの、選択的励起により発
生する温度分布を数値解析により求めた結果を示したも
のである。
【0017】図2において、x軸はレーザーロッド1の
半径r(mm)を示し、y軸は入力パワーで規格化され
た温度上昇(deg/watt)を示す。各曲線は、Z軸(光
軸)に垂直な断面内の温度分布で、0.2mm毎、すな
わちZ=0(レーザーロッド1の励起側端面),0.
2,0.4,・・・・(mm)の各断面における温度分
布に対応する。この温度分布によって、固体レーザ材
料、すなわちNd:YAGの屈折率温度係数を乗じた不
均一屈折率分布がレーザーロッド1に誘起される。
【0018】有限要素法を用いて熱解析を行うと、光軸
に垂直な平面内で最大35℃の温度差が、また光軸方向
には53℃の温度差が生じ、これにより誘起される屈折
率差は、2.5×10-4及び4×10-4となる。したが
って、焦点距離が約400mmの熱レンズが発生するこ
とになる。
【0019】そこで本実施例では、上記レーザーロッド
1の中心部分の屈折率を予め小さくしておき、これを補
正することとする。レーザーロッド1の中心部分の屈折
率を小さくするには、屈折率分布レンズを作製する場合
と同様、レーザーロッド1の外側から光学的特性を損な
わない範囲で金属イオンをドープすればよい。金属イオ
ンをドープすると、イオンの種類によりドープ部分の屈
折率が変化する。したがって、イオンの種類やドープ量
を選択することにより、前記温度分布による屈折率分布
を解消し得る屈折率分布を付与することができる。
【0020】また、同様のことは、既にレーザーロッド
1内に分布している金属イオンを拡散(out diffusion
)させることによってもできる。いずれの場合にも、
前記金属イオンの濃度変化によってレーザーロッド1の
中心部の屈折率が小さくなるようにしておき、熱レンズ
効果による変化分を考慮した上で熱レンズ効果を補正す
るだけの屈折率変化Δnを与えておけば、レーザーロッ
ド1内での熱レンズ効果をキャンセルすることができ、
外部での補正を要しない。
【0021】具体的には、両面平面カットされたNd:
YAG結晶ロッドに前述の屈折率分布処理を施し、さら
に両端面にHRコートすることで、超低損失のモノリシ
ックな固体レーザ共振器を構築することが可能となる。
これまでのレーザーダイオード励起YAGレーザでは、
レーザーロッド1の端面を球面状に加工しており、加工
が難しく、表面精度も平面に比べて悪いものであるた
め、損失が非常に多かったが、この技術を使うことで平
面の加工で済むようになり、製造上のメリットも大き
い。
【0022】以上、本発明を適用した実施例について説
明してきたが、本発明がこの実施例に限定されるもので
ないことは言うまでもなく、本発明の要旨を逸脱しない
範囲で種々の変更が可能である。
【0023】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明においては、固体レーザ材料ロッドの径方向に予め熱
レンズ効果を相殺するような屈折率分布を持たせている
ので、共振器内の損失を抑制することが可能である。ま
た、本発明の固体レーザ材料においては、レーザーロッ
ドの端面を曲面に加工する必要がなく、製造する上で非
常に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザーダイオード励起YAGレーザの構成例
を示す概略斜視図である。
【図2】レーザーダイオードの励起によりレーザーロッ
ドに発生する温度分布の数値解析結果を示す特性図であ
る。
【符号の説明】
1・・・レーザーロッド(Nd:YAG) 2・・・レーザーダイオード
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−148691(JP,A) 特開 平2−146784(JP,A) 特開 昭64−82683(JP,A) 特開 昭59−227176(JP,A) 特開 平1−184886(JP,A) 特公 昭47−15055(JP,B1) 特公 昭47−9951(JP,B1) 特公 昭46−34869(JP,B1)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端面への励起光の照射によりレーザ光を
    出力するロッド状の固体レーザ材料において、当該材料の径方向の温度分布により生じる屈折率分布を
    相殺するような屈折率分布を径方向に持たせて構成され
    たことを特徴とする 固体レーザ材料。
  2. 【請求項2】 Nd:YAG結晶からなることを特徴と
    する請求項1記載の固体レーザ材料。
  3. 【請求項3】 端面への励起光の照射によりレーザ光を
    出力するロッド状の固体レーザ材料において、当該材料
    の径方向の温度分布により生じる屈折率分布を相殺する
    ような屈折率分布を径方向に持たせて構成された固体レ
    ーザ材料と、前記固体レーザ材料の端面に励起光を照射
    する励起源とを備えることを特徴とする固体レーザ装
    置。
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