JP2001077449A - モード同期固体レーザ - Google Patents

モード同期固体レーザ

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    • H01S3/00Lasers, i.e. devices using stimulated emission of electromagnetic radiation in the infrared, visible or ultraviolet wave range
    • H01S3/10Controlling the intensity, frequency, phase, polarisation or direction of the emitted radiation, e.g. switching, gating, modulating or demodulating
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    • H01S3/1112Passive mode locking
    • H01S3/1115Passive mode locking using intracavity saturable absorbers
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 共振器が単純な方法で構成され、300MH
zのパルス繰返し周波数で出力が1ワットを越える安定
したパルスレーザ光の、回折の影響がほとんど無いモー
ド同期固体レーザの提供。 【解決手段】 レーザ共振器は、共振器ミラー8と出力
結合ミラー6によって形成され、レーザ媒質1と折り返
しミラー7と可飽和吸収体9とレーザポンプ源3,4,
5,3’,4’,5’を有する。楕円状のレーザ光プロ
ファイルは、レーザ媒質の楕円状の熱レンズによって除
去され、レーザ媒質によって、折り返しミラーにより生
成されるプロファイルに対して90°ずれたプロファイ
ルを生成し、レーザ媒質の材料特性と結晶方向と幾何学
的な構造上の寸法決定によって、またレーザ媒質におけ
るポンプ光の強度及び強度分布の選択により、熱レンズ
の楕円性の度合いを調整し、可飽和吸収体の被照射領域
上において、エネルギ密度の分布が可能な限り最も均一
に起こるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザキャビティ
すなわちレーザ共振器内にレーザ媒質を含むモード同期
固体レーザに関するものであり、このレーザ共振器は、
キャビティミラーすなわち共振器ミラーおよび出力結合
ミラーによって形成され、また少なくとも1つの凹面折
り返しミラーによって折り返しが行われ、レーザ共振器
内に可飽和吸収体を有し、更に、少なくとも1つのレー
ザポンプ源を有し、このレーザポンプ源のポンプビーム
によって、レーザ媒質のポンピングが行われる。ここ
で、細長い共振器の長さLは、パルス繰り返し周波数の
関数であり、このパルス繰り返し周波数は、共振器ミラ
ーおよび出力結合ミラーの間の距離によって決定され
る。
【0002】
【従来の技術】モード同期固体レーザには、通常、長い
共振器が必要である。繰り返し周波数vは、次のよく知
られた式によって、共振器の長さLから求められる。
【0003】v=c/(2・n・L)、 ここで、cは、光の速度であり、nは、屈折率である。
代表的な周波数は、50MHz乃至300MHzであ
り、共振器の長さは、例えば、約3m乃至0.5mとな
る。構造上の長さを短くし、十分な安定性を得るため
に、これらの共振器では、通常、折り返しが行なわれな
ければならない。折り返しが行なわれる場合、球面に対
して光線が斜めに入射することによって非点収差が起こ
り、その結果、レーザビームの質は、かなり低下する。
【0004】更に、レーザビームの質は、いわゆる熱レ
ンズによって低下する。レーザ共振器における熱レンズ
の効果および従来型の補償に関しては、W.ケックナー
(W.Koechner)による、“固体レーザ工
学”、シュプリンガー出版、1996年、において説明
されている。熱レンズの補償には、球面状の光学要素を
用いたり、あるいは、その活性媒質に対応した寸法にす
る必要がある。
【0005】モード同期を行うためには、TEM00およ
びM2〜1のレーザ光が必要である。モード同期レーザ
用の代表的な共振器は、ケラー・U(Keller、
U)による“超高速全固体レーザ技術”応用物理学B、
58、347−363(1994年)または、ケラー・
UおよびT・Heng Chiu(T・ヘン チュー)
“による“共振受動モード同期Nd:YLFレーザ”Q
Eの第28刊、IEEEJ、1710−1720(19
92年)に述べられている。これらの文献に述べられて
いる共振器の場合、受動可飽和吸収体は、通常、高い光
強度を有するキャビティ内の焦点位置に配置されてい
る。このことは、短い焦点距離の集光ミラーによって、
あるいは集光レンズによって実現される。この活性スポ
ットは、小さく抑えられている(φ50乃至200μ
m)。フェムト秒の範囲でパルス幅をより小さくするた
めには、このような小さなスポットが必要である。
【0006】実際には、この文献には、市販の可飽和吸
収体は均一性に乏しく、このため、その機能を完全に果
たすのは、可飽和吸収体要素の表面の内、比較的わずか
な部分だけであることも指摘されている。従って、小さ
な焦点(200μm未満)は、可飽和吸収体において
は、好都合であるが、このことによって、レーザの出力
は制限されてしまう。
【0007】折り返しを有する共振器の非点収差および
レーザ媒質における熱レンズの影響によって、レーザ媒
質においてほぼ均一に集束されたレーザ光を実現するた
めには、小さな断面を有するレーザ光(例えば、50μ
m)しか用いることができない。従って、半導体をベー
スにした可飽和吸収体を用いてなされる受動モード同期
は、従来、平均出力が比較的低い場合(<1W)に限ら
れていた。この種の半導体材料がレーザ破壊を起こす閾
値は、通常、1MW/cm2乃至10MW/cm2(C
W)の範囲である。可飽和吸収および残りの部分の残留
吸収によって、この値は、更に大幅に低下するため、共
振器の設計において考慮されなければならない。このた
め、可飽和吸収体における出力密度および/または出力
分布を小さくするために数多くの提案が成されてきた。
【0008】ニハン(Nighan)による独国特許第
19680508号には、平均の出力値をより高くする
ためにダイオードポンピング式の固体レーザが開示され
ており、この固体レーザおいては、レーザ共振器におけ
るレーザ光導波は、共振器ミラーからレーザ媒質に至る
レーザ光束が共焦点状でも同心円状でもないように調整
されている(5ページ、20行ff“共焦点状および同
心円状の間”あるいは“共焦点状から同心円状”または
“ほぼ共焦点状”(12ページ、25行))。この場
合、共焦点型共振器の折り返しおよび熱レンズの影響に
よって、ビームの変形が生じる。この装置は、共振器の
幾何学的構造が必然的に熱レンズによって決定されるた
め、受動モード同期には適していない。
【0009】カフカ(Kafka)による米国特許第
5,812,380号には、増幅器を有するモード同期
レーザが開示されている。この装置の顕著な特徴は、レ
ーザ結晶体が折り返しミラーの直前に配置されており、
折り返しミラーによってポンピングされることである。
共振器の光軸は、光ポンプによって励起される領域にお
いて結晶体を二度横切る。光軸の2つの部分が成す角度
は、レーザ媒質の寸法が限られているため、比較的小さ
い。しかしながら、角度が小さいために、非点収差が比
較的に小さく抑えられているが、共振器の幾何学的な構
造設計には、厳しい制限が伴う。この平均出力は、ポン
プの幾何学的構造によって制限される。量子井戸を有す
る半導体をベースにした受動可飽和吸収体は、モード同
期体として示されており、同時に、共振器ミラーとして
の働きをする。この装置は、レーザ結晶体の幾何学的構
造のために、比較的小さな折り返し角度しか得られない
ことが不利な点である。
【0010】シャノン(Shannon)による米国特
許第5,237,584号には、同じ様な装置が述べら
れているが、この装置は複数の結晶体を有している。こ
の場合もまた、レーザ光の質は、レーザ結晶体および複
数のキャビティ内の面を介して複数回の折り返しが行わ
れているため、キャビディ内のTEM00およびM2〜1
を有するレーザ光束からは程遠く、このため、高出力で
のモード同期には適していない。
【0011】ニハン(Nighan)による国際出願特
許第98/02945号には、Qスイッチを有するNd
−バナデート・レーザが開示されている。この問題の解
決手段として、単一折り返し式の共振器が用いられてい
る。この折り返しは、平面ミラーを介して行われてお
り、ポンプ光は、共振器の光軸に沿って放射される。非
点収差を最低限に抑えるために、折り返しミラーは平面
状にしてある。この非常に短い共振器(18cm)にお
いては、、モード同期体を配置したり、あるいは、受動
吸収体を飽和させるために、パルスエネルギをこれに対
応して調整することが不可能であるため、この装置はモ
ード同期には適していない。
【0012】カイルステッド(Keirstaed)に
よる国際出願特許95/21479には、主にNd:Y
VO4結晶体用として熱レンズの楕円率を小さくする方
法が示されている。このことは、ヒートシンクの寸法を
確実に必要な大きさにし、また、この結晶体の異方性を
利用することによって、実現されている。この装置の不
利な点は、レーザ放射に変換されないポンプ光の熱は、
この結晶体の2つの面に沿ってしかうまく逃げないこと
である。従って、レーザ結晶体は効果的に冷却されず、
このため、特にレーザの出力が高くなった場合、効率が
損なわれることになる。熱レンズの半径方向の対称性
は、非点収差が生じない線形の共振器に適している。た
だし、レーザ光の質に対するポンプ光の分布の影響は、
ヒートシンクの影響よりも明らかに大きいことが確認さ
れている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、モー
ド同期固体レーザを提供することであり、この固体レー
ザのレーザ共振器が特に単純な方法で構成され、またT
EM00およびM2=1のレーザ光パラメータをできるだ
けそれに近い近似値で、より簡単にあるいはより簡単な
手順で達成し、そのパルス化された出力放射光が可能な
限り100%安定するモード同期固体レーザを提供する
ことである。更に本発明の目的は、モード同期固体レー
ザを提供することに加えて、特に50MHzおよび30
0MHzの間のパルス繰り返し周波数を有し、特に0.
1および100ピコ秒の間のパルス幅を有し、より安定
した振幅を有し、特に1ワットを越える出力を有し、回
折がほとんど制限されたレーザ光を有するレーザ共振器
を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、レーザ共振器
内にレーザ媒質を含むモード同期固体レーザに関するも
のであり、このレーザ共振器は、共振器ミラーおよび出
力結合ミラーによって形成され、また少なくとも1つの
凹面折り返しミラーによって折り返しが行われ、前記レ
ーザ共振器内に可飽和吸収体を有し、更に、少なくとも
1つのレーザポンプ源を有し、このレーザポンプ源のポ
ンプ光によって、前記レーザ媒質のポンピングが行われ
る。このレーザにおいては、細長い共振器の長さLは、
パルス繰り返し周波数の関数であり、このパルス繰り返
し周波数は、共振器ミラーおよび出力結合ミラー間の距
離によって決まる。
【0015】本発明の特徴は、前記レーザ共振器の折り
返された光軸に対して、前記少なくとも1つの凹面状折
り返しミラーの光軸が傾くことによって生じる前記レー
ザ共振器内における楕円状のレーザ光のプロファイル
が、前記レーザ媒質中における楕円状の熱レンズによっ
て除去され、前記レーザ媒質の光学的作用によって、前
記折り返しミラーによって生成される前記楕円状のレー
ザ光のプロファイルに対して90°ずれたレーザ光のプ
ロファイルの楕円性を生成することである。ここで、前
記レーザ媒質の材料特性、結晶学的な方向、および幾何
学的な構造上の寸法決定によって、また、レーザ媒質に
おける前記ポンプ光の強度および強度分布を選択するこ
とによって、前記熱レンズの楕円性の度合いを調整し、
可飽和吸収体の被照射領域上において、エネルギ密度の
分布が可能な限り最も均一に起こるようにしてある。
【0016】折り返しミラーの非点収差のこのような補
償は、熱レンズの非点収差によって行われるが、このこ
とは、以下に述べる幾何学的境界条件を満たす場合、特
に簡単な方法で実現される。折り返しミラーの曲率半径
Rは、共振器の光路に対する熱レンズの影響を最低限に
抑えるために、焦点距離fの絶対値に関係なく、熱レン
ズの平均焦点距離の0.5倍から2倍の範囲にあるのが
好ましい。特に、折り返しミラーの曲率半径Rは、熱レ
ンズの平均焦点距離fの値とほぼ等しくする。
【0017】このように寸法を決めることによって、折
り返しミラーがレーザ光を変形しようとする作用と熱レ
ンズとによって互いの補償を行うため、熱レンズは、共
振器のレーザ光経路にほとんど影響を及ぼさなくなる。
更に、凹面状の折り返しミラーの曲率半径Rが、L/2
と2*Lの間の値をとる場合、特に、曲率半径Rが、レ
ーザ共振器の長さLとほぼ等しくなる場合に有利であ
る。こういった目的のために、この折り返しミラーは、
細長い共振器の長さL内に配置され、長さl1を有する
第1の共振器の分岐と長さl2の第2の共振器の分岐を
形成し、前記レーザ媒質は、熱レンズと共にその中に配
置する。
【0018】例えば、パルス繰り返し周波数が160M
Hzの場合、共振器の長さLは、約93cmであり、折
り返しミラーの半径Rは約75cmである。熱レンズの
平均焦点距離fは、60cmより長くなければならず、
例えば、約80cmである。
【0019】レーザ光の変形(非点収差)を補償する場
合、決められた大きさでこれらの長さが互いに合うよう
にすると、すなわち、l2はl1より大きく、l1+l2
Lとするとさらに都合が良い。特に、l2はl1より2倍
乃至3倍大きい。
【0020】可飽和吸収体の荷電担体の寿命時間内に、
可飽和吸収体が一度飽和状態になるように、すなわち単
一のパルスが生成されるように、可飽和吸収体の表面で
エネルギ密度を調整しなければならない。このことは実
現可能であるが、その理由は以下による。折り返しミラ
ーの所定の半径R、および所定の共振器の長さLが与え
られている場合、折り返しミラーと共振器ミラー間の距
離は、長さを一度変えれば調整できるからである。この
長さは、可飽和吸収体上の被照射領域(スポット)の大
きさを調整できるように変更する。この調整は、可飽和
吸収体に入射する放射光の出力に応じて、可飽和吸収体
の電荷担体の寿命時間内に、可飽和吸収体を一度飽和さ
せるためのあるエネルギ密度が実現できるように行うも
のである。ここで、前記細長い共振器の長さLは、折り
返しミラーと出力結合ミラー間の長さを更に変えること
によって保持する。
【0021】可飽和吸収体上の被照射領域の直径は、2
00μmより大きいと都合が良い。これによって、エネ
ルギ密度は、レーザ出力が高い場合でさえ、可飽和吸収
体の破壊閾値を間違いなく下回ることが保証される。
【0022】本発明の利点となる構成は、折り返しミラ
ーによって、共振器の光軸の折り返し角度βが、折り返
し面で5°から45°の間に調整されている場合に実現
される。レーザ共振器が有する小体積の構造は、以下の
ように実現される。
【0023】可飽和吸収体は、共振器ミラーから距離l
4の位置に配置されており、この距離l4は、l1/10
より短い。共振器ミラーに入射するレーザ光のプロファ
イルは、可飽和吸収体に入射するレーザ光のプロファイ
ルとほとんど同じである。各構成部分は、分離配置され
ているため、それぞれ独立に製造して、レーザ共振器に
おいて調整することが可能である。
【0024】可飽和吸収体が共振器ミラー上に配置され
ると、特に好都合である。しかしながら、このことは、
この種の共振器ミラーに対応した製造技術に関する習熟
度が十分なレベルとなり、また、この種の構成要素群に
よって高出力のパルスレーザが充分に良い状態で放射さ
れる場合に限り可能である。このことは、単一量子層
(単一量子井戸)から成る可飽和吸収体を、共振器ミラ
ー上に配置することによって実現される。
【0025】更に、可飽和吸収体の飽和吸収作用のため
に、自由空間(空気)に接する可飽和吸収体の少なくと
も1つの光学面に、反射防止膜を設けると都合が良い。
レーザポンプ源は、1つ以上のレーザダイオードで形成
されており、このレーザダイオードは、光結合部を介し
て前記レーザ媒質と光学的に結合されている。また、こ
れに対応して熱レンズの形状に作用を及ぼすために、光
学ポンプに非点収差光学系を備え付けることもできる。
【0026】機器の設計に対して利点をもたらす配置
は、各々の場合において、前記レーザダイオードと前記
光結合部との間に光伝送用ファイバ結合部を設けること
である。
【0027】共振器ミラーは、金属製ミラーまたは誘電
体製のミラーであり、特に、ブラッグ反射器である。レ
ーザ媒質が有する各端面の表面の法線は、反射による干
渉を防止するために、レーザ共振器の光軸に対して、0
°と5°の間の小さい角度になるようにすると好都合で
ある。
【0028】特にレーザ共振器の構造を小型すること
は、このレーザ共振器を、更に、もう1つ乃至2つの入
力結合ミラーで、もう1度乃至2度の折り返しを行い、
このもう1つ乃至2つのレーザポンプ源によって、入力
結合ミラーを介し、そのポンプ光で端面においてレーザ
媒質のポンピングを行うことによって実現される。この
折り返しは、角度γで、特にβと等しい角度で行う。レ
ーザ媒質の端部にそれぞれ1つのポンプ源を置くと、熱
レンズの形状の調整を非常に都合良く行うことができ
る。レーザ媒質におけるポンプ光の分布は、z方向にお
いてほぼ均一である。熱レンズの成形は厳密なものでは
なく、その焦点距離は、比較的に大きくなるように調整
することができ、これによって、かなり高いレーザ出力
が得られる。
【0029】可飽和吸収体は、レーザ媒質の端面と入力
結合ミラーによって画成されるレーザ光路の外側に配置
される。すなわち、入力結合ミラーは、レーザ媒質の端
面から距離l3/2より近い位置に配置される。
【0030】もう1つの可能性としては、レーザ媒質を
側面からポンピングすることであるが、ここでは、楕円
状の熱レンズと反転分布は、複数のレーザポンプ源の放
射をレーザ媒質の外周面に沿って分散配置することによ
って調整可能である。
【0031】更に、可飽和吸収体上での強度分布の微調
整を行う場合、レーザ共振器の光軸に対して、ポンプ光
の光軸を傾けるが、この傾きは、0度の位置(端面ポン
ピング)あるいは90度の位置(サイドポンピング)か
ら出発して、y−z面および/またはx−z面内におい
て、角度αが0°より大きく5°より小さい範囲であ
る。ここでは、特に、熱レンズの楕円性は、この傾きに
よって微調整することが可能である。このような微調整
の結果、不具合を起こさないモード同期が実現できるよ
うに、可飽和吸収体上のスポットに作用を及ぼすことが
可能となる。レーザ結晶体の反転分布は、ポンプ光の光
軸の傾きによって調整可能であり、これによって、受動
モード同期装置上に、均一な活性スポットの整合が起こ
り、4Wを越える出力を得ることができる。
【0032】従って、受動モード同期で動作するダイオ
ードポンピングされるモード同期固体レーザの平均出力
を大きくするためには、大きくて均一な直径を有する活
性レーザ光がモード同期装置に必要であり、このこと
は、本発明の特徴によって実現することができる。この
ことを実現するためには、上述したように、高出力で一
定の光パラメータを有するパルスレーザ光を生成するた
めに、レーザ光路の折り返しから生じるレーザ光の不均
一性、熱レンズの効果、およびポンプ光の分布によるレ
ーザ媒質中での反転分布を都合良く利用するように、レ
ーザ共振器を構成し、最適化を行わなければならない。
しかしながら、同様に、可飽和吸収体自体も十分に均一
なものでなければならない。
【0033】レーザ媒質の端面と可飽和吸収体の間にあ
るレーザ光路に配置されたモード絞りによって、所望の
モード分布、特に、TEM00モードのレーザ光が生成さ
れる。
【0034】前述の条件を考慮した上で、出力結合ミラ
ーだけを第1の共振器の分岐に配置し、熱レンズを有す
るレーザ媒質、可飽和吸収体および共振器ミラーを、折
り返しミラーから連続して延びる第2の共振器の分岐に
配置する構造は好都合である。この場合、レーザ媒質か
ら共振器ミラーまでの距離l3は、l1より短く、特に、
3は、l1の2分の1から3分の1の長さである。可飽
和吸収体上のスポットの大きさは、距離Δl2を変える
ことによって調整される。また、出力結合ミラーは、Δ
1によって調整し、共振器の長さLを保持する。もう
1つの方法としては、折り返しミラーもまた、Δlによ
って移動できようにしておき、出力結合ミラーまたは共
振器ミラーを調整する。
【0035】もう1つの変形例において、可飽和吸収体
および共振器ミラーを、折り返しミラーから連続的に延
びる第1の共振器の分岐に配置し、熱レンズを有するレ
ーザ媒質および出力結合ミラーを折り返しミラーから延
びる第2の共振器の分岐に配置する。この場合もまた、
可飽和吸収体上のスポットの大きさは、ミラーを移動す
ることによって調整することができる。ここでは、長さ
の比率が変わるため、異なる尺度比が用いられている。
【0036】前述の共振器の幾何学的構造は、例として
呈示されていることに特に留意されたい。本発明の原理
はまた、特に、レーザ共振器内に複数の球面状の折り返
しミラーを有するレーザ共振器、および/または、複数
のレーザ媒質を含むレーザ共振器、および/または、そ
の個々の構成要素が互いに異なる距離の比率を有してい
るレーザ共振器にも適用することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照して本発明の説
明を行う。図1は、一例として、モード結合される固体
レーザの構造を示す図である。レーザ媒質1は、レーザ
ダイオード3および3’によって、2つの側面2および
2’からポンピングされる。レーザダイオード3と3’
は、光伝送ファイバ結合部4と4’を介して、光学ポン
プ5と5’とそれぞれ接続されている。光学ポンプ5、
5’は、レーザ媒質1において、円錐状に光を集光する
集光器を構成している。出力密度は、レーザ動作上、最
適な条件を達成できるように、すなわち、レーザの総合
光学効率が30%を越えるように調整されている。レー
ザ媒質1は、例えば、Nd:YAG、Nd:YVO4
Nd:YLFまたはYAIO3等の結晶体を用いること
ができる。レーザダイオードのポンプの波長は、この結
晶体の吸収に対応するように合わせてある。レーザ共振
器は、出力結合ミラー6、半径Rを有する球面状の折り
返しミラー7、および99.9%平面共振器ミラー8に
よって形成されている。これらの構成要素によって、共
振器の長さLが与えられが、この共振器の長さLは、構
成要素間の個々の距離から生じるものであり、L=l1
+l2となる。共振器の折り返しは、y−z面におい
て、角度βで、折り返しミラー7によって行われる。こ
の共振器ミラー8は、レーザ媒質1から距離l3の位置
にある。
【0038】可飽和吸収体9は、レーザ媒質1と共振器
ミラー8の間に、共振器ミラー8から距離l4の位置に
配置されており、モード絞り10は、この可飽和吸収体
9とレーザ媒質の間に配置するのが好ましい。
【0039】この例において、可飽和吸収体9は、レー
ザ波長に対して透明性を有する基板上に配置されている
単一量子層である。飽和吸収体9のレーザ共振器の空間
との境界面には、各々反射防止膜が設けられている。こ
の膜は、レーザ共振器の空間を満たしている空気や窒素
などの媒質に適合させてある。
【0040】可飽和吸収体9は、モード同期を支障なく
行うことができるように、共振器ミラー8の前、距離l
4の位置に配置されている。これは、単一の量子層にお
いて、レーザ波長λLの強度が最大である場合の例であ
る。可飽和吸収体9は、レーザ結晶体1より共振器ミラ
ー8の近くに配置されている。
【0041】球面状の折り返しミラー7によって、共振
器において非点収差が生じ、レーザ光に楕円性が与えら
れる。この楕円性の程度は、半径Rおよび折り返し角度
βに依存する(コッヘル・W(Koecher,W)、
固定レーザ工学、第4版、第1巻、ベルリン、シュプリ
ンガー出版、1996年)。この場合、折り返し角度β
は15°である。図1において、折り返しミラーによっ
て生成されるx−y面に関するレーザ光プロファイルの
形状を、折り返しミラー7の位置に概略的に示す。
【0042】図1に示す例において、レーザ媒質1のポ
ンピングは、横から、すなわち、レーザ光の光軸12に
対して90度の角度で行われる。このようにすることに
よって、共振器の方向(z方向)およびそれに対して垂
直な方向(x−y面)においてレーザ媒質1の長さ上に
延びた平均焦点距離fを有する熱レンズ11の形状によ
り、レーザの光路において、更に非点収差が生じる。図
1に基づく例において、この熱レンズ11は、光学要素
として破線で示してあり、平均屈折率fで決定される。
xおよびy方向における屈折率の違いによってもたらさ
れる熱レンズ11によるレーザ光のプロファイルの変形
は、熱レンズ11に対して概略的に示してある。
【0043】本発明によれば、折り返しミラー7による
非点収差および熱レンズ11による非点収差は、可飽和
吸収体9のx−y面において、レーザ光のプロファイル
が円状になるように組合される。この例においては、ポ
ンプ光が、y−z面においてレーザ媒質を透過すれば十
分であり、これによって、Nd:YVO4などの異方性
材料を用いた場合、この位置に示される楕円状のレーザ
光プロファイルになる。
【0044】x方向およびy方向における材料の異方性
を意図的に利用して、熱レンズ11の楕円性を減じた
り、あるいは、大きくしたりすることができる。この例
において、共振器の長さLは、折り返しミラー7の半径
Rとほぼ等しく、これらの長さは、熱レンズ11の平均
焦点距離fに相当する。例えば、パルス繰り返し周波数
が約214MHzの場合、共振器の長さLは、770m
mであり、折り返しミラーの半径Rは、700mmであ
り、また、熱レンズの平均焦点距離fは、700mmで
ある。これらの長さは、次のように選択されている。す
なわち、l1=250mm、l2=550mm、l3=1
00mmおよびl4=30mmである。
【0045】本発明のもう1つの重要な特徴は、折り返
しミラー7を用いて、距離Δlをz方向に変えることに
よって、一方で、受動的なモード結合のために、可飽和
吸収体9が機能するために必要な出力密度を実現するよ
うに、また他方で、この出力密度が可飽和吸収体9の破
壊閾値を間違いなく下回るように、可飽和吸収体9にお
ける円形状のレーザ光プロファイルの大きさを調整でき
ることである。この距離Δlの変更に関連した可飽和吸
収体9におけるスポット径の調整は、レーザ共振器の全
長Lを維持しつつ、折り返しミラー7によって行われ
る。この場合、出力結合ミラー6および共振器ミラー8
も移動できるように配置されており、対応する長さの補
償は、Δl1およびΔl2によって調整することが可能で
ある。レーザ共振器がモード同期された状況における単
一パルスは、そのパルスの寿命内に、受動的な可飽和吸
収体を一度飽和するために十分なエネルギを有していな
ければならない。
【0046】レーザにとって望ましい平均出力に基づい
て、可飽和吸収体9におけるレーザ光の直径(活性スポ
ット)が調整されるが、この調整は、可飽和吸収体9の
z方向における位置決め、および、それに伴う定在波レ
ーザ光が有する波長の強度分布との関連において、必要
な出力密度を達成するのに充分な程度に実施される。こ
の例において、レーザ光の直径は、430μmである。
可飽和吸収体上において、このスポットの真円からのズ
レは、2mm未満である。
【0047】レーザ共振器をこのように調整した後、レ
ーザ共振器において受動モード結合の微調整を行う。こ
の微調整とは、レーザ結晶体におけるポンプ光の放射出
力を意図的に分布させることによって、熱レンズの形状
を変えることである。図1による例において、エネルギ
分布の調整は、レーザ媒質1の側面周辺におけるポンプ
光の放射分布を用いて、ポンプ光源、すなわち、この例
の場合、レーザダイオードの光出力を調整することによ
って行われ、またレーザ媒質1におけるポンプ光の放射
方向13、13’をz軸および/またはx軸に対して9
0°角度をずらすことによって行なわれる。可飽和吸収
体9は、熱レンズの変化が可飽和吸収体9上のスポット
における出力分布に対して効果的に作用するように、共
振器ミラー8の比較的近くに配置されている。正確な調
整を維持する際に伴う困難をなくすために、可飽和吸収
体9を直接、共振器ミラー8の上に、すなわちl4=0
の位置に配置することも可能である。
【0048】更に、レーザ光の回折を確実に制限するた
めに、モード絞り10が、レーザ共振器のレーザ媒質1
と可飽和吸収体9の間に含まれている。共振器自体は、
主に基本モードだけが発振し始めるように構成されてい
る。出力結合ミラー6において、真円からのズレが+/
−8μmである300μmの平均直径を有するレーザ光
を得ることができる。
【0049】図2は、そのレーザ媒質1が端面15、1
5’から2つの側面上でポンピングされているレーザ共
振器を示す図である。同じ参照番号は、図1に示す同じ
構成要素を表している。光学ポンプ5および5’からの
ポンプ光は、入力結合ミラー14および14’を介し
て、レーザ媒質の端部に集光される。ポンプ光の集束の
度合い、および光軸12に対するその放射方向の角度α
の傾きは、レーザ媒質1内にある熱レンズ11のプロフ
ァイルの形状に影響を及ぼす。
【0050】円錐状のポンプ光は、従来技術のように、
共振器の光軸に完全に沿って放射されず、代わりに、光
軸12に対する角度α、α’で放射される。レーザ媒質
1における共通のポンプスポットは、明らかな楕円特性
を有する。折り返しミラー7による共振器の非点収差
は、図1で述べたように、最小化したり、あるいは補償
したりすることができ、そうすることで可飽和吸収体9
における強度分布を最適化することができる。更に、こ
れに対応するように、光学ポンプ5、5’には、非点収
差光学系を備え付けることができ、これによって、熱レ
ンズの形状に作用を及ぼすことができる。更に、この構
成には、レーザ媒質を4つの側面全てで冷却することが
でき、これによって、最適な熱伝導を保証することがで
きるという利点がある。
【0051】図3は、一側面において端面ポンピングさ
れるレーザ媒質1を示す拡大図である。図3の参照番号
は、図1および図2と同じ構成部分を表している。同図
に示す入力結合ミラー14は、ポンプ光用の平面平行板
または平行な側面を有する板としての役割を果たし、ポ
ンプ光の光軸13に対して平行なオフセットを生成す
る。図3に、y−z面において角度αだけレーザ光の光
軸12に対して傾いている光軸13を示す。但し、この
傾きは、x−z面において追加的にあるいは単独に実現
することも可能である。
【0052】この傾きの目的は、可飽和吸収体に入射す
るレーザ光の光特性の平衡状態を高精度で実現すること
であり、この結果、可能な限り一定の振幅、パルス幅お
よび繰り返しレートを有する単一のパルスを発する障害
のないモード同期が実現される。
【0053】図4は、共振器の設計を示す図であり、こ
の構造は、図3で述べた構造に基づくものである。ただ
し、この場合、出力結合ミラー6、可飽和吸収体9を有
する共振器ミラー8およびモード絞り10の取り付け位
置を入れ替えてある。この構成によっても、可飽和吸収
体上でのスポットの大きさは、共振器の長さLを保ちつ
つ、距離Δl、Δl1および/またはΔl2を変えること
によって調整することができる。
【0054】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、モー
ド同期固体レーザのレーザ共振器を単純な方法で構成す
ることができ、またTEM00およびM2=1のレーザ光
パラメータがこれに近い近似値で、より簡単にあるいは
より簡単な手順で実現できる。また、そのパルス出力放
射光は、ほぼ100%安定する。さらに、最大300M
Hzのパルス繰り返し周波数を有することが可能とな
り、これにより0.1ピコ秒のパルス幅を得ることがで
きる。また、安定した振幅を有し、特に4ワット程度の
出力を実現することが可能となり、さらに回折の影響を
ほとんど受けないレーザ共振器を有するモード同期固体
レーザを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 側面からポンピングされるモード同期固体レ
ーザを示す図である。
【図2】 2つの側面から端面ポンピングされるモード
同期固体レーザを示す図である。
【図3】 1つの側面で端面ポンピングされるレーザ媒
質を示す図である。
【図4】 2つの側面から端面ポンピングされるモード
同期固体レーザのもう1つの構造を示す図である。
【符号の説明】
1…レーザ媒質、3、4、5、3’、4’、5’…レー
ザポンプ源、6…出力結合ミラー、7…折り返しミラ
ー、8…共振器ミラー、9…可飽和吸収体、11…熱レ
ンズ、12…光軸

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ共振器内にレーザ媒質(1)を含
    み、レーザ共振器は、共振器ミラー(8)と出力結合ミ
    ラー(6)によって形成され、また少なくとも1つの凹
    面状の折り返しミラー(7)によって折り返しが行わ
    れ、レーザ共振器内に可飽和吸収体(9)と少なくとも
    1つのレーザポンプ源(3、4、5、3’、4’、
    5’)を有し、このレーザポンプ源のポンプ光によっ
    て、レーザ媒質(1)のポンピングが行われ、細長い共
    振器の長さLは、パルス繰り返し周波数の関数であり、
    前記パルス繰り返し周波数は、共振器ミラー(8)と出
    力結合ミラー(6)との間の距離によって決定されるモ
    ード同期固体レーザであって、 レーザ共振器の折り返された光軸(12)に対する少な
    くとも1つの凹面折り返しミラー(7)の光軸の傾きに
    よって生じるレーザ共振器内の楕円状のレーザ光プロフ
    ァイルが、レーザ媒質(1)の楕円状の熱レンズ(1
    1)によって除去され、このレーザ媒質(1)の光学的
    な作用によって、折り返しミラー(7)によって生成さ
    れる楕円状のレーザ光プロファイルに対して90°ずれ
    たレーザ光のプロファイルの楕円性を生成し、 レーザ媒質(1)の材料の特性、結晶学的な方向および
    幾何学的な構造上の寸法決定によって、またレーザ媒質
    (1)におけるポンプ光の強度および強度分布を選択す
    ることによって、熱レンズ(11)の楕円性の度合いを
    調整し、可飽和吸収体(9)の被照射領域上において、
    エネルギ密度の分布が可能な限り最も均一に起こるよう
    にしてあることを特徴とするモード同期固体レーザ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のモード同期固体レーザ
    であって、 折り返しミラー(7)の曲率半径Rは、熱レンズ(1
    1)の平均焦点距離の0.5倍から2倍の範囲にあるこ
    とを特徴とするモード同期固体レーザ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のモード同期固体レーザ
    であって、 凹面状の折り返しミラー(7)の曲率半径Rが、L/2
    と2*Lの間の値をとり、特に、曲率半径Rが、レーザ
    共振器の長さLとほぼ等しく、折り返しミラー(7)
    は、細長い共振器の長さL内に配置され、長さl1を有
    する第1の共振器の分岐と長さl2を有する第2の分岐
    を形成し、またレーザ媒質(1)は、熱レンズ(11)
    と共にその中に配置され、 前記距離は、l1+l2=Lとl2>l1により決められ、
    特に、l2はl1より2倍乃至3倍大きいことを特徴とす
    るモード同期固体レーザ。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のモード同期固体レーザ
    であって、 折り返しミラー(7)と共振器ミラー(8)間の距離
    は、長さ(−/+△l2または−/+△l1)を一度変え
    ることにより調整でき、前記長さは、可飽和吸収体
    (9)上の被照射領域(スポット)の大きさを調整でき
    るように変えられ、前記調整は、可飽和吸収体に入射す
    る放射光の出力に応じて、可飽和吸収体の電荷担体の寿
    命時間内に、可飽和吸収体(9)を一度飽和させるため
    のエネルギ密度が実現できるように行なわれ、 前記細長い共振器の長さLは、折り返しミラー(7)と
    出力結合ミラー(6)間の長さ(−/+△l2または−
    /+△l1)を更に変えることによって保持されること
    を特徴とするモード同期固体レーザ。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のモード同期固体レーザ
    であって、 可飽和吸収体(9)上の前記被照射領域(スポット)の
    直径は、200μmより大きいことを特徴とするモード
    同期固体レーザ。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれかに記載のモー
    ド同期固体レーザであって、 折り返しミラー(7)によって、前記共振器の光軸(1
    2)の折り返し角度βが、折り返し面(y−z面)にお
    いて、5°から45°の間に調整されていることを特徴
    とするモード同期固体レーザ。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれかに記載のモー
    ド同期固体レーザであって、 可飽和吸収体(9)は、共振器ミラー(8)から距離l
    4の位置に配置されており、距離l4は、l1/10より
    短いことを特徴とするモード同期固体レーザ。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のモード同期固体レーザ
    であって、 可飽和吸収体(9)は、共振器ミラー(8)上に配置さ
    れていることを特徴とするモード同期固体レーザ。
  9. 【請求項9】 請求項7または8に記載のモード同期固
    体レーザであって、 可飽和吸収体(9)は、単一の量子層(単一量子井戸)
    を含むことを特徴とするモード同期固体レーザ。
  10. 【請求項10】 請求項7、8または9に記載のモード
    同期固体レーザであって、 自由空間(空気)に接する可飽和吸収体(9)の少なく
    とも1つの光学面には、反射防止膜が設けてあることを
    特徴とするモード同期固体レーザ。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載のモード同期固体レー
    ザであって、 前記レーザポンプ源は、1つ以上のレーザダイオード
    (3、3‘)で形成され、前記レーザダイオードは、光
    結合部(5,5’)を介してレーザ媒質(1)と光学的
    に結合されていることを特徴とするモード同期固体レー
    ザ。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載のモード同期固体レー
    ザであって、 光伝送用ファイバ結合部(4,4‘)は、レーザダイオ
    ード(3、3‘)と光結合部(5,5’)との間に各々
    設けられることを特徴とするモード同期固体レーザ。
  13. 【請求項13】 請求項1または6または7に記載のモ
    ード同期固体レーザであって、 共振器ミラー(8)は、金属製ミラーまたは誘電体製の
    ミラーであり、特に、ブラッグ反射器であることを特徴
    とするモード同期固体レーザ。
  14. 【請求項14】 請求項1に記載のモード同期固体レー
    ザであって、 レーザ媒質(1)が有する各端面(15,15‘)の表
    面の法線は、レーザ共振器の光軸に対して、0°と5°
    の間の角度で延在していることを特徴とするモード同期
    固体レーザ。
  15. 【請求項15】 請求項1に記載のモード同期固体レー
    ザであって、 前記レーザ共振器は、更にもう1つあるいは2つの入力
    結合ミラー(14,14‘)によって、もう1度あるい
    は2度の折り返しが行なわれ、またもう1つあるいは2
    つのレーザポンプ源によって、入力結合ミラー(14,
    14‘)を介し、その(それらの)ポンプ光で前記端面
    においてレーザ媒質(1)のポンピングを行うことを特
    徴とするモード同期固体レーザ。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載のモード同期固体レ
    ーザであって、 可飽和吸収体(9)は、レーザ媒質(1)の端面(1
    5)と入力結合ミラー(14)によって画成されるレー
    ザ光路の外側に配置されることを特徴とするモード同期
    固体レーザ。
  17. 【請求項17】 請求項1に記載のモード同期固体レー
    ザであって、 レーザ媒質(1)は、その側面からポンピングされ、 楕円状の熱レンズ(11)は、複数のレーザポンプ源の
    放射を分散配置することによって調整可能であることを
    特徴とするモード同期固体レーザ。
  18. 【請求項18】 請求項15または17に記載のモード
    同期固体レーザであって、 ポンプ光の光軸(13,13‘)の傾斜が、前記レーザ
    共振器の光軸(12)に対して0度の位置において、お
    よび/または、前記レーザ共振器の光軸(12)に対し
    て90度の位置において(y−z面および/またはx−
    z面内)、0°より大きく5°より小さい範囲の角度α
    で設けられることを特徴とするモード同期固体レーザ。
  19. 【請求項19】 請求項1から18のいずれかに記載の
    モード同期固体レーザであって、 モード絞り(10)が、前記レーザ媒質の端面(15)
    と前記可飽和吸収体の間にあるレーザ光路に配置されて
    いることを特徴とするモード同期固体レーザ。
  20. 【請求項20】 請求項3に記載のモード同期固体レー
    ザであって、 出力結合ミラー(6)だけが、第1の共振器の分岐に配
    置され、前記熱レンズ(11)を有するレーザ媒質
    (1)、可飽和吸収体(9)および共振器ミラー(8)
    が、折り返しミラー(7)から延びる第2の共振器の分
    岐に連続して配置されることを特徴とするモード同期固
    体レーザ。
  21. 【請求項21】 請求項3に記載のモード同期固体レー
    ザであって、 可飽和吸収体(9)と共振器ミラー(8)が、折り返し
    ミラー(7)から連続的に延びる第1の共振器の分岐に
    配置され、また熱レンズ(11)を有するレーザ媒質
    (1)と出力結合ミラー(6)が、折り返しミラー
    (7)から延びる第2の共振器の分岐に配置されること
    を特徴とするモード同期固体レーザ。
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